JP2016035245A - ペダル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキペダルとアクセルペダルの変位が連動する構成において、一方の足でブレーキペダルを操作し、他方の足でアクセルペダルを操作するのに好適なペダル装置を提供する。
【解決手段】ペダル装置20の走行制御装置48は、ブレーキペダル32に対する一方の足304の接触が第1接触検出部46により検出されない場合、アクセルペダル30の操作量に基づく走行駆動力を制限する。
【選択図】図6

Description

本発明は、アクセルペダルとブレーキペダルとが連結され、一方が踏込み方向に変位するとき、他方が前記踏込み方向と反対方向に変位するペダル装置に関する。
特許文献1では、支持棒12と揺動板14を使用してアクセルペダル3とブレーキペダル4とをシーソーのように変位させるシーソー機構が開示されている(要約、図14、図15)。アクセルペダル3の操作に際し、ドライバーは、足2を乗せたステップ9をアクセルペダル3方向へ移動させる([0042]、図14)。また、ブレーキペダル4の操作に際し、ドライバーは、足2を乗せたステップ9をブレーキペダル4方向へ移動させる([0042]、図15)。
特開2007−237824号公報
上記のように、特許文献1では、足2を乗せたステップ9を移動させて、足2の位置をアクセルペダル3とブレーキペダル4の間で切り替える。換言すると、特許文献1では、片方の足2のみでアクセルペダル3及びブレーキペダル4を操作することが前提とされている。
特許文献1のシーソー機構のように、アクセルペダルとブレーキペダルの動きを連動させる構成では、両足を用いることも考えられる。すなわち、一方の足(例えば、右足)でアクセルペダルを操作し、他方の足(例えば、左足)でブレーキペダルを操作することが可能である。これにより、例えば、アクセルペダルとブレーキペダルの間の移動時間を短縮できる分、両ペダルの操作の切替えを円滑に行うことが可能となる。
しかしながら、特許文献1では、両足を用いた操作のための構成については言及されていない。
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、アクセルペダルとブレーキペダルの変位が連動する構成において、一方の足でブレーキペダルを操作し、他方の足でアクセルペダルを操作するのに好適なペダル装置を提供することを目的とする。
本発明に係るペダル装置は、アクセルペダルとブレーキペダルとが連結され、一方が踏込み方向に変位するとき、他方が前記踏込み方向と反対方向に変位するものであって、前記ペダル装置は、前記ブレーキペダルに対する運転者の一方の足の接触を検出する第1接触検出部と、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの操作量並びに前記第1接触検出部の検出結果に基づいて車両の走行駆動力及び走行制動力を制御する走行制御装置とを備え、前記走行制御装置は、前記ブレーキペダルに対する前記一方の足の接触が前記第1接触検出部により検出されない場合、前記アクセルペダルの前記操作量に基づく前記走行駆動力を制限することを特徴とする。
本発明によれば、ブレーキペダルに対する一方の足の接触が検出されない場合、アクセルペダルの操作量に基づく走行駆動力を制限する。これにより、他方の足によるアクセルペダルの操作により走行駆動力を変化させるためには、一方の足をブレーキペダルに接触させる必要が生じる。従って、両足を用いた操作を確保することができる。
前記ペダル装置は、車幅方向における前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの間に回転軸を有し、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの一方に対する前記踏込み方向の推力を、他方への前記反対方向への推力として伝達するリンク部材を備えてもよい。これにより、両足を用いてアクセルペダル及びブレーキペダルを操作するに際し、両ペダルの変位の連動を比較的簡易な構成で実現することが可能となる。
前記ペダル装置は、前記アクセルペダルに対する前記他方の足の接触を検出する第2接触検出部を備え、前記走行制御装置は、前記アクセルペダルに対する前記他方の足の接触が前記第2接触検出部により検出されるか否かにかかわらず、前記ブレーキペダルの前記操作量に基づき前記走行制動力を制御してもよい。これにより、仮に他方の足がアクセルペダルに接触していない場合でも、ブレーキペダルの操作量に対応する走行制動力が生成される。このため、例えば、何らかのアクシデントにより他方の足でアクセルペダルを操作できない場合であっても、車両を減速又は停止させることが可能となる。
前記第1接触検出部及び前記第2接触検出部は、荷重センサを含み、前記走行制御装置は、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの踏込み荷重の両方が所定の荷重閾値を上回る時間が、所定の時間閾値を超えて継続した場合、前記走行制動力を発生させてもよい。これにより、例えば、運転者が意図せずにアクセルペダル及びブレーキペダルの両方を踏み込んでいると考えられる場合に車両を自動的に減速又は停止させることで、車両の安全性を向上することが可能となる。
前記ペダル装置は、前記アクセルペダルを原位置に向かって付勢する第1付勢手段と、前記ブレーキペダルを原位置に向かって付勢する第2付勢手段とを備え、前記第2付勢手段が前記ブレーキペダルに対して付与する第2付勢力よりも、前記第1付勢手段が前記アクセルペダルに対して付与する第1付勢力を大きくしてもよい。
これにより、仮に一方の足からブレーキペダルに対する推力と他方の足からアクセルペダルに対する推力が等しい場合、ブレーキペダルの操作量の方が大きくなる。このため、車両の駆動よりも制動が優先されることで、車両の安全性を向上することが可能となる。
本発明によれば、アクセルペダルとブレーキペダルの変位が連動する構成において、一方の足でブレーキペダルを操作し、他方の足でアクセルペダルを操作するのに好適なペダル装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るペダル装置を搭載した車両の概略的な構成を示すブロック図である。 前記ペダル装置の外観を簡略的に示す側面図である。 前記ペダル装置の外観を簡略的に示す背面図である。 運転者の右足によりアクセルペダルが踏み込まれた状態における前記ペダル装置の外観を簡略的に示す側面図である。 前記アクセルペダルが踏み込まれた状態における前記ペダル装置の外観を簡略的に示す背面図である。 前記実施形態において前記車両の走行駆動力及び走行制動力を制御するフローチャートである。 前記実施形態における前記アクセルペダル及びブレーキペダルの操作量と目標加減速度との関係を示す図である。 前記運転者の左足が前記ブレーキペダルに乗せられていない状態で前記右足により前記アクセルペダルが踏み込まれた場合における前記ペダル装置の外観を簡略的に示す側面図である。 前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの踏込み荷重の差と、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの前記操作量との関係を示す図である。
A.一実施形態
[A1.車両10の構成]
(A1−1.車両10の概要)
図1は、本発明の一実施形態に係るペダル装置20を搭載した車両10の概略的な構成を示すブロック図である。図2は、ペダル装置20の外観を簡略的に示す側面図である。図3は、ペダル装置20の外観を簡略的に示す背面図である。
なお、図2及び図3並びに後述する図4、図5及び図8において、方向X1、X2は、車両10の前後方向を示し、方向Y1、Y2は、車両10の車幅方向を示し、方向Z1、Z2は、車両10の上下方向を示す。また、図2の矢印500は、運転者300の右足302の操作方向を示す。図3の矢印502は、アクセルペダル30の操作方向を示し、矢印504は、ブレーキペダル32の操作方向を示す。
本実施形態の車両10は、いわゆるエンジン車両である。後述するように、車両10は、その他の種類の車両であってもよい。図1に示すように、車両10は、ペダル装置20に加え、エンジン機構12、ブレーキ機構14、車速センサ16、前後Gセンサ18(以下「Gセンサ18」ともいう。)及び表示装置22を有する。
(A1−2.エンジン機構12及びブレーキ機構14)
図1に示すように、エンジン機構12は、エンジン24と、変速機26を含む。エンジン24は、車両10の駆動源である。本実施形態の変速機26は、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)であるが、その他の変速機であってもよい。以下では、変速機26をCVT26ともいう。エンジン24及びCVT26の少なくとも一方によりエンジンブレーキを作動可能である。
ブレーキ機構14は、図示しない油圧装置、ブレーキパッド等の構成要素を備え、車輪(図示せず)と接触して摩擦制動力Ffrbを付与する。ブレーキ機構14により摩擦ブレーキを作動可能である。
(A1−3.車速センサ16及び前後Gセンサ18)
車速センサ16は、車両10の車速V[km/h]を検出してペダル装置20に出力する。前後Gセンサ18は、車両10の前後方向の加速度(以下「前後加速度G」又は「加減速度G」ともいう。)[m/s/s]を検出してペダル装置20に出力する。
(A1−4.ペダル装置20)
(A1−4−1.ペダル装置20の概要)
図2及び図3に示すように、ペダル装置20は、アクセルペダル30と、ブレーキペダル32と、リンク機構34とを有する。アクセルペダル30は、APペダルジョイント36を介して図示しない車室フロア(以下「フロア」ともいう。)に旋回可能に連結されている。ブレーキペダル32は、BPペダルジョイント38を介して前記フロアに旋回可能に連結されている。
さらに、図1に示すように、ペダル装置20は、第1操作量センサ40(以下「AP操作量センサ40」ともいう。)と、第2操作量センサ42(以下「BP操作量センサ42」ともいう。)と、第1荷重センサ44(以下「AP荷重センサ44」ともいう。)と、第2荷重センサ46(以下「BP荷重センサ46」ともいう。)と、電子制御装置48(以下「ECU48」という。)とを備える。
(A1−4−2.リンク機構34)
(A1−4−2−1.リンク機構34の詳細)
図4は、運転者300の右足302によりアクセルペダル30が踏み込まれた状態におけるペダル装置20の外観を簡略的に示す側面図である。図5は、アクセルペダル30が踏み込まれた状態におけるペダル装置20の外観を簡略的に示す背面図である。図5では、右足302及び左足304(図4)は図示を省略している。図4及び後述する図8の矢印510は、アクセルペダル30に対する右足302の踏込方向を示し、矢印512は、アクセルペダル30の踏込みに伴うブレーキペダル32の移動方向を示す。図5の矢印514は、アクセルペダル30の踏込みに伴う第1リンク連結部56aの移動方向を示し、矢印516は、これに対応する第2リンク連結部56bの移動方向を示す。
図2〜図5に示すように、リンク機構34は、第1リンク50(以下「AP側リンク50」ともいう。)と、第2リンク52(以下「BP側リンク52」ともいう。)と、第3リンク54(以下「中央リンク54」ともいう。)と、第1・第2リンク連結部56a、56b(以下「リンク連結部56a、56b」ともいう。)と、第1〜第4コイルばね58a〜58d(以下「コイルばね58a〜58d」ともいう。)を有する。
AP側リンク50は、一端がアクセルペダル30に連結され、他端が中央リンク54の一端に連結される。AP側リンク50の一端は、アクセルペダル30の内部に嵌め込まれて自在継ぎ手を形成する。例えば、AP側リンク50の一端を球状とし、アクセルペダル30に形成した図示しないブッシュ内に配置させる。これにより、AP側リンク50の一端は、アクセルペダル30に対して傾斜可能及び回転可能に連結される。
同様に、BP側リンク52は、一端がブレーキペダル32に連結され、他端が中央リンク54の他端に連結される。BP側リンク52の一端は、ブレーキペダル32の内部に嵌め込まれて自在継ぎ手を形成する。例えば、BP側リンク52の一端を球状とし、ブレーキペダル32に形成した図示しないブッシュ内に配置させる。これにより、BP側リンク52の一端は、ブレーキペダル32に対して傾斜可能及び回転可能に連結される。
図3及び図5に示すように、中央リンク54は、車幅方向Y1、Y2において、アクセルペダル30及びブレーキペダル32の間の中央に配置され且つ筒状部材60に回転可能に支持された突出部62を備える。これにより、中央リンク54は、突出部62の回転軸Axを回転中心として回転可能である。筒状部材60は、前記車室フロアに固定されている。
突出部62(又は回転軸Ax)は、車幅方向Y1、Y2においてアクセルペダル30及びブレーキペダル32の中央に配置される。換言すると、中央リンク54では、突出部62(又は回転軸Ax)からアクセルペダル30側の端部までの距離と、突出部62(又は回転軸Ax)からブレーキペダル32側の端部までの距離とが等しい。
本実施形態において、突出部62(又は回転軸Ax)は、車幅方向Y1、Y2において図示しないステアリングの中心位置に対応させて配置される。これにより、ステアリングの操作時に運転者300は、アクセルペダル30及びブレーキペダル32それぞれに略均等の力を加え易くなる。
この際、車幅方向Y1、Y2においてアクセルペダル30とブレーキペダル32の間の距離Lp(図3)は、運転者300がアクセルペダル30及びブレーキペダル32に力を加え易い距離(例えば、10〜40cm)とすることができる。なお、図3に示すように、距離Lpは、アクセルペダル30のうち最もブレーキペダル32に近い位置と、ブレーキペダル32のうち最もアクセルペダル30に近い位置との距離として定義されるが、アクセルペダル30及びブレーキペダル32の距離に関するものであれば、これに限らない。
第1リンク連結部56aは、AP側リンク50の一端と中央リンク54の一端とを互いに旋回可能に連結する。第2リンク連結部56bは、BP側リンク52の一端と中央リンク54の他端とを互いに旋回可能に連結する。図3及び図5に示すように、リンク連結部56a、56bには、コイルばね58a〜58dを押圧するためのばね押圧部70a、70bが形成される。
図4及び図5に示すように、アクセルペダル30が踏み込まれた場合、AP側リンク50及び中央リンク54を介してリンク連結部56a(ばね押圧部70a)が下方に(矢印514の方向に)旋回して、下側のコイルばね58bを付勢する。加えて、中央リンク54の回転に伴ってリンク連結部56b(ばね押圧部70b)が上方に(矢印516の方向に)旋回して、上側のコイルばね58cを付勢する。
なお、図5から明らかなように、ばね押圧部70a、70bとコイルばね58a〜58dとは固定されていない。
コイルばね58a〜58dは、その内部に案内棒72a〜72dが挿通された状態で一端が案内棒72a〜72dに固定されている。また、コイルばね58a〜58dは、他端がばね支持部74a〜74dに支持されている。案内棒72a〜72dは、コイルばね58a〜58dの一端と一緒に変位可能である(図5の案内棒72b、72c参照)。ばね支持部74a〜74dは、図示しない連結具を介して前記車室フロアに固定されている。
コイルばね58a、58bは、リンク連結部56a(又は中央リンク54の一端)を基準位置(図3)に戻すようリンク連結部56aを付勢する。同様に、コイルばね58c、58dは、リンク連結部56b(又は中央リンク54の他端)を基準位置(図3)に戻すようリンク連結部56bを付勢する。
本実施形態では、コイルばね58a〜58dの弾性率は等しく、コイルばね58a、58bからばね押圧部70a(AP側リンク50及び中央リンク54)に対する反力(第1付勢力Fsp1)と、コイルばね58c、58dからばね押圧部70b(BP側リンク52及び中央リンク54)に対する反力(第2付勢力Fsp2)とは等しい。後述するように、コイルばね58a〜58dの弾性率を相違させ、第1付勢力Fsp1と第2付勢力Fsp2とを異ならせることも可能である。
(A1−4−2−2.リンク機構34の作用)
リンク機構34が上記のような構成を有することにより、運転者300の右足302によりアクセルペダル30が踏み込まれた場合、アクセルペダル30と共にAP側リンク50が下方に移動する(図5参照)。これに伴って、中央リンク54が回転軸Axを中心として回転し、BP側リンク52及びブレーキペダル32を押し上げる。
AP側リンク50の下方への移動に伴って、ばね押圧部70aにより下側のコイルばね58bが押しつぶされる一方、下側のコイルばね58bからばね押圧部70a(AP側リンク50及び中央リンク54)に対して反力(第1付勢力Fsp1)が付与される。また、BP側リンク52の上方への移動に伴って、ばね押圧部70bにより上側のコイルばね58cが押しつぶされる一方、上側のコイルばね58cからばね押圧部70b(BP側リンク52及び中央リンク54)に対して反力(第2付勢力Fsp2)が付与される。
運転者300の左足304によりブレーキペダル32が踏み込まれた場合、ブレーキペダル32と共にBP側リンク52が下方に移動する。これに伴って、中央リンク54が回転軸Axを中心として回転し、AP側リンク50及びアクセルペダル30を押し上げる。
BP側リンク52の下方への移動に伴って、ばね押圧部70bにより下側のコイルばね58dが押しつぶされる一方、下側のコイルばね58dからばね押圧部70b(BP側リンク52及び中央リンク54)に対して反力(第2付勢力Fsp2)が付与される。また、AP側リンク50の上方への移動に伴って、ばね押圧部70aにより上側のコイルばね58aが押しつぶされる一方、上側のコイルばね58aからばね押圧部70a(AP側リンク50及び中央リンク54)に対して反力(第1付勢力Fsp1)が付与される。
(A1−4−3.AP操作量センサ40及びBP操作量センサ42)
AP操作量センサ40(図1)は、アクセルペダル30の原位置からの踏込み量(以下「操作量θap」又は「AP操作量θap」という。)[deg]を検出し、ECU48に出力する。同様に、BP操作量センサ42は、ブレーキペダル32の原位置からの踏込み量(以下「操作量θbp」又は「BP操作量θbp」という。)[deg]を検出し、ECU48に出力する。
(A1−4−4.AP荷重センサ44及びBP荷重センサ46)
AP荷重センサ44は、運転者300の右足302からアクセルペダル30に加えられた荷重Fap(以下「AP荷重Fap」又は「踏込み荷重Fap」ともいう。)[N]を検出し、ECU48に出力する。AP荷重センサ44は、例えば、磁歪式変位センサにより構成される。AP荷重センサ44は、例えば、アクセルペダル30の表側若しくは裏側又はAP側リンク50の端部若しくは途中に配置することができる。或いは、AP荷重センサ44は、APペダルジョイント36近傍に配置してもよい。
同様に、BP荷重センサ46は、運転者300の左足304からブレーキペダル32に加えられた荷重Fbp(以下「BP荷重Fbp」又は「踏込み荷重Fbp」ともいう。)[N]を検出し、ECU48に出力する。BP荷重センサ46は、例えば、磁歪式変位センサにより構成される。BP荷重センサ46は、例えば、ブレーキペダル32の表側若しくは裏側又はBP側リンク52の端部若しくは途中に配置することができる。或いは、BP荷重センサ46は、BPペダルジョイント38近傍に配置してもよい。
(A1−4−5.ECU48)
ECU48は、操作量θap、θbp等の入力情報に基づいてエンジン機構12、ブレーキ機構14及び表示装置22を制御するものであり、入出力部80、演算部82及び記憶部84を有する。
演算部82は、目標加減速度設定部90(以下「Gtar設定部90」ともいう。)と、加速制御部92と、減速制御部94と、エンジン制御部96と、ブレーキ制御部98と、表示制御部100とを有する。
Gtar設定部90は、操作量θap、θbp、車速V等の入力情報に基づいて車両10の加減速度Gの目標値(以下「目標加減速度Gtar」という。)[m/s/s]を設定する。
本実施形態では、目標加減速度Gtarが正の値であるとき、車両10の加速(走行駆動力Fdrの生成)を示し、目標加減速度Gtarが負の値であるとき、車両10の減速(走行制動力Fbrの生成)を示す。理解の容易化のため、正の値であるときの加減速度G及び目標加減速度Gtarをそれぞれ加速度A及び目標加速度Atarともいう。また、負の値であるときの加減速度G及び目標加減速度Gtarをそれぞれ減速度D及び目標減速度Dtarともいう。また、走行駆動力Fdrを駆動力Fdrと、走行制動力Fbrを制動力Fbrともいう。
加速制御部92は、Gtar設定部90が設定した目標加減速度Gtar(目標加速度Atar)に基づいて車両10の加速(駆動力Fdr)を制御する。すなわち、加速制御部92は、目標加速度Atarを実現するための駆動力Fdr(又はトルク)を算出してエンジン制御部96に通知する。
減速制御部94は、Gtar設定部90が設定した目標加減速度Gtar(目標減速度Dtar)に基づいて車両10の減速(制動力Fbr)を制御する。すなわち、減速制御部94は、目標減速度Dtarを実現するための制動力Fbrについてエンジン機構12及びブレーキ機構14それぞれの負担分を算出してエンジン制御部96及びブレーキ制御部98に通知する。
エンジン制御部96は、加速制御部92及び減速制御部94からの指令に基づいてエンジン機構12(エンジン24及びCVT26)を制御する。すなわち、目標加減速度Gtarが正の値であるときは、エンジン24及びCVT26を用いて車両10を加速させる。目標加減速度Gtarが負の値であるときは、エンジンブレーキの作動要求に応じてエンジン24及びCVT26を用いてエンジンブレーキを機能させ、車両10を減速させる。
ブレーキ制御部98は、BP操作量θbp又は減速制御部94からの指令に基づいてブレーキ機構14を制御する。
表示制御部100は、アクセルペダル30又はブレーキペダル32のいずれかに足302、304が接触していない場合、運転者300に対して警告表示を行うよう表示装置22を制御する。
記憶部84は、図示しない不揮発性メモリ及び揮発性メモリを有する。不揮発性メモリは、例えば、フラッシュメモリ又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)であり、演算部82における処理を実行するためのプログラム等が記憶されている。揮発性メモリは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)であり、演算部82が処理を実行する際に用いられる。
(A1−5.表示装置22)
表示装置22は、アクセルペダル30又はブレーキペダル32のいずれかに足302、304が接触していない場合、ECU48からの指令に基づいて運転者300に対して警告表示を行う。表示装置22は、例えば、図示しないインスツルメントパネルに形成される。或いは、図示しないナビゲーション装置のモニタにより構成されてもよい。
[A2.本実施形態における制御]
図6は、本実施形態において車両10の走行駆動力Fdr及び走行制動力Fbrを制御するフローチャートである。図6のステップS1において、ECU48は、運転者300が駆動操作中であるか否かを判定する。当該判定は、例えば、AP操作量θapがゼロを上回っていること及びBP操作量θbpがゼロを下回っていることの少なくとも一方を判定することにより行う。なお、操作量θap、θbpがゼロの状態とは、図2の基準位置(原位置)にある状態を意味する。また、基準位置よりも踏み込まれた状態の操作量θap、θbpを正の値とし、基準位置よりも戻し方向(踏込み方向とは反対の方向)に移動した状態の操作量θap、θbpを負の値とする。
運転者300が駆動操作中である場合(S1:YES)、ステップS2において、ECU48は、運転者300の左足304がブレーキペダル32に接触しているか否かを判定する。当該判定は、例えば、BP荷重センサ46が検出したBP荷重Fbpが第1荷重閾値THfbpを上回っているか否かにより判定する。
左足304がブレーキペダル32に接触している場合(S2:YES)、ステップS3において、ECU48は、AP操作量θap及び車速Vに基づいて目標加速度Atarを設定する(図7参照)。
図7は、本実施形態におけるAP操作量θap及びBP操作量θbpと、目標加減速度Gtar(目標加速度Atar及び目標減速度Dtar)との関係を示す図である。図7の関係は、車速V毎に変更することが可能である。
図7に示すように、本実施形態では、アクセルペダル30の変位(AP操作量θap)とブレーキペダル32の変位(BP操作量θbp)との間に相関関係がある(換言すると、アクセルペダル30とブレーキペダル32が連動している。)。このため、ECU48は、AP操作量θapの代わりに又はAP操作量θapと共に、BP操作量θbpを用いてステップS3の処理を行うことも可能である。
また、図7の例では、AP操作量θap及びBP操作量θbpがゼロ又はその近傍にある場合、不感帯を設けると共に、不感帯以外では目標加減速度Gtarを線形的に変化させている。しかしながら、これに限らず、アクセルペダル30及びブレーキペダル32の操作感覚に合わせて設定を変化させてもよい。
図6のステップS4において、ECU48は、目標加速度Atarに基づいて駆動源(すなわち、エンジン機構12(エンジン24及びCVT26))を制御する。
ステップS2に戻り、左足304がブレーキペダル32に接触していない場合(S2:NO)、図8のように、運転者300は、右足302によりアクセルペダル30を操作する一方、左足304をブレーキペダル32に乗せていない。この場合、ステップS5において、ECU48は、目標加速度Atarを前回値から低下させる。ステップS5を繰り返し行った場合の目標加速度Atarの最低値は、例えば、ゼロとする。或いは、当該最低値を負の値(すなわち、実質的に目標減速度Dtar)として設定してもよい。これにより、ステップS5を繰り返すことで、車両10は減速し、最終的には停止することとなる。
なお、ステップS5では、AP操作量センサ40が検出したAP操作量θapは用いない。換言すると、AP操作量θapは、無効化される。
続くステップS6において、ECU48は、左足304をブレーキペダル32に乗せるべき旨の警告表示を表示装置22に表示させる。
ステップS1に戻り、運転者300が駆動操作中でない場合(S1:NO)、ステップS7において、ECU48は、運転者300が制動操作中であるか否かを判定する。当該判定は、例えば、BP操作量θbpが正の減速判定閾値THbrを上回っていること及びAP操作量θapが負の減速判定閾値−THbrを下回っていることの少なくとも一方を判定することにより行う。
運転者300が制動操作中である場合(S7:YES)、ステップS8において、ECU48は、運転者300の右足302がアクセルペダル30に接触しているか否かを判定する。当該判定は、例えば、AP荷重センサ44が検出したAP荷重Fapが第2荷重閾値THfapを上回っているか否かにより判定する。
右足302がアクセルペダル30に接触していない場合(S8:NO)、ステップS9において、ECU48は、右足302をアクセルペダル30に乗せるべき旨の警告表示を表示装置22に表示させる。
右足302がアクセルペダル30に接触している場合(S8:YES)又は、ステップS9の後、ステップS10において、ECU48は、BP操作量θbpに基づいて目標減速度Dtarを設定する(図7参照)。上記のように、本実施形態では、アクセルペダル30の変位(AP操作量θap)とブレーキペダル32の変位(BP操作量θbp)との間に相関関係がある(図7)。このため、ECU48は、BP操作量θbpの代わりに又はBP操作量θbpと共に、AP操作量θapを用いてステップS10の処理を行うことも可能である。
続くステップS11において、ECU48は、目標減速度Dtarに基づいてブレーキ(すなわち、エンジンブレーキ及び摩擦ブレーキの少なくとも一方)を作動させる。
なお、ブレーキペダル32への接触がない場合(S2:NO)、ECU48は、AP操作量θapを無効化して目標加速度Atarを低下させた(S5)。これに対し、アクセルペダル30への接触がない場合(S8:NO)、ECU48は、BP操作量θbpをそのまま用いて目標減速度Dtarを設定する(S10)ことに留意されたい。換言すると、アクセルペダル30への接触がない場合(S8:NO)でも、ECU48は、BP操作量θbpを無効化しない。
ステップS7に戻り、運転者300が制動操作中でない場合(S7:NO)、ステップS12において、ECU48は、アクセルペダル30の踏込み荷重Fap及びブレーキペダル32の踏込み荷重Fbpが第3荷重閾値THf(以下「閾値THf」ともいう。)以上であるか否かを判定する。閾値THfは、運転者300が意図せずにアクセルペダル30及びブレーキペダル32の両方を踏み込んでいるか否かを判定するための閾値である。換言すると、閾値THfは、運転者300がアクセルペダル30又はブレーキペダル32のいずれか一方のみを操作することを意図しているが、誤って両方のペダル30、32を操作しているか否かを判定するための閾値である。
図9は、アクセルペダル30の踏込み荷重Fap及びブレーキペダル32の踏込み荷重Fbpの差ΔFと、AP操作量θap及びBP操作量θbpとの関係を示す図である。上記のように、本実施形態では、アクセルペダル30の変位(AP操作量θap)とブレーキペダル32の変位(BP操作量θbp)との間に相関関係がある。このため、図9に示すように、アクセルペダル30又はブレーキペダル32を踏み込んでいくと、差ΔFが増大し、AP操作量θap及びBP操作量θbpそれぞれの絶対値が増加していく。
運転者300がアクセルペダル30及びブレーキペダル32の両方を踏み込んでいる場合、踏込み荷重Fap、Fbpは増加しているにもかかわらず、差ΔFがゼロ又はその近傍値であるため、AP操作量θap及びBP操作量θbpはゼロ又はその近傍値となってしまう。そこで、本実施形態では、踏込み荷重Fap、Fbpそれぞれを閾値THfと比較することにより、アクセルペダル30及びブレーキペダル32の両方が踏み込まれている状態を判定する。
図6のステップS12において踏込み荷重Fap、Fbpが閾値THf以上である場合(S12:YES)、ステップS13において、ECU48は、両ペダル操作時間Tf(以下「時間Tf」ともいう。)に1を加える。続くステップS14において、ECU48は、時間Tfが時間閾値THtf(以下「閾値THtf」ともいう。)以上であるか否かを判定する。閾値THtfは、運転者300が意図せずにアクセルペダル30及びブレーキペダル32の両方を踏み込んでいるとの判定を確定するための閾値である。
時間Tfが閾値THtf以上である場合(S14:YES)、ステップS15において、ECU48は、エンジンブレーキ及び摩擦ブレーキの少なくとも一方による自動ブレーキを作動させる。これにより、運転者300が意図せずにアクセルペダル30及びブレーキペダル32の両方を踏み込んでいると考えられる場合に車両10を自動的に減速又は停止させることで、車両10の安全性を向上することが可能となる。
ステップS12に戻り、踏込み荷重Fap、Fbpの少なくとも一方が閾値THf以上でない場合(S12:NO)、ステップS16において、ECU48は、両ペダル操作時間Tfをリセットする。
ステップS14において時間Tfが閾値THtf以上でない場合(S14:NO)又はステップS16の後、ステップS17において、ECU48は、目標加速度Atarにゼロを設定し、ステップS4に進む。
[A3.本実施形態の効果]
以上のように、本実施形態によれば、左足304(一方の足)でブレーキペダル32を操作し、右足302(他方の足)でアクセルペダル30を操作する(図4参照)。これにより、例えば、アクセルペダル30とブレーキペダル32の踏み間違いを防止し易くなる。また、アクセルペダル30とブレーキペダル32の間の移動時間が必要なくなるため、両ペダル30、32の操作の切替えを円滑に行うことが可能となる。従って、例えば、急ブレーキを要する場合等において速やかに車両10を減速させることができる。加えて、車両10の加減速挙動をより緻密で応答性良く制御可能となるため、運転者300にとって運転する喜びを増大させる効果も期待できる。
さらに、多くの運転者300は、右足302でのアクセルペダル30及びブレーキペダル32の操作に慣れており、左足304でのブレーキペダル32の操作に慣れていないことも想定される。しかしながら、本実施形態ではアクセルペダル30とブレーキペダル32が連動するため(図4参照)、右足302によるアクセルペダル30の操作を介してブレーキペダル32の操作力を微調整可能である。このため、運転者300は、左足304によるブレーキペダル32の操作に慣れていなくても、走行制動力Fbrを調整し易くなる。
さらにまた、アクセルペダル30とブレーキペダル32を別々に操作する構成においては、左足304の位置決めが難しく、左足304によるブレーキペダル32の操作には高い技量が必要である。加えて、車両10の旋回時又は制動時において運転者300の体勢を保持し難くなるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、ペダル30、32の一方への踏力(踏込み荷重Fap、Fbp)が他方への反力として作用するため、左足304の位置決めが容易となると共に、運転者300の体勢を保持し易くなる。
本実施形態によれば、ブレーキペダル32に対する左足304(一方の足)の接触が検出されない場合(図6のS2:NO)、AP操作量θapに基づく走行駆動力Fdrを制限する(S5)。これにより、右足302(他方の足)によるアクセルペダル30の操作により走行駆動力Fdrを変化させるためには、左足304をブレーキペダル32に接触させる必要が生じる。従って、両足302、304を用いた操作を確保することができる。その結果、例えば、アクセルペダル30の操作を誤ったことによる誤発進を防止することが可能となる。
本実施形態において、ペダル装置20は、車幅方向Y1、Y2におけるアクセルペダル30及びブレーキペダル32の間に回転軸Axを有するリンク機構34(リンク部材)を備える(図5等)。リンク機構34は、アクセルペダル30及びブレーキペダル32の一方に対する踏込み方向の推力(AP荷重Fap又はBP荷重Fbp)を、他方への戻し方向(踏込み方向と反対方向)への推力(反力)として伝達する(図4参照)。
これにより、両足302、304を用いてアクセルペダル30及びブレーキペダル32を操作するに際し、両ペダル30、32の変位の連動を比較的簡易な構成で実現することが可能となる。
本実施形態において、ペダル装置20は、アクセルペダル30に対する運転者300の右足302(他方の足)の接触を検出するAP荷重センサ44(第2接触検出部)を備える。また、ECU48(走行制御装置)は、アクセルペダル30に対する右足302の接触がAP荷重センサ44により検出されるか否かにかかわらず、BP操作量θbpに基づき走行制動力Fbrを制御する(図6のS8〜S11参照)。
これにより、仮に右足302がアクセルペダル30に接触していない場合でも、BP操作量θbpに対応する走行制動力Fbrが生成される。このため、例えば、何らかのアクシデントにより右足302でアクセルペダル30を操作できない場合であっても、車両10を減速又は停止させることが可能となる。
本実施形態において、アクセルペダル30に対する右足302の接触を検出する手段(第2接触検出部)は、AP荷重センサ44である。また、ブレーキペダル32に対する左足304の接触を検出する手段(第1接触検出部)は、BP荷重センサ46である。そして、ECU48(走行制御装置)は、両ペダル操作時間Tf(アクセルペダル30の踏込み荷重Fap及びブレーキペダル32の踏込み荷重Fbpの両方が第3荷重閾値THfを上回る時間)が、時間閾値THtfを超えて継続した場合(図6のS14:YES)、走行制動力Fbrを発生させる(S15)。
これにより、例えば、運転者300が意図せずにアクセルペダル30及びブレーキペダル32の両方を踏み込んでいると考えられる場合に車両10を自動的に減速又は停止させることで、車両10の安全性を向上することが可能となる。
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
[B1.適用対象]
上記実施形態では、車両10をエンジン車両とした(図1)。しかしながら、例えば、走行駆動力Fdr又は走行制動力Fbrを制御する観点からすれば、これに限らない。例えば、車両10は、ハイブリッド車両、燃料電池車両等の電動車両であってもよい。
なお、車両10がハイブリッド車両等であり、駆動源として少なくとも走行モータを有する場合、走行駆動力Fdrは、走行モータを用いて生成することができる。また、車両10がハイブリッド車両等であり、発電装置として走行モータ又は発電用モータ(ジェネレータ)を有する場合、走行制動力Fbrは、走行モータ又は発電用モータを用いて生成することが可能である。換言すると、車両10のブレーキとして、回生ブレーキ(又は発電ブレーキ)を用いることができる。
[B2.ペダル装置20]
(B2−1.アクセルペダル30及びブレーキペダル32)
上記実施形態では、アクセルペダル30及びブレーキペダル32をいわゆるオルガンペダル式とした(図2等参照)。しかしながら、例えば、アクセルペダル30とブレーキペダル32とを連結し、一方が踏込み方向に変位するとき、他方を戻し方向に変位させる観点(換言すると、アクセルペダル30とブレーキペダル32とを連動させる観点)からすれば、これに限らない。例えば、アクセルペダル30及びブレーキペダル32は、いわゆる吊り下げ式ペダルとすることも可能である。
上記実施形態では、車両10の進行方向X1に向かって、アクセルペダル30を右側に、ブレーキペダル32を左側に配置した(図2及び図3参照)。しかしながら、アクセルペダル30を左側に、ブレーキペダル32を右側に配置することも可能である。
(B2−2.リンク機構34(リンク部材))
上記実施形態のリンク機構34は、AP側リンク50、BP側リンク52及び中央リンク54の3つのリンクを組み合わせた(図3等)。しかしながら、例えば、アクセルペダル30とブレーキペダル32とを連動させる観点からすれば、これに限らない。例えば、リンク50、52、54を一体化することも可能である。この場合、一体化したリンク部材は、棒状のみならず、板状(例えば、一部を切り欠いた円盤状)であってもよい。
また、例えば、アクセルペダル30とブレーキペダル32とを連動させる観点からすれば、1つ又は複数のリンクを用いない構成も可能である。例えば、油圧機構(又は液圧機構)を用いてアクセルペダル30とブレーキペダル32とを連動させてもよい。当該油圧機構では、例えば、アクセルペダル30が踏まれてアクセルペダル30に推力(反力)が加わると、流体油を介して当該推力がブレーキペダル32側に伝達されてブレーキペダル32が持ち上がる。
或いは、モータ等からなる直動アクチュエータをアクセルペダル30及びブレーキペダル32に対応させて設けておき、踏み込まれる側のペダル30、32の踏力(荷重Fap、Fbp)に基づいて当該直動アクチュエータの出力を制御してもよい。或いは、アクセルペダル30及びブレーキペダル32を連結するワイヤを用いてアクセルペダル30とブレーキペダル32とを連動させることも可能である。
(B2−3.AP荷重センサ44及びBP荷重センサ46(第1・第2接触検出部))
上記実施形態では、アクセルペダル30に対する右足302の接触を判定するためのAP荷重センサ44と、ブレーキペダル32に対する左足304の接触を判定するためのBP荷重センサ46の両方を用いた(図1)。しかしながら、例えば、運転者300に対する警告表示の観点からすれば、AP荷重センサ44及びBP荷重センサ46のいずれか一方のみを用いることも可能である。或いは、例えば、ブレーキペダル32への接触がないときに目標加速度Atarを低下させる観点からすれば、BP荷重センサ46を省略することも可能である。
上記実施形態では、アクセルペダル30に対する右足302の接触を、AP荷重センサ44の検出値(荷重Fap)を用いて判定した(図6のS8)。また、ブレーキペダル32に対する左足304の接触を、BP荷重センサ46の検出値(荷重Fbp)を用いて判定した(図6のS2)。しかしながら、アクセルペダル30又はブレーキペダル32に対する足302、304の接触を検出する観点からすれば、これに限らない。例えば、AP荷重センサ44及びBP荷重センサ46の代わりに、荷重センサ以外の接触センサ(例えば、接触の有無のみを検出可能なもの)又は接触によりオンするスイッチを用いることも可能である。
(B2−4.コイルばね58a〜58d(第1・第2付勢手段))
上記実施形態では、アクセルペダル30を基準位置(原位置)に向かって付勢する第1付勢手段として、コイルばね58a、58bを用いた(図3及び図5)。また、ブレーキペダル32を原位置に向かって付勢する第2付勢手段として、コイルばね58c、58dを用いた(図3及び図5)。しかしながら、アクセルペダル30及びブレーキペダル32を原位置に復帰させる観点からすれば、これに限らない。例えば、モータ等からなる直動アクチュエータを用いてアクセルペダル30及びブレーキペダル32を原位置に向かって付勢してもよい。
上記実施形態では、コイルばね58a〜58dの弾性率を等しくした(図9参照)。しかしながら、例えば、アクセルペダル30とブレーキペダル32とを連動させる観点からすれば、これに限らない。例えば、アクセルペダル30側のコイルばね58a、58bと、ブレーキペダル32側のコイルばね58c、58dとで弾性率を相違させてもよい。
特に、コイルばね58c、58d(第2付勢手段)がブレーキペダル32に対して付与する第2付勢力Fsp2よりも、コイルばね58a、58b(第1付勢手段)がアクセルペダル30に対して付与する第1付勢力Fsp1の方を大きくするようにコイルばね58a〜58dの弾性率を設定した場合、次のような利点がある。
すなわち、ブレーキペダル32側の第2付勢力Fsp2よりもアクセルペダル30側の第1付勢力Fsp1の方が大きくなると、仮にアクセルペダル30に対する推力(AP荷重Fap)とブレーキペダル32に対する推力(BP荷重Fbp)が等しい場合、BP操作量θbpの方が大きくなる。このため、車両10の駆動よりも制動が優先されることで、車両10の安全性を向上することが可能となる。
なお、コイルばね58a〜58dの弾性率を相違させるには、例えば、コイルばね58a〜58dの素材、太さ、直径等を相違させることができる。
また、上記実施形態では、上側のコイルばね58aと下側のコイルばね58bの弾性率(又は第1付勢力Fsp1)を等しくしたが、例えば、アクセルペダル30とブレーキペダル32とを連動させる観点からすれば、これに限らない。例えば、上側のコイルばね58aの弾性率を、下側のコイルばね58bの弾性率よりも高く若しくは低くすること(又は上側のコイルばね58aの第1付勢力Fsp1を、下側のコイルばね58bの第1付勢力Fsp1を小さく若しくは大きくすること)が可能である。上側のコイルばね58cと下側のコイルばね58dの弾性率(又は第2付勢力Fsp2)についても同様である。
[B3.表示装置22]
上記実施形態では、ブレーキペダル32への接触がない場合(図6のS2:NO)及びアクセルペダル30への接触がない場合(S8:NO)のいずれについても、表示装置22による警告表示を行った(S6、S9)。しかしながら、例えば、アクセルペダル30又はブレーキペダル32への接触がない場合に警告表示を行う観点からすれば、警告表示はいずれか一方の場合のみに行うことも可能である。
上記実施形態では、ブレーキペダル32への接触がない場合(図6のS2:NO)又はアクセルペダル30への接触がない場合(S8:NO)における警告表示(S6、S9)をするために表示装置22を用いた(図1)。しかしながら、例えば、ブレーキペダル32への接触がない場合(図6のS2:NO)、走行駆動力Fdrを制限する観点からすれば、これに限らず、表示装置22を省略することも可能である。
上記実施形態では、ブレーキペダル32への接触がない場合(図6のS2:NO)又はアクセルペダル30への接触がない場合(S8:NO)における警告として、表示装置22を用いた警告表示を行った(S6、S9)。しかしながら、例えば、アクセルペダル30又はブレーキペダル32への接触がないことを警告する観点からすれば、これに限らず、図示しないスピーカを介して警告音を発生させてもよい。
[B4.目標加減速度Gtarの設定]
上記実施形態では、AP操作量θap及びBP操作量θbpと目標加減速度Gtarとを関連付けて用いた(図7)。しかしながら、例えば、ブレーキペダル32への接触がない場合(図6のS2:NO)、走行駆動力Fdrを制限する観点からすれば、これに限らない。例えば、AP操作量θap及びBP操作量θbpとエンジン機構12のトルクの目標値(目標トルクTtar)[N・m]とを関連付けてもよい。
上記実施形態では、加減速特性(図7)を車速Vに応じて変化させたが、車速Vに応じて変化させないこと(例えば、車速Vにかかわらず固定された加減速特性とすること)も可能である。
上記実施形態では、目標加減速度Gtarの単位を「m/s/s」とした。しかしながら、例えば、複数種類のブレーキの特性に応じた制御との観点からすれば、これに限らない。例えば、目標加減速度Gtarを、「N・m/s」(車両10の目標トルクTtarの時間微分値)とすることも可能である。
上記実施形態では、ブレーキペダル32への接触がない場合(図6のS2:NO)、AP操作量θapを無効化して目標加速度Atarを低下させた(S5)。しかしながら、例えば、ブレーキペダル32への接触がない場合、走行駆動力Fdrを制限する観点からすれば、これに限らない。例えば、AP操作量θapに1未満の係数を乗算して用いることも可能である。ここでの係数は、固定値又は可変値のいずれでもよい。前記係数を可変値とする場合、前記係数は、例えば、車速Vが高いほど大きくし、車速Vが低いほど小さくしてもよい。
上記実施形態では、アクセルペダル30への接触がない場合(図6のS8:NO)、目標減速度Dtarの設定にBP操作量θbpをそのまま用いた(S10)。しかしながら、例えば、右足302がアクセルペダル30に接触していないことに伴うブレーキペダル32の過度の踏込みを回避する観点からすれば、これに限らない。例えば、ブレーキペダル32への接触がない場合(図6のS2:NO)と同様、走行制動力Fbrを制限してもよい。
10…車両 20…ペダル装置
30…アクセルペダル 32…ブレーキペダル
34…リンク機構(リンク部材)
44…AP荷重センサ(第2接触検出部)
46…BP荷重センサ(第1接触検出部)
48…ECU(走行制御装置)
58a、58b…コイルばね(第1付勢手段)
58c、58d…コイルばね(第2付勢手段)
300…運転者 302…右足(他方の足)
304…左足(一方の足) Ax…回転軸
Fap…アクセルペダルの踏込み荷重 Fbp…ブレーキペダルの踏込み荷重
Fbr…走行制動力 Fdr…走行駆動力
Fsp1…第1付勢力 Fsp2…第2付勢力
Tf…両ペダル操作時間(時間) THf…第3荷重閾値(荷重閾値)
THtf…時間閾値 Y1、Y2…車幅方向
θap…アクセルペダルの操作量 θbp…ブレーキペダルの操作量

Claims (5)

  1. アクセルペダルとブレーキペダルとが連結され、一方が踏込み方向に変位するとき、他方が前記踏込み方向と反対方向に変位するペダル装置であって、
    前記ペダル装置は、
    前記ブレーキペダルに対する運転者の一方の足の接触を検出する第1接触検出部と、
    前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの操作量並びに前記第1接触検出部の検出結果に基づいて車両の走行駆動力及び走行制動力を制御する走行制御装置と
    を備え、
    前記走行制御装置は、前記ブレーキペダルに対する前記一方の足の接触が前記第1接触検出部により検出されない場合、前記アクセルペダルの前記操作量に基づく前記走行駆動力を制限する
    ことを特徴とするペダル装置。
  2. 請求項1に記載のペダル装置において、
    車幅方向における前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの間に回転軸を有し、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの一方に対する前記踏込み方向の推力を、他方への前記反対方向への推力として伝達するリンク部材を備える
    ことを特徴とするペダル装置。
  3. 請求項1又は2に記載のペダル装置において、
    前記ペダル装置は、前記アクセルペダルに対する前記他方の足の接触を検出する第2接触検出部を備え、
    前記走行制御装置は、前記アクセルペダルに対する前記他方の足の接触が前記第2接触検出部により検出されるか否かにかかわらず、前記ブレーキペダルの前記操作量に基づき前記走行制動力を制御する
    ことを特徴とするペダル装置。
  4. 請求項3に記載のペダル装置において、
    前記第1接触検出部及び前記第2接触検出部は、荷重センサを含み、
    前記走行制御装置は、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの踏込み荷重の両方が所定の荷重閾値を上回る時間が、所定の時間閾値を超えて継続した場合、前記走行制動力を発生させる
    ことを特徴とするペダル装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のペダル装置において、
    前記ペダル装置は、
    前記アクセルペダルを原位置に向かって付勢する第1付勢手段と、
    前記ブレーキペダルを原位置に向かって付勢する第2付勢手段と
    を備え、
    前記第2付勢手段が前記ブレーキペダルに対して付与する第2付勢力よりも、前記第1付勢手段が前記アクセルペダルに対して付与する第1付勢力の方が大きい
    ことを特徴とするペダル装置。
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Cited By (2)

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