JP3187642B2 - 電気機器の異常検出方法及び回転電機の異常検出装置 - Google Patents
電気機器の異常検出方法及び回転電機の異常検出装置Info
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Description
方法及び回転電機の異常検出装置に関し、特に固定子巻
線の絶縁劣化等による異常を検出するものに関する。
化の一途をたどっており、これに伴ってガス絶縁機器
(以下、GISと記す)や回転電機などの電気機器も大
形化すると共にその設置数も増大している。
い信頼性が要求されるので、保守点検を確実に行い、絶
縁破壊などの突発事故を未然に防止する必要がある。ま
た、高度経済成長期に製造された多くの電気機器は、既
に25年以上経過したものが過半数を占めており、これ
らの長期間稼働した電気機器では、突発事故の未然防止
を目的として、運転中に連続監視する要求が非常に高く
なってきている。
として、例えば、回転電機の固定子については、回転電
機の運転を停止した後、巻線に高電圧を印加し、絶縁抵
抗,交流電流,誘電損失角,部分放電などの電気的諸特
性を測定して、各部位の絶縁物の劣化度を推測する電気
的方法が用いられている。
行うには電気機器の運転停止を必要とし、多大な時間,
労力,費用が必要となり、頻繁に劣化判定試験を実施す
るのは困難であるという欠点があった。また、劣化が急
速に進行するような場合には、十分に対処できないなど
の欠点があった。
る目的で、特公平4ー68852号公報に掲載された装
置がある。これはスロット内の固定子コイル付近に金属
材料製のセンサ電極を設け、このセンサ電極に部分放電
測定器を接続して運転中に絶縁劣化を監視するものであ
る。また、特開平4ー296672号公報には、固定子
巻線に隣接して設けられた温度検出器を用いて、固定子
巻線で発生する部分放電により誘導され固定子巻線を伝
播する高周波信号を検出して、固定子巻線の異常を検出
する異常検出装置が提案されている。
報に示された従来の高圧回転電機のコロナ検出装置の要
部を示す断面構成図である。図において、3は固定子鉄
心、4は固定子巻線、6はスロット、100は固定子巻
線導体、101は主絶縁層、102は主絶縁層101の
表面に設けられた低抵抗塗膜、103は層間隔片、10
4はセンサ電極、106はリード、107はコロナ測定
器である。金属材料製のセンサ電極104は、固定子鉄
心3のスロット6内の低抵抗塗膜102と電気的に結合
している。スロット6内に収容された固定子巻線4の間
に層間隔片103を介してセンサ電極104を設け、こ
のセンサ電極104からリード106を引き出してコロ
ナ測定器107に接続し、運転中に絶縁劣化を監視する
ものである。また、図32は従来のコロナ検出装置の他
の例の要部を示す断面構成図である。この装置は低抵抗
塗膜102を部分108,109に分け、部分109に
センサ電極104を接触させている。
2に示す高圧回転電機が絶縁劣化すると、固定子巻線導
体100と低抵抗塗膜102との間の主絶縁層101で
部分放電が発生する。金属材料製のセンサ電極104は
スロット6内の低抵抗塗膜102と電気的に結合してい
るので、運転中に発生した部分放電をセンサ電極104
で検知できる。
膜を部分108,109に分け、部分109にセンサ電
極104を接触させている。このため、低抵抗塗膜部分
108が固定子鉄心3と電気的に接触していても、固定
子鉄心3と絶縁された塗膜部分109から部分放電の発
生を検知できる。
号公報に示された従来の回転電機の異常検出装置を示す
構成図で、固定子巻線に近接して設置した部分放電セン
サの位置を示すために、回転電機を一部切り欠いて共に
示している。図において、固定子巻線4は固定子フレー
ム(図示せず)に固定された固定子鉄心3に設けられた
スロット6内に収納されている。固定子巻線4は上下2
つで構成され、ウエッジ7により固定されている。部分
放電センサ9は例えば温度検出素子8aとリード線8b
からなり、所定のスロット6内の上下2本の固定子巻線
4の間に挿入されている。部分放電センサ9のリード線
19は温度測定器22を介して異常判定回路110に接
続されている。さらにリード線19はフィルタ23,部
分放電測定器24を介して異常判定回路110に接続さ
れている。異常判定回路110には警報機111,異常
表示装置29,インターフェース回路112が接続され
ている。
て説明する。固定子巻線4の絶縁劣化によって異常が発
生すると、固定子巻線4に部分放電が発生し、高周波電
流が流れる。放電による高周波電流は上下の固定子巻線
4と電磁的に結合している部分放電センサ9にも伝播
し、フィルタ23に入力される。部分放電信号は数KH
z以上の高周波であるので、フィルタ23では温度測定
に使用される低周波信号を除去し、高周波成分のみを部
分放電測定器24に入力する。部分放電測定器24で
は、入力された信号を解析して放電特性を測定し、異常
判定回路110に出力する。異常判定回路110で異常
と判定した場合には、警報器111,異常表示装置29
に警報信号を出力する。
多くの電波雑音が発生する。例えば絶縁異常監視を必要
とする様な15〜20年以上経過した発電機の多くは、
回転子に界磁電流を供給する励磁機がスリップリングを
介して回転子に直流電流を供給している。このスリップ
リングでは摺動面の接触状態によりアーク放電が発生し
て電波雑音が発生する。また、サイリスタ励磁機ではパ
ルス状のサイリスタノイズが励磁電流に重畳されてい
る。このように励磁機やスリップリングは電波雑音の発
生源となっている。更に、回転子には蒸気タービンから
の静電気による帯電や発電に伴う軸電流による帯電など
が生じる。この回転子への帯電を放電させるために回転
子軸に接地ブラシを設けて大地へ放電させる構成が一般
的であるが、この放電時にも接地ブラシ摺動面の接触状
態によりアーク放電が発生して電波雑音が発生する。こ
れらの電波雑音は、図31,図32における固定子巻線
4の主絶縁層101内で発生するボイド放電による電磁
波信号と類似の周波数特性を示す。
生する電波雑音や、各種の無線通信波や放送波などが発
電所内に侵入してくる。これらの電波雑音は部分放電を
検出するセンサにも検出されることが多い。特に、図3
3に示した部分放電センサ9は高周波信号に対して高感
度のセンサであるため、電波雑音もよく検出する特性を
示す。これらの電波雑音は部分放電信号よりも強い強度
で検出される。また、その周波数も部分放電と近い帯域
にあり、運転中の部分放電検出を非常に困難にしてい
る。
検出方法や回転電機の異常検出装置は以上のように構成
されているので、運転中に発生する電波雑音については
全く考慮されていなかった。また、運転中に部分放電に
基づく信号を検出しようとしても、電波雑音と部分放電
との区別が出来ないために電波雑音を含んだ計測結果と
なり、異常検出の精度が非常に低くなるという問題点が
あった。
ためになされたもので、電波雑音を除去し、電気機器の
運転中に精度よく部分放電を検出できる電気機器の異常
検出方法及び回転電機の異常検出装置を得ることを目的
とする。また、電気機器あるいは電気機器間の配線にお
ける部分放電信号を利用して、電気機器を運転した状態
で異常の発生場所を特定する電気機器の異常検出方法を
得ることを第2の目的とする。
に係る電気機器の異常検出方法は、電気機器に設けられ
た放電センサで検知した検知信号の周波数スペクトルを
計測し、その周波数スペクトルから電気機器及び計測回
路に基いて共振周波数を決定し、共振周波数の値から検
知信号の発生源を特定するようにしたものである。
検出装置は、回転電機の固定子巻線のスロットに設置さ
れ、スロットにおける部分放電を検出する部分放電セン
サ、この部分放電センサからの出力信号を入力して回転
電機の固定子鉄心長に基いて決定した共振周波数近傍の
周波数を通過させる狭帯域フィルタ回路、この狭帯域フ
ィルタ回路からの出力信号を部分放電信号とし、この部
分放電発生に応じて処理を行う部分放電発生処理回路、
及び処理結果を表示する表示装置を備えたものである。
検出方法は、電気機器の部分放電を計測する部分放電セ
ンサで検知した信号の周波数スペクトルを計測し、その
周波数スペクトルから電気機器及び計測回路に基いて共
振周波数を決定し、共振周波数の近傍における検知信号
の強度と、共振周波数より大きい所定の周波数における
検知信号の強度に基いて部分放電信号を検出するように
したものである。
検出装置は、回転電機の固定子巻線のスロットに設置さ
れ、スロットにおける部分放電を検出する部分放電セン
サ、この部分放電センサからの出力信号を入力して回転
電機の固定子鉄心長に基いて決定した共振周波数の近傍
を通過させる第1狭帯域フィルタ回路、出力信号を入力
して共振周波数より大きい所定の周波数を通過させる第
2狭帯域フィルタ回路、ピークホールド回路,信号強度
比較回路,遅延回路,及び除去回路を有し、第1狭帯域
フィルタ回路と第2狭帯域フィルタ回路からの2つの狭
帯域出力信号の強度に基いて部分放電信号を判別するノ
イズ判別回路、部分放電発生に応じて処理を行う部分放
電発生処理回路、並びに処理結果を表示する表示装置を
備えたものである。
検出方法は、電気機器の部分放電を計測する複数の部分
放電センサで検知した信号の周波数スペクトルを計測
し、その周波数スペクトルから電気機器及び計測回路に
基いて共振周波数を決定し、複数の部分放電センサ間の
共振周波数の近傍の信号強度を比較して、検知した信号
に含まれる特性量の異なる信号を分別するようにしたも
のである。
検出装置は、回転電機の固定子巻線各相のスロットに設
置され、スロットにおける部分放電を検出する複数の部
分放電センサ、この部分放電センサからの出力信号を入
力して回転電機の固定子鉄心長に基いて決定される共振
周波数を通過させる複数の狭帯域フィルタ回路、ピーク
ホールド回路,信号強度比較回路,遅延回路,及び除去
回路を有し、狭帯域フィルタ回路を通過した狭帯域出力
信号相互間の強度に基いて部分放電信号を判別するノイ
ズ判別回路、部分放電発生に応じて処理を行う部分放電
発生処理回路、並びに処理結果を表示する表示装置を備
えたものである。
は、請求項第4項又は第6項の発明において、狭帯域フ
ィルタ回路をそれぞれ通過した2つの狭帯域出力信号の
特性量を比較し、その特性量のヒストグラムから部分放
電信号と電波雑音を分別するしきい値を求める処理回路
を備え、ヒストグラムが重なっている場合にはヒストグ
ラムの包絡線の交点の値をしきい値とし、ヒストグラム
が重なっていない場合には、部分放電信号の包絡線のす
そ値をしきい値として、信号の判別を行なうことを特徴
とするものである。
方法は、共振周波数を電気機器及び計測回路に基いて決
定し、この共振周波数の近傍で部分放電信号を検出して
いる。部分放電信号は共振周波数を含んだ信号であり、
この周波数帯域ではほとんど減衰せずに伝播するため、
感度よく検出される。
ィルタ回路は、部分放電センサで検出した信号の周波数
成分の中から、回転電機の固定子鉄心長で決定される共
振周波数を通過させることによって、運転中に発生する
部分放電信号と電波雑音とを弁別すると同時に、部分放
電センサから離れたスロットの固定子巻線で発生した部
分放電を感度よく検出する。
の異常検出方法は、共振周波数を電気機器及び計測回路
に基いて決定し、この共振周波数の近傍での信号強度
と、それより大きい所定の周波数での信号強度とに基い
て、部分放電信号を検出している。これは、共振周波数
の近傍での信号強度と、それより大きい所定の周波数で
の信号強度の変化量が部分放電信号と電波雑音で異なる
ことによる。
の異常検出装置は、部分放電センサからの検知信号を分
岐して、一方を回転電機の固定子鉄心長で決定される共
振周波数を通過させる第1狭帯域フィルタ回路を通し、
他方を共振周波数より大きい所定の周波数を通過させる
第2狭帯域フィルタ回路を通す。2つの狭帯域フィルタ
回路からの出力信号の強度を比較することにより、運転
中に発生する部分放電と電波雑音とを判別する。
の異常検出方法は、電気機器の複数箇所の部分放電を計
測し、共振周波数を電気機器及び計測回路に基いて決定
し、複数箇所の検出信号における共振周波数の近傍での
信号強度を比較する。これにより、検知信号に含まれる
特性量の異なる信号を分別する。部分放電信号はその発
生箇所によって特性量が異なり、電波雑音も特性量が異
なるので、特性量の異なる信号を分別することにより、
部分放電信号と電波雑音とを判別できると共に、部分放
電信号の発生箇所を判別できる。
センサは、固定子巻線各相に設置され、この部分放電セ
ンサで検知した信号のそれぞれを、回転電機の固定子鉄
心長で決定される共振周波数を通過周波数帯域とする狭
帯域フィルタ回路を通過させる。さらにノイズ判別回路
で、固定子巻線の異なる相の部分放電センサからの狭帯
域出力信号相互間の強度を比較し、その比較結果によっ
て部分放電信号と電波雑音を判別したり、部分放電信号
の発生箇所を判別する。
別回路は、狭帯域フィルタ回路を通過した2つの狭帯域
信号の特性量を比較し、その特性量のヒストグラムから
部分放電信号と電波雑音を分別するしきい値を求め、ヒ
ストグラムが重なっている場合にはヒストグラムの包絡
線の交点の値をしきい値とし、ヒストグラムが重なって
いない場合には、部分放電信号のすそ値をしきい値とし
て、検知した信号の判別を行う。
する。図1は実施例1による電気機器の異常検出方法を
用いた異常検出装置を示す構成図で、電気機器の部分断
面を共に示している。図2はこの装置に係る部分放電セ
ンサで検出した部分放電信号の特性図であり、横軸に周
波数(MHz)、縦軸に信号強度(dBm)を示してい
る。図1において、70は電気機器で、例えばGISで
ある。GIS70は、金属製の匡体72の中心部に導体
73a,73b,73cが絶縁スペーサ71a,71b
で絶縁されて高電圧状態が保持されている。GIS70
は図1に示すような構成をユニットとして遮断機や、断
路器や、変流器等(いずれも図示せず)を連結して構成
されている。従って、GIS70の導体には必ず接続部
74a,74bが存在する。匡体72にはGIS70で
異常が生じた時の部分放電を検出するために、部分放電
センサ9、検出インピーダンス51、スペクトルアナラ
イザ52、狭帯域フィルタ回路23、部分放電計測回路
53、部分放電発生処理回路26、表示装置28が設け
られている。
2について説明する。GIS70の稼働中には導体73
a,73b,73cには高電圧が印加されている。GI
S70の内部に異常が生じた場合には部分放電が発生
し、その信号が導体73aを伝播する。GIS70の異
常とは、例えば、匡体72の内部に残留した金属粒子や
その他ゴミ等の異物が電界によって移動し、匡体72内
部に不均一電界箇所が形成された場合が考えられる。ま
た、絶縁スペーサ71a,71bの内部にクラックや剥
離、更には電圧劣化によってボイドが生じる場合等も考
えられる。このような状態になると、電界の乱れによっ
てその部分に部分放電が発生するので、部分放電を検出
することによってGIS70の異常を検出できる。
a及び匡体72には高速の部分放電信号が伝播する。そ
の伝播速度はほぼ光速と同じである。このとき、導体7
3aには両端に接続部74a,74bがあり、導体の両
端でインピーダンスが変化しているために、部分放電信
号の一部は接続部74a,74b間で往復反射を繰り返
しながら部分放電発生源から遠ざかる方向に伝播してゆ
く。また、匡体72の両端には絶縁スペーサ71a,7
1bが設けられており、この部分でもインピーダンスの
変化が生じる。このため匡体72を伝播する部分放電信
号も匡体72の両端で往復反射を繰り返しながら伝播し
てゆく。
場所で発生した部分放電信号は、その発生場所の導体7
3aや匡体72の長さと関係した共振周波数を含んだ信
号として検知される。また、測定回路もL、C、R成分
を持った分布定数回路となるために、図2に示すように
共振周波数を持つ場合が多い。図はこれらの共振周波数
を含む部分放電信号を図1に示すスペクトルアナライザ
52で計測した周波数特性の実測データである。図中、
f0 は1次の共振周波数、f1 は2次の共振周波数、f
2 は3次の共振周波数である。この場合の共振周波数は
導体73aの長さと関係している。このため、放電信号
の発生場所が変わると共振周波数の値が変わる。この実
施例は、部分放電センサ9で検知した信号から、共振周
波数を決定し、この値から放電信号の発生源を特定しよ
うとするものである。
検出について説明する。運転前にGIS70の高電圧母
線に部分放電の模擬信号を、例えばパルス発生器を用い
て注入させると、部分放電センサ9には図2に示す特性
の部分放電信号が検出される。この信号を検出インピー
ダンス51により検出し、まずスペクトルアナライザ5
2に伝送する。スペクトルアナライザ52では部分放電
信号を周波数スペクトル分析して、共振周波数を決定す
る。その結果を狭帯域フィルタ回路23に伝送して、狭
帯域フィルタ回路23の信号通過帯域を共振周波数近傍
に合わせる。
号は、上記と同様に検出インピーダンス51で検出され
て狭帯域フィルタ回路23に伝送される。狭帯域フィル
タ回路23の信号通過帯域は共振周波数の近傍に選択さ
れており、狭帯域フィルタ回路23を通過した共振周波
数近傍の信号は部分放電計測回路53に伝送される。さ
らに部分放電計測回路53で検波され、増幅されて部分
放電信号を検出すると同時に波高分析され部分放電発生
処理回路26に伝送される。
度分布や放電発生位相特性を計測する。この処理結果を
例えばCRTなどの表示装置28に伝送すると共に記録
する。また、これら諸特性の経時変化を記録し、更に登
録した過去の統計データや異常判定データと比較して絶
縁異常の程度を判定して、表示装置28に伝送する。表
示装置28ではそれらの諸特性を表示し、異常が判定さ
れた場合には異常を表示すると共に警報を発する。
発生した部分放電の伝播信号には、導体や匡体のインピ
ーダンスが変化する長さに対応した共振周波数や、計測
回路に対応した共振周波数を持つので、この共振周波数
に着目して検知した放電の発生源を検出することができ
る。なお、この実施例では、GISについて述べたが、
他の電気機器にも適用することができ、電気機器の部分
放電を計測する部分放電センサで検知した信号の周波数
スペクトルを計測し、その周波数スペクトルからその電
気機器及び計測回路に基いて共振周波数を決定する。こ
の共振周波数の値で検知信号の発生源を特定するように
すれば、電気機器を運転した状態で、部分放電信号の発
生源を検出できる。
について説明する。図3は実施例2による電気機器の異
常検出方法を用いた異常検出装置を示す構成図で、電気
機器の構成を共に示している。図4はこの装置に係る部
分放電センサで検出した部分放電信号の特性図であり、
横軸に周波数(MHz)、縦軸に信号強度(dBm)を
示している。この実施例における電気機器は、例えば発
電プラントである。図3において、80は発電機であ
り、50は変圧器である。発電機80で発電された電気
は高電圧母線81a,81b,81cで変圧器50の1
次巻線82に供給され、2次巻線83で昇圧されて送電
系統へ供給される。ここで高電圧母線81a,81b,
81cは10kVないし25kVの高電圧で運転されて
いる。この実施例では高電圧母線81a,81b,81
cの部分に部分放電センサ9を設けて、高電圧母線8
1、発電機80、及び変圧器50の異常を検出するもの
である。図3では例えば、高電圧母線81cのみに部分
放電センサ9を設けた構成としている。
圧が印加されている。従って、電圧劣化により絶縁物に
劣化が生じると部分放電が発生し、その信号が高電圧母
線81c内を高速で伝播する。この時実施例1と同様、
高電圧母線81cの長さと関係する共振周波数を持つ部
分放電信号となる。この信号を部分放電センサ9で検出
した特性を図4に示す。図において、(a)は高電圧母
線81cで発生した部分放電信号、(b)は発電機80
で発生した部分放電信号、(c)は変圧器50で発生し
た部分放電信号の周波数特性である。図中、fa0は高電
圧母線81cの共振周波数であり、図4(b)のfb0は
発電機80で部分放電が発生した固定子巻線の共振周波
数である。このように部分放電が発生する箇所によって
周波数特性が微妙に異なるが、いずれも実施例1で述べ
たと同様の信号処理をすることによって部分放電の発生
源を特定することができる。
放電センサ9で検知した信号の周波数スペクトルをスペ
クトルアナライザ52で計測し、その周波数スペクトル
からその電気機器及び計測回路に基いて共振周波数を決
定してそれぞれの周波数特性を予め把握しておく。次
に、運転中に検知した信号について、狭帯域フィルタ回
路23を通過した共振周波数の近傍における検知信号か
ら部分放電計測処理回路53で部分放電信号を検出す
る。このようにして、電気機器の運転中に発生する部分
放電を運転した状態で検出でき、さらにその特性量か
ら、部分放電の発生箇所を特定することができる。
について説明する。図5は実施例3に係わる回転電機の
構造を示す断面図で、図5(a)は縦断面図、図5
(b)は図5(a)のVbーVb線で切ったときの固定
子フレームを除いて示す断面図、図6は実施例3による
異常検出装置を示す構成図で、固定子巻線に近接して設
置した部分放電センサの位置を示すために、回転電機を
一部切り欠いて共に示している。図7は固定子巻線を固
定子鉄心に挿入して巻線している状態を示す平面展開
図、図8は部分放電センサで検出した部分放電信号の周
波数特性で、横軸は周波数(MHz)、縦軸は検出強度
(dBm)を示している。また、図9は部分放電信号が
固定子巻線を伝播するときの伝播特性で、横軸はセンサ
までの距離(スロット数)、縦軸は広帯域信号の振幅
(mV)及び共振周波数の信号強度(mV)を示してい
る。
フレーム2,固定子鉄心3,固定子巻線4などからなる
固定子と、回転子5とから構成されている。図中、矢印
Aは回転軸の軸方向を示している。固定子フレーム2に
固定子鉄心3が固定され、この固定子鉄心3の内周面に
は、軸方向Aに伸びた状態で、円周方向に等配に所定数
のスロット6が設けられている。このスロット6には上
口,下口の2つの固定子巻線4が収納され、図6に示す
ように、ウエッジ7により固定されている。回転電機1
の固定子巻線4のスロット6に設置され、スロット6に
おける部分放電を検出する部分放電センサ9は、例え
ば、白金抵抗体製の測温素子8aと測温素子リード線8
bとから構成され、その周囲をガラスエポキシ積層板で
覆った構成となっている。
は、固定子鉄心3のスロット6内に挿入され、固定子巻
線ライン側端60から固定子巻線中性点側61まで亀甲
状に接続され、12ターンないし20ターンが1相分と
して結線されている。図中の番号はスロット番号を示し
ている。部分放電センサ9は、固定子巻線ライン側端6
0に近いスロット6の上口コイルと下口コイルの2つの
固定子巻線4間に挿入されている。図6に示すように、
部分放電センサ9からのリード線19aは、固定子鉄心
3の端部から固定子フレーム2の内側に沿って配線さ
れ、端子箱20の端子を介して固定子フレーム2の外部
に導出し、中央制御室の温度計22に接続されている。
放電計測のための検出器10aとして高周波変流器が設
けられている。検出器10aの信号は狭帯域フィルタ回
路23、例えばバンドパスフィルタ(BPF)を通し
て、ピークホールド回路(PH)30に伝送され、A/
D変換器31でデジタル信号に変換した後、信号強度比
較回路32に伝送される。更に部分放電発生処理回路2
6、表示装置28、異常表示装置29に伝送される構成
となっている。この実施例における狭帯域フィルタ回路
23は部分放電センサ9からの出力信号を入力し、回転
電機1の固定子鉄心長に基いて決定した共振周波数を通
過周波数帯域として設定されている。また、ピークホー
ルド回路(PH)30,A/D変換器31,及び信号強
度比較回路32で、狭帯域フィルタ回路23からの出力
信号を部分放電信号として識別するノイズ判別回路25
を構成しており、部分放電発生処理回路26はノイズ判
別回路25で部分放電発生であると判別したときに対応
して処理を行う。
施例では回転電機として、例えば発電機について説明す
る。発電機の運転中には固定子巻線4に高電圧が発生し
ている。固定子巻線4の絶縁劣化などにより異常が発生
すると、固定子巻線4に部分放電が発生し高周波電流が
流れる。放電による高周波電流は上下の固定子巻線4と
静電結合している部分放電センサ9にも伝播し、部分放
電センサのリード線19aを高周波電流が伝播する。こ
の高周波電流を高周波変流器を使った検出器10aで検
出する。検出された部分放電信号は狭帯域フィルタ回路
23に入力される。部分放電はナノ秒オーダの高速現象
であり、狭帯域フィルタ回路23でフィルタ処理した
後、部分放電による高周波成分のみがピークホールド回
路30に出力される。
なく、運転中に発電機内で発生する多くの電波雑音や発
電機外部で発生する電波雑音も検知される。これらの電
波雑音を除去し固定子巻線4の広範囲で発生する部分放
電を精度よく検出するために、狭帯域フィルタ回路23
の通過周波数帯域として、固定子鉄心の長さに基いて決
定される共振周波数を選んである。この共振周波数f0
は例えば式1で決定される。 f0 = nc/2l√ε ・・・(1) ここで、nは自然数、cは光速、lは固定子巻線4の低
抵抗塗料塗布長、εは固定子巻線4の主絶縁の比誘電率
であり、通常4ないし5程度である。また、固定子巻線
4の低抵抗塗料塗布長lは、固定子鉄心3の長さよりも
更に300mm程度長く塗布されている。固定子鉄心3
の長さは発電機の定格に応じて設計されているので、低
抵抗塗布長は機器によって異なり、従って共振周波数f
0 も機器によって異なる。
波数帯域として共振周波数を使用する理由について説明
する。図7において、固定子巻線ライン側60に近いス
ロットNo.11のスロット6内の固定子巻線4で部分
放電が発生した場合、放電信号は固定子巻線4の導体内
を伝播する。Tをタービン側、Rを励磁機側とし、62
をタービン側コイルエンド部、63を励磁機側コイルエ
ンド部とすると、伝播経路は、スロットNo.11のタ
ービン側から出た信号がタービン側コイルエンド部62
を通ってスロットNo.37に入り、スロット6内を伝
播して励磁機側コイルエンド63を通り、更にスロット
No.12に入ってスロット6内の固定子巻線4を伝播
し、タービン側コイルエンド部62をNo.38のスロ
ット6に向かって伝播する。部分放電信号はこのように
して固定子巻線4の導体内を次々と伝播するが、高周波
信号であるために遠くに伝播するに従って信号が減衰す
ることが知られている。この減衰は広帯域信号の場合に
顕著である。減衰度合を固定子鉄心3の長さが4m級の
発電機で計測した結果を図9に示す。特性Bの広帯域信
号はセンサまでの距離が2スロット離れると72%に減
衰し、4スロット離れると62%にまで減衰する。
放電信号を部分放電センサ9で検出して周波数分析をし
たところ、スロット6内を通過する部分放電信号がほと
んど減衰せず伝播する周波数帯域があることを発見し
た。その結果を図8に示し、伝播特性を図9の特性Cに
示す。図8には部分放電センサ9が設置されているスロ
ット6で発生した部分放電信号Dと、部分放電センサ9
が設置されていないスロット6で発生した部分放電信号
Eの周波数特性を示している。部分放電センサ9が設置
されているスロット6で発生した部分放電信号Dは信号
強度が強く、かつf0 ,f1 ,f2 の周波数帯域で信号
強度の低下が見られる。一方、部分放電センサ9が設置
されていないスロット6(部分放電センサ9の設置位置
から離れたスロット)で発生した部分放電信号Eにはf
0 ,f1 ,f2 の帯域で信号強度の増加が見られる。こ
のf0 は固定子鉄心長で決定される共振周波数であり、
f1はf0 の1次高調波、f2 は2次高調波である。
て見ると、図9に示す共振周波数f0 での信号伝播特性
Cが得られた。即ち、広帯域信号では伝播するに従って
減衰する部分放電信号も、共振周波数の帯域ではほとん
ど減衰することなく遠くまで伝播することが判明した。
また、この共振周波数は放電に特有の周波数特性であ
り、外部からの電波雑音は違った周波数特性を示すこと
も判明した。また、図8に示す放電センサ9が設置され
ているスロット6での部分放電信号Dは共振周波数では
信号強度が低下するが、検出位置が信号発生位置から近
いために、低下しても検出には十分な信号強度を有して
いることも判明した。
特性は、広帯域信号では伝播するに従って減衰するのに
対し、共振周波数f0 の部分放電信号はほとんど減衰す
ることなく遠くまで伝播する。この実施例では狭帯域フ
ィルタ回路23に共振周波数f0 の帯域を選んでいるの
で、部分放電センサ9が設置されたスロット6の固定子
巻線4で発生した部分放電信号も、部分放電センサ9が
設置されたスロット6から遠く離れたスロット6内の固
定子巻線4で発生した部分放電信号も、どちらも強い信
号として検出し、減衰する外部からの電波雑音を漉波で
きる。従って、部分放電信号を検出でき、さらに1つの
部分放電センサで固定子巻線4の広範囲における部分放
電信号を検出できる。
雑音を漉波し、かつ部分放電センサ9を設置したスロッ
ト6の部分放電だけでなく広範囲の部分放電信号を漉波
した後、ピークホールド回路30で波高値を検出してA
/D変換器31に伝送する。A/D変換器31ではアナ
ログ信号をデジタル信号に変換して、信号強度比較回路
32に伝送する。信号強度比較回路32では基準信号と
比較されて、必要な信号のみ通過させると共に、信号レ
ベルが読み取られ、部分放電発生処理回路26に伝送す
る。
度分布や放電発生位相特性を計測する。この処理結果を
表示装置28に伝送すると共に記録する。また、これら
諸特性の経時変化を記録し、更に登録した過去の統計デ
ータや異常判定データと比較して絶縁異常の程度を判定
して、表示装置28に伝送する。表示装置28ではそれ
らの諸特性を表示し、異常が判定された場合には異常表
示装置に伝送して、異常表示と共に警報を発する。
電信号の広帯域信号の中から、発電機の固定子鉄心長に
基いて決定される共振周波数の狭帯域信号を計測するこ
とによって、回転電機の運転中に発生する部分放電を、
運転した状態で精度よく検出できる。さらに、外部電波
雑音を除去し、かつ固定子巻線の広範囲で発生する部分
放電信号を検出することができ、異常検出精度が向上す
る。なお、上記実施例では発電機について説明したが、
これに限るものではなく、他の回転電機やさらには電気
機器の異常検出にも適用することができる。
について説明する。実施例3では狭帯域フィルタ回路2
3の通過周波数帯域を、発電機の固定子鉄心3に基いて
決定される共振周波数f0 とした例について説明した
が、これに限るものではない。図10は実施例4に係る
部分放電センサ9で検出した部分放電信号の周波数(M
Hz)に対する検出強度(dBm)を示す特性図で、狭
帯域フィルタ回路23における通過周波数帯域幅(F
1)も共に示す。図に示すように、狭帯域フィルタ回路
23の通過周波数帯域を固定子鉄心長に基いて決定され
る共振周波数の±5%の範囲にしている。
は固定子鉄心長に基いて決定される共振周波数f0 で信
号強度が変化する特性を持っている。検出する信号は微
弱なパルス性の高速信号であるため検出帯域幅が狭いと
信号強度が弱くなり、検出感度が低くなる。そこで、図
10に示すように帯域幅を広くすることによって検出感
度をあげることができる。ところがこの帯域幅をあまり
広くすると部分放電信号以外の電波雑音をも検出するこ
ととなる。図10では帯域幅を共振周波数f0±5%の
例を示した。帯域幅F1をf0 ±5%にすることによっ
て、部分放電センサ9が設置されているスロット6の部
分放電信号の検出感度が向上する。この後の処理は実施
例3と同様である。
23の通過周波数帯域幅F2を固定子鉄心長で決定され
る共振周波数f0 −10%としても実施例3と同様の効
果を奏する。更に、図12に示すように、フィルタ回路
23の通過周波数帯域幅F3を共振周波数f0 +10%
としても同様の効果を奏する。
広げる範囲を±5%、−10%、+10%のものについ
て示したが、共振周波数の近傍で電波雑音を排除して放
電信号を計測できる範囲であればこの値に限定されるも
のではない。また共振周波数f0 を中心として計測しな
がら帯域幅を決定してもよく、更に、漉波する周波数帯
域が可変である狭帯域フィルタ回路23を使用して、固
定子鉄心長が異なる発電機に対応できるように構成する
こともできる。
について説明する。図13は実施例5による電気機器の
異常検出方法を用いた異常検出装置を示す構成図であ
る。この実施例では、実施例1,2と同様に、供試機器
及び計測回路の共振周波数f0 を計測し、さらにこの共
振周波数f0 より大きい所定の周波数における検知信号
の強度を計測し、2つの部分放電信号の信号強度、この
場合は信号強度比に基いて、検知した信号に含まれるそ
れぞれの信号特性量を把握する。この実施例では、電気
機器として例えば実施例2に示した発電機の場合を示し
ている。また、23a,23bは部分放電センサ9で検
知した信号を入力する狭帯域フィルタ回路、33は狭帯
域フィルタ回路23aを通過した信号を入力して所定時
間遅延させる遅延回路である。
で発生した部分放電と、発電機80で発生した部分放電
と、変圧器50で発生した部分放電信号の周波数特性を
図4に示したが、図4(a),(b),(c)のfa0は
高電圧母線81cの共振周波数であり、図4(b)のf
b0は発電機80で部分放電が発生した固定子巻線の共振
周波数である。図4(c)では明確な共振周波数が見ら
れない。このように部分放電が発生する箇所によって周
波数特性が微妙に異なっている。1次共振周波数が異な
るので当然2次共振周波数も異なる。このため、共振周
波数の値によって部分放電の発生源を特定することがで
きる。さらに、この実施例では共振周波数f0 とf0 以
外の周波数f1 における信号の強度比(f1 での信号強
度/f0での信号強度)を計測することによって、それ
ぞれの信号の特性を把握する。
した検知信号をスペクトルアナライザ52で計測し、共
振周波数f0 と、共振周波数f0 以外のそれより大きい
周波数、例えば2次共振周波数f1 を決定する。そし
て、狭帯域フィルタ回路23aの通過周波数帯域として
1次共振周波数f0 を選択し、狭帯域フィルタ回路23
bの通過周波数帯域として2次共振周波数f1 を選択す
る信号を伝送する。運転中には、狭帯域フィルタ回路2
3aでは1次共振周波数f0 の信号が通過し、狭帯域フ
ィルタ回路23bでは2次共振周波数f1 の信号がそれ
ぞれ通過して、信号強度比較回路32に伝送される。信
号強度比較回路32では2つの狭帯域フィルタ回路23
a,23bを通過した信号の信号強度を比較して、比較
結果を部分放電計測回路53に伝送する。部分放電計測
回路53では比較結果を基に、遅延されてきた狭帯域フ
ィルタ回路23aからの出力信号を計測し、発生箇所や
発生量等の特性量を計測する。部分放電発生処理回路2
6と表示装置28の動作は実施例1と同様である。
ルタ回路23a,23bの通過周波数帯域を1次共振周
波数f0 と2次共振周波数f1 に設定しているが、これ
に限るものではない。即ち、共振周波数の近傍とそれよ
り大きい所定の周波数を通過周波数帯域として設定すれ
ば、共振周波数の近傍での信号強度と、それより大きい
所定の周波数での信号強度の変化量で発生箇所や発生量
等の特性量を計測し、部分放電信号を精度よく検出する
ことができる。
ば、部分放電発生箇所が複数存在する電気機器におい
て、それぞれの部分放電信号が供試機器及び計測回路に
よって共振周波数を持っているので、それぞれの部分放
電信号の共振周波数と、2次共振周波数などの、共振周
波数より高い帯域の信号強度を比較することによって、
電気機器の運転中に発生する部分放電を、運転した状態
で検出できる。さらに、発生源ごとの部分放電信号を特
定することができる。
特定する場合について述べたが、信号源は部分放電信号
に限定されるものではなく、特徴的な周波数特性を示す
ものであればよく、例えば、複数種類の雑音信号であっ
ても、同様の方法で、その特性量を把握することによっ
て、信号を分別することができる。
について説明する。図14は実施例6による異常検出装
置を示す構成図、図15は定格容量156000kW、
定格電圧18kVの火力タービン発電機の運転中部分放
電を計測した時の部分放電信号Hと電波雑音Gの周波数
特性を示す特性図で、横軸は周波数(MHz)、縦軸は
検出強度(dBm)である。実施例3と同一符号は同
一、または相当部分を示す。
電センサ9の構成と設置位置,検出器10a,リード線
19aの構成は実施例3と同じである。検出器10aの
信号を分岐して一方を第1狭帯域フィルタ回路23aに
入力し、他方を第2狭帯域フィルタ回路23bに入力す
る。第1狭帯域フィルタ回路23aは発電機の固定子鉄
心長に基いて決定される共振周波数f0 を通過させもの
であり、分岐した一方の信号を第1狭帯域フィルタ回路
23aを通してピークホールド回路30に導き、A/D
変換器31を通して信号強度比較回路32に伝送され
る。また、第2狭帯域フィルタ回路23bは共振周波数
f0 より大きい所定の周波数を通過させものであり、分
岐した他方の信号は、第2狭帯域フィルタ回路23bを
通してピークホールド回路30、A/D変換器31を通
して信号強度比較回路32へ伝送される。さらに、信号
強度比較回路32からの信号は除去回路34へ伝送され
る。
クホールド回路30に導く信号を分岐して、遅延回路3
3を経て除去回路34へ伝送する構成となっている。ピ
ークホールド回路30,A/D変換器31,信号強度比
較回路32,遅延回路33,及び除去回路34とからノ
イズ判別回路25が構成されている。除去回路34から
の信号は部分放電発生処理回路26,表示装置28,及
び異常表示装置29に伝送される構成となっており、実
施例3と同じ構成である。
る。発電機1の運転中に発生する部分放電信号と電波雑
音を、部分放電センサ9を用いて計測し詳細に解析した
結果、2つの信号の周波数特性には特徴的な違いがある
ことがわかった。図15にそれぞれの周波数特性を示
す。図中、特性Gは外部の電波雑音の周波数特性であ
り、特性Hは部分放電信号の周波数特性である。部分放
電信号Hは100MHz付近まで高周波成分を有し、周
波数の増加に対する信号強度の低下が緩やかである。一
方、電波雑音Gは部分放電信号Hより強度が大きいが、
高周波成分が少なく、周波数の増加に対する信号強度の
低下が急である。図15の部分放電信号には、図8に示
した部分放電センサ9が設置されているスロットでの部
分放電Dと、部分放電センサが設置されていないスロッ
トで発生した(部分放電センサから離れたスロットで発
生した)部分放電Eが含まれている。
電波雑音の発生現象、及びこれらの信号の部分放電セン
サ9までの伝播特性の違いに起因している。図15にお
いて、f0 は1次の共振周波数であり、f1 は2次の共
振周波数である。この特性の違いから、固定子鉄心長に
基いて決定される共振周波数f0 の信号強度と、共振周
波数f0 より大きい所定の周波数帯域の信号強度を比較
すると、その値に特徴的な差が出ることが明かとなっ
た。
信号を検出するものである。式1によって固定子鉄心長
から共振周波数f0 を求め、これを第1狭帯域フィルタ
回路23aの通過周波数帯域に設定する。運転中に部分
放電センサ9で検知した信号を2つに分岐してその一方
を、共振周波数f0 を通過させる第1狭帯域フィルタ回
路23aを通してピークホールド30で信号強度を検出
する。検出した信号強度はA/D変換器31によりアナ
ログ信号からデジタル信号に変換され、信号強度比較回
路32に伝送される。一方、分岐した他方の信号は、共
振周波数f0 より大きい所定の周波数、例えば共振周波
数f0 の2倍の周波数f1 を通過させる第2の狭帯域フ
ィルタ回路23bを通してピークホールド回路30で信
号強度を検出し、A/D変換器31を通して信号強度比
較回路32へ伝送される。信号強度比較回路32では、
予め設定されたレベル以上の信号に対して、共振周波数
f0 と周波数f1 での2つの信号強度が比較される。
音の周波数特性の違いから、信号強度の低下が小さいも
の、即ち2つの周波数帯域の信号強度比{(周波数f1
での信号強度)/(共振周波数f0 での信号強度)}が
大きいものが部分放電信号であると判定できる。また、
信号強度の低下が大きいもの、即ち2つの周波数帯域の
信号強度比が小さいものは電波雑音であると判定でき
る。
分放電信号と電波雑音とを分別し、その結果を除去回路
34に伝送する。一方、第1狭帯域フィルタ23aを通
過した信号が分岐され、前述の部分放電信号と電波雑音
の分別に必要な時間が遅延回路33で遅延されて除去回
路34に伝送される。除去回路34では信号強度比較回
路32からの弁別結果に基いて、遅延回路33からの信
号ゲートをON,OFFして、部分放電信号のみを部分
放電発生処理回路26に伝送する。部分放電発生処理回
路26,表示装置28,及び異常表示装置29の構成及
び動作は実施例3と同様である。
タ回路23bは共振周波数f0 の2倍の周波数f1 の信
号を通過させるものとしたが、これに限るものではな
く、共振周波数f0 よりも大きい所定の周波数を通過さ
せるものであれば、信号強度の周波数に対する低下の差
から、部分放電信号と電波雑音を弁別できる。
信号の周波数特性を利用して、回転電機の固定子鉄心長
に基いて決定される共振周波数f0 とそれより大きい所
定の周波数の信号強度を比較することによって、部分放
電信号と電波雑音とを分別して電波雑音を取り除くこと
により、回転電機の運転中に発生する部分放電を、運転
した状態で検出できる。さらに、電波雑音を取り除くこ
とにより、放電電荷量の小さい部分放電信号も計測でき
る。
について説明する。図16は実施例7による異常検出装
置に係り、回転電機、例えば発電機の絶縁異常検出装置
において、第1狭帯域フィルタ回路23aと第2狭帯域
フィルタ回路23bの検出帯域を示す特性図で、横軸は
周波数(MHz)、縦軸は信号強度(dBm)である。
図には狭帯域フィルタ回路23a,23bが通過させる
周波数帯域幅F4,F5を示している。なお、狭帯域フ
ィルタ回路23a,23b以外の構成は実施例6と同じ
である。
実施例3で説明したように、部分放電センサ9の検出信
号は発電機の固定子鉄心長に基いて決定される共振周波
数f0 で信号強度が大きく変化する特性を有する。この
共振周波数f0 は、発電機の定格容量や発電定格等によ
り設計諸元が異なるため、発電機毎に異なる特徴があ
る。実施例6では、1次共振周波数f0 と2次共振周波
数f1 との信号強度比から部分放電信号と電波雑音とを
分別して部分放電信号を計測している。ところが実施例
6のように、共振周波数検出の帯域幅が小さい場合に
は、検知信号と共振周波数とのずれが生じやすくなる。
そして信号強度が大きく変化している帯域での検出帯域
のずれは検出する信号強度のずれとなり、部分放電信号
と電波雑音の周波数特性の違いの特徴がでにくくなる。
そこで、狭帯域フィルタ回路23における通過周波数帯
域の平均的な値を把握してやれば、検出誤差を小さくし
て信号の周波数特性の特徴を確実に把握することができ
る。つまりf0 とf1 の検出周波数、及びf0 とf1 に
おける検出帯域幅を最適に選ぶ必要がある。
23aの通過周波数帯域幅F4は、固定子鉄心長に基い
て決定される1次共振周波数f0 ±10%とし、第2狭
帯域フィルタ23bの通過周波数帯域幅F5は1次共振
周波数f0 ×1.5±10%としている。この発電機の
場合、1次共振周波数f0 は24MHzであるので、第
1狭帯域フィルタ回路23aの通過周波数帯域を24M
Hzとし、その帯域幅F4を±10%としている。ま
た、第2狭帯域フィルタ回路23bの通過周波数帯域を
1次共振周波数の約1.5倍の35MHzとし、その帯
域幅F5を±10%としている。
機の部分放電を計測し、部分放電信号と電波雑音とを分
別した結果である。図17には、横軸に第1狭帯域フィ
ルタ回路23aの通過周波数帯域を24MHzとし、第
2狭帯域フィルタ23bの通過周波数帯域を1次共振周
波数の約1.5倍の35MHzとして、その信号強度比
を示し、縦軸には第1狭帯域フィルタ回路23aの通過
周波数帯域を24MHzとし、第2狭帯域フィルタ23
bの通過周波数帯域を1次共振周波数の約2倍の47M
Hzとして、その信号強度比を示している。図中、○印
は部分放電信号であり、×印は電波雑音である。
比で見ると、強度比が0.5より大きい場合が部分放電
信号であり、小さい場合が電波雑音であると明確に分離
することができる。これに対し、24MHzと47MH
zとの強度比の場合には、強度比が0.25より大きい
場合が部分放電信号であり、0.25より小さい場合が
電波雑音であると分別はできる。部分放電信号と電波雑
音との分別境界値付近をみて両者を比較すると、24M
Hzと35MHzとの強度比の方が感度がよいことがわ
かる。
波雑音とを分別した後、その結果を除去回路34に伝送
する。除去回路34,遅延回路33,部分放電発生処理
回路26,表示装置28,及び異常表示装置29の構成
及び動作は実施例6と同様である。
ルタ回路23aの通過周波数帯域を共振周波数f0 ±1
0%とし、第2狭帯域フィルタ回路23bの通過周波数
帯域を共振周波数f0 の1.5倍±10%としている。
そして、2つの狭帯域信号の強度比の値から、回転電機
を運転した状態のまま、部分放電信号と電波雑音とを明
確に分別できる。
について説明する。実施例7では、部分放電センサで検
出した信号から部分放電信号と電波雑音とを分別する際
に、固定子鉄心長に基いて決定される共振周波数f0 ±
10%と1.5×f0 ±10%の信号強度を比較する例
について説明したが、これに限るものではなく、さらに
他の例を示す。図18は実施例7と同一のタービン発電
機の運転中に部分放電を計測した時の部分放電信号Hと
電波雑音Gの周波数特性を示す特性図である。第1狭帯
域フィルタ回路23aの検出周波数帯域F6を1次共振
周波数である24MHzから24−15%MHzとし、
第2狭帯域フィルタ23bの検出周波数帯域F7を1次
共振周波数の約1.5倍である35MHzから35−1
5%MHzとする。つまり検出帯域幅をそれぞれ共振周
波数f0 及び1.5f0 から低周波数側に15%とった
ものとしている。この場合も実施例7と同様に、2つの
狭帯域信号の強度比の値から、部分放電信号と電波雑音
とを明確に分別できるという効果を奏する。この後、部
分放電センサ9,ノイズ判別回路25,部分放電発生処
理回路26,表示装置28,及び異常表示装置29の構
成及び動作は実施例6と同様である。
ィルタ回路23aの通過周波数帯域幅F8を1次共振周
波数f0 から高周波側に15%とり、第2狭帯域フィル
タ回路23bの通過周波数帯域幅を1.5f0 から高周
波側に15%とった場合でも同様に、2つの狭帯域信号
の強度比の値から、部分放電信号と電波雑音とを明確に
分別できるという効果を奏する。さらに、実施例7,8
で狭帯域フィルタ回路23a,23bの帯域幅はf0 ,
f1 の±10%、f0 ,f1 の−15%、f0 ,f1 の
+15%、としたものについて説明したが、この値に限
定するものではなく、固定子鉄心長に基いて決定される
共振周波数f0 とそれより大きい所定の周波数の帯域を
含む周波数帯域で、周波数特性の特徴を明確に表す値で
あればよい。
る回転電機の異常検出装置を図について説明する。図2
0は実施例9による異常検出装置を用いて、定格容量6
00MkW、定格電圧19kVの火力タービン発電機の
運転中に、部分放電信号と電波雑音とを計測した結果を
示すグラフである。この異常検出装置では、第1狭帯域
フィルタ回路23aの通過周波数帯域を1次共振周波数
である13MHz,帯域幅を3MHzとし、第2狭帯域
フィルタ回路23bの通過周波数帯域を2次共振周波数
である24.5MHz,帯域幅を3MHzとしている。
その他の構成は実施例6と同様である。
路23aの信号強度(mV)、縦軸は第2狭帯域フィル
タ回路23bの信号強度(mV)を示しており、●は電
波雑音、○は部分放電信号である。図から明らかなよう
に、部分放電信号○と電波雑音●とは、例えば傾きが
0.16の直線で分別できる。即ち直線の上側のものは
部分放電信号であり、直線の下側のものは電波雑音であ
ると分別できる。
合、定格容量によって固定子鉄心3や固定子巻線4の大
きさが異なるので、発電機ごとに第1狭帯域フィルタ回
路23aと第2狭帯域フルタ回路23bの通過周波数帯
域を選択してやれば、実施例7,8で示した周波数帯域
に限定することなく、あらゆる定格容量の回転電機にお
いて、部分放電信号と電波雑音を明確に分別でき、異常
検出を行なうことができる異常検出装置が得られる。ま
た、信号の周波数特性も計測する発電機によって若干異
なる。従って、信号分別のしきい値も、実施例7で示し
た2つの信号強度の比で判断するのに限らず、実施例9
で示したように信号強度値そのもので判断してもよい。
また、2つの信号強度の差を計算して、その値によって
判断することもできる。さらに、判断で用いるしきい値
は、それぞれの回転電機で計測した信号特性から決定す
ればよい。
を図について説明する。図21は実施例10による電気
機器の異常検出方法を用いた異常検出装置を示す構成図
である。図中、実施例2と同一符号は同一、または相当
部分を示す。図において、80は発電機であり、50は
変圧器である。発電機80で発電された電気は高電圧母
線81a,81b,81cを通って変圧器50の1次巻
線82に供給され、2次巻線83で昇圧されて送電系統
へ供給される。ここで高電圧母線81a,81b,81
cは10kVないし25kVの高電圧で運転されてい
る。この実施例では、高電圧母線81a,81b,81
cのそれぞれに部分放電センサを設けており、高電圧母
線81a,81b,81cや発電機80や変圧器50の
異常を検出する。
れぞれ部分放電センサ9a,9b,9cが設けられ、検
出インピーダンス51を介して接地されている。検出イ
ンピーダンス51で検出された信号はスペクトルアナラ
イザ52と狭帯域フィルタ回路23に伝送される。さら
に、狭帯域フィルタ回路23を通った信号は部分放電計
測回路53を通って部分放電発生処理回路26に伝送さ
れ、その処理結果は表示装置28に出力される。また、
部分放電計測回路53は信号強度比較回路32と波高分
析回路54とから構成されている。
に基いて説明する。高電圧母線81a,81b,81c
は高電圧が印加されている。このため、電圧劣化により
絶縁物に劣化が生じると部分放電が発生し、その信号が
高電圧母線81a,81b,81cを高速で伝搬する。
この時、実施例1で述べたように高電圧母線81a,8
1b,81cの長さ、及び計測回路に基いて決定される
共振周波数を持つ部分放電信号となる。高電圧母線81
aで発生する部分放電信号の周波数特性は図4(a)に
示した通りである。高電圧母線81cで部分放電が発生
すると、その部分放電発生に伴う部分放電信号は部分放
電センサ9cで検出されると同時に、発電機80又は変
圧器50内の巻線や匡体を伝搬して高電圧母線81a,
81bに伝わり、部分放電センサ9a,9bでも検出さ
れる。しかし、高電圧母線81a,81bまで伝搬した
部分放電信号は大きく減衰しており、部分放電センサ9
cでの検出値に比べて小さい値となる。
を部分放電センサ9a,9b,9cで検出する場合も同
様、部分放電センサ9aでの検出信号は大きく、部分放
電センサ9b,9cでの検出信号は小さくなる。同様
に、高電圧母線81bで発生した部分放電信号を部分放
電センサ9a,9b,9cで検出する場合は、部分放電
センサ9bでの検出信号は大きく、部分放電センサ9
a,9cでの検出信号は小さくなる。
を部分放電センサ9a,9b,9cで検出する場合に
は、発電機80の巻線の長さと関係する共振周波数を持
った部分放電信号となる。この時、部分放電センサ9
a,9b,9cの検出値には差があり、その差は発電機
80の巻線のU相,V相,W相のどの位置で部分放電が
発生したかによって異なる。即ち、U相巻線で発生して
いれば、部分放電センサ9aには大きく、部分放電セン
サ9b,9cには小さく検出される。また、V相巻線で
発生していれば部分放電センサ9bには大きく、部分放
電センサ9a,9cには小さく検出され、W相巻線で発
生していれば部分放電センサ9cには大きく、部分放電
センサ9a,9bには小さく検出される。例えば、発電
機80のW相の巻線で発生した部分放電を部分放電セン
サ9cで検出した時、図4(b)に示す周波数特性とな
る。
た場合は、3つの部分放電センサ9a,9b,9cには
発電機80の巻線と関係する共振周波数を持つ信号が、
その発生場所に応じた特性量の違いとなって計測され
る。更に、変圧器50で部分放電が発生した場合にも同
様に、変圧器50内の部分放電信号の伝搬特性と対応し
た周波数特性を持つ信号が、その発生場所に対応して、
部分放電センサ9a,9b,9cに特性量の異なる信号
として検出される。
9b,9cで検知される信号の共振周波数とその信号強
度を把握することによって、高電圧母線や発電機や変圧
器からの特性量の異なる部分放電信号を分別することが
でき、発生源を特定できる。
れた信号は、検出インピーダンス51を介して狭帯域フ
ィルタ回路23及びスペクトルアナライザ52に伝送さ
れる。スペクトルアナライザ52では、部分放電センサ
9a,9b,9cで検出した信号の周波数分析を行い、
共振周波数近傍の信号が最も大きいセンサからの共振周
波数を選定して、狭帯域フィルタ回路23にその信号を
伝送する。狭帯域フィルタ回路23ではスペクトルアナ
ライザ52からの信号に基いて周波数が選定される。こ
の実施例では、例えば3台の狭帯域フィルタ回路23の
通過周波数帯域は全て同一とする。
域のみ通過した部分放電信号は部分放電計測回路53に
伝送される。部分放電計測回路53では信号強度比較回
路32で伝送された信号の信号強度が比較され、波高分
析回路54で部分放電パルスの波高分析が行われる。波
高分析されたパルス信号は部分放電発生処理回路26に
伝送される。この後の部分放電発生処理回路26と表示
装置28の動作は実施例2と同様である。
数の部分放電センサで検知した信号の周波数スペクトル
を計測し、その周波数スペクトルからその電気機器及び
計測回路に基いて決定される共振周波数を選択して狭帯
域フィルタ回路の通過周波数を決定し、複数の部分放電
センサ間の共振周波数の信号強度を比較する。これによ
り、電気機器の運転中に発生する部分放電を、運転した
状態で検出できる。さらに、部分放電センサで検知した
信号に含まれる特性量の異なる信号を分別して、発生源
ごとの部分放電信号を特定することができる。
による回転電機の異常検出装置を図について説明する。
図22,23,24,25は実施例11による異常検出
装置に係り、図22は実施例11による異常検出装置を
示す構成図、図23,図24は部分放電信号と電波雑音
の伝播特性を説明する説明図、図25はこの異常検出装
置で検出した部分放電信号と電波雑音の計測結果を示す
グラフである。実施例3と同一符号は同一、または相当
部分を示している。
固定子巻線4のU相に設置した部分放電センサ9aの計
測回路にノイズ判別回路25aが設置され、同じくV相
に設置した部分放電センサ9bの計測回路にノイズ判別
回路25bが設置され、W相に設置した部分放電センサ
9cの計測回路にノイズ判別回路25cが設置されてい
る。ノイズ判別回路25aはピークホールド回路30,
A/D変換器31,信号強度比較回路32d,遅延回路
33及び除去回路34aで構成されている。またノイズ
判別回路25bは、ピークホールド回路30,A/D変
換器31,信号強度比較回路32e,遅延回路33及び
除去回路34bで構成されており、ノイズ判別回路25
cはピークホールド回路30,A/D変換器31,信号
強度比較回路32f,遅延回路33及び除去回路34c
で構成されている。
ている電圧、即ちこの実施例の場合は発電機の固定子巻
線4で発生している発電電圧の位相を検出するための位
相検出器36を通して、固定子巻線4の位相が部分放電
発生処理回路26に伝送される構成となっている。狭帯
域フィルタ回路23,表示装置28,異常表示装置29
の構成は実施例3と同様である。
実施例1ないし実施例9では、1つの部分放電センサ9
からの検出信号から、部分放電信号を検出する方法又は
装置について説明したが、この実施例では複数の部分放
電センサを発電機の固定子巻線各相のスロットに設け、
2つ又は3つの部分放電センサからの信号を用いて部分
放電信号と電波雑音とを分別する。さらにこの構成によ
れば部分放電発生相を特定できる。図22,23におい
て、部分放電センサ9aはU相の固定子巻線4に近接し
て設置されており、検出器10aはU相の部分放電信号
を検出している。この検出器10aの信号は、狭帯域フ
ィルタ23に入力される。狭帯域フィルタ23では実施
例3と同様、固定子鉄心長に基いて決定される共振周波
数f0 近傍の信号のみを通過させ、ノイズ判別回路25
aに伝送する。ノイズ判別回路25aでは信号を分岐
し、一方はピークホールド回路30で波高値を検出して
A/D変換器31に伝送する。A/D変換器31ではア
ナログ信号をデジタル信号に変換し、信号強度比較回路
32dと信号強度比較回路32eと信号強度比較回路3
2fに伝送する。
のデジタル信号が信号強度比較回路32dと信号強度比
較回路32eと信号強度比較回路32fに伝送され、W
相で検出した部分放電信号のデジタル信号が信号強度比
較回路32dと信号強度比較回路32eと信号強度比較
回路32fに伝送される。
の部分放電センサ信号、即ちU相とV相の部分放電セン
サ信号,及びU相とW相の部分放電センサ信号を比較
し、部分放電信号と電波雑音とを分別し、さらに放電発
生相を特定して、その結果を除去回路34aに伝送す
る。この部分放電信号と電波雑音との分別及び放電発生
相の特定する方法について図23,24に基いて説明す
る。図23は固定子巻線4内で部分放電が発生したとき
に部分放電信号が固定子巻線4内を伝播する経路と、そ
の部分放電信号が部分放電センサ9a,9b,9cに検
出される特性を示したものである。例えば、図23
(a)に示すようにU相の固定子巻線4で部分放電Aが
発生した場合、U相のスロット内に設置された部分放電
センサ9aには放電信号がほとんど減衰せず、図23
(b)に示すように波高値aの大きな信号が検出され
る。これに対してV相とW相の部分放電センサ9b,9
cには固定子巻線4を伝播して検出されるために減衰が
生じて、波高値bの小さい信号が検出される。
も、同様に発生相には大きな信号が検出され、部分放電
が発生した相と異なる相の部分放電センサ9には小さい
信号が検出される。この信号波高値の計測に当っては、
信号ケーブルの長さが影響するが、この実施例では例え
ば全て同じ長さとなるように構成しているので、伝播経
路の影響のみが波高値の大きさと関係している。また、
2つのセンサ間の信号は回転電機内での伝播特性から考
えて、200ns以内の信号を同一発生源の放電信号と
してノイズ判別回路25a,25b,25cを構成して
いる。
される。図24(a)は回転電機として例えば発電機1
を模式的に示す部分断面図である。回転子5には、回転
子5で発生する軸電圧を放電するための軸接地ブラシ1
1が設けてあり、この部分を電波雑音の発生源とする。
11で放電Aが発生すると、放電信号は接地線12を流
れると同時に回転子5を伝播して固定子巻線4と静電結
合し固定子巻線4に高周波電流が流れる。同時に部分放
電センサ9a,9b,9cとも静電結合し、部分放電セ
ンサ9a,9b,9cに電波雑音が検出される。この部
分放電センサ9a,9b,9cの信号間には図24
(b)に示すように、波高値aの同じ大きさの信号が検
出される。この検出信号の大きさは、U相・V相・W相
の巻線や固定子巻線4と部分放電センサの位置とは関係
なく、回転子5と固定子巻線4との静電結合による伝播
特性と関係しており、その伝播特性は放電信号の周波数
及び回転子5と固定子巻線4との構造で決定される浮遊
静電容量とに関係する。検出している信号は10〜50
MHzの高周波であり、回転子5と部分放電センサ9
a,9b,9cが設置されている固定子巻線4との構造
は全て同じであるために、部分放電センサ9a,9b,
9c間には同じ大きさの信号が検出される。
図25である。図25は縦軸にU相の部分放電センサ信
号強度を示し、横軸にV相の部分放電センサ信号強度を
示してある。図から明かなように、U相で発生した部分
放電(□)は縦軸寄りに集中し、V相で発生した部分放
電(○)は横軸寄りに集中し、その中間に電波雑音
(△)が集中しており、部分放電信号と電波雑音とが明
確に分別できる。このため、電波雑音を取り除けば、放
電電荷量の小さい部分放電も精度よく検出できる。さら
に部分放電信号の発生位置が特定できる。また、図25
ではW相の部分放電信号は電波雑音と区別できないが、
これはU相の部分放電センサ9aとW相の部分放電セン
サ9c、あるいはV相の部分放電センサ9bとW相の部
分放電センサ9cの信号強度を比較すれば同様に分別す
ることができる。
常検出装置では、狭帯域フィルタ23では実施例3と同
様、固定子鉄心長に基いて決定される共振周波数f0 近
傍の信号のみを通過させた狭帯域出力信号をノイズ判別
回路25に伝送する。そして、ノイズ判別回路25で複
数の部分放電センサからの信号を同時に検出して、信号
強度に差があるものは部分放電、同じ強度のものは電波
雑音と判定することができる。また、検出した複数の部
分放電信号のなかで、大きい信号を検出した部分放電セ
ンサ9の設置相が放電発生相であると特定することがで
きる。このとき、固定子鉄心長に基いて決定される共振
周波数f0 近傍の信号のみを用いているので、特性量が
把握し易い。
電波形が記録されると共に部分放電発生相別に放電発生
頻度分布や放電発生位相特性に処理され、表示装置28
に伝送されると共に記録される。また、これら諸特性の
経時変化が記録され、更に登録した過去の統計データや
異常判定データと比較して絶縁異常の程度が判定され表
示装置28に伝送される。ここで、部分放電信号の発生
状況が固定子巻線4の相ごとに計測できることは、回転
電機の絶縁異常を把握する上で非常に有効な情報とな
る。つまり、回転電機に絶縁異常が発生した場合には、
その発生箇所と劣化度合によって、その後の運転状況を
決める必要があり、それらの判断のための情報を運転中
に把握できるという効果がある。表示装置28と異常表
示装置29の動作は実施例3と同様である。
した異常検出装置において、検知信号のうちの部分放電
信号と電波雑音とを分別するときの基準値に関するもの
である。図26は実施例12による回転電機、例えば発
電機の異常検出装置に係り、部分放電センサ間強度比
(この場合はU相センサ信号強度/V相センサ信号強
度)と検出頻度(個)の分布を示した特性図である。こ
の実施例による異常検出装置の構成は実施例11と同じ
である。
運転中に検出した部分放電センサ信号のU相センサ信号
強度/V相センサ信号強度と検出頻度の関係のヒストグ
ラムを図にすると、図26に示すように、3つのピーク
を持つ曲線となる。このときの信号は、狭帯域フィルタ
回路23をそれぞれ通過した信号であり、2つの狭帯域
出力信号の比を横軸にしている。図に示す3つのピーク
がそれぞれ部分放電信号と電波雑音であり、比の小さい
ピークからV相放電信号(I)、電波雑音(J)、U相
放電信号(K)となる。この場合W相放電信号は中央の
ピークに含まれるが、ここでは電波雑音として扱っても
問題はない。図26のIのピークとJのピークの谷底の
値がV相放電と電波雑音との分別のしきい値となり、J
のピークとKのピークの谷底の値がU相放電と電波雑音
との分別のしきい値となる。V相センサとW相センサの
信号強度比、W相センサとU相センサの信号強度比の場
合も同様にして分別のしきい値を決定することができ
る。
ついて、さらに詳しく説明する。ヒストグラム分布は図
27や図28に示すように分布が重なる場合と重ならな
い場合がある。図27は部分放電信号(I)のピークと
電波雑音(J)のピークのすそ値が重なる場合で、この
場合はヒストグラムの包絡線の交点の値をしきい値とし
て分別する。また、図28のように部分放電信号(K)
のピークと電波雑音(J)のピークが重ならない場合、
部分放電信号(K)の包絡線のすそ値をしきい値として
信号の分別する。
値を求めておき、信号強度比較回路32d,32e,3
2fのしきい値とすることによって、精度よく部分放電
信号と電波雑音とを分別でき、除去回路34a,34
b,34cで電波雑音を除去することができる。このよ
うにして固定子巻線の各相間のセンサ信号強度を比較
し、この値を用いて部分放電発生処理回路26で部分放
電発生の頻度や強度や位相特性及び発生位置の特定を行
う。このときの表示装置28及び異常表示装置29の動
作は実施例11と同様である。
において予めヒストグラムからしきい値を求めて部分放
電信号と電波雑音との分別を行なうことによって、各相
間の部分放電センサの感度が多少異なっていても、また
各相間の部分放電測定系の誤差が多少含まれていても、
それらの誤差を包含して分別のしきい値を正確に決定す
ることができるので、部分放電信号を正確に計測するこ
とができる。
3による回転電機、例えば発電機の異常検出装置に係
り、部分放電信号と電波雑音との判定基準を示す説明図
である。実施例13において、異常検出装置の構成は実
施例11と同じである。図29はノイズ判定回路25
a,25b,25cでの部分放電信号と電波雑音との判
定基準を示したものである。この実施例では、部分放電
センサ9a,9b,9cの感度が同じものを用い、部分
放電センサのリード線19a,19b,19cの長さを
同じにした定格容量156000kW,定格電圧18k
Vの発電機で実測し、部分放電センサ間の信号強度を図
26に示すようにヒストグラムで統計解析し、図29に
示すようにしてしきい値を設定した。この実施例では、
図中のL1を3、L2を1/3に設定している。
強度を比較した場合の判定基準は、次の通りとなる。 1)U相センサのみ検出した信号、又はL1(=3)<
U相センサ信号強度/V相センサ信号強度である信号を
U相で発生した部分放電と判定する。 2)V相センサのみ検出した信号、又はU相センサ信号
強度/V相センサ信号強度<L2(=1/3)である信
号をV相で発生した部分放電と判定する。 3)L1(=3)<U相センサ信号強度/V相センサ信
号強度<L2(=1/3)である信号を電波雑音と判定
する。 このようにしてV相とW相、W相とU相のセンサ強度も
比較し、この値を用いて信号強度比較回路32d,32
e,32fのしきい値を設定すれば、簡単に部分放電信
号と電波雑音とを分別でき、その信号を除去回路34
a,34b,34cで電波雑音を除去することができ
る。この後、部分放電発生処理回路26で部分放電発生
の頻度や強度や位相特性並びに発生位置の特定を行う。
表示装置28及び異常表示装置の動作は実施例11と同
様である。
/3と設定しているが、これに限るものではなく、実施
例12で述べたヒストグラムから求めたしきい値など
の、他の値を用いてもよい。また、狭帯域出力信号の信
号強度の比に対してしきい値を設けているが、これに限
るものではなく、例えば、狭帯域出力信号の信号強度の
差に対してしきい値を設けてもよい。
転電機の異常検出装置を示す構成図である。図におい
て、検出器10aで検知した信号10dは、実施例6で
説明したものと同様に、第1狭帯域フィルタ回路23a
と第2狭帯域フィルタ回路23bに分岐して、それぞれ
ピークホールド回路30とA/D変換器31を通って信
号強度比較回路32aに伝送され、比較結果が除去回路
34aに伝送される。また、第1狭帯域フィルタ回路2
3aからの信号は分岐して遅延回路33を通って除去回
路34aに伝送される。検出器10bで検知した信号1
0eに関しても、検出器10cで検知した信号10fに
関しても、同様に構成されている。つまりこの実施例に
よる異常検出装置では、1つの部分放電センサからの信
号の周波数特性を利用して、回転電機の固定子鉄心長に
基いて決定される共振周波数f0 とそれより大きい所定
の周波数の信号強度を比較する回路をU相、V相、W相
それぞれに設けている。
ルタ回路23a、ピークホールド回路30、A/D変換
器31を通過した10d信号と、同様に通過した10e
信号と、10f信号が信号強度比較回路32bで比較さ
れ除去回路34a,34b,34cに伝送される。この
ように構成し、U相,V相,W相に設けた複数の部分放
電センサからの狭帯域出力信号を同時に検出して、信号
強度に差があるものは部分放電、同じ強度のものは電波
雑音と判定する。さらに、除去回路34a,34b,3
4cからの信号は、部分放電発生処理回路26に伝送さ
れ、表示装置28及び異常表示装置29に伝送される。
る。実施例6で説明したように、回転電機の運転中に発
生する部分放電信号と電波雑音を部分放電センサ9で検
出すると、部分放電現象と電波雑音の発生現象、及びこ
れらの信号の部分放電センサまでの伝播特性の違いによ
り、周波数特性に違いが生じる。そこで回転電機の固定
子鉄心長に基いて決定される共振周波数f0 を通過する
第1狭帯域フィルタ回路23aの信号と、共振周波数f
0 より大きい所定の周波数、例えば共振周波数f0 の2
倍の周波数を通過させる第2狭帯域フィルタ回路23b
を通過させ、この2つの信号強度比から、信号強度比が
大きいものは部分放電、小さいものは電波雑音と判定す
る。この動作をU相,V相,W相でそれぞれ並列に行な
う。
した信号10d、及びV相の部分放電センサ9bで検知
した信号10eと、W相の部分放電センサ9cで検知し
た信号10fを、第1狭帯域フィルタ回路23a及びピ
ークホールド回路30とA/D変換器31を通過させ
て、信号強度比較回路32bでそれぞれ比較する。この
時、信号強度に差があるものは部分放電、同じ強度のも
のは電波雑音と判定する。さらに、この判定結果を除去
回路34bに伝送する。
回路23aを通過した信号が分岐されて、判定に必要な
時間が遅延回路33で遅延されて伝送されてきており、
判定結果に基づいて信号が分別され、部分放電信号のみ
が部分放電発生処理回路26に伝送される。部分放電発
生処理回路26、表示装置28、及び異常表示装置29
の構成及び動作は実施例3と同様である。
出装置では、検出された信号を周波数特性の違いにより
部分放電信号と電波雑音の分別を行なうと同時に、複数
の部分放電センサ間の信号強度の差からも部分放電信号
と電波雑音の分別を行なう。つまり同一信号を2つの方
法を用いて同時に部分放電信号と電波雑音との分別を行
なっている。このことによって、1つの方法で分別した
ときに分別しきい値近傍で不確定要素を含んだ部分の信
号を明確に分別できる効果がある。
で述べたように、判別のしきい値はヒストグラム分布が
重なる場合には包絡線の交点をしきい値としている。こ
の場合は交点よりすそ値側は誤差となる。しかし、実施
例5ないし実施例9に示したように1つの部分放電セン
サで2つの周波数帯域での信号強度比をとったときのヒ
ストグラム分布において包絡線が重なる場合において
も、同じ信号を実施例10及び実施例11に示したよう
に複数の部分放電センサで検出した場合には、ヒストグ
ラム分布の包絡線が重ならないことが判明した。また、
実施例10及び実施例11の異常検出装置で計測した場
合に、複数の部分放電センサの片方の部分放電センサの
みで検出された信号が、間違いなく部分放電信号である
ことを確認するには、同じ信号を実施例5ないし実施例
9に示した装置で検出して、その周波数特性を把握すれ
ばよいことも判明した。
1つの方法で部分放電信号と電波雑音を分別したとき
に、分別しきい値近傍で不確定要素を含んだ部分の信号
を明確に分別できる効果がある。
れば、電気機器に設けられた放電センサで検知した検知
信号の周波数スペクトルを計測し、その周波数スペクト
ルから電気機器及び計測回路に基いて共振周波数を決定
し、共振周波数の値から検知信号の発生源を特定するこ
とにより、電気機器の運転中に発生する放電信号の発生
源を、運転した状態で特定できる電気機器の異常検出方
法が得られる効果がある。
れば、回転電機の固定子巻線のスロットに設置され、ス
ロットにおける部分放電を検出する部分放電センサ、こ
の部分放電センサからの出力信号を入力して回転電機の
固定子鉄心長に基いて決定した共振周波数近傍の周波数
を通過させる狭帯域フィルタ回路、この狭帯域フィルタ
回路からの出力信号を部分放電信号とし、この部分放電
発生に応じて処理を行う部分放電発生処理回路、及び処
理結果を表示する表示装置を備えたことにより、回転電
機の運転中に発生する部分放電を、運転した状態で広範
囲に精度よく検出できる回転電機の異常検出装置が得ら
れる効果がある。
れば、電気機器の部分放電を計測する部分放電センサで
検知した信号の周波数スペクトルを計測し、その周波数
スペクトルから電気機器及び計測回路に基いて共振周波
数を決定し、共振周波数の近傍における検知信号の強度
と、共振周波数より大きい所定の周波数における検知信
号の強度に基いて部分放電信号を検出することにより、
電気機器の運転中に発生する部分放電を、運転した状態
で検出でき、さらに、発生源ごとの部分放電信号を特定
することができる電気機器の異常検出方法が得られる効
果がある。
れば、回転電機の固定子巻線のスロットに設置され、ス
ロットにおける部分放電を検出する部分放電センサ、こ
の部分放電センサからの出力信号を入力して回転電機の
固定子鉄心長に基いて決定した共振周波数の近傍を通過
させる第1狭帯域フィルタ回路、出力信号を入力して共
振周波数より大きい所定の周波数を通過させる第2狭帯
域フィルタ回路、ピークホールド回路,信号強度比較回
路,遅延回路,及び除去回路を有し、第1狭帯域フィル
タ回路と第2狭帯域フィルタ回路からの2つの狭帯域出
力信号の強度に基いて部分放電信号を判別するノイズ判
別回路、部分放電発生に応じて処理を行う部分放電発生
処理回路、並びに処理結果を表示する表示装置を備えた
ことにより、部分放電信号と電波雑音とを分別して電波
雑音を運転した状態のまま取り除くことができ、さら
に、放電電荷量の小さい部分放電信号も検出できる回転
電機の異常検出装置が得られる効果がある。
れば、電気機器の部分放電を計測する複数の部分放電セ
ンサで検知した信号の周波数スペクトルを計測し、その
周波数スペクトルから電気機器及び計測回路に基いて共
振周波数を決定し、複数の部分放電センサ間の共振周波
数の近傍の信号強度を比較して、検知した信号に含まれ
る特性量の異なる信号を分別することにより、電気機器
の運転中に発生する部分放電を、運転した状態で検出で
き、さらに、発生源ごとの部分放電信号を特定すること
ができる電気機器の異常検出方法が得られる効果があ
る。
れば、回転電機の固定子巻線各相のスロットに設置さ
れ、スロットにおける部分放電を検出する複数の部分放
電センサ、この部分放電センサからの出力信号を入力し
て回転電機の固定子鉄心長に基いて決定される共振周波
数を通過させる複数の狭帯域フィルタ回路、ピークホー
ルド回路,信号強度比較回路,遅延回路,及び除去回路
を有し、狭帯域フィルタ回路を通過した狭帯域出力信号
相互間の強度に基いて部分放電信号を判別するノイズ判
別回路、部分放電発生に応じて処理を行う部分放電発生
処理回路、並びに処理結果を表示する表示装置を備えた
ことにより、部分放電信号と電波雑音とが明確に分別で
きるので、放電電荷量の小さい部分放電信号も検出で
き、さらに部分放電信号の発生位置が特定できる回転電
機の異常検出装置が得られる効果がある。
れば、請求項第4項又は第6項の発明に加え、ノイズ判
別回路は、狭帯域フィルタ回路をそれぞれ通過した2つ
の狭帯域出力信号の比を計算し、その信号強度比のヒス
トグラムから部分放電信号と電波雑音を分別するしきい
値を求める処理回路を備え、ヒストグラムが重なってい
る場合にはヒストグラムの包絡線の交点の値をしきい値
とし、ヒストグラムが重なっていない場合には、部分放
電信号の包絡線のすそ値をしきい値として、信号の判別
を行なうことにより、部分放電センサの感度が多少異な
っていても、また部分放電測定系の誤差が多少含まれて
いても、それらの誤差を包含して分別のしきい値を正確
に決定することができるので、部分放電信号を正確に計
測することができる回転電機の異常検出装置が得られる
効果がある。
方法を用いた異常検出装置を示す構成図である。
放電信号を、周波数(MHz)に対する信号強度(dB
m)で示す特性図である。
方法を用いた異常検出装置を示す構成図である。
放電信号を、周波数(MHz)に対する信号強度(dB
m)で示す特性図である。
す断面図である。
回転電機を一部切り欠いて共に示している。
して巻線している状態を示す平面展開図である。
放電信号の周波数特性を示す特性図で、横軸は周波数
(MHz)、縦軸は検出強度(dBm)を示している。
播するときの特性図で、横軸はセンサまでの距離(スロ
ット数)、縦軸は広帯域信号の振幅(mV)及び共振周
波数での信号強度(mV)を示している。
検出した部分放電信号の周波数(MHz)に対する検出
強度(dBm)を示す特性図で、狭帯域フィルタ回路に
おける通過周波数帯域幅(F1)も共に示す。
分放電信号の周波数(MHz)に対する検出強度(dB
m)を示す特性図で、狭帯域フィルタ回路における通過
周波数帯域幅(F2)も共に示す。
分放電信号の周波数(MHz)に対する検出強度(dB
m)を示す特性図で、狭帯域フィルタ回路における通過
周波数帯域幅(F3)も共に示す。
出方法を用いた異常検出装置を示す構成図である。
す構成図である。
す特性図で、横軸は周波数(MHz)、縦軸は検出強度
(dBm)である。
検出した部分放電信号の周波数(MHz)に対する検出
強度(dBm)を示す特性図で、狭帯域フィルタ回路に
おける通過周波数帯域幅(F4,F5)も共に示す。
の強度の比を比較して示す説明図である。
検出した部分放電信号の周波数(MHz)に対する検出
強度(dBm)を示す特性図で、狭帯域フィルタ回路に
おける通過周波数帯域幅(F6,F7)も共に示す。
分放電信号の周波数(MHz)に対する検出強度(dB
m)を示す特性図で、狭帯域フィルタ回路における通過
周波数帯域幅(F8,F9)も共に示す。
出装置に係る部分放電信号と電波雑音とを計測したグラ
フであり、横軸は第1狭帯域フィルタ回路の信号強度
(mV)、縦軸は第2狭帯域フィルタ回路の信号強度
(mV)である。
検出方法を用いた異常検出装置を示す構成図である。
検出装置を示す構成図である。
サの配置及び部分放電信号の伝播波形を示す説明図であ
る。
サに検出される伝播経路及び検出信号の特性を示す説明
図である。
ンサ信号との関係を示すグラフである。
検出装置に係り、部分放電センサ間強度比と検出頻度
(個)の分布を示す特性図である。
検出頻度(個)の分布を示す特性図である。
検出頻度(個)の分布を示す特性図である。
におけるしきい値の決定方法を説明する説明図である。
検出装置を示す構成図である。
を示す断面構成図である。
断面構成図である。
で、固定子巻線に近接して設置した部分放電センサの位
置を示すために、発電機を一部切り欠いて共に示してい
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 回転電機の固定子巻線のスロットに設置
され、上記スロットにおける部分放電を検出する部分放
電センサ、この部分放電センサからの出力信号を入力し
て上記回転電機の固定子鉄心長に基いて決定した共振周
波数近傍の周波数を通過させる狭帯域フィルタ回路、こ
の狭帯域フィルタ回路からの出力信号を部分放電信号と
し、この部分放電発生に応じて処理を行う部分放電発生
処理回路、及び上記処理結果を表示する表示装置を備え
た回転電機の異常検出装置。 - 【請求項2】 電気機器の部分放電を計測する部分放電
センサで検知した信号の周波数スペクトルを計測し、そ
の周波数スペクトルから上記電気機器及び計測回路に基
いて共振周波数を決定し、上記共振周波数の近傍におけ
る上記検知信号の強度と、上記共振周波数より大きい所
定の周波数における上記検知信号の強度を比較してノイ
ズと部分放電信号とを判別する電気機器の異常検出方
法。 - 【請求項3】 回転電機の固定子巻線のスロットに設置
され、上記スロットにおける部分放電を検出する部分放
電センサ、この部分放電センサからの出力信号を入力し
て上記回転電機の固定子鉄心長に基いて決定した共振周
波数の近傍を通過させる第1狭帯域フィルタ回路、上記
出力信号を入力して上記共振周波数より大きい所定の周
波数を通過させる第2狭帯域フィルタ回路、ピークホー
ルド回路,信号強度比較回路,遅延回路,及び除去回路
を有し、第1狭帯域フィルタ回路と第2狭帯域フィルタ
回路からの2つの狭帯域出力信号の強度に基いて部分放
電信号を判別するノイズ判別回路、上記部分放電発生に
応じて処理を行う部分放電発生処理回路、並びに上記処
理結果を表示する表示装置を備えた回転電機の異常検出
装置。 - 【請求項4】 電気機器の部分放電を計測する複数の部
分放電センサで検知した信号の周波数スペクトルを計測
し、その周波数スペクトルから上記電気機器及び計測回
路に基いて共振周波数を決定し、上記複数の部分放電セ
ンサ間の上記共振周波数の近傍の信号強度を比較して、
上記検知した信号の発生源を特定する電気機器の異常検
出方法。 - 【請求項5】 回転電機の固定子巻線各相のスロットに
設置され、上記スロットにおける部分放電を検出する複
数の部分放電センサ、この部分放電センサからの出力信
号を入力して上記回転電機の固定子鉄心長に基いて決定
される共振周波数を通過させる複数の狭帯域フィルタ回
路、ピークホールド回路,信号強度比較回路,遅延回
路,及び除去回路を有し、上記狭帯域フィルタ回路を通
過した狭帯域出力信号相互間の強度に基いて部分放電信
号を判別するノイズ判別回路、部分放電発生に応じて処
理を行う部分放電発生処理回路、並びに上記処理結果を
表示する表示装置を備えた回転電機の異常検出装置。 - 【請求項6】 ノイズ判別回路は、狭帯域フィルタ回路
をそれぞれ通過した2つの狭帯域出力信号の特性量を比
較し、その特性量のヒストグラムから部分放電信号と電
波雑音を分別するしきい値を求める処理回路を備え、上
記ヒストグラムが重なっている場合には上記ヒストグラ
ムの包絡線の交点の値をしきい値とし、上記ヒストグラ
ムが重なっていない場合には、上記部分放電信号の包絡
線のすそ値をしきい値として、信号の判別を行なうこと
を特徴とする請求項3又は5記載の回転電機の異常検出
装置。
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