JP3189378B2 - 光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装置及び光ファイバ樹脂被覆内気泡検出方法 - Google Patents

光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装置及び光ファイバ樹脂被覆内気泡検出方法

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JP3189378B2
JP3189378B2 JP12115692A JP12115692A JP3189378B2 JP 3189378 B2 JP3189378 B2 JP 3189378B2 JP 12115692 A JP12115692 A JP 12115692A JP 12115692 A JP12115692 A JP 12115692A JP 3189378 B2 JP3189378 B2 JP 3189378B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、線状体の樹脂被覆内の
気泡の検出を、非接触で全長にわたって行なう線状体樹
脂被覆内気泡検出装置および検出方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、光ファイバの樹脂被覆内の気
泡の有無の検査が行なわれている。特に、光ファイバで
は、その樹脂被覆内に気泡が混入していると、光通信に
用いた場合、光ファイバ設置後、低温時に伝送損失が増
加することがある。そのため、光ファイバ樹脂被覆中に
混入した気泡を検出することは、光ファイバの品質を保
証する上で重要な項目である。
【0003】光ファイバ内部の異常を検知する方法とし
て、特表平3−503937号公報に示されているよう
に、製造中の光ファイバの軸に垂直な方向から平行光を
照射し、その散乱光を受光し、受光量の変化を検知する
方法が考えられている。この方法においては、外観不
良、傷などの光ファイバの異常について、検出可能であ
る。しかし、この方法は、線状体表面の反射の影響が大
きく、かつ微少な外径変動や、ゴミなどで出力の変化が
生じ、気泡以外に起因する散乱光も検出してしまう。そ
のため、線状体の被覆樹脂内の気泡に起因する出力を抽
出できず、光ファイバの異常検出において最も重要な項
目である光ファイバの樹脂被覆内の気泡の検出について
は、検出能力が低いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
に鑑みてなされたもので、光ファイバの透明樹脂被覆内
の気泡の有無を、感度良く検出することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、透明樹脂被覆を有する光ファイバに照射光を照射
し、その散乱光の変化から前記透明樹脂被覆中に含まれ
る気泡を検出する光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装置に
おいて、前記光ファイバの検出領域の前記透明樹脂被覆
内に前記照射光を入射させるように前記光ファイバの長
手方向に対し斜め方向から前記検出領域に照射光を照射
する光照射手段と、前記光ファイバに対して前記照射光
の入射側の反対側に配置されて前記検出領域内に存在す
る気泡からの散乱光を受光する受光器を有することを特
徴とするものである。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装置において、前記照
射光の照射光軸と、前記光ファイバの長手方向に対し垂
直な軸とのなす角度が、5゜〜70゜であることを特徴
とするものであり、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装置に
おいて、前記照射光が、前記光ファイバの長手方向に対
し垂直な方向の直線偏光であることを特徴とするもので
ある。
【0007】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の光ファイバ樹脂被覆内気泡検
出装置において、前記受光部に前記光ファイバの長手方
向に対し垂直な方向の直線偏光を透過させる検光子を設
けたことを特徴とするものであり、請求項5に記載の発
明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光ファ
イバ樹脂被覆内気泡検出装置において、前記照射光の強
度の変化をモニタする光源出力モニタ用受光器を設け、
前記散乱光の受光レベルを補正することを特徴とするも
のである。
【0008】請求項6に記載の発明は、透明樹脂被覆を
有する光ファイバに照射光を照射し、その散乱光の変化
から前記透明樹脂被覆中に含まれる気泡を検出する光フ
ァイバ樹脂被覆内気泡検出方法において、前記光ファイ
バの検出領域の前記透明樹脂被覆内に前記照射光を入射
させるように前記光ファイバの長手方向に対し斜め方向
から前記検出領域に照射光を照射し、前記光ファイバに
対して前記照射光の入射側の反対側において前記検出領
域内に存在する気泡からの散乱光を受光して、前記散乱
光の変化から前記透明樹脂被覆中に含まれる気泡を検出
することを特徴とするものである。
【0009】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の光ファイバ樹脂被覆内気泡検出方法において、前記照
射光の照射光軸と、前記光ファイバの長手方向に対し垂
直な軸とのなす角度が、5゜〜70゜であることを特徴
とするものであり、請求項8に記載の発明は、請求項6
または7に記載の光ファイバ樹脂被覆内気泡検出方法に
おいて、前記照射光が、前記光ファイバの長手方向に対
し垂直な方向の直線偏光であることを特徴とするもので
ある。
【0010】請求項9に記載の発明は、請求項6ないし
8のいずれか1項に記載の光ファイバ樹脂被覆内気泡検
出方法において、前記受光部に前記光ファイバの長手方
向に対し垂直な方向の直線偏光を透過させる検光子を設
けたことを特徴とするものであり、請求項10に記載の
発明は、請求項6ないし9のいずれか1項に記載の光フ
ァイバ樹脂被覆内気泡検出方法において、前記照射光の
強度の変化をモニタする光源出力モニタ用受光器を設
け、前記散乱光の受光レベルを補正することを特徴とす
るものである。
【0011】
【作用】請求項1,6に記載の発明においては、光ファ
イバの検出領域の透明樹脂被覆内に照射光を入射させる
ように光ファイバの長手方向に対し斜め方向から前記検
出領域に照射光を照射し、光ファイバに対して照射光の
入射側の反対側において検出領域内に存在する気泡から
の散乱光を受光することによって、気泡からの散乱光の
光量を有効に検出できる。また、そのほかの傷、外観不
良などからの散乱光および迷光の影響を最小限にできる
から、気泡検出のS/N比を大幅に向上させることがで
き、微少な樹脂内の気泡でも検出することができる。斜
め方向の角度は、請求項2,7に記載の発明のように、
5゜〜70゜とするのがよく、より望ましくは、20゜
〜60゜、さらに望ましくは、45゜付近とするのがよ
い。
【0012】請求項3,8に記載の発明においては、照
射光を、光ファイバの長手方向と垂直な方向の直線偏光
とし、また、請求項4,9に記載の発明においては、受
光部に光ファイバの長手方向と垂直な方向の直線偏光を
透過させる検光子を設けたことにより、さらに気泡の検
出効果を高めることができる。
【0013】また、請求項5,10に記載の発明におい
ては、光源出力モニタ用受光器を設け、散乱光の受光レ
ベルを補正することにより、光源出力の時間的出力変動
の影響を受けずに、気泡の検出を行なうことができる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明による光ファイバ樹脂被覆内
気泡検出装置の一実施例の模式図であり、図1(A)は
側面図、図1(B)は平面図である。図中、1はHe−
Ne定偏光レーザー、2はミラー、3は受光器、4は被
測定光ファイバ、5はビームスプリッター、6は光源出
力モニタ用受光器である。
【0015】He−Ne定偏光レーザー1およびミラー
2によって、光照射手段を形成し、被測定光ファイバ4
の長手方向に対して斜めに光を照射する。受光器3は、
照射光の入射側に対して被測定光ファイバ4の反対側
に、被測定光ファイバ4に入射する光軸bと角度θをも
って配置される。照射光の位置および光軸角度と、受光
器の位置および角度θは、樹脂被覆内の気泡からの散乱
光が最も強く受光され、かつ気泡検出に関するS/N比
を最大にするように、最適な位置および角度で配置され
る。ビームスプリッター5は、入射側をミラーとし、反
射光を光源出力モニタ用受光器6に導くようにしてい
る。
【0016】ミラー2は必ず必要なものではなく、He
−Ne定偏光レーザー1から直接被測定光ファイバ4に
光を照射しても良い。また、ビームスプリッター5をミ
ラー2の代わりに用い、透過光を光源出力モニタ用受光
器6へ、反射光を被測定光ファイバ4へ入射させても良
い。しかし、ミラー2を用いることにより、He−Ne
定偏光レーザー1と受光器3およびその他の図示されて
いない回路等を、被測定光ファイバ4に対して片側にま
とめることができ、装置の小型化が可能となる。小型化
のために、各光路にミラーを1枚または複数枚用いて良
いことは当然であって、例えば、ビームスプリッター5
と光源出力モニタ用受光器6との間にミラーを設け、光
源出力モニタ用受光器6を、He−Ne定偏光レーザー
1および受光器3と同じ側に配置することもできる。
【0017】上述の実施例につき動作を説明する。He
−Ne定偏光レーザー1から出射された光は、光路aを
進んだのちミラー2で反射され、光路bを進み、ビーム
スプリッター5に入射する。ビームスプリッター5で反
射した照射光は、光源出力モニタ用受光器6に入射す
る。一方、ビームスプリッター5を透過した光は、光路
bを進み、線状体の長手方向に対して斜めに入射され
る。入射光は、まず空気と被測定光ファイバ4の透明の
樹脂被覆界面に入射され、被測定光ファイバ4の樹脂被
覆内を進む。被測定光ファイバ4の樹脂被覆内に気泡が
なければ、入射光の多くはそのまま直進し、光路dを進
む。気泡がある場合、気泡表面で入射光は散乱され、そ
の一部は光路cを進み、受光器3に入射する。受光器3
には、偏光フィルタおよび波長選択フィルタが内蔵され
ており、He−Ne定偏光レーザー1から出射された波
長および偏光光のみを受光する。受光器3からは受光し
た光量に従った電気信号が出力される。
【0018】本発明の理論的背景につき説明する。図2
は、本発明の理論的背景の説明図であり、透明な線状体
をモデルとしている。図中、21は空気−線状体界面、
22は気泡表面、23は線状体−空気界面、n1 は線状
体の屈折率、n2 は空気の屈折率、θ1 は入射光の空気
−線状体界面への入射角、θ2 は同出射角、θ3 は線状
体−空気界面への入射角、θ4 は同出射角、θ5 は気泡
表面における入射および散乱角、I1 は入射光の強度、
2は線状体内に入射される光の強度、I3 は気泡によ
ってθ5 の方向に散乱される光の強度、I4 は再び空気
中に出射される光の強度である。
【0019】上述の一実施例の動作の説明でも述べたよ
うに、入射光が気泡表面において散乱した光を受光する
ことを考える。図2に示すように、強度I1 の入射光は
線状体に向かい、空気−線状体界面21に角度θ1 で入
射し、角度θ2 、強度I2 で線状体内に入射される。そ
して、気泡があれば、光はその気泡表面22に角度θ5
で入射する。同じ角度θ5 の方向に散乱された光は、線
状体の入射した側とは反対の側に向かう。この時の光の
強度はI3 である。気泡で散乱された光は、線状体−空
気界面23に角度θ3 で入射し、角度θ4 、強度I4
空気中へ出射される。この光を受光することとなる。な
お、気泡は球状体として考えた。
【0020】以下、上述の光路に沿って説明する。ま
ず、空気−線状体界面21における光の入射について考
察する。図2のように、空気−線状体面21に入射光が
角度θ1 で入射し、角度θ2 で線状体内に入射するとす
れば、スネルの法則により、 n2 sinθ1 =n1 sinθ2 (1) という関係が存在する。
【0021】光の強度については、偏光成分によって線
状体内に入射される光量が違うから、入射光のP偏光成
分の強度をIP1、S偏光成分の強度をIS1、線状体内に
入射される光のP偏光成分の強度をIP2、S偏光成分の
強度をIS2とすれば、 I2 =IP2+IS2=TP1P1+TS1S1 (2) TP1=1−tan2 (θ1 −θ2 )/tan2 (θ1 +θ2 ) TS1=1−sin2 (θ1 −θ2 )/sin2 (θ1 +θ2 ) となる。
【0022】また、入射光の角度によっては、線状体表
面で全反射してしまう。故に、 (n2 /n1 )sinθ1 <1 (3) の式を満足する光のみが透過し、そのほかの光は線状体
表面で反射される。そのため、式(3)を満たす角度θ
1 から強度I1 の光を線状体に入射させる。すると、式
(1)で与えられる角度θ2 の方向に、式(2)で与え
られる強度I2 で線状体内に入射されることとなる。入
射光は、線状体内を進み、気泡がなければ線状体の入射
側とは反対側の面に到達し、再び屈折されて空気中へ出
射される。
【0023】線状体内に気泡があると、線状体に入射さ
れた入射光は気泡22で散乱される。散乱状況の説明の
ために、気泡表面22で反射および屈折される光につい
て考える。気泡表面22で全反射する場合を考えると、
その条件は、 (n1 /n2 )sinθ5 >1 (4) である。ここで、気泡内には空気が入っているものと
し、気泡内の屈折率を空気の屈折率n1 としている。全
反射の場合は、入射光と出射光の強度は等しくなる。故
に、 I3 =I2 (5) である。
【0024】気泡表面22において気泡内に光が入射す
る場合の条件は、 (n1 /n2 )sinθ5 <1 (6) である。この場合、入射光は気泡内を透過するが、一部
は反射される。反射光の強度I3 は、入射光のP偏光成
分の強度をIP2、S偏光成分の強度をIS2、反射光のP
偏光成分の強度をIP3、S偏光成分の強度をIS3とし、
透過する光の角度をθ5'とすれば、 I3 =IP3+IS3=RP2P2+RS2S2 (7) RP2=tan2 (θ5 −θ5')/tan2 (θ5 +θ5') RS2=sin2 (θ5 −θ5')/sin2 (θ5 +θ5') となる。気泡表面22においては、面の角度が各点によ
って違うので、入射光の角度θ5 がそれぞれの点によっ
て違う。そのため、気泡表面の各点における条件によっ
て反射または透過が起こる。さらに、気泡表面には凹凸
がある。したがって、気泡表面において反射される光お
よび気泡内に入射される光は散乱光と出射されることと
なる。
【0025】気泡表面において反射された光は、線状体
内を再び進み、線状体−空気界面23に達する。線状体
−空気界面23への入射光が角度θ3 で入射するとすれ
ば、スネルの法則により、 n1 sinθ3 =n2 sinθ4 (8) を満足する角度θ4 で空気中に出射することとなる。ま
た、光の強度については、入射光のP偏光成分の強度を
P3、S偏光成分の強度をIS3、空気中に出射される光
のP偏光成分の強度をIP4、S偏光成分の強度をIS4
すれば、 I4 =IP4+IS4=TP3P3+TS3S3 (9) TP3=1−tan2 (θ3 −θ4 )/tan2 (θ3 +θ4 ) TS3=1−sin2 (θ3 −θ4 )/sin2 (θ3 +θ4 ) となる。また、入射光の角度によっては、線状体内で全
反射し、空気中に透過されない。故に、 (n1 /n2 )sinθ3 <1 (10) の式を満足する光のみが透過し、そのほかの光は線状体
内で反射される。そのため、式(10)を満たす角度θ
3 からの強度I3 の光が線状体−空気面に入射したとき
に、式(8)で与えられる角度θ4 の方向に、式(9)
で与えられる強度I4 で空気中に透過することとなる。
この透過光を受光器で受光すれば、気泡からの反射光の
みを受光できることになる。
【0026】上述の考察からもわかるように、受光する
光の強度は、線状体への入射光の角度θ1 、線状体の屈
折率n1 、線状体から出射される角度θ4 および偏光に
よって変化する。これらのパラメータを考慮して、入射
光の角度および受光器の角度を決定すれば、受光器に入
射する光量を最大にすることができる。
【0027】以下、上述のパラメータによる受光量の変
化を、図3乃至図9を用いて説明する。図3および図4
は、受光器の角度を変化させたときの、気泡からの反射
光の受光量の変化を示すグラフである。このグラフは、
入射角θ1 を、図3では0゜、図4では45゜とし、受
光器の角度θ4 を変化させたときの受光量の相対値を示
している。線状体の屈折率n1 は1.495のものを用
いている。通常の光ファイバなどの屈折率は、およそ
1.5付近である。このグラフからも分かるように、線
状体への入射光は、従来のように0゜から入射させてい
たのに比べ、斜めに入射させた方が、気泡からの反射光
を約2倍以上強く受光することができる。
【0028】図5乃至図7は、入射角θ1 を変化させた
ときの、気泡からの反射光量の変化を示すグラフであ
る。これらのグラフでは、屈折率による変化を見るた
め、屈折率n1 を、それぞれ図5では1.485、図6
では2.0、図7では1.2としている。縦軸は、入射
角を決めたときに、受光器の角度を変えて最も強く受光
した時の受光量の相対値である。図7より、屈折率n1
が1.2のときに入射角θ1 が40゜付近で受光量が最
大になることが分かる。同様に、図5より、屈折率n1
が1.485のときに入射角θ1 が45゜付近で、図6
より、屈折率n1 が2.0のときに入射角θ1 が45゜
付近でそれぞれ受光量が最大になることが分かる。同じ
屈折率の線状体を用いた図5と図3とを比較すると、図
3において従来の方法による受光量の相対値が0.5程
度であったから、図5よりみて入射角が5゜〜70゜程
度であれば、従来の方法よりも大きい受光量を得ること
ができる。また、図5乃至図7のグラフから、入射角が
20゜〜60゜であれば、最大受光量の80%程度の十
分大きな受光量が得られることも分かる。このようなこ
とから、入射光は、5゜〜70゜、望ましくは20゜〜
60゜、さらに望ましくは45゜付近とすればよいこと
が分かる。
【0029】上述の屈折率の違いによる受光量の変化
は、まず、上述した式(3)、(4)、(6)、(1
0)で与えられている臨界角が異なるため、気泡表面に
おける反射の状態が変化し、また、線状体と空気との界
面における反射光量が変化したことが考えられる。さら
に、透過光の光束の太さの変化が考えられる。図8は、
透過光束の太さの変化の説明図である。図8(A)は屈
折率が小さいとき、図8(B)は屈折率が大きいときを
示している。図中、sは入射光の光束の断面積、s’、
s”は透過光の光束の断面積を示している。透過光の角
度を同じにするためには入射角を変化させる必要がある
が、この場合、図8からもわかるように、透過光の光束
の断面積は、s’よりもs”の方が大きい。そのため
に、単位面積あたりの光量は小さくなり、受光量を変化
させているものと考えられる。
【0030】図9は、入射角と、入射光と受光器の開き
角との関係を示すグラフである。図5において、入射角
θ1 を決めたときに、最大の受光量を得ることができ
る、入射光と受光器の開き角を示している。例えば、入
射角θ1 が45゜付近であれば、開き角は、90゜付
近、すなわち、出射角θ4 は、45゜付近で受光器の出
力が最大となる。
【0031】このように、受光器3は、気泡からの正反
射光を含めた散乱光を受光することになるから、入射角
θ1 、屈折率n1 、出射角θ4 などのパラメータによ
り、受光できる光量が異なってくる。そこで、本発明で
は、これらのパラメータを考慮に入れ、光ファイバにレ
ーザー光を斜めに入射させ、かつ最適な位置に受光器を
設置することにより、光ファイバの樹脂被覆内の気泡か
ら散乱され、受光器に入射する光量を最大にし、他の異
常点(外観不良、傷など)による出力に比べ気泡からの
散乱光を十分大きな出力として得ることができ、微少な
気泡の検出を有効に行なうことができる。
【0032】さらに、もう1つのパラメータである偏光
方向について説明する。上述の式(2)、(7)、
(9)で示したように、P偏光とS偏光とでは、屈折率
の異なる物質間では、反射率、透過率が異なる。例え
ば、光ファイバの樹脂被覆と、その中に含まれている気
泡との界面では、偏光状態が異なると、反射率が、2倍
以上違ってくる。偏光状態が時間的に変化するレーザー
を用いると、気泡表面でのレーザー光の反射率が時間的
に変化し、受光器3の出力が時間的に不安定となってし
まう。そのため、本発明では、常に偏光状態が一定の定
偏光レーザーを用いることにより、出力の安定化を図っ
ている。
【0033】さらに、偏光方向を、光ファイバの長手方
向に垂直な方向とすると、気泡表面での反射率が最も高
くなるとともに、樹脂被覆表面での反射率が最小とな
り、受光器3から高出力を得ることができる。また、レ
ーザー光以外の光によって、受光器3からの出力が影響
されるのを防ぐことも必要である。そのため、本発明で
は、照射されるレーザー光の偏光方向を光ファイバの長
手方向に垂直な方向とし、受光器3にレーザー光の波長
の光のみを選択する波長選択フィルタと、レーザー光の
偏光方向と同一方向の偏光のみを選択する偏光フィルタ
を内蔵することができる。これにより、レーザー光以外
の光の影響を最小限に抑えるとともに、気泡からの散乱
光を効率よく受光することができ、光ファイバの樹脂被
覆内の気泡を効果的に検知している。
【0034】一方、レーザー光の時間的な出力変動や、
偏光の変化など、装置自体の要因によって、受光信号が
変動することが確認された。レーザー光の時間的出力変
動については、光ファイバにレーザー光が入射されるま
での光路上に、ビームスプリッター5を挿入して光を分
岐し、光源出力モニタ用受光器6にてモニタする。光源
出力が変化した場合、受光器3の出力信号の増幅器の増
幅率を変化させるなどして、光源出力の変化の影響をな
くしている。
【0035】本発明の一実験例について説明する。樹脂
被覆内に気泡を混入させた光ファイバを試作し、従来の
検出装置と、本発明による光ファイバ樹脂被覆内気泡検
出装置により、気泡の検出能力を比較した。試作した光
ファイバには、気泡数が、0個/cm、30個/c
m、100個/cmと、異なった数の気泡を混入し、
時間をおいて順に検出位置に来るようにした。図10
は、本発明の光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装置による
受光器出力グラフ、図11は、従来の検出装置による受
光器出力グラフである。横軸は、光ファイバの製造時間
であり、縦軸は、受光器出力である。この出力が大きく
なるほど、気泡が数多く含まれていることを示す。この
実験の結果、図10および図11からも分かるように、
従来の装置では、、、の場合で出力のベースライ
ンは変化しているが、ノイズが多く含まれており、光フ
ァイバの樹脂被覆内に気泡が混入しているかどうかの判
断がつきにくい。それに対して、本発明の光ファイバ樹
脂被覆内気泡測定装置および測定法方では、光ファイバ
の樹脂被覆内の気泡数の多少により、出力の大小が変化
しており、かつ安定していてノイズの影響も少ないた
め、光ファイバの樹脂被覆内に気泡が存在しているかど
うかの判断が容易である。さらに、、、の場合の
受光器出力が大きく変化しているから、受光器の出力に
より光ファイバの樹脂被覆内の気泡の数を判断できる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、光ファイバにレーザー光を斜めに入射し、か
つ最適な位置に受光器を設置することにより、受光器に
おける光ファイバの樹脂被覆内の気泡からの散乱光の光
量を最大にし、他の異常点(外観不良、傷など)による
出力に比べ十分大きな出力が得られ、気泡検出に対する
S/N比の向上が図られているため、光ファイバ製造な
どの分野で、製造中の気泡の混入の有無および混入量を
正確に把握することができる。
【0037】また、常に偏光状態が一定の定偏光レーザ
ーを用い、照射されるレーザー光の偏光方向を線状体の
長手方向に垂直な方向とし、さらに受光器にレーザー光
の波長の光のみを選択する波長選択フィルタと、レーザ
ー光の偏光方向と同一方向の偏光のみを選択する偏光フ
ィルタを内蔵したから、レーザー光以外の光の影響を最
小限に抑えるとともに、気泡表面からの反射光を効率よ
く受光することができ、光ファイバの樹脂被覆内の気泡
を効果的に検知することができる。
【0038】さらに、光源出力モニタ用受光器6にてレ
ーザー光の時間的出力変動をモニタすることにより、光
源出力が変化した場合に受光器3の出力信号の増幅率を
変化させることができ、光源出力の変化の影響をなくす
ことができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装
置の一実施例の模式図である。
【図2】本発明の理論的背景の説明図である。
【図3】受光器の角度を変化させたときの、気泡からの
反射光の受光量の変化を示すグラフである。
【図4】受光器の角度を変化させたときの、気泡からの
反射光の受光量の変化を示すグラフである。
【図5】入射角θ1 を変化させたときの、気泡からの反
射光量の変化を示すグラフである。
【図6】入射角θ1 を変化させたときの、気泡からの反
射光量の変化を示すグラフである。
【図7】入射角θ1 を変化させたときの、気泡からの反
射光量の変化を示すグラフである。
【図8】透過光束の太さの変化の説明図である。
【図9】入射角と、入射光と受光器の開き角との関係を
示すグラフである。
【図10】本発明の光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装置
による受光器出力グラフである。
【図11】従来の検出装置による受光器出力グラフであ
る。
【符号の説明】
1 He−Ne定偏光レーザー 2 ミラー 3 受光器 4 被測定光ファイバ 5 ビームスプリッター 6 光源出力モニタ用受光器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 信也 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 小林 勇仁 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (56)参考文献 特開 平4−54427(JP,A) 特開 昭55−60842(JP,A) 特開 昭53−16674(JP,A) 特開 昭62−147348(JP,A) 特開 平8−261954(JP,A) 特開 平10−267859(JP,A) 特開 昭62−134545(JP,A) 実開 昭63−159757(JP,U) 実開 昭55−94553(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 G01M 11/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂被覆を有する光ファイバに照射
    光を照射し、その散乱光の変化から前記透明樹脂被覆中
    に含まれる気泡を検出する光ファイバ樹脂被覆内気泡検
    出装置において、前記光ファイバの検出領域の前記透明
    樹脂被覆内に前記照射光を入射させるように前記光ファ
    イバの長手方向に対し斜め方向から前記検出領域に照射
    光を照射する光照射手段と、前記光ファイバに対して前
    記照射光の入射側の反対側に配置されて前記検出領域内
    に存在する気泡からの散乱光を受光する受光器を有する
    ことを特徴とする光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装置。
  2. 【請求項2】 前記照射光の照射光軸と、前記光ファイ
    バの長手方向に対し垂直な軸とのなす角度が、5゜〜7
    0゜であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイ
    バ樹脂被覆内気泡検出装置。
  3. 【請求項3】 前記照射光が、前記光ファイバの長手方
    向に対し垂直な方向の直線偏光であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の光ファイバ樹脂被覆内気泡検
    出装置。
  4. 【請求項4】 前記受光部に前記光ファイバの長手方向
    に対し垂直な方向の直線偏光を透過させる検光子を設け
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載の光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装置。
  5. 【請求項5】 前記照射光の強度の変化をモニタする光
    源出力モニタ用受光器を設け、前記散乱光の受光レベル
    を補正することを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    か1項に記載の光ファイバ樹脂被覆内気泡検出装置。
  6. 【請求項6】 透明樹脂被覆を有する光ファイバに照射
    光を照射し、その散乱光の変化から前記透明樹脂被覆中
    に含まれる気泡を検出する光ファイバ樹脂被覆内気泡検
    出方法において、前記光ファイバの検出領域の前記透明
    樹脂被覆内に前記照射光を入射させるように前記光ファ
    イバの長手方向に対し斜め方向から前記検出領域に照射
    光を照射し、前記光ファイバに対して前記照射光の入射
    側の反対側において前記検出領域内に存在する気泡から
    の散乱光を受光して、前記散乱光の変化から前記透明樹
    脂被覆中に含まれる気泡を検出することを特徴とする光
    ファイバ樹脂被覆内気泡検出方法。
  7. 【請求項7】 前記照射光の照射光軸と、前記光ファイ
    バの長手方向に対し垂直な軸とのなす角度が、5゜〜7
    0゜であることを特徴とする請求項6に記載の光ファイ
    バ樹脂被覆内気泡検出方法。
  8. 【請求項8】 前記照射光が、前記光ファイバの長手方
    向に対し垂直な方向の直線偏光であることを特徴とする
    請求項6または7に記載の光ファイバ樹脂被覆内気泡検
    出方法。
  9. 【請求項9】 前記受光部に前記光ファイバの長手方向
    に対し垂直な方向の直線偏光を透過させる検光子を設け
    たことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に
    記載の光ファイバ樹脂被覆内気泡検出方法。
  10. 【請求項10】 前記照射光の強度の変化をモニタする
    光源出力モニタ用受光器を設け、前記散乱光の受光レベ
    ルを補正することを特徴とする請求項6ないし9のいず
    れか1項に記載の光ファイバ樹脂被覆内気泡検出方法。
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