JP3188610B2 - 硬貨選別機 - Google Patents

硬貨選別機

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JP3188610B2
JP3188610B2 JP20492895A JP20492895A JP3188610B2 JP 3188610 B2 JP3188610 B2 JP 3188610B2 JP 20492895 A JP20492895 A JP 20492895A JP 20492895 A JP20492895 A JP 20492895A JP 3188610 B2 JP3188610 B2 JP 3188610B2
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充 徳野
晴也 川野
徳治 清水
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Laurel Bank Machine Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀行等の金融機関
で使用される硬貨選別機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の硬貨選別機に関する技術
としては、例えば特公昭45−34084号公報に示さ
れるものがある。この公報に示される硬貨選別機は、金
種毎の硬貨径に応じて大きさが設定され、硬貨径の小さ
い金種から順に落下される複数の選別孔を有するもので
あって、これら各選別孔の上流側には、発光素子/受光
素子によって構成されるセンサがそれぞれ設けられてい
る。これらセンサは、発光素子から受光素子に向けて照
射される光線が遮られたか否かによって、該硬貨が選別
孔内に落下したか否かを検出して、該硬貨の計数を行う
ものであるが、硬貨の計数が多くなると、硬貨とともに
運ばれてきた埃や、硬貨に付着していたゴミによってセ
ンサ自体が汚れてしまい、これによって硬貨を正確に検
出することができずに誤計数される恐れがあり、また、
選別しようとする硬貨が本来入るべき選別孔に落下せ
ず、他の金種の選別孔に入ってしまうというトラブルが
生じた場合も、これを検出することができなかった。
【0003】一方、選別しようとする硬貨が本来入るべ
き選別孔に落下せず、他の金種の選別孔に入ったことを
検出する硬貨選別機としては、実公昭63−49798
号公報に示される技術がある。この公報に示される硬貨
選別機は、各選別孔の上流側にて搬送路の基準面に接す
るように設けられて、該基準面に沿って搬送される硬貨
を検出する第1のセンサ群と、各選別孔の上流側にて第
1のセンサ群に対して幅方向に間隔をおいて設けられ
て、直前の選別孔にて選別される金種より大径の硬貨で
あるか否かを検出する第2のセンサ群と、から構成され
ているものであって、硬貨計数終了時において、これら
第1、第2のセンサ群の検出結果に基づき、選別孔に対
して、予定されていない異径硬貨が混入した場合に事故
として検出できるようになっている。なお、上述した第
1のセンサ群、第2のセンサ群は、例えば発光素子/受
光素子、近接スイッチ、マイクロスイッチなどによって
構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、後者に示さ
れる硬貨選別機において、第1のセンサ群、第2のセン
サ群に、発光素子/受光素子では無く近接スイッチ、マ
イクロスイッチを使用した場合に、埃、ゴミを原因とす
る誤計数の恐れは少なくなる。しかしながら、この後者
に示される硬貨選別機では、搬送路の基準面に接するよ
うに搬送される硬貨について、選別孔への落下が正当か
ものか否かを判定するようにしており、従って、何らか
の理由で、硬貨が搬送途中に基準面から離れてしまった
場合には、実際には選別孔内に異径硬貨が落下していな
いにもかかわらず、落下したと判定することもあり、計
数終了時の異径金種の混入判定が不正確となるという新
たな問題が生じていた。また、後者に示される硬貨選別
機では、計数終了時に、第1のセンサ群、第2のセンサ
群の計数結果に基づき、異径金種の選別孔への混入が検
出できたとしても、大量の硬貨を選別処理するようなと
きに、複数の選別孔に対して異径金種が混入してしまっ
た場合には、その中から当該異径金種を取り除く作業を
することは極めて困難であり、作業が非能率となるとい
う新たな問題も生じていた。
【0005】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、(1)埃、ゴミの影響を受けず確実に硬貨
を検出できる、(2)硬貨が基準面(基準ガイドレー
ル)から離れるといった搬送の乱れが生じ、この搬送の
乱れを原因とする硬貨の誤選別をも確実に検出すること
ができる、(3)誤選別という異常が生じた場合にオペ
レータが直に対処することができる硬貨選別機の提供を
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明に示す硬貨選別機では、回転円盤から送り
出された硬貨が基準ガイドレールに案内されつつ1枚ず
つ搬送され、その途中に金種径に応じて硬貨を落下させ
るための複数の金種選別孔が小径順に形成された選別通
路を有する硬貨選別機において、回転円盤と最上流に位
置する金種選別孔との間の選別通路上に設けられて、搬
送された硬貨の少なくとも磁気的特性を検出して、該磁
気的特性を第1の硬貨判別データとして出力する硬貨判
別センサと、各金種選別孔の搬送方向上流側の近傍に設
けられて、搬送された硬貨の磁気的特性を検出して、該
磁気的特性を第2の硬貨判別データとして出力する複数
の磁気センサと、これら硬貨判別センサ、磁気センサか
らの第1、第2の硬貨判別データに基づき、各センサを
通過した硬貨の金種をそれぞれ判別するとともに、第1
の硬貨判別データに基づき判定された金種を、第2の硬
貨判別データに基づき判定された金種と比較することに
よって、金種選別孔に落下した硬貨が正当な金種か否か
を判別するデータ処理手段とから構成され、 前記データ
処理手段では、磁気センサ毎に、第1の硬貨判別データ
に基づき判別された金種を記憶する金種メモリが設けら
れており、これら各金種メモリに対して、第1の硬貨判
別データから判定された金種の中で、磁気センサにて検
出される可能性のある金種のみを、当該磁気センサに対
応した金種メモリにメモリデータとして時系列的に記憶
させた後、各メモリデータにおいて、時系列的に古い金
種が、各磁気センサから出力された第2の硬貨判別デー
タに基づき判定された金種に一致しているか否かをそれ
ぞれ比較し、一致するとの比較結果を得た場合にメモリ
データから当該金種を消去することを特徴とする。
【0007】
【0008】
【0009】第の発明に示す硬貨選別機では、第
発明に示されるデータ処理手段を以下のように構成した
ことを特徴とする。すなわち、前記データ処理手段で
は、各メモリデータにおいて、時系列的に古い金種が、
各磁気センサから出力された第2の硬貨判別データに基
づき判定された金種に一致しているか否かをそれぞれ比
較し、不一致であるとの比較結果を得た場合に異常であ
ることを示すアラームを出力することを特徴とする。
【0010】そして、以上のように構成された第1の発
明の硬貨選別機では、各金種選別孔の搬送方向上流側の
近傍に設置されて、硬貨の磁気的特性を検出する磁気セ
ンサからの硬貨判別データに基づき、該磁気センサを通
過した硬貨の金種を判別するとともに、その判別結果に
基づき、金種選別孔に落下した硬貨が正当な金種か否か
を判別するようにしている、すなわち、磁気センサによ
って検出される硬貨の磁気的特性に基づいて該硬貨を判
別するようにしているので、該センサに埃、ゴミが付着
した場合であってもその影響を受けず確実に硬貨判別を
行うことができる。また、上記磁気センサは、各金種選
別孔の搬送方向上流側の近傍に配置されるものであり、
必ずしも基準ガイドレールに接触するように位置させる
必要が無いものであるので、硬貨の搬送に乱れが生じた
場合であっても、磁気センサによって硬貨の磁気的特性
を確実に検出することが可能となる。
【0011】第2の発明の硬貨選別機では、回転円盤と
最上流に位置する金種選別孔との間の選別通路上に、硬
貨の磁気的特性を検出する硬貨判別センサを設け、かつ
各金種選別孔の搬送方向上流側の近傍に、搬送された硬
貨の磁気的特性を検出する複数の磁気センサを設け、更
に、これらセンサから出力される硬貨判別データに基づ
き、該センサを通過した硬貨の金種を判別するととも
に、その判別結果に基づき、金種選別孔に落下した硬貨
が正当な金種か否かを判別するようにしている。すなわ
ち、本発明では、磁気センサによって検出される硬貨の
磁気的特性に基づいて該硬貨を判別するようにしている
ので、該センサに埃、ゴミが付着した場合であってもそ
の影響を受けず確実に硬貨判別を行うことができる。ま
た、上記磁気センサは、各金種選別孔の搬送方向上流側
の近傍に配置されるものであり、必ずしも基準ガイドレ
ールに接触するように位置させる必要が無いものである
ので、硬貨の搬送に乱れが生じた場合であっても、磁気
センサによって硬貨の磁気的特性を検出することが可能
となる。
【0012】第3の発明に示される硬貨選別機のデータ
処理手段では、磁気センサ毎に、第1の硬貨判別データ
に基づき判別された金種を記憶させる金種メモリが設け
られており、これら各金種メモリに対して、第1の硬貨
判別データから判定された金種の中で、磁気センサにて
検出される可能性のある金種のみを、当該磁気センサに
対応した金種メモリにメモリデータとして時系列的に記
憶させた後、各メモリデータにおいて、時系列的に古い
金種が、各磁気センサから出力された第2の硬貨判別デ
ータに基づき判定された金種に一致しているか否かをそ
れぞれ比較し、一致するとの比較結果を得た場合にメモ
リデータから当該金種を消去するようにしており、この
ようなデータ処理手段でのデータ処理によって、各金種
選別孔に該当する金種が確実に落下したか否かを判断す
ることができる。
【0013】第4の発明に示される硬貨選別機のデータ
処理手段では、各メモリデータにおいて、時系列的に古
い金種が、各磁気センサから出力された第2の硬貨判別
データに基づき判定された金種に一致しているか否かを
それぞれ比較し、不一致であるとの比較結果を得た場合
に異常であることを示すアラームを出力するようにして
いるので、このアラーム出力に基づき、オペレータは上
述した誤選別を早期かつ確実に知ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図9に基づいて説明する。図1〜図3にて符号1で示
すものは入金したバラ硬貨を受け入れて金種別に分類し
て収納する入金部、符号2で示すものは入金部1から供
給された硬貨を包装単位枚数集積して包装する包装部、
符号3で示すものは包装部2から供給された棒金を金種
別に収納する棒金収納部である。以下、これら入金部
1、包装部2、棒金収納部3の構成について詳細に説明
する。
【0015】《入金部1について》図1、図2に示すよ
うに機体100の上面には入金口シャッタ4によって開
閉される入金口5が設けられ、この入金口5の直下に
は、該入金口5を介して外部から投入されたバラ硬貨を
受け入れる補給円盤6が設けられている。補給円盤6は
垂直軸を中心として水平面内で回転するように設けられ
ているものであって、該補給円盤6が回転した際に生じ
る遠心力によって、該補給円盤6内の硬貨が、隣接配置
されている回転円盤7に送られる。回転円盤7も補給円
盤6と同様に垂直軸を中心として水平面内で回転するよ
うに設けられているものであって、回転した際に生じる
遠心力によって、該回転円盤7内の硬貨が該回転円盤7
の接線方向に設けられた選別部8に向けて送られる。な
お、これら補給円盤6と回転円盤7の周縁はそれぞれガ
イド壁6A・7Aによって囲まれているが、これらガイ
ド壁6A・7Aは補給円盤6と回転円盤7との隣接部分
のみが欠落して、該隣接部分にて補給円盤6と回転円盤
7とが連通されており、これによって補給円盤6から回
転円盤7に硬貨が受け渡されるようになっている。ま
た、補給円盤6は間欠的に駆動され、これによって補給
円盤6から回転円盤7に徐々に硬貨が送られるようにな
っている。
【0016】硬貨選別機8について図5を参照して詳細
に説明すると、回転円盤7の接線方向でありかつ水平方
向に間隔をおいて配置された基準ガイドレールR1〜R
2とR3〜R5との間には、該回転円盤7から供給され
た硬貨が一枚ずつ搬送される選別通路9が設けられ、ま
た、該選別通路9に沿う上方位置には、硬貨を上側から
押し付けることにより該選別通路9に沿って硬貨をスラ
イドさせる搬送ベルト10A〜10Cが設けられてい
る。この搬送ベルト10A〜10Cは、水平軸を中心と
して回転するプーリP1〜P4に巻回されるとともに、
全体が選別通路9の一方側の基準ガイドレールR3〜R
5に向けて漸次近接するように配置されているものであ
って、このような搬送ベルト10A〜10Cによって、
選別通路9内の硬貨の周縁部が、該基準ガイドレールR
3〜R5に押し付けられつつ搬送される。また、搬送ベ
ルト10Cを巻回するプーリは搬送ベルト10Bを巻回
するプーリよりも径が大きく、また、搬送ベルト10B
を巻回するプーリは搬送ベルト10Aを巻回するプーリ
よりも径が大きく設定されており、これにより、硬貨が
下流に進むに従って該硬貨が加速して、前後に位置する
硬貨間の間隔が大きくなる。
【0017】一方、回転円盤7の近傍に位置する選別通
路9には、硬貨の真偽、汚損、金種を判別するための硬
貨判別センサ70と、不良硬貨振分部材80とが設けら
れている。硬貨判別センサ70は、磁気センサあるいは
導電性センサ等からなる材質センサS1、選別通路9を
横断するように配置されたイメージラインセンサあるい
はフォトアレイ等からなる径センサS2からなるもので
あって、材質センサS1にて検出された硬貨の材質、径
センサS2によって検出された硬貨の径に基づき、該硬
貨の金種、真偽、汚損が判別されるようになっている。
【0018】不良硬貨振分部材80は、選別通路9から
退避した退避位置と、該選別通路9内に突出した突出位
置との間で移動自在に設けられているものであって、硬
貨判別センサ70により「偽」及び「汚損」と判別され
た場合に、不良硬貨振分部材80が退避位置から突出位
置に移動して、該不良硬貨をリジェクト孔86に案内す
る。そして、リジェクト孔86に案内された不良硬貨
は、該リジェクト孔86に接続されたシュート14を通
じて落下する(図2参照)。また、このシュート14の
途中には経路切換板14Aが設けられており、この経路
切換板14Aでは、硬貨判別センサ70による判別結果
に基づき「偽」と判別された硬貨をリジェクトボックス
12に案内し、「汚損」と判別された硬貨を汚損貨ボッ
クス13に案内する。なお、硬貨がリジェクト孔86上
を通過する際には、基準ガイドレールR3側に位置する
硬貨の一方側の縁部は、リジェクト孔86側に突出した
選別通路9の案内レール(符号9Aで示す)に支持され
る。しかし、不良硬貨振分部材80が退避位置から突出
位置にまで移動した場合には、硬貨が、基準ガイドレー
ルR3から離れた選別通路9の中央に案内されることか
ら、選別通路9の案内レール9Aに支持されなくなり、
これによって該硬貨がリジェクト孔86内に落下するこ
とになる。
【0019】一方、リジェクト孔86の下流側に位置す
る選別通路9上には、硬貨径に対応して大きさが設定さ
れた複数の金種選別孔11A〜11Fが設けられてい
る。これら金種選別孔11A〜11Fでは、上流側に位
置するもの程、孔の径(厳密に言えば、基準ガイドレー
ルR5からの金種選別孔11A〜11Fの縁部までの長
さ:符号k1〜k6で示す)が小さく、硬貨径の小さい金
種がより上流側で選別されるようになっている。従っ
て、日本の硬貨であれば、金種選別孔11Aにて1円硬
貨、金種選別孔11Bにて50円硬貨、金種選別孔11
Cにて5円硬貨、金種選別孔11Dにて100円硬貨、
金種選別孔11Eにて10円硬貨、金種選別孔11Fに
て500円硬貨がそれぞれ選別されるようになってい
る。なお、硬貨が金種選別孔11A〜11F上を通過す
る際には、基準ガイドレールR5側に位置する硬貨の一
方側縁部は、選別通路9の案内レール(符号9Bで示
す)に支持され、かつ該硬貨の他方側縁部は、金種選別
孔11A〜11Fを挟んで反対側に位置する案内レール
(符号9Cで示す)に支持される。そして、このような
構成によって、硬貨径の小さい金種程、より上流側にて
案内レール9Cに支持されなくなり、硬貨径の小さい金
種から順番に、対応する金種選別孔11A〜11Fに順
番に落下されることになる。
【0020】また、各金種選別孔11A〜11Fの入口
近傍でかつ該入口の上流側には、磁気センサ71A〜7
1Fがそれぞれ設けられており、これら各磁気センサ7
1A〜71Fによって硬貨の材質に基づく金種判別及び
該硬貨の計数が行なわれる。具体的には、金種選別孔1
1Aの直前の磁気センサ71Aによってアルミからなる
1円硬貨を検出し、金種選別孔11Bの直前の磁気セン
サ71Bによって白銅からなる50円硬貨を検出し、金
種選別孔11Cの直前の磁気センサ71Cによって黄銅
からなる5円硬貨を検出し、金種選別孔11Dの直前の
磁気センサ71Dによって白銅からなる100円硬貨を
検出し、金種選別孔11Eの直前の磁気センサ71Eに
よって青銅からなる10円硬貨を検出し、金種選別孔1
1Fの直前の磁気センサ71Fによって白銅からなる5
00円硬貨を検出する。なお、上記実施例では、図5に
示されるように、磁気センサ71A〜71Fを、基準ガ
イドレールR5に接した位置に設けるようにしている
が、これに限定されず、金種選別孔11A〜11Fの上
流側であり、かつ基準ガイドレールR5から若干離れた
位置に設けるようにしても良い。また、硬貨の中で、5
0円硬貨、100円硬貨、500円硬貨は合金であっ
て、金種によって金属の混合比率が異なるものであるの
で、その混合比率に基づく磁気的特性の相違から、磁気
センサ71B・71D・71Fにてこれら硬貨の金種判
別及び計数を行うようにする。
【0021】一方、金種選別孔11A〜11F内の硬貨
搬送経路には、図2に示すように金種選別孔11A〜1
1F内に落下した硬貨を一時庫15〜20にそれぞれ案
内するためのシュート29が設けられている。これら一
時庫15〜20はそれぞれが筒状に形成されて、その底
部が、機体100に固定された固定板27によって塞が
れている。また、これら一時庫15〜20は、図2に示
すように機体100の前後方向(矢印aーb方向)に向
けて移動可能な経路切換手段82に搭載されているもの
であって、停止位置(図2で示される位置)から後方側
(矢印a方向)に移動した場合に、一時庫15〜20の
底部が固定板27の位置からずれて、該一時庫15〜2
0の底部が開口され、これによって該一時庫15〜20
内の一時貯留硬貨が下方に位置する固定収納庫21〜2
6に供給される。また、前記一時庫15〜20が停止位
置(図2で示される位置)から前方側(矢印b方向)に
移動した場合に、一時庫15〜20の底部が固定板27
の位置から前方側にずれて、該一時庫15〜20の底部
が開口され、これによって該一時庫15〜20内の一時
貯留硬貨が下方に位置する返却ボックス67に供給され
る。この返却ボックス67は機体100に対して脱着自
在に構成されているものであって、この返却ボックス6
7を通じて一時貯留硬貨がオペレータに返却される。
【0022】また、一時庫15〜20の下方に設けられ
ている固定収納庫21〜26は、これら一時庫15〜2
0の金種に対応して設けられているものであって、これ
ら固定収納庫21〜26の底部には操作部(図示略)か
らの包装指示に基づき開閉するシャッタ21A〜26A
が設けられている。また、これら各固定収納庫21〜2
6には、発光素子及び受光素子によって構成され、これ
ら発光素子からの受光素子に向けて発せられた光が、内
部に集積された硬貨によって遮られるか否かによって、
内部がフル状態になったか否かを検出する収納庫フル検
出センサ(図示略)が設けられている。
【0023】《包装部2について》図1、図2に示され
るように、固定収納庫21〜26の下方には、これら固
定収納庫21〜26から供給された硬貨を受け入れる2
つの補給円盤30・31と、該補給円盤31に隣接する
ように回転円盤32が設けられている。これら補給円盤
30、補給円盤31、回転円盤32は、上述した補給円
盤6、回転円盤7と同様に、互いに隣接するように設け
られており、補給円盤30・31の間欠的な駆動によっ
て、補給円盤30から補給円盤31へ、更には補給円盤
31から回転円盤32へと硬貨が順次送られるようにな
っている。
【0024】また、回転円盤32には、該回転円盤32
の接線方向に沿うように搬送通路33が設けられてい
る。搬送通路33は、上方に配置された搬送ベルト34
が硬貨を上側から押し付けた状態で、該搬送ベルト34
を駆動することにより硬貨をスライドさせるものであっ
て、この搬送通路33の途中には、硬貨を計数するため
の判別部(図示略)、硬貨を計数シュート35あるいは
集積筒36のいずれかに振り分ける振分機構(図示略)
が設けられている。なお、この搬送通路33は、通路幅
調整機構(図示略)によって金種に応じて通路幅が調整
される。計数シュート35は回転円盤32から供給され
た硬貨を、バラの状態で一括して受け取るために設けら
れているものであって、例えば、この計数シュート35
に硬貨袋を直接取り付けることによって硬貨の袋詰めを
行うことも可能である。
【0025】集積筒36は、回転円盤32から供給され
た硬貨を集積するためのものであって、その底部には、
図1に示すように矢印(イ)ー(ロ)方向に移動自在な
集積硬貨載置板36Aが設けられている。この集積硬貨
載置板36Aは図1に示す矢印(イ)方向側にある場合
にその上面に集積筒36内に放出された集積硬貨を載置
し、また、矢印(ロ)方向に移動した場合に、該集積筒
36内の集積硬貨をシュート68を通じて下方の正貨回
収ボックス41に回収させる。なお、集積硬貨載置板3
6Aが矢印(ロ)方向に移動することによる、集積筒3
6内の集積硬貨の正貨回収ボックス41への回収は、該
集積硬貨が包装単位枚数(50枚)に満たない端数硬貨
である場合に行われる。一方、この集積筒36にて包装
単位枚数(50枚)の硬貨が集積された場合には、一対
の挟持棒37によって該集積硬貨の上端面と下端面とを
挟み付けることによって、該集積硬貨が包装ローラ38
の間に移動される。
【0026】包装ローラ38は3本が互いに近接・離間
するように設けられているものであって、これら包装ロ
ーラ38が離間状態にあるときに、該包装ローラ38の
間に、挟持棒37によって挟持された集積硬貨が送ら
れ、その後、該包装ローラ38が互いに近接することに
よって該包装ローラ38間に集積硬貨が挟持される。そ
して、この状態で包装ローラ38を回転させつつ、これ
ら包装ローラ38と集積硬貨との間に、包装紙供給手段
(図示略)から供給された包装紙28の先端部を送り込
むことによって、集積硬貨の周囲に包装紙28が巻回さ
れ、その後、カッタ(図示略)によって包装紙28を切
断した後、該包装紙28の上部と下部とを加締爪69に
よって加締めることによって、集積硬貨に包装紙28を
巻回してなる棒金が作成される。なお、集積硬貨を包装
紙で巻回して棒金を作成するための包装系機構は公知技
術であるので詳細な構成については説明を省略する。
【0027】また、包装ローラ38の直下には図1、図
2に示すようにロールシュート39が設けられている。
このロールシュート39は上下方向に配置されているも
のであって、このロールシュート39の下端部には開閉
自在な放出扉40が設けられ、更にこの放出扉40の下
方位置には、包装単位枚数に満たない端数硬貨、包装不
良によるバラ硬貨を収納する正貨回収ボックス41が設
けられている。また、正貨回収ボックス41の上方位置
には棒金横搬送装置42(後述する)の受け皿43が配
置されるようになっている。受け皿43は矢印(イ)ー
(ロ)方向に移動自在に設けられているものであって、
矢印(イ)方向側に配置されている場合に、正貨回収ボ
ックス41の上部開口を塞ぎ、かつ図1の紙面と直交す
る方向に配置され、この状態でロールシュート39から
供給された棒金をその上面に載置する。
【0028】次に、この棒金横搬送装置42について図
4を参照して詳細に説明する。前記受け皿43は、駆動
モータ90によって駆動される伝導ベルト91に固定さ
れたスライダー92上に、垂直軸43Aを中心として水
平面内で回転自在に設けられているものであって、駆動
モータ90からの動力伝達によって矢印(イ)ー(ロ)
方向に移動する。また、受け皿43の下部にはカムフォ
ロア93が固定され、また、機体100側にはレール状
のカム94が固定されており、スライダー92とともに
受け皿43が矢印(イ)ー(ロ)方向に移動した場合
に、該カムフォロア93がレール状のカム94に案内さ
れ、これによりスライダー92上の受け皿43が垂直軸
43Aを中心として水平面内で90゜回転する。
【0029】そして、以上のような構成によって、スラ
イダー92が矢印(イ)方向側にある「棒金受取位置」
に配置されている場合に、該スライダー92上の受け皿
43が図4に示されるように配置され、この位置にて、
ロールシュート39から供給された棒金を該受け皿43
上に載置させることができる。そしてその後、スライダ
ー92が矢印(ロ)方向に移動した場合に、カム94の
案内によって、受け皿43が垂直軸43Aを中心として
90゜回転し、これによって受け皿43上が矢印(イ)
ー(ロ)に沿うように方向転換されて、「バラ硬貨回収
・棒金受渡位置」に配置される。そして、「バラ硬貨回
収・棒金受渡位置」にまで移動した状態で、垂直軸95
Aを中心として水平面で回動する押し込みアーム95に
よって、受け皿43上の棒金が、該受け皿43から棒金
収納部3の第1リフト部44(図3参照)に押し出され
る。一方、受け皿43が「バラ硬貨回収・棒金受渡位
置」にまで移動したときには、放出扉40の下方に位置
する正貨回収ボックス41の上部は開口された状態にあ
り、この状態で、放出扉40から放出された包装不良の
バラ硬貨が正貨回収ボックス41に回収可能となる。ま
た、「バラ硬貨回収・棒金受渡位置」にまで移動した受
け皿43は、駆動モータ90からの動力伝達によってス
ライダー92が矢印(イ)方向に移動した場合に、カム
94の案内によって先と逆方向に90゜回転し、これに
より上述した「棒金受取位置」に再度配置される。
【0030】《棒金収納部3について》図3に示される
ように、第1リフト部44は昇降機構45によって昇降
自在に設けられているものであって、降下位置におい
て、矢印(ロ)方向の末端に配置された受け皿43と一
直線状にかつ隣接するように配置され、押し込みアーム
95によって受け皿43から矢印(ロ)方向に送り出さ
れた棒金が、第1リフト部44上に受け入れられるよう
になっている。また、この第1リフト部44はバネ材に
よって片持ちで支えられており、その上面に棒金が載置
された場合に、該棒金の自重によって、バネ材の付勢力
に抗して傾斜する。また、昇降機構45の反対側であり
かつ第1リフト部44の先端部側近傍には、上下方向に
沿うようにガイド板46が配置されており、このガイド
板46によって、第1リフト部44が傾斜した際に該第
1リフト部44上に載置されている棒金を側方から支持
する。また、このガイド板46は、第1リフト部44が
上方にて停止する上昇位置では欠落しており、これによ
って第1リフト部44が棒金を載置した状態で上昇位置
にまで移動した場合に、該棒金はガイド板46の支えを
失って矢印(ハ)方向に転動する。
【0031】また、棒金が転動する経路の途中には放出
切換板47が設けられている。この放出切換板47は、
図3に二点鎖線で示す回収位置にある場合に該棒金を機
外放出口48に案内し、また、図3に実線で示す受取位
置にある場合に該棒金を第2リフト部49に案内する。
機外放出口48は機体100の前面側に設けられている
ものであって、この機外放出口48を介して棒金が外部
に放出される。また、第2リフト部49は、昇降機構4
9Aによって昇降自在に設けられているものであって、
下降位置にて第1リフト部44から送られた棒金を載置
した後、金種毎に設けられた複数の棒金トレー50〜5
7の一つに該棒金を案内するために上昇する。また、棒
金トレー50〜57の前面側には、第2リフト部49上
の棒金の搬送経路に位置し、該第2リフト部49によっ
て運搬された棒金を掬い上げるフォーク61と、該フォ
ーク61を昇降させる昇降機62とから構成される棒金
収納装置63が設けられている。
【0032】そして、第2リフト部49に載置されて上
昇した棒金は、棒金トレー50〜57の入口付近に予め
待機していた棒金収納装置63のフォーク61に掬い上
げられることによって、所定の棒金トレー50〜57に
案内される。また、これら棒金トレー50〜57のぞれ
ぞれには、フォーク61によって掬い上げられた棒金を
棒金トレー50〜57内に押し込んで整列させるための
整列装置58が設けられている。この整列装置58は、
各棒金トレー50〜57の前部上方位置に水平軸を中心
として設けられた揺動自在な押込アーム59と、該押込
アーム59を駆動させる駆動機構60とから構成されて
いるものであって、棒金トレー50〜57の前部に棒金
が投入された場合に、押込アーム59の揺動によって該
棒金が棒金トレー50〜57内に押し込まれて整列させ
られる。なお、前記棒金収納装置63では、第2リフト
部49上の棒金がフォーク61を押し上げて上昇通過し
た後、該第2リフト部49が該フォーク61の位置を通
過して下降する際に、該フォーク61が、第2リフト部
49上の棒金を掬い取ることによって、該棒金が、棒金
トレー50〜57の一つに案内される。
【0033】次に、硬貨選別機8(図5参照)にて搬送
された硬貨を計数判別するデータ処理手段110の制御
内容について、図5〜図9を参照して説明する。このデ
ータ処理手段110は、図6のブロック図に示すよう
に、材質センサS1、径センサS2及び磁気センサ71
A〜71Fから出力された硬貨判別データが入力され、
この硬貨判別データに基づき、金種選別孔11A〜11
F内に落下した硬貨が、各金種選別孔11A〜11Fに
設定された該当金種か否かを判別する(すなわち、正当
な金種か否かを判別する)とともに、各金種選別孔11
A〜11F内に落下した硬貨の各金種毎の枚数を計数す
る。
【0034】また、このデータ処理手段110には、表
示部111、音声出力部112、駆動部113が接続さ
れており、表示部111に対して金種別の計数判別結果
を表示させ、また、異常が検出された場合に、これら表
示部111、音声出力部112に対して異常を出力(表
示、音声出力)させる。また、駆動部113は、補助円
盤6、回転円盤7、搬送ベルト10A〜10Cを駆動す
る駆動モータによって構成されるものであって、データ
処理手段110からの駆動信号に基づきその駆動が制御
される。また、データ処理手段110内には、磁気セン
サ71A〜71F毎に金種メモリMA〜MFが設けられ
ており、これら金種メモリMA〜MFに対して、硬貨判
別センサ70にて判別された金種がメモリデータとして
書き込まれるようになっている
【0035】まず、図7のフローチャート及び図8の説
明図を参照して、搬送ベルト10A〜10Cが駆動され
て選別通路9に沿って硬貨が搬送された場合における、
硬貨判別センサ70からの硬貨判別データに基づくデー
タ処理について説明する。 《ステップ1》硬貨判別センサ70から出力される硬貨
判別データに基づいて、該硬貨判別センサ70を硬貨が
通過したか否かを判断し、YESの場合に次のステップ
2に進む。 《ステップ2》硬貨判別センサ70から出力される硬貨
判別データに基づいて、該硬貨判別センサ70を通過し
た硬貨が真、偽、正、損であるか否かを判別するととも
に、該硬貨が真でかつ正である場合に、該硬貨の金種を
判別する。なお、このステップ2における硬貨の真、
偽、正、損及び金種判別方法は公知技術であり、詳細な
説明は省略する。 《ステップ3》ステップ2での判別結果に基づき、硬貨
が偽又は損であると判別された場合に先のステップ1に
戻り、該硬貨が真でかつ正と判別された場合に次のステ
ップ4以降に進む。
【0036】《ステップ4》〜《ステップ5》ステップ
2での判別結果に基づいて、硬貨判別センサ70を通過
した硬貨の金種が「1円」であるか否かを判断し(ステ
ップ4)、YESの場合にステップ5に進み、このステ
ップ5にて、1円硬貨が通過する可能性のある磁気セン
サ71Aの金種メモリMAに対して、1円硬貨を示すメ
モリデータを書き込み、その後、先のステップ1に戻
る。また、ステップ4にて、硬貨判別センサ70を通過
した硬貨の金種が「1円」で無いと判断した場合には、
次のステップ6に進む。 《ステップ6》〜《ステップ7》ステップ2での判別結
果に基づいて、硬貨判別センサ70を通過した硬貨の金
種が「50円」であるか否かを判断し(ステップ6)、
YESの場合にステップ7に進み、このステップ7に
て、50円硬貨が通過する可能性のある磁気センサ71
A〜70Bの各金種メモリMA〜MBに対して、50円
硬貨を示すメモリデータを書き込み(図8参照)、その
後、先のステップ1に戻る。また、ステップ6にて、硬
貨判別センサ70を通過した硬貨の金種が「50円」で
無いと判断した場合には、次のステップ8に進む。
【0037】《ステップ8》〜《ステップ9》ステップ
2での判別結果に基づいて、硬貨判別センサ70を通過
した硬貨の金種が「5円」であるか否かを判断し(ステ
ップ8)、YESの場合にステップ9に進み、このステ
ップ9にて、5円硬貨が通過する可能性のある磁気セン
サ71A〜70Cの各金種メモリMA〜MCに対して、
5円硬貨を示すメモリデータを書き込み、その後、先の
ステップ1に戻る。また、ステップ8にて、硬貨判別セ
ンサ70を通過した硬貨の金種が「5円」で無いと判断
した場合には、次のステップ10に進む。 《ステップ10》〜《ステップ11》ステップ2での判
別結果に基づいて、硬貨判別センサ70を通過した硬貨
の金種が「100円」であるか否かを判断し(ステップ
10)、YESの場合にステップ11に進み、このステ
ップ11にて、100円硬貨が通過する可能性のある磁
気センサ71A〜70Dの各金種メモリMA〜MDに対
して、100円硬貨を示すメモリデータを書き込み(図
8参照)、その後、先のステップ1に戻る。また、ステ
ップ10にて、硬貨判別センサ70を通過した硬貨の金
種が「100円」で無いと判断した場合には、次のステ
ップ12に進む。
【0038】《ステップ12》〜《ステップ13》ステ
ップ2での判別結果に基づいて、硬貨判別センサ70を
通過した硬貨の金種が「10円」であるか否かを判断し
(ステップ12)、YESの場合にステップ13に進
み、このステップ13にて、10円硬貨が通過する可能
性のある磁気センサ71A〜70Eの各金種メモリMA
〜MEに対して、10円硬貨を示すメモリデータを書き
込み(図8参照)、その後、先のステップ1に戻る。ま
た、ステップ12にて、硬貨判別センサ70を通過した
硬貨の金種が「10円」で無いと判断した場合には、次
のステップ14に進む。
【0039】《ステップ14》〜《ステップ15》ステ
ップ2での判別結果に基づいて、硬貨判別センサ70を
通過した硬貨の金種が「500円」であるか否かを判断
し(ステップ14)、YESの場合にステップ15に進
み、このステップ15にて、500円硬貨が通過する可
能性のある磁気センサ71A〜71Fの各金種メモリM
A〜MFに対して、500円硬貨を示すメモリデータを
書き込み(図8参照)、その後、先のステップ1に戻
る。また、ステップ14にて、硬貨判別センサ70を通
過した硬貨の金種が「500円」で無いと判断した場合
には先のステップ1に戻る。なお、上述したステップ5
・7・9・11・13・15においては、磁気センサ7
1A〜71Fに対応した各金種メモリMA〜MFに対し
て、複数の金種を表すメモリデータが記憶されるが、こ
のとき、これらの各メモリデータは記憶した順番に時系
列的に並べるようにする。
【0040】次に、磁気センサ71A〜71Fから出力
される硬貨判別データに基づくデータ処理を図9に示さ
れるフローチャートを参照して説明する。なお、以下の
フローチャートで示される処理は、各磁気センサ71A
〜71Fからそれぞれ出力される硬貨判別データに基づ
き、磁気センサ71A〜71F毎にそれぞれ並行して実
行されるものである。
【0041】《ステップ20》磁気センサ71A〜71
Fから出力される硬貨判別データに基づいて、該磁気セ
ンサ71A〜71F上を硬貨が通過したか否かを判断
し、YESの場合に次のステップ21に進む。 《ステップ21》ステップ20の硬貨判別データに基づ
いて、磁気センサ71A〜71Fを通過した硬貨の金種
を判別する。
【0042】《ステップ22》ステップ21にて判別さ
れた金種が、磁気センサ71A〜71Fに対応した金種
メモリMA〜MF内のメモリデータの一番古いもの(ス
テップ5・7・9・11・13・15にて記憶されて最
も時間が経過したメモリデータ)に一致したか否かを判
断し、YESの場合に次のステップ23に進み、NOの
場合にステップ24に進む。具体例を挙げれば、図8に
示されるように、例えば金種メモリMBに最初に記憶さ
れている金種が「10円」であるにもかかわらず、ステ
ップ21で判別した金種が次の「50円」である場合、
該10円硬貨が、上流の金種選別孔11Aで落下した可
能性が大きいために、このステップ22にて選別異常と
判定してステップ24に進む。また同様に、例えば金種
メモリMCにおいても最初に記憶されている金種が「1
0円」であるにもかかわらず、ステップ21で判別した
金種が次の「100円」である場合、該10円硬貨が、
上流の金種選別孔11Aあるいは11Bで落下した可能
性が大きいために、このステップ22にて選別異常と判
定してステップ24に進む。
【0043】《ステップ23》ステップ22にて一致し
たと判断されたメモリデータを消去して、該メモリデー
タ以降のメモリデータを繰り上げた後、先のステップ2
0に戻る。また、このステップ23では硬貨の判別を行
う毎に計数値を1ずつアップさせる。なお、この計数値
は、一時庫15〜20内の硬貨が固定収納庫21〜26
又は返却ボックス67に供給されたときにクリアされ
る。 《ステップ24》選別異常が発生したとして、表示部1
11に対して異常を示す表示を行わせるためのアラーム
信号、音声出力部112に対して異常を示す警報音を出
力させるためのアラーム信号を出力する。また、これと
同時に、補助円盤6、回転円盤7、搬送ベルト10A〜
10Cを駆動する駆動部113を停止させるための停止
信号を出力する。そして、このステップ24によって、
オペレータは異常が発生した一時庫15〜20内の一時
貯留硬貨を確認することができ、早期に異常を解消させ
ることが可能となる。
【0044】各金種選別孔11A〜11F内に選別され
る硬貨の計数においては、ステップ23で計数された計
数値と、下流側に隣接する磁気センサからの硬貨判別デ
ータに基づく計数値(並行して実行された本フローチャ
ートのステップ23から供給される)との差から、各金
種選別孔11A〜11F内に選別された硬貨の枚数を計
算した後、この計算結果を表示部111に対して表示さ
せる。例をあげると、磁気センサ71Aから出力された
硬貨判別データに基づき、本フローチャートが実行され
ている場合には、ステップ23で計数された計数値と、
下流側に隣接する磁気センサ71Bからの硬貨判別デー
タに基づく計数値(同様に、磁気センサ71Bからの硬
貨判別データに基づき、並行して実行されるフローチャ
ートのステップ23から供給される)との差から、金種
選別孔11A内に選別された硬貨(金種選別孔11Aの
場合は1円硬貨)の枚数を計算した後、この計算結果を
表示部111に対して表示させる。また同様に、磁気セ
ンサ71Bから出力された硬貨判別データに基づき、本
フローチャートが実行されている場合には、ステップ2
3で計数された計数値と、下流側に隣接する磁気センサ
71Cからの硬貨判別データに基づく計数値(同様に、
磁気センサ71Cからの硬貨判別データに基づき、並行
して実行されるフローチャートのステップ23から供給
される)との差から、金種選別孔11B内に選別された
硬貨(金種選別孔11Bの場合は50円硬貨)の枚数を
計算した後、この計算結果を表示部111に対して表示
させる。なお、磁気センサ71Fの下流側には磁気セン
サが存在せず、この場合に限り、ステップ23で計数し
た計数値をそのまま500円硬貨の計数値として表示部
111に表示させる。また、各金種選別孔11A〜11
F内に選別された硬貨の枚数の算出は、その処理中に行
っても良いし、処理終了時に一括して行うようにしても
良い。更に、上記する計数の他に、硬貨判別センサ70
にて判別する硬貨の金種別の計数を行なわせ、磁気セン
サ71Aが、該判別された硬貨の通過を検知した時点
で、その計数を確定させるようにしても良い。また、前
記硬貨判別センサ70にて汚損と判別された硬貨は真貨
であり、その金種も硬貨判別センサ70にて判別されて
いるため、入金された全ての真貨の計数を行う場合に
は、前記各金種選別孔11A〜11F内に選別された硬
貨の計数値に、硬貨判別センサ70にて判別された汚損
硬貨の計数値を加算するようにすれば良い。
【0045】以上詳細に説明したような硬貨選別機8で
は、回転円盤7と最上流に位置する金種選別孔11Aと
の間の選別通路9上に、硬貨の磁気的特性を検出する硬
貨判別センサ70を設け、かつ各金種選別孔11A〜1
1Fの搬送方向上流側の近傍に、搬送された硬貨の磁気
的特性を検出する複数の磁気センサ71A〜71Fを設
け、更に、これらセンサ70・71A〜71Fから出力
される硬貨判別データに基づき、該センサ70・71A
〜71Fを通過した硬貨の金種を判別するとともに、そ
の判別結果に基づき、金種選別孔11A〜11Fに落下
した硬貨が正当な金種か否かを判別するようにしてい
る。すなわち、上記硬貨選別機8では、磁気センサ71
A〜71Fによって検出される硬貨の磁気的特性に基づ
いて、該硬貨を判別するようにしているので、該センサ
に埃、ゴミが付着した場合であってもその影響を受けず
確実に硬貨判別を行うことができ、該判別作業を確実に
行うことが可能となる。また、上記磁気センサ71A〜
71Fは、各金種選別孔11A〜11Fの搬送方向上流
側の近傍に配置されるものであり、必ずしも基準ガイド
レールR5に接触するように位置させる必要が無いもの
であるので、硬貨の搬送に乱れが生じた場合であって
も、磁気センサ71A〜71Fによって硬貨の磁気的特
性を検出することが可能となり、この点においても、該
硬貨の判別作業を確実に行うことができる。
【0046】また、上述したデータ処理手段110で
は、磁気センサ71A〜71F毎に、硬貨判別センサ7
0からの硬貨判別データに基づき判別された金種を記憶
させる金種メモリMA〜MFを有しており、これら各金
種メモリMA〜MFに対して、ステップ2で判定された
金種の中で、磁気センサ71A〜71Fにて検出される
可能性のある金種のみを、当該磁気センサ71A〜71
Fに対応した金種メモリMA〜MFにメモリデータとし
て時系列的に記憶させ(ステップ4〜ステップ15参
照)、その後、各メモリデータにおいて、時系列的に古
い金種が、各磁気センサ71A〜71Fから出力に基づ
き判定された金種(ステップ21にて判別)に一致して
いるか否かをそれぞれ比較し(ステップ22)、一致す
るとの比較結果を得た場合にメモリデータから当該金種
を消去し(ステップ23)、また、不一致であるとの比
較結果を得た場合に異常であることを示すアラームを出
力するようにしているので(ステップ24)、このアラ
ーム出力に基づき、オペレータは上述した誤選別を早期
かつ確実に知ることができる。
【0047】なお、上記フローチャートのステップ21
では、磁気センサ71A〜71Fからの硬貨判別データ
に基づき6金種の判別を行うようにしたが、磁気センサ
71A〜71Fの感度が悪く、例えば、白銅からなる5
0円、100円、500円を区別できない場合には、1
円(アルミ)と、5円(黄銅)と、10円(青銅)と、
これら3金種以外のその他の金種(すなわち、50円、
100円、500円(白銅))といった判別としても良
い。そして、このような判別方式とした場合には、ステ
ップ22にて、50円、100円、500円を比較する
際の精度は低下するが、精度の低下を犠牲にしても、判
別速度をアップさせたい場合には上記判別方式は有効と
なる。
【0048】また、上記実施の形態では、入金硬貨を包
装して棒金を作成可能な硬貨処理機内に具備された硬貨
選別機8の例について説明したが、これに限定されず、
入金硬貨を金種毎に分類収納した後、該入金硬貨を出金
硬貨として払い出す還流式の硬貨入出金機、あるいは、
入金硬貨を金種毎に収納するのみの硬貨入金機に対し
て、上述した硬貨選別機8の構成を適用しても良い。ま
た、上記実施の形態において、硬貨判別センサ70から
出力される硬貨判別データは特許請求の範囲の第2項以
降に示される「第1の硬貨判別データ」に相当し、ま
た、磁気センサ71A〜71Aから出力される硬貨判別
データは特許請求の範囲の第2項以降に示される「第2
の硬貨判別データ」に相当する。
【0049】
【0050】
【発明の効果】 以上詳細に説明したように第1の発明に
示される硬貨選別機では、 回転円盤と最上流に位置する
金種選別孔との間の選別通路上に、硬貨の磁気的特性を
検出する硬貨判別センサを設け、かつ各金種選別孔の搬
送方向上流側の近傍に、搬送された硬貨の磁気的特性を
検出する複数の磁気センサを設け、更に、これらセンサ
から出力される硬貨判別データに基づき、該センサを通
過した硬貨の金種を判別するとともに、その判別結果に
基づき、金種選別孔に落下した硬貨が正当な金種か否か
を判別するようにしている。すなわち、本発明では、磁
気センサによって検出される硬貨の磁気的特性に基づい
て該硬貨を判別するようにしているので、該センサに
埃、ゴミが付着した場合であってもその影響を受けず確
実に硬貨判別を行うことができ、該判別作業を確実に行
うことが可能となる。また、上記磁気センサは、各金種
選別孔の搬送方向上流側の近傍に配置されるものであ
り、必ずしも基準ガイドレールに接触するように位置さ
せる必要が無いものであるので、硬貨の搬送に乱れが生
じた場合であっても、磁気センサによって硬貨の磁気的
特性を検出することが可能となり、この点においても、
該硬貨の判別作業を確実に行うことができる。
【0051】また、磁気センサ毎に、第1の硬貨判別デ
ータに基づき判別された金種を記憶させる金種メモリが
設けられており、これら各金種メモリに対して、第1の
硬貨判別データから判定された金種の中で、磁気センサ
にて検出される可能性のある金種のみを、当該磁気セン
サに対応した金種メモリにメモリデータとして時系列的
に記憶させた後、各メモリデータにおいて、時系列的に
古い金種が、各磁気センサから出力された第2の硬貨判
別データに基づき判定された金種に一致しているか否か
をそれぞれ比較し、一致するとの比較結果を得た場合に
メモリデータから当該金種を消去するようにしており、
このようなデータ処理手段でのデータ処理によって、各
金種選別孔に該当する金種が確実に落下したか否かを判
断することができ、これによって硬貨の誤選別の発生を
確実に知ることができる。
【0052】第の発明に示される硬貨選別機のデータ
処理手段では、各メモリデータにおいて、時系列的に古
い金種が、各磁気センサから出力された第2の硬貨判別
データに基づき判定された金種に一致しているか否かを
それぞれ比較し、不一致であるとの比較結果を得た場合
に異常であることを示すアラームを出力するようにして
いるので、このアラーム出力に基づき、オペレータは上
述した誤選別を早期かつ確実に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を表す硬貨選別機8の概略
構成を示す正面図。
【図2】図1の左側面図。
【図3】棒金収納部3の概略構成を示す右側面図。
【図4】棒金横搬送装置42を具体的に示す平面図。
【図5】硬貨選別機8を詳細に示す平面図。
【図6】硬貨選別機8の制御部を示すブロック図。
【図7】硬貨判別センサ70から出力された硬貨判別デ
ータに基づくデータ処理を示すフローチャート。
【図8】図7及び図9の処理を具体的に説明するための
説明図。
【図9】磁気センサ71A〜71Fから出力された硬貨
判別データに基づくデータ処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 入金部 2 包装部 3 棒金回収部 6 補給円盤 7 回転円盤 8 硬貨選別機 9 判別通路 10A〜10C 搬送ベルト 11A〜11F 金種選別孔 15〜20 一時庫 21〜26 固定収納庫 70 硬貨判別センサ 71A〜71F 磁気センサ 86 リジェクト孔 100 機体 110 データ処理手段 111 表示部 112 音声出力部 113 駆動部 R1〜R5 案内ガイドレール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 徳治 大阪府大阪市淀川区田川2丁目5番31号 ローレル機械株式会社 大阪第2研究 所内 (72)発明者 春名 博文 大阪府大阪市淀川区田川2丁目5番31号 ローレル機械株式会社 大阪第2研究 所内 (56)参考文献 特開 昭59−208684(JP,A) 特開 昭63−20594(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G07D 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転円盤から送り出された硬貨が基準ガ
    イドレールに案内されつつ1枚ずつ搬送され、その途中
    に金種径に応じて硬貨を落下させるための複数の金種選
    別孔が小径順に形成された選別通路を有する硬貨選別機
    において、 回転円盤と最上流に位置する金種選別孔との間の選別通
    路上に設けられて、搬送された硬貨の少なくとも磁気的
    特性を検出して、該磁気的特性を第1の硬貨判別データ
    として出力する硬貨判別センサと、 各金種選別孔の搬送方向上流側の近傍に設けられて、搬
    送された硬貨の磁気的特性を検出して、該磁気的特性を
    第2の硬貨判別データとして出力する複数の磁気センサ
    と、 これら硬貨判別センサ、磁気センサからの第1、第2の
    硬貨判別データに基づき、各センサを通過した硬貨の金
    種をそれぞれ判別するとともに、第1の硬貨判別データ
    に基づき判定された金種を、第2の硬貨判別データに基
    づき判定された金種と比較することによって、金種選別
    孔に落下した硬貨が正当な金種か否かを判別するデータ
    処理手段とから構成され、前記データ処理手段では、磁気センサ毎に、第1の硬貨
    判別データに基づき判別された金種を記憶する金種メモ
    リが設けられており、これら各金種メモリに対して、第
    1の硬貨判別データから判定された金種の中で、磁気セ
    ンサにて検出される可能性のある金種のみを、当該磁気
    センサに対応した金種メモリにメモリデータとして時系
    列的に記憶させた後、各メモリデータにおいて、時系列
    的に古い金種が、各磁気センサから出力された第2の硬
    貨判別データに基づき判定された金種に一致しているか
    否かをそれぞれ比較し、一致するとの比較結果を得た場
    合にメモリデータから当該金種を消去することを特徴と
    する 硬貨選別機。
  2. 【請求項2】 前記データ処理手段では、各メモリデー
    タにおいて、時系列的に古い金種が、各磁気センサから
    出力された第2の硬貨判別データに基づき判定された金
    種に一致しているか否かをそれぞれ比較し、不一致であ
    るとの比較結果を得た場合に異常であることを示すアラ
    ームを出力することを特徴とする請求項記載の硬貨選
    別機。
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