JP3186006B2 - 回折格子 - Google Patents

回折格子

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JP3186006B2
JP3186006B2 JP00362394A JP362394A JP3186006B2 JP 3186006 B2 JP3186006 B2 JP 3186006B2 JP 00362394 A JP00362394 A JP 00362394A JP 362394 A JP362394 A JP 362394A JP 3186006 B2 JP3186006 B2 JP 3186006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学式エンコーダー用
スケール、色分解位相格子、ビームスプリッター等に用
いられる回折格子に関する。
【0002】従来より、くり返し形状を有する樹脂層を
基体上に形成した回折格子が知られている。このような
樹脂層を有する回折格子は、型により容易に所望の表面
形状を形成でき、非常に有効なものである。
【0003】樹脂層に用いる紫外線硬化型樹脂組成物に
ついては、従来より多くの提案がなされている。例え
ば、特開昭62−258401号公報には、2〜4官能
ウレタン変性ポリエステル(メタ)アクリレートと、3
官能(メタ)アクリレートと、単官能(メタ)アクリレ
ートと、光重合開始剤とを含有する紫外線硬化型樹脂組
成及びこの樹脂組成物を表面に用いた光学レンズが記載
されている。
【0004】また、くり返し形状を有する樹脂層を基体
上に形成した回折格子については、米国特許第4,23
5,654号に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開昭62−2584
01号公報に記載された光硬化型樹脂組成物は、耐久性
に優れたものであるが、より厳しい環境の中でも表面に
キズやクラック、更には歪みの発生しない、耐久性の更
に優れた回折格子が望まれていた。
【0006】また、回折格子では、表面に反射防止層あ
るいは反射層を施す場合が多いが、表面樹脂層に歪みが
生ずると反射防止層あるいは反射層にクラックが発生し
たり、反射防止層あるいは反射層が剥離する場合があっ
た。
【0007】本発明は、表面樹脂層にきずやクラック、
更には歪み等の生じない、耐久性に優れた回折格子を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の回折格子は、1
00℃のヤング率が、20℃のヤング率の6.2%以上
である樹脂層を基体上に設けると共に、前記樹脂層がく
り返し形状を有するものである。
【0009】本発明では、前記樹脂層として、光硬化型
樹脂組成物を硬化させたものを用いる。そして、この光
硬化型樹脂組成物には、(A)ポリエステルオリゴマー
に、ウレタン結合を介して(メタ)アクリル基が結合し
た、数平均分子量700以上の多官能ウレタン変性ポリ
エステル(メタ)アクリレートと、(B)数平均分子量
が700よりも小さい多官能(メタ)アクリレートと、
(C)単官能アクリレートと、(D)光重合開始剤と、
を含有するものを用いる。
【0010】本発明の回折格子は、基体上に、くり返し
形状を有する樹脂層を基体上に設けたものである。図1
に示す回折格子は、光学式ロータリーエンコーダーディ
スクとして使用するもので、円形の基体1上にくり返し
形状を有する樹脂層2が形成されている。樹脂層2には
必要に応じ反射防止層または反射層を設ける。樹脂層2
は、100℃のヤング率が20℃のヤング率の6.2%
以上のものである。100℃のヤング率は、20℃のヤ
ング率と同じであることが好ましいが、実際にはそのよ
うなことは望めず、6.2〜90%が好ましい範囲であ
る。
【0011】本発明においてヤング率は、レオメトリッ
ク社製の固体粘弾性測定機RSA−2を用いて測定し
た。測定に使用した試料としては、樹脂組成物を10ジ
ュール/cm2 以上の光で硬化したものを用いた。試料
の形状は、JISK7113の2号ダンベル形状とし
た。この試料を、測定機の2個のチャック(スパン長2
3mm)に固定し、0.1%の引張り歪みを3.5Hz
の周期で与えてヤング率を測定した。昇温速度は3℃/
min.とした。
【0012】樹脂層2は、光硬化型樹脂組成物を光、特
に紫外線により硬化して形成される。基体1はガラスが
好ましいが、場合により樹脂でもかまわない。
【0013】本発明で使用する光硬化型樹脂組成物は、
(A)ポリエステルオリゴマーに、ウレタン結合を介し
て(メタ)アクリル基が結合した、数平均分子量700
以上の多官能ウレタン変性ポリエステル(メタ)アクリ
レートと、(B)数平均分子量が700よりも小さい多
官能(メタ)アクリレートと、(C)単官能アクリレー
トと、(D)光重合開始剤と、を含有する。
【0014】上記成分(A)である数平均分子量700
以上の多官能ウレタン変性ポリエステル(メタ)アクリ
レートは、多塩基酸と多価アルコールとから合成される
ポリエステルオリゴマーを主鎖骨格とするもので、例え
ば、このポリエステルオリゴマーの主鎖及び側鎖の末端
部分のヒドロキシル基に、ジイソシアネートの一端のイ
ソシアネート基が結合し、該ジイソシアネートのもう一
端のイソシアネート基に、ヒドロキシル基を分子中に有
する(メタ)アクリレートが結合して合成される。多官
能ウレタン変性ポリエステル(メタ)アクリレートとし
ては、2〜4官能のものが好ましい。ポリエステルオリ
ゴマーを合成する多塩基酸及び多価アルコールは、いず
れも2〜4価のものが好ましい。
【0015】前記4塩基酸としては、例えばピロメリッ
ト酸、2,3,3′,4−ビフェニルテトラカルボン
酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)メタン等の4塩基酸及びそれら
の酸無水物が好ましい。
【0016】前記3塩基酸としては、例えばトリメリッ
ト酸等の3塩基酸、またはピロメリット酸、2,3,
3′,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)メタン等の4塩基酸を部分エステル化して得た3
塩基酸及びそれらの酸無水物が好ましい。
【0017】2塩基酸としては、例えば無水フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、(無水)コハク酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水
フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、等が好ましい。
【0018】前記3あるいは4価アルコールとしては、
例えばグリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トールモノアリルエーテル、あるいはペンタエリスリト
ール等が好ましい。
【0019】2価アルコールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、水素化ビスフェノールA、2,2′−ジ(4−ヒド
ロキシプロポキシフェニル)プロパン、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチレング
リコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリト
ールジアリルエーテル等が好ましい。
【0020】前記ジイソシアネートとしては、例えばト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート、水添キシレンジイソシ
アネート、等が好ましい。
【0021】前記ヒドロキシル基を分子中に有する(メ
タ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グ
リセリンジ(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0022】成分(A)は、多価アルコールと多塩基酸
とを縮合反応させてポリエステルオリゴマーを得、続い
てジイソシアネートを付加反応させ、さらに(メタ)ア
クリレートを付加反応させて得られるが、下記一般式で
表される、不飽和基を有するイソシアネート類を使用す
ることも可能で、この場合は、前記ポリエステルオリゴ
マーの主鎖及び側鎖の末端部分のヒドロキシル基に、イ
ソシアネート基を反応させることにより、ウレタン変性
ポリエステル(メタ)アクリレートが得られる。
【0023】
【外1】 (上記式中、R1は水素またはメチル基を示し、R2は−
COOCn2n−(nは1〜8の整数)を示す)。
【0024】上記一般式で示されるイソシアネート類と
しては、例えば、イソシアネートメチル(メタ)アクリ
レート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、
イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、イソシ
アネートオクチル(メタ)アクリレート、p−メタクリ
ロキシ−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、m
−アクリロキシ−α,α−ジメチルベンジルイソシアネ
ート等が挙げられる。
【0025】成分(A)のポリエステルオリゴマー合成
時の縮合反応は、公知の方法で加熱反応させれば良く、
例えば原料仕込み後150〜250℃で攪拌下に反応さ
せ、酸価が目標値になったところで、反応を終了させ
る。ここで用いられる酸価とは、ポリエステルオリゴマ
ーの−COOH基の反応系中の量を示す指標であり、中
和するのに必要な水酸化カリウムのmg数をいう。一般
的に下式、
【0026】
【外2】 で示され、本発明のポリエステルオリゴマーでは、5以
下になったところで反応を終了させれば、端末基に−O
H(ヒドロキシル基)のついた、所望のポリエステルオ
リゴマーが得られる。
【0027】また、多塩基酸と多価アルコールの量比
は、従って多価アルコールが過剰でなければならず、当
量比で100:105〜300が好ましい。ここで多価
アルコールの当量比が105に近ければ、高分子量のポ
リエステルオリゴマーが得られ、300に近ければ、低
分子量のものが得られ、量比の決定は経験的に求めら
れ、従ってあらかじめ、少量の当り実験により確認して
おくことが望ましい。
【0028】成分(A)の数平均分子量は700以上で
ある。数平均分子量が700よりも小さいと、硬化する
際に大きく収縮し、生産物の形状精度が悪くなる。成分
(A)のより好ましい数平均分子量は、700〜500
0、特に700〜3000である。
【0029】成分(A)の数平均分子量は、多塩基酸、
多価アルコール及びジイソシアネートの選択、ポリエス
テルオリゴマーの重合度により調節することができる。
【0030】尚、本発明において数平均分子量は、測定
機として日本ミリポアリミテッド社製M−600を用い
てGPC法により測定した。GPC法による測定は、溶
媒としてテトラヒドロフランを用い、試料濃度を0.1
重量%とした。
【0031】成分(B)である数平均分子量が700よ
りも小さい多官能(メタ)アクリレートとしては、例え
ばヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアク
リレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール
Aのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジ
(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシプロ
ポキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、
2,2′−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン
のジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロ
ールのジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(グリシ
ジルオキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリル酸
付加物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタトリ(メタ)アクリレート、
テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのト
リ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシプロピ
ル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、ト
リメリット酸のトリ(メタ)アクリレート、等の1種又
は2種以上を使用することができる。成分(B)として
は、2〜4官能のものが特に好ましい。
【0032】成分(B)の数平均分子量が700以上に
なると、硬化物の熱変形が大きくなる。成分(B)の、
より好ましい数平均分子量は100〜650である。
【0033】成分(C)の単官能の(メタ)アクリレー
トとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、ジシクロペンチル(メタ)アクリレート、イ
ソボロニル(メタ)アクリレート、ボロニル(メタ)ア
クリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、α−ナフチル(メタ)アクリレ
ート、β−ナフチル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0034】成分(D)の光重合開始剤としては、例え
ばベンゾフェノン及びヒドロキシベンゾフェノンメタン
スルフォネートエステル、o−ベンゾイルメチルベンゾ
ネート、p−ジメチルアミンベンゾフェノン等のベンゾ
フェノンの置換誘導体、ベンゾイン及びベンゾインアリ
ルエーテル、アルキル基がメチル、エチル、イソブチ
ル、イソプロピル等であるベンゾインアルキルエーテル
等のベンゾインの置換誘導体、アセトフェノン及びジエ
トキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、ベンジルメチルケタール、2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロピオフェノン、1−(4−イソプ
ロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピ
オフェノン等のアセトフェノンの置換誘導体、ベンジル
及び1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−o−
ベンゾイルオキシム等のオキシム系化合物、等から選択
された1種または2種以上を用いることができる。
【0035】本発明で使用する光硬化型樹脂組成物に
は、必要に応じて公知の重合促進剤、重合防止剤、離型
剤、表面平滑剤、消泡剤等を添加することもできる。
【0036】成分(A)は、熱、湿度及び紫外線に対す
る耐久性を向上させる。
【0037】成分(B)は、樹脂層2の硬度を高くする
と共に熱変形を減少させる。本発明の樹脂層2は、温度
上昇に伴うヤング率の低下量が少なく、熱変形が少な
い。このため、本発明の回折格子は、表面に反射防止層
または反射層を施しても、温度変化によって反射防止層
または反射層が割れたり、剥離したりすることがない。
【0038】成分(C)は、樹脂組成物の流動性あるい
は粘度を適度なものにする。
【0039】成分(A)の含有量は、成分(A)〜
(C)の合計を100重量%として(以下、同様)、1
0〜90重量%、更には25〜70重量%が好ましい。
含有量が10重量%未満では耐久性が低下し、90重量
%よりも多いと組成物の粘度が著しく高くなる。
【0040】成分(B)の含有量は、30〜70重量%
が好ましい。含有量が30重量%未満では、樹脂層の熱
変形が大きくなる。また70重量%よりも多いと、樹脂
層が脆くなったり、硬化する際に大きく収縮する。
【0041】成分(C)の含有量は、10〜90重量
%、更には25〜70重量%が好ましい。
【0042】成分(D)の含有量は、0.1〜5重量%
が好ましい。
【0043】本発明においては、特に100℃のヤング
率が20℃のヤング率の10〜90%であることが好ま
しく、このヤング率比を達成するためには、成分(A)
の含有量を25〜45重量%、成分(B)の含有量を3
1〜50重量%、更に成分(C)の含有量を5〜44重
量%とするのが好ましい。
【0044】反射防止層としては、例えばSiO2 、S
iO、MgF2 、TiO2 、TiO23 、Al2
3 、CeO2 、La23 、Y23 、ZrO2 等の薄
膜を、一層または多層に積層したものを使用することが
できる。反射層としては、例えばAl、Cu、Ag、A
u、Cr等の薄膜を、一層または多層に積層したものを
使用することができる。反射防止層または反射層は、例
えば真空蒸着、スパッタリングあるいはイオプレーティ
ングにより形成することができる。
【0045】樹脂層2の厚みは、1.0〜300μmが
好ましい。反射防止層及び反射層の厚みは0.05〜
1.0μmが好ましい。
【0046】図2〜図5に示す回折格子は、本発明の他
の例で、図2に示す回折格子は長方形の基体11上に、
くり返し形状を有する樹脂層12及び反射防止層13を
順に積層して光学式リニアエンコーダースケールとした
ものである。
【0047】図3に示す回折格子は、長方形の基体21
上に階段状のくり返し形状を有する樹脂層22及び反射
防止層23を順に積層したものである。
【0048】図4に示す回折格子は、長方形の基体31
上に正弦波状の樹脂層32及び反射防止層33を順に積
層したものである。
【0049】図5に示す回折格子は、長方形の基体41
上に、くり返し形状を有する下引き層44、樹脂層42
及び反射防止層43を順に積層したものである。下引き
層44は、接着力を向上させるもので、例えばシランカ
ップリング剤が使用できる。
【0050】図2〜図5では、樹脂層の上に反射防止層
を施した透過型回折格子の例を述べたが、反射防止層の
代わりに反射層を設けて反射型回折格子としても良い。
また、場合によっては反射防止層及び反射層を設けなく
ても良い。
【0051】本発明の回折格子は、図6〜図8に示す方
法により製造することができる。即ち、まず図6に示す
ように、くり返し形状を有する型3上に樹脂組成物4を
供給する。次に、図7に示すように、基体11を型3か
ら一定の間隔を離して保持する。このとき、基体11側
から樹脂組成物に対して紫外線を照射する。最後に、図
8に示すように、基体11を型3から離して本発明の回
折格子が得られる。必要に応じ、樹脂層12上に反射防
止層あるいは反射層を形成する。
【0052】ここで用いられる型は形状・寸法精度に応
じて機械切削加工、フォトリソグラフィー加工等の方法
によりあらかじめ製作されたものであり、材質はガラ
ス、金属、プラスチック等のいずれでも良い。また型が
透明である場合は、紫外線を型側から照射しても良い。
【0053】光硬化型樹脂組成物を硬化させるために使
用する光源としては、例えばケミカルランプ、低圧水銀
灯、高圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンランプ、水
銀キセノンランプ等が使用される。
【0054】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0055】成分(A)の製造例(I) コンデンサ、窒素ガス導入管、温度計、攪拌機を取りつ
けた4つ口フラスコに無水フタル酸49g、プロピレン
グリコール114gを仕込み、窒素雰囲気下で加熱攪拌
した。150℃まで昇温後2時間保持し、その後徐々に
昇温して230℃で反応を進め、酸価が5以下となった
ところで、反応を終了した。室温まで冷却後、1,4−
シクロヘキシレンジイソシアネート166g、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート174g、ジブチル錫ジラウ
レート0.11gを添加して反応系の温度が80℃を越
えないように穏やかに加熱させながら3時間反応後、1
00℃まで1時間かけて昇温後、3時間反応させて数平
均分子量860のウレタン変性ポリエステルアクリレー
ト(I)を得た。
【0056】成分(A)の製造例(II) 多塩基酸として無水トリメリット酸77gと無水フタル
酸89gを、多価アルコールとして、プロピレングリコ
ール182gとを、製造例Iと同様な実験器具を用い
て、同様な反応条件で反応を終了させた。室温まで冷却
後イソホロンジイソシアネート265g、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート186g、ジブチル錫ジウラレー
ト0.16gを添加して、製造例Iと同様な反応条件で
反応させ、数平均分子量1500のウレタン変性ポリエ
ステルアクリレート(II)を得た。
【0057】成分(A)の製造例(III) 多塩基酸としてテトラヒドロ無水フタル酸135g、多
価アルコールとしてトリメチロールプロパン40gと
1,3−ブチレングリコール97gとを、製造例Iと同
様な実験器具を用いて、同様な条件で反応を行った。室
温まで冷却後イソホロンジイソシアネート177g、3
−ヒドロキシプロピルアクリレート143g、ジブチル
錫ジウラレート0.12gを添加して、製造例Iと同様
な条件で反応を行い、数平均分子量1400のウレタン
変性ポリエステルアクリレート(III)を得た。
【0058】成分(A)の製造例(IV) 多塩基酸としてアジピン酸1168g、多価アルコール
として1,4−ブタンジオール930gを、更に触媒と
してパラトルエンスルホン酸0.5gを製造例Iと同様
な実験器具を用いて、同様な条件で反応を行い、次いで
過剰の1,4−ブタンジオールを減圧して留去した後、
反応を終了した。室温まで冷却後、イソホロンジイソシ
アネート398g、2−ヒドロキシエチルアクリレート
232g、ジブチル錫ラウレート2gを添加して製造例
Iと同様な条件で反応を行い、数平均分子量3000の
ウレタン変性ポリエステルアクリレート(IV)を得
た。
【0059】成分(A)の製造例(V) 多塩基酸として無水マレイン酸59gを、多価アルコー
ルとしてプロピレングリコール91gとを製造例Iと同
様な実験器具を用いて同様な条件で反応を行った。室温
まで冷却後、2−イソシアネートエチルアクリレート1
69g、ジブチル錫ラウレート0.08gを添加して、
製造例Iと同様な条件で反応を行い、数平均分子量51
0のウレタン変性ポリエステルアクリレート(V)を得
た。
【0060】上記のようにして得たアクリレート(I)
〜(V)を成分(A)として、この成分(A)と表1に
示した成分(B)〜(D)とを、表1に示した混合割合
で混合して6種類の光硬化型樹脂組成物を作成した。
【0061】これら6種類の光硬化型樹脂組成物を用
い、図1に示す光学式ロータリーエンコーダーディスク
(実施例1〜3)及び図2に示す光学式リニアエンコー
ダースケール(実施例4、5及び比較例1)を作成し
た。光硬化型樹脂組成物の硬化は、50mWの水銀キセ
ノンランプで2分間照射することにより行った。
【0062】光学式ロータリーエンコーダーの基体に
は、直径5mmの貫通孔を中心に有する、外径30mm
の白板ガラスを用いた。この白板ガラスの、樹脂層を形
成する側の面精度は、ニュートンリング3本の面精度と
した。この白板ガラス上に、図1に示すように扇状の溝
を放射状に複数有する樹脂層を、石英ガラスのドライエ
ッチング型を用いて形成した。溝は、基体の外縁から中
心に向って10mmの範囲に形成した。また、基体の中
心から半径9.5mmで離れた位置での溝のピッチは
3.2μmで、その位置での溝の幅は1.6μmであっ
た。溝の深さは0.5μmであった。樹脂層の凸部の厚
みは20μmであった。樹脂層の形成後、樹脂層上に反
射防止層を設けて光学式ロータリーエンコーダーとし
た。
【0063】反射防止層は、樹脂層側からSiO層、T
iO2 層及びSiO2 層を順に積層して形成した。各層
の厚みは、SiO層300nm、TiO2 層250n
m、SiO2 層125nmで、反射防止層の各層は真空
蒸着法で形成した。
【0064】一方、光学式リニアエンコーダースケール
の基体には、幅20mm、長さ60mm、厚さ3mmの
白板ガラスを用いた。この白板ガラスの、樹脂層を形成
する側の面精度は、ニュートンリング3本の面精度とし
た。この白板ガラス上に、図2に示すように複数の溝を
有する樹脂層を、石英ガラスのドライエッチング型を用
いて形成した。溝のピッチは3.2μmで、幅1.6μ
m、深さ0.5μmであった。樹脂層の凸部の厚みは
2.0μmであった。樹脂層の形成後、樹脂層上にロー
タリーエンコーダーのときと同様の反射防止層を設けて
光学式リニアエンコーダーとした。
【0065】こうして作成した6種類の回折格子につい
て、以下に示す2種類の耐久試験を行った。回折格子は
1種類に付き複数個用意し、以下に示す耐久試験はいず
れも新しい回折格子を用いて行った。
【0066】耐久試験70℃、85%RHの高温高湿
槽中で500時間放置する。
【0067】耐久試験−30℃の低温下に2時間放置
後、60℃、60%RHの高温高湿下に2時間放置する
操作を20回くり返す。
【0068】上記耐久試験、を行った後、以下に示
す項目について評価した。評価結果を表1に示した。
【0069】(1)外観 樹脂層及び反射防止層にクラック、腐食、気泡、剥離、
著しい色変化が認められるかどうかを目視により観察し
た。
【0070】変化のないものを良好とした。
【0071】(2)耐摩耗性 レンズクリーニング用シルボン紙により反射防止層表面
を300gの荷重で10回こすり、外観を目視で観察し
た。変化のないものを良好とした。
【0072】(3)耐容剤性 アルコール・エーテル系有機溶剤をしみ込ませたレンズ
クリーニング用シルボン紙により反射防止層表面を30
0gの荷重で10回こすり、外観を目視で観察した。変
化のないものを良好とした。
【0073】(4)密着性 接着テープ(ニチバン社製CT−18)を反射防止層表
面に接着して剥離する操作を3回くり返し、外観を目視
で観察した。変化のないものを良好とした。
【0074】(5)回折効率変動 回折格子面に対して垂直に、波長780nm、直径2m
mの半導体レーザービームを照射し、透過回折光をセン
サーにて受光し、回折光強度を電気的に測定した。レー
ザービームを、ロータリーエンコーダーの中心から9.
5mm離れた円上をスキャンしたとき、あるいはリニア
エンコーダーの長手方向60mm全長にわたってスキャ
ンした時、得られた回折光強度の平均値を基準とし、こ
の平均値からの回折光強度の変動率(百分率)を回折効
率変動とした。
【0075】以上のほか、使用した6種類の光硬化型樹
脂組成物について、20℃のヤング率と100℃のヤン
グ率との比を求め、表1に示した。
【0076】
【表1】
【0077】表1から明らかなように、実施例1〜5で
は、いずれも良好な結果が得られたが、比較例1では耐
久試験後の形状精度が悪く、光学レンズとして使用でき
ないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回折格子の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の回折格子の他の例を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の回折格子の他の例を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の回折格子の他の例を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の回折格子の他の例を示す断面図であ
る。
【図6】本発明の回折格子の製造工程を示すもので、型
に光硬化型樹脂組成物を供給する工程を示す図である。
【図7】図6の製造工程の次の工程を示すもので、金型
と基体との間の光硬化型樹脂組成物を光で硬化する工程
を示す図である。
【図8】図7の製造工程の次の工程を示すもので、基体
を型から剥離する工程を示す図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、41 基体 2、12、22、32、42 樹脂層 33、43 反射防止層 44 下引き層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分を含有する光硬化型樹脂組成物
    により形成された、100℃のヤング率が、20℃のヤ
    ング率の6.2%以上である樹脂層を基体上に設けると
    共に、前記樹脂層がくり返し形状を有し、前記樹脂層上
    に反射層または反射防止層を有することを特徴とする回
    折格子。 記 (A)ポリエステルオリゴマーに、ウレタン結合を介し
    て(メタ)アクリル基が結合した、数平均分子量700
    以上の多官能ウレタン変性ポリエステル(メタ)アクリ
    レートと、 (B)数平均分子量が700よりも小さい多官能(メ
    タ)アクリレートと、 (C)単官能アクリレートと、 (D)光重合開始剤と、 を、成分(A)〜(C)の合計を100重量%として、
    成分(A)を10〜90重量%、成分(B)を30〜7
    0重量%および成分(C)を10〜90重量%含有する
    光硬化型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記樹脂層の100℃におけるヤング率
    が、20℃のヤング率の10〜90%である請求項1記
    載の回折格子。
  3. 【請求項3】 前記樹脂層を構成する成分(A)の含有
    量が25〜45重量%、成分(B)の含有量が31〜5
    0重量%、更に成分(C)の含有量が5〜44重量%で
    ある請求項1記載の回折格子。
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