JP3186572B2 - 光ファイバ用ガラス母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ用ガラス母材の製造方法

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JP3186572B2
JP3186572B2 JP7546896A JP7546896A JP3186572B2 JP 3186572 B2 JP3186572 B2 JP 3186572B2 JP 7546896 A JP7546896 A JP 7546896A JP 7546896 A JP7546896 A JP 7546896A JP 3186572 B2 JP3186572 B2 JP 3186572B2
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康博 中島
剛 荻野
秀夫 平沢
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバ用ガラス
母材の製造方法、特にはVAD法による光ファイバ用ガ
ラス母材の製造におけるスートの堆積工程の排気量を調
整する光ファイバ用ガラス母材の製造方法およびその製
造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】VAD法による光ファイバ用ガラス母材
の製造は、チャンバー内において四塩化けい素などのけ
い素化合物からなるガラス母材を酸水素火炎バーナーの
火炎中での加水分解反応でシリカ微粉末とし、これをタ
ーゲット上に堆積するという方法で行なわれているが、
加水分解により生成されるガラス微粒子のうちターゲッ
トに堆積しないもの、あるいは反応で生成されるHCl
などはチャンバー内より外部に排気されている。この排
気量はバーナーからの原料ガスの噴出量、あるいはチャ
ンバー内のガラス微粒子の浮遊状態によって調節され、
多孔質ガラス母材製造中においても微調整されるが、こ
れは一度設定されると製造中に大きく変更することは殆
どなく、むしろ排気量を一定とするような努力がなされ
ていた。
【0003】この場合、初期段階ではターゲットの堆積
面積が小さく、ガラス微粒子の付着効率も悪いので、ガ
ラス微粒子が反応容器内および排気管内に充満し、内壁
に多量のガラス微粒子が付着し、付着したガラス微粒子
脱離すると、多孔質ガラス母材堆積中のチャンバー内
に舞い込み、多孔質ガラス母材表面に再度付着すると泡
などの原因となり、また、チャンバー内に落下するとす
すが舞い上り、多孔質ガラス母材や制御用の窓に付着し
て制御を乱すという問題が生じていた。このため、従来
は図3に示すように初期段階の排気量を定常時の設定量
より多くする措置がとられ、これらの問題に対処してき
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年のように
大型の母材を製造するため初期の段階から定常時と同量
の多量のガス量を流すと、クラッド部の火炎が強すぎて
コアの成長を妨げるなどの問題が生じるため、まずコア
部を成長させながら徐々にクラッド部を成長させていく
ように、ガス条件および堆積バーナーの位置を変更する
方法がとられるようになった。また、母材の大型化に伴
ないターゲットからのシリカ堆積体の落下を防止するた
め、初期段階では付着するガラス微粒子の密度を高くす
るようにガス量を設定し、徐々に定常のガス条件に戻す
などの処理も必要になってきている。
【0005】したがって、このようにガス条件の設定が
複雑になってくると、従来の排気量の調節方法、すなわ
ち排気量を一定とするか、または初期段階の排気量を定
常時の設定量より多くするなどの単純な排気量調節で
は、ガス条件の変化および多孔質ガラス母材の形状の変
化に伴なう排気状態が大きく変化してしまうため、浮遊
ガラス微粒子が多くなり、これがチャンバーや排気管内
に付着しやすくなって極端に汚れるという問題が発生す
る。
【0006】また、この場合には多孔質ガラス母材の形
状の増大に伴い、チャンバー内のガス流れが大きく変化
するため、未付着粒子が排気管に効率よく流れなくな
り、これがチャンバー内および排気管内に多量に付着し
てしまったり、火炎が乱れて正常な堆積が行なわれなく
なってしまい、さらにはガラス母材を大型化して未付着
微粒子の排気効率を高めるために初期段階から排気を大
きくすると、母材に割れが生じて多孔質ガラス母材が製
造できなくなってしまうという不利も発生する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、問題点を解決した光ファイバ用ガラス母材の製造方
法に関するもので、バーナーの火炎中で合成したガラス
微粒子をターゲットに堆積させ、多孔質の光ファイバ母
材を形成するVAD法による光ファイバ母材の製造にお
いて、該ガラス微粒子堆積初期のコア部成長過程では排
気量を少なくし、クラッド部の成長とともに各バーナー
への供給ガス量を徐々に増加させ、それに伴って排気量
を徐々に増加させ、定常時にはほぼ一定の排気量とする
ことを特徴とするものである。これに用いる製造装置と
しては、多孔質母材生成用のバーナー、ターゲットへの
付着による多孔質ガラス母材の成長に応じて引上げられ
ていくターゲット棒、このバーナー火炎および多孔質ガ
ラス母材を覆うチャンバー、チャンバー内の内圧を測定
するための圧力タップ、圧力タップにより検出された圧
力を表示する圧力計、多孔質ガラス母材により排気する
位置を移すことができる排気管、および排気管の排気量
を調節する排気量調節弁を備えた装置が挙げられる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による光ファイバ用ガラス
母材の製造は、光ファイバ用ガラス母材の製造方法にお
いて、製造初期段階においては排気量を少なくし、各バ
ーナーの各ガス量を徐々に変化させ、その後排気量を徐
々に増加させ、定常時にはほぼ一定の排気量とすること
を特徴とするものである。
【0009】これはバーナーで生成されたガラス微粒子
をターゲットに堆積させる段階では、ターゲットの堆積
面積が小さいことからバーナーに供給される原料ガス、
燃焼ガス、支燃ガス、不活性ガスの供給量が少なく、こ
の供給ガス量に合わせて排気量も少なくするが、その後
多孔質ガラス母材が成長していく段階においては、多孔
質ガラス母材の成長に合わせて供給ガス量が増加される
ために、供給ガス量の増加に伴なって、排気の流量調節
弁を操作して、排気量を徐々に供給ガスの増加に合せ
調整し、定常状態でほぼ一定量となるように排気量を調
整するもので、この排気量の調整は、例えばチャンバー
の内圧を一定に保つように、供給ガス量の増加に合わせ
て排気量を増加すればよい。
【0010】本発明では、このようにガラス微粒子の堆
積初期のコア部成長過程では排気量を少なくし、クラッ
ド部の成長とともに供給ガス量を増やしていき、この供
給ガス量の増加に伴なって排気量も増加させ、定常時に
はほぼ一定の排気量とすることで、排気状態を常に一定
とすることができるので、未付着ガラス微粒子の排出を
効率よく行なうことができる。
【0011】また、多孔質ガラス母材の成長とともに母
材外径が増大すると、チャンバー内の容量が変化してチ
ャンバー内のガスの流れが変わり、ガスの流路が狭くな
るのでガスの流れが速くなり、結果として火炎が乱れて
不安定となり、特性悪化や母材にクラックが入るなどの
問題が生じていたが、母材の形状変化によりチャンバー
の内圧が変化したときに、排気量を調整してチャンバー
内圧を一定とすれば、火炎を安定化することができるの
で、このような不利の発生を防止することができる。
【0012】さらに、本発明ではチャンバー内圧が一定
の状態で排気を行なっていくので、未付着のガラス微粒
子が極端に多くなるような特異の条件の発生が防止さ
れ、引上げ初期段階の供給ガス条件が変化するときも領
域全般にわたって効率よく排気を行なうことができる。
そして、供給ガス量が定常領域と同程度となったのち、
すなわち、定常時にはチャンバー内の多孔質ガラス母
材の径方向に占める容積もほぼ一定となって安定するた
め、排気量も一定とすれば目的とする光ファイバ用ガラ
ス母材の生産も安定化できる。
【0013】この場合、ガラス母材への気泡混入をなく
すため、そのチャンバー内の排気管形状、供給ガス量に
ついて気泡が混入しない内圧を経験的に確認したうえ
で、この気泡混入のない内圧とするのが好ましいが、本
発明のように供給ガス量の変化、排気の流れの変化に合
わせて排気量を調整して引上げを行えば、気泡混入のな
い高品質の多孔質ガラス母材を製造することができる。
【0014】図1は初期段階のチャンバー内圧、供給ガ
ス量、排気圧力との関係グラフで、一点破線はチャンバ
ー内圧、実線は供給ガス量、破線は排気圧力を示したも
のであるが、供給ガス量が少ないときは排気圧力も小さ
くして排気量も少なくし、供給ガス量が増加したときに
は排気圧力を調整してチャンバー内圧を一定に保つよう
にしている。また、供給ガス量が同一のときにも多孔質
ガラス母材の形状変化によってチャンバー内圧が変化し
た場合には排気量を調整してチャンバー内圧を一定に保
つようにしている。従って供給ガス量が変化したり、多
孔質ガラス母材の形状が変化してもチャンバー内圧をほ
ぼ一定の状況で多孔質ガラス母材の製造を行なうことが
できる。
【0015】なお、図2は本発明の製造方法を用いて
ファイバ用ガラス母材を製造するのに好適な母材製造装
置の縦断面要図を示したものであるが、このものはコア
用バーナー1、クラッド用バーナー2、チャンバー内圧
を計測するための圧力タップ3を設けた排気管4および
もう1つの圧力タップ3をチャンバー5に設け、この中
に引き上げ装置により引き上げられるターゲット棒6を
設置し、これにバーナー1、2で発生したガラス微粒子
7を堆積させ、この成長に伴なってターゲット棒を引き
上げるようにしたものであるが、これにはその排気管4
に排気量調節弁8が取りつけられており、この調節によ
って排気量が調整されるようにされている。
【0016】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 〔実施例〕 図2に示した光ファイバ用ガラス母材製造装置を使用
し、ターゲット棒6は回転数60RPMで回転させて約
2.0mm/分の平均速度で引き上げるようにした。つい
で、このコア用バーナー1に SiCl4を 300cc/分、 GeC
l4を 125cc/分、H2 ガスを20L/分、O2 ガスを7L
/分、Arガスを4L/分で供給し、クラッド用バーナ
ー2には SiCl4を 800cc/分、H2 ガスを30L/分、O
2 ガスを20L/分、Arガスを8L/分で供給し、これ
らのバーナーに着火し、ここで発生したガラス微粒子を
ターゲット6に堆積させた。
【0017】この場合、図2において、排気管4から排
気したが、チャンバー内圧は圧力タップ3で測定し、ガ
ス量の増加に伴なうチャンバー内圧の上昇は排気量を排
気量調節弁8により一定となるように調整し、初期段階
におては内圧 2.5mmAqとし、ガス量が定常条件に達した
後は、内圧を気泡混入のない程度にするために排気量を
内圧 1.5mmAqに調整し、それ以後も一定時間毎に排気量
の調整を行なって 8.2時間反応を継続して、直径が 200
mmφで長さが 1,000mmの多孔質ガラス母材を繰り返し50
本製造したところ、これらは初期段階で一本も割れるこ
となく、またこれを加熱して脱水・ガラス化して得られ
たガラス母材は気泡混入のないものとし得ることがで
きた。
【0018】〔比較例1〕 比較のために、実施例と同一の装置を使用し、同一のガ
ス条件、同じバーナーのセッティングで多孔質ガラス母
材5本の引き上げを行なったが、このとき初期段階から
定常時と同じ排気量で排気をしたところ、初期のガス流
量が少ないときに火炎が乱されてガラス微粒子の堆積が
悪くなり、定常時までの引き上げ時間が実施例にくらべ
て1時間ほど余分にかかるし、初期にコア用バーナーの
火炎が乱れたためにコアが偏心してしまって、5本中1
本は偏心がひどくて引き上げることができず、残りの4
本も供給ガス量を変化していくと、供給ガス量や多孔質
ガラス母材の形状により極端に排気管およびチャンバー
内が汚れ、すすが充満して制御不能となり、製造を中止
せざるを得なかった。
【0019】〔比較例2〕 比較のために、実施例と同一の装置、同一のガス条件で
多孔質ガラス母材5本の引き上げを行なったが、この場
合は図3に示すように初期段階で排気量を多くし、定常
時に向って徐々に排気量を少なくするようにしたとこ
ろ、初期段階での排気を強くしたために、排気が強すぎ
てコア部にクラックが入り、5回とも引き上げることが
できなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、母型の大型化に伴なっ
て初期段階のガス条件複雑に変化し、また多孔質ガラ
ス母材が徐々に大きくなってチャンバー内のガスの流れ
に変化が生じた場合においても、チャンバー内や排気管
内に付着するすすを少なくすることができ、気泡混入の
ない高品質のガラス母材を製造することができるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造法に
おける、初期段階のチャンバー内圧と供給ガス量および
排気圧力との関係グラフを示したものである。
【図2】 本発明で使用した光ファイバ用ガラス母材製
造装置の縦断面要図を示したものである。
【図3】 従来の光ファイバ用ガラス母材の製造方法に
おける製造時間と排気圧力との関係グラフを示したもの
である。
【符号の説明】
1…コア用バーナー 2…クラッド用バーナー 3…圧力タップ 4…排気管 5…チャンバー 6…ターゲット棒 7…ガラス微粒子 8…排気量調節弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平沢 秀夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社 精密機能材料研究所 内 (56)参考文献 特開 平6−234539(JP,A) 特開 平7−109133(JP,A) 特開 平3−109221(JP,A) 実開 昭63−140036(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 37/018 C03B 8/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナーの火炎中で合成したガラス微粒
    子をターゲットに堆積させ、多孔質の光ファイバ母材を
    形成するVAD法による光ファイバ母材の製造におい
    て、該ガラス微粒子堆積初期のコア部成長過程では排気
    量を少なくし、クラッド部の成長とともに各バーナー
    の供給ガス量を徐々に増加させ、それに伴って排気量を
    徐々に増加させ、定常時にはほぼ一定の排気量とするこ
    とを特徴とする光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 供給ガスの変化および多孔質母材の成長
    に伴って排気量を調節し、チャンバー内圧が一定になる
    ように制御する請求項1に記載した光ファイバ用ガラス
    母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 内圧、排気量、排気圧を測定し、排気
    量、排気管位置、排気圧を自動制御する請求項1または
    2に記載した光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100907599B1 (ko) * 2003-04-08 2009-07-14 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 광파이버 모재 제조 장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100907599B1 (ko) * 2003-04-08 2009-07-14 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 광파이버 모재 제조 장치

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