JP3183829B2 - 播種シート及び播種方法 - Google Patents

播種シート及び播種方法

Info

Publication number
JP3183829B2
JP3183829B2 JP19915396A JP19915396A JP3183829B2 JP 3183829 B2 JP3183829 B2 JP 3183829B2 JP 19915396 A JP19915396 A JP 19915396A JP 19915396 A JP19915396 A JP 19915396A JP 3183829 B2 JP3183829 B2 JP 3183829B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
seeding
seeds
sheet member
eelgrass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19915396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1042626A (ja
Inventor
利春 芳田
裕作 田中
重興 大俣
四郎 熊川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toyo Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Construction Co Ltd filed Critical Toyo Construction Co Ltd
Priority to JP19915396A priority Critical patent/JP3183829B2/ja
Publication of JPH1042626A publication Critical patent/JPH1042626A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3183829B2 publication Critical patent/JP3183829B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Seaweed (AREA)
  • Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性植物の種子を
播種するために用いられる播種シート及び播種方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、沿岸地域の開発により、漁場に適
した藻場が埋め立てられてしまったり、開発の際の影響
で藻場における藻の育成が抑制されたりするケースがあ
る。そこで、藻場ではなかった浅瀬や、藻が減少してし
まった藻場において、人工的に藻場を造成しようとする
試みがなされている。上述の藻場としては、例えば、海
草類のアマモ(Zostera marina)を主体としたアマモ
場、褐藻類のホンダワラ類(Sargassum spp.)を主体と
したガラモ場、アラメ(Eisenia bicyclis)、カジメ
(Ecklonia cava)及びコンブ類(Laminaria spp.) を
それぞれ主体としたアラメ場、カジメ場およびコンブ類
藻場などがある。
【0003】こられの藻場を形成する植物のうちのアマ
モは、その草体に、花枝を伸ばし種子を形成する生殖株
と、花枝を伸ばすことなく地下茎が生長するだけの栄養
株の二種類があり、種子による繁殖と地下茎の生長及び
分枝による繁殖との両方により繁殖することができる。
従って、アマモ場の造成においては、種子を形成しない
植物からなる他の藻場と異なり、草体(栄養株、生殖
株)を水底に移植する方法だけではなく、種子を水底に
播種する方法を用いることもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の草体
を水底に移植する方法では、アマモの草体をそのまま水
底に移植するので、比較的高い確率で藻場の造成を行う
ことができるが、移植作業は、基本的に、水底において
潜水士の手作業となり、専門的技術と大きな労力を必要
とすることになり、高いコストがかかるという問題があ
る。
【0005】一方、上述の種子を水底に播種する方法で
は、アマモ場の造成が基本的に船等から水中に種子を播
くことにより行われるので、作業が極めて簡単である
が、播かれた種子が潮の流れなどにより、流出してしま
う可能性が高く、目標とするアマモの繁殖密度に対して
大量の種子を播く必要がある。すなわち、播種による藻
場の造成では、歩留まりが悪く、播いた種子の量に対し
てどの程度のアマモがアマモ場の造成地に繁殖するか定
かではない。従って、確実に藻場を形成できるとは限ら
ないといった問題がある。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、播種によるアマモ場の形成において、種子の流
出を防止することができるとともに、播種密度をほぼ所
定のものとすることができ、かつ、他の水性植物の種子
の播種においても有効に用いることができる播種シート
及び播種方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
播種シートは、布状、網状もしくは多孔の膜状のシート
部材を、水底に、敷設することにより、水性植物の播種
を行うことが可能な播種シートであって、上記シート部
材が生分解性樹脂からなり、上記生分解性樹脂がエマル
ジョン化されているとともに種子が分散されている水の
中に上記シート部材が浸された後に引き上げられること
により、シート部材に種子が固着されていることを上記
課題の解決手段とした。
【0008】上記構成によれば、種子がシート部材に固
着された播種シートを敷設することにより容易に播種を
行うことができる。特に、播種シートにおいては、種子
を支持する支持体(シート部材)がシート状なので、保
管、搬送に際して播種シートをロール状もしくは積層す
ることにより、極めてコンパクトな状態とすることがで
きるとともに、播種に際しては、ロール状に巻かれた播
種シートを転がしながら拡げることで極めて容易に敷設
することができ、機械化することも容易である。また、
シート部材が生分解性樹脂からなっているので、シート
部材を敷設した後に時間の経過により分解し、水底等の
地面上に敷設した播種シートが、半永久的に残って環境
等に悪影響を与えたり、美観を損ねたりすることがな
い。 また、シート部材への固着中における種子の乾燥を
防止することができる。
【0009】また、種子がシート部材に固着されてシー
ト部材に支持された状態なので、播種した後に大雨など
により種子が流出するのを防止することができる。ま
た、大雨などの際には、地面上に播種シートが敷設され
ていることにより、栄養分を多く含む表土の流失を抑制
することができる。また、播種シートに固着された種子
が発芽して根をだした際に、シートの繊維に根が絡め
ば、種子が発芽した後にも大雨等による流出を防止する
ことができる。また、上記播種シートをアマモ場の造成
に用いた場合にも、水底において上述のような作用効果
を得ることができる。
【0010】なお、上記シート部材としては、周知の各
種布地、不織布、網(ネット)、孔が多数形成された膜
体などを用いることができる。また、シート部材は水が
浸透することが好ましいとともに、根もしくは芽を出す
ための間隙を有することが好ましく、布状、網状もしく
は多孔の膜状のシート部材とは、水を通過させることが
可能であるとともに、芽や根が出ることが可能な空隙を
有するシートである。また、上記水性植物は、種子を形
成するものであれば、特に限定されるものではなく、各
種の水性植物の種子を本発明に用いることができる。
【0011】なお、上記種子が固着されたシート部材が
水中で保管されても良い。
【0012】
【0013】本発明の請求項2記載の播種方法は、請求
項1記載の播種シートを用いた播種方法であって台船
と、該台船上に設置されたクレーンと、上記播種シート
を周囲に巻いた状態に保持するとともに、上記クレーン
により水中に吊られた状態とされ、水中で回転すること
により上記シート部材を拡げた状態に敷設する回転体と
を具備してなる敷設装置を用いて播種シートを敷設する
ことを上記課題の解決手段とした。
【0014】上記構成によれば、人手により播種シート
を敷設する必要がなく、極めて容易かつ短期間に播種を
行うことができる。特に、水底に播種シートを敷設する
際には、上記回転体を台船から水中に吊った状態で、台
船上から操作するものとすることにより、潜水士がいな
くとも播種シートの敷設が可能となり、大幅な省力化を
果たすことができる。
【0015】なお、網状のシート部材に水性植物の種子
が固着された播種シートを用いた播種方法において、敷
設された網状のシート部材の網目の部分にアマモの草体
を移植する工程とを備えていても良い。このようにすれ
ば、アマモの草体を敷設された網状のシート部材の網目
の部分に移植することにより、移植されたアマモの草体
の流出を抑制することができるとともに、播種によるア
マモ場の造成では、アマモが生長するまで時間を必要と
するが、草体の移植を併行して行うことで、アマモ場の
造成を早めることができる。
【0016】本発明の請求項3記載の播種方法は、請求
項2記載の播種方法において、種子を比重が調整された
食塩水に投入して浮いた種子を除去して比重が高い種子
を選別し、上記シート部材に上記種子を固着させること
を上記課題の解決手段とした。
【0017】なお、上記播種シートを敷設した後に、水
により流動化された土砂をチューブにより播種シート上
にまくことにより、敷設された播種シート上に土砂を被
せても良い。このようにすれば、植物によって、発芽に
際して種子が土砂で覆われていることが好ましい場合が
あるが、このような場合には、播種シート上に土砂を被
せることにより、発芽率を高めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例の播種シート及び播種方法を図面を参照して説明す
る。図1は、この一例の播種シートに用いられる網状の
シート部材1を示すものである。そして、この一例の播
種シートは、図1に示される網状のシート部材1にアマ
モの種子(図示略)を固着させたものである。
【0019】上記シート部材1は、生分解性のセルロー
スアセテートからなる複数の繊維をよって長繊維状糸2
…とし、該糸2を網目状に織ったものである。なお、上
記繊維は、生分解性のセルロースアセテートに限定され
るものではないが、後述するように水底等の地面上に敷
設した播種シートが、半永久的に残って環境等に悪影響
を与えたり、美観を損ねたりする可能性があるので、シ
ート部材1が敷設した後に時間の経過により分解してし
まう生分解性樹脂からなっている。
【0020】そして、上記繊維を生分解性とした場合に
は、生分解性を有するセルロースアセテート以外に、脂
肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステルアミド、脂肪族
/芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコール、脂肪族
ポリアミド、ポリオキシアルキレンなどの化合物におい
て生分解性を有することが知られた周知の化合物を上記
繊維に用いることができる。なお、新たに開発される生
分解性繊維を用いるものとしても良い。
【0021】また、上述の化合物から形成された繊維の
太さや断面形状等は、特に限定されるものではない。ま
た、上記繊維を網目状に織る際の織目の大きさも特に限
定されるものではない。また、上記シート部材1は、網
目状に限られるものではなく、布地状、不織布状、多孔
の膜状のものを用いることができる。また、このような
網目状以外のシート部材1の材料としても、上述のよう
に生分解性の樹脂を用いることが好ましい。また、シー
ト部材1を繊維からなる布地状、不織布状、網状とした
場合に、シート部材1に予め窒素やリン等の各種栄養素
(肥料)や各種の農薬などの薬剤やその他の物質を含浸
させるものとしても良い。また、アマモ場の造成におい
ては、食害生物によりアマモが喰い荒らされる場合があ
り、これらの食害生物に対抗する薬剤をシート部材1に
含浸させるものとしても良い。
【0022】そして、上記アマモの種子は、例えば、春
から夏にかけて形成されるアマモの花枝を採取し、採取
された花枝を培養水槽に投入して種子が放出されるまで
培養し、放出した種子を回収することにより得ることが
できる。また、アマモの種子は、比重が高いほど発芽率
が高いので、比重を調整された食塩水に種子を投入して
浮いた種子を除去することにより、比重が高い種子を選
別することが好ましい。
【0023】また、アマモの種子は、水中で花枝から放
出され、水温の低下する12月〜1月頃に発芽するもの
であり、自然の状態で、陸性の植物のように乾燥した状
態となることがなく、乾燥した場所で長期保存ができる
否かが定かではないので、水中で保存することが好まし
い。従って、アマモの種子をシート部材1に固着させる
際に、種子が乾燥してしまわないようにすることが好ま
しく、また、アマモの種子が固着した播種シートを保存
する際にも水中で保存することが好ましい。
【0024】なお、アマモの種子をカプセル内に封入し
たり、アマモの種子の表面を被覆することにより、アマ
モの種子の乾燥を防止するものとすれば、アマモの種子
をシート部材1に固着させる際や、播種シートを保存す
る際に、乾燥状態となっても良い。また、アマモの種子
が、ある程度乾燥しても発芽することが確認されれば、
乾燥状態で上述の保存等を行うものとしても良い。
【0025】また、播種シートに用いられる種子は、ア
マモの種子に限定されるものではなく、水性の植物で種
子を形成するものならば、どのような植物でも用いるこ
とができる。
【0026】次に、上記シート部材1への種子の固着方
法を説明する。この一例における固着方法としては、例
えば、上述の生分解性樹脂を溶媒(種子に悪影響を与え
ないために水が好ましい)中にエマルジョン化してお
き、この溶媒中に予め設定された量の種子を分散する。
次いで、溶媒中にシート部材1を浸けてから引き上げる
ことにより、生分解性樹脂をシート部材1に塗布すると
ともに、種子を所定の密度でシート部材1の表面に固着
させる。
【0027】このようにすることで、種子をアマモとし
た場合に、シート部材1への固着中における種子の乾燥
を防止することができる。また、上記溶媒への種子の添
加量は、シート部材1に固着された種子の量が所定の播
種密度となることが好ましい。なお、種子を含む生分解
性樹脂のシート部材1への塗布方法は、上述の方法に限
られるものではなく、周知の各種塗布方法を用いること
ができる。
【0028】
【0029】また、二枚のシート部材に上述の生分解性
樹脂もしくは接着性を有する物質を塗布し、二枚のシー
ト部材を積層した状態に接着する際に、これらシート部
材の間に種子を挟み込んで、種子を二枚のシート部材の
間に保持した状態に固着するものとしても良い。なお、
この際には、シート部材に挟まれた状態の種子が発芽し
た際に、芽や根をシート部材から出せるように、シート
部材が網状となっているか、シート部材に芽や根をだす
ための穴が多数設けられている必要がある。また、この
際に、網目や穴の大きさが、芽や根がでる大きさで、種
が通過できない大きさとなっていることが好ましい。ま
た、上述のようにシート部材に種子を固着させる場合
に、上述の栄養素や農薬等の物質をシート部材に付着さ
せても良い。例えば、上述の生分解性樹脂のエマルジョ
ンに栄養素や農薬等を混合して、シート部材に塗布する
ものとしても良い。また、種子の固着とは別に、上記栄
養素や農薬等をシート部材に塗布するものとしても良
い。
【0030】次に、上記播種シートを敷設することによ
る播種方法を説明する。この一例においては、図2に示
す播種シート用の敷設装置10を用いて、アマモの種子
が固着された播種シートを比較的水深の浅い海底に敷設
するものとする。上記敷設装置10は、敷設すべき海域
上を走行可能な台船11と、該台船11上に設置された
クレーン12と、クレーン12により水中に吊られた状
態で配置される回転体13と、該回転体13を回動可能
に支持する吊り具14とを具備してなるものである。
【0031】上記回転体13の周囲には、上述の播種シ
ート(種子が固着されたシート部材1)がロール状に巻
いた状態で保持されるようになっている。言い換えれ
ば、回転体13は、ロール状に巻かれた播種シートの芯
となっている。また、回転体13を回動自在に支持する
吊り具14には、回転体13を回転駆動するための周知
の駆動装置や回転体13の回転を停止させるための周知
の制動装置等が装備されており、制動装置により回転体
13の回転を抑止した状態で、台船11の移動もしくは
クレーン12の操作により回転体13毎播種シートを移
動し、回転体13を回転させて回転体13に巻かれた播
種シートを拡げることができるようになっている。
【0032】上記敷設装置10を用いて播種シートを敷
設するには、まず、台船11を目的地に移動するととも
に、台船11上において、播種シートの巻かれた回転体
13を吊り具14にセットし、目的地においてクレーン
12により吊り具14を海中に降ろす。そして、回転体
13が海底よりも僅かに上方に配置された状態で回転体
13を回転させるか、回転体13を海底に降ろすととも
に回転体13を自由に回動可能な状態とさせ、台船11
を移動するかクレーン12を操作するかして回転体13
を海底上で移動させることにより播種シートを拡げなが
ら海底に敷設する。また、複数の播種シートを海底に敷
設する際には、上述の操作を繰り返し行う。
【0033】なお、播種シートの敷設位置を正確なもの
とする場合には、周知のGPS(Global Positioning S
ystem)を用いて位置を測定するものとしても良い。ま
た、GPSによる位置の測定の精度を上げるために、台
船上の移動局(GPS装置)と地上の固定局(GPS装
置)とを設け、固定局においてGPSによる位置の測定
の誤差を求め、移動局側で固定局により求められた誤差
に基づいて測定位置を補正するものとしても良い。ま
た、海底の深度や回転体13の配置された深さはソナー
により求めるものとしても良い。
【0034】また、敷設装置10は、上述のものに限ら
れるものではなく、水中においては水中作業用のブルド
ーザーなどの作業車に上述の回転体13を取り付けて、
播種シートを敷設するものとしても良い。なお、敷設装
置は、ロール状に巻かれた播種シートを敷設するものな
らば良く、基本的にロール状に巻かれた播種シートを回
転させる軸となる回転体13を有するものである。
【0035】そして、上述のように播種シートを敷設し
た後に、敷設された播種シート上に土もしくは砂(土
砂)をまいて、播種シート上を土砂で被う。なお、土も
しくは砂をまく際には、台船11上から砂を直接まくも
のとしても良いし、水により流動化された土砂をチュー
ブ等により播種シート上にまくものとしても良い。ま
た、必ずしも播種シートを土砂で被わなくても良い。ま
た、上述のアマモ場の造成における播種において、アマ
モの草体の移植を併行して行うものとしても良い。この
場合には、アマモの草体を敷設された網状のシート部材
の網目の部分に移植することにより、移植されたアマモ
の草体の流出を抑制することができるとともに、播種に
よるアマモ場の造成では、アマモが生長するまで時間を
必要とするが、草体の移植を併行して行うことで、アマ
モ場の造成を早めることができる。
【0036】以上のように、この一例の播種シートを敷
設して、例えば、水底にアマモの種子を播種した場合に
は、水面上から種子をまいた場合と異なり、まいた種子
が水底に達する前に流されることがないので、ほぼ所定
の播種密度で種子を容易にまくことができる。また、種
子が水底に達した後も、潮の流れ等により種子が流され
て流失したり、水底の土砂が水の流れで移動して種子の
播種位置が大幅にずれたりすることがない。すなわち、
水底を播種シートで被うことにより、水底の土砂の移動
も抑制することができる。
【0037】また、発芽して生長したアマモの根がシー
ト部材1に絡み付くことにより、発芽したアマモの流出
も防止できる。また、ある程度時間が経過した段階で、
生分解性樹脂からなるシート部材1が徐々に分解してい
くので、シート部材1が水底に残ってしまうことがな
く、従って、シート部材1により環境が汚染されること
もなく、シート部材1を回収処理する必要もない。
【0038】なお、シート部材1の分解する時間を、生
分解性樹脂の選択、シート部材1の形状の選択や、その
他の処理により、少なくとも種子が発芽するまで、シー
ト部材1がある程度の強度を持った状態となっているよ
うに調整することが好ましい。さらに、上記シート部材
1に、栄養素や農薬等を含浸もしくは付着させることに
より、アマモの生長を助成することができる。
【0039】また、播種シートは、ロール状とするか積
層することにより、コンパクトな状態で容易に保管、搬
送を行うことができる。なお、アマモの種子を水中で保
管する必要がある場合には、播種シートを水中で保管す
るものとしても良い。そして、播種シートを敷設する場
合には、例えば、水底(地面)において、ロール状の播
種シートを転がすことにより、容易に敷設できる。
【0040】また、このように容易に敷設できることか
ら、播種シートの敷設も容易に機械化することができ
る。そして、上述のような敷設装置により播種シートを
敷設するものとすれば、水中での播種シートの敷設を容
易なものとするとともに、地上においても広い面積での
播種シートの敷設を容易なものとすることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の播種シートによ
れば、播種シートに固着された種子が発芽して根をだし
た際に、シートの繊維に根が絡めば、種子が発芽した後
にも大雨等による流出を防止することができる。また、
上記播種シートをアマモ場の造成に用いた場合にも、水
底において潮の流れなどにより種子、ある程度生長した
アマモ、水底の土砂が流されるの防止することができ
る。さらに、播種シートは基本的にシートなので、上述
のようにロール状にしてコンパクトに保管することがで
きるとともに、ロール状の播種シートを転がすようにし
て容易に敷設することができる。 また、シート部材が生
分解性樹脂からなっているので、シート部材を敷設した
後に時間の経過により分解し、水底等の地面上に敷設し
た播種シートが、半永久的に残って環境等に悪影響を与
えたり、美観を損ねたりすることがない。また、シート
部材への固着中における種子の乾燥を防止することがで
きる。
【0042】
【0043】
【0044】本発明の請求項2記載の播種方法によれ
ば、人手により播種シートを敷設する必要がなく、極め
て容易かつ短期間に播種を行うことができる。特に、水
底に播種シートを敷設する際には、上記回転体を台船か
ら水中に吊った状態で、台船上から操作するものとする
ことにより、潜水士がいなくとも播種シートを敷設が可
能となり、大幅な省力化を果たすことができる。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の播種シートのシー
ト部材を示す平面図及び断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の播種方法を説明す
るための敷設装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 シート部材 10 敷設装置 13 回転体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊川 四郎 東京都千代田区内幸町2丁目1番1号 帝人株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−157322(JP,A) 特開 平2−97344(JP,A) 特開 平6−205620(JP,A) 特開 平8−33435(JP,A) 特開 平8−33436(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 1/04 A01G 33/00 - 33/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布状、網状もしくは多孔の膜状のシート
    部材を、水底に、敷設することにより、水性植物の播種
    を行うことが可能な播種シートであって、 上記シート部材が生分解性樹脂からなり、 上記生分解性樹脂がエマルジョン化されているとともに
    種子が分散されている水の中に上記シート部材が浸され
    た後に引き上げられることにより、シート部材に種子が
    固着されていることを特徴とする播種シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の播種シートを用いた播種
    方法であって、 台船と、該台船上に設置されたクレーンと、上記播種シ
    ートを周囲に巻いた状態に保持するとともに、上記クレ
    ーンにより水中に吊られた状態とされ、水中で回転する
    ことにより上記シート部材を拡げた状態に敷設する回転
    体とを具備してなる敷設装置を用いて播種シートを敷設
    することを特徴とする播種方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の播種方法において、 種子を比重が調整された食塩水に投入して浮いた種子を
    除去して比重が高い種子を選別し、上記シート部材に上
    記種子を固着させることを特徴とする播種方法。
JP19915396A 1996-07-29 1996-07-29 播種シート及び播種方法 Expired - Fee Related JP3183829B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19915396A JP3183829B2 (ja) 1996-07-29 1996-07-29 播種シート及び播種方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19915396A JP3183829B2 (ja) 1996-07-29 1996-07-29 播種シート及び播種方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1042626A JPH1042626A (ja) 1998-02-17
JP3183829B2 true JP3183829B2 (ja) 2001-07-09

Family

ID=16403044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19915396A Expired - Fee Related JP3183829B2 (ja) 1996-07-29 1996-07-29 播種シート及び播種方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3183829B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4605421B2 (ja) * 2001-02-22 2011-01-05 行幸 前川 藻場造成方法
JP2006296240A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Tanaka:Kk アマモ苗海中育成方法およびアマモ場造成方法
JP2007020408A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Kagoshima Prefecture アマモ場造成用播種基体およびアマモ場造成方法
US7587858B2 (en) 2005-08-11 2009-09-15 Roy E. Hock Method and apparatus for cultivation of subaquatic vegetation
JP2007082492A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Institute For Environmental Sciences 海草種子の採取方法
JP5581262B2 (ja) * 2011-05-06 2014-08-27 大成建設株式会社 海草の播種装置
CN103548443B (zh) * 2013-11-22 2015-06-17 山东省海水养殖研究所 一种大叶藻种子的播种方法
JP2020127379A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 パネフリ工業株式会社 移植補助材、移植補助キットおよび大型藻類の移植方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1042626A (ja) 1998-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4916294B2 (ja) 草体移植具および水底における草体の移植方法
JP2008500062A (ja) 超拡大、浮力調整型浮島
KR102249238B1 (ko) 해초류 재배를 위한 친환경 다공성 모판 제조방법 및 이를 통해 조성된 바다숲 시공방법
US20150132060A1 (en) Rapid deployment erosion control grass strip with integrated hydration, nutrition, and mulch systems
JP3183829B2 (ja) 播種シート及び播種方法
JP4358833B2 (ja) 植栽基盤
JP2002330651A (ja) 藻場造成方法と藻草育成ネット
JPS5828213A (ja) 人工育成床
JP3930154B2 (ja) 播種シートおよび人工藻場造成用播種シート
JPS5840026A (ja) 水生植物の育成方法
JPH08242716A (ja) 藻場造成装置及びその設置方法
JP2002159229A (ja) 海藻・藻場の造成方法および装置
JP2001123451A (ja) 植生ブロック体及び植生ブロック体による法面の緑化工法
JP2002119161A (ja) 海草育成装置
JP2002330652A (ja) 藻場造成方法と藻草育成プランター
JP2002004292A (ja) 植生用ロール状物
JPS6218212Y2 (ja)
JP4243712B2 (ja) 水中種子植物の造成基盤の敷設方法
CN220387450U (zh) 原位修复单元和水下修复结构
JPH08242717A (ja) アマモ場の造成方法及びアマモ栽培具
JPS59205921A (ja) 藻場造成法
JPH09201127A (ja) 植物育成用基材
CN213603383U (zh) 一种矿山修复用植生袋
JPH08242712A (ja) 塩水を用いた植物育成施設
JPH11113383A (ja) 敷設式緑化マット

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080427

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090427

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090427

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120427

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140427

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees