JPH09263419A - 光ファイバ用ガラス母材の製造方法および製造装置 - Google Patents

光ファイバ用ガラス母材の製造方法および製造装置

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JPH09263419A
JPH09263419A JP7546896A JP7546896A JPH09263419A JP H09263419 A JPH09263419 A JP H09263419A JP 7546896 A JP7546896 A JP 7546896A JP 7546896 A JP7546896 A JP 7546896A JP H09263419 A JPH09263419 A JP H09263419A
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康博 中島
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剛 荻野
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    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 VAD法による光ファイバ用ガラス母材の製
造方法におけるガラス微粒子の堆積工程の排気を調整し
て、多孔質ガラス母材を効率よく製造する方法およびそ
の製造装置を提供する。 【解決手段】 本発明による光ファイバ用ガラス母材の
製造方法は、バーナーの火炎中で合成したガラス微粒子
をターゲット堆積させる光ファイバ母材の製造方法にお
いて、製造初期段階では排気量を少なくし、各バーナー
の各ガス量を徐々に変化させ、その後排気量を徐々に増
加させ、定常時にほぼ一定の排気量とすることを特徴と
するものであり、この製造装置はバーナー1、2、圧力
タップ3、排気管4、チャンバー5、ターゲット棒6、
排気量調節弁8からなることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバ用ガラス
母材の製造方法、特にはVAD法による光ファイバ用ガ
ラス母材の製造におけるスートの堆積工程の排気量を調
整する光ファイバ用ガラス母材の製造方法およびその製
造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】VAD法による光ファイバ用ガラス母材
の製造は、チャンバー内において四塩化けい素などのけ
い素化合物からなるガラス母材を酸水素火炎バーナーの
火炎中での加水分解反応でシリカ微粉末とし、これをタ
ーゲット上に堆積するという方法で行なわれているが、
加水分解により生成されるガラス微粒子のうちターゲッ
トに堆積しないもの、あるいは反応で生成されるHCl
などはチャンバー内より外部に排気されている。この排
気量はバーナーからの原料ガスの噴出量、あるいはチャ
ンバー内のガラス微粒子の浮遊状態によって調節され、
多孔質ガラス母材製造中においても微調整されるが、こ
れは一度設定されると製造中に大きく変更することは殆
どなく、むしろ排気量を一定とするような努力がなされ
ていた。
【0003】この場合、初期段階ではターゲットの堆積
面積が小さく、ガラス微粒子の付着効率も悪いので、ガ
ラス微粒子が反応容器内および排気管内に充満し、内壁
に多量のガラス微粒子が付着し、付着したガラス微粒子
が、多孔質ガラス母材堆積中のチャンバー内に舞い込
み、多孔質ガラス母材表面に再度付着すると泡などの原
因となり、また、チャンバー内に落下するとすすが舞い
上り、多孔質ガラス母材や制御用の窓に付着して制御を
乱すという問題が生じていた。このため、従来は図3に
示すように初期段階の排気量を定常時の設定量より多く
する措置がとられ、これらの問題に対処してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年のように
大型の母材を製造するため初期の段階から定常時と同量
の多量のガス量を流すと、クラッド部の火炎が強すぎて
コアの成長を妨げるなどの問題が生じるため、まずコア
部を成長させながら徐々にクラッド部を成長させていく
ように、ガス条件および堆積バーナーの位置を変更する
方法がとられるようになった。また、母材の大型化に伴
ないターゲットからのシリカ堆積体の落下を防止するた
め、初期段階では付着するガラス微粒子の密度を高くす
るようにガス量を設定し、徐々に定常のガス条件に戻す
などの処理も必要になってきている。
【0005】したがって、このようにガス条件の設定が
複雑になってくると、従来の排気量の調節方法、すなわ
ち排気量を一定とするか、または初期段階の排気量を定
常時の設定量より多くするなどの単純な排気量調節で
は、ガス条件の変化および多孔質ガラス母材の形状の変
化に伴なう排気状態が大きく変化してしまうため、浮遊
ガラス微粒子が多くなり、これがチャンバーや排気管内
に付着しやすくなって極端に汚れるという問題が発生す
る。
【0006】また、この場合には多孔質ガラス母材の形
状の増大に伴い、チャンバー内のガス流れが大きく変化
するため、未付着粒子が排気管に効率よく流れなくな
り、これがチャンバー内および排気管内に多量に付着し
てしまったり、火炎が乱れて正常な堆積が行なわれなく
なってしまい、さらにはガラス母材を大型化して未付着
微粒子の排気効率を高めるために初期段階から排気を大
きくすると、母材に割れが生じて多孔質ガラス母材が製
造できなくなってしまうという不利も発生する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、問題点を解決した光ファイバ用ガラス母材の製造方
法および製造装置に関するもので、この製造方法はバー
ナーの火炎中で合成したガラス微粒子をターゲットに堆
積させ、多孔質の光ファイバ母材を形成する光ファイバ
母材の製造方法において、製造初期段階では排気量を小
さくし、各バーナーの各ガス量を徐々に変化させ、その
後排気量を徐々に増加させ、定常時にはほぼ一定の排気
量とすることを特徴とするものである。この製造装置は
多孔質母材生成用のバーナー、ターゲットへの付着によ
る多孔質ガラス母材の成長に応じて引上げられていくタ
ーゲット棒、このバーナー火炎および多孔質ガラス母材
を覆うチャンバー、チャンバー内の内圧を測定するため
の圧力タップ、圧力タップにより検出された圧力を表示
する圧力計、多孔質ガラス母材により排気する位置を移
すことができる排気管、および排気管の排気量を調節す
る排気量調節弁を備えてなることを特徴とするものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による光ファイバ用ガラス
母材の製造は、光ファイバ用ガラス母材の製造方法にお
いて、製造初期段階においては排気量を少なくし、各バ
ーナーの各ガス量を徐々に変化させ、その後排気量を徐
々に増加させ、定常時にはほぼ一定の排気量とすること
を特徴とするものである。
【0009】これはバーナーで生成されたガラス微粒子
をターゲットに推移させる段階では、ターゲットの堆積
面積が小さいことからバーナーに供給される原料ガス、
燃焼ガス、支燃ガス、不活性ガスの供給量が少なく、こ
の供給ガス量に合わせて排気量も少なくするが、その後
多孔質ガラス母材が成長していく段階においては、多孔
質ガラス母材の成長に合わせて供給ガス量が増加される
ために、供給ガス量の増加に伴なって、排気の流量調節
弁を操作して、排気量を徐々に供給ガスの増加に合せ調
整し、定常状態でほぼ一定量となるように排気量を調整
するもので、この排気量の調整は、例えばチャンバーの
内圧を一定に保つように、供給ガス量の増加に合わせて
排気量を増加すればよい。
【0010】本発明では、このようにガラス微粒子の堆
積初期のコア部成長過程では排気量を少なくし、クラッ
ド部の成長とともに供給ガス量を増やしていき、この供
給ガス量の増加に伴なって排気量も増加していくこと
で、排気状態を常に一定とすることができるので、未付
着ガラス微粒子の排出を効率よく行なうことができる。
【0011】また、多孔質ガラス母材の成長とともに母
材外径が増大すると、チャンバー内の容量が変化してチ
ャンバー内のガスの流れが変わり、ガスの流路が狭くな
るのでガスの流れが速くなり、結果として火炎が乱れて
不安定となり、特性悪化や母材にクラックが入るなどの
問題が生じていたが、母材の形状変化によりチャンバー
の内圧が変化したときに、排気量を調整してチャンバー
内圧を一定とすれば、火炎を安定化することができるの
で、このような不利の発生を防止することができる。
【0012】さらに、本発明ではチャンバー内圧が一定
の状態で排気を行なっていくので、未付着のガラス微粒
子が極端に多くなるような特異の条件の発生が防止さ
れ、引上げ初期段階の供給ガス条件が変化するときも領
域全般にわたって効率よく排気を行なうことができる。
そして、供給ガス量が定常領域と同程度となったのち、
チャンバー内の多孔質ガラス母材の占める容積もほぼ一
定となって安定するため、排気量も一定とすれば目的と
する光ファイバ用ガラス母材の生産も安定化できる。
【0013】この場合、ガラス母材への気泡混入をなく
すため、そのチャンバー内の排気管形状、供給ガス量に
ついて気泡が混入しない内圧を経験的に確認したうえ
で、この気泡混入のない内圧とするのが好ましいが、本
発明のように供給ガス量の変化、排気の流れの変化に合
わせて排気量を調整して引上げを行えば、気泡混入のな
い高品質の多孔質ガラス母材を製造することができる。
【0014】図1は初期段階のチャンバー内圧、供給ガ
ス量、排気圧力との関係グラフで、一点破線はチャンバ
ー内圧、実線は供給ガス量、破線は排気圧力を示したも
のであるが、供給ガス量が少ないときは排気圧力も小さ
くして排気量も少なくし、供給ガス量が増加したときに
は排気圧力を調整してチャンバー内圧を一定に保つよう
にしている。また、供給ガス量が同一のときにも多孔質
ガラス母材の形状変化によってチャンバー内圧が変化し
た場合には排気量を調整してチャンバー内圧を一定に保
つようにしている。従って供給ガス量が変化したり、多
孔質ガラス母材の形状が変化してもチャンバー内圧をほ
ぼ一定の状況で多孔質ガラス母材の製造を行なうことが
できる。
【0015】なお、図2は本願発明による光ファイバ用
ガラス母材製造装置の縦断面要図を示したものである
が、このものはコア用バーナー1、クラッド用バーナー
2、チャンバー内圧を計測するための圧力タップ3を設
けた排気管4およびもう1つの圧力タップ3をチャンバ
ー5に設け、この中に引き上げ装置により引き上げられ
るターゲット棒6を設置し、これにバーナー1、2で発
生したガラス微粒子7を堆積させ、この成長に伴なって
ターゲット棒を引き上げるようにしたものであるが、こ
れにはその排気管4に排気量調節弁8が取りつけられて
おり、この調節によって排気量が調整されるようにされ
ている。
【0016】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例 図2に示した光ファイバ用ガラス母材製造装置を使用
し、ターゲット棒6は回転数60RPMで回転させて約
2.0mm/分の平均速度で引き上げるようにした。つい
で、このコア用バーナー1に SiCl4を 300cc/分、 GeC
l4を 125cc/分、H2 ガスを20L/分、O2 ガスを7L
/分、Arガスを4L/分で供給し、クラッド用バーナ
ー2には SiCl4を 800cc/分、H2 ガスを30L/分、O
2 ガスを20L/分、Arガスを8L/分で供給し、これ
らのバーナーに着火し、ここで発生したガラス微粒子を
ターゲット6に堆積させた。
【0017】この場合、図2において、排気管4から排
気したが、チャンバー内圧は圧力タップ3で測定し、ガ
ス量の増加に伴なうチャンバー内圧の上昇は排気量を排
気量調節弁8により一定となるように調整し、初期段階
におては内圧 2.5mmAqとし、ガス量が定常条件に達した
後は、内圧を気泡混入のない程度にするために排気量を
内圧 1.5mmAqに調整し、それ以後も一定時間毎に排気量
の調整を行なって 8.2時間反応を継続して、直径が 200
mmφで長さが 1,000mmの多孔質ガラス母材を50本製造し
たところ、これらは初期段階で一本も割れることなく、
またこれを加熱して脱水・ガラス化して得られたガラス
母材は気泡混入のないものとし得ることができた。
【0018】比較例1 比較のために、実施例と同一の装置を使用し、同一のガ
ス条件、同じバーナーのセッティングで多孔質ガラス母
材5本の引き上げを行なったが、このとき初期段階から
定常時と同じ排気量で排気をしたところ、初期のガス流
量が少ないときに火炎が乱されてガラス微粒子の堆積が
悪くなり、定常時までの引き上げ時間が実施例にくらべ
て1時間ほど余分にかかるし、初期にコア用バーナーの
火炎が乱れたためにコアが偏心してしまって、5本中1
本は偏心がひどくて引き上げることができず、残りの4
本も供給ガス量を変化していくと、供給ガス量や多孔質
ガラス母材の形状により極端に排気管およびチャンバー
内が汚れ、すすが充満して制御不能となり、製造を中止
せざるを得なかった。
【0019】比較例2 比較のために、実施例と同一の装置、同一のガス条件で
多孔質ガラス母材5本の引き上げを行なったが、この場
合は図3に示すように初期段階で排気量を多くし、定常
時に向って徐々に排気量を少なくするようにしたとこ
ろ、初期段階での排気を強くしたために、排気が強すぎ
てコア部にクラックが入り、5回とも引き上げることが
できなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、母型の大型化に伴なっ
て初期段階のガス条件の複雑に変化し、また多孔質ガラ
ス母材が徐々に大きくなってチャンバー内のガスの流れ
に変化が生じた場合においても、チャンバー内や排気管
内に付着するすすを少なくすることができ、気泡混入の
ない高品質のガラス母材を製造することができるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造法にお
ける、初期段階のチャンバー内圧と供給ガス量および排
気圧力との関係グラフを示したものである。
【図2】本発明による光ファイバ用ガラス母材製造装置
の縦断面要図を示したものである。
【図3】従来の光ファイバ用ガラス母材の製造方法にお
ける製造時間と排気圧力との関係グラフを示したもので
ある。
【符号の説明】
1…コア用バーナー 2…クラッド用バーナー 3…圧力タップ 4…排気管 5…チャンバー 6…ターゲット棒 7…ガラス微粒子 8…排気量調節弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナーの火炎中で合成したガラス微粒
    子をターゲットに堆積させ、多孔質の光ファイバ母材を
    形成する光ファイバ母材の製造方法において、製造初期
    段階では排気量を少なくし、各バーナーの各ガス量を徐
    々に変化させ、その後排気量を徐々に増加させ、定常時
    にはほぼ一定の排気量とすることを特徴とする光ファイ
    バ用ガラス母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 供給ガスの変化および多孔質母材の成長
    に伴って排気量を調節し、チャンバー内圧が一定になる
    ように制御する請求項1に記載した光ファイバ用ガラス
    母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 内圧、排気量、排気圧を測定し、排気
    量、排気管位置、排気圧を自動制御する請求項1または
    2に記載した光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  4. 【請求項4】 多孔質母材の生成用のバーナー、ターゲ
    ットへの付着による多孔質ガラス母材の成長に応じて引
    上げられていくターゲット棒、このバーナーの火炎およ
    び多孔質ガラス母材を覆うチャンバー、チャンバー内の
    内圧を測定するための圧力タップ、圧力タップにより検
    出された圧力を表示する圧力計、多孔質ガラス母材の径
    により排気する位置を移動することができる排気管、排
    気管の排気量を調節する流動調節弁を備えてなることを
    特徴とする光ファイバ用ガラス母材の製造装置。
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