JP2004307290A - バーナ及びガラス母材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス微粒子を効率よく堆積させることができ、得られるガラス微粒子堆積体の外層に割れが生じることを防止することができる。
【解決手段】径がそれぞれ異なる複数の管11、12、13、14、15、16、17、18が同心状に配され、複数の管によって複数のポートP10、P20、P30、P40、P50、P60、P70、P80が区画されたバーナ10は、ガラス原料を噴出する中心の管11とこの中心の管11と隣り合う管12との間に、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する第1のポートP20が区画され、第1のポートP20が仕切壁12aによって仕切られている。
【選択図】 図2
【解決手段】径がそれぞれ異なる複数の管11、12、13、14、15、16、17、18が同心状に配され、複数の管によって複数のポートP10、P20、P30、P40、P50、P60、P70、P80が区画されたバーナ10は、ガラス原料を噴出する中心の管11とこの中心の管11と隣り合う管12との間に、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する第1のポートP20が区画され、第1のポートP20が仕切壁12aによって仕切られている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス微粒子を堆積させてガラス微粒子堆積体を形成するバーナ及びガラス母材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバの多孔質母材を製造する方法として、VAD法(Vapor phase Axial Deposition;気相軸付法)が用いられている。
VAD法によって光ファイバのガラス母材を製造する際には、それぞれ径の異なる複数の管が軸に対して同心状に配された、いわゆる多重管バーナ(以下、バーナという。)が用いられている。
【0003】
バーナは、一般的に石英ガラスや金属で構成されており、特に石英ガラスの場合は溶接により互いの石英ガラス製パイプを溶接した構造とされている。
VAD法によってガラス母材を製造する際のバーナは、中心の管からSiCl4、GeCl4等のガラス原料を噴出し、また、複数の管同士によって区画された複数のポートのそれぞれからH2等の燃焼性ガスや、O2等の助燃性ガスや、Ar等のシールガスをガラス母材の出発材に噴出する。そして、燃焼性ガスを燃焼させることで加水分解反応によりガラス微粒子となるSiO2、GeO2が生成され、ガラス微粒子が出発材に堆積することでガラス微粒子堆積体が形成される。
【0004】
ここで、ガラス微粒子の堆積効率を向上させるため、ガラス微粒子が高温側から低温側へと向かっていく力を受けるというサーモホレシス(熱泳動)効果が利用されている。このサーモホレシス効果を向上させるために、ガラス微粒子堆積体表面の、バーナからガラス原料及び燃焼性ガス等が吹き付けられる領域において、ガラス微粒子堆積体の内径側(出発材側)と外径側との表面温度の差を調整するといった工程が行われていた。
【0005】
ガラス微粒子堆積体の表面温度の差を調整するため、従来、最外層のガス供給部が分割された構造のバーナがある。このバーナは、分割部にそれぞれ供給量のことなるArなどの不活性ガスからなるシールガスを流しながら生成されたGeO2+SiO2スートをコアとなるロッドの周りに付着堆積させる(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、バーナを用いたガラス母材の製造方法としては、余剰空気を導入するとともに、ガラス微粒子体の表面温度が所定の範囲になるようにバーナの火炎状態を制御するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−305762号公報
【特許文献2】
特開平9−71430号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の最外層のガス供給部が分割された構造のバーナは、シールガスの流量を多くしてガラス微粒子の付着量を減少させることでスートの付着量を制御するものであるが、ガラス微粒子の堆積効率を向上させる点では更なる改善の余地があった。
【0008】
また、上記特許文献2のようなガラス母材の製造方法では、余剰空気量を制御することにより、ガラス微粒子体の表面温度を制御することを行っているが、余剰空気量の制御では温度を変化させることは困難であった。さらに、余剰空気の流れの影響を受けることで堆積効率が低減することが懸念されていた。
さらに、この製造方法では、バーナを構成する複数の管が偏心させた構造とすることでガラス微粒子体の表面温度を制御することを行っているが、バーナの製造上のばらつきに起因する個体差が大きいため、ガラス微粒子体の表面温度を所定の範囲内に制御することは極めて困難であった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ガラス微粒子を効率よく堆積させることができ、得られるガラス微粒子堆積体の外層に割れが生じることを防止することができるバーナ及びガラス母材の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のバーナは、径がそれぞれ異なる3本以上の管が同心状に配され、複数の管によって複数のポートが区画されたバーナであって、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出するポートを有し、このポートが仕切壁によって仕切られていることを特徴とする。
また、本発明のバーナは、径がそれぞれ異なる3本以上の管が同心状に配され、複数の管によって複数のポートが区画されたバーナであって、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出するポートを有し、このポートの周方向に偏在するように複数のノズルが設けられていることを特徴とする。
【0011】
上記バーナは、仕切壁又は複数のノズルによって噴出する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量を変化させることができる。こうすれば、上記バーナから出発材にガラス原料とこのガラス原料を加水分解反応させるための酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス及び助燃性ガスを吹き付ける際に、噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を調整することができる。このとき、ガラス微粒子堆積体表面において、ガラス微粒子堆積体の内径側に比して外径側に吹き付けられる燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を多くすることができる。すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内径側に比して表面温度が高くなる。こうして、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
したがって、本発明のバーナは、加水分解反応によって生成されたガラス微粒子がガラス微粒子堆積体に堆積される速度が早くすることができる。また、生成されたガラス微粒子がガラス微粒子堆積体に堆積される効率(原料収率)をより一層向上させることができる。また、ガラス微粒子堆積体表面における外径側の表面温度が高くなるように燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を調整することで、外径側においてガラス微粒子をより一層高い密度で堆積させることができる。このため、上記バーナで得られたガラス微粒子堆積体を製造する工程において、表面に割れが発生することを抑制することができる。
また、上記バーナは、酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を調整することが可能であるため、従来のように不活性ガスを調整するものに比して、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度差を、より一層顕著に生じせしめることができる。
【0012】
ここで、燃焼性ガスとしては、例えば、燃焼性が高い水素である。また、助燃性ガスとしては、例えば、助燃性が高い酸素である。また、不活性ガスとしては、例えば、アルゴン(Ar)、窒素(N2)である。
【0013】
上記バーナにおいて、ポートは、管の軸方向視で、上側ポートと下側ポートとに仕切られ、上側ポートが、下側ポートに比して、噴出する燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が多くなるように構成されていることが好ましい。
上側ポートから噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスが、ガラス微粒子堆積体表面における外径側に吹き付けられ、かつ、下側ポートから噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスが、ガラス微粒子堆積体表面における内径側に吹き付けられるようにすることができる。すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内径側に比して表面温度が高くなる。こうして、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
【0014】
上記目的を達成するために、バーナを用いて出発材にガラス微粒子を堆積させるガラス母材の製造方法であって、燃焼性ガス又は助燃性ガスを、その流量がこの燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する方向に対して直行する断面内で非対称になるように制御することを特徴とする。
こうすれば、出発材に、バーナからガラス原料と、このガラス原料を加水分解反応させるための酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス又は助燃性ガスとを吹き付ける際に、噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの量を調整することができる。このとき、ガラス微粒子堆積体表面の外径側に燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を内径側に比して多くすることで、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じせしめ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
したがって、本発明のガラス母材の製造方法は、加水分解反応によって生成されたガラス微粒子がガラス微粒子堆積体に堆積される速度を早くすることができる。また、原料収率をより一層向上させることができる。また、ガラス微粒子堆積体を製造する工程において、表面に割れが発生することを抑制することができる。
また、上記ガラス母材の製造方法は、酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を調整することが可能であるため、従来のように不活性ガスを調整するものに比して、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度差を、より一層顕著に生じせしめることができる。
【0015】
上記ガラス母材の製造方法において、バーナは、径がそれぞれ異なる複数の管が同心状に配され、これら複数の管によって複数のポートが区画されており、これら複数のポートのうちの少なくとも1つのポートに配された複数のノズルによって燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を制御することが好ましい。
上記ガラス母材の製造方法において、複数のノズルをポート毎に制御することが好ましい。
【0016】
燃焼性ガス又は助燃性ガスを、少なくともガラス原料を噴出するポートに最も近い第1のポートと、第1のポートの径方向外側に設けられた第2のポートとから噴出することが好ましい。
こうすれば、第2のポートから燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出することで、ガラス微粒子堆積体表面の外径側により広い範囲で、且つ、より多くの量のガラス微粒子を堆積させることができ、ガラス微粒子堆積体の外径部分の密度をより高くすることができる。このため、ガラス微粒子堆積体製造中にガラス微粒子堆積体の外周面に割れなどが生じることをより一層確実に抑制することができる。
【0017】
上記ガラス母材の製造方法において、出発材にガラス微粒子を堆積させたガラス微粒子堆積体の表面温度の最高値と、この最高値を示す部位より下方で、且つ、ガラス微粒子堆積体の径の50%以下の径となる部位におけるガラス微粒子堆積体の表面温度の最大値との差が60℃以上で且つ120℃以下となるように、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を制御することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるバーナ及びガラス母材の製造方法の実施の形態を図面によって説明する。
図1は、本発明にかかるバーナ及びそのバーナを用いてガラス母材を製造する製造方法を説明するための図である。
図1に示すように、バーナ10は、出発材であるコアロッド1の斜め下方に配される。そして、バーナ10は、その中心軸O(以下、軸Oとする。)の軸方向におけるコアロッド1側に向かってガラス原料等を噴出可能に設置されている。
【0019】
コアロッド1は、図中矢印で示すように回転軸Cを中心として回転できるように図示しない支持部材に支持されている。コアロッド1は、図1中矢印X方向に昇降可能に構成され、バーナ10を駆動してガラス微粒子堆積体2を製造する際には、時間経過とともに矢印X方向に所定の速度で引き上げられる。
【0020】
こうすることで、バーナ10によって生成されるガラス微粒子がコアロッド1の外周面上に次第に堆積されるとともに、ガラス微粒子堆積体2の引き上げとともに、コアロッド1の外周面上にガラス微粒子が矢印Xの反対方向にも堆積される。こうして、バーナ10を駆動してコアロッド1を所定の時間だけ引き上げることで、引き上げの方向に対して外径Rが一定である、略円柱状のガラス微粒子堆積体2を得ることができる。その後、図示しない脱水焼結炉で上記ガラス微粒子堆積体2に脱水焼結工程を施すことで、光ファイバなどを製造するために使用するガラス母材を得ることができる。
なお、図1の左側は、ガラス微粒子堆積体2を製造する工程の途中の状態を示しており、図1の右側は、この状態におけるガラス微粒子堆積体2の表面温度と、ガラス微粒子堆積体2におけるコアロッド1の引き上げ方向位置との関係を表すグラフを示している。
【0021】
図1のグラフに示すように、ガラス微粒子堆積体2の、バーナ10から噴出されるガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域において、コアロッド1からの距離に応じて温度が異なるようにガラス微粒子堆積体2を製造する。
具体的には、ガラス微粒子堆積体2の、ガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域において、ガラス微粒子堆積体2の外径側、つまり、コアロッド1における図1上方側の表面温度が、ガラス微粒子堆積体2の内径側、つまり、コアロッド1における図1下方側の表面温度よりも高くなるようする。言い換えれば、コアロッド1の引き上げ方向位置に応じて、バーナ10から噴出されるガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域の表面温度が異なるようにガラス微粒子堆積体2を製造する。
【0022】
また、ガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域において、ガラス微粒子堆積体2の外径側の表面温度が最高値T1を示し、また、ガラス微粒子堆積体2の内径側の表面温度が上記最高値T1より低く、かつ、ガラス微粒子堆積体2の他の部位よりも表面温度が高いといった最大値T2を示す。
さらに、ガラス微粒子堆積体2において、表面温度が最高値T1を示す部位と表面温度が最大値T2を示す部位との間には、表面温度が最低値を示す部位が存在する。この最低値を示す部位は、ガラス微粒子堆積体2において、バーナ10の軸Oの延長線上に位置する部位に相当する。また、この最低値を示す部位は、バーナ10からガラス原料が軸O方向に直接吹き付けられることに起因して酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス等が吹き付けられにくい位置であり、酸水素火炎の燃焼量がその周囲に比して少ない部位に相当する。
【0023】
図1に示すように、ガラス微粒子堆積体2の表面温度の最高値T1と最大値T2との表面温度差△Tを大きくすることで、サーモホレシス効果が向上する。
以下、このサーモホレシス効果を向上させることができる、本発明にかかるバーナの実施形態を図2から図5を適宜参照して説明する。
【0024】
図2は、バーナ10における図1中II−II線矢視図で、本発明にかかるバーナの第1の実施形態を示している。
図2に示すように、本実施形態のバーナ10は、径がそれぞれ異なる円筒状の複数(本実施形態においては8個)の管11、12、13、14、15、16、17、18(以下、複数の管11〜18とする。)が軸Oを中心として同心状に配された、いわゆる多重管構造のバーナである。なお、本実施形態のバーナ10は8重管構造のバーナである。
【0025】
ここで、複数の管11〜18のうち、最も径が小さい管11が中心に配され、残りの管12〜18が、管11の径方向内側から12、13、14、15、16、17、18といった順番で配されている。
【0026】
複数の管11〜18によって複数のポートP10、P20、P30、P40、P50、P60、P70、P80が区画されている。具体的には、中心の管11の内径面によって中心のポートP10が区画され、管11の外径面と管12の内径面に第2層のポートP20が区画され、管12の外径面と管13の内径面に第3層のポートP30が区画され、管13の外径面と管14の内径面に第4層のポートP40が区画され、管14の外径面と管15の内径面に第5層のポートP50が区画され、管15の外径面と管16の内径面に第6層のポートP60が区画され、管16の外径面と管17の内径面に第7層のポートP70が区画され、管17の外径面と管18の内径面に第8層のポートP80が区画されている。
【0027】
ポートP10からは、SiCl4、GeCl4などのガラス原料あるいは、H2などの燃焼性ガスとガラス原料の混合ガスがガラス微粒子堆積体2(図1参照)に向かって噴出される。ガラス原料は、図示しない供給源からガラス原料導入管を介してポート10に供給される。
【0028】
本実施形態において、第2層のポートP20は、軸O方向におけるガラス微粒子堆積体2(図1参照)側に向かって燃焼性ガスとして燃焼性を有する水素(H2)を噴出する機能を有する。第2層のポートP20には燃焼性ガスを該ポートP20に導入可能な第1の導入管G21と第2の導入管G22がそれぞれ接続されている。
また、第3層のポートP30は、シールガスとして不活性であるアルゴン(Ar)又は窒素(N2)を噴出する機能を有する。第3層のポートP30にはシールガスを該ポートP30に導入する導入管G30が接続されている。
さらに、第4層のポートP40は、助燃性ガスとして助燃性を有する酸素(O2)を噴出する機能を有する。第4層のポートP40には助燃性ガスを該ポートP40に導入可能な導入管G40が接続されている。
【0029】
上記と同様に、第5層のポートP50は、上記シールガスを、第6層のポートP60は燃焼性ガスを、第7層のポートP70はシールガスを、第8層のポートP80は助燃性ガスを噴出する機能を有する。ポートP50には導入管G50が、ポートP60には導入管G60が、ポートP70には導入管G70が、ポートP80には導入管G80が、それぞれ接続されている。各ポートP50〜P80には導入管G50〜G80を介して燃焼性ガス又は助燃性ガス又はシールガスが導入可能である。
【0030】
本実施形態において、中心の管11と中心の管11と隣り合う管12との間に区画された、燃焼性ガスを噴出する第2層のポート(第1のポート)P20が一対の仕切壁12aによって仕切られている。
図2に示すように、一対の仕切壁12aは、軸Oに対して対象に設けられている。一対の仕切壁12aは、第2層のポートP20を上側ポートP21と下側ポートP22との2つに分割している。
【0031】
上側ポートP21には導入管G21が接続され、下側ポートP22には導入管G22が接続されている。このため、本実施形態のバーナ10は、導入管G21から上側ポートP21に導入する燃焼性ガスの量と、導入管G22から下側ポートP22に導入する燃焼性ガスの量とを、互いに異なるように調整することができる。
【0032】
導入管G21、G22には、上側ポートP21、P22に導入するガスの量を調整することができる図示しないガス導入量調整手段が設けられていることが好ましい。また、ガス導入量調整手段は導入管G21、G22の外部に設けられていてもよい。
ここで、導入管G21、G22は、特に図示しないが、それぞれ別のガス供給源に接続されていてもよいし、単一のガス供給源に接続されていてもよい。
【0033】
バーナ10は、第2層のポートP20に助燃性ガス(例えば、O2)を導入し、この第2層のポートP20を上記仕切壁12aによって仕切る構造としてもよい。このとき、仕切られた空間(上側ポートP21と下側ポートP22)に導入する助燃性ガスの量をそれぞれ異なるように調整してもよい。
【0034】
本発明にかかる上記実施形態のバーナ10は、径がそれぞれ異なる複数の管11〜18が同心状に配され、複数の管11〜18によって複数のポートP10〜P80が区画されたバーナであって、ガラス原料を噴出する中心の管11と該中心の管と隣り合う管12との間に、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する第2層のポート(第1のポート)P20が区画され、第2層のポートP20が仕切壁12aによって仕切られていることを特徴とする。
【0035】
バーナ10において、第2層のポートP20内を仕切壁12aによって仕切り、仕切られたそれぞれの空間(上側ポートP21及び下側ポートP22)に異なる量の燃焼性ガスを流すことができる。
そして、バーナ10によってガラス微粒子堆積体2を製造するときには、上側ポート21と下側ポート22から噴出される燃焼性ガスの流量を調整することで、ポート20から吹き出されるガスの周方向(図2正面視のおけるポート20の周方向位置)における流量を調整することができる。
【0036】
上記バーナ10によって、上側ポート21から噴出される燃焼性ガスの流量を下側ポート22から噴出される燃焼性ガスの流量より多くなるように調整し、且つ、上側ポート21の燃焼性ガスをガラス微粒子堆積体2の外径側に、また、下側ポート22の燃焼性ガスをガラス微粒子堆積体2の内径側に吹き付けるようにする。こうすることで、ガラス微粒子堆積体表面において、ガラス微粒子堆積体2の外径側に比して内径側に吹き付けられる燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を多くすることが可能になる。
【0037】
すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、燃焼性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内径側に比して表面温度が高くなる。こうして、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
【0038】
したがって、本実施形態のバーナ10は、加水分解反応によって生成されたガラス微粒子がガラス微粒子堆積体2に堆積される速度が早くすることができる。また、生成されたガラス微粒子がガラス微粒子堆積体2に堆積される効率(原料収率)をより一層向上させることができる。また、ガラス微粒子堆積体表面における外径側の表面温度が高くなるように燃焼性ガスの流量を調整することで、外径側においてガラス微粒子をより一層高い密度で堆積させることができる。このため、上記バーナで得られたガラス微粒子堆積体2を製造する工程において、表面に割れが発生することを抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態のバーナ10は、酸水素火炎を発生させる燃焼性ガスの流量を調整することで、加水分解反応によって生成されるガラス微粒子の量を調整する構造である。このため、従来のように加水分解反応に使用されない不活性ガスを調整するものに比して、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度差を、より一層顕著に生じせしめることができる。
さらに、ガラス原料を噴出するポートに最も近いポートの燃焼性ガスの流量を調整するため、噴出されたガラス原料が噴出された燃焼性ガスによる酸水素火炎中に混合しやすい。このため、燃焼性ガスの流量を調整した際に、生成されるガラス微粒子の量の変化が生じ易くなる。
【0040】
また、上記バーナ10は、第2層のポート(第1のポート)P20が、管の軸方向視(図2の正面視)で、上側ポートP21と下側ポートP22とに仕切られ、上側ポートP21が、下側ポートP22に比して、噴出する燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が多くなるように構成されていることを特徴とする。
こうすれば、バーナ10を所定位置に配することで、ガラス微粒子堆積体12のサーモホレシス効果を向上することができる。このとき、バーナ10を上側ポートP21から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスがガラス微粒子堆積体表面の外径側に吹き付けられ、かつ、下側ポートP22から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスがガラス微粒子堆積体表面の内径側に吹き付けられるように配することが好ましい。こうすれば、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内径側に比して表面温度が高くなる。こうして、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
【0041】
次に、本発明にかかるバーナの他の実施形態を図面を参照して説明する。図3は、以下に説明する他の実施形態のバーナを用いた場合のガラス微粒子堆積体の表面温度と、ガラス微粒子堆積体におけるコアロッドの引き上げ方向位置との関係を表すグラフを示している。図4は、本発明にかかる第2の実施形態のバーナを示す、図1中II−II線矢視図である。図5は、本発明にかかる第3の実施形態のバーナを示す、図1中II−II線矢視図である。なお、以下に説明する実施形態において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
【0042】
第2の実施形態及び第3の実施形態のバーナ20,30は、第2層のポート(第1のポート)P20の径方向外側に燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する第2のポートを有し、第2のポートには、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を管の周方向の位置に応じて異なるように調整可能なガス流量調整手段が設けられていることを特徴とする。
その他の構成は、図2に示す第1の実施形態のバーナと同じである。
【0043】
まず、図4に示す第2の実施形態のバーナ20を説明する。
図4に示すように、本実施形態のバーナ20において、第2のポートとして機能する第6層のポートP60が一対の仕切壁16aによって仕切られている。一対の仕切壁16aは、軸Oに対して対象に設けられている。一対の仕切壁16aは、第6層のポートP60を上側ポートP61と下側ポートP62との2つに分割している。
【0044】
上側ポートP61には導入管G61が接続され、下側ポートP62には導入管G62が接続されている。このため、本実施形態のバーナ20は、導入管G61から上側ポートP61に導入する燃焼性ガスの量と、導入管G62から下側ポートP62に導入する燃焼性ガスの量とを、互いに異なるように調整することができる。このため、上記第2層のポートP20と同様に、第6層のポート(第2のポート)P60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの管の周方向(図4の正面視におけるポート60の周方向)の位置に応じて異なるように調整することができる。
つまり、本実施形態において、仕切壁16aがガス流量調整手段として機能する。
【0045】
なお、導入管G61、G62には、上側ポートP61、P62に導入するガスの量を調整することができる図示しないガス導入量調整手段が設けられていることが好ましい。また、ガス導入量調整手段は導入管G61、G62の外部に設けられていてもよい。
ここで、導入管G61、G62は、特に図示しないが、それぞれ別のガス供給源に接続されていてもよいし、単一のガス供給源に接続されていてもよい。
【0046】
本実施形態のバーナ20は、第2のポート(第2のポート)P60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスを、第2層のポート(第1のポート)P20から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスに比して、バーナ20の径方向に対してより一層広くガラス微粒子堆積体2に吹き付けることができる。
【0047】
また、第2のポートP60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量をガス流量調整手段である仕切壁16aによって調整すれば、ガラス微粒子堆積体表面の外径側に燃焼性ガス又は助燃性ガスをより多く吹き付けることができる。こうすることで、図1及び図3に示すように、ガラス微粒子堆積体2の燃焼性ガス又は助燃性ガスが吹き付けられる領域において外径側の表面温度の高い部分をコアロッド1の引上げ方向に拡大することができる。
すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、加水分解反応が促進され、これによって生成されるガラス微粒子をより多くすることができ、ガラス微粒子堆積体表面の外径側にガラス微粒子をより多く堆積させることができる。
【0048】
こうして、ガラス微粒子堆積体表面の外径側により広い範囲で、且つ、より多くの量のガラス微粒子を堆積させることができるので、得られるガラス微粒子堆積体の外径側に堆積されたガラス微粒子堆積体2の外径部分の密度をより高くすることができる。このため、ガラス微粒子堆積体2を脱水焼結させてガラス母材とする工程において、外周面に割れなどが生じることをより一層確実に抑制することができる。
【0049】
次に、図5に示す第3の実施形態のバーナ30を説明する。
図5に示すように、本実施形態のバーナ30において、第6層のポートP60には複数のノズル16nが設けられている。本実施形態においては、一例としてノズル16nの数を8個とした。複数のノズル16nは、図5の正面視においてポートP60の周方向に等間隔に設けられている。
【0050】
複数のノズル16nには、それぞれ図示しない導入管が接続され、この導入管を介して図示しない供給源に接続されている。本実施形態のバーナ30は、複数のノズル16nのそれぞれに導入する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量を互いに異なるように調整することができる。このため、上記第2層のポートP20と同様に、第6層のポート(第2のポート)P60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が、管の周方向(図5の正面視におけるポート60の周方向)の位置に応じて異なるように調整することができる。
つまり、本実施形態において、複数のノズル16nがガス流量調整手段として機能する。
【0051】
こうすれば、第2のポートP60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量をガス流量調整手段である複数のノズル16nによって調整することで、図1及び図3に示すように、ガラス微粒子堆積体2の燃焼性ガス又は助燃性ガスが吹き付けられる領域において外径側の表面温度の高い部分をコアロッド1の引上げ方向に拡大することができる。
このため、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、加水分解反応が促進され、これによって生成されるガラス微粒子をより多くすることができ、ガラス微粒子堆積体表面の外径側にガラス微粒子をより多く堆積させることができる。
【0052】
次に、本発明にかかるガラス母材の製造方法を説明する。
本発明にかかるガラス母材の製造方法は、バーナを用いて出発材にガラス微粒子を堆積させるガラス母材の製造方法であって、燃焼性ガス又は助燃性ガスを、その流量が燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する方向に対して直行する断面内で非対称になるように制御することを特徴とする。
本発明にかかるガラス母材の製造方法は、上述した本発明にかかるバーナを用いることで好適に実施することができる。以下の説明において、一例として、図1〜図5に示すバーナ10、20、30を用いて説明する。
【0053】
まず、図1示すように、出発材であるコアロッド1を軸Cを中心に回転させつつ、矢印X方向に所定の速度で引上げる。
また、バーナ10を駆動し、ガラス原料、燃焼性ガス、助燃性ガス、シールガスを噴射する。そして、燃焼性ガスと助燃性ガスとを燃焼することで酸水素火炎を発生させ、この酸水素火炎によってガラス原料からガラス微粒子を生成し、このガラス微粒子をコアロッド1上に堆積させることでガラス微粒子堆積体2を形成する。このとき、図1に示すように、ガラス微粒子堆積体2の引上げ方向とは反対側の端部は、図1の下方に向かって径が小さくなる形状であり、この端部(図1において下方側端部)には、バーナ10から噴出されたガラス原料や燃焼性ガス又は助燃性ガスなどのガスが吹き付けられている。
【0054】
このとき、バーナ10の第2層のポートP20を仕切壁12aによって、上側ポートP21と下側ポートP22とに仕切る。そして、上側ポートP21と下側ポートP22とのそれぞれに導入管G21及びG22を介して異なる量の燃焼性ガス又は助燃性ガスを導入する。
【0055】
そして、上側ポート21から噴出される燃焼性ガスの流量を下側ポート22から噴出される燃焼性ガスの流量より多くなるように調整し、且つ、上側ポート21の燃焼性ガスをガラス微粒子堆積体2の外径側に、また、下側ポート22の燃焼性ガスをガラス微粒子堆積体2の内径側に吹き付けるようにする。こうすることで、ガラス微粒子堆積体表面において、ガラス微粒子堆積体の外径側に比して内径側に吹き付けられる燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を多くすることが可能になる。
【0056】
すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、燃焼性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内径側に比して表面温度が高くなる。つまり、図1において、ガラス微粒子堆積体2の表面温度の最高値T1と最大値T2との差△Tが大きくなる。こうすることで、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
また、外径側における温度のピーク値を高くすることにより、形成したガラス微粒子堆積体2の外周側の密度を高めることができ、割れや剥離を抑えることができる。
【0057】
ここで、第2層のポートP20ではなく、その他の燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出するポートを仕切壁で仕切ることで、燃焼性ガス又は助燃性ガスを、その流量が燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する方向に対して直行する断面内で非対称になるように制御してもよい。しかし、上述したように、ガラス原料を噴出するポートP20に最も近い位置に配された、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出するポートの流量を調整することが好ましい。
上記ガラス母材の製造方法において、複数のポートP10〜P80のうち少なくとも1つのポートに配された複数のノズルによって燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を制御してもよい。
【0058】
また、上記ガラス母材の製造方法において、燃焼性ガス又は助燃性ガスを、少なくともガラス原料を噴出するポートに最も近い第1のポートと、第1のポートの径方向外側に設けられた第2のポートとから噴出することが好ましい。
【0059】
図4及び図5を参照すると、ガラス原料を噴出するポートP10に最も近い第2層ポート(第1のポート)P20と、第2層のポートP20の径方向外側に設けられた第6層のポート(第2のポート)P60とから燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する。
【0060】
このとき、上述のように、第2層のポートP20を仕切壁12aによって仕切り、仕切られた上側ポートP21と下側ポートP22とに導入する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量をそれぞれ調整する。こうして、第2層のポートP20から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が、第2層のポートP20の周方向の位置に応じて異なるように調整する。
【0061】
また、図4に示すように、第6層のポートP60を仕切壁16aによって仕切り、仕切られた各ポートP61とP62とに導入する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量をそれぞれ調整する。こうして、第6層のポートP60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が、第6層のポートP60の周方向の位置に応じて異なるように調整する。
一方、図5に示すように、第6層のポートP60に複数のノズル16nを設け、複数のノズル16nのそれぞれに導入する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量をそれぞれ調整し、噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が、第6層のポートP60の周方向の位置に応じて異なるように調整してもよい。
【0062】
こうすれば、第1のポートより径方向外側に位置する第2のポートから燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出することで、図3に示すように、ガラス微粒子堆積体2において外径側の表面温度が高温になる領域が矢印で示すように拡大する。すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側により広い範囲で、且つ、より多くの量のガラス微粒子を堆積させることができ、ガラス微粒子堆積体2の外径部分の密度をより高くすることができる。このため、脱水焼結の工程後にガラス母材の外周面に割れなどが生じることをより一層確実に抑制することができる。
【0063】
さらに、上記ガラス母材の製造方法において、出発材1にガラス微粒子を堆積させたガラス微粒子堆積体2の表面温度の最高値T1と、この最高値T1を示す部位より下方で、且つ、ガラス微粒子堆積体2の径の50%以下の径となる部位におけるガラス微粒子堆積体2の表面温度の最大値T2との差△Tが60℃以上で且つ120℃以下となるように、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を制御することが好ましい。
ガラス微粒子堆積体2における表面温度の最高値T1と最大値T2との差△Tを上記のように調整することで、サーモホレシス効果を向上させ、ガラス微粒子の堆積効率を上げることができる。
【0064】
次に、本発明にかかるバーナの第4の実施形態について説明する。本実施形態において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。図6は、本発明にかかるバーナの第4の実施形態を示す断面図である。
図6に示すように、バーナ40は、第2層のポートP42に複数のノズル42nが設けられている。また、第6のポートP46には一対の仕切壁46aが設けられている。
【0065】
バーナ40は、複数のノズル42nを調整することによって、第2層のポートP42から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する方向に対して直交する断面内で非対称になるように制御することができる。
【0066】
また、バーナ40は、第6層のポートP46を仕切壁46aによって仕切り、仕切られた各ポートに導入する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量をそれぞれ調整することができる。こうして、第6層のポートP46から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が、第6層のポートP46の周方向の位置に応じて異なるように調整することができる。
本実施形態のバーナによれば、ガラス微粒子を効率よく堆積させることができ、得られるガラス微粒子堆積体の外層に割れが生じることを防止することができる。
【0067】
図7は、本実施形態のバーナ40の変形例を示す拡大図である。図7に示すように、複数のノズル42nは、第2層のポートP42の周方向に偏在するように設けられていてもよい。こうすれば、第2層のポートP42において、複数のノズル42n同士の間隔が小さい部分において噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの量が多くなる。つまり、複数のノズル42nを偏在させることで、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量がその噴出する方向に対して直交する断面内で非対称になるように制御することができる。なお、図5に示すバーナ30における複数のノズル16nを偏在させてもよい。
【0068】
【実施例】
ます、第1実施例として、図1及び図2に示す本発明にかかるバーナ10を用いて下記の試験を行った。本試験において、実施例1〜5として、第2層のポート(第1のポート)P20の上側ポートP21と下側ポートP22から噴出される燃焼性ガスの上下流量比を調整したバーナを用いた。そして、実施例1〜5のバーナについて、図1に示すガラス微粒子堆積体2における表面温度の最高値T1と最大値T2との差△T(℃)と、引上げ速度(mm/Hr)及び原料収率(%)を測定した。なお、比較例1は、上側ポートP21と下側ポートP22とから噴出させる燃焼性ガスの流量を同じ(つまり、上下流量比が1)であり、実質的に、仕切壁12aを設けていない従来のバーナの構造と同じとした。
本試験の結果を図8及び表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
図8及び表1に示すように、上側ポートP21と下側ポートP22とから噴出させる燃焼性ガスの流量を、表1に示す上下流量比に基づいてガラス微粒子堆積体2の外径側が多くなるように調整した場合、ガラス微粒子堆積体2における表面温度の最高値と最大値の温度差ΔTを大きくすることができた。また、出発材の引き上げ速度を比較例1に比して高くすることができるため、ガラス微粒子堆積体2の製造効率を向上させることができた。さらに、原料収率を向上させることができた。
【0071】
次に、第2実施例を説明する。本実施例において、上記第1の実施形態のバーナ10を実施例6とし、上記第2の実施形態のバーナ20を実施例7とし、上記第3の実施形態のバーナ30を実施例8とした。そして、バーナ10、20、30について、燃焼性ガスの流量を調整しつつガラス微粒子堆積体2を製造した。
このとき、燃焼性ガスを調整しない構成の従来のバーナを比較例2とし、それぞれの出発材の引上げ方向の位置におけるガラス微粒子堆積体の表面温度を測定する試験を行った。本試験の結果を図9に示す。
【0072】
図9に示すように、実施例6では、第2層のポートP20の燃焼性ガスの流量を調整することで、ガラス微粒子堆積体2における表面温度の最高値と最大値との差△T1を、比較例2の差△tと比べて、より一層大きくすることができた。
また、実施例7及び実施例8では、第2層のポートP20に加えて、第6層のポートP60を分割して燃焼性ガスを調整すると、ガラス微粒子堆積体2における表面温度の分布がほぼ同じになり、ガラス微粒子堆積体2における表面温度の最高値と最大値との差△T2を、比較例2の差△tと比べて、より一層大きくすることができた。また、実施例7及び実施例8は、ガラス微粒子堆積体2の外径側(ガラス微粒子堆積体の径に対する外径側10%の領域)の温度を選択的に上昇させることができた。さらに、実施例7及び実施例8のバーナを用いることで、比較例2のバーナを使用した場合と比べて、得られたガラス微粒子堆積体2を脱水焼結加工した際に外周面に割れが生じる確率を2%から0.5%に低減させることができた。
【0073】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のガラス母材の製造方法及びバーナによれば、ガラス微粒子を効率よく堆積させることができ、得られるガラス微粒子堆積体の外層に割れが生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるバーナの第1の実施形態を示す説明図である。
【図2】図1におけるII−II線矢視図である。
【図3】本発明にかかるバーナの第2の実施形態又は第3の実施形態を用いた場合における、出発材の引上げ方向の位置に対するガラス微粒子堆積体の表面温度を表すグラフである。
【図4】本発明にかかるバーナの第2の実施形態を示す図である。
【図5】本発明にかかるバーナの第3の実施形態を示す図である。
【図6】本発明にかかるバーナの第4の実施形態を示す図である。
【図7】図6のバーナの変形例を示す拡大図である。
【図8】本発明にかかるバーナを用いた試験の結果を示すグラフ図である。
【図9】本発明にかかるバーナを用いた別の試験の結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 出発材(コアロッド)
2 ガラス微粒子堆積体
10、20、30 バーナ
11、12、13、14、15、16、17、18 管
P10、P20、P30、P40、P50、P60、P70、P80 ポート
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス微粒子を堆積させてガラス微粒子堆積体を形成するバーナ及びガラス母材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバの多孔質母材を製造する方法として、VAD法(Vapor phase Axial Deposition;気相軸付法)が用いられている。
VAD法によって光ファイバのガラス母材を製造する際には、それぞれ径の異なる複数の管が軸に対して同心状に配された、いわゆる多重管バーナ(以下、バーナという。)が用いられている。
【0003】
バーナは、一般的に石英ガラスや金属で構成されており、特に石英ガラスの場合は溶接により互いの石英ガラス製パイプを溶接した構造とされている。
VAD法によってガラス母材を製造する際のバーナは、中心の管からSiCl4、GeCl4等のガラス原料を噴出し、また、複数の管同士によって区画された複数のポートのそれぞれからH2等の燃焼性ガスや、O2等の助燃性ガスや、Ar等のシールガスをガラス母材の出発材に噴出する。そして、燃焼性ガスを燃焼させることで加水分解反応によりガラス微粒子となるSiO2、GeO2が生成され、ガラス微粒子が出発材に堆積することでガラス微粒子堆積体が形成される。
【0004】
ここで、ガラス微粒子の堆積効率を向上させるため、ガラス微粒子が高温側から低温側へと向かっていく力を受けるというサーモホレシス(熱泳動)効果が利用されている。このサーモホレシス効果を向上させるために、ガラス微粒子堆積体表面の、バーナからガラス原料及び燃焼性ガス等が吹き付けられる領域において、ガラス微粒子堆積体の内径側(出発材側)と外径側との表面温度の差を調整するといった工程が行われていた。
【0005】
ガラス微粒子堆積体の表面温度の差を調整するため、従来、最外層のガス供給部が分割された構造のバーナがある。このバーナは、分割部にそれぞれ供給量のことなるArなどの不活性ガスからなるシールガスを流しながら生成されたGeO2+SiO2スートをコアとなるロッドの周りに付着堆積させる(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、バーナを用いたガラス母材の製造方法としては、余剰空気を導入するとともに、ガラス微粒子体の表面温度が所定の範囲になるようにバーナの火炎状態を制御するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−305762号公報
【特許文献2】
特開平9−71430号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の最外層のガス供給部が分割された構造のバーナは、シールガスの流量を多くしてガラス微粒子の付着量を減少させることでスートの付着量を制御するものであるが、ガラス微粒子の堆積効率を向上させる点では更なる改善の余地があった。
【0008】
また、上記特許文献2のようなガラス母材の製造方法では、余剰空気量を制御することにより、ガラス微粒子体の表面温度を制御することを行っているが、余剰空気量の制御では温度を変化させることは困難であった。さらに、余剰空気の流れの影響を受けることで堆積効率が低減することが懸念されていた。
さらに、この製造方法では、バーナを構成する複数の管が偏心させた構造とすることでガラス微粒子体の表面温度を制御することを行っているが、バーナの製造上のばらつきに起因する個体差が大きいため、ガラス微粒子体の表面温度を所定の範囲内に制御することは極めて困難であった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ガラス微粒子を効率よく堆積させることができ、得られるガラス微粒子堆積体の外層に割れが生じることを防止することができるバーナ及びガラス母材の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のバーナは、径がそれぞれ異なる3本以上の管が同心状に配され、複数の管によって複数のポートが区画されたバーナであって、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出するポートを有し、このポートが仕切壁によって仕切られていることを特徴とする。
また、本発明のバーナは、径がそれぞれ異なる3本以上の管が同心状に配され、複数の管によって複数のポートが区画されたバーナであって、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出するポートを有し、このポートの周方向に偏在するように複数のノズルが設けられていることを特徴とする。
【0011】
上記バーナは、仕切壁又は複数のノズルによって噴出する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量を変化させることができる。こうすれば、上記バーナから出発材にガラス原料とこのガラス原料を加水分解反応させるための酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス及び助燃性ガスを吹き付ける際に、噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を調整することができる。このとき、ガラス微粒子堆積体表面において、ガラス微粒子堆積体の内径側に比して外径側に吹き付けられる燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を多くすることができる。すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内径側に比して表面温度が高くなる。こうして、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
したがって、本発明のバーナは、加水分解反応によって生成されたガラス微粒子がガラス微粒子堆積体に堆積される速度が早くすることができる。また、生成されたガラス微粒子がガラス微粒子堆積体に堆積される効率(原料収率)をより一層向上させることができる。また、ガラス微粒子堆積体表面における外径側の表面温度が高くなるように燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を調整することで、外径側においてガラス微粒子をより一層高い密度で堆積させることができる。このため、上記バーナで得られたガラス微粒子堆積体を製造する工程において、表面に割れが発生することを抑制することができる。
また、上記バーナは、酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を調整することが可能であるため、従来のように不活性ガスを調整するものに比して、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度差を、より一層顕著に生じせしめることができる。
【0012】
ここで、燃焼性ガスとしては、例えば、燃焼性が高い水素である。また、助燃性ガスとしては、例えば、助燃性が高い酸素である。また、不活性ガスとしては、例えば、アルゴン(Ar)、窒素(N2)である。
【0013】
上記バーナにおいて、ポートは、管の軸方向視で、上側ポートと下側ポートとに仕切られ、上側ポートが、下側ポートに比して、噴出する燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が多くなるように構成されていることが好ましい。
上側ポートから噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスが、ガラス微粒子堆積体表面における外径側に吹き付けられ、かつ、下側ポートから噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスが、ガラス微粒子堆積体表面における内径側に吹き付けられるようにすることができる。すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内径側に比して表面温度が高くなる。こうして、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
【0014】
上記目的を達成するために、バーナを用いて出発材にガラス微粒子を堆積させるガラス母材の製造方法であって、燃焼性ガス又は助燃性ガスを、その流量がこの燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する方向に対して直行する断面内で非対称になるように制御することを特徴とする。
こうすれば、出発材に、バーナからガラス原料と、このガラス原料を加水分解反応させるための酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス又は助燃性ガスとを吹き付ける際に、噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの量を調整することができる。このとき、ガラス微粒子堆積体表面の外径側に燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を内径側に比して多くすることで、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じせしめ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
したがって、本発明のガラス母材の製造方法は、加水分解反応によって生成されたガラス微粒子がガラス微粒子堆積体に堆積される速度を早くすることができる。また、原料収率をより一層向上させることができる。また、ガラス微粒子堆積体を製造する工程において、表面に割れが発生することを抑制することができる。
また、上記ガラス母材の製造方法は、酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を調整することが可能であるため、従来のように不活性ガスを調整するものに比して、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度差を、より一層顕著に生じせしめることができる。
【0015】
上記ガラス母材の製造方法において、バーナは、径がそれぞれ異なる複数の管が同心状に配され、これら複数の管によって複数のポートが区画されており、これら複数のポートのうちの少なくとも1つのポートに配された複数のノズルによって燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を制御することが好ましい。
上記ガラス母材の製造方法において、複数のノズルをポート毎に制御することが好ましい。
【0016】
燃焼性ガス又は助燃性ガスを、少なくともガラス原料を噴出するポートに最も近い第1のポートと、第1のポートの径方向外側に設けられた第2のポートとから噴出することが好ましい。
こうすれば、第2のポートから燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出することで、ガラス微粒子堆積体表面の外径側により広い範囲で、且つ、より多くの量のガラス微粒子を堆積させることができ、ガラス微粒子堆積体の外径部分の密度をより高くすることができる。このため、ガラス微粒子堆積体製造中にガラス微粒子堆積体の外周面に割れなどが生じることをより一層確実に抑制することができる。
【0017】
上記ガラス母材の製造方法において、出発材にガラス微粒子を堆積させたガラス微粒子堆積体の表面温度の最高値と、この最高値を示す部位より下方で、且つ、ガラス微粒子堆積体の径の50%以下の径となる部位におけるガラス微粒子堆積体の表面温度の最大値との差が60℃以上で且つ120℃以下となるように、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を制御することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるバーナ及びガラス母材の製造方法の実施の形態を図面によって説明する。
図1は、本発明にかかるバーナ及びそのバーナを用いてガラス母材を製造する製造方法を説明するための図である。
図1に示すように、バーナ10は、出発材であるコアロッド1の斜め下方に配される。そして、バーナ10は、その中心軸O(以下、軸Oとする。)の軸方向におけるコアロッド1側に向かってガラス原料等を噴出可能に設置されている。
【0019】
コアロッド1は、図中矢印で示すように回転軸Cを中心として回転できるように図示しない支持部材に支持されている。コアロッド1は、図1中矢印X方向に昇降可能に構成され、バーナ10を駆動してガラス微粒子堆積体2を製造する際には、時間経過とともに矢印X方向に所定の速度で引き上げられる。
【0020】
こうすることで、バーナ10によって生成されるガラス微粒子がコアロッド1の外周面上に次第に堆積されるとともに、ガラス微粒子堆積体2の引き上げとともに、コアロッド1の外周面上にガラス微粒子が矢印Xの反対方向にも堆積される。こうして、バーナ10を駆動してコアロッド1を所定の時間だけ引き上げることで、引き上げの方向に対して外径Rが一定である、略円柱状のガラス微粒子堆積体2を得ることができる。その後、図示しない脱水焼結炉で上記ガラス微粒子堆積体2に脱水焼結工程を施すことで、光ファイバなどを製造するために使用するガラス母材を得ることができる。
なお、図1の左側は、ガラス微粒子堆積体2を製造する工程の途中の状態を示しており、図1の右側は、この状態におけるガラス微粒子堆積体2の表面温度と、ガラス微粒子堆積体2におけるコアロッド1の引き上げ方向位置との関係を表すグラフを示している。
【0021】
図1のグラフに示すように、ガラス微粒子堆積体2の、バーナ10から噴出されるガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域において、コアロッド1からの距離に応じて温度が異なるようにガラス微粒子堆積体2を製造する。
具体的には、ガラス微粒子堆積体2の、ガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域において、ガラス微粒子堆積体2の外径側、つまり、コアロッド1における図1上方側の表面温度が、ガラス微粒子堆積体2の内径側、つまり、コアロッド1における図1下方側の表面温度よりも高くなるようする。言い換えれば、コアロッド1の引き上げ方向位置に応じて、バーナ10から噴出されるガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域の表面温度が異なるようにガラス微粒子堆積体2を製造する。
【0022】
また、ガラス原料及び各種ガスが吹き付けられる表面領域において、ガラス微粒子堆積体2の外径側の表面温度が最高値T1を示し、また、ガラス微粒子堆積体2の内径側の表面温度が上記最高値T1より低く、かつ、ガラス微粒子堆積体2の他の部位よりも表面温度が高いといった最大値T2を示す。
さらに、ガラス微粒子堆積体2において、表面温度が最高値T1を示す部位と表面温度が最大値T2を示す部位との間には、表面温度が最低値を示す部位が存在する。この最低値を示す部位は、ガラス微粒子堆積体2において、バーナ10の軸Oの延長線上に位置する部位に相当する。また、この最低値を示す部位は、バーナ10からガラス原料が軸O方向に直接吹き付けられることに起因して酸水素火炎を発生させる燃焼性ガス等が吹き付けられにくい位置であり、酸水素火炎の燃焼量がその周囲に比して少ない部位に相当する。
【0023】
図1に示すように、ガラス微粒子堆積体2の表面温度の最高値T1と最大値T2との表面温度差△Tを大きくすることで、サーモホレシス効果が向上する。
以下、このサーモホレシス効果を向上させることができる、本発明にかかるバーナの実施形態を図2から図5を適宜参照して説明する。
【0024】
図2は、バーナ10における図1中II−II線矢視図で、本発明にかかるバーナの第1の実施形態を示している。
図2に示すように、本実施形態のバーナ10は、径がそれぞれ異なる円筒状の複数(本実施形態においては8個)の管11、12、13、14、15、16、17、18(以下、複数の管11〜18とする。)が軸Oを中心として同心状に配された、いわゆる多重管構造のバーナである。なお、本実施形態のバーナ10は8重管構造のバーナである。
【0025】
ここで、複数の管11〜18のうち、最も径が小さい管11が中心に配され、残りの管12〜18が、管11の径方向内側から12、13、14、15、16、17、18といった順番で配されている。
【0026】
複数の管11〜18によって複数のポートP10、P20、P30、P40、P50、P60、P70、P80が区画されている。具体的には、中心の管11の内径面によって中心のポートP10が区画され、管11の外径面と管12の内径面に第2層のポートP20が区画され、管12の外径面と管13の内径面に第3層のポートP30が区画され、管13の外径面と管14の内径面に第4層のポートP40が区画され、管14の外径面と管15の内径面に第5層のポートP50が区画され、管15の外径面と管16の内径面に第6層のポートP60が区画され、管16の外径面と管17の内径面に第7層のポートP70が区画され、管17の外径面と管18の内径面に第8層のポートP80が区画されている。
【0027】
ポートP10からは、SiCl4、GeCl4などのガラス原料あるいは、H2などの燃焼性ガスとガラス原料の混合ガスがガラス微粒子堆積体2(図1参照)に向かって噴出される。ガラス原料は、図示しない供給源からガラス原料導入管を介してポート10に供給される。
【0028】
本実施形態において、第2層のポートP20は、軸O方向におけるガラス微粒子堆積体2(図1参照)側に向かって燃焼性ガスとして燃焼性を有する水素(H2)を噴出する機能を有する。第2層のポートP20には燃焼性ガスを該ポートP20に導入可能な第1の導入管G21と第2の導入管G22がそれぞれ接続されている。
また、第3層のポートP30は、シールガスとして不活性であるアルゴン(Ar)又は窒素(N2)を噴出する機能を有する。第3層のポートP30にはシールガスを該ポートP30に導入する導入管G30が接続されている。
さらに、第4層のポートP40は、助燃性ガスとして助燃性を有する酸素(O2)を噴出する機能を有する。第4層のポートP40には助燃性ガスを該ポートP40に導入可能な導入管G40が接続されている。
【0029】
上記と同様に、第5層のポートP50は、上記シールガスを、第6層のポートP60は燃焼性ガスを、第7層のポートP70はシールガスを、第8層のポートP80は助燃性ガスを噴出する機能を有する。ポートP50には導入管G50が、ポートP60には導入管G60が、ポートP70には導入管G70が、ポートP80には導入管G80が、それぞれ接続されている。各ポートP50〜P80には導入管G50〜G80を介して燃焼性ガス又は助燃性ガス又はシールガスが導入可能である。
【0030】
本実施形態において、中心の管11と中心の管11と隣り合う管12との間に区画された、燃焼性ガスを噴出する第2層のポート(第1のポート)P20が一対の仕切壁12aによって仕切られている。
図2に示すように、一対の仕切壁12aは、軸Oに対して対象に設けられている。一対の仕切壁12aは、第2層のポートP20を上側ポートP21と下側ポートP22との2つに分割している。
【0031】
上側ポートP21には導入管G21が接続され、下側ポートP22には導入管G22が接続されている。このため、本実施形態のバーナ10は、導入管G21から上側ポートP21に導入する燃焼性ガスの量と、導入管G22から下側ポートP22に導入する燃焼性ガスの量とを、互いに異なるように調整することができる。
【0032】
導入管G21、G22には、上側ポートP21、P22に導入するガスの量を調整することができる図示しないガス導入量調整手段が設けられていることが好ましい。また、ガス導入量調整手段は導入管G21、G22の外部に設けられていてもよい。
ここで、導入管G21、G22は、特に図示しないが、それぞれ別のガス供給源に接続されていてもよいし、単一のガス供給源に接続されていてもよい。
【0033】
バーナ10は、第2層のポートP20に助燃性ガス(例えば、O2)を導入し、この第2層のポートP20を上記仕切壁12aによって仕切る構造としてもよい。このとき、仕切られた空間(上側ポートP21と下側ポートP22)に導入する助燃性ガスの量をそれぞれ異なるように調整してもよい。
【0034】
本発明にかかる上記実施形態のバーナ10は、径がそれぞれ異なる複数の管11〜18が同心状に配され、複数の管11〜18によって複数のポートP10〜P80が区画されたバーナであって、ガラス原料を噴出する中心の管11と該中心の管と隣り合う管12との間に、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する第2層のポート(第1のポート)P20が区画され、第2層のポートP20が仕切壁12aによって仕切られていることを特徴とする。
【0035】
バーナ10において、第2層のポートP20内を仕切壁12aによって仕切り、仕切られたそれぞれの空間(上側ポートP21及び下側ポートP22)に異なる量の燃焼性ガスを流すことができる。
そして、バーナ10によってガラス微粒子堆積体2を製造するときには、上側ポート21と下側ポート22から噴出される燃焼性ガスの流量を調整することで、ポート20から吹き出されるガスの周方向(図2正面視のおけるポート20の周方向位置)における流量を調整することができる。
【0036】
上記バーナ10によって、上側ポート21から噴出される燃焼性ガスの流量を下側ポート22から噴出される燃焼性ガスの流量より多くなるように調整し、且つ、上側ポート21の燃焼性ガスをガラス微粒子堆積体2の外径側に、また、下側ポート22の燃焼性ガスをガラス微粒子堆積体2の内径側に吹き付けるようにする。こうすることで、ガラス微粒子堆積体表面において、ガラス微粒子堆積体2の外径側に比して内径側に吹き付けられる燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を多くすることが可能になる。
【0037】
すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、燃焼性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内径側に比して表面温度が高くなる。こうして、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
【0038】
したがって、本実施形態のバーナ10は、加水分解反応によって生成されたガラス微粒子がガラス微粒子堆積体2に堆積される速度が早くすることができる。また、生成されたガラス微粒子がガラス微粒子堆積体2に堆積される効率(原料収率)をより一層向上させることができる。また、ガラス微粒子堆積体表面における外径側の表面温度が高くなるように燃焼性ガスの流量を調整することで、外径側においてガラス微粒子をより一層高い密度で堆積させることができる。このため、上記バーナで得られたガラス微粒子堆積体2を製造する工程において、表面に割れが発生することを抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態のバーナ10は、酸水素火炎を発生させる燃焼性ガスの流量を調整することで、加水分解反応によって生成されるガラス微粒子の量を調整する構造である。このため、従来のように加水分解反応に使用されない不活性ガスを調整するものに比して、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度差を、より一層顕著に生じせしめることができる。
さらに、ガラス原料を噴出するポートに最も近いポートの燃焼性ガスの流量を調整するため、噴出されたガラス原料が噴出された燃焼性ガスによる酸水素火炎中に混合しやすい。このため、燃焼性ガスの流量を調整した際に、生成されるガラス微粒子の量の変化が生じ易くなる。
【0040】
また、上記バーナ10は、第2層のポート(第1のポート)P20が、管の軸方向視(図2の正面視)で、上側ポートP21と下側ポートP22とに仕切られ、上側ポートP21が、下側ポートP22に比して、噴出する燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が多くなるように構成されていることを特徴とする。
こうすれば、バーナ10を所定位置に配することで、ガラス微粒子堆積体12のサーモホレシス効果を向上することができる。このとき、バーナ10を上側ポートP21から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスがガラス微粒子堆積体表面の外径側に吹き付けられ、かつ、下側ポートP22から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスがガラス微粒子堆積体表面の内径側に吹き付けられるように配することが好ましい。こうすれば、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内径側に比して表面温度が高くなる。こうして、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
【0041】
次に、本発明にかかるバーナの他の実施形態を図面を参照して説明する。図3は、以下に説明する他の実施形態のバーナを用いた場合のガラス微粒子堆積体の表面温度と、ガラス微粒子堆積体におけるコアロッドの引き上げ方向位置との関係を表すグラフを示している。図4は、本発明にかかる第2の実施形態のバーナを示す、図1中II−II線矢視図である。図5は、本発明にかかる第3の実施形態のバーナを示す、図1中II−II線矢視図である。なお、以下に説明する実施形態において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
【0042】
第2の実施形態及び第3の実施形態のバーナ20,30は、第2層のポート(第1のポート)P20の径方向外側に燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する第2のポートを有し、第2のポートには、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を管の周方向の位置に応じて異なるように調整可能なガス流量調整手段が設けられていることを特徴とする。
その他の構成は、図2に示す第1の実施形態のバーナと同じである。
【0043】
まず、図4に示す第2の実施形態のバーナ20を説明する。
図4に示すように、本実施形態のバーナ20において、第2のポートとして機能する第6層のポートP60が一対の仕切壁16aによって仕切られている。一対の仕切壁16aは、軸Oに対して対象に設けられている。一対の仕切壁16aは、第6層のポートP60を上側ポートP61と下側ポートP62との2つに分割している。
【0044】
上側ポートP61には導入管G61が接続され、下側ポートP62には導入管G62が接続されている。このため、本実施形態のバーナ20は、導入管G61から上側ポートP61に導入する燃焼性ガスの量と、導入管G62から下側ポートP62に導入する燃焼性ガスの量とを、互いに異なるように調整することができる。このため、上記第2層のポートP20と同様に、第6層のポート(第2のポート)P60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの管の周方向(図4の正面視におけるポート60の周方向)の位置に応じて異なるように調整することができる。
つまり、本実施形態において、仕切壁16aがガス流量調整手段として機能する。
【0045】
なお、導入管G61、G62には、上側ポートP61、P62に導入するガスの量を調整することができる図示しないガス導入量調整手段が設けられていることが好ましい。また、ガス導入量調整手段は導入管G61、G62の外部に設けられていてもよい。
ここで、導入管G61、G62は、特に図示しないが、それぞれ別のガス供給源に接続されていてもよいし、単一のガス供給源に接続されていてもよい。
【0046】
本実施形態のバーナ20は、第2のポート(第2のポート)P60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスを、第2層のポート(第1のポート)P20から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスに比して、バーナ20の径方向に対してより一層広くガラス微粒子堆積体2に吹き付けることができる。
【0047】
また、第2のポートP60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量をガス流量調整手段である仕切壁16aによって調整すれば、ガラス微粒子堆積体表面の外径側に燃焼性ガス又は助燃性ガスをより多く吹き付けることができる。こうすることで、図1及び図3に示すように、ガラス微粒子堆積体2の燃焼性ガス又は助燃性ガスが吹き付けられる領域において外径側の表面温度の高い部分をコアロッド1の引上げ方向に拡大することができる。
すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、加水分解反応が促進され、これによって生成されるガラス微粒子をより多くすることができ、ガラス微粒子堆積体表面の外径側にガラス微粒子をより多く堆積させることができる。
【0048】
こうして、ガラス微粒子堆積体表面の外径側により広い範囲で、且つ、より多くの量のガラス微粒子を堆積させることができるので、得られるガラス微粒子堆積体の外径側に堆積されたガラス微粒子堆積体2の外径部分の密度をより高くすることができる。このため、ガラス微粒子堆積体2を脱水焼結させてガラス母材とする工程において、外周面に割れなどが生じることをより一層確実に抑制することができる。
【0049】
次に、図5に示す第3の実施形態のバーナ30を説明する。
図5に示すように、本実施形態のバーナ30において、第6層のポートP60には複数のノズル16nが設けられている。本実施形態においては、一例としてノズル16nの数を8個とした。複数のノズル16nは、図5の正面視においてポートP60の周方向に等間隔に設けられている。
【0050】
複数のノズル16nには、それぞれ図示しない導入管が接続され、この導入管を介して図示しない供給源に接続されている。本実施形態のバーナ30は、複数のノズル16nのそれぞれに導入する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量を互いに異なるように調整することができる。このため、上記第2層のポートP20と同様に、第6層のポート(第2のポート)P60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が、管の周方向(図5の正面視におけるポート60の周方向)の位置に応じて異なるように調整することができる。
つまり、本実施形態において、複数のノズル16nがガス流量調整手段として機能する。
【0051】
こうすれば、第2のポートP60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量をガス流量調整手段である複数のノズル16nによって調整することで、図1及び図3に示すように、ガラス微粒子堆積体2の燃焼性ガス又は助燃性ガスが吹き付けられる領域において外径側の表面温度の高い部分をコアロッド1の引上げ方向に拡大することができる。
このため、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、加水分解反応が促進され、これによって生成されるガラス微粒子をより多くすることができ、ガラス微粒子堆積体表面の外径側にガラス微粒子をより多く堆積させることができる。
【0052】
次に、本発明にかかるガラス母材の製造方法を説明する。
本発明にかかるガラス母材の製造方法は、バーナを用いて出発材にガラス微粒子を堆積させるガラス母材の製造方法であって、燃焼性ガス又は助燃性ガスを、その流量が燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する方向に対して直行する断面内で非対称になるように制御することを特徴とする。
本発明にかかるガラス母材の製造方法は、上述した本発明にかかるバーナを用いることで好適に実施することができる。以下の説明において、一例として、図1〜図5に示すバーナ10、20、30を用いて説明する。
【0053】
まず、図1示すように、出発材であるコアロッド1を軸Cを中心に回転させつつ、矢印X方向に所定の速度で引上げる。
また、バーナ10を駆動し、ガラス原料、燃焼性ガス、助燃性ガス、シールガスを噴射する。そして、燃焼性ガスと助燃性ガスとを燃焼することで酸水素火炎を発生させ、この酸水素火炎によってガラス原料からガラス微粒子を生成し、このガラス微粒子をコアロッド1上に堆積させることでガラス微粒子堆積体2を形成する。このとき、図1に示すように、ガラス微粒子堆積体2の引上げ方向とは反対側の端部は、図1の下方に向かって径が小さくなる形状であり、この端部(図1において下方側端部)には、バーナ10から噴出されたガラス原料や燃焼性ガス又は助燃性ガスなどのガスが吹き付けられている。
【0054】
このとき、バーナ10の第2層のポートP20を仕切壁12aによって、上側ポートP21と下側ポートP22とに仕切る。そして、上側ポートP21と下側ポートP22とのそれぞれに導入管G21及びG22を介して異なる量の燃焼性ガス又は助燃性ガスを導入する。
【0055】
そして、上側ポート21から噴出される燃焼性ガスの流量を下側ポート22から噴出される燃焼性ガスの流量より多くなるように調整し、且つ、上側ポート21の燃焼性ガスをガラス微粒子堆積体2の外径側に、また、下側ポート22の燃焼性ガスをガラス微粒子堆積体2の内径側に吹き付けるようにする。こうすることで、ガラス微粒子堆積体表面において、ガラス微粒子堆積体の外径側に比して内径側に吹き付けられる燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を多くすることが可能になる。
【0056】
すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側において、燃焼性ガスの流量が多くなるため酸水素火炎の燃焼効率が向上し、内径側に比して表面温度が高くなる。つまり、図1において、ガラス微粒子堆積体2の表面温度の最高値T1と最大値T2との差△Tが大きくなる。こうすることで、ガラス微粒子堆積体表面における内径側と外径側とで表面温度の差が生じ、サーモホレシス効果を向上させることができる。
また、外径側における温度のピーク値を高くすることにより、形成したガラス微粒子堆積体2の外周側の密度を高めることができ、割れや剥離を抑えることができる。
【0057】
ここで、第2層のポートP20ではなく、その他の燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出するポートを仕切壁で仕切ることで、燃焼性ガス又は助燃性ガスを、その流量が燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する方向に対して直行する断面内で非対称になるように制御してもよい。しかし、上述したように、ガラス原料を噴出するポートP20に最も近い位置に配された、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出するポートの流量を調整することが好ましい。
上記ガラス母材の製造方法において、複数のポートP10〜P80のうち少なくとも1つのポートに配された複数のノズルによって燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を制御してもよい。
【0058】
また、上記ガラス母材の製造方法において、燃焼性ガス又は助燃性ガスを、少なくともガラス原料を噴出するポートに最も近い第1のポートと、第1のポートの径方向外側に設けられた第2のポートとから噴出することが好ましい。
【0059】
図4及び図5を参照すると、ガラス原料を噴出するポートP10に最も近い第2層ポート(第1のポート)P20と、第2層のポートP20の径方向外側に設けられた第6層のポート(第2のポート)P60とから燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する。
【0060】
このとき、上述のように、第2層のポートP20を仕切壁12aによって仕切り、仕切られた上側ポートP21と下側ポートP22とに導入する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量をそれぞれ調整する。こうして、第2層のポートP20から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が、第2層のポートP20の周方向の位置に応じて異なるように調整する。
【0061】
また、図4に示すように、第6層のポートP60を仕切壁16aによって仕切り、仕切られた各ポートP61とP62とに導入する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量をそれぞれ調整する。こうして、第6層のポートP60から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が、第6層のポートP60の周方向の位置に応じて異なるように調整する。
一方、図5に示すように、第6層のポートP60に複数のノズル16nを設け、複数のノズル16nのそれぞれに導入する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量をそれぞれ調整し、噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が、第6層のポートP60の周方向の位置に応じて異なるように調整してもよい。
【0062】
こうすれば、第1のポートより径方向外側に位置する第2のポートから燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出することで、図3に示すように、ガラス微粒子堆積体2において外径側の表面温度が高温になる領域が矢印で示すように拡大する。すると、ガラス微粒子堆積体表面の外径側により広い範囲で、且つ、より多くの量のガラス微粒子を堆積させることができ、ガラス微粒子堆積体2の外径部分の密度をより高くすることができる。このため、脱水焼結の工程後にガラス母材の外周面に割れなどが生じることをより一層確実に抑制することができる。
【0063】
さらに、上記ガラス母材の製造方法において、出発材1にガラス微粒子を堆積させたガラス微粒子堆積体2の表面温度の最高値T1と、この最高値T1を示す部位より下方で、且つ、ガラス微粒子堆積体2の径の50%以下の径となる部位におけるガラス微粒子堆積体2の表面温度の最大値T2との差△Tが60℃以上で且つ120℃以下となるように、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を制御することが好ましい。
ガラス微粒子堆積体2における表面温度の最高値T1と最大値T2との差△Tを上記のように調整することで、サーモホレシス効果を向上させ、ガラス微粒子の堆積効率を上げることができる。
【0064】
次に、本発明にかかるバーナの第4の実施形態について説明する。本実施形態において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。図6は、本発明にかかるバーナの第4の実施形態を示す断面図である。
図6に示すように、バーナ40は、第2層のポートP42に複数のノズル42nが設けられている。また、第6のポートP46には一対の仕切壁46aが設けられている。
【0065】
バーナ40は、複数のノズル42nを調整することによって、第2層のポートP42から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量を、燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出する方向に対して直交する断面内で非対称になるように制御することができる。
【0066】
また、バーナ40は、第6層のポートP46を仕切壁46aによって仕切り、仕切られた各ポートに導入する燃焼性ガス又は助燃性ガスの量をそれぞれ調整することができる。こうして、第6層のポートP46から噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量が、第6層のポートP46の周方向の位置に応じて異なるように調整することができる。
本実施形態のバーナによれば、ガラス微粒子を効率よく堆積させることができ、得られるガラス微粒子堆積体の外層に割れが生じることを防止することができる。
【0067】
図7は、本実施形態のバーナ40の変形例を示す拡大図である。図7に示すように、複数のノズル42nは、第2層のポートP42の周方向に偏在するように設けられていてもよい。こうすれば、第2層のポートP42において、複数のノズル42n同士の間隔が小さい部分において噴出される燃焼性ガス又は助燃性ガスの量が多くなる。つまり、複数のノズル42nを偏在させることで、燃焼性ガス又は助燃性ガスの流量がその噴出する方向に対して直交する断面内で非対称になるように制御することができる。なお、図5に示すバーナ30における複数のノズル16nを偏在させてもよい。
【0068】
【実施例】
ます、第1実施例として、図1及び図2に示す本発明にかかるバーナ10を用いて下記の試験を行った。本試験において、実施例1〜5として、第2層のポート(第1のポート)P20の上側ポートP21と下側ポートP22から噴出される燃焼性ガスの上下流量比を調整したバーナを用いた。そして、実施例1〜5のバーナについて、図1に示すガラス微粒子堆積体2における表面温度の最高値T1と最大値T2との差△T(℃)と、引上げ速度(mm/Hr)及び原料収率(%)を測定した。なお、比較例1は、上側ポートP21と下側ポートP22とから噴出させる燃焼性ガスの流量を同じ(つまり、上下流量比が1)であり、実質的に、仕切壁12aを設けていない従来のバーナの構造と同じとした。
本試験の結果を図8及び表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
図8及び表1に示すように、上側ポートP21と下側ポートP22とから噴出させる燃焼性ガスの流量を、表1に示す上下流量比に基づいてガラス微粒子堆積体2の外径側が多くなるように調整した場合、ガラス微粒子堆積体2における表面温度の最高値と最大値の温度差ΔTを大きくすることができた。また、出発材の引き上げ速度を比較例1に比して高くすることができるため、ガラス微粒子堆積体2の製造効率を向上させることができた。さらに、原料収率を向上させることができた。
【0071】
次に、第2実施例を説明する。本実施例において、上記第1の実施形態のバーナ10を実施例6とし、上記第2の実施形態のバーナ20を実施例7とし、上記第3の実施形態のバーナ30を実施例8とした。そして、バーナ10、20、30について、燃焼性ガスの流量を調整しつつガラス微粒子堆積体2を製造した。
このとき、燃焼性ガスを調整しない構成の従来のバーナを比較例2とし、それぞれの出発材の引上げ方向の位置におけるガラス微粒子堆積体の表面温度を測定する試験を行った。本試験の結果を図9に示す。
【0072】
図9に示すように、実施例6では、第2層のポートP20の燃焼性ガスの流量を調整することで、ガラス微粒子堆積体2における表面温度の最高値と最大値との差△T1を、比較例2の差△tと比べて、より一層大きくすることができた。
また、実施例7及び実施例8では、第2層のポートP20に加えて、第6層のポートP60を分割して燃焼性ガスを調整すると、ガラス微粒子堆積体2における表面温度の分布がほぼ同じになり、ガラス微粒子堆積体2における表面温度の最高値と最大値との差△T2を、比較例2の差△tと比べて、より一層大きくすることができた。また、実施例7及び実施例8は、ガラス微粒子堆積体2の外径側(ガラス微粒子堆積体の径に対する外径側10%の領域)の温度を選択的に上昇させることができた。さらに、実施例7及び実施例8のバーナを用いることで、比較例2のバーナを使用した場合と比べて、得られたガラス微粒子堆積体2を脱水焼結加工した際に外周面に割れが生じる確率を2%から0.5%に低減させることができた。
【0073】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のガラス母材の製造方法及びバーナによれば、ガラス微粒子を効率よく堆積させることができ、得られるガラス微粒子堆積体の外層に割れが生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるバーナの第1の実施形態を示す説明図である。
【図2】図1におけるII−II線矢視図である。
【図3】本発明にかかるバーナの第2の実施形態又は第3の実施形態を用いた場合における、出発材の引上げ方向の位置に対するガラス微粒子堆積体の表面温度を表すグラフである。
【図4】本発明にかかるバーナの第2の実施形態を示す図である。
【図5】本発明にかかるバーナの第3の実施形態を示す図である。
【図6】本発明にかかるバーナの第4の実施形態を示す図である。
【図7】図6のバーナの変形例を示す拡大図である。
【図8】本発明にかかるバーナを用いた試験の結果を示すグラフ図である。
【図9】本発明にかかるバーナを用いた別の試験の結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 出発材(コアロッド)
2 ガラス微粒子堆積体
10、20、30 バーナ
11、12、13、14、15、16、17、18 管
P10、P20、P30、P40、P50、P60、P70、P80 ポート
Claims (8)
- 径がそれぞれ異なる3本以上の管が同心状に配され、前記複数の管によって複数のポートが区画されたバーナであって、
燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出するポートを有し、該ポートが仕切壁によって仕切られていることを特徴とするバーナ。 - 径がそれぞれ異なる3本以上の管が同心状に配され、前記複数の管によって複数のポートが区画されたバーナであって、
燃焼性ガス又は助燃性ガスを噴出するポートを有し、該ポートの周方向に偏在するように複数のノズルが設けられていることを特徴とするバーナ。 - 前記ポートは、前記管の軸方向視で、上側ポートと下側ポートとに仕切られ、前記上側ポートが、前記下側ポートに比して、噴出する前記燃焼性ガス又は前記助燃性ガスの流量が多くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のバーナ。
- バーナを用いて出発材にガラス微粒子を堆積させるガラス母材の製造方法であって、
燃焼性ガス又は助燃性ガスを、その流量が前記燃焼性ガス又は前記助燃性ガスを噴出する方向に対して直行する断面内で非対称になるように制御することを特徴とするガラス母材の製造方法。 - 前記バーナは、径がそれぞれ異なる複数の管が同心状に配され、前記複数の管によって複数のポートが区画されており、前記複数のポートのうちの少なくとも1つのポートに配された複数のノズルによって前記燃焼性ガス又は前記助燃性ガスの流量を制御することを特徴とする請求項4に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記複数のノズルをポート毎に制御することを特徴とする請求項5に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記燃焼性ガス又は前記助燃性ガスを、少なくともガラス原料を噴出するポートに最も近い第1のポートと、該第1のポートの径方向外側に設けられた第2のポートとから噴出することを特徴とする請求項5に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記出発材に前記ガラス微粒子を堆積させたガラス微粒子堆積体の表面温度の最高値と、前記ガラス微粒子堆積体における前記最高値を示す部位より下方で、且つ、前記ガラス微粒子堆積体の径の50%以下の径となる部位における前記ガラス微粒子堆積体の表面温度の最大値との差が60℃以上で且つ120℃以下となるように、前記燃焼性ガス又は前記助燃性ガスの流量を制御することを特徴とする請求項4又は5に記載のガラス母材の製造方法。
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2003
- 2003-04-09 JP JP2003104867A patent/JP2004307290A/ja active Pending
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