JP2005075692A - ガラス微粒子堆積体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガラス微粒子を効率よく堆積させて、ガラス微粒子堆積体に割れが生じることのないガラス微粒子堆積体を製造する。
【解決手段】 多重管のバーナ10の第2層のポートを仕切壁によって分割し、その分割した上側ポート及び下側ポートへの燃焼ガスの流量をコアロッド1の引き上げ量に応じて制御し、ガラス微粒子堆積体2の堆積面の温度分布を変化させる。ガラス微粒子堆積体2の外堆積側における表面温度の最高値T1と内堆積側における表面温度の最大値T2との温度差ΔT(=T1−T2)を、有効部2aの形成時よりも非有効部2cの形成時にて小さくし、堆積面の形状を変化させ、非有効部2cの体積を小さくする。
【選択図】 図1
【解決手段】 多重管のバーナ10の第2層のポートを仕切壁によって分割し、その分割した上側ポート及び下側ポートへの燃焼ガスの流量をコアロッド1の引き上げ量に応じて制御し、ガラス微粒子堆積体2の堆積面の温度分布を変化させる。ガラス微粒子堆積体2の外堆積側における表面温度の最高値T1と内堆積側における表面温度の最大値T2との温度差ΔT(=T1−T2)を、有効部2aの形成時よりも非有効部2cの形成時にて小さくし、堆積面の形状を変化させ、非有効部2cの体積を小さくする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、出発材にガラス微粒子を堆積させてガラス微粒子堆積体を製造するガラス微粒子堆積体の製造方法に関する。
従来、光ファイバのガラス母材とされるガラス微粒子堆積体を製造する方法として、VAD法(Vapor phase Axial Deposition;気相軸付法)が用いられている。このVAD法によって光ファイバのガラス微粒子堆積体を製造する際には、それぞれ径の異なる複数の管が軸に対して同心状に配された、いわゆる多重管バーナ(以下単にバーナと呼ぶ)が用いられる。
バーナは、一般的に石英ガラスや金属等で構成されており、特に石英ガラスの場合は溶接により互いの石英ガラス製パイプを溶接した構造とされている。このバーナは、中心の管からSiCl4、GeCl4等のガラス原料を噴出し、また、複数の管同士によって区画された複数のポートのそれぞれからH2等の燃焼性ガスや、O2等の助燃性ガスや、Ar等のシールガスを出発材に噴出する。そして、燃焼性ガスを燃焼させることでSiCl4、GeCl4を加水分解させてガラス微粒子となるSiO2、GeO2が生成される。そして、このガラス微粒子が出発材に堆積することでガラス微粒子堆積体が形成される。
VAD法では、ガラス微粒子の堆積効率を向上させるために、ガラス微粒子が高温側から低温側へと向かっていく力を受けるというサーモホレシス(熱泳動)効果が利用されている。このサーモホレシス効果を向上させるために、ガラス微粒子堆積体表面のバーナからガラス原料及び燃焼性ガス等が吹き付けられる領域において、ガラス微粒子堆積体の内堆積側(出発材側)と外堆積側の表面温度の差を調整するといった工程が行われている。
そして、従来、バーナを用いたガラス微粒子堆積体の製造方法としては、余剰空気を導入するとともに、ガラス微粒子堆積体の表面温度が所定の範囲になるようにバーナの火炎状態を制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
そして、従来、バーナを用いたガラス微粒子堆積体の製造方法としては、余剰空気を導入するとともに、ガラス微粒子堆積体の表面温度が所定の範囲になるようにバーナの火炎状態を制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記ガラス微粒子堆積体の製造方法では、余剰空気量を制御することにより、ガラス微粒子堆積体の表面温度を制御しているが、ガラス微粒子堆積体の表面温度の最大値と最小値の差が大きいと、ガラス微粒子堆積体の端部に形成されるテーパの長さが長くなり、光ファイバとしての特性を満足できない非有効部のガラス量が多くなる。また、非有効部のテーパ部分は、内堆積側が外堆積側よりも低温にて形成されているため、ガラス密度が低く、製造後あるいは焼結時に非有効部で割れ等が生じることが懸念されていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ガラス微粒子を効率よく堆積させることができ、製造後あるいは焼結時に割れが生じることのないガラス微粒子堆積体の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のガラス微粒子堆積体の製造方法は、バーナから出発材に対してガラス微粒子を吹き付けることにより製造されるガラス微粒子堆積体の製造方法であって、前記出発材を前記バーナに対して上方に引き上げながら、前記ガラス微粒子を前記出発材上に堆積させて所定外径を有する有効部を形成するステップと、前記ガラス微粒子を前記出発材上に堆積させてテーパ形状の非有効部を形成するステップと、を有し、前記ガラス微粒子堆積体の堆積面の形状を前記有効部と前記非有効部とで変化させる。
本発明においては、前記有効部の形成時には、前記バーナによる前記出発材への前記ガラス微粒子の堆積面の面積を広くし、前記非有効部の形成時には、前記バーナによる前記出発材への前記ガラス微粒子の堆積面の面積を、前記有効部の形成時よりも狭くすることが好ましい。
また、本発明においては、前記ガラス微粒子堆積体の堆積中の部分において、前記ガラス微粒子堆積体の外堆積側50%の範囲における表面温度の最大値をT1とし、前記ガラス微粒子堆積体の内堆積側50%の範囲における表面温度の最大値をT2とし、温度差をΔT=T1−T2としたとき、前記有効部の形成時よりも非有効部の形成時にΔTが小さいことが好ましい。
また、本発明においては、少なくとも1つのポートが複数に分割された複数のポートを有する多重管バーナを用い、前記分割されたポートにおいてそれぞれ異なる流量の燃焼ガスを流すことにより、前記ガラス微粒子堆積体の堆積面の温度分布を変化させることが好ましい。
また、本発明においては、前記出発材の引き上げ量に応じて前記バーナへ供給する燃焼ガスの流量を制御し、前記ガラス微粒子堆積体の堆積面の温度分布を変化させることが好ましい。
また、本発明においては、前記出発材に対する前記バーナの傾き角度を前記有効部の形成時よりも前記非有効部の形成時にて小さくし、堆積面の形状を変化させることが好ましい。
また、本発明においては、前記バーナを、前記出発材とのなす角度を調整する角度調整機構に設置し、前記出発材の引き上げ量に応じて前記角度調整機構によって前記出発材に対する前記バーナの傾き角度を変化させることが好ましい。
本発明によれば、ガラス微粒子堆積体の堆積面の形状を有効部と非有効部とで変化させることにより、有効部の体積を大きくすることができ、しかも、ガラス微粒子堆積体のテーパ部(非有効部)体積密度を上げることにより、得られるガラス微粒子堆積体の製造後あるいはその後の焼結時における割れが生じることを防止することができる。
以下、本発明にかかるガラス微粒子堆積体の製造方法の実施形態を図面によって説明する。
図1は、本実施形態のガラス微粒子堆積体の製造方法を説明するための図であり、図2は、本実施形態の製造方法により製造されるガラス微粒子堆積体を示す図である。
本実施形態のガラス微粒子堆積体2は、バーナ10によってコアロッド1の外周面上にガラス微粒子を堆積させることにより製造される。図1に示すように、バーナ10は、出発材であるコアロッド1の斜め下方に配されており、またコアロッド1は、バーナ10の中心軸O(以下、軸Oとする)の延長線上に配置されている。
コアロッド1は、図中矢印Aで示すように回転軸Cを中心として回転可能に図示せぬ支持部材に支持されている。またコアロッド1は、図1中矢印X方向に、すなわちバーナ10に対して相対的に昇降可能に構成されている。コアロッド1は、バーナ10を用いてガラス微粒子堆積体2を製造する際、矢印X方向に引き上げられる。
バーナ10は、それぞれ径の異なる複数の管が軸Oに対して同心状に配された、いわゆる多重管バーナである。バーナ10の中心の管からは、SiCl4、GeCl4等のガラス原料が噴出され、また、複数の管同士によって区画された複数のポートのそれぞれからH2等の燃焼性ガス、O2等の助燃性ガス、Ar等のシールガスがコアロッド1に向かって噴出される。そして、バーナ10から噴出した燃焼性ガスを燃焼させることでガラス原料であるSiCl4、GeCl4を加水分解させて、SiO2、GeO2等のガラス微粒子が生成される。
バーナ10によって生成されるガラス微粒子がコアロッド1の外周面上に吹き付けられるとともに、コアロッド1が矢印Aの方向に回転しながら矢印X方向に引き上げられることにより、ガラス微粒子はコアロッド1の外周面上に順次堆積していく。このように、バーナ10を駆動してコアロッド1を引き上げることで、ガラス微粒子堆積体2が得られる。
ガラス微粒子堆積体2は、図2に示すように、所定の外径Rを有する有効部2aと、有効部2aの上端および下端にそれぞれ連続して形成されたテーパ形状を有する非有効部2b,2cとを有している。このガラス微粒子堆積体2は、図示しない脱水焼結炉で上記ガラス微粒子堆積体2に脱水焼結されて透明ガラス化し、光ファイバを製造するために使用されるガラス母材となる。
なお、図1(a)は、ガラス微粒子堆積体2を製造する工程の途中の状態を示しており、図1(b)は、この状態におけるガラス微粒子堆積体2の表面温度と、ガラス微粒子堆積体2におけるコアロッド1の引き上げ方向位置との関係を表すグラフを示している。
本実施形態では、バーナ10から吹き付けられるガラス微粒子が堆積する堆積面の形状を有効部2aの形成時と、有効部2aの下端側に形成される非有効部2cの形成時とで変化させるようにしている。具体的には、非有効部2cの形成時には、回転軸Cに対する堆積面のテーパ角度を有効部2a形成時よりも小さくするようにし、非有効部2cの体積を小さくするように構成している。
以下具体的な製造方法について説明を行う。
まず、所定外径Rの有効部2aを形成する際には、図1のグラフにおける鎖線にて示すように、ガラス微粒子堆積体2の、バーナ10から噴出されるガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域において、コアロッド1からの径方向距離に応じて堆積面の表面温度を異ならせるようにする。
まず、所定外径Rの有効部2aを形成する際には、図1のグラフにおける鎖線にて示すように、ガラス微粒子堆積体2の、バーナ10から噴出されるガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域において、コアロッド1からの径方向距離に応じて堆積面の表面温度を異ならせるようにする。
具体的には、ガラス微粒子堆積体2のガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域において、ガラス微粒子堆積体2の外堆積側(一点鎖線Bよりも外径側、一点鎖線Bは、有効部2aの半径の50%の位置を示す)、つまり、コアロッド1における図1上方側の表面温度が、ガラス微粒子堆積体2の内堆積側(一点鎖線Bよりも内径側)、つまり、コアロッド1における図1下方側の表面温度よりも高くなるように温度分布が形成されている。
具体的な温度分布としては、図1(b)に示すように、ガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域において、ガラス微粒子堆積体2の外堆積側において表面温度の最大値T1を示し、また、ガラス微粒子堆積体2の内堆積側において最大値T1よりも表面温度が低い最大値T2を示すようなものが挙げられる。
この温度分布では、ガラス微粒子堆積体2において、表面温度が最大値T1を示す部位と表面温度が最大値T2を示す部位との間には、表面温度が極小値を示す部位が存在している。この極小値を示す部位は、ガラス微粒子堆積体2において、バーナ10の軸Oの延長線状に位置する部位に略相当する。また、この極小値を示す部位は、バーナ10からガラス原料が軸O方向に直接吹き付けられることに起因して酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス等が吹き付けられにくい位置であり、酸水素火炎の燃焼量がその周囲に比して少ない部位に相当する。
図1(b)中鎖線にて示すように、ガラス微粒子堆積体2の表面温度の最大値T1と最大値T2との表面温度差ΔT(=T1−T2)を大きくすると、最大値T1に相当する高温の部位では、堆積するガラス微粒子の密度が密となり、一方最大値T2に相当する低温の部位では、堆積するガラス微粒子の密度が疎となる。これにより、図1(a)の鎖線で示すように、ガラス微粒子堆積体2上になだらかな堆積面が形成される。
そして、上記のようにして有効部2aを形成した後、ガラス微粒子堆積体2の下端部の非有効部2cを形成する際には、図1(b)中実線にて示すように、有効部2aを形成する際の最大値T1と最大値T2との表面温度差ΔTよりも小さくなるように、最大値T1と最大値T2を変化させる。これにより、最大値T1に相当する高温の部位では、堆積するガラス微粒子の密度が有効部2a形成時よりも疎となり、一方最大値T2に相当する低温の部位では、堆積するガラス微粒子の密度が有効部2a形成時よりも密となる。これにより、ガラス微粒子堆積体2上の堆積面の形状が変化し、具体的には、非有効部2c形成時には、コアロッド1に対する堆積面のテーパ角度が大きくなり、図1(a)の実線で示すように、有効部2a形成時よりもコアロッド1に対する角度が大きい堆積面が形成される。したがって、有効部2aを形成したときよりも堆積面の面積が狭くなり、最終的に形成される非有効部2c全体の体積が小さくなる。
このように、上記ガラス微粒子堆積体の製造方法によれば、コアロッド1に所定外径の有効部2aを形成する際に、バーナ10によるコアロッド1へのガラス微粒子の吹き付け面からなる堆積面の面積を広くし、コアロッド1の下端部における非有効部2cを形成する際に、ガラス微粒子の堆積面の面積を、有効部2aを形成するときよりも小さくするので、ガラス微粒子堆積体2の非有効部2cの体積を小さくし、有効部2aの体積を大きくすることができる。
次に、上記のような温度分布を形成させることが可能なバーナ10を図3を参照して説明する。
図3は、バーナ10における図1中III−III線矢視図である。
図3に示すように、バーナ10は、径がそれぞれ異なる円筒状の複数(本実施形態においては8個)の管11、12、13、14、15、16、17、18(以下、複数の管11〜18とする)が軸Oを中心として同心状に配された、いわゆる多重管構造のバーナである。
図3に示すように、バーナ10は、径がそれぞれ異なる円筒状の複数(本実施形態においては8個)の管11、12、13、14、15、16、17、18(以下、複数の管11〜18とする)が軸Oを中心として同心状に配された、いわゆる多重管構造のバーナである。
ここで、バーナ10の複数の管11〜18のうち、最も径が小さい管11が中心に配され、残りの管12〜18が、管11の径方向内側から12、13、14、15、16、17、18といった順番で配されている。
このバーナ10では、複数の管11〜18によって複数のポートP10、P20、P30、P40、P50、P60、P70、P80が区画されている。
具体的には、中心の管11の内径面によって中心のポートP10が区画され、管11の外径面と管12の内径面に第2層のポートP20が区画され、管12の外径面と管13の内径面に第3層のポートP30が区画され、管13の外径面と管14の内径面に第4層のポートP40が区画され、管14の外径面と管15の内径面に第5層のポートP50が区画され、管15の外径面と管16の内径面に第6層のポートP60が区画され、管16の外径面と管17の内径面に第7層のポートP70が区画され、管17の外径面と管18の内径面に第8層のポートP80が区画されている。
ポートP10からは、SiCl4、GeCl4などのガラス原料あるいはH2などの燃焼性ガスとガラス原料の混合ガスがガラス微粒子堆積体2(図1参照)に向かって噴出される。ガラス原料は、図示しない供給源からガラス原料導入管を介してポートP10に供給される。
本実施形態において、第2層のポートP20は、軸O方向におけるガラス微粒子堆積体2(図1参照)側に向かって燃焼性ガスとして燃焼性を有する水素(H2)を噴出する。第2層のポートP20には燃焼性ガスを該ポートP20に導入可能な第1の導入管G21と第2の導入管G22がそれぞれ接続されている。
また、第3層のポートP30は、シールガスとして不活性であるアルゴン(Ar)又は窒素(N2)を噴出する。第3層のポートP30にはシールガスを該ポートP30に導入する導入管G30が接続されている。
さらに、第4層のポートP40は、助燃性ガスとして助燃性を有する酸素(O2)を噴出する。第4層のポートP40には助燃性ガスを該ポートP40に導入可能な導入管G40が接続されている。
上記と同様に、第5層のポートP50は、上記シールガスを、第6層のポートP60は燃焼性ガスを、第7層のポートP70はシールガスを、第8層のポートP80は助燃性ガスを噴出する。ポートP50には導入管G50が、ポートP60には導入管G60が、ポートP70には導入管G70が、ポートP80には導入管G80が、それぞれ接続されている。各ポートP50〜P80には導入管G50〜G80を介して燃焼性ガス、助燃性ガスあるいはシールガスが導入可能である。
本実施形態において、中心の管11と中心の管11に隣り合う管12との間に区画された、燃焼性ガスを噴出する第2層のポート(第1のポート)P20は、一対の仕切壁12aによって仕切られている。
図3に示すように、一対の仕切壁12aは、軸Oに対して対称に設けられている。一対の仕切壁12aは、第2層のポートP20を上側ポートP21と下側ポートP22との2つに分割している。
図3に示すように、一対の仕切壁12aは、軸Oに対して対称に設けられている。一対の仕切壁12aは、第2層のポートP20を上側ポートP21と下側ポートP22との2つに分割している。
上側ポートP21には導入管G21が接続され、下側ポートP22には導入管G22が接続されている。このため、バーナ10は、導入管G21から上側ポートP21に導入する燃焼性ガスの量と、導入管G22から下側ポートP22に導入する燃焼性ガスの量とを、図示しないガス導入量調整手段を介して互いに異なるように調整可能である。
上記バーナ10によって、上側ポートP21から噴出される燃焼性ガスの流量を下側ポートP22から噴出される燃焼性ガスの流量より多くなるように調整し、且つ、上側ポートP21の燃焼性ガスをガラス微粒子堆積体2の外堆積側に、また、下側ポートP22の燃焼性ガスをガラス微粒子堆積体2の内堆積側に吹き付けるようにする。このように構成することにより、ガラス微粒子堆積体2の堆積面において、ガラス微粒子堆積体2の外堆積側に比して内堆積側に吹き付けられる燃焼性ガスの流量を少なくすることが可能になる。
これにより、ガラス微粒子堆積体2の表面の外堆積側において、燃焼性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内堆積側に比して表面温度が高くなる。こうして、ガラス微粒子堆積体2の表面における内堆積側と外堆積側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
そして、非有効部2cを形成する際には、有効部2aを形成する際よりも、上側ポートP21へ導入される燃焼性ガスの供給量に対する下側ポートP22へ導入される燃焼性ガスの供給割合を増加させて、表面温度差ΔTが小さくなるようにする。これにより、ガラス微粒子堆積体2の堆積面の形状が変化し、非有効部2cの体積が小さくなる。
このように、上記バーナ10によって温度分布を変化させて非有効部2cの形成時における堆積面を小さくすることにより、非有効部2cの体積を小さくすることができる。また、この場合、非有効部2c形成時に内堆積側の温度が高められることにより非有効部2cの密度が高められ、製造後あるいはその後の焼結時における割れが生じることのないガラス微粒子堆積体2とすることができる。
次に、本発明にかかるガラス微粒子堆積体の製造方法の他の実施形態を図面を参照して説明する。図4は、角度調整機構を備えたバーナを示す概略側面図であり、図5は、以下に説明する他の実施形態のガラス母材の製造方法を説明するための図である。なお、以下に説明する実施形態において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化あるいは省略する。
図4に示すように、このバーナ10aは、角度調整機構20に支持されている。この角度調整機構20は、水平方向に移動可能に支持された基台21と、この基台21に立設された支柱22と、この支柱22に回動可能に支持されたブラケット23とを有しており、ブラケット23に、バーナ10aが固定されている。
そして、このブラケット23に固定されたバーナ10aは、支柱22に対してブラケット23を回動させることにより、コアロッド1の回転軸Cに対して角度を調整することができるようになっている。
次に、上記角度調整機構20に支持したバーナ10aを用いてコアロッド1にガラス微粒子を堆積させる場合について説明する。
まず、所定外径Rの有効部2aを形成する際には、図5中鎖線にて示すように、コアロッド1の回転軸Cに対してバーナ10aを角度θの傾き角度に傾けてバーナ10aを駆動させる。こうすることで、バーナ10aによって生成されるガラス微粒子がコアロッド1の外周面上に次第に堆積されるとともに、ガラス微粒子堆積体2の引き上げとともに、コアロッド1の外周面上にガラス微粒子が堆積される。こうして、バーナ10aを駆動してコアロッド1を所定の時間だけ引き上げることで、引き上げの方向に対して外径が一定である、略円柱状のガラス微粒子堆積体2を得ることができる。その後、図示しない脱水焼結炉で上記ガラス微粒子堆積体2に脱水焼結工程を施すことで、光ファイバなどを製造するために使用するガラス母材を得ることができる。
本実施形態では、上記のようにして、有効部2aを形成した後、ガラス微粒子堆積体2の下端部の非有効部2cを形成する際には、バーナ10aを、図5中実線にて示すように、有効部2aを形成する際の傾き角度θよりも小さな傾き角度θ′に変化させる。このようにすると、回転軸Cに対する堆積面のテーパ角度が大きくなり、有効部2aを形成したときよりも堆積面の面積が狭くなり、非有効部2cの体積が小さくなる。
このように、コアロッド1の回転軸Cに対してバーナ10aの傾き角度を変化させて非有効部2cの形成時における堆積面を小さくすることにより、非有効部2cの体積を小さくすることができ、また、この場合、非有効部2c形成時に内堆積側の温度が高められることより密度が高められ、製造後あるいはその後の焼結時における割れが生じることのないガラス微粒子堆積体2とすることができる。
なお、上記の実施形態では、長尺のコアロッド1からなる出発材の外周にガラス微粒子を堆積させてガラス微粒子堆積体2を製造したが、本実施形態は、出発材の下端に光ファイバのコア及びクラッドとなるガラス微粒子を付着させて堆積させる場合にも適応可能である。
なお、上記の実施形態では、ガラス微粒子堆積体2において、表面温度が最大値T1を示す部位と表面温度が最大値T2を示す部位との間には、表面温度が極小値を示す部位が存在しているとして説明を行ったが、これに限られることはない。例えば、表面温度が最大値T1を示す部位と表面温度が最大値T2を示す部位との間に表面温度の極小値が存在しないような温度分布を生じさせるようなバーナを使用した場合、または極小値が存在しないように燃焼性ガスの流量制御を行った場合であっても、表面温度差ΔTを有効部2aの形成時と非有効部2cの形成時とで変化させることにより同様の効果を得ることができる。
図3に示すバーナ10を用いて、第2層のポート(第1のポート)P20の上側ポートP21と下側ポートP22から噴出される燃焼性ガスの上下流量比を調整することによりガラス微粒子堆積体2の堆積面の温度分布を変化させて、ガラス微粒子堆積体2を作成した。ここでは、ガラス微粒子堆積体2の外堆積側の表面温度の最大値T1と内堆積側の表面温度の最大値T2との温度差ΔTを40℃としたもの(実施例1−1)、温度差ΔTを−10℃としたもの(実施例1−2)、そして従来条件として温度差ΔTを90℃としたもの(比較例1)の3種類の温度条件でガラス微粒子堆積体2を作成した。なお、上記の実施例1−1,1−2および比較例1では、温度差ΔTは有効部2a及び非有効部2cとで変化させなかった。
作成したガラス微粒子堆積体2を調べたところ、比較例1における非有効部2cの体積を1とした場合、実施例1−1では非有効部2cの体積が0.9となり、実施例1−2では非有効部2cの体積が0.8となることがわかった。しかしながら、コアロッド1の引き上げ速度の平均値を測定したところ、比較例1では、102(mm/H)であるのに対し、実施例1−1では85(mm/H)、実施例1−2では69(mm/H)となり、引き上げ速度が低下してしまった。すなわち、実施例1−1,1−2では非有効部2cの体積を効果的に減少させることができたが、引き上げ速度が低下してしまうことがわかった。
図3に示すバーナ10を用いて、有効部2aの形成時に温度差ΔTを90℃とし、そして非有効部2cの形成時に温度差ΔTを40℃(実施例2−1)または−10℃(実施例2−2)としてガラス微粒子堆積体2を形成し、形成されたガラス微粒子堆積体2の非有効部体積とコアロッド1の引き上げ速度の平均を求めた。有効部2aから非有効部2cの形成へ移行する時の温度は、バーナ10のポート22から噴射される水素の流量をポート21から噴射される水素の流量より多くすることで積極的に変化させた。
その結果、比較例1に示すように有効部2a及び非有効部2cの全てを90℃の温度差ΔTにて形成した場合に102mm/hであった引き上げ平均速度が、非有効部2cの形成時に温度差ΔTを40℃とした場合(実施例2−1)は100mm/hとなり、非有効部2cの形成時に温度差ΔTを−10℃とした場合(実施例2−2)は99mm/hとなった。すなわち、温度差ΔTを変化させても、引き上げ速度の平均値は、比較例1とほぼ同等レベルで変化しなかった。
一方、非有効部2cの体積は、比較例1における非有効部2cの体積を1とした場合、実施例2−1では非有効部2cの体積が0.9となり、実施例2−2では非有効部2cの体積が0.8となることがわかった。すなわち、実施例2−1,2−2においては、引き上げ速度の平均値を従来条件である比較例1とほぼ同等に保ちつつ、非有効部2cの体積を効果的に削減することができた。
以下の表1に実施例1および実施例2の結果をまとめる。
図3に示すバーナ10を用いて、コアロッド1の引き上げ量を監視しつつ、その引き上げ量に応じて上側ポートP21と下側ポートP22から噴出される燃焼性ガスの上下流量比を調整し、非有効部2cの形成への移行時に、実施例2−1,2−2同様に温度差ΔTを40℃、−10℃にそれぞれ変化させた。
その結果、それぞれの場合において、良好なコアロッド1の引き上げ速度の平均値が得られ非有効部2cの体積を大幅に削減することができ、これら引き上げ速度及び非有効部2cの体積の双方の観点から最も効率良く、ガラス微粒子堆積体2を製造することができた。
その結果、それぞれの場合において、良好なコアロッド1の引き上げ速度の平均値が得られ非有効部2cの体積を大幅に削減することができ、これら引き上げ速度及び非有効部2cの体積の双方の観点から最も効率良く、ガラス微粒子堆積体2を製造することができた。
図4に示すバーナ10aを用いて、コアロッド1の引き上げ量を監視しつつ、その引き上げ量に応じて回転軸Cに対するバーナ10aの傾き角度を調整し、非有効部2cの形成への移行時に、図5に示すように、傾き角度をθからθ′に変化させた。
その結果、実施例2−2と同様の結果が得られ、非有効部2cの体積を大幅に削減することができ、効率良くガラス微粒子堆積体2を製造することができた。
その結果、実施例2−2と同様の結果が得られ、非有効部2cの体積を大幅に削減することができ、効率良くガラス微粒子堆積体2を製造することができた。
本発明のガラス微粒子堆積体は、効率的な光ファイバ製造に好適に使用することが可能である。
1 コアロッド(出発材)
2 ガラス微粒子堆積体
10、10a バーナ
20 角度調整機構
2 ガラス微粒子堆積体
10、10a バーナ
20 角度調整機構
Claims (7)
- バーナから出発材に対してガラス微粒子を吹き付けることにより製造されるガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記出発材を前記バーナに対して上方に引き上げながら、前記ガラス微粒子を前記出発材上に堆積させて最終的に所定外径を有する有効部を形成するステップと、
前記ガラス微粒子を前記出発材上に堆積させて最終的にテーパ形状の非有効部を形成するステップとを有し、
前記ガラス微粒子堆積体の堆積面の形状を前記有効部と前記非有効部とで変化させることを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。 - 前記有効部の形成時には、前記バーナによる前記出発材への前記ガラス微粒子の堆積面の面積を広くし、
前記非有効部の形成時には、前記バーナによる前記出発材への前記ガラス微粒子の堆積面の面積を、前記有効部の形成時よりも狭くすることを特徴とする請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。 - 前記ガラス微粒子堆積体の堆積中の部分において、
前記ガラス微粒子堆積体の外堆積側50%の範囲における表面温度の最大値をT1とし、
前記ガラス微粒子堆積体の内堆積側50%の範囲における表面温度の最大値をT2とし、
温度差をΔT=T1−T2としたとき、
前記有効部の形成時よりも非有効部の形成時にΔTが小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。 - 少なくとも1つのポートが複数に分割された複数のポートを有する多重管バーナを用い、前記分割されたポートにおいてそれぞれ異なる流量の燃焼ガスを流すことにより、前記ガラス微粒子堆積体の堆積面の温度分布を変化させることを特徴とする請求項3に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
- 前記出発材の引き上げ量に応じて前記バーナへ供給する燃焼ガスの流量を制御し、前記ガラス微粒子堆積体の堆積面の温度分布を変化させることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
- 前記出発材に対する前記バーナの傾き角度を前記有効部の形成時よりも前記非有効部の形成時にて小さくし、堆積面の形状を変化させることを特徴とする請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
- 前記バーナを、前記出発材に対する傾き角度を調整する角度調整機構に設置し、前記出発材の引き上げ量に応じて前記角度調整機構によって前記出発材に対する前記バーナの傾き角度を変化させることを特徴とする請求項6に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
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JP2011132065A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Asahi Glass Co Ltd | 多孔質石英ガラス体の製造方法 |
-
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- 2003-09-01 JP JP2003309368A patent/JP2005075692A/ja active Pending
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