JP3184636U - 踵での操作が可能なアクセルペダルの構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクセルペダルとブレークペダルの踏み間違いに起因する事故を未然に防ぐアクセルペダルの構造を提供する。
【解決手段】アクセルペダル10は前端側に設けられた軸14を中心に車両12の前後方向に回動可能に装着されている。アクセルペダル10の後端側の踏面16を踵部分で踏み込むことにより、アクセルペダル10は軸14を中心に回動し、下端側が車両12の前方に移動した姿勢に変位する。アクセルペダル10の変位量に応じてスロットルの開閉動作の制御が行われ、車両12が発進・加速する。爪先操作のブレーキペダルと踏み間違えてもアクセル操作が不能であり、踏み間違いに起因する事故を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いに起因する事故を未然に防ぐための工夫がなされたアクセルペダルの構造に関する。
現在、市販されている車両の多くは、2ペダル式(オートマチックトランスミッション搭載車、ロボタイズドマニュアルトランスミッション搭載車)もしくは3ペダル式(マニュアルトランスミッション搭載車)の何れかの形式である。2ペダル式と3ペダル式の何れもABペダルと呼ばれるアクセルペダルとブレーキペダル(以下、ABペダルという。)を備えている。ABペダルは右足の爪先の踏力によって作動し、乗用車の運動状態を発進・加速もしくは停止・減速に切り替える。
ところが、ABペダルは、似たような形状のものが近接した距離に略同じ角度で並置されているため、踏み間違いを誘発しやすく、実際に踏み間違い起因する急発進や急加速による事故が我が国を初めとして世界中で頻発している。このような事故を防止するために、ABペダルに構造上の変更を加え、アクセルペダルの不用意な踏み込みを回避する技術が提案されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1に開示されている技術は、アクセルペダルに所定値以上の踏力が加えられた場合にペダルが変形することにより、踏力の伝達を阻止するというものである。この技術は、ABペダルの踏み間違い時にはブレーキペダルを踏むつもりで間違ってアクセルペダルを強く踏み込むという状況に鑑みたものであり、通常のアクセル操作では加わらないような踏力が加えられた場合に誤操作として処理するというものである。
特許文献2に開示されている技術は、ABペダルを一体化した構造に関するものである。単体のペダルを前後に可倒式とし、従来のアクセルペダルと同様に前に傾けたときに発進・加速し、後ろに傾けたときに停止・減速するというものである。
特開2012ー40933号公報 特開2004ー352228号公報
しかし、前者の場合、アクセルペダルは所定値以上の踏力を加えないと変形しないため、踏み方によっては誤操作であるにもかかわらずペダルが変形せずにアクセルが踏み込まれてしまうこともあり得る。また筋力の乏しい者の場合には踏力が足りずに変形にまで至らないことが考えられる。一方、後者の場合、これまで爪先で行っていたブレーキ操作を踵で行うことになるため、通常のブレーキ操作においても慣れが必要であるだけでなく、緊急時のブレーキ操作において慣れた爪先操作をしてしまう可能性があり、相当の注意を払わなければならない。
本考案は前述した課題を解決するために、以下のようなアクセルペダルの構造を提供する。
アクセルペダルの構造の第1の態様としては、車両の前後方向において所定の変位を行うことによりアクセル操作を行うアクセルペダルの構造であって、前記アクセルペダルが、前記車両の操縦者の踵部分を載せるための踏面を備え、前記踏面に加えられた踏力によって前記所定の変位を行う。
第2の態様としては、前記アクセルペダルが、前記操縦者の爪先部分を載せる前端側が軸支され、前記踏面に踏力が加えたときに前記爪先側を中心に回動する。
第3の態様としては、前記アクセルペダルが、操縦者の爪先部分を載せる前端部と、前記踏面を備えた後端部を備え、前記後端部が前記前端部に対して相対的に変位する。
第4の態様としては、前記後端部に第1センサを備え、前記前端部に第2センサを備え、前記第1センサが操縦者の爪先部分を検知したときにアクセル操作が有効となり、前記第2センサが操縦者の爪先部分を検知したときにアクセル操作が無効となる。
本考案の第1の態様による効果としては、従来の爪先操作のアクセルペダルとは異なり、踵部分で踏み込むことによりアクセル操作を行う踵操作となるため、爪先操作のブレーキペダルと踏み間違えてもアクセル操作が不能である。これによりABペダルの踏み間違いに起因する事故を未然に防止することができる。
第2の態様による効果としては、ブレーキペダルの場合と同じようにアクセルペダルを踏み込んでもアクセルペダルは変位しないため、ABペダルの踏み間違いに起因する事故の大部分を防止することができる。
第3の態様による効果としては、前端部に爪先部分を載せた状態でアクセル操作を行うことができるため、踵部分の位置が安定し、アクセル操作の精度が向上する。
第4の態様による効果としては、両センサにより操縦者の足の位置を把握し、ABペダルの踏み間違いの可能性が高いと判断される場合のアクセル操作を無効にすることにより、事故を未然に防止することができる。
アクセルペダルの第1の実施形態の構造を示す概念図 アクセルペダルの第2の実施形態の構造を示す概念図 アクセル操作に係る制御ブロック図 アクセル操作に係る制御フローチャート
本考案の実施の形態について、添付した図面を参照して説明する。図1はアクセルペダルの第1の実施形態を示す概念図である。アクセルペダル10は、車両12の前後方向に長い板状体であり、操縦者の足を載せたときに自然な姿勢となるように、爪先部分を載せる前端側が踵部分を載せる後端側より高くなるように車両12に取り付けられている。
アクセルペダル10は前端側に設けられた軸14を中心に車両12の前後方向に回動可能に装着されている。アクセルペダル10の後端側の踵部分を載せる部分は踏面16となっている。踏面16を踵部分で踏み込んで踏力を加えることにより、アクセルペダル10は軸14を中心に回動し、上端側はそのままの位置で下端側が車両12の前方に移動した姿勢に変位する。アクセルペダル10が実線で示す定常状態から破線で示す加速状態へと変位すると、その変位量に応じてスロットルの開閉動作の制御が行われ、車両12が発進・加速する。踏面16から踵部分を離すと、アクセルペダル10は定常状態の姿勢に復元する。
ブレーキペダル(図示せず)は従来通り吊り下げ式もしくはオルガン式であり、従来と同じく基本的には爪先部分、もしくは爪先から土踏まずにかけての部分で操作を行うものであるため、これまで通りの慣れた操作で車両12の制動を行うことができる。このようなブレーキペダルの操作方法と同じようにアクセルペダル10を操作した場合、アクセルペダル10の前端側の軸14が設けられた部分を踏み込むことになるため、アクセルペダル10は変位しない。そのため、ブレーキペダルを踏むつもりで間違ってアクセルペダルを強く踏み込むようなことがあっても、アクセルペダル10の構造を採用した車両12であれば、急発進や急加速を招くことはないので、ABペダルの踏み間違いに起因する事故を未然に防止することができる。
図2はアクセルペダルの第2の実施形態を示す概念図である。図2(a)はアクセル操作を行わないときのアクセルペダルの姿勢を示し、図2(b)はアクセル操作を行なったときのアクセルペダルの姿勢を示している。アクセルペダル20は、車両の前方側に配置された前端部22と車両の後方側に配置された後端部24の2つの板状体で構成されている。前端部22と後端部24は、軸26を介して車両の前後方向に連続する形に配置されている。前端部22は車両に対してその位置や角度が固定されている。後端部24は、操縦者の踵部分を載せる踏面28を備えている。踏面28を踵部分で踏み込んで踏力を加えることにより、アクセルペダル20は図2(b)に示すように軸26を中心に回動し、前端部22は当初の位置および角度を維持したまま、後端部24が車両の前方に移動した姿勢に変位する。アクセルペダル20の変位量に応じてスロットルの開閉動作の制御が行われ、車両が発進・加速する。踏面28から踵部分を離すと、アクセルペダル20は図2(a)に示す定常状態の姿勢に復元する。
アクセルペダル20の後端部24には第1センサ30が設けられており、さらに前端部22には第2センサ32が設けられている。これらのセンサは、図3に示すようにアクセルECU34に対して検出信号を送信するように構成されている。第1センサ30は操縦者の足がアクセル操作に適した正しい位置にあることを検出するセンサである。第2センサ32は操縦者の足がアクセル操作に適さない位置にあることを検出するセンサである。操縦者が運転中に何らかの理由によりブレーキペダルと間違ってアクセルペダルを踏み込む場合、ブレーキペダルを踏み込むときと同様にアクセルペダルを爪先部分で踏み込むことが多いと考えられる。その場合、アクセルペダル20の前端部22に爪先部分が当たるので、この位置に第2センサ32を配置し、ペダルの踏み間違いを検出できるようにしている。これらのセンサは光学式もしくは機械的な方式で足の位置を検出し。検出信号をアクセルECU34に送信する。エンジンECU36はスロットルの開閉動作の制御を行い、アクセル操作を有効もしくは無効にする。
図4は車両の操縦時における第1センサ30および第2センサ32の働きを示したフローチャートである。操縦者は最初にエンジンを始動させる(S1)。次にアクセルペダルの踏面を踵部分で踏み込む(S2)。このとき、操縦者の足が正しい位置にあれば、第1センサがアクセルECU34に検出信号を送信し、第2センサは検出信号を送信しないので、アクセル操作が有効となり、アクセルペダルの踏み込み量に応じてスロットルが開く(S3)。これにより車両が加速する(S4)。第1センサが検出信号を送信しない場合は、足が正しい位置にないと判断し、アクセルペダルを踏み込んでもスロットルは開かず、アクセル操作は無効となる(S5)。第1センサが検出信号を送信した場合であっても、第2センサが検出信号を送信した場合には、同様に足が正しい位置にはないと判断し、アクセル操作は無効となる(S6)。操縦者は車両の操縦を終えたらエンジンを停止させる(S7)。
アクセルペダル10、20を車両に搭載する場合、その位置によっては下端側が変位する際に車両の床面と干渉することが考えられる。この場合、アクセルペダル10、20と干渉する部分に溝や凹み等の加工を施すなどして、アクセルペダル10、20の円滑な変位を確保する必要がある。
10、20 アクセルペダル
12 車両
14、26 軸
16、28 踏面
22 前端部
24 後端部
30 第1センサ
32 第2センサ
アクセルペダルの構造の第1の態様としては、車両のアクセル操作を行うアクセルペダルの構造であって、前記アクセルペダルが、前記車両の操縦者の踵部分を載せるための踏面を備え、前記踏面に加えられた踏力によって前記踏面が車両の前方向に移動することによりアクセル操作を行う

Claims (4)

  1. 車両の前後方向において所定の変位を行うことによりアクセル操作を行うアクセルペダルの構造であって、
    前記アクセルペダルが、前記車両の操縦者の踵部分を載せるための踏面を備え、前記踏面に加えられた踏力によって前記所定の変位を行う、
    アクセルペダルの構造。
  2. 前記アクセルペダルが、操縦者の爪先部分を載せる前端側が軸支され、前記踏面に踏力が加えたときに前記爪先側を中心に回動する、
    請求項1に記載のアクセルペダルの構造。
  3. 前記アクセルペダルが、操縦者の爪先部分を載せる前端部と、前記踏面を備えた後端部を備え、前記後端部が前記前端部に対して相対的に変位する、
    請求項1に記載のアクセルペダルの構造。
  4. 前記後端部に第1センサを備え、前記前端部に第2センサを備え、前記第1センサが操縦者の爪先部分を検知したときにアクセル操作が有効となり、前記第2センサが操縦者の爪先部分を検知したときにアクセル操作が無効となる、
    請求項3に記載のアクセルペダルの構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007279995A (ja) * 2006-04-06 2007-10-25 Denso Corp ペダル装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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