JP3183510B2 - Rnaレプリカーゼのdna依存性rnaポリメラーゼ活性を用いる核酸増幅 - Google Patents

Rnaレプリカーゼのdna依存性rnaポリメラーゼ活性を用いる核酸増幅

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、核酸セグメントを増幅するためのかつテス
トサンプル中の核酸被検体を検出するための方法及びキ
ットに関する。より特定的には、本発明は、Qβレプリ
カーゼのようなRNA依存性RNAレプリカーゼのDNA依存性R
NAポリメラーゼ活性を用いて核酸セグメントを増幅する
こと、及び、そのような増幅産物を検出することに関す
る。
発明の背景 核酸プローブハイブリッド形成法を使用する特異的標
的核酸被検体を検出する能力には多くの用途を有する。
それらの用途には、ヒトもしくは他の動物における感染
症もしくは遺伝病もしくは癌の診断、化粧品、食品もし
くは水のウイルス性もしくは微生物性汚染物の同定、及
び、ヒトにおける法延上もしくは実父確定テスト、及
び、植物及び動物における育種分析及び品種改良のため
の遺伝子レベルにおける固体の同定もしくは性質決定、
あるいはそれら固体間における識別、が含まれる。核酸
プローブハイブリッド形成法の適用のための基盤は、オ
リゴヌクレオチドもしくは核酸断片プローブのハイブリ
ッド形成するため、つまり、相補的な塩基対形成を通し
ての安定な2本鎖ハイブリッドを形成するため、特に、
特有な配列を有し、特有な種、株、個々の生物もしくは
生物から取得された細胞においてのみ出現する核酸セグ
メントを用いてそれを形成するための能力である。
核酸プローブハイブリッド形成アッセイにおける基礎
的制限事項の一つは、そのアッセイの感度であり、それ
は、標的分子に対して結合するためのプローブの能力及
び、標的分子に対して結合しかつ検出に有効な期間にお
いて検出されることができる各プローブから産生される
シグナルの強度に依存する。このアッセイにおける既知
の検出法は、プローブから産生される、つまり、プロー
ブ中に含まれる蛍光性部分もしくは放射活性同位体元素
から産生されるシグナル、あるいは、プローブに結合し
ている、アルカリフォスファターゼもしくはペルオキシ
ダーゼのような酵素、及び、プローブハイブリッド形成
後及びハイブリッド形成プローブの非ハイブリッド形成
プローブからの分離後では、特徴的な呈色産物を産生す
るように特異的な基質と共にインキュベートさせた前記
酵素から産生されるシグナルに依存する。しかしなが
ら、これらのアッセイの実際的な検出限界は約200、000
標的分子(100μl中の3フェムトモル濃度)であり、
これは多くの用途について充分な感度ではない。そのた
め、核酸プローブハイブリッド形成アッセイについての
検出系の感度を上げることに、多くの努力が費やされて
いる。
重大な注目を集めている研究の第2の分野は、感度の
増大であり、これはつまり、検出されるべき標的分子の
数を増加させることによって行なわれ、つまり、現在利
用可能なシグナル産生及びシグナル検出法を利用するこ
とで簡単に検出されるのに充分な量に対する標的核酸の
セグメントの増幅によって行なわれる。サンプル中の標
的分子の量を増大させるための従来の方法は、様々な培
養法を使用して、生物に対する栄養物を豊富に含む条件
下で生物を標的分子と共に増殖することであった。(Le
nnette、E.H.ら(1985年)、臨床微生物学便覧、アメリ
カ微生物学会編集、ワシントン、D.C.;Gerhardt、P.ら
(1981年)、一般細菌学の方法マニュアル、アメリカ微
生物学会編集、ワシントン、D.C.)。サンプル中の標的
分子の数を増加させることにおける最近の進展は、個々
の標的分子から由来することができるレポーター分子の
数の標的依存的な増大に焦点を当ててきた。このような
「リポーター分子」は、対応する標的分子のセグメント
の配列を有していても有していなくてもよい。これらの
最近の進展の一例は、いわゆる「ポリメラーゼ連鎖反
応」(PCR)を使用する増幅である。PCR増幅に関して
は、PCRの基礎的な記載のために、Molecular Biolog
y、補足版4、セクション5、ユニット3.17に最近の方
法が引用され、それを本明細書中に参照として取り込む
こととする。PCRを記載してある他の引用文献は、Erlic
h、H.A.(編集)(1989年)、PCR技術、ストックトン
プレス社;Erlich、H.A.ら(1988年)、Nature 331巻、
461−462ページ;Mullis、K.B.及びFaloona、F.A.(1987
年)、Methods in Enzymology、155巻、335−350ペー
ジ;Saiki、R.K.ら(1986年)、Nature 324巻、163−16
6ページ;Saiki、R.K.ら(1988年)、Science 239巻、4
87−491ページ;Saiki、R.K.ら(1985年)、Science 23
0巻、1350−1354ページ;Mullisらに対する米国特許第4,
683,195号;及び、Mullisに対する米国特許第4,683,202
号、を含む。
PCRにおいては、2本鎖の標的核酸を温度的に変成さ
せ、更に、標的中の目的の2本鎖セグメントにフランキ
ングするプライマー対(この2本鎖セグメントの各鎖の
3′端にハイブリッド形成している一つのプライマー)
とハイブリッド形成させ、その後、このプライマーをDN
Aポリメラーゼにより触媒される伸長反応において伸長
する。核酸のサンプル中の各標的分子についての、かな
りのサイクル数(例えば、典型的には25回)の変成、ハ
イブリッド形成、及びプライマー伸長過程により、標的
分子のセグメントと同一の核酸配列(通常は約100−200
0塩基対)を有する2本鎖DNAであるリポーター分子の多
くのコピーが作製される。25サイクルのPCR増幅におい
て、約106より大きいリポーターセグメントが、サンプ
ル中に当初存在する各標的分子について作製できる。充
分な増幅のためには通常は2時間以上を要する反応を多
くの回数行うことを必要とするため、このPCR法は煩雑
である。更に、手作業で行う場合にはこの増幅法はより
時間を浪費するものである。更に、自動装置が必要であ
る場合にはかなり高価なものになる可能性がある。
「転写をベースにした増幅系」(「TAS」)と呼ばれ
る最近開示された他の増幅法は、転写のためにプロモー
ターに操作可能なように連結しているセグメントからの
数多くの転写物を迅速に産生することができるDNA依存
性RNAポリメラーゼにより特異的に認識されるプロモー
ターについてのセグメントを含むプライマーを使用す
る。Gingeras、T.R.らに対するPCT公開公報第 WO 88/
10315号を引用文献として挙げる。適切なプライマー及
び、一本鎖の標的分子(例えば、RNAもしくは、2本鎖D
NAの1本の鎖)とのプライマー伸長反応を用い、転写の
ために、予め選択してある標的分子セグメントに操作可
能なように連結しているプロモーターを有する2本鎖産
物を産生させる。単一段階で、この産物と、このプロモ
ーターを認識するDNA依存性RNAポリメラーゼとの転写に
より、標的セグメント(即ち、標的分子の、予め選択し
てあるセグメント)の配列に対して相補的な配列を含む
RNAが10から1,000コピー産生される。リバーストランス
クリプターゼと最初の転写段階において作製されるRNA
コピーとを使用する更に2回のプライマー伸長により、
標的分子の標的セグメントと同一な配列を有するRNAを
産生するためのDNA依存性RNAポリメラーゼを使用する転
写による追加的な増幅に便利なcDNAコピーが産生され
る。更に回を重ねたcDNA合成及び転写を行うことができ
る。PCRと同様にTAS増幅は、標的分子のセグメントと同
一の配列もしくはそれに対して相補的な配列を有する数
多くのリポーター分子(TASの場合RNA)を作製し、か
つ、同一のレベルの増幅を行うのにPCRよりも少ない段
階を使用する一方、TASは、PCRよりも2種類以上の酵素
反応、即ち、DNA依存性RNAポリメラーゼにより触媒化さ
れる転写及び逆転写、及び、1若しくは2種類以上の酵
素(DNA依存性RNAポリメラーゼ、及び、プライマー依存
性DNA伸長に使用されない場合には、リバーストランス
クリプターゼ)を必要とする。更に、PCRと比較しても
時間短縮にならないことが主張されている。
標的核酸被検体の一つのもしくは複数のセグメントの
増幅よりもむしろプローブに結合するラベルの増幅の形
態を含む3番目の増幅法は、Qβレプリカーゼ酵素及び
そのRNA依存性RNAポリメラーゼ活性を使用することが基
礎となっている。Blumenthal、T.及びG.G.Carmichael
(1979年)、Ann.Rev.Biochem.48巻、525−548ページ;C
hu、B.らに対するPCT公開公報 第 WO 87/06270号及
び米国特許第4,957,858号;Feix、G.及びH.Sano(1976
年)、FEBS Letters 63巻、201−204ページ;Kramer、
F.R.及びP.M.Lizardi(1989年)、Nature 339巻、401
−402ページ;Kramerに対する米国特許第4,786,600号;Li
zardi、P.M.ら(1988年)、Biotechnology 6巻、1197
−1202ページ;及び、Schaffner、W.ら(1977年)、J.M
ol.Biol.117巻、877−907ページが、この方法の更に詳
しい記載物として引用する。この方法においては、複製
(時には、「複製可能な」と称される)RNA分子を、特
異的ハイブリッド形成用プローブ(即ち、サンプル中の
標的核酸被検体のセグメント(「標的セグメント」)の
配列に対して相補的な配列を有する一本鎖の核酸)に共
有結合でつないである。このプローブは、組換え複製RN
A内に組み込まれているか、あるいは、複製RNAの末端の
一つに結合しているセグメントであることができる。プ
ローブ−複製可能なRNA複合体は、サンプル中の標的核
酸被検体に対して(プローブセグメントにより)ハイブ
リッド形成し、更に、ハイブリッド形成しているそのプ
ローブ−RNA複合体をその後ハイブリッド形成していな
い複合体から分離し、更に、標的に対してハイブリッド
形成している複合体の複製可能なRNAをその後(複製可
能なRNA中にプローブセグメントが組込まれていない場
合には、典型的には、プローブセグメントからの分離
後)、複製可能なRNAの自己触媒的な複製を触媒して、
ハイブリッド形成している各標的分子について109まで
のリポーター分子(複製可能なRNA)を産生させるQβ
レプリカーゼとのインキュベーションにより指数関数的
に増幅させる。このような増幅は30分以内に完了するこ
とができる(Lizardiら、上掲)。
ある種の構造を有するRNAについてのQβレプリカー
ゼの極度な特異性、及び、自己触媒的複製の触媒化につ
いての配列要件により、プローブに関連する複製可能な
RNAのみが増幅されることが確実である(Kramer及びLiz
ardi、上掲、1989年)。他の利点としては、反応の速度
及び操作の簡素化を含む。しかしながら、欠点として、
リポーター分子としてのRNAの使用を必要とすることが
含まれる。所与の配列のRNAは、製造する費用がより高
価であり、かつ、同一の配列を有するDNAよりも熱安定
性ヌクレアーゼに対してより感受性が高い。更に、複製
可能なRNA中にプローブセグメントが組み込まれている
場合を除外し、標的セグメントはリポーター分子により
増幅化されない。
発明の要約 本発明は、Qβレプリカーゼ、つまり、バクテリオフ
ァージQβのゲノムの複製を触媒する酵素、のDNA依存
性RNAポリメラーゼ活性(「DDRP」)、及び、その機能
的等価物(例えば、DDRP活性を有する他のRNA依存性RNA
レプリカーゼ)の発見に依存する。このDDRP活性の発見
により、Qβレプリカーゼ及びDDRP活性を有する他のレ
プリカーゼによる増幅のための、DNA基質を含む、2′
−デオキシリボヌクレオチドもしくはその類縁体を含む
基質の使用を可能にした。
RNAレプリカーゼのDDRP活性により、結果的にはRNA
(もしくは、同一の位置にリボヌクレオチドの類縁体が
存在するポリヌクレオチド)の産生を生じ、このRNA
は、任意の基質からRNAレプリカーゼにより自己触媒的
に複製可能であり、この基質は自己触媒的に複製可能で
あるRNAの配列を有するセグメントを含み、かつ、この
自己触媒的に複製可能な配列を有するセグメント内に、
2′−デオキシリボヌクレオチドまたは、2′−デオキ
シリボアルキルフォスフォネート、2′−デオキシリボ
フォスフォロチオエート、2′−デオキシリボフォスフ
ォトリエステル、もしくは、2′−デオキシリボフォス
フォロアミデートのようなその類縁体を含む。RNAレプ
リカーゼのDDRP活性用の基質においては、自己触媒的に
複製可能であるRNAのレプリカーゼにより触媒される合
成用鋳型として働くそのセグメントは、基質全体(従っ
て、その基質の3′端及び5′端の両方を含む)、基質
の3′端を含み5′端を含まないセグメント、基質の
5′端を含み3′端を含まないセグメント、もしくは、
基質中に組み込まれているセグメント(従って、基質の
3′端及び5′端のいずれをも含まないものを含む)を
含む。基質は線状であることも、あるいは、閉じた環状
であることもでき、更に、2本鎖の核酸の一部であるこ
ともできる。そのセグメントもしくは基質は、2′−デ
オキシリボヌクレオチド(即ち、各々、DNAセグメント
もしくは基質)の全体からなることもできる。DDRP活性
が操作可能である基質は、その3′末端にポリ−dCセグ
メントを有するポリ−dAもしくはその3′末端にポリ−
dCセグメントを有するRNA、のようなホモポリ−2′−
デオキシリボヌクレオチドに限定されない。上述のFeix
及びSano(1976年)を参照せよ。
本発明の方法においては、RNAレプリカーゼのDDRP活
性用基質は「複合」基質である。「複合」基質は、遊離
の3′端を有さない閉じた環の基質であるか、あるい
は、遊離の3′端を有するが、DDRP活性により触媒され
る自己触媒的に複製可能なRNAの合成のための鋳型であ
るセグメントが3′端を含まない基質であるか、あるい
は、遊離の3′端を含み、更に、DDRP活性により触媒さ
れる自己触媒的に複製可能なRNAの合成のための鋳型で
あるセグメントが3′端を含むが、3′端にポリ−dC以
外のセグメントを有する基質であるか、あるいは、遊離
の3′端を有し、更に、DDRP活性により触媒される自己
触媒的に複製可能なRNAの合成のための鋳型であるセグ
メントが3′端を含みかつその3′端にポリ−dCを有す
るが、3′端におけるそのポリ−dC以外に、当該セグメ
ントのサブセグメントとして少なくとも1種類の2′−
デオキシリボヌクレオチドもしくはその類縁体を含む
が、ホモポリ−2−デオキシリボヌクレオチドは含まな
いサブセグメントを有する基質である。RNAレプリカー
ゼのDDRP活性により触媒される自己触媒的に複製可能な
RNAの合成のための複合基質中の鋳型であるセグメント
は、「複合セグメント」もしくは「複合鋳型」と称され
る。本発明の方法においては、この「複合セグメント」
は、少なくとも1種類の2′−デオキシリボヌクレオチ
ドもしくはその類縁体を含む。
本明細書中の用語「ポリdC]は、少なくとも2種類の
dCのセグメントを意味する。
本明細書中の用語「2′−デオキシリボヌクレオチ
ド」は、4種類の標準的な2′−デオキシリボヌクレオ
チドの1種類を意味する。
本明細書中の用語「2′−デオキシリボヌクレオチド
類縁体」は、2′−デオキシリボヌクレオチドの類縁体
を意味し、その類縁体は、(i)塩基として、2′−デ
オキシリボヌクレオチド、あるいは、環状炭素もしくは
アミノ窒素上において誘導化された当該塩基を有し、か
つ、(ii)対応する標準的なリボヌクレオチド(dAにつ
いてはrA、dCについてはrC、dGについてはrG、Tについ
てはU)以外のものである。本明細書に記載のRNAレプ
リカーゼによるDDRP活性用鋳型の一部である2′−デオ
キシリボヌクレオチド類縁体は、鋳型中のレプリカーゼ
により認識され、2′−デオキシリボヌクレオチドの塩
基に対して相補的な塩基を有するリボヌクレオチドを、
DDRP活性により鋳型から作製される自己触媒的に複製可
能なRNAの対応位置に配置している。
RNAレプリカーゼのDDRP活性の結果として生じたRNA
(もしくは、1種類以上のリボヌクレオチド類縁体を有
するポリリボヌクレオチド)は、そのレプリカーゼ(も
しくは、自己触媒的な複製のための鋳型としてRNAコピ
ーを認識する他のRNA依存性RNAレプリカーゼ)により自
己触媒的に複製可能となる。このように、RNAレプリカ
ーゼのDDRP活性のための鋳型であるセグメントは、レプ
リカーゼ、リボヌクレオシド5′−三リン酸、及び、お
そらくは、ある種のリボヌクレオシド5′−三リン酸の
類縁体の存在下で増幅されるが、その理由は、DDRP活性
により触媒される合成において作製されるRNA(もしく
は、1種類以上のリボヌクレオチド類縁体を有するポリ
リボヌクレオチド)が、同一のレプリカーゼにより自己
触媒的に複製されるためである。
そのため、最も一般的な意味において本発明は、バク
テリオファージQβのRNAレプリカーゼのようなRNAレプ
リカーゼのDNA依存性RNAポリメラーゼ活性を使用する複
合核酸鋳型を増幅するための方法である。本発明はま
た、目的の核酸を作製する、増幅する、検出する、配列
決定する、もしくはそうでなければ処理することにおけ
る本増幅法の数多くの応用を含む。つまり、この増幅法
を、例えば、核酸プローブとして使用することができる
大量のRNAを作製するために使用することができ、そのR
NAをクローニングのためのcDNAへと変換し、核酸プロー
ブハイブリッド形成アッセイの一部として検出し、ある
いは配列決定することができる。
本発明の増幅法を、核酸の「標的」セグメント(つま
り、予め決定された「標的」配列を有するセグメント)
がサンプル中に存在する場合にのみ、予め決定された配
列を有する、あるいは、それを有するセグメントを含
む、自己触媒的に複製可能であるRNAが、そのサンプル
を用いて行われる増幅におけるバックグラウンド値以上
の検出可能なレベルで産生されるような標的依存的な方
法において、核酸のサンプルと共に使用することができ
る。このように、本発明は、QβレプリカーゼのDDRP活
性、あるいは、DDRP活性を有する他のレプリカーゼを用
いることを含む、リポーター核酸分子の標的核酸セグメ
ント特異的増幅のための方法を含む。より具体的には、
核酸のサンプルに対して、1種類以上の核酸プローブを
添加し、更に、1種類以上の標的セグメントを含む標的
核酸がサンプル中に出現する場合及びそのような場合に
のみ、QβレプリカーゼのようなRNAレプリカーゼのDDR
P活性の複合基質が出現するようにそのプローブを含む
サンプルを処理する。この複合基質は、つまりは、予め
決定された配列(リポーター配列であるかそれを含む配
列)を含みかつDDRP活性の鋳型である複合セグメントで
あるか、あるいは、それを含む。プローブの各々は、標
的セグメントもしくは標的セグメントの相補体に対して
ハイブリッド形成し、かつ、このプローブは、適切な処
理においては、標的セグメントがサンプル中に存在する
場合及びそのような場合にのみ、DDRP活性の複合基質で
ある核酸をプローブを用いて作製することができるとい
うようなセグメントを含む。標的核酸が存在する場合に
は、DDRP活性用の基質が出現するように一旦サンプルを
処理したら、レプリカーゼにより触媒される反応に必要
な他に試薬と共に、基質が有するような活性を有するRN
Aレプリカーゼをサンプルのアリコートへ添加する。標
的核酸が存在する場合には、DDRP活性用の基質が作製さ
れたように、リポーター配列もしくはそれに対して相補
的な配列を有するかあるいは含む自己触媒的に複製可能
なRNAを、DDRP活性を用いて作製されるRNAの自己触媒的
な複製と結合されたDDRP活性により検出可能なレベルに
まで増幅する。標的核酸が存在しなかった場合には、リ
ポーター配列を含む、DDRP活性用の基質は産生されず、
かつ、そのレプリカーゼは、そのようなリポーター配列
(もしくは、それに対して相補的な配列)を有する自己
触媒的に複製されたRNAを産生しない。このようなリポ
ーター配列を有するRNAは、「リポーター」として直
接、あるいは、更に処理される場合には、間接的に作用
する。このように、RNAの産生は、リポーター分子の増
幅を構成し、かつ、この過程は標的特異的である(つま
り、標的依存性である)。
本発明は、核酸を含むサンプル中の標的核酸被検体の
存在もしくは不在を検出するための方法を提供する。本
発明のこれらの方法は、QβレプリカーゼのDDRP活性あ
るいはDDRP活性を有する他のレプリカーゼを使用して
の、リポーター核酸の、本発明に記載の標的特異的増
幅、及び、リポーター核酸のアッセイを含む。
核酸被検体を検出することについての本発明に記載の
方法により提供される利点は、他の方法を使用するアッ
セイと比較して、本発明のこのような方法を使用するア
ッセイにおける「偽陽性」の頻度の減少である。この利
点は、アッセイ系に関するQβ及び他のレプリカーゼの
DDRP活性を使用することでDNAが増幅可能になること
(より正確には、増幅を開始することが可能になる)及
び、するにしても同様な方法ではRNAを修飾しない酵素
を用いる特異的な方法においてDNAを修飾することがで
きるという事実と関連している。
本発明の、標的依存性増幅法の幾つかの異なる実施態
様が提供される。これらの実施形態は、サンプル中の標
的核酸の存在に依存する方法において、核酸のサンプル
中に、RNAレプリカーゼのDDRP活性を用いて増幅可能と
なる複合核酸セグメントを提供するために使用される様
々な核酸プローブの構造、かつ、それを処理する方法に
依存する。
1つの実施態様においては、予め選択された標的セグ
メントを含む核酸を含んでいてもよい核酸サンプルに核
酸プローブを添加するが、そのプローブは、上述したよ
うに少なくとも1種類の2′−デオキシリボヌクレオチ
ドを含むレプリカーゼ増幅可能複合セグメントと、標的
セグメントの配列に対して相補的な配列を有するアンチ
標的(「プロービング」)セグメントとの両方を含む。
もしあるとすれば、サンプル中の標的セグメントに対し
てハイブリッド形成する核酸プローブを、ハイブリッド
形成しなかったプローブから分離し、更に、プローブの
レプリカーゼ増幅可能なセグメントと共にQβレプリカ
ーゼもしくはDDRP活性を提示する他のレプリカーゼの存
在する増幅条件下においてハイブリッド形成したプロー
ブを処理し、結果として、リポーター核酸分子の標的依
存性産生及び増幅が生じる。この方法はまた、増幅が起
こっているか否かを検出する段階を含む。
他の実施態様においては、先程記載したものに類似し
て、標的に対してハイブリッド形成したプローブの、そ
のようにはハイブリッド形成したかったものからの分離
は、存在することができる任意の標的に対するプローブ
のハイブリッド形成後、ハイブリッド形成しなかった任
意のプローブのレプリカーゼ複製可能セグメントを消化
するヌクレアーゼの作用に対してサンプルの核酸を供す
ることにより行われる。ハイブリッド形成している場合
にはプローブが消化から保護される本実施態様において
は、発明に記載の標的依存性増幅方法の他の実施態様と
同様に、この増幅方法が標的被検体のアッセイの一部で
ある場合には、増幅された物質を、当業者に知られてい
る多くの方法の任意のものを使用するためテストする。
他の実施態様においては、標的核酸とのハイブリッド
形成後には1種類のプローブのアンチ標的セグメントの
3′端が他のプローブのアンチ標的セグメントの5′端
に近接するというような方法において、標的核酸セグメ
ントが2種類のプローブとハイブリッド形成する。各プ
ローブは、アンチ標的セグメントに共有結合で結合し
た、ナノ変異体(nanovariant)DNAの一部もしくは他の
増幅可能なDNAを含む。あるプローブにおいては、その
アンチ標的セグメントは5′端にあり、又、他のものに
おいては3′端にある。一度ハイブリッド形成したら、
プローブはアンチ標的セグメントを介して結合すること
ができる。T4 DNAリガーゼもしくは他の適切なリガー
ゼをその結合に使用することが好ましい。結合が実行さ
れる場合には結合後、あるいは、結合が行われない場合
には、ハイブリッド形成後、近接しているプローブはQ
βレプリカーゼもしくはその機能的等価物のDDRP活性を
よって増幅される。結合・増幅方法が例えば、核酸プロ
ーブハイブリッド形成アッセイ法の一部であり、更に、
一度、増幅が行われてしまっている場合には、増幅され
る物質は、当業者に知られている適切な方法により検出
される。結合しているアンチ標的セグメントの配列もし
くはその配列の相補体を含む増幅されたRNAは、自己触
媒的に複製可能な組換えRNAであり、そのRNAにおいて
は、結合しているアンチ標的セグメントに対応するセグ
メントが自己触媒的に複製可能である他のRNA内へ挿入
される。サンプル中に標的セグメントが存在した場合に
のみ、結合しているアンチ標的セグメントの配列もしく
はその配列の相補体を含む増幅されたRNAが、この増幅
過程において産生される。
本発明の他の実施態様におてもやはり2種類のプロー
ブを使用する。この実施態様に記載の使用のための第1
プローブは、標的核酸の第1標的セグメントに対して配
列が相補的(もしくは、ほぼ相補的)であるアンチ標的
セグメントでありかつ鋳型として標的核酸を使用するDN
A合成を開始(priming)するのに適する3′端を有す
る。この実施態様における使用のための第2プローブ
は、標的核酸の第2標的セグメントと同一の(もしく
は、ほぼ同一の)配列を有するセグメント(「標的様」
セグメントと命名した)でありかつ鋳型として標的核酸
の相補体を使用するDNA合成を開始するのに適する3′
端を有する。当該第2標的セグメントの3′端ヌクレオ
チドは、当該第1標的セグメントの5′端ヌクレオチド
からの5′に位置する。そのため、第2プローブは、標
的核酸に対してアニールされた第1プローブのプライマ
ー伸長産物においてDNA合成を開始することができる。
両方のプローブの5′端は、レプリカーゼで増幅可能で
あるか、あるいは、レプリカーゼで増幅可能な核酸の一
部であり、それは例えば、第1プローブの5′端のナノ
変異体(+)DNAの5′端、及び、第2プローブの5′
端の対応するナノ変異体(−)DNAの5′端である。増
幅方法においては、第1プローブを標的に対してアニー
ルし、更に伸長し、そして、結果として生じる伸長産物
を熱変成により鎖分離させることが好ましく、あるい
は、標的がRNAである場合には、この産物を、リボヌク
レアーゼH活性を提供する酵素で処理することにより鎖
分離させることができる。5′端に第1プローブを含む
伸長産物の鎖に対して第2プローブをアニールし、更
に、伸長させる。第2プローブの伸長に続きあるいはそ
れと同時に、Qβレプリカーゼもしくは等価物のDDRP活
性で増幅を触媒する。標的核酸もしくはその相補体が核
酸のサンプル中に存在し、そのサンプルでこの2重プラ
イマー伸長/増幅方法を行う場合にのみ、増幅された産
物が、(i)第1プローブのアンチ標的セグメントの相
補体、(ii)第2プローブの標的様セグメント、及び
(iii)標的核酸中の2種類の標的セグメントの間に出
現する、もしあるとすれば(i)と(ii)との間のセグ
メントと同一のセグメント、を含む核酸を含む。このよ
うに、本発明の核酸プローブハイブリッド形成アッセイ
法は、これらの2、3のセグメントを含む増幅産物のた
めの任意の従来型のアッセイによる2重プライマー伸長
/増幅過程を随伴することにより提供される。
本発明の他の実施態様におては、便宜のため「RNAプ
ローブ」と称するが、リボヌクレオチド全体(そしてそ
れはRNAプローブである)からなるか、あるいは、その
配列内に充分量のリボヌクレオチドを含むプローブを使
用して、するとしてもより緩慢な速度でDNAでなくRNAを
分解するリボヌクレアーゼもしくは化学処理での分解を
可能にすることができる。このRNAプローブはアンチ標
的セグメントを含み、そのセグメントは標識セグメント
に対して配列が相補的もしくはほぼ相補的であり、その
標的セグメントは標的核酸の3′端に存在するかもしく
はそのセグメントであり、そのため、標的セグメントは
鋳型としてのRNAプローブ上でDNA合成を開始することが
できる。そのRNAプローブは、5端上にレプリカーゼ増
幅可能セグメントを含む。標的核酸の3′端が「遊離」
となるように、これはすなわち、その3′端のヌクレオ
チドが3′−ヒドロキシを有し、かつ、核酸の末端に存
在し、更に、その5′−炭素を通して他のヌクレオチド
に結合されていることを除いては共有結合されないよう
に、標的核酸を処理する。標的セグメントの遊離3′端
は、標的(もしくはその一部分)に対してRNAプローブ
をアニーリングする前に、標的核酸を任意の従来技術に
より処理することによって提供されることが好ましい。
プローブ及びこの系における任意の標的を、リバースト
ランスクリプターゼ活性を有する酵素のリバーストラン
スクリプターゼ活性により触媒されるプライマー伸長反
応において伸長し、更に、この系におけるRNAをその
後、当業者には理解されているように、化学的に分解す
るか、あるいは、リボヌクレアーゼ活性を有する酵素を
用いて分解する。このRNAの分解は、やはり行うことが
できる希釈と結合させる場合には充分広域に及び、レプ
リカーゼ増幅可能セグメントを保持しかつそれによって
この方法においてその後使用されるべきレプリカーゼに
よる増幅のための鋳型として操作可能であるRNAプロー
ブの濃度を、増幅が行われるサンプルのアリコート中に
保持されているこのような任意のプローブの増幅が観察
されなくなるに充分な低レベルにまで減少させる。典型
的には、このRNAプローブの逆転写後、この溶液(もし
くはそのアリコート)を、増幅が行われる溶液のアリコ
ート中の増幅可能セグメント保持RNAの濃度が、この増
幅法が適用される核酸のサンプル中に標的セグメントが
存在した場合に存在するDDRP活性の複合鋳型の濃度の1/
1000より小さくなるように、更に望ましくは1/10,000よ
り小さくするように処理する。統計学的に、増幅可能な
セグメントを有するRNAの1分子より少ないものが増幅
が行われるアリコート中に残るようにRNAの分解が希釈
と結合されることがより好ましい。標的セグメント伸長
及びRNA分解の後に残存している任意のDNA伸長産物は、
レプリカーゼ増幅可能な複合DNAセグメントを含む。こ
の系におけるRNAの分解、及び、RNA分解用条件もしくは
活性の実質的な除去後、Qβレプリカーゼもしくは機能
的等価物のDDRP活性を使用して、任意の標的DNAに添加
されるレプリカーゼ増幅可能セグメントを増幅する。増
幅は、鋳型としてのRNAプローブ上でのDNA伸長反応を開
始することが可能な標的セグメントが、テストされるサ
ンプル中に存在する場合にのみ起こる。このように、増
幅反応の後に、増幅された産物の存在をテストするため
の任意の従来法を利用することにより、標的核酸につい
てアッセイを行う方法も提供される。
RNAプローブは、リボヌクレオチド全体を含むか、あ
るいは、充分量のリボヌクレオチドをその配列内に含
み、DNAでなくRNAを分解するリボヌクレアーゼもしくは
化学的処理での分解を可能にするが、このRNAプローブ
を、3種類のプローブを使用する本発明の他の実施態様
において使用することができる。DNAもしくはRNA、もし
くはキメラ(即ち、リボヌクレオチドと2′−デオキシ
リボヌクレオチドとの任意の組み合わせ、又はその類縁
体の組み合わせ)であることができる第1プローブは、
その5′端に、標的核酸の第1標的セグメントの配列に
対して相補的であるかもしくはほぼ相補的である配列を
有する第1アンチ標的セグメントを含む。この第1プロ
ーブは、目下記載の第2プローブの鎖伸長を阻止するの
に充分な安定性を以て、それに対応する標的セグメント
に対してハイブリッド形成する。また、DNAもしくはRN
A、もしくはキメラであることもできる第2プローブ
は、標的核酸の第2標的セグメントの配列に対して相補
的であるかあるいはほぼ相補的である配列をその3′端
に有する第アンチ2標的セグメントを含んでおり、か
つ、標的核酸に対してアニールされる場合には、鋳型と
して標的核酸を使用してDNA合成を開始することができ
る。第1標的セグメントの3′端は、第2標的セグメン
トの5′端からの5′に位置しており、かつ、少なくと
も数塩基、更には約2000塩基までのギャップにより第2
標的セグメントの5′端から分離されている。第3プロ
ーブは、便宜上RNAプローブと称されるが、レプリカー
ゼ増幅可能セグメントを含む上述のRNAプローブの様
に、RNAを分解する過程を通し、それ自身のレプリカー
ゼ増幅可能セグメントのレプリカーゼ増幅能を除去する
ことに感受的な充分数のリボヌクレオチドのみを含む。
この第3プローブは、その3′端に標的様セグメント及
びレプリカーゼ増幅可能セグメントを含む。標的様セグ
メントは、標的核酸の第3セグメントと同一もしくはほ
ぼ同一な配列を有し、その配列は、その5′端に、第1
と第2標的セグメントとの間に少なくとも数ヌクレオチ
ドのギャップを含み(更に、第2標的セグメントと重な
り合ってもよい)、かつ、それ自身の5′端塩基とし
て、第1標的セグメントの3′端の塩基に近接する塩基
を有する。この第3プローブは、標的様セグメントを通
して、鋳型として標的核酸を使用して作製される第2プ
ローブの鎖伸長産物を使用するDNA合成を開始すること
が可能でなければならない。本発明に記載されているリ
ポーターセグメントを標的核酸依存的な方法で増幅する
ために、サンプルの核酸を一本鎖にし、更に、第1及び
第2プローブをそのサンプルに添加し、それを、プロー
ブを(もし存在すれば)標的に対してアニールする条件
に供し、更に、一端アニールされた第2プローブが、大
腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウ断片のような酵素に
より触媒される、プライマー特異的な鋳型依存性DNA伸
長反応において伸長される。この伸長反応において第2
プローブに添加された伸長物は、標的核酸中の第1及び
第2標的セグメントの間のギャップの配列に対して相補
的な配列を有する。伸長反応後、そのサンプルを処理し
て伸長産物を鎖分離させ(例えば、温度変性)、更にそ
の後、第3プローブをその標的セグメントに対してアニ
ールする条件に供するが、その第3プローブは、伸長反
応において第2プローブの3′端に添加されたセグメン
トの3′端の一部を少なくとも含みかつ第2プローブで
あった伸長産物のセグメントの少なくとも一部と重複し
ていてもよく、そして、リバーストランスクリプターゼ
活性及び鋳型としてそれ自身のレプリカーゼ増幅可能セ
グメントを含む第3プローブを使用して、少なくとも伸
長された第2プローブを更に伸長する。第2プローブの
第2伸長に引き続き、RNAプローブを利用する本発明の
実施態様について上述したようにそのサンプルを処理し
て、レプリカーゼを添加して増幅を実施する前に、レプ
リカーゼ増幅可能セグメントの濃度を微々たる量にまで
低減することにより第3プローブのレプリカーゼ増幅可
能セグメントを実質的に除去する。このように、溶液
を、当業者に理解されるように、化学的もしくは酵素的
にRNAを分解するための条件に供し、又、第3プローブ
の残存するレプリカーゼ増幅可能セグメントを希釈する
ために更に処理することができる。RNAの分解及びRNA分
解用条件の実質的な除去後、自己触媒的複製のための鋳
型としてRNAプローブのレプリカーゼ増幅可能セグメン
トを認識するQβレプリカーゼもしくは他のRNAレプリ
カーゼをサンプルに添加し、更に、レプリカーゼのDDRP
活性が、2重に伸長された第2プローブの複合レプリカ
ーゼ増幅可能セグメントからの増幅を触媒する条件に、
そのサンプルを供する。本発明の他の実施態様と同様
に、一度DDRP活性によって触媒された増幅が始まると、
当業者に良く知られた適切な方法により、増幅された物
質を検出することができる。
当業者が理解することであるが、標的セグメントは、
本発明の方法が適用されるサンプル中に、本発明の方法
に記載の増幅を起こすのに必要な標的セグメントもしく
は複数の標的セグメントの配合物が、標的核酸がサンプ
ル中に存在する場合にのみ、バックグラウンドから識別
可能な量存在するように選択する。標的核酸が存在しな
ければ、必要とされる標的セグメントもしくは複数の標
的セグメントの配合物がサンプルに不在となるように、
標的セグメントを選択することが好ましい。
本発明は、更に、サンプル中の標的核酸被検体の量の
定量化にも関する。定量化は、第1増幅核酸の検出量、
つまり、標的核酸被検体がサンプル中に存在する場合に
のみ生じる増幅と、第2増幅核酸の検出量、つまり、第
1増幅核酸の増幅に平行して行われ、かつ、内部標準と
して働きかつ既知の量のサンプル中に存在する予め選択
された核酸のサンプル中の存在により生じる増幅とを比
較することにより行われる。
本発明は更に、核酸のサンプル中の特異的標的核酸被
検体の検出のためのテキストキットをも含む。このキッ
トは、本発明に記載の増幅に必要な、リポーター分子、
DDRP活性を提供するためのQβレプリカーゼもしくは等
価酵素、及び、DDRP活性により触媒される増幅の前のも
しくはそれと同時の被検体もしくはプローブのプロセッ
シングに必要な(もしあれば)他の酵素の、1種類以上
の核酸プローブを含む。そのキットは、本発明に記載の
増幅において産生されるリポーター核酸を検出するため
の方法、及び、要求されるハイブリッド形成及び自己触
媒的な複製を含む酵素的に触媒される反応を行うことを
促進するために、緩衝液及びヌクレオシド三リン酸のよ
うな種々の成分を含んでいても良い。そのキットを用い
てアッセイされるべき標的核酸被検体の、本発明に記載
の定量化を提供するために、キットは、内部標準として
予め選択された核酸と関連する増幅及びそのような増幅
からの産物の検出に必要な成分を含んでいてもよい。本
発明に記載のキットの様々な成分を、任意の様々な方法
でキット中にパッケージすることができ、そのパッケー
ジ法においては、通常は複数のバイアルもしくは他の容
器が使用され、それは、キットの貯蔵期間中の成分の安
定性及び純度を保存するための必要性、本発明に記載の
様々な成分が使用される順序、キットの使用の際の便利
さ、キットの製造における便利さ及び費用、などのよう
な、当業者には理解される因子により決定される。
当業者に知られている様々な方法を、本発明に記載の
増幅法により提供されるリポーター分子を検出するため
に使用することができる。つまり、そのリポーター核酸
は様々な染料と反応することができ、更に、その染料を
肉眼で、あるいは、分光学的に検出することができる。
別の方法としては、検出のためにラベルしてあり、か
つ、増幅を触媒するQβレプリカーゼもしくは他のレプ
リカーゼ用の基質として活性を保ち続けているリボヌク
レオシド5′−三リン酸を増幅反応において利用するこ
とができ、更にその後、増幅されたリポーター内に取り
込まれるラベルからのシグナルを、直接、あるいは、ラ
ベルとシグナル産生分子との結合後は、間接的に検出す
ることができる。又別の方法においては、増幅の結果生
じるリポーター核酸を、検出のためラベルしてある核酸
プローブとハイブリッド形成させることができ、リポー
ターに対してハイブリッド形成したこのようなプローブ
に関連したシグナルを直接もしくは間接的に検出するこ
とができる。
本発明の方法及びその方法を実施するための本発明の
キットの利点の一つは速度である。本発明の増幅法は、
典型的には、約60分以内に、サンプル中の各標的分子に
対して109より多いリポーター分子を産生することがで
きる。更に、本発明を実施するための系は、設計が比較
的簡単であり、増幅を開始するためにRNAの使用を必要
とする系に勝るものである。本発明の方法においてこの
目的のために使用されるDNAは、RNアーゼにより触媒さ
れる分解に対して耐性であり、かつ、それらのRNAカウ
ンターパートよりも多くの合成的選択物(options)を
提供する。化学的に合成されたDNAは、RNAよりコスト的
に有利である。本発明は、特に、核酸の混合物中に存在
する核酸の稀有な種に基づく増幅に有効であり、その種
の存在及び量の有効な検出法を提供する。
本発明の方法による増幅もしくは検出のための標的核
酸被検体は、とりわけヒトの感染症の細菌、ウイルス及
び他のベクターに特徴的な核酸;ヒトの遺伝病の基にな
る異常を含むゲノム核酸;ヒトの癌遺伝子を含むゲノム
核酸;法廷分析、実父確認テスト、骨髄移植のための適
合性テスト、制限断片長多形性を使用する植物及び動物
の性質決定、及び、動物もしくは植物の品種の改良と遺
伝子変換との関連性調査に用いられる核酸;及び、食
品、化粧品もしくは水に混在する生物、あるいは、ある
生物の存在が、その生物が出現する環境における環境条
件の診断に役立つという生物の核酸の特性、を含む。
図面の簡単な説明 図1は、DNAプローブの標的配列(標的セグメント)
に対するハイブリッド形成と、それに続く、ハイブリッ
ド形成しなかったものからのハイブリッド形成したプロ
ーブの分離、及びその後の、標的に対してハイブリッド
形成している間のそのプローブの増幅可能セグメントの
増幅による、リポーター分子の標的核酸セグメント特異
的増幅の方法を説明する概略図である。図に説明される
ように、増幅された産物(RNA)が検出される。
図2は、図1において記載されている方法においてプ
ローブを使用することができる代替形態を説明する概略
図である。
図3は、リポーター分子の標的核酸セグメント特異的
増幅についての本発明の他の態様を説明する概略図であ
る。図3に説明される方法においては、プローブを標的
に対してハイブリッド形成させ、その後、一本鎖3′−
から−5′への一本鎖エキソヌクレアーゼ活性を有する
酵素を添加して、標的に対してハイブリッド形成するこ
とによって分解から保護されていない任意のプローブを
分解する。最終的には、保護されていて分解されないプ
ローブが増幅される。この図において説明されるよう
に、増幅された産物を検出することができる。
図4は、リポーター分子の標的核酸セグメント特異的
増幅についての本発明の他の態様を説明する概略図であ
る。図4において説明される方法においては、2種類の
プローブを標的の隣接セグメントに対してハイブリッド
形成させ、更に、連結し、その後、結果として生じる連
結されたプローブを増幅する。この図おいて説明される
ように、増幅された産物を検出することができる。
図5は、リポーター分子の標的核酸セグメント特異的
増幅についての本発明の他の態様を説明する概略図であ
る。図5において説明される方法においては、第1プロ
ーブを標的に対してハイブリッド形成させ、鋳型として
の標的で鎖伸長を開始させ、その鎖伸長産物の鎖を分離
し、第2プローブを、伸長した第1プローブに対してハ
イブリッド形成させ、鋳型としての第1プローブで鎖伸
長を開始させる。第2鎖伸長産物はレプリカーゼ増幅可
能セグメントを含み、つまりは、標的のセグメント配列
を有するセグメントを含む。増幅は、第2鎖伸長産物で
行われる。この図おいて説明されるように、増幅された
産物を検出することができる。
図6は、リポーター分子の標的核酸セグメント特異的
増幅についての本発明の他の態様を説明する概略図であ
る。図6において説明される方法においては、RNAプロ
ーブを使用し、標的セグメントは標的核酸の3′端に存
在する。標的に対するプローブのハイブリッド形成後、
両者を鎖伸長反応において伸長し、その後、RNAを消化
し、更に、標的の鎖伸長において標的に対して添加され
るレプリカーゼ増幅可能DNAで増幅を行う。この図おい
て説明されるように、増幅された産物を検出することが
できる。
図7は、リポーター分子の標的核酸セグメント特異的
増幅についての本発明の他の態様を説明する概略図であ
る。図7において説明される方法においては、A、B、
及びCと表示される3種類のプローブを使用する。プロ
ーブA及びBはレプリカーゼ増幅可能セグメントを有さ
ない。プローブCはRNAであり、レプリカーゼ増幅可能
セグメントを含む。プローブA及びBは、ギャップによ
り分離されている標的セグメント、つまり、B用の標的
セグメントから5′に位置するA用の標的セグメントに
対してハイブリッド形成する。実際には「標的様セグメ
ント」であるCのアンチ標的セグメントは、A様の標的
セグメントの3′端に近接しかつその3′端からすぐ
3′の標的セグメントと同一の配列を有する。プローブ
A及びBを標的に対してハイブリッド形成させ、少なく
ともBを、Aの5′端に対して鎖伸長させる。この鎖伸
長産物の鎖を分離し、更に、プローブCを鎖伸長させた
Bに対してハイブリッド形成させ、更に他の鎖伸長を行
い、RNAを消化し、更に、Bの第2鎖伸長において添加
されたレプリカーゼ増幅可能セグメントで開始するする
ことにより増幅を行う。この図において説明されるよう
に、増幅された産物を検出することができる。
図8は、プラスミドpNV1−3−4の部分的な制限部位
及び機能マップ、及び、図6に記載したような、本発明
の方法において使用されるプローブを含むプラスミドか
らの断片の配列を説明する。
図9(a)及び図9(b)は、プローブの標的セグメ
ント、及びプローブの標的セグメントを有さない核酸
(ファージΦX174 DNA)を含む核酸(ファージM13mp19
DNA)を用いる、本発明に記載の増幅及び検出法の結
果を表すグラフである。
図10は、プラスミドpMDV Xho Iの部分的な制限部位
及び機能マップ、及び、プラスミドのHind III−EcoR I
断片の配列を説明する。そのHind III−EcoR I断片は、
そのセグメントの鎖が、ミディ変異体(midivariant)D
NAでありかつXho I部位を有する挿入セグメントを含む
セグメントを含む。
図2を含む図において説明されているプローブにおい
ては、直線はレプリカーゼ増幅可能セグメント(配列)
の全体もしくは部分を示し;プローブ中の破線はアンチ
標的セグメント(レプリカーゼ増幅可能セグメントの一
部であることもできる)を示し、更に、標的中の破線は
標的セグメントを示し;2重線はコネクター配列を示し;
更に、塗りつぶしてあるボックスはリポーターセグメン
トを示す。用語「セグメント」及び「配列」は、特定の
配列を有するセグメントを意味するために互換的に使用
されている。
発明の詳細な説明 本発明は、QβレプリカーゼのようなRNAレプリカー
ゼが、2′−デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌ
クレオチドの代わりのその類縁体を含む複合鋳型と共に
DDRP活性を有し、他にも、レプリカーゼにより自己触媒
的に複製可能であるRNA配列を有するという、意外なか
つ予期せぬ発見に依存する。本明細書中に上述してある
ように、本発明は、核酸セグメント増幅、標的核酸検
出、及び他の分野における本発見の数多くの実際的な応
用を含む。
つまり、その態様の一つにおいて本発明は複合核酸セ
グメントを増幅させる方法を含み、そのセグメントは、
2′−デオキシリボヌクレオチドもしくはその類縁体を
含みかつRNAレプリカーゼにより自己触媒的に複製可能
であるRNA配列を有し、この方法は、該セグメントを含
むサンプルを該レプリカーゼによる自己触媒的な複製に
効果的な条件に供することを含む。
「複合核酸セグメント」は先に定義してある。
QβレプリカーゼのようなRNAレプリカーゼによる自
己触媒的な複製に効果的な条件は、当業者により良く知
られているか、あるいは、簡単に確認できる。このよう
な条件は、レプリカーゼが存在する水溶液中において、
レプリカーゼが自己触媒的な複製を触媒するのに活性で
ある、pH、イオン強度、温度及びMg2+の濃度の条件を提
供し、かつ、その上該溶液中に、RNAレプリカーゼがこ
の方法を触媒することにおいて基質として使用する4種
類のリボヌクレオシド5′−三リン酸(本明細書中では
以下、単に「リボヌクレオシド三リン酸」と称する)を
提供することを含む。このような条件の例は、本明細書
中の以下における実施例において提供される。「自己触
媒的複製」は、当業者には理解されるように、RNAによ
り触媒される過程であり、その過程においては、基質と
してRNA鋳型を使用し、4種類のリボヌクレオシド三リ
ン酸と共に、鋳型の配列に対して相補的な配列を有する
RNAを作製する。作製されるRNAは、この過程の鋳型とも
なる。(ビオチン(例えば、Langerら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.(1981年)78巻、6633ページを参照せよ)、イミ
ノビオチン、もしくはジゴキシゲニンに結合したウラシ
ルの5−炭素を有するrTTPもしくはUTPのようなある種
のリボヌクレオシド三リン酸は、自己触媒的複製におい
て、4種類の標準リボヌクレオシド三リン酸共に用いる
ことができる。) 通常、本発明に記載のレプリカーゼのDDRP活性のため
の鋳型においては、10ヌクレオチド中1より少ないもの
が2′−デオキシリボヌクレオチド類縁体もしくはリボ
ヌクレオチド類縁体である。更に、複合鋳型上でDDRP活
性及びDDRP活性から結果として生じるポリヌクレオチド
の自己触媒的複製を行う場合、通常では、自己触媒的複
製の産物中への取り込みのためにレプリカーゼに用の、
約10モル%より少ない基質が、リボヌクレオシド三リン
酸の類縁体であり、より典型的には、そのような類縁体
は、4種類のリボヌクレオシド三リン酸の内の唯1種類
のみであり、かつ、約10モル%より少ないその特定のリ
ボヌクレオシド三リン酸が存在する。2′−デオキシリ
ボヌクレオチド及びリボヌクレオチドのみがDDRP活性の
ための鋳型中に存在し、かつ、リボヌクレオシド三リン
酸のみをDDRP活性及び自己触媒的複製のための基質とし
て使用することが好ましい。
先に示したように、Mn+2、Co+2、もしくはZn+2のよう
な2価遷移金属イオンもまた、本発明に記載のDDRP活性
による増幅が行われる反応培地において役立つべく存在
されてもよい。レプリカーゼ活性に明らかに必要である
こられのイオン、並びにMg+2は、任意の塩として提供さ
れ、その塩は、所望の金属イオン濃度を達成させるのに
その溶液において充分可溶性であり、かつ、その塩のア
ニオンがレプリカーゼを失活させない。適切な塩は当業
者には知られており、更に、ハロゲン化塩(例えば、塩
化物、臭化物)、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、及びその類
のものを含む。
他の態様においては、本発明は、標的依存的方法への
本発明の増幅方法を適用することを含む。そのため、発
明は、核酸を含むサンプルを処理してリポーターRNAを
作製する方法を含み、このRNAは、サンプルが予め選択
された標的核酸セグメントを含む場合にのみ、RNAレプ
リカーゼにより自己触媒的に複製可能となり、この方法
は、(a)核酸サンプルの第1アリコートを1種類以上
の核酸プローブで処理し、このプローブの各々は、標的
セグメントのサブセグメントもしくは標的セグメントの
サブセグメントの相補体に対してハイブリッド形成する
ことができ、唯し、プローブのうちの少なくとも1種類
が標的セグメントのサブセグメントに対してハイブリッ
ド形成することができ、かつ、(i)この方法において
1種類のプローブを使用する場合には、該プローブを、
2′−デオキシリボヌクレオチドもしくはその類縁体を
含みかつリポーターRNA配列もしくはリポーターRNAの相
補体を有する複合核酸セグメントを作製するために処理
し又は処理可能であり、あるいは、(ii)この方法にお
いて1種類より多いプローブを利用する場合には、該プ
ローブを、2′−デオキシリボヌクレオチドもしくはそ
の類縁体を含みかつレポータRNA配列もしくはレポータR
NA相補体を有する複合もしくは破壊された複合核酸セグ
メントを作製するために処理することができ;(b)該
プローブもしくは複数のプローブを含む該第1アリコー
トを処理して第2アリコートを調製し、この第2分注中
では、(i)唯一のプローブの一部としてそれが提供さ
れない場合には、2′−デオキシリボヌクレオチドもし
くはその類縁体を含みかつリポーターRNA配列もしくは
リポーターRNA相補体を有する該複合もしくは破壊され
た複合核酸セグメントが作製され、更に、標的セグメン
トがサンプル中に存在する場合にのみ、それが、段階
(c)の点で重要な量残存し、かつ、(ii)段階(b)
(i)に記載の残存している該複合もしくは破壊された
複合核酸セグメント以外のものであり、かつ、リポータ
ーRNA配列もしくはリポーターRNA相補体を有する任意の
核酸セグメントの量は、段階(c)の点で重要でない量
にまで低減され;かつ(c)第2アリコートもしくは該
第2アリコートより取りわけた第3アリコートを、該レ
プリカーゼの存在下における自己触媒的複製に有効な条
件に供する、ことを含む。
発明の本標的依存性増幅法の数々の異なる実施態様
は、本明細書中のどこかに記載されている。この方法
は、レプリカーゼのDDRP活性を通してのリポーターRNA
(もしくはその相補体)の産生を必要とする。DDRP活性
により作製されるRNA(もしくはリボヌクレオチド類縁
体を含むRNA)は自己触媒的に複製されるため、DDRP活
性のための鋳型である複合セグメントの配列に相補的な
配列を有するRNAか、そのRNAの相補体のいずれかになる
ように、「リポーターRNA」を任意に選択することがで
きる。核酸サンプルのアリコートに適用した増幅方法は
ある程度は識別できるものであるが、それが標的依存性
であることを保証するためには、この方法において利用
される任意のプローブであり、(i)リポーターRNAの
配列もしくはその相補体の配列を有し、かつ、レプリカ
ーゼ用の鋳型であるセグメントを含み(例えば、このよ
うなセグメントを有するRNAプローブ)、(ii)DDRP活
性に依存する増幅が行われるアリコート中に残存し、か
つ、(iii)そのアリコートにおける存在が標的セグメ
ントの存在に依存しない、上記プローブが、その増幅法
が行われる以前に有意でないレベル(例えば濃度)にま
で低減され、2′−デオキシリボヌクレオチドもしくは
その類縁体を含みかつリポーターRNAの配列(もしくは
その相補体)を有する複合セグメントにおいて行われる
増幅方法を与えねばならない。「有意でない(insignif
icant)」レベルは、増幅法の持続性及びリポーターRNA
及びその相補体の自己触媒的複製の速度、及び、DDRP活
性の鋳型である複合セグメントを使用するDRP活性を含
む、その増幅過程の詳細に依存して変化する。標的セグ
メントを有さないことが知られているサンプルでこの過
程を行う場合に、リポーターRNAの測定可能量(つま
り、バックグラウンド値以上の検出可能量)が結果とし
て生じなければ、レベルは「有意でない」。もちろん、
このレベルはゼロであることが好ましい。一般的には、
このレベル、及び任意の場合における明らかに「有意で
ない」レベルは、本明細書中のどこかに記載してあるよ
うに簡単に達成できる。
「自己触媒的複製に有効な条件」は、DDRP活性により
作製されるリポーターRNAの実質的な速度、かつ、その
ような活性により始めに提供されるリポーターRNAの自
己触媒的複製における分解を含む条件が効果を有さない
ことを必要とする。そのため、本発明の標的依存性増幅
方法の段階(c)において、リポーターRNAの問題の分
解を生じることがあるレベルでリボヌクレアーゼが存在
する場合、リボヌクレアーゼ阻害剤を使用してこのよう
な分解を遮断しなければならない。段階(b)におい
て、リポーターRNAもしくはその相補物の合成のための
鋳型であるが2′−デオキシリボヌクレオチドもしくは
その類縁体を含む複合セグメントでないプローブを分解
するために1種類以上のリボヌクレアーゼを使用する場
合、このような阻害剤はこの方法の段階(c)において
使用することができる。
典型的には、各々がDNAもしくはRNAである1、2もし
くは3種類のプローブを、各標的セグメントについて、
本発明の標的依存性増幅方法において使用する。DNAで
あるかあるいは2′−リボヌクレオチドもしくはその類
縁体を含む複合基質である1種類のプローブを使用する
場合には、このような基質が作製される必要はないが、
当業者に良くしられる方法によりプローブでサンプルを
処理し、そのため、標的セグメントが存在する場合にの
み、プローブが有意なレベル(例えば濃度)で残存す
る。「有意な」レベルによって、DDRP活性及びこの方法
の段階(c)における自己触媒的複製を通しての増幅方
法の詳細が示され、観察できる(「バックグラウンド」
値以上の検出可能な)リポーターRNAの量を産生するレ
ベルを意味する。単一のRNAプローブもしくは1種類よ
り多いプローブを使用する場合には、本明細書中のどこ
かに、より詳しく記載してあるように、追加的な処理が
必要であり、標的セグメントが存在しかつRNAプローブ
(もしあれば)を有意でないレベルにまで低減される場
合にのみ、2′−デオキシリボヌクレオチドもしくはそ
の類縁体を含む複合セグメントを含みかつレプリカーゼ
のDDRP活性の基質である複合セグメントを作製し、か
つ、そのセグメントを有意なセグメントで残存させる。
更に別の態様においては、本発明は、標的核酸被検体
の存在についてサンプルをアッセイする方法を含み、そ
の方法は、リポーター核酸(もしくはその相補物)の配
列を有する核酸の存在についてのサンプルのアッセイの
前に、サンプルでリポーター核酸の、本発明に記載の標
的核酸媒介増幅を行うことを含む。この「リポーター核
酸」は、一般的にはリポーターRNAである。
このように、発明は、該標的核酸を含むように考慮さ
れたテストサンプル中において予め選択された標的セグ
メントを含む標的核酸被検体の存在の検出の方法を含
み、該方法は、核酸の該サンプルを処理してリポーター
RNAを作製することを含み、そのサンプルが該予め選択
された標的セグメントを含む場合にのみ、そのリポータ
ーRNAはRNAレプリカーゼにより自己触媒的に複製し、か
つ、その方法は、そのように作製される任意のリポータ
ーRNAをアッセイすることを含み、該処理は、(a)核
酸のサンプルの第1アリコートを1種類以上の核酸プロ
ーブで処理し、このプローブの各々は、標的セグメント
のサブセグメントもしくは標的セグメントのサブセグメ
ントの相補物に対してハイブリッド形成することがで
き、但し、プローブのうちの少なくとも1種類が標的セ
グメントのサブセグメントに対してハイブリッド形成す
ることができ、かつ、(i)この方法において1種類の
プローブを使用する場合には、複合核酸セグメントが
2′−デオキシリボヌクレオチドもしくはその類縁体を
含み、かつ、リポーターRNAの配列もしくはリポーターR
NAの相補物を有し、あるいは、(ii)この方法において
1種類より多いプローブを利用する場合には、該プロー
ブを、2′−デオキシリボヌクレオチドもしくはその類
縁体を含みかつリポーターRNAの配列もしくはリポータ
ーRNAの相補物を有する複合もしくは破壊された複合核
酸セグメントを作製するように処理することができ;
(b)該プローブもしくは複数のプローブを含む該第1
アリコートを処理して第2アリコートを調製し、この第
2アリコート中では、(i)唯一のプローブの一部とし
てそれが提供されない場合には、2′−デオキシリボヌ
クレオチドもしくはその類縁体を含みかつリポーターRN
Aの配列もしくはリポーターRNAの相補物を有する該複合
もしくは破壊された複合核酸セグメントが作製され、更
に、標的セグメントがサンプル中に存在する場合にの
み、それが、段階(c)を考慮した場合有意な量残存
し、かつ(ii)段階(b)(i)に記載の残存している
該複合もしくは破壊された複合核酸セグメント以外のも
のであり、かつ、リポーターRNAの配列もしくはリポー
ターRNAの相補物を有する任意の核酸セグメントの量
は、段階(c)を考慮した場合有意でない量にまで低減
され;かつ(c)第2アリコートもしくは該第2アリコ
ートより取りわけた第3アリコートを、該レプリカーゼ
の存在下における自己触媒的複製に有効な条件に供す
る、ことを含む。
任意の数々の方法を、リポーターRNA(もしくはその
相補物)をアッセイするために使用することができる。
もし作製されるのであらば、大量のリポーターRNAとそ
の相補物が増幅後に存在する大量の核酸の実質的な画分
である状況においては、核酸染色用染料を増幅が行われ
さサンプルのアリコートに単純に添加することができ、
更に、染色物が出現したか否かを観察するためにそのア
リコートを可視化させることができる。標的核酸が存在
してリポーターRNAの産生を誘導する場合にのみ染色物
が出現しかつ観察される。この単純な染色用技術を適用
することができる状況は、増幅後、染色されたリポータ
ーRNAとその相補物がサンプルのアリコートにおいて可
視化でき、かつ、大量のこのような染色されたリポータ
ーRNAとその相補物が、増幅後のサンプル中に存在する
少なくとも約2種類の大量の他の核酸の因子を越える状
況を含む。
この増幅方法において形成されるリポーターRNAとそ
の相補物の量があまりに低すぎて標的核酸がサンプル中
に存在するか否かを検出するために使用すべき単純な染
色法が不可能である状況において、あるいは、リポータ
ー以外の分子が増幅される場合には、サンプルアリコー
トの核酸を、増幅方法をそのサンプルで行った後、例え
ば、電気泳動的にサイズにより分離し、その後染色する
ことができる。サイズ分離した核酸中のそのサイズの染
色された核酸を観察することにより検出される増幅方法
におけるリポーターRNA及びその相補物のサイズの核酸
の産生により、標的核酸が、分析される核酸のサンプル
中に存在していたことが示される。
もう一つの方法として、分析されるサンプル中に標的
被検体が存在する場合に増幅過程中に作製されるリポー
ターRNAとその相補物を、増幅の間にラベルすることが
でき、それは例えば、レプリカーゼの基質として使用さ
れるrNTP′とrNTP'sある種の32Pでラベルしたリボヌク
レオシド三リン酸もしくはある種のリボヌクレオシド三
リン酸類縁体を使用することによるものであり、これら
の物質においては、塩基がラベル化残基で修飾されてお
り(例えば、ビオチン、イミノビオチン、もしくはジゴ
キシゲニンのようなラベル化残基に対してリンカーを介
して結合されることによりウラシルの5位の炭素にラベ
ル化されているUTP)、更にその後、もし作製されるの
であれば、ラベル化されたリポーターRNA及びその相補
物を、当業者において理解されるようなラベルを介して
検出することができる。この検出過程の前に、ラベル化
されたリポーター及びその相補体(もしあれば)を、増
幅の過程の間にRNA中に取り込まれないラベル化された
リボヌクレオシド三リン酸から分離する必要があり、そ
れは例えば、クロマトグラフ的に、リポーターRNAとそ
の相補物のラテックスビーズもしくは磁性粒子に対する
ハイブリッド形成により行われ、それらの物質に対して
は、リポータもしくはその相補物のセグメントの配列に
対して相補的な配列を有する一本鎖の核酸が共有結合す
る。
リポーターRNAとその相補物の産生のための更に別の
アッセイ方法は、それらのいずれかについての核酸プロ
ーブのハイブリッド形成アッセイによる。これらのアッ
セイにおいては、検出のためにラベル化し、かつ、リポ
ーターRNAとその相補物に対してハイブリッド形成をす
ることが可能な核酸を、当業者に理解されるように、使
用する。
最終的には、標的被検体がアッセイされるサンプル中
に存在する場合には、増幅過程におけるリポーターRNA
とその相補物の合成により増幅が行われる溶液中におけ
るこのような化合物の濃度を監視して増幅が行われたか
否かを検出することができる。簡単にその消費量が監視
できるこのような化合物の一つはATPであり、このよう
な監視を、当業者に理解されるように、例えば、P.ピラ
リス(P.pyralis)のような甲虫からのルシフェラーゼ
により触媒されるバイオルミネセンスを測定することに
より行うことができる。
発明は、本発明の様々な方法、特には、標的依存性増
幅法及び核酸被検体を検出するための方法を行うための
キットをも含む。
このように、本発明は、リポーターRNAの予め選択さ
れた標的セグメントを含む核酸のサンプル中における核
酸の存在に依存する増幅のためのキットを含み、そのリ
ポーターRNAはRNAレプリカーゼにより自己触媒的に複製
可能であり、該キットは、レプリカーゼを保持している
容器及び1種類以上のプローブを保持している容器;リ
ポーターRNAが自己触媒的な複製のための鋳型となるRNA
レプリカーゼを含む(もしくはこのような溶液から作製
された凍結乾燥してあるRNAレプリカーゼを保持する)
レプリカーゼ溶液を保持する該レプリカーゼ保持容器;
及び、該増幅のために必要とされる核酸プローブ(もし
くは凍結乾燥した型の該プローブ)(「要求プローブ
(required probes)」)の1種類以上を含むプローブ
溶液を保持する、1種類の場合には、該レプリカーゼ保
持容器、あるいは、1種類より多い場合には、該レプリ
カーゼ保持容器の各々、を共にパッケージングされて含
み、但し、キットが含む1種類以上のプローブ保持用容
器内に該要求プローブの全てが保持されていることを提
供し、該要求プローブ、あるいは、1種類より多い場合
には、該要求プローブの各々が、標的セグメントのサブ
セグメントもしくは標的セグメントのサブセグメントの
相補物に対してハイブリッド形成することができ、但
し、(i)少なくとも1種類のプローブが、標的セグメ
ントのサブセグメントに対してハイブリッド形成するこ
とができ;(ii)1種類の要求プローブが存在する場合
には、該プローブは、2′−デオキシリボヌクレオチド
もしくはその類縁体を含みかつリポータRNAもしくはリ
ポータRNAの相補物を有する複合核酸セグメントセグメ
ントを作製するように処理するかまたは処理することが
でき;(iii)1種類より多い要求プローブが存在する
場合には、該プローブを、2′−デオキシリボヌクレオ
チドはその類縁体を含みかつリポータRNAもしくはリポ
ータRNAの相補物を有する複合もしくは破壊された複合
核酸セグメントを作成するように処理できる。レプリカ
ーゼ保持容器及び1種類以上のプローブ保持容器でパッ
ケージングされている本発明のこれらのキットは、追加
的に1種類以上の酵素保持容器を含んでおり、その各々
は、2′−デオキシリボヌクレオチドもしくはその類縁
体を含みかつリポータRNAもしくはリポータRNAの相補物
の配列を有する複合もしくは破壊された複合核酸セグメ
ントを作製するために必要なプローブの任意の処理にお
いて使用される1種類以上の溶液を保持する。(この酵
素保持容器は凍結乾燥された携帯の酵素を保持していて
もよい。) 本発明のこれらのキットは、予め選択された標的セグ
メントを含む標的核酸被検体の存在を、該被検体を含む
と考えられるテストサンプル中において検出するための
テストキットであることができる。このようなテストキ
ットは、追加的に、テストサンプルのアリコートについ
てそのキットの成分を用いて行う増幅において、該サン
プルが該被検体を含む場合に作製されるリポーターRNA
もしくはその相補物を検出するための試薬を含む。この
テストキット中では、そのような試薬は、レプリカーゼ
保持容器、プローブ保持容器、及び任意の酵素保持容器
と共にパッケージングされている検出試薬保持容器内に
保持されている。テストキット中に含まれることがきる
このような試薬は、例えば、核酸を染色するための染料
溶液、検出のためにラベルされておりかつリポーターRN
Aもしくはその相補物とハイブリッド形成することがで
きる核酸プローブの溶液、もしくは、甲虫ルシフェラー
ゼの溶液を含む。(このプローブ及びルシフェラーゼ
は、例えば、検出試薬保持容器内における凍結乾燥形態
で提供されることもできる。) 本発明は、被検体対するラベル化された親和性分子を
も含むことができ、該親和性分子は、2′−デオキシリ
ボヌクレオチドもしくはその類縁体を含みかつそれ自身
の配列として自己触媒的に複製可能なRNAの配列を有す
る複合核酸セグメントを含む核酸でラベル化してある。
「自己触媒的複製」及び「自己触媒的に複製可能であ
る」は、当業者に知られている用語である。例えば、Ch
uら、PCT公開公報 第 WO 87/06270号、及び、その中
に引用してある引用文献;Kramerら、米国特許 第 4,7
86,600号を参照せよ。自己触媒的に複製可能な鋳型RNA
の濃度が自己触媒的な複製を触媒化するレプリカーゼの
濃度を越えない条件下においては、この過程は指数関数
的なものである。
本発明の目的のためには、用語「コネクター配列」も
しくは「コネクターセグメント」は、増幅可能なセグメ
ントの全体もしくはその一部ではなくかつアンチ標的セ
グメントではないが、むしろプローブ中でこれらのセグ
メントの2種類を結合するセグメントである核酸セグメ
ントを意味することを意図する。
本明細書中で用いられている用語「標的核酸」は、本
発明に記載の標的依存性増幅を開始させるための、もし
くは、核酸を含みかつ核酸被検体を含むことが疑われる
サンプル中において検出されるべき、特異的核酸被検体
を意味する。標的核酸は、本発明の処理において本発明
のプローブがハイブリッド形成する「標的セグメント」
を含む。
本明細書中に使用されている用語「アンチ標的核酸配
列」、「アンチ標的配列」、「アンチ標的」もしくは
「アンチ標的セグメント」は、本発明の処理においてプ
ローブをハイブリッド形成させようと意図する核酸セグ
メント(「標的セグメント」)の(塩基の)配列に対し
て少なくとも部分的に(更に、好ましくは完全に)相補
的である(塩基の)配列を有する核酸プローブのセグメ
ントを意味することを意図する。アンチ標的セグメント
とそれらの対応する標的セグメントとの間のハイブリッ
ド形成が、本発明の方法における標的核酸についての特
異性を提供する。
本発明の方法を行うに当たり、意図された特異性を有
するハイブリッド形成を実施するためには、一般的に、
アンチ標的セグメントが少なくとも6つの、更に、好ま
しくは少なくとも12の、そして、より好ましくは約20か
ら約35のヌクレオチドを有することが必要である。ハイ
ブリッド形成の特異性に影響を与える因子は当業者によ
り良く理解されており、かつ、ハイブリッド形成用セグ
メントの長さに加え、ハイブリッド形成が行われる核酸
の混合物の複雑度及びハイブリッド形成が行われる時の
厳格度を含む。所与の複雑度の核酸の混合物について
は、当業者は、アンチ標的セグメントの長さ、厳格度、
及び、必要とされる特異性を獲得するための標的セグメ
ントの配列の選択、を操作することができる。
本明細書中に用いられている用語「プローブ」もしく
は「核酸プローブ」は、DNA、RNA、もしくは、キメラ核
酸であり、かつ、アンチ標的セグメントを含む核酸を意
味する。プローブは、自動的な合成器中における場合の
ように合成的に作成することができ、あるいは、細胞性
もしくはウイルス性置換物質に由来することができる。
それは1本鎖であることができるが、その相補的な鎖
(もしくはそのセグメント)を伴うことができる。プロ
ーブは、アンチ標的セグメントを含まなければならない
が、しかしながら、先に示したように、本発明のいくつ
かの実施態様においては、プローブを、標的核酸のセグ
メントに対して配列の面で相補的であるセグメントに対
してハイブリッド形成させることを意図して使用するこ
とができ;このようなプローブのアンチ標的セグメント
は「標的様」セグメントであり、かつ、そのようなもの
として、標的核酸のセグメントと同一もしくはほぼ同一
の配列を有する。
本明細書中に用いられている用語「リポーター分子」
もしくは「リポーター核酸」は、サンプル中の標的核酸
の存在に依存する本発明の増幅方法において産生される
核酸を意味することを意図している。「リポーターRN
A」は、4種類の標準的なリボヌクレオチド(リボヌク
レオチドにおいて正常に生ずる元素をラベル化していな
いもしくは放射性同位体元素(例えば、32P)でラベル
化してある)を含むことができ、あるいは、本明細書中
のどこかに記載したように、自己触媒的な複製における
RNAレプリカーゼ用の基質として機能し、かつ、RNAレプ
リカーゼによる自己触媒的複製のための鋳型の配列を有
するRNA中に存在する場合には、レプリカーゼが鋳型を
複製することを遮断しない様々なリボヌクレオチド類縁
体を含むことができる。
「リポーター核酸の増幅」は、(i)2′−デオキシ
リボヌクレオチドもしくはその類縁体を含む複合リポー
ターセグメントのレプリカーゼのDDRP活性による、完全
にRNAであり(あるいは、リボヌクレオチド類縁体(例
えば、ウラシルの5位を介してビオチン残基に結合して
いるウラジン)を含むことができ、その5′−三リン酸
はレプリカーゼのための基質であり、かつ、それはRNA
内において、レプリカーゼによる自己触媒的な複製のた
めの鋳型としてのRNAの機能を遮断しない)、かつ、レ
プリカーゼによる自己触媒的な複製及びその後の該自己
触媒的に複製可能なリポーターの自己触媒的な複製のの
ための鋳型である相補的な配列の他のリポーターへの複
製、あるいは、(ii)単に、RNAもしくは記載したよう
なリボヌクレオチド類縁体を含むRNAである自己触媒的
に複製可能なリポーターの自己触媒的な複製、のいずれ
かを意味することができる。
リポーター分子の存在もしくは不在、あるいは、産生
される量、のいずれかを、サンプル中の標的被検体の存
在(もしくは、それぞれ不在)の標識として使用するこ
とができる。「リポーター分子」は「リポーター配列」
を有し、それによってリポーター分子を検出することが
でき、かつ、それは完全な分子もしくはそのセグメント
の配列であることができる。
核酸もしくはそのセグメントの「増幅」は、増幅され
る核酸(もしくはセグメント)と同一の配列を有する核
酸の多重コピーを作製する過程を意味する。本明細書中
で使用されている用語「セグメント特異的増幅」もしく
は標的特異的増幅」は、各標的核酸分子(もしくは、よ
り正確には、標的核酸の特有な性質を有するとして選択
された標的セグメント)を使用して多重リポーター分子
を産生させるレプリカーゼ介在性過程を意味することを
意図する。
用語「増幅可能セグメント」、「増幅可能配列」もし
くは「増幅可能核酸配列」は、RNAレプリカーゼにより
増幅可能もしくは自己触媒的に複製可能な核酸のセグメ
ントもしくは配列を意味することを意図する。そのた
め、時として「レプリカーゼ増幅可能な」セグメントも
しくは配列が引用されることもある。
核酸鎖の「セグメント」は、核酸鎖中に存在する場合
少なくとも2つのヌクレオチド(もしくはヌクレオチド
類縁体)の連続的な配列を有する完全な核酸鎖もしくは
その任意の部分である。核酸鎖のセグメントの「サブセ
グメント」は、核酸鎖中に存在する場合少なくとも2つ
のヌクレオチド(もしくはヌクレオチド類似体)の連続
的な配列を有する完全なセグメントもしくはその任意の
部分である。
サンプルの「アリコート」もしくは、より典型的に
は、水溶液は、全体としてのサンプルもしくは溶液の本
質的な特性から識別できない本質的な特性(例えば、組
成、構成物の濃度)を有するサンプルもしくは溶液の全
体もしくは部分である。
本発明の基礎となる発見は、2′−デオキシリボヌク
レオチドもしくはそのアナログを含むが、RNAのレプリ
カーゼにより触媒される合成のために鋳型として機能す
るRNAレプリカーゼのための増幅可能な複合配列を有
し、相補的であり、増幅可能でもある配列を有し、か
つ、そのために、自己触媒的に複製可能である核酸であ
る。このように、意外なことにかつ有利なことに、2′
−デオキシリボヌクレオチドもしくはその類縁体を含み
かつ増幅可能な配列を有する複合セグメントを、自己触
媒的に複製可能なRNAを作製しかつそれにより自己触媒
的な複製の過程を開始させるために使用することができ
る。
RNAである核酸に関する本明細書中の引用により、4
種類の標準的なリボヌクレオチド、アデノシン一リン酸
(AもしくはrA)、ウシジン一リン酸(U)、グアノシ
ン一リン酸(GもしくはrG)及びシチジン一リン酸(C
もしくはrC)の1種類以上のみからなる核酸を意味す
る。さらに限定をを加えない場合に、「リボヌクレオチ
ド」に関する本明細書中の引用によっては、4種類の標
準的なリボヌクレオチドを意味する。DNAである核酸に
関する本明細書中の引用により、4種類の標準的な2′
−デオキシリボヌクレオチド、つまり、2′−デオキシ
アデノシン一リン酸(AもしくはdA)、2′−デオキシ
チミジン一リン酸(T)、2′−デオキシグアノシン一
リン酸(GもしくはdG)及び2′−デオキシシチジン一
リン酸(CもしくはdC)の1種類以上のみからなる核酸
を意味する。さらに限定を加えない場合には、「ヌクレ
オチド」は、2′−デオキシリボヌクレオチド、2′−
デオキシリボヌクレオチド類縁体、リボヌクレオチドも
しくはリボヌクレオチド類縁体を意味する。さらに限定
を加えない場合には、「核酸」は、2本鎖もしくは1本
鎖のオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドを意
味する。「キメラ」核酸は、ヌクレオチドの幾つかがリ
ボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド類縁体であ
り、かつ、幾つかが2′−デオキシリボヌクレオチドも
しくは2′−デオキシリボヌクレオチド類縁体である一
本鎖の核酸である。「非類縁体」キメラ核酸は、リボヌ
クレオチド及び2′−デオキシリボヌクレオチドからな
るキメラ核酸であり、そのようなものとしていずれのも
のの類縁体を含まないものである。「ハイブリッド」核
酸は、鎖のうちの一つがDNAでありもう一方のがRNAもし
くはキメラ体であり、あるいは、鎖の一つがRNAであり
もう一方がDNAもしくはキメラ体であり、あるいは、鎖
の両方がキメラ体である、二本鎖、もしくは部分的に二
本鎖の核酸である。核酸の5′端の「ヌクレオチド」
は、単一の5′−リン酸を有する必要はなく;それは、
例えば、5′−三リン酸もしくは5′−ヒドロキシルを
有することができる。同様に、核酸の3′端の「ヌクレ
オチド」は、3′−ヒドロキシルを有する必要はなく;
それは、例えば、3′−リン酸を有することができる。
本発明に記載のRNAレプリカーゼのDDRP活性による増
幅のための複合核酸鋳型中に含まれていてもよい2′−
デオキシリボヌクレオチド類縁体は上述してある。この
ような2′−デオキシリボヌクレオチド類縁体は
「(2′−デオキシリボヌクレオチド)ホスフェート類
似体であり、これにより、対応する2′−デオキシリボ
ヌクレオチドのホスフェートが、アルキルホスホネート
(アルキル基が、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、もしくは、i−プロピルであることができる)、フ
ォスフォロチオエート、フォスフォトリエステル、もし
くはフォスフォロアミデートのようなホスフェート類縁
体で置換されている類縁体を意味する。このように、本
発明に記載のRNAレプリカーゼのDDRP活性のための複合
鋳型中に生じることができる2′−デオキシリボヌクレ
オチドは、2′−デオキシリボアルキルホカホネート
(Blake他、Biochemistry(1985年)24巻、6139ペー
ジ、を参照せよ)、2′−デオキシリボフォスフォロチ
オエート(Froehler、Tetrahedron Lett.(1986年)27
巻、5575ページ、を参照せよ)、2′−デオキシリボフ
ォスフォトリエステル(Blackburtn他、J.Chem.Soc.
(c)(1966年)、239ページ、を参照せよ)、及び、
2′−デオキシリボフォスフォロアミデート(Zwierza
k、Synthesis(1975年)、507ページ、を参照せよ)を
含む。
「リボヌクレオチド類縁体」は、炭素もしくはアミノ
窒素において塩基が誘導化されているかあるいはホスフ
ェート類縁体でホスフェートが置換されているリボヌク
レオチドである((リボヌクレオチド)ホスフェート類
縁体)。RNAレプリカーゼのDDRP活性のための鋳型であ
る複合セグメント中もしくはこのような活性に基づくこ
のような複合セグメントから作製されるポリヌクレオチ
ド中のリボヌクレオチド類縁体は、このような、ポリヌ
クレオチドの複合セグメント中においてレプリカーゼに
より認識されて、複合セグメントもしくはポリヌクレオ
チドから作製される自己触媒的に複製可能なRNAの対応
位置に、類縁体のリボヌクレオチドに対して相補的なリ
ボヌクレオチドである、塩基を有するリボヌクレオチド
を配置する。リボヌクレオチド類縁体にはrT、及び、5
位の炭素においてウラシルが誘導化されている(例え
ば、ビオチンにリンカーを介して)Uの他の誘導体、及
び、2′−デオキシリボヌクレオチドのホスフェート類
縁体に対応する様々なホスフェート類縁体(先の2′−
デオキシリボヌクレオチドホスフェート類縁体のリスト
を参照せよ)が含まれる。
原子の様々な同位体のパーセント率が変わることによ
り変化している2′−デオキシリボヌクレオチド、2′
−デオキシリボヌクレオシド5′−三リン酸(本明細書
中では以後単に「2′−デオキシリボヌクレオシド三リ
ン酸と称する)、リボヌクレオチド、もしくは、リボヌ
クレオシド三リン酸は、「類縁体」とみなさない。
用語「増幅可能なプローブ」は、プローブの性質を有
しかつ増幅可能なセグメントを有する核酸を意味するこ
とを意図する。
本発明において使用される述語に従い、2種類の一本
鎖の標準的な核酸は、その両者がキメラであるか、ある
いはそれらの一方がRNAで他の一方がDNAもしくはキメラ
であるか、あるいはそれらの一方がDNAで他の一方がRNA
かキメラであるとしても、両者が同一数のヌクレオチド
を有しかつそのヌクレオチド上の塩基配列が両者とも同
一であるかぎり、「同一な」配列を有することになる。
2種類の核酸配列が「同一」であるか否かを決定する目
的で、その原子(リボースに結合する窒素原子以外)の
一つが誘導化されている塩基を、誘導化されていない塩
基と同一であると見なす。従って、例えば、RNAとDNA
は、それらが同一数の塩基を有しかつ塩基の配列が両者
とも同一である場合には、RNA中の各ウラシルがDNA中の
チミジンに対応して、同一の配列を有することになる。
増幅に関する用語「サイレント配列」もしくは「サイ
レントセグメント」は、第1核酸中においては増幅可能
でないが、第1核酸で作製される第2核酸中においては
他のセグメントと組合わせて増幅可能セグメントの一部
となる核酸セグメントを意味することを意図する。
本明細書中に使用されている用語「Qβレプリカーゼ
もしくは機能的等価物」は、一定のRNAの自己触媒的複
製、並びに、本発明の基礎となる発見に従い、鋳型DNA
及びレプリカーゼにより自己触媒的に複製可能なRNAの
配列を有するキメラ核酸を使用するRNAの合成を触媒す
るRNAレプリカーゼを意味することを意図する。そのよ
うなレプリカーゼの例として、Gingerasらに対する特許
公開公報 第 WO 88/10315号、Chuらに対するPCT公開
公報 第 WO 87/06270号、Blumenthal及びCarmichael
(1979年)Ann.Rev.Biochem.、48巻、525−548ページ、
及び、Miyakeら、(1971年)Proc.Natl.Acad.Sci.(US
A)68巻、2022−2024ページ、並びに、これらの出版物
において引用してある引用文献を引用として挙げる。本
発明において有効なこのようなレプリカーゼの例は、バ
クテリオファージ FI、f2、GA、MS2、R17、SD、SP、S
T、VK、及びZRのゲノムによりコードされているQβレ
プリカーゼ、並びに、ブロムモザイクウイルス(BMV)
のレプリカーゼのような植物性RNAウイルスのレプリカ
ーゼを含む。例えば、バクテリオファージのレプリカー
ゼの間でも、自己触媒的増幅のための鋳型の相互互換性
が存在する。
当業者は、Qβレプリカーゼ及び他のレプリカーゼに
より自己触媒的に増幅可能な多くの種類のRNAが存在す
ることを理解している。このように、他の種類のものの
間でも、数多くのいわゆるナノ変異体(nanobariant)R
NA及び数多くのいわゆるミディ変異体(midivariant)
が存在する。Chu他、PCT公開公報第 WO 87/06270号及
びその明細書中に引用してある引用文献を参照せよ。DN
A類、及び、2′−デオキシリボヌクレオチドもしくは
その類縁体を含みかつそれらのRNAの全てに対応する他
の核酸セグメントは、RNAレプリカーゼのDDRP活性によ
り増幅可能である。本明細書においては、別な方法で性
質決定を行っていない場合には、nvDNAを特異的DNAであ
ると見なし、それは、即ち2本鎖DNAであって、その1
本の鎖(nv(+)DNAと称する)がScaffner他、1977
年、上述、により教示されるナノ変異体(+)RNA(nv
(+)RNA)と同一であり、かつ、nv(−)DNAと称され
るもう一方の鎖が完全に相補的な配列を有する。nv
(+)DNA及びnv(−)DNAそれぞれの配列についてはSE
Q ID NO:444及びSEQ ID NO:928を参照せよ。他のナ
ノ変異体の例は、実施例3の表1において示される番号
を付けた他の鋳型である。QβレプリカーゼのDDRP活性
の鋳型でありかつ実施例3の表1においてリストしてあ
る番号を付けた鋳型の任意のものと少なくとも90%の相
同性を有する任意の他のDNAは、本明細書の意味におい
ては「ナノ変異体DNA」である。同様に、別な方法で性
質決定を行っていない場合には、mdvDNAをSEQ ID NO:
2において示される配列を有する2本鎖DNAと称するが、
その内の1本の鎖をmdv(+)DNAであると見なし、その
理由は、それがミディ変異体(+)RNAの配列を有する
からであり、かつ、相補的配列を有する他の鎖mdv
(−)DNAと称するが、その理由は、対応するミディ変
異体(−)RNAの配列を有するためである。mvdDNAは
「組換え」ミディ変異体DNAであり、その理由は、制限
酵素エンドヌクレアーゼを含む様々な酵素でのインビト
ロ「遺伝子スプライシング」技術を用いて、RNAセグメ
ント(SEQ ID NO:2における塩基66−75に対応する)
を、自然発生的な、もしくは、その酵素による自己触媒
的な複製のための天然RNA鋳型からQβレプリカーゼに
よる自己触媒的複製の際にインビトロで生じる、ミディ
変異体RNA内へ挿入することにより対応するRNAが作製さ
れたためである。Kramer他、米国特許第4,786,600号を
参照せよ。mdvDNAの両方の鎖、及び、mdvDNAと同一であ
るがSEQ ID NO:2における塩基66−75に対応する塩基
対を有さないDNAの両方の鎖に加え、本明細書の意味に
おける他の「ミディ変異体DNA」は、Nishihura他(1983
年)、J.Biochem.93巻、669−674ページ、により教示さ
れるミディ変異体−1RNAの配列を有するDNA、Lizardi他
Biothchnology 6巻、上述、により教示されるミデ
ィ変異体−1RNA、Kramer他(1974年)、J.Mol.Biol.89
巻、719−736ページ、により教示されるミディ変異体−
1α、ミディ変異体−1β及びミディ変異体−1γ、及
び、それらのDNAの全ての相補体、及び、前述の「ミデ
ィ変異体」DNAの任意のものに対して90%相同でありか
つQβレプリカーゼのDDRP活性のための鋳型である任意
のDNAを含む。
「nvプラスミド」は、nvDNAをセグメントとして含むp
NV−1−3−4のようなプラスミドを意味する。「ナノ
変異体プラズミド」は、ナノ変異体DNAをセグメントと
して含むプラスミドを意味する。「mdvプラスミド」
は、mdvDNAをセグメントとして含むpMDV Xho Iのよう
なプラスミドを意味する。「ミディ変異体プラスミド」
は、ミディ変異体DNAをセグメントとして含むプラスミ
ドを意味する。
本明細書中に使用されている用語「オリゴヌクレオチ
ドプライマー」は、精製した制限消化物中に自然に発生
するかあるいはDNA合成器で合成的に産生されるかのい
ずれかのものであって、核酸鋳型鎖に対して相補的であ
るプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下に置か
れた場合、つまり、2′−デオキシリボヌクレオチドも
しくはそのある種の類縁体、及び、当業者には理解され
るように、DNAポリメラーゼ活性を有する酵素の存在下
において、かつ、プライマーの鋳型に対するハイブリッ
ド形成を起こさせかつ酵素をDNA合成を触媒するために
活性化させるための、適切な温度、pH及び厳密な条件に
おいて、DNA合成を開始することができるプライマーを
含む。このプライマーは、1本鎖型で提供されるが、代
わりに2本鎖であることもできる。2本鎖である場合に
は、そのプライマーを最初に処理して、伸長産物の初期
調製物に対する核酸鎖鋳型に対してハイブリッド形成す
る以前にその鎖を分離する。このプライマーは、充分長
く、DNAポリメラーゼ活性を提供する酵素の存在下にお
いて伸長産物の合成を開始させるのに充分な安定性を有
する鋳型に対してハイブリッド形成する必要がある。こ
のプライマーは、やはり、標的セグメント(もしくはそ
の相補物)の3′端に対して特異的にハイブリッド形成
させることにより特異性をも提供することができる。プ
ライマーの完全な長さは、温度、厳格度、及び標的配列
の複雑度を含む数々の因子に依存する。オリゴヌクレオ
チドプライマーは、典型的には、20−35のヌクレオチド
を含むが、鋳型とのハイブリッド形成を意図したセグメ
ントにおいてはより少ない(約6まで)あるいはより多
いヌクレオチドを含むことができる。短いプライマー
は、一般的には、鋳型を用いて充分に安定なハイブリッ
ド複合対を形成するために低い厳格度(例えば、一定常
のpH、イオン強度及び他の厳格度決定因子における低め
の温度)を必要とし、更にそのため、それらがハイブリ
ッド形成しかつ合成を開始するセグメントに関して幾分
特異性が低くなる傾向にある。
レプリカーゼ酵素活性 本発明は、RNAバクテリオファージQβのようなRNAレ
プリカーゼを使用する。本発明は、レプリカーゼの新規
の活性、即ちDNA依存性RNAポリメラーゼ活性を用いる。
この活性は、レプリカーゼに関する自触的に複製可能な
RNAの配列を有する複合体、DNA、又はキメラ核酸基質か
らRNAコピーを生じる。RNAレプリカーゼのための基質と
関連して“複合体”の定義は、上記に示されている。DD
RP活性により提供されるRNAコピーは、同一レプリカー
ゼ(又は自触的複製の鋳型としてRNAを認識する別のレ
プリカーゼ)によって自触的に複製される。例えば、Q
βレプリカーゼのための基質は、任意の増幅可能なDN
A、例えば、ナノ変異体DNA、ミディ変異体DNA、ミニ変
異体DNA、対応する自触的複製可能RNAに対する名前が指
定されていないものを含めた他の変異体、又はその自触
的複製可能突然変異体であり得る。
本発明前、自触的複製可能な相補的配列のRNAを作る
ための鋳型として複合DNA及びキメラ核酸を用いること
ができるDNA依存性RNAポリメラーゼ活性をRNAレプリカ
ーゼが示すとは、認識されていなかった。実際、複合配
列を伴うが末端ポリデオキシシチジンを有するDNAはQ
βレプリカーゼによる自触的複製のための鋳型として活
性でないと報告されていた(Feix,G.and H.Sano(197
6)FEBS Letters,63:201〜204)。
さらに、FeixとSano(上記)は、鋳型に関して狭義に
限定される彼らが観察したDDRP活性は、反応媒質中のMg
+2をMn+2に置換することにより増大しなかったと報告し
た。しかしながら、本発明の別の態様において、RNAレ
プリカーゼのDDRP活性を介するDNA及びキメラ基質の増
幅は、Mg+2を明らかに要するけれども、約0.5mM以上
で、一般に約5mM以下で、好ましくは約1mMでの反応媒質
中の二価の遷移金属陽イオン、例えばMn+2、Co+2、又は
Zn+2の存在下で増強されることが、意外にも判明した。
本明細書中で濃度又は量に関して“約”と言及してい
るのは、分子生物学及び生化学の業界で当業者が用いる
意味を有し、一般に特定濃度又は量±10%を意味する。
鋳型 Qβレプリカーゼ及びその他のRNAレプリカーゼのDDR
P活性は、レプリカーゼにより自触的複製可能であるRNA
の配列を有する任意の複合DNA又はキメラ核酸セグメン
トに関して活性である。本発明に関連して、レプリカー
ゼにより自触的複製可能であるRNAの配列を伴う核酸セ
グメントを“確認する”その能力においてレプリカーゼ
は非常に多才であることが見出された。したがって、こ
のような複合DNA又はキメラセグメントは、その末端の
いずれかと接合するヌクレオチドを伴わずに、一重鎖形
態で遊離し得る。あるいは、このような複合セグメント
は、ヌクレオチドを有する一重鎖であって、DDRP活性に
よって作られるRNA中にレプリカーゼにより複写され
ず、末端のいずれか又は両方に付加される。さらに、複
合セグメントは二重鎖内の一重鎖の全部又は一部である
か、あるいはハイブリッド核酸、二重鎖が配列中で正確
に相補的でない核酸、及び一方又は両方の鎖にギャップ
(一つ又はそれ以上のヌクレオチド欠失)又は破断(切
断化ホスホジエステル結合、しかしヌクレオチド欠失は
ない)が存在し得る核酸を含めた部分的二重核酸であ
る。実際、一緒に共有結合する場合にはRNAレプリカー
ゼのDDRP活性のための鋳型である複合セグメントを構成
する複数のセグメントは、それが核酸鎖上に、複合セグ
メントにおいて示されると同じ順で、互いに隣接して
(即ちその間に破断のみを有して、ギャップは伴わな
い)複数のセグメントがハイブリダイズされるとすれ
ば、一緒に共有結合しない場合でも、このような複合セ
グメントとして機能する。このような複数のセグメント
を、本明細書中では“破断複合セグメント”と呼ぶ。破
断複合セグメントの“配列”は、破断複合セグメントの
セグメント間の破断を密接させることにより形成される
複合セグメントの配列である。破断複合セグメントを構
成する複数(好ましくは2つ)のセグメントのハイブリ
ダイゼーションは十分安定である必要があるため、複数
のセグメントの各々は少なくとも約6個の、一般には少
なくとも約10個の塩基を、複数のセグメントがハイブリ
ダイズする他の鎖のセグメントに対する配列と相補的な
セグメント中に有さねばならない。破断複合セグメント
の3′−末端での複数のセグメント、及び破断複合セグ
メントの5′−末端での複数のセグメントは、他の鎖と
完全にハイブリダイズされる必要はない;3′−末端の複
数のセグメントの5′末端のサブセグメント、及び5′
−末端の複数のセグメント3′末端のサブセグメントの
みが他の鎖とハイブリダイズされる必要がある。RNAレ
プリカーゼによる自触的複製のための鋳型である一次複
合セグメント又は破断複合セグメントを有するもの以外
の鎖において、一次複合セグメント又は破断複合セグメ
ントのセグメントに対する配列が正確に相補的な二次複
合セグメントが存在するならば、二次複合セグメントも
レプリカーゼのDDRP活性のための鋳型である。一重鎖で
あれ、二重鎖、又は部分的二重鎖であれ、複合セグメン
トが、RNAレプリカーゼにより自触的複製可能なRNAの配
列とともにレプリカーゼのDDRP活性のための鋳型として
はめ込まれ且つ使用可能である核酸は、任意の物理的形
態、例えば線状(一重鎖又は二重鎖)、閉環、超螺旋等
である。したがって、RNAレプリカーゼのDDRP活性のた
めの鋳型である複合DNA又は複合セグメントは、弛緩又
は超螺旋プラスミドを含めたプラスミドのセグメントで
あり得る。
次いで、本発明に関連して、RNAレプリカーゼによる
増幅のための本発明の鋳型は、前もって形成された、レ
プリカーゼにより自触的複製可能なRNAの配列を有する
複合セグメントを包含する一重鎖核酸として、あるいは
レプリカーゼにより自触的複製可能なRNAの配列を有す
る複合又は破断複合核酸セグメントを包含する核酸を提
供するために試料中で処理されるか又は反応させ得る一
つ又はそれ以上の核酸として試料に対して提供され得る
ことが見出された。
本発明は、上記のような、当業界に既に公知の多数の
ものを含めた、Qβレプリカーゼ又は他のRNAレプリカ
ーゼに依る自触的複製のための鋳型であるRNAを確認す
るための簡単な、分かりやすい方法を提供する。したが
って、当業者には十分公知の方法を用いて、DNA、最も
便宜的にはプラスミド、又はクローニングにより有意量
のDNAを便利に製造するのに適したその他のビヒクルが
製造されるが、これらはRNAレプリカーゼにより自触的
複製可能であることが公知のRNAの配列を伴うセグメン
トを包含する。本発明に関連して見出されたように、こ
のセグメントの両鎖は、レプリカーゼにより増幅され、
レプリカーゼのDDRP活性で始まる。このセグメントは次
に、当業界に公知の任意の方法により塩基を欠失し、付
加し、又は変えるために、あるいは類似物、及びプラス
ミドDNAを本明細書に記載されているような条件下でレ
プリカーゼに暴露された変化済セグメントと置換するた
めに変えられ、これが、修飾セグメントのDNAがレプリ
カーゼにより自触的複製可能であるRNAの配列を有する
場合には、増幅を引き起こす。増幅の検出も、本明細書
に記載されているようにして実施し得る。
例えば、以下の実施例3、4、5及び8は、Qβレプ
リカーゼによる自触的複製可能性を保持するnv(+)RN
A又はnv(−)RNAの配列から修飾された配列を伴うセグ
メントを示す。例えば、実施例3の表1及び配列一覧に
関して、鋳型634は塩基15及び16間の5′−GGATの挿
入、塩基45及び46間のTの挿入、塩基48のCからAへの
塩基の変化、並びに塩基49及び50間の24−塩基セグメン
トの挿入により、nv(+)DNA(鋳型444)と異なる。同
様に、再び実施例3の表1及び配列一覧に関して、鋳型
851は、塩基37及び38間の48−塩基セグメントの挿入に
よりnv(+)DNA(鋳型444)と異なる。同様に、mdvDNA
は、例えば本発明に従って増幅可能である付加DNAを提
供するためのXho I部位でのDNA挿入により容易に修飾さ
れ得る。
標的 精製又は非精製形態で核酸を含有する任意の試料は、
試料が標的を含有すると少なくとも考えられるとすれ
ば、本発明の標的依存工程に対して核酸標的を提供する
ために用い得る。実施例は、メッセンジャーRNA、一重
鎖又は二重鎖RNA又はDNA、あるいはDNA−RNAハイブリッ
ドを含めたDNA又はRNA標的をともに含有する。さらに、
標的核酸セグメントは大型分子の小セグメントであり得
るが、しかし一般的には少なくとも約10、及びさらに一
般的には20〜50ヌクレオチド長である。さらに、標的核
酸は複数の標的核酸セグメントを有するが、これらは同
一であっても異なってもよい。
オリゴヌクレオチド 本発明は、DNA、RNA、又はキメラオリゴヌクレオチド
の合成的製造方法を包含する。これに関しては、Applie
d Biosystems Model 380B DNA Synthesizer User
s Maual,Version 1.11,Noember,1985;Beaucage,et a
l.(1981),Tetrahedron Letts.22:1859−1862;Mateuc
ci and Carruthers(1981),J.Am.Chem.Soc.103:3185
−4846を参照し得る。
オリゴヌクレオチドは、任意の好適な方法、例えばホ
スホトリエスル及びホスホジエステル法、ホスホラミダ
イト法、又はそれらのいずれかの自動化実施例を用いて
調製し得る。
本発明は、多数のリポーター分子を生成するためのQ
βレプリカーゼ及びその他のRNAレプリカーゼのDNA依存
性RNAポリメラーゼ活性の使用を指示される。レプリカ
ーゼのための鋳型であり、標的セグメントに関連する各
々のDNA又はキメラ核酸セグメントを用いて、109より大
きいリポーター分子をこの方法で生成し得る。
本発明はさらに、RNAレプリカーゼのDDRP活性の発見
に関するいくつかの応用に向けられる。この発見の利点
を利用するよう企てられた5つの異なる方法の例として
は、以下のものが挙げられる。これらの種々の方法は、
RNAレプリカーゼのDDRP活性のために増幅可能である複
合セグメント又は破断複合セグメントが、レプリカーゼ
により自触的複製可能であるRNAの配列を有する複合セ
グメントを包含する、予め形成された一重鎖核酸とし
て、あるいはレプリカーゼにより自触的複製可能である
RNAの配列を有する複合又は破断複合核酸セグメントを
包含する核酸を提供するために試料中で処理されるか又
は反応し得る一つ又はそれ以上の核酸としてどのように
試料に提供され得るかを説明する。
実施例1 ハイブリダイゼーション/分離/増幅 実施例2 ヌクレアーゼ保護/増幅 実施例3 結紮/増幅 実施例4 二重延長/増幅 実施例5 cDNA合成/増幅 以下の項では、これらの方法のいくつかが、用いられ
ているプローブの数及び特徴により一つより多い考え得
るフォーマットを有することが説明される。
その最も一般的な意味において、本発明は、少なくと
も一つの2′−デオキシリボヌクレオチドを包含する核
酸分子の増幅のための方法であって、その増幅は、一つ
又はそれ以上のその工程におけるRNAレプリカーゼのDDR
P活性の使用を包含する。本発明はさらに、一つ又はそ
れ以上のその工程におけるこのようなDDRP活性によるリ
ポーター分子の標的核酸セグメント依存性増幅のための
方法を指示される。さらに、これらのリポーター分子の
検出は、核酸を含有する試料中の標的核酸の存在を示
す。リポーター分子は、試料中の標的核酸セグメント
(及び標的核酸)の存在の検出可能性を提供すること以
外の用途を有する。これらのその他の用途としては、プ
ローブ、クローニング中間物質、配列分析のための基質
としての使用、並びに他の分子生物学的又は分子遺伝学
的方法が挙げられる。
本発明はさらに、本方法を実施するためのキットを要
する。
これらの方法及びキットは、標的核酸分析対象物の検
出のための核酸プローブハイブリダイゼーション検定に
関連して特に有用に適用される。したがって、本発明は
さらに、試料中の核酸分析対象物の存在を検出するため
の方法、及びその方法を実施するためのキットを要す
る。
さらに、本発明の、種々の態様は、相補的配列のRNA
の合成を触媒するための鋳型として、レプリカーゼによ
り自触的複製可能であるRNAの配列を有する複合DNA又は
キメラ核酸をQβレプリカーゼ又は別のRNAレプリカー
ゼが用い得るという発見の、標的セグメントの増幅、標
的核酸分析対象物の検定、及びその他の手順(及びその
ための関連キット)における適用を要する。このRNAは
さらにレプリカーゼにより自触的複製可能であるため、
DNA又はハイブリッド核酸からのRNAの製造工程は、レプ
リカーゼのRNA依存性RNAポリメラーゼ活性により触媒さ
れるRNA及びそのRNA補体の自触的複製を開始する。本発
明のレプリカーゼのDDRP活性のための基質は、上記のよ
うに、レプリカーゼにより自触的複製可能であるRNAの
配列を有する複合核酸セグメントでなければならない。
本発明の種々の多数の実施例の要約を以下に示す。
実施例1:ハイブリダイゼーション/分離/増幅 このフォーマットでは、試料中の核酸セグメントの増
幅方法は、ハイブリダイズ条件下でのプローブと標的核
酸を含有する試料との混合を包含する。遊離の(即ち非
ハイブリダイズ化)プローブを、試料中の核酸とハイブ
リダイズされるものから分離する。次に、ハイブリダイ
ズ化プローブを伴う系に増幅条件を施し、増幅化分子を
検出する。このフォーマットのためのプローブは、その
3′−又は5′−末端でレプリカーゼ増幅性セグメント
と共有結合する抗標的セグメントを有するか、あるいは
レプリカーゼ増幅性セグメント内に、その一部として埋
め込まれる抗標的セグメントを有する。プローブのリポ
ーターセグメントは、全レプリカーゼ増幅性セグメント
であるか又はレプリカーゼ増幅性セグメント内に埋め込
まれるリポーターサブセグメントである。“リポーター
セグメント”は、増幅が起きたか否か(即ち標的核酸が
分析中の試料中に存在するか否か)を検出する際に検定
される増幅化物質のセグメントの配列を有する。プロー
ブは線状分子であってもよい。あるいは、プローブは環
状分子でもよいが、この場合、レプリカーゼ増幅性セグ
メントの一端は抗標的セグメントに直接(即ち単一ホス
ホジエステルを介して)接合し、他端は直接又はコネク
ターセグメントを介して抗標的セグメントと接合する。
ここで図1を参照すると、本発明の一態様は、リポー
ター分子の標的核酸セグメント依存性増幅方法であっ
て、その方法は下記の工程1a〜1dから成る: 1a)その3′−又は5′末端で増幅可能配列、例えばnv
(+)DNAと共有結合する抗標的セグメント(配列)
を、ハイブリダイゼーション条件下で標的配列を含有す
る試料と混合して、標的及び抗標的配列のハイブリダイ
ゼーションを起こす。
1b)当業界で公知のいくつかの手段(例えば、カラムク
ロマトグラフィー)を用いて、非ハイブリダイズ化プロ
ーブ分子から生成されるハイブリッドを分離する。
1c)ハイブリッド分子の増幅性セグメントを、例えばQ
βレプリカーゼのDDRP活性により増幅して、複数のRNA
コピー、例えばnvRNAを産生する。
1d)1cで生成された増幅化物質を、当業界で公知の好適
な手段によって検出する。
ここで図2を参照すると、これは図1のハイブリダイ
ゼーション/分離/増幅フォーマットに用いるための別
のプローブ構築物を模式的に説明するものである。図1
の工程では、プローブ分子はいずれかの末端で抗標的配
列と直接(例えば、単一ホフホジエステルを介して)接
合する増幅性配列を有する(2a,2d)か、あるいは抗標
的セグメントが増幅性セグメント内にあってその一部で
ある(2b,2c)。コネクター配列を用いてプローブを環
化してもよい(2c)。リポーターセグメントは、増幅性
セグメント内に存在する(2d)。任意のこれらのプロー
ブ構築物は、上記の、そして図1に説明されているハイ
ブリダイゼーション/分離/増幅フォーマットに用い得
る。
実施例2−−ヌクレアーゼ保護/増幅 本フォーマットにおいては、プローブはレプリカーゼ
増幅性セグメントの3′末端又は5′末端に隣接する抗
標的セグメントを包含する。プローブの抗標的セグメン
トを選択し、標的核酸を包含すると考えられる試料の核
酸を処理し、標的に対してハイブリダイズされたプロー
ブを、予め選択されたヌクレアーゼによる消化から保護
する。核酸の試料をプローブとハイブリダイズし、予め
選択されたヌクレアーゼを付加して、ハイブリダイズで
きなかったプローブを分解し、次いでDDRP活性のための
鋳型としてプローブのレプリカーゼ増幅性セグメントを
認識するRNAレプリカーゼを付加して、増幅を実施す
る。その結果生じる増幅(標的が存在した場合に)で作
られる分子を検出する。好適なヌクレアーゼ活性を提供
する酵素の例としては、大腸菌エンドヌクレアーゼ VI
I、T4 DNAポリメラーゼ、及び大腸菌DNAポリメラーゼ
IのKlenow断片が挙げられる。
ここで図3を参照すると、これは、以下の工程3a〜3d
から成る、リポーター分子の標的核酸セグメント依存性
増幅方法を説明するものである: 3a)ヌクレアーゼ保護/増幅フォーマットにおいて、標
的核酸配列、及び、その3′末端に直接結合するnv
(−)DNA、nv(+)DNA、又は他の増幅性DNAを包含す
るプローブに、標的及び抗標的配列のハイブリダイゼー
ションを起こさせる条件を施す。
3b)大腸菌DNAポリメラーゼIのKlenow断片、T4 DNAポ
リメラーゼ、又はその他の好適な酵素の3′−〜5′−
一重ヌクレアーゼ活性を用いて、工程3aの生成物質に、
非ハイブリダイズ化プローブの3′末端からのヌクレア
ーゼ消化を施す。ハイブリダイゼーションによる標的と
のその会合のためにヌクレアーゼ消化から保護された残
りのプローブ分子をレプリカーゼを用いて増幅し、増幅
物質(即ち、リポーター分子)を合成し得る。
3c)工程3bにしたがってヌクレアーゼ消化工程を生き残
ったプローブの鎖を、Qβレプリカーゼ又は別のレプリ
カーゼを用いて、且つ鋳型としてプローブの増幅性セグ
メントを用いてこのような酵素のDDRP活性によって、増
幅する。
3d)工程3cの増幅によって生成された分子を、当業者に
公知の好適な手段により検出する。
実施例3−−結紮(連結)/増幅 本フォーマットにおいては、ハイブリダイズ条件下
で、一次非増幅性プローブ及び二次非増幅性プローブで
試料を処理するが、各プローブは増幅性核酸セグメント
の一部を包含し、その部分は抗標的核酸配列に直接接合
される。あるプローブにおいては、抗標的配列を、その
5′末端で増幅可能セグメントの5′部に接合する。他
のプローブでは、抗標的配列をその3′末端で増幅可能
セグメントの3′残部に接合する。抗標的配列は、標的
に対してハイブリダイズされた場合に、それらが互いに
隣接し、結紮可能であるよう選択される。ハイブリダイ
ゼーション後、一次及び二次プローブをリガーゼ酵素、
例えばT4 DNAリガーゼ又は大腸菌DNAリガーゼを用いた
処理により接合して、レプリカーゼ増幅性分子を生成す
る。増幅に際しては、増幅化分子を次に検出する。
ここで図4を参照すると、結紮/増幅を包含する、リ
ポーター分子の標的核酸セグメント依存性増幅のための
方法が模式的に説明されているが、この方法は以下の工
程4a〜4dから成る。
4a)2つの非増幅性プローブA及びBは互いに、抗標的
配列の一部分、例えばそれぞれ抗標的A及び抗標的Bに
直接結合する増幅性配列の一部(両部分はともに増幅性
配列である)、例えばnvA及びnvBを含有する。2つのプ
ローブを、ハイブリダイズ条件下で標的を包含する核酸
と混合する。
4b)T4 DNAリガーゼ、大腸菌DNAリガーゼ、又はその他
の酵素を用いて、抗標的配列を介してプローブを結紮し
て、増幅可能である分子を生成するための好適なリガー
ゼ活性を提供する。
4c)結紮化プローブを、レプリカーゼ(例えばQβ)を
用いて、そのDDRP活性によって、増幅する。
4d)工程4cにしたがって生成された増幅化物質を、当業
者に公知の好適な手段により検出する。
このフォーマットのいくつかの修正が用いられる。先
ず、プローブとして単一分子を用い得るが、この場合、
5′−プローブ(図4のプローブA)の5′−末端は直
接(例えば、ホスホジエステル結合、又はヌクレオシド
を要しない他の短共有結合により)3′−プローブ(図
4のプローブB)の3′−末端に接合される。あるい
は、プローブは環状であってもよいし、即ち末端がコネ
クター配列により接合されてもよいし、あるいはハイブ
リダイゼーション後に結紮により環が形成されてもよ
い。次いで、結紮は増幅性セグメントを伴う一重鎖環を
生じる。
第二の修正は、結紮工程を削除し、DDRP活性のための
鋳型として破断複合セグメントを用いることである。増
幅の能率はこの変化によって低減され、本手順の一工程
が省かれる。
本方法の第三の修正は、抗標的A及び抗標的Bが互い
に正確には隣接しない配列に対してハイブリダイズする
よう2つのプローブを設計することである。この場合、
ハイブリダイゼーション後の且つ結紮前の付加的DNA重
合工程は、結紮を伴わずにDDRP活性のための鋳型として
用い得る、又は結紮し、次いでDDRP活性のための鋳型と
して用い得る破断複合セグメントを形成するための介在
配列を充填する。この変更フォーマットは、標的(及び
抗標的)セグメントの増幅の他に、標的セグメント間の
セグメント(公知でない配列)の増幅の利点を提供す
る。
最後に、一方又は両方のプローブは、それ自体で増幅
可能である。このような場合、結紮分子の増幅化物質
は、プローブ単独のものとは異なる。この差異は、当業
者に公知の分析の一般的方法を用いて検出し得る。
実施例4−−二重延長/増幅 このフォーマットにおいては、その3′−末端で抗標
的配列と共有的に接合するレプリカーゼ増幅性配列の一
部(5′−末端を含む)から成るプローブを、ハイブリ
ダイズ条件下で核酸を含有する試料と混合する。その結
果生じたハイブリッドを、標的が存在する場合は、鋳型
として標的を用いるプライマー依存性延長反応において
3′末端からハイブリダイズ化プローブを延長させるた
めにDNAポリメラーゼ又は逆転写酵素を提供する酵素で
処理する。延長の生成物質を熱変性によるのと同様に標
的から分離し、その3′末端で一次プローブの標的配列
からの5′にある標的の配列の場合と同一の配列と共有
的に接合するレプリカーゼ増幅性配列の一部(5′末端
を含む)から成る二次プローブとハイブリダイズする。
二次プローブの増幅性配列の一部は、増幅性配列の補体
である増幅性配列からのものであって、その一部は一次
プローブの5′末端に存在する。二次プローブ中の標的
の配列は、延長で付加された延長化一次プローブの一部
分の配列と相補的である。したがって、二次プローブの
ハイブリダイゼーションは、一次プローブの延長化生成
物質を用いて生じるが、しかし一次プローブそれ自体に
よっては生じない。変性延長化一次プローブは、二次プ
ローブとハイブリダイズする。その結果生じるハイブリ
ッドを、DNAポリメラーゼ活性を提供する酵素によるプ
ライマー延長のための鋳型として用いる。この延長の生
成物質をレプリカーゼで増幅し、増幅化分子を検出す
る。
本発明のこの、又は任意の他の実施例の、プライマー
延長に用い得るDNAポリメラーゼ活性を提供する酵素の
例としては、大腸菌DNAポリメラーゼI、大腸菌DNAポリ
メラーゼIのKlenow断片、鳥類の骨髄芽球症ウイルス逆
転写酵素、Moloneyネズミ白血病ウイルス逆転写酵素、T
hermus aquaticus DNAポリメラーゼ、M.luteusDNAポ
リメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7DNAポリメラー
ゼ、Thermus flavus DNAポリメラーゼ、Baciluus le
cheniformisDNAポリメラーゼ、Bacillus stearothermo
philus DNAポリメラーゼ、あるいはその他のDNAポリメ
ラーゼ、逆転写酵素、又はプライマー開始化鋳型依存性
DNAポリメラーゼ活性を有する酵素が挙げられる。本発
明のこの、又は任意の他の実施例の、プライマー延長に
用い得る逆転写酵素活性を提供する酵素の例としては、
鳥類の骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素、Moloneyネズミ
白血病ウイルス逆転写酵素、任意のその他のレトロウイ
ルスの又はレトロトランスポゾンの逆転写酵素、Thermu
s aquaticus DNAポリメラーゼ、あるいは逆転写酵素
活性を有するその他の酵素が挙げられる。
2つのプローブを、異なる時期に又は同時に付加し得
るが、しかし標的からの一次延長生成物質の鎖分離は一
次延長に用いるポリメラーゼを変性する温度での熱変性
を用いる場合には、付加的ポリメラーゼを二次延長のた
めに付加する必要がある。
ここで図5を参照すると、本実施例は、二重延長/増
幅フォーマットを用いるリポーター分子の標的核酸セグ
メント依存性増幅のための方法に関するものであって、
本方法は以下の工程5a〜5fから成る: 5a)二重延長/増幅フォーマットに関して記載されてい
るような2つのプローブA及びBを用いる。これらのプ
ローブは互いに相補的でない。即ちプローブAの延長前
には、2つのプローブは、鋳型依存性プライマー開始DN
A延長反応を起こさせるのに十分な安定性を有する手法
に用いられるハイブリダイズ条件下で互いに対してハイ
ブリダイズし得ない。プローブAは、その5′端にnv
(+)DNAの非増幅性5′部分を包含し得る。次に、プ
ローブBは、その5′端にnv(−)DNA(即ち、ナノ変
異体DNA鎖プローブAの5′端が一部分であるナノ変異
体DNA鎖の配列と相補的な配列を有するナノ変異体DNA
鎖)の非増幅性5′部分を包含する。2つのプローブの
抗標的配列は特異性を提供し、鋳与に関するプライマー
依存性DNA合成を起こさせるのに有効である;したがっ
て、それらは少なくとも約10ヌクレオチド、さらに一般
的には20〜50ヌクレオチドの長さである。工程5aでは、
プローブAと核酸の混合物に、プローブ中の抗標的配列
による標的のハイブリダイゼーションを引き起こす条件
を施す。
5b)標的が存在する場合に生じたハイブリッドをDNAポ
リメラーゼ又は逆転写酵素で処理して、工程5aにしたが
ってハイブリダイズされるプライマーとしてのプローブ
Aの3′末端からのプライマー延長により隣接抗標的核
酸配列を生成する。
5c)工程5bにしたがって生成された延長プローブ鎖を、
熱変性により原標的から分離する。ここでは工程5bにし
たがって生成されるような延長配列を有する原プローブ
Aを、次にプローブBでハイブリダイズする。プローブ
Bの3′−抗延長化プローブAセグメントの配列を提供
するために選択される標的核酸のセグメントによって、
プローブBはプローブA中に元来存在する抗標的セグメ
ントに、又はこの“原”抗標的セグメントの3′端から
の3′である延長プローブAのセグメントに直接接して
ハイブリダイズし得る。一般に、プローブBがハイブリ
ダイズするセグメントは、原抗標的セグメントの3′端
の2000ヌクレオチド内であって、通常はもっと接近して
いる。本方法の実施には、プローブAの標的セグメント
の3′端とプローブBの5′端にも存在する標的セグメ
ントの5′端との間の標的のセグメントの配列について
の知識を要しないことは、注目すべきである。
5d)次に、増幅性DNAを、工程5cにしたがってプローブ
Aを延長するためにハイブリダイズされるプライマーと
してのプローブBからのプライマー延長により生成す
る。
5e)工程5dで生成された増幅性分子をレプリカーゼを介
して、そのDDRP活性を用いて増幅する。
5f)当業者に公知の好適な手段によって、増幅化物質を
検定する。
本工程は、プローブA又はプローブB、又はその両方
として、増幅可能なプローブを用いて、修正し得る。こ
の場合、工程5eで生じた増幅化物質は、当業者に公知の
好適な手段により、原プローブA(及びB)のものとは
区別し得る。さらに、本方法は、試料中の標的の存在に
関する検出可能性を提供する他に、増幅化物質のその他
の使用を包含するために修正し得る。
実施例5−−cDNA合成/増幅 このフォーマットにおいては、その3′末端で抗標的
配列と共有的に接合するレプリカーゼ増幅性配列から成
るRNAプローブを、ハイブリダイズ条件下で試料中の核
酸と混合する。次にハイブリダイズ化分子を逆転写酵素
で処理する。その結果生じたRNA−DNAハイブリッドのRN
A部分、及び非ハイブリダイズ化RNAプローブを、次に破
壊する。次いで残りのDNA配列の全部又は一部を、RNAプ
ローブのレプリカーゼ増幅性セグメントを増幅するため
に用い得るレプリカーゼ酵素を用いて増幅し、その結果
生じた増幅化分子を次に検出する。逆転写酵素の例とし
ては、鳥類の骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素、Moloney
ネズミ白血病ウイルス逆転写酵素、及びThermus aquat
icus DNAポリメラーゼが挙げられる。非ハイブリダイ
ズ化プローブ、及びRNA−DNAハイブリッドのRNA部分の
破壊は、塩基性条件下で、例えば水酸化ナトリウムの添
加により増強される。RNA−DNAハイブリッドのRNA部分
の破壊は、大腸菌又は他の種からのRNアーゼのような好
適な酵素により酵素的に達成してもよい。遊離プローブ
は種々のリボヌクレアーゼを用いて消化し得る。
ここで図6を参照すると、本実施例は、cDNA合成/増
幅フォーマットを用い、以下の工程6a〜6eから成る、リ
ポーター分子の標的核酸セグメント依存性増幅のための
方法である。
6a)標的核酸配列を、nv(+)DNA、nv(−)DNA、又は
その3′末端で抗標的核酸配列と共有結合するその他の
増幅性RNAの一部を包含する増幅性RNAプローブでハイブ
リダイズする。標的セグメントの3′端は標的分子の
3′端に存在し、RNAプローブを伴うハイブリッドにお
いては、抗標的セグメントの5′端のヌクレオチドと相
補的である。
6b)ハイブリッド分子の鎖を、AMV逆転写酵素、又は別
の好適な逆転写酵素の存在下でプライマー延長により引
き伸ばす。
6c)非ハイブリダイズ化RNAプローブ及び鎖延長化RNAを
化学的に、例えば水酸化ナトリウム処理により、又は酵
素的に、例えばRNアーゼ処理により消化する。非ハイブ
リダイズ化プローブを工程6bの前に取り除いてもよい。
6d)処理試料を酸、又は緩衝液(工程cに記載の水酸化
ナトリウム処理の場合)、あるいはRNアーゼ阻害剤(RN
アーゼ処理の場合)で中和する。
6e)工程cで生成されたDNAは増幅性セグメントを有
し、これらを、RNAプローブの増幅性セグメントを自触
的複製できるレプリカーゼのDDRP活性により増幅する。
増幅化物質は、当業者に公知の好適な手段により検出
し得る。
本フォーマットのいくつかの特定の付加及び修正は、
特定の適用に有用である。例えば、本方法は、3′末端
の末端ヒドロキシルが、工程6bに記載されている延長工
程のための標的配列の末端で役立つことが必要である。
標的がこの様式でそれ自体存在しない場合は、変性及び
ハイブリダイゼーション前の制限エンドヌクレアーゼに
よる限定部位での標的配列の消化が、一つの選択であ
る。第二の選択は、ハイブリダイゼーション前のヌクレ
アーゼによる剪断、化学的開裂、又は消化による無作為
標的3′端を生成することである。第三の選択は、3′
−〜5′−エキソヌクレアーゼ活性を提供するための酵
素、及び逆転写酵素活性を提供するための酵素の存在下
で工程6aで形成されるハイブリッドを処理することであ
る。エキソヌクレアーゼ活性は、ハイブリダイズ化試料
核酸の張り出し3′末端を、プローブの抗標的部分を補
足する部分に切り取る。次に、逆転写酵素活性は、ハイ
ブリダイズ化3′−ヒドロキシル末端からの配列を延長
する。
ここで図7を参照すると、標的配列の末端で必要な
3′末端ヒドロキシルの生成のための第四の方法は、以
下の工程7a〜7dから成る: 7a)標的核酸を2つのプローブA及びBを用いて、ハイ
ブリダイズした場合にプローブが少なくとも一つの、さ
らに一般的には少なくとも数個の、約2000までのヌクレ
オチドの介在ギャップにより分離される。プローブA
は、DNA、RNA、又はキメラ核酸である。プローブBは、
それ又はその延長生成物質がRNAを分解する条件下での
分解に耐性でなければならないので、好ましくはDNAで
ある。
7b)プローブAがハイブリダイズするセグメントからの
3′にある標的セグメントに対してハイブリダイズされ
るプローブBを、T7 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメ
ラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI、又はそのKlenow断
片、あるいは延長反応を触媒するための別の好適なポリ
メラーゼ又は逆転写酵素の存在下で、プライマー延長に
より延長する。
7c)延長プローブBを、当業者に公知の手段、例えば熱
変性によって、標的核酸から分離する。プローブAによ
りプローブBの延長が遮断されて、プローブBに限定
3′端が提供されることに留意すべきである。
7d)〜7h)次に、分離延長プローブBを用いて、三番目
のプローブであるプローブCとともに用いる。このプロ
ーブCは、検出され得るリポーター分子を生成するため
の図6のRNAプローブと同様に、延長プローブBに関し
て、同一の機能的特性を有するRNAである。工程7d)〜
h)は、それぞれ工程6a)〜6e)に対応する。
cDNA合成/増幅フォーマットの別の修正は、RNAプロ
ーブを、キメラ分子のレプリカーゼ触媒化自触的複製性
がアルカリ又はRNアーゼ処理により破壊されるように、
デオキシリボヌクレオチド及び少なくとも2つのリボヌ
クレオチドを包含するキメラ分子に置換することであ
る。“バックグラウンド”を最小に減じるのに必要なキ
メラプローブの完全消化が完全RNAプローブを用いた場
合よりも困難であるので、同一配列の完全RNAプローブ
と比較した場合、このような増幅背セグメントを伴うプ
ローブを用いる工程は実質的に効率の低減を伴って進行
するにもかかわらず、2組のリボヌクレオチドを有する
PM1500は、このようなキメラプローブの増幅性セグメン
トとして用い得るRNAの一例である。完全RNAプローブの
代わりにキメラプローブを用いる方法の工程はすべて、
本抗に記載されているとおりに実施し得る。
検出方法 増幅化生成物質の検出は、当業者に公知の方法及び物
質により実施し得る。このような検出方法は、RNAと染
料との反応、及び染料−RNA複合体の検出を含む。特
に、RNA増幅生成物質が、染料と複合体を形成する他の
核酸の有意のバックグラウンド中に存在する場合には、
染料−RNA複合体の形成による増幅生成物質の検出は、
増幅反応の生成物質を検定するために増幅反応が実施さ
れた、そして特徴的なサイズを有するその試料の核酸の
サイズにより分離することにより(電気泳動、クロマト
グラフィー等によるのと同様に)達成される。本発明の
増幅反応後に染色により試料中に見出される予測サイズ
の核酸が増幅反応からのRNAであるという確証は、配列
特異的検出方法、例えば下記のような核酸プローブハイ
ブリダイゼーション法を用いて得られる。染料として
は、“stains all"(Dahlberg,et al.(1969),J.Mo
l.Biol.,Vol 41,pp.139−147)、メチレンブルー(Din
gman and Peacock(1968),Biochemistry,Vol.7,pp.6
59−668)、及び銀染色(Sammons,et al.(1981),Ele
ctrophoresis,Vol.2,pp.135−141;Igloi(1983),Anal.
Biochem.,Vol.134,pp.184−188)のような色原性染料、
並びにエチジウムブロミド(Sharp,et al.(1973),Bi
ochemistry,Vol.12,pp.3055−3063;Bailey and David
son(1976),Anal.Biochem.,Vol.70,pp.75−85)、アク
リジンオレンジ、プロピジウムイオダイド、及びエチジ
ウムヘテロダイマーを含めたRNAと結合する蛍原性化合
物が挙げられる。
当業者に公知の別の検出方法としては、修飾取り込み
リボヌクレオチドの標識からの直接の信号に基づく、あ
るいはこのような標識の存在に依る増幅化生成物質のそ
の後の反応によって生成される増幅化生成物質の検出前
に、非取り込み、修飾リボヌクレオシド三燐酸塩からの
増幅生成物質の増幅化生成物質中への特異的な修飾化検
出可能リボヌクレオチドの取り込みとその後の分離(例
えば、クロマトグラフィー又は電気泳動による)を引き
起こすリボヌクレオチド増幅反応中の修飾リボヌクレオ
シド三燐酸塩の使用が挙げられる。最も一般的には、修
飾化リボヌクレオチドを、32P又は35Sのような同位元素
で放射性標識する。本発明の増幅に起因してRNA中に取
り込まれるこのような同位元素からのベータ粒子放射の
検出は、当業界で十分公知のインチレーション計数又は
オートラジオグラフィーのような方法により実施する。
塩基上に発光、蛍光、又は色原性部分を保有するよう修
飾されるリボヌクレオシド三燐酸塩を増幅生成物質中に
取り込ませ、次いで当業者に公知の種々の方法及び手段
により検出し得る。増幅生成物質中への修飾リボヌクレ
オチドの取り込みのためのレプリカーゼにより耐容され
るリボヌクレオシド三燐酸塩の他の修飾としては、塩基
がビオチン(例えば、BethesdaResearch Laboratorie
s,Gaithersburg,Maryland,USAから市販されている“ビ
オチン−11−UTP")、イミノビオチン、ジゴキシゲニン
(例えば、ジゴキシゲニン−11−UTP。これはBoehringe
r Mannheim Biochemicals,Indianapolis,Indiana,USA
から市販されている)、抗原、酵素阻害剤のような“親
和性分子”に結合するものが挙げられるが、これらは、
例えば、当業者に理解されるようなビオチンに反応性の
酵素標識化アビジン又はストレプトアビジン、ジゴキシ
ゲニンのような抗原親和性分子に特異的な酵素標識化抗
体、又は酵素阻害剤親和性分子に反応性の酵素の複合体
とその後の反応により増幅生成物質に検出可能性を提供
する。例えば、増幅生成物質のウラシル部分に結合する
ビオチンと、前記のような検出可能物質に、又は検出可
能(例えば呈色)物質を生じるために反応する基質との
反応を触媒する酵素に抱合されるアビジン又はストレプ
トアビジンとの反応は、当業者には公知の検出手段であ
る。
当業者に公知である本発明の増幅の生成物質の別の検
出手段としては、このような生成物質を包含すると考え
られる核酸の試料と生成物質の全配列又はこのような配
列の予め選択された部分(“リポーター”配列又はセグ
メント)を伴うセグメントを包含する核酸プローブとの
ハイブリダイゼーションが挙げられる。増幅生成物質
は、自触的複製を含めた工程に起因するために、レプリ
カーゼのDDRP活性のための基質であるDNAセグメントの
配列を有するRNA、及びその相補的配列を有するRNAを包
含する。このような両RNAに対するプローブは、特に、
2つのうちの1つが他方よりも有意に過多に存在する場
合には、同時に用い得る。核酸プローブを何らかの方法
で標識化して、それを検出可能にする。例えば、それ
は、それ自体増幅生成物質の標識化と関連して上記のよ
うに少なくとも1つの放射能で標識化された又は別の方
法で修飾されたヌクレオチドを包含するか、あるいは信
号発生(例えば色原性)反応を触媒し得る酵素で直接
(共有的に、及びプローブの標的とのハイブリダイゼー
ションに用いる前に)標識化される。核酸プローブハイ
ブリダイゼーションにより増幅生成物質を検出する方法
及び手段は、当業界で十分公知である。例えば、ビオチ
ンを保有するヌクレオチドをForster(1985),Nucleic
Acids Res.及びLange(1981),Proc.Natl.Acad.Sc
i.,USAに記載されているような核酸中に取り込ませた場
合、生成物質は、先ずそれらをアビジン又はストレプト
アビジンと信号発生部分との抱合体と反応させ、次に信
号発生部分を検出することにより検出される。信号発生
部分としては、発光、蛍光又は呈色性(色原性)化合
物、反応物質をこのような化合物の1つに変換する酵
素、あるいは他の反応物質及び/又は酵素の存在下で反
応して発光、蛍光、又は呈色性化合物を生じる分析対象
物が挙げられる。1アトモルという少量のリポーターRN
Aが、放射能標識化プローブを用いたそれのための核酸
プローブハイブリダイゼーション検定で検出可能であ
る。
当業者が理解しているように、本発明の増幅反応で生
成されるリポーターRNAの量が絶対量(染料と複合され
た場合に、他の核酸が存在しない場合でもRNAが検出可
能であるように)で、及び原試料の核酸の量と比較(染
料と他の核酸との間の複合体による“バックグラウン
ド”が染料とリポーターRNAとの複合体を検出不可能に
しないように)して相当な量である場合、放射能で、又
は他の方法で修飾したリボヌクレオチドの取り込み、又
は核酸プローブハイブリダイゼーション検定法による分
析は、増幅化生成物質の検出には必要でない。増幅化物
質は、しばしば、例えばゲル電気泳動で他の核酸からサ
イズによって分離後に、発光、蛍光、又は呈色性染料と
の反応により直接検出可能である。当業者は、一定の染
料、増幅からのRNA生成物質の一定のサイズ、及びサイ
ズによる核酸の分離のために用いる一定の方法、他の核
酸が存在しない場合の増幅生成物質の最小検出可能量を
決定できる。一般に、公知サイズの5ナノグラムのリポ
ーターRNAを提供するための本発明による増幅は、電気
泳動及び染色による整粒後にRNAを検出するのに十分で
ある。
別の検出方法としては、増幅工程に包含される試薬の
1つの集積又は欠失の検出が挙げられる。例えば、自触
的複製中に、AMPがリポーターRNA分子中に取り込まれる
と、リボヌクレオシド三燐酸ATPが消費される。ATPの濃
度は、甲虫の(例えばP.pyralisからの)発光のような
ルシフェラーゼで触媒される生物発光による公知の方法
を用いて正確に測定し得る。したがって、本発明による
増幅は、このような増幅が生じている溶液からのATPの
欠失を検出するためのルシフェラーゼに触媒される生物
発光を用いて検出し得る。
増幅後の一般的分離方法 自触的複製による増幅で生成され、普通の又は修飾化
ヌクレオチドを含有するか又は染料と結合したRNAの分
離は、一般に、当業界に公知の方法及び手段によって実
施する。例えば、増幅化物質はフィルター又は粒子と結
合し得るし、非結合修飾ヌクレオチド又は染料は好適な
洗浄条件に依り分離及び除去される。結合工程は非特異
的であって、例えば全核酸を結合するが、しかし非取り
込み物質は結合しない;あるいは、特異的であって、特
定の配列又は他の特性を包含する核酸のみを結合する。
特異的結合は、任意の種々の支持物質(例えば、当業界
で理解されるようなマイクロ滴定プレート上の穴の表
面、ラテックス、又はアガロースビーズ(磁気ビーズを
含む)、クロマトグラフィー用樹脂)と結合し、ある種
の核酸と特異的に複合可能な物質により示される。例え
ば、特異的に結合される核酸が本発明の増幅に起因する
RNA増幅生成物質である場合、このような特異的結合物
質としては、特異的種類の核酸、例えば二重鎖RNA;増幅
化生成物質中の配列と相補的な特異的配列を有するセグ
メントを包含する核酸;又は前記のような増幅工程で生
成されるRNA中のビオチンと複合するためのアビジン又
はストレプトアビジンに対する抗体が挙げられる。
リポーター分子の産生以外の本発明の適用 Qβレプリカーゼ及びその他のRNAレプリカーゼのDDR
P活性に起因する生成物質は、RNAプローブを用い得る本
質的にあらゆる適用に核酸プローブとして用い得る。例
えば、プローブ配列が取り込まれるナノ変異体RNAは、
レプリカーゼのDDRP活性を用いてナノ変異体プローブ配
列含有RNAの同一(又は相補的)配列のナノ変異体DNAセ
グメントで始まり、サザーンハイブリダイゼーション、
ノーザンハイブリダイゼーション、スロット部ロット及
びドットブロットハイブリダイゼーション、並びにin
situハイブリダイゼーションを含めた、固体支持体を包
含するいくつかのハイブリダイゼーションフォーマット
に用い得る。他の固体表面上、例えばラテックスビーズ
又はパラ磁気粒子上での、並びに溶液中でのハイブリダ
イゼーションは、増幅からの分子の有効な用途である。
RNAプローブは、上記のように、DNAからの製造される、
又は自触的複製可能な工程で標識化され、プローブ化さ
れている核酸の試料中に存在し得る標的とハイブリダイ
ズするために標識化されずに用い得るし、次に、このよ
うなハイブリダイゼーションが生じていた場合には検出
前にさらに自触的複製(おそらくは上記のような同時標
識化により)させるための条件を施す。
本発明による増幅からの生成物質は、遺伝子発現研究
にも用い得る。ペプチド又は蛋白質をコードする配列の
上流の翻訳開始部位を含有するカセットの増幅可能DNA
配列中への導入、並びに、翻訳系、例えばX.laevis卵母
細胞系、又はin vitroウサギ網赤血球溶解物系と組み
合わせて、鋳型としてこの構築物を用いてレプリカーゼ
のDDRP活性により開始される自触的複製によって作られ
るRNAの使用により、有意量の問題の蛋白質が産生され
る。
増幅からの生成物質は、当業者に公知のRNAのシーケ
ンシングのための標準方法を用いた配列分析のための基
質としても用い得る。
本発明によれば、複合増幅可能DNAを包含する核酸、
又はキメラ核酸セグメントも、例えば、Chu et al.,P
CT出願WO87/06270、又は米国特許第4,957,858号に記載
されているように、親和性分子が特異的に結合する分析
対象物を検出する場合に用いられる抗体、核酸プローブ
等を含めた、“親和性分子”を標識するために自触的複
製可能RNAの代わりに用い得る。このような核酸標識
は、これらのChu et al.の文献中に記載されているよ
うな親和性分子と共有的又は非共有的に、接合又は結合
する。ある態様において、核酸標識は、増幅性二重鎖複
合DNA又は非類似性キメラ核酸から成り、このように、
その配列として自触的複製可能RNAを有する。好ましく
は、標識、及び標識を親和性分子に接合させるリンカー
は、プロモーター又はその鎖からのセグメントを包含せ
ず、それにより標識の増幅性セグメントは、標識、又は
標識及びリンカーを二重鎖にするのに必要な任意の処理
後に自触的複製可能RNAに転写される。本発明によれ
ば、このような転写を要しないのが有益である。増幅可
能複合DNA又はキメラ核酸セグメントを包含する本発明
の核酸標識を、自触的複製可能RNA標識に関して実質的
にPCT出願WO87/06270、又は米国特許第4,957,858号に記
載されているように処理して、親和性分子に対する検出
可能性を提供する。PCT出願WO87/06270、及び米国特許
第4,957,858号に記載されている、Qβレプリカーゼ又
は別のRNAレプリカーゼにより自触的複製可能で、核酸
分析対象物に対応する抗標的セグメントをも包含するRN
A親和性分子は、本発明によれば、同一配列のDNA又はキ
メラ核酸と置換され得る。
キット 他の態様において、本発明は、上記の方法によるリポ
ーター分子の標的核酸セグメント依存性増幅を実施する
ためのキット、及び少なくとも1つの核酸が予め選択さ
れた標的配列を含有すると考えられる一つ又はそれ以上
の核酸を含有する試料中の特異的標的核酸分析対象物の
検出のための診断キットに関する。キットは、好ましく
は、各成分のための個別の容器を有する多数容器ユニッ
ト中に包装する。本発明に関するキットの例を以下に示
す: 実施例1(キット1)ハイブリダイゼーション/分離/
増幅キット ハイブリダイゼーション/分離/増幅キットは、別々
の容器中の以下の成分と一緒に包装される少なくとも2
個の容器を包含する: (a)複合増幅可能核酸セグメント又はその一部、及び
抗標的核酸セグメント(プローブが増幅性セグメントの
一部分のみを有する場合のためのキット3についての以
下の説明を参照。このような場合は、少なくとも2つの
プローブが存在しなければならない)を有するオリゴヌ
クレオチドを包含するハイブリダイゼーション溶液;及
び (b)Qβレプリカーゼ又は別のRNAレプリカーゼを有
する増幅緩衝液。これは成分(a)のプローブの増幅性
セグメントによるDDRP活性を有し、上記の緩衝液は上記
のレプリカーゼのDDRP活性に適している。
好ましいハイブリダイゼーション液は、以下の物質を
包含する:5X SSC(750mM NaCl,75mM クエン酸ナトリ
ウム)、2%硫酸デキストラン、40mM 燐酸ナトリウ
ム,pH6.5、0.1mg/ml 剪断及び変性ニシン精子DNA、0.0
2%フィコール、0.02%ポリビニルピロリドン、及び0.0
2%血清アルブミン(Pentax Fraction V)。
Qβレプリカーゼのための好ましい増幅緩衝液は以下
の成分を包含する:40mM Tris・HCl,pH7.5、10mM MgCl
2、及び各々1mMのrATP、rGTP、UTP、及びrCTP。
ハイブリダイゼーション/分離/増幅キットはさら
に、非ハイブリダイズ化プローブからのハイブリダイズ
化プローブの分離を実施するために、緩衝液及びの他の
成分(例えば、ゲルを含有するカラム)を含む。
実施例2(キット2)ヌクレアーゼ保護/増幅キット ヌクレアーゼ保護/増幅キットは、別々の容器中の以
下の成分と一緒に包装される少なくとも3個の容器を包
含する: (a)ヌクレアーゼ保護/増幅法にしたがって使用する
ための複合増幅可能核酸セグメント及び上記のその他の
特性を有するオリゴヌクレオチドプローブを包含するハ
イブリダイゼーション緩衝液; (b)ヌクレアーゼ保護/増幅法にしたがって、検定に
おいて標的とハイブリダイズしない任意のプローブの分
解を触媒するためのエキソヌクレアーゼを含有するエキ
ソヌクレアーゼ緩衝液;及び (c)キット1におけると同様の増幅緩衝液。
好ましいハイブリダイゼーション緩衝液及び増幅緩衝
液は、キット1の説明中に上記されている。
好適なエキソヌクレアーゼ緩衝液は以下の成分を包含
する:40mM Tris・HCl,pH7.5、10mM MgSO4、及び0.1mM
ジチオトレイトール。
実施例3(キット3)結紮/増幅キット 結紮/増幅キットは、別々の容器中の以下の成分と一
緒に包装される少なくとも2個の容器包含する: (a)オリゴヌクレオチドプローブを含有し、そのうち
の少なくとも1つがDNA又はキメラプローブであり、一
緒に結紮されるものが複合増幅性セグメントを包含し、
そして本発明の結紮/増幅法にしたがって用いられるプ
ローブに関して上記されているその他の特性を有するプ
ローブを有するハイブリダイゼーション溶液;及び (b)T4DNAリガーゼ又はその他のリガーゼ、及びQβ
レプリカーゼ又は他のRNAレプリカーゼ(DDRP活性によ
り、互いに隣接してハイブリダイズされる場合に成分
(a)のプローブ中に生じる増幅性セグメントを増幅可
能である)を有する増幅緩衝液。上記の緩衝液は、二重
鎖DNAの一重鎖破断のリガーゼによる結紮、並びにレプ
リカーゼのDDRP活性に適している。
好ましいハイブリダイゼーション液は、キット1の説
明中に上記されている。
好ましい結紮/増幅緩衝液は以下の成分を包含する:
キット1の増幅緩衝液の全成分+1mM ATP、及び0.05mg
/mlウシ血清アルブミン。
キット1の増幅緩衝液は、標的に対してハイブリダイ
ズ化されたプローブが結紮されない場合に、結紮/増幅
緩衝液の代わりに用い得ることに留意すべきである。
実施例4(キット4)二重延長/増幅キット 二重延長/増幅キットは、別々の容器中の以下の成分
と一緒に包装される少なくとも3個の容器を包含する: (a)RNAレプリカーゼのDDRP活性により増幅可能な複
合核酸を産生するために、オリゴヌクレオチドプロー
ブ、及び上記のその他の特性を有するハイブリダイゼー
ション溶液; (b)DNAポリメラーゼ活性を提供するためのDNAポリメ
ラーゼ又は逆転写酵素を含有する延長緩衝液;及び (c)キット1におけると同様の増幅緩衝液。
好ましいハイブリダイゼーション溶液は、キット1の
説明中に上記されている。好ましい延長緩衝液は、以下
の成分を包含する:40mM Tris・HCl,pH7.5、10mM MgSO
4、0.1mM ジチオトレイトール、及び各々0.04mMのdAT
P、dCTP、dGTP、及びTTP。
実施例5(キット5)cDNA合成/増幅キット cDNA合成/増幅キットは、別々の容器中の以下の成分
と一緒に包装される少なくとも4つの容器を包含する: (a)本発明のcDNA合成/増幅法に関して上記されてい
るようなオリゴヌクレオチドプローブ(上記の手順5参
照)、及び本方法の実施例に用い得るその他のプローブ
(上記の手順6参照)を含有するRNA−又はキメラ−増
幅性セグメントを有するハイブリダイゼーション溶液; (b)AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、又はその他の
逆転写酵素を含有し、酵素による逆転写の触媒に適した
逆転写酵素緩衝液; (c)プローブ上の標的により用意された逆転写後にRN
A又はキメラプローブを分解するための溶液;そして (d)成分(a)におけるRNA又はキメラプローブの増
幅性セグメントを増幅し得るレプリカーゼ(例えば、Q
βレプリカーゼ)を含有するキット1と同様の増幅緩衝
液。
好ましいハイブリダイゼーション溶液及び増幅緩衝液
は、キット1の説明に上記されている。好ましい逆転写
酵素緩衝液は、以下の成分を含有する:34mM Tris・HC
l,pH8.3、50mM NaCl,5mM MgCl2、5mM ジチオトレイ
トール、並びに各々1mMのdATP、dGTP、TTP、及びdCTP。
好ましいRNA分解溶液は1N NaOHである。
実施例6(キット6)ハイブリダイゼーション/増幅キ
ット ハイブリダイゼーション/増幅キットは、上記のハイ
ブリダイゼーション/分離/増幅キットと同じである
が、しかし非ハイブリダイズ化プローブからのハイブリ
ダイズ化プローブの分離のための成分を含まない。
本発明のキットはさらに、本発明にしたがって生成さ
れるRNAの検出、又は他の用途のための試薬を含む。
本発明のキットにおいて、プローブ、RNAレプリカー
ゼ、他の酵素(プロセッシングに必要)、及びその他の
成分は、水性溶液の成分としてよりも親液性形態で提供
される。したがって、本発明のキットのプローブ保持容
器、レプリカーゼ保持容器、酵素保持容器等は、乾燥、
親液性形態で、プローブ、レプリカーゼ、他の酵素等を
保持し得る。
当業者に理解されているように、診断検定、及び本発
明に関連して意図されるモノのようなその他の試験は、
一般に、検定又は試験に使用する試薬が適正に機能し
て、試験試料中に分析対象物が存在する場合には分析対
象物の存在を示す信号を発し、“バックグラウンド”信
号(一般には分析対象物を含有しないことが公知の対照
試料からの信号)のレベルを提示する(試験試料から得
られる信号は、試験試料が分析対象物を含有したと確実
に結論を下す前に過分出なければならない)ことを保証
するために、好適な正又は負の“対照”試料と平行し
て、試験試料で実施する。対照試料は、分析対象物の量
又は濃度の関数としての信号の測定値を提供し、それに
よって試験試料中の分析対象物の量又は濃度を定量し得
る。さらに、試験試料中に存在することが公知の“対
照”分析対照物は、公知の濃度(例えば2ベータヘモグ
ロビン遺伝子/正常赤血球)での、又はこれもおそらく
公知の濃度で試験試料中に故意に付加された数例におい
ては、試験試料中での試験中の分析対象物に関する試験
に際しての定量のための好適な対照又は基準を提供する
ために用い得る。本発明のキット、特に分析対象物のた
めの試験キットは、試験試料中の分析対象物の存在を測
定するか、又はその量を定量する場合のキットの使用の
ための好適な対照を提供するためのプローブ及び試薬を
包含し得る。
以下の実施例で本発明をさらに説明するが、これらは
本発明を限定するものではない。
実施例 実施例1 これは、RNAレプリカーゼ、即ちQβレプリカーゼのD
DRP活性を用いたDNAの増幅の実施例である。増幅化DNA
は、SEQ ID NO:444、即ち で特定される配列を有するナノ変異体DNAである。この
配列を有するナノ変異体DNAは、本発明においては“nv
(+)DNA"と呼ばれる。nv(+)DNAの配列と相補的な
配列を有するナノ変異体DNAは、本明細書中ではnv
(−)DNAと呼ばれる。その一本鎖がnv(+)DNAで他方
の鎖がnv(−)DNAである90塩基対二重鎖DNAは、本明細
書中ではnvDNAと呼ばれる。nv(+)DNAの50アトモル試
料を、以下の工程で増幅した:50アトモルのnv(+)DNA
を、以下の成分をが有する最終容量10μlの混合液中に
入れた: 10mM Tris・HCl,pH7.5; 15mM MgCl2; 各々1mMのリボヌクレオシド三燐酸ATP、GTP、UTP、CT
P;及び 100μg/ml Qβレプリカーゼ。
混合液を30℃で60分間インキュベートし、10μlの2
倍濃度の反応停止溶液(2x反応停止溶液:100mM EDTA、
0.2% NaPPi(即ち、ピロ燐酸ナトリウム)、1μg/ml
エチジウムブロミド)を含有するマイクロ滴定穴に移
した。反応混合液に中間波長(302nm)の紫外線を照射
し、増幅化生成物質を会合蛍光発光により可視化した。
nv(+)DNAを含有する反応混合液からの蛍光を、対照
試料からnv(+)DNA反応混合液と同様の方法で調製
し、nv(+)DNAを欠くことを除いてはnv(+)DNAを有
する試料と同じである対照反応混合液からの蛍光と比較
した。
結果は、nv(+)DNA含有試料を用いて調製した反応
混合液中に少なくとも100倍以上の蛍光物質が存在する
ことを示した。この量的差異は、反応混合液からの蛍光
を、同一条件下で分析したニシン精子DNAの希釈試料を
含有する蛍光基準と比較して、確定した。
実施例2 実施例1に記載されている増幅反応の生成物質をさら
に、以下の手順にしたがって、8%ポリアクリルアミ
ド,7M 尿素変性ゲル上での電気泳動により分析した。7
6g/ アクリルアミド、8g/ ビス−アクリルアミ
ド、440g/ 尿素、500μl/ TEMEDを1xTBE(1xTBE:
89mM Tris塩基、89mM 硼酸、2mMEDTA)中で混合し
て、30mlのゲル(厚さ0.4mm)を調製した。この溶液30m
lに、10%過硫酸アンモニウムの50μlの新鮮な溶液を
添加した。ゲル重合後、nv(+)DNA増幅反応混合液の
5μl試料(25アトモルのnv(+)DNAを含有する)
を、ゲル上に載せる前に、20μlのブルージュース(ブ
ルージュース:600mg/ml 尿素、1mM EDTA、5%グリセ
ロール、0.05%ブロモフェノールブルー、0.05%キシレ
ンシアノール)中で2分間90℃に加熱して、処理した。
ゲルを300ボルトで30分間予行し、試料を載せた後、400
ボルトで1時間実行した。次に、ゲルを0.5μg/mlのエ
チジウムブロミドの溶液中で20分間染色し、302nmの紫
外線にゲルを暴露させて生じた蛍光で核酸を可視化し
た。
結果は、増幅反応の生成物質が、90塩基RNAの増幅と
一致する位置に単一バンドとして移動したことを示し
た。生成物質はエチジウムブロミドの存在下で蛍光を発
し、リボヌクレオシド三燐酸塩を用いて合成されたた
め、それはRNAであったに違いない。増幅前の原DNA物質
(ゲルに載せたときに溶液中に1pg未満で存在していた
と考えられる)は、この工程では見えなかった。
増幅化物質がRNAの両鎖を含有することを確定するた
めの手順は、以下のとおりであった。上記と同様に、2
つの染色ゲノムを調製した。各々を、0.5μg/mlのエチ
ジウムブロミドを含有する0.1xTBEに20分間浸漬し、核
酸を電気泳動によって、0.1xTBE中に50ボルトで10分
間、Hybond膜フィルター(Amersham,Cat.No.RPN.203N,A
rlington Heights,Illinois,USA)に転移させた。フィ
ルターを0.1xSSC(1xSSC:150mM 塩化ナトリウム、15mM
クエン酸ナトリウム),0.5% SDS中で65℃で30分間
洗浄した。次に、フィルターを5xSSC,40mM NaPO4,5xDe
nhardtの溶液(1xDenhardtの溶液:各々200μg/mlのフ
ィコール、ポリビニルピロリドン、及びウシ血清アルブ
ミン(BSA))、0.1mg/mlの剪断及び変性ニシン精子DN
A、及び10% 硫酸デキストラン中で65℃で3時間前ハ
イブリダイズした。32PO4−キナーゼ化オリゴヌクレオ
チド PM618(SEQ ID NO:618の配列(これはnv(+)
DNAの5′末端の66塩基の配列と同じである)を有する6
6−塩基DNAプローブ)、及び32PO4−キナーゼ化リボヌ
クレオチド PM624(SEQ IDNO:624の配列(これはnv
(+)DNAの3′末端の66塩基の配列と相補的である)
を有する66−塩基DNAプローブ)をそれぞれ、5分間、9
5℃に加熱し、上記と同様に(但し、PM618に関して用い
たフィルターは、別のプローブに関して予め用いていた
が、しかしこのプローブは、0.1xSSC,0.1% SDSで、10
0℃で1分間に3回続けてフィルターを暴露して除去し
た)調製し、洗浄し、前ハイブリダイズした別々のフィ
ルターにハイブリダイゼーションのために添加した。混
合液を65℃で一夜ハイブリダイズした。次に、フィルタ
ーを2xSSC,0.1%SDSで簡単に濯ぎ、再び同一溶液で、室
温で15分間、そしてさらに30分間濯いだ。フィルター
を、0.1xSSC,0.1%SDSで各々30分間、2回以上濯ぎ、2
つのDuPont Cronex Hi Plus 増感スクリーンを用い
て、−80℃でKodak XAR−5フィルムに露出した。
結果は、上記のエチジウム染色により認められた増幅
反応の生成物質に対するPM618とPM624の両方の強力なハ
イブリダイゼーションを示した。これは、nvDNAの両方
の鎖が作られたことを示しており、これは自触的複製の
最終要件を満たしている。
DNAが試料中で増幅されるという事実に対するさらな
る支持は以下の手順により得られるが、これは増幅前に
試料からRNAを排除する。各々1ピコモルのnv(+)DNA
及びnv(+)RNA(nv(+)DNAと同じ配列を有するナノ
変異体RNA)を、80℃で1mlの1N NaOH中で、平行してし
かし別々に、インキュベートした。アルカリによる処理
の後に等量の1N HClで中和し、Tris・HCl,pH7.5を添加
して緩衝し、最終濃度を460mMとして、鋳型がアルカリ
処理で分解されなかった場合、鋳型が1アトモル/10μ
lで存在するように希釈する。次いで、増幅及び検出手
順を上記と同様に実施した。アルカリ処理して15分後、
増幅操作を実施後に見出された蛍光物質の欠如により示
されるように、nv(+)DNAはもはや増幅可能でなかっ
た。しかしながら、いわゆる鋳型も含有しなかった対照
試料の強度と、鋳型としてnv(+)DNAのみを含有した
試料の強度とを比較した場合、増幅操作後の反応混合液
からの蛍光強度は少なくとも100倍大きいことで示され
たように、アルカリ処理の15又は60分後、nv(+)DNA
は増幅可能であった。アルカリ処理の180分後、増幅に
関して鋳型として機能するnv(+)DNAの能力も破壊さ
れた。37℃で0.2N NaOHで15分のより軽度の処理を用い
て、nv(+)RNA(又はnv(−)RNA)鋳型の増幅をnv
(+)DNA(又はnv(−)DNA)鋳型の増幅と区別し得
る。
試料中に存在するRNAを破壊し、したがって、DNAを分
解せずに、このRNAレプリカーゼのDDRP活性のための鋳
型として役立つようなDNAを含めた、RNAレプリカーゼに
よる増幅のための鋳型としての自触的複製可能なRNAを
減らすための別の処理は、37℃で20分間ヌクレアーゼRN
アーゼA(10μg/ml)で処理することである。この後、
200単位のRNアシンR RNアーゼ阻害剤(Promega Corp
oration,Madison,Wisconsin,USA)を添加して、ヌクレ
アーゼを中和する。例えば、この方法で処理したnv
(+)DNA又はnv(−)DNA試料は、Qβレプリカーゼの
DDRP活性により増幅されるその能力を保持する。
実施例3 本実施例は、そのDNA依存性RNAポリメラーゼ活性によ
るQβレプリカーゼでの増幅のための別のオリゴヌクレ
オチド一重鎖及び二重鎖鋳型を説明するためのものであ
る。
実施例1の増幅手順にしたがうが、但し、表1に記載
された鋳型は表1に記載された量で使用し、表1に記載
された時間及び温度条件下で増幅する。ニシン精子及び
糞DNAを除いて、量はアトモルである。列挙した鋳型
は、プラスミドの一部であるもの以外は、一重鎖オリゴ
ヌクレオチドである。プラスミド並びにニシン精子及び
糞DNA以外の個々の鋳型のヌクレオチド配列は、配列一
覧に記載されている。“nv プラスミド”は、プラスミ
ドpNV−1−3−4である(図8及び実施例6参照);
線状化形態では、プラスミドをナノ変異体DNAのセグメ
ントの外側で制限エンドヌクレアーゼで切断する。“説
明”は、nvDNAについて記載されているように、一方の
鎖に関するものである(あるいはnvプラスミドの場合は
両鎖)(実施例1参照)。増幅化物質をマイクロ滴定皿
に入れ、実施例1に記載されているように可視化する。
増幅は、“+”の印で示し、一方増幅の欠如は、“−”
の印で示す。
実施例4 本実施例は、結紮/増幅手順を説明する。100フェム
トモルのオリゴヌクレオチド PM754、100フェムトモル
の標的核酸 PM2123、及び50フェムトモルのオリゴヌク
レオチド PM2004(それぞれPM754、PM2123、及びPM200
4に対するSEQ ID NOS754,2123及び2004に関する配列
一覧を参照)を含有する1μlの200mM NaClを2μl
の10xリガーゼ緩衝液(10xリガーゼ緩衝液:400mM Tris
・HCl,100mM MgCl2,10mM DTT,500μg/mlアセチル化BS
A)と混合した。混合液を70℃に設定し、40分間徐々に
冷却して、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーショ
ンを起こさせた。11μlの水、各々10mMのrNTPの2μl
の混合物、及び1μlのT4 DNAリガーゼ(2単位)を
添加し、増幅を30℃で30分間進行させた。全試料を20μ
lの2x停止溶液(実施例1参照)中に移して終止させ
た。反応の生成物質を、実施例1に記載されているよう
にして、可視化した。生成物質は、マイクロ滴定穴中で
明るい蛍光物質に見えた。標的物質 PM2123が反応から
除外される場合は、蛍光は非常に弱く、緩衝液は含有す
るがQβレプリカーゼもプローブも含まない穴で観察さ
れたものと同様であった。
反応生成物質を、以下の手順にしたがって、8%ポリ
アクリルアミド 7M 尿素変性ゲルによる電気泳動にし
たがって分析した。76g/ アクリルアミド、4g/
ビス−アクリルアミド、500g/ 尿素を1xTBE中で混合
して、40mlのゲル(厚さ1.5mm)を調製した。この溶液5
0mlに、25μlのTEMED、及び10%過硫酸アンモニウムの
250μlの新鮮な溶液を添加した。ゲル重合後、増幅反
応混合物の5μl試料を、25μlのブルージュース中で
1分間95℃に加熱して、調製した(実施例2参照)。ゲ
ルを30mAで30分間予行し、試料を載せた後、30mAで1.5
時間実行した。ゲルを、実施例2と同様にして染色し、
可視化した。標的 PM2123が反応液中に存在する場合、
約118及び110塩基の長さの2つの主バンドと、約80〜数
百塩基の長さの少なくとも7つの弱いバンドが観察され
た。これらのデータは、リポーター分子の増幅が、試料
中の標的分子の存在に依っていることを示す。
標的特異的増幅の確証は、以下の手順にしたがって、
プローブ PM407を用いた電気泳動的分離物質のハイブ
リダイゼーションによって実証した。PM407の配列に関
しては、配列一覧のSEQ ID NO:407を参照されたい。
染色ゲルからの核酸を、電気泳動によって、0.1xTBE中
に45ボルトで20分間、Hybond膜フィルターに転移させ
た。その結果生じたフィルターを、実施例2に記載され
ているように、65℃で1時間前ハイブリダイズした。32
PO4−キナーゼ化オリゴヌクレオチド PM407を添加し、
混合液を60℃で4時間ハイブリダイズした。フィルター
を2xSSC,0.1%SDS中で、室温で1分間、そして2xSSC,0.
1%SDS中で、60℃で各々15分間で5回、濯いだ。その結
果生じたフィルターを、2つのDuPont CronexHi Plus
YE 増感スクリーンを用いて、−80℃でKodak XAR−
5フィルムに露出した。ハイブリダイゼーションは、11
8塩基バンドを用いてのみ観察された。
存在する標的核酸に関する異なる実験において、数十
〜数百塩基の異なる長さの、そして種々の長さの間の増
幅生成物質の種々の分布を示す生成物質が観察された。
一定の実験において、生成物質のいくつか、PM407とハ
イブリダイゼーションにより判断されるように、標的セ
グメントの配列と相補的な配列を有するセグメントを含
有するが、あるものは含有しないことが判明した。しか
しながら、全実験において、標的 PM2123が存在する場
合、少なくともいくつかの生成物質は標的セグメントの
配列と相補的な配列を有するセグメントを包含した。さ
らに、PM2123が存在しない実験では、PM407とハイブリ
ダイズする反応生成物質は見出されなかった。
実施例5 本実施例は、標的核酸の隣接セグメントに対してハイ
ブリダイズし、レプリカーゼにより自触的複製可能であ
るRNAの配列を有するDNAのセグメントの一部をともに包
含する2つのプローブのハイブリダイゼーション後の、
しかし結紮は伴わないQβレプリカーゼのDDRP活性に媒
介される標的依存性増幅工程を説明する。100フェムト
モルのPM754、100フェムトモルのPM2123、及び50フェム
トモルのPM2004を含有する1μlの200mM NaClを2μ
lの10xリガーゼ緩衝液と混合した。混合液を70℃に設
定し、40分間徐々に冷却して、オリゴヌクレオチドのハ
イブリダイゼーションを起こさせた。12μlの水、及び
各々10mMのrNTPの2μlの混合物を添加し、全混合液を
60分間25℃に設定した。2μlのQβレプリカーゼ(1.
2mg/ml)を添加し、増幅を30℃で30分間進行させた。全
試料を20μlの2x停止溶液(実施例1参照)中に移して
終止させた。反応の生成物質を、実施例1に記載されて
いるようにして、可視化した。
生成物質は、マイクロ滴定穴中で明るい蛍光物質とし
て見えた。標的分子 PM2123が反応から除外される場合
は、蛍光は非常に弱く、緩衝液は含有するがレプリカー
ゼもプローブも含まない穴で観察されたものと同様であ
った。これらのデータは、リポーター分子の増幅が、試
料中の標的分子の存在に依っているが、しかし標的上で
互いに隣接してハイブリダイズされたプローブの結紮は
必要でなかったことを示す。反応生成物質を、実施例4
に記載されているようにポリアクリルアミド−尿素変性
ゲルにより電気泳動にしたがって分析した。反応液中に
PM2123が存在する場合、約90塩基の長さの単一主バンド
が観察された。標的特異的増幅の確証は、実施例4に記
載されているように、プローブ PM407による電気泳動
的分離物質のハイブリダイゼーションによって実証し
た。ハイブリダイゼーションは、PM2123の存在下で生成
された90塩基反応生成物質の場合にのみ観察された。
実施例6 本実施例は、ハイブリダイゼーション/分離/増幅手
順を説明する。
標的は、ベータ−ガラクトシダーゼ蛋白質のアミノ末
端の領域をコードする大腸菌lacZ遺伝子の107ヌクレオ
チド配列であった。lacZ遺伝子の標的領域は、M13mp19
ファージDNAに含まれる(Yanisch−Perron,C.,et al.
(1985),Gene 33:103−119)。関連するファージφX1
74からのDNAを、負の対照として用いた。ファージφX17
4DNAは、lacZ遺伝子を含有しない。
本実施例に用いるプローブをプラスミドpNV1−3−4
から単離するが、これは図8に説明されている。pNV1−
3−4は、プラスミドpUC18の誘導体であって(Yanisch
−Perron,C.,et al.(1985),Gene 33:103−119)、p
UC18のポリリンカーの小型Pst I−Kpn I断片をT7RNA
ポリメラーゼプロモーター及びnvDNA(二重鎖)を提供
するセグメントに置換することにより、標準法を用いて
構築した。このプロモーター/nvDNA−含有セグメントの
配列を、図8に示す。nv(+)DNAの配列が明示されて
いるため、nvDNAセグメントは、“ナノ変異体(+)
鎖”として図に示されている。プラスミドpNV1−3−4
は、Pvu II/Sma I制限断片内に、上記の107塩基標的部
位と相補的な配列を有するセグメントとnvDNAセグメン
トとを有する。
それぞれ制限エンドヌクレアーゼPvu II及びSma Iで
プラスミドpNV1−3−4を連続消化して、プローブを調
製した。約56μgのプラスミドDNAを、1mlの最終容量で
75分間、Sma I消化緩衝液(Promega)中で37℃で140単
位のPvu II(Promega,Madison,Wisconsin,USA)で消化
した。反応液を25℃に冷却し、200単位のSma Iを添加し
て、25℃で5時間消化を継続させた。
約13μg(7ピコモル)の消化DNAを脱燐酸化し、Boe
hringer Mannheim(Indianapolis,Indiana,USA)から
販売されているDNA5′末端標識化キット(カタログ番号
第702757号)からの試薬及び条件を用いて、32P−ATP
(3,000Ci/mmol)で5′末端を標識化した。3つの標識
化断片(2.37kb、214bp、及び194bp)を10%ポリアクリ
ルアミド/7M 尿素ゲル(実施例2参照)上に分離し
た。Qβ nvDNAセグメントT7 RNAポリメラーゼプロモ
ーターセグメント、及びlacZ遺伝子中に標的と相補的な
107bpを含有する214bp断片をゲルから切り出した。ゲル
断片を、0.4mlの100mM NaCl、0.1%SDS、10mM Tris・
HCl、1mM EDTA,pH8を含有するLID/X試験管(LID/Xフィ
ルター 注射器AQOR25、Genex,Gaitherwburg,Maryland,
USA)に入れる“圧搾/溶離”変法により、ゲルからDNA
を回収した。試験管をフィルタープランジャーで密封
し、37℃で一夜混合した。濾液を回収し、0.4mlの新鮮
な緩衝液をフィルター洗浄器に添加し、室温で2時間混
合して、再び濾過した。濾液を混ぜ合わせ、シンチレー
ション計数によりプローブ濃度を測定した。
約2ピコモル(0.3ml)のプローブを1ピコモル(1
μl)の標的(又はφX174,負の対照)と混合し、混合
物をエタノール沈殿させた。その結果生じたDNAペレッ
トを0.1mlの2xSSC,0.1% SDSに溶解させた。プローブ
及び標的(又は負の対照)に100℃で5分間加熱し、そ
の後徐々に50℃に冷却して、90分間50℃に温度を保つこ
とにより、ハイブリダイゼーション条件を施した。
ハイブリダイゼーション後、非ハイブリダイズ化プロ
ーブを、100mM NaCl,10mM Tris・HCl,1mM EDTA,pH8.
0中のBio−GelA−5(BioRad,Richmond,California,US
A)カラム(1cmx28cm)上でゲル濾過することにより、
ファージDNA及びハイブリッド分子(即ち、プローブ−
標的ハイブリッド)から分離した。80分画(各々5滴)
を収集した。ファージDNA及び非ハイブリダイズ化プロ
ーブの溶離位置を、クロマトグラフィーを別々に実施し
て確定した。ファージDNAの溶離位置は、Hoechst 3325
8(ビス−ベンズイミド)染料(Boehringer−Mannheim,
Indianapolis,Indiana,USA)(150mM NaCl,10mM Hepe
s,pH7.5に溶解した0.15μg/mlの染料;354nmで励起;454n
mで放射;Perkin−Elmer LS−3蛍光分光光度計を用い
る)を用いて、蛍光光度DNA検定により、カラム分画の4
0μlアリコートから確定した。非ハイブリダイズ化DNA
プローブの溶離位置は、プローブ上の32P−標識、又は
プローブ内のnvDNAセグメントから増幅されたQβ複製
生成物質の検出により確定した。
ここで図9(a)及び9(b)を参照すると、X軸は
カラムからの分画数を示し、Y軸は各分画中に存在する
放射能の量(cpm)を示す。Qβレプリカーゼの存在下
で物質を増幅することが示された特定の分画をプラス
(+)で示し、一方Qβレプリカーゼの存在下で物質を
増幅することが示されなかった特定の分画をマイナス
(−)で示す。図9aは、標的を含有する断片とのハイブ
リダイゼーションの結果を説明し、図9bは標的を含有し
ない断片とのハイブリダイゼーションの結果を示す。
M13mp19中のlacZ遺伝子に対するプローブのハイブリ
ダイゼーションは、M13mp19 DNAピークにおけるプロー
ブの存在により示され、放射性標識の検出により、及び
次の段に記載されているようにQβレプリカーゼにより
増幅可能なDNAの存在によって確定された。
それぞれ、ファージDNA及びハイブリッド分子からの
非ハイブリダイズプローブの分離後、φX174DNA及びM13
mp19 DNA(ハイブリッド分子を含む)を有する試料
を、実施例1に記載の手順にしたがって、増幅のために
リボヌクレオシド三燐酸塩及びQβレプリカーゼと混ぜ
合わせたが、但し増幅からの生成物質は、エチジウムブ
ロミド蛍光を測定するPerkin−Elmer蛍光分光光度計で
測定した(水に溶解した0.5μg/ml染料;530nmで励起;60
0nmで放射)。
ここで、以下の表2を参照すると、M13mp19 ファー
ジDNAでハイブリダイゼーション後、ハイブリッドDNAピ
ーク分画は1230cpmを含有し、Qβ増幅後に1485蛍光単
位のRNAを生じたことが分かる。ハイブリダイゼーショ
ン及び検出工程の特異性は、非相同模造標的DNA(φX17
4ファージDNA)を用いて確証した。φX174DNAとのハイ
ブリダイゼーション後にBio Gel A−5カラムから溶
離されたハイブリッドを含有したと考えられるピーク
は、放射性標識化プローブのバックグラウンドレベルの
みを含有し、検出可能RNAはQβ増幅によって生成され
なかった。
実施例7 本実施例は、cDNA合成/増幅手順を説明する。本実施
例では、プローブは(+)鎖nvRNAであり、一方標的
は、(+)鎖nvDNAの3′末端21塩基と相補的な21−塩
基(−)鎖DNA配列である。75ピコモルのプローブを、7
0℃で5μlの1xSSC(150mM NaCl、15mM クエン酸ナ
トリウム)に溶解した、それぞれ750ピコモル、75ピコ
モル、800フェムトモル、8フェムトモル、80アトモ
ル、800チポモル、8チポモル、又は0モルの標的と混
合して、標的及びプローブ配列間のハイブリダイゼーシ
ョンを刺激した。1μlのこのハイブリダイゼーション
液を、50mM Tris・HCl,pH8.3、7.5mM NaCl、0.75mM
クエン酸ナトリウム、19mM KCl、10mMMgCl2、10mM DT
T、各々1mMのdNTP及び2.2単位のAMV逆転写酵素/μlの
最終濃度を有する反応混合液に希釈し、42℃で1時間イ
ンキュベートした、原RNAプローブのcDNAコピーを合成
した。原RNAプローブは、9μlのこの混合液を90℃で1
5分間、100μlの1N NaOHと混ぜ合わせて、次に氷上で
混合液を冷却することにより、破壊した。100μlの1N
HClを添加して、溶液を中和した。4μlのこのRNA無
含有cDNA溶液を、100mM Tris・HCl,pH7.5、100mM NaC
l、15mM MgCl2、各々1mMの4つのリボヌクレオシド三
燐酸(即ち、rNTPs)ATP、GTP、UTP、及びCTP、並びに1
00μg/mlのQβレプリカーゼを含有する増幅混合物に転
移させた。混合液を30℃で60分間インキュベートした。
反応生成物質は、実施例2に記載されているようなポリ
アクリルアミドゲル電気泳動後に可視化した。
Qβレプリカーゼ反応液に溶解した20アトモルより多
い又は等量の標的を含有する試料(これはハイブリダイ
ゼーション工程で8フェムトモルの標的を示す)を、本
方法により検出した。RNAプローブを含有し標的DNAを含
まないハイブリダイゼーション液は、本方法を用いても
検出可能な生成物質信号を発しなかった。
実施例8 本実施例は、標的として精製サルモネラゲノムDNAを
用いた結紮/増幅手順を説明する。オリゴヌクレオチド
PM1059(SEQ ID NO:1059の配列を有する;PM1059を作
るためにPM754の5′端に付加されたデカヌクレオチド
に関してSEQ ID NO:754と比較)、及びPM764(SEQ I
D NO:764の配列を有する)を、サルモネラDNAの隣接配
列に対してハイブリダイズして一緒に集めて、標的特異
的方法で結紮した。
オリゴヌクレオチドPM1059をパラ磁気粒子(Advanced
Magnetics,Cat.No.4100B,Cambridge,Massachusetts,U
SA)にその5′末端で共有結合させた。30μl(30μ
g)のPM1059粒子を、磁気濃縮器(DYNAL,Cat.No.MPCE,
Oslo,Norway)を用いて1分間濃縮し、40μlのハイブ
リダイゼーション溶液(5xSSC、1% BSA、2%硫酸デ
キストラン、0.1%Triton X−100)中に懸濁し、55℃
で15分間前ハイブリダイズした。15分後、1μl(1フ
ェムトモルを含有する)のPM764、及びネズミチフス菌
(ATCC NO.14028)からの2μl(330ng又は100amを含
有する)の精製変性(5分間沸騰させた)DNAをハイブ
リダイゼーション溶液に添加した。ハイブリダイゼーシ
ョンは55℃で1時間進行した。ハイブリダイゼーション
後、粒子を1分間磁気濃縮し、2xSSC,0.1%Triton X
−100で2回洗浄した。各洗浄は、220μlの洗浄後を添
加し、手短にかき混ぜて、粒子を再懸濁し、PM1059粒子
を1分間磁気濃縮して、洗浄液を除去することを包含し
た。二次洗浄液の除去後、粒子を50μlの結紮/増幅緩
衝液(結紮/増幅緩衝液:40mM Tris・HCl,pH7.8、10mM
MgCl2、10mM ジチオトレイトール、100μl/ml ウシ
血清アルブミン、500nM ATP、及び各々1mMの4つのrNT
Ps)、及び5Weise単位のT4 DNAリガーゼ中に再懸濁
し、30℃で1時間インキュベートした。次に、5μlの
Qβレプリカーゼ(1mg/ml)を結紮反応に添加し、30℃
で1時間インキュベートして、結紮物質を増幅した。反
応は、55μlの2x停止溶液を増幅反応混合物に添加する
ことにより終結させた。
増幅の生成物質を、実施例2に記載されているように
8%変性ポリアクリルアミドゲル上で分析した。分離生
成物質を0.1xTBE中で40ボルトで20分間、Hybond ナイ
ロンフィルター(Amersham,Cat.No.RPN.203N)に電気泳
動で転移させた。302nmの紫外線下でフィルターを可視
化して、染色物質の転移を確証した。Stratalinker 18
00(Stratagene,Cat.No.400071,La Jolla,California,
USA)を用いて254nmで、フィルターを1200μJの紫外線
に暴露することにより、フィルター上のRNA物質をフィ
ルターに架橋結合した。次に、20mlのハイブリダイゼー
ション溶液B(5xSSC、10%硫酸デキストラン、100μg/
ml変性ニシン精子DNA、40mM NaPO4、及び5xDenhardtの
溶液)中で、65℃で1時間、フィルターを前ハイブリダ
イズした。このハイブリダイゼーションのためのプロー
ブは、SEQ ID NO:407の配列を有するPM407(表1参
照)であった。オリゴヌクレオチド PM407は、オリゴ
ヌクレオチド PM1059中に存在するサルモネラ配列に対
応する。このプローブによるハイブリダイゼーション
は、PM1059が単独では増幅性ではないため、増幅化結紮
生成物質の存在を示す。プローブ PM407を、10μlの
容量中で37℃で1時間、32PO4でキナーゼ標識した。90
℃で3分間、キナーゼを熱不活性化後、全標識反応混合
液をハイブリダイゼーション溶液及びフィルターに添加
した。ハイブリダイゼーションは60℃で4時間進行し
た。フィルターを、室温で洗浄液(2xSSC,0.1%SDS)を
用いて簡単に、その後60℃で洗浄液を用いて15分間洗浄
した。次に、フィルターを2つのDuPontCronex Lightn
ing Plus増感スクリーンを用いて−80℃で16時間、Kod
ak XAR−5フィルムに露出した。
結果は、PM407が、約120bpの大きさのRNA生成物質に
対してハイブリダイズしたことを示す。サルモネラ標的
核酸を含有しなかった結紮/増幅反応に平行して、プロ
ーブを用いた増幅化生成物質のハイブリダイゼーション
は観察されなかった。これは、標的特異的結紮/増幅が
起きたことを示す。
実施例9 これは、ミディ変異体DNA増幅の実施例である。本実
施例に用いる鋳型 pMDV Xho Iは、組換えミディ変異
体DNA(Mills,D.R.,et al.(1978)Proc.Natl.Acad.Sc
i.U.S.,75:5334−5338)の配列を有するセグメントを含
有する二重鎖プラスミド pSP64(Melton,D.,et al.
(1984)Nucl.Acids Res.12:7035−7056)である(図1
0)。pMDV Xho Iの274bp Hind III−Pst Iの配列は、
SEQ ID NO:1で示される。この断片は、SEQ ID NO:1
の配列の塩基対35〜塩基対266(両端を含む)であり、
ミディ変異体配列の66〜75位置、及びSEQ ID NO:1の1
00〜109位置に存在するXho I部位を含む10個の塩基対CC
TCGAGGAGの挿入によって修飾されるミディ変異体RNA
(Qβレプリカーゼにより自触的複製化され得る)の配
列を有するmvDNAセグメント(“ミディ変異体"DNA)を
含む。それぞれPst I又はSma Iによる制限エンドヌクレ
アーゼ消化は、図10に示される部位でプラスミドpMDV
Xho Iを切断する。基質を、1N NaOH中で80℃で15分間
前ハイブリダイズし、等量のHClを添加して中和し、そ
の後、レプリカーゼ反応中にそれらを入れて、RNA鋳型
による汚染の可能性を除去した。対照実験として、各塩
基処理DNA鋳型の試料にも、5単位のRQ1 RNアーゼ無含
有DNアーゼ(Promega Corporation)を37℃で60分間添
加して、DNアーゼ処理を施した。
ミディ変異体DNA含有DNAは、以下の成分を含有する25
μlの反応容器中の1フェムトモルの鋳型の添加により
QβレプリカーゼによるDNA依存性RNA重合のための鋳型
として役立った: 100mM Tris・HCl,pH7.5; 15mM MgCl2; 各々1mMのリボヌクレオシド三燐酸ATP、GTP、UTP、CT
P; 20μg/ml Qβレプリカーゼ。
5マイクロキュリー(6.25ピコモル)のα−32P−CTP
(DuPont Company,NEN Research Products,Boton,M
A)の添加後、混合物を37℃で60分間インキュベートし
た。増幅は、GFFフィルター(Whatman,Maidstone,Engla
nd)上に反応液の一部をスポッティングし、氷冷10%ト
リクロロ酢酸/1%ピロ燐酸ナトリウム中にフィルターを
浸漬させて合成RNAを沈殿させることにより、モニタリ
ングした。フィルターを氷冷5%トリクロロ酢酸で4回
洗浄して、次に液体シンチレーションによって計数し
た。
結果(表3)は、増幅がミディ変異体DNA配列の存在
に依存することを示す。さらに、暴露された標準3′末
端を有する分子(Sma I−消化物質)、又は他のDNA配列
内に埋め込まれた標準3′末端を有する分子(Pst I−
消化物質)はともに、増幅可能鋳型として役立つことを
示す。さらに、主に超螺旋化される非消化プラスミドも
有効な基質を作る。
実施例10 本実施例は、QβレプリカーゼのDDRP活性による増幅
のためのキメラDNA−RNA鋳型の使用を指示する。
実施例1の増幅及び検出手順にしたがったが、但し、
5′末端の3塩基及び3′末端の6塩基がリボヌクレオ
チドであることを除いてナノ変異体正鎖DNA(SEQ ID
NO:444)と同じ配列を有する10、1、又は0.1チポモル
のキメラ鋳型 PM1070(SEQ IDNO:1070)を30℃で60分
間増幅させた。増幅は、1チポモル又はそれ以上の鋳型
を用いて再現可能的に、そして0.1チポモルの鋳型を用
いて実施したいくつかの実験において観察された。鋳型
が存在しない場合には、増幅は観察されなかった。
塩基38、39、68、及び69がリボヌクレオチドであり、
DNA 5′−ATAAGCGCCATTGATGTTGTCGCC−3′がnv
(+)DNAの3′末端に接合することを除いて、ナノ変
異体正鎖DNA配列と同じ配列を有する二次キメラ鋳型PM1
500(SEQ ID NO:1500)も増幅した。
実施例1の増幅手順にしたがったが、但し、10チポモ
ルの鋳型 PM1500を、40mM Tris・HCl、10mM DTT、13
mM MgCl2、各々1mMのrNTP、及び100μg/mlのQβレプ
リカーゼ中で30℃で60分間増幅した。増幅化物質をマイ
クロ滴定皿に入れ、実施例1と同様に可視化した。10チ
ポモルのPM1500は増幅したが、一方鋳型の非存在下での
可視的増幅が認められなかった。
実施例11 本実施例は、nv(+)DNA及びnv−キメラ鋳型の増幅
の感受性を説明する。“キメラ”鋳型は、その配列中に
俚語ヌクレオチド及び2′−デオキシリボヌクレオチド
をともに有するものである。
変動量のnv(+)DNA(PM444)及びnv−キメラ(PM10
70)を、10μl容量の70mM Tris・HCl,pH7.6、10mM M
gCl2、5mM DTT(ジチオトレイトール)、各々1mMのrNT
P、及び100μg/mlのQβレプリカーゼ中で、30℃で30分
間又は60分間増幅した。反応は、等容量の2x停止溶液を
添加して停止させた。反応媒質を放射線照射し、実施例
1と同様に可視化した。各条件下で増幅された各鋳型の
最小量を、表4に示す。
実施例12 本実施例は、mdvDNA鋳型の増幅の感受性を説明する。
変動量のmdvDNA(pMDV Xho Iのゲル精製Pst I/Sma I
断片,図10)を、実施例9に記載されているのと同様に
塩基処理し、増幅し、検出したが、但し、増幅は30℃で
実施した。結果を表5に示す。
実施例13 本実施例は、塩化マンガンの存在下でのDNA及びキメ
ラ鋳型の増幅の感受性を説明する。
変動量のnv(+)DNA(PM444)及びnv−キメラ(PM10
70)を、10μl容量の70mM Tris・HCl,pH7.6、10mM M
gCl2、1mM MnCl2、5mM DTT、各々1mMのrNTP、及び100
μg/mlのQβレプリカーゼ中で、30℃で30分間又は60分
間増幅した。反応は、実施例11に記載されているように
して停止させ、可視化させた。反応生成物質を、実施例
2に記載されているのと同様にして、ポリアクリルアミ
ド−尿素変性ゲルによる電気泳動によって分析した。Mn
Cl2の存在下では、鋳型の非存在下での増幅は反応の30
分又は60分後に起きる。しかしながら、反応は種々の大
きさの核酸生成物質の混合物を生じるが、我々はこれを
“新規の de novo"合成と呼ぶ(Biebricher et al.
(1986)Nature 321,89−91参照)。本物の鋳型が存在
し、増幅される場合、90塩基生成物質として移動する生
成物質は、de novo合成のバックグラウンド上に見え
る。鋳型特異的増幅の確証は、実施例2に記載されてい
るように、電気泳動で分離された物質とプローブPM624
とのハイブリダイゼーションにより実証した。ハイブリ
ダイゼーションは、鋳型が存在し、増幅された場合にの
み観察された。ハイブリダイゼーションは、de novo合
成により生成された物質を用いては起きなかった。
各条件下で一貫して増幅された各鋳型の最小量を、表
6に示す。
反応混合液中に0.5mM MnCl2を用いても、同様の結果
が得られた。反応混合液中に2mM MnCl2を用いると、一
貫して観察可能であった標的の最小検出量は、1mM MnC
l2を用いた場合と同じであったが、しかし増幅による90
塩基標的セグメント含有生成物質の量は低かった。0.25
mM MnCl2の場合は、90塩基標的セグメント含有増幅生
成物質の生成の感受性又は速度に及ぼす影響は、MnCl2
を用いない場合の生成の感受性及び速度と比較して、ほ
とんど又は全く認められなかった。
実施例14 本実施例は、塩化コバルトの存在下でのnv(+)DNA
鋳型の増幅の感受性を説明する。
変動量のnv(+)DNA(PM444)を、10μl容量の70mM
Tris・HCl,pH7.6、10mM MgCl2、1mM CoCl2、各々1m
MのrNTP、及び100μg/mlのQβレプリカーゼ中で、30℃
で30分間増幅した。反応は、実施例11に記載されている
ようにして停止させ、可視化させた。反応生成物質を、
実施例2に記載されているのと同様にして、ポリアクリ
ルアミド−尿素変性ゲルによる電気泳動によって分析し
た。CoCl2の存在下では、鋳型の非存在下での増幅は反
応の30分以内に起きて、de novo合成により種々の大き
さの核酸生成物質の混合物を生じる。本物の鋳型が存在
し、増幅される場合、約90塩基に相当する位置に移動す
る一つ又はそれ以上の顕著な生成物質が、de novo合成
のバックグラウンド上に観察される。鋳型特異的増幅の
確証は、実施例2に記載されているように、電気泳動で
分離された物質とプローブPM624とのハイブリダイゼー
ションにより実証した。ハイブリダイゼーションは、少
なくとも1チポモルの鋳型が存在した場合にのみ観察さ
れた。ハイブリダイゼーションは、de novo合成により
生成された物質を用いては起きなかった。
本明細書は、かなり特殊な例を含めて本発明を説明し
てきたが、本発明の精神を逸脱しない限りにおいて多数
の変更及び修正がなされることは当業者には理解されて
いる。このような修正及び変更は本明細書中の説明及び
請求の範囲として本発明に包含される。
配列表 (1)全般的資料 (i)出願人:Promega Corporation (ii)表題:RNAレプリカーゼのDNA依存正RNAポリメラ
ーゼ活性による核酸増幅 (iii)配列数:26 (2)SEQ ID NO:444に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:90塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:444配列図 (3)SEQ ID NO:550に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:88塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:550配列図 (4)SEQ ID NO:578に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:78塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:578配列図 (5)SEQ ID NO:585に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:67塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:585配列図 (6)SEQ ID NO:549に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:87塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:549配列図 (7)SEQ ID NO:928に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:90塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:928配列図 (8)SEQ ID NO:403に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:129塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:403配列図 (9)SEQ ID NO:601に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:70塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:601配列図 (10)SEQ ID NO:634に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:119塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:634配列図 (11)SEQ ID NO:851に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:138塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:851配列図 (12)SEQ ID NO:754に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:61塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:754配列図 (13)SEQ ID NO:764に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:77塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:764配列図 (14)SEQ ID NO:2016に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:61塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:2016配列図 (15)SEQ ID NO:2219に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:57塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:2219配列図 (16)SEQ ID NO:756に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:48塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:756配列図 (17)SEQ ID NO:2058に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:48塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:2058配列図 (18)SEQ ID NO:618に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:66塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:618配列図 (19)SEQ ID NO:624に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:66塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:624配列図 (20)SEQ ID NO:407に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:24塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:407配列図 (21)SEQ ID NO:2004に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:57塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:2004配列図 (22)SEQ ID NO:2123に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:48塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:2123配列図 (23)SEQ ID NO:1に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:274塩基 (B)種類:DNA (C):二重鎖 (ix)特徴 (D)配列は、長さ274bpと考えられる、プラスミ
ドpMDV Xho IのHind III−EcoR I断片の配列である。
両端を含む塩基35〜266の間のセグメントの両鎖は、配
列中に示されるように、Qβ−レプリカーゼ増幅性であ
る。塩基7及び51の“N's"は、別々にGか又は塩基なし
である。塩基260及び261の“NN"は、GG、C又は塩基な
しである。塩基262のKがTであるかGであるかは分か
らない。
(xi)SEQ ID NO:1配列図 (24)SEQ ID NO:2に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:232塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:二重鎖 (ix)特徴 (D)配列は、長さ232bpと考えられる(SEQ ID
NO:1に記載されているDNA断片の塩基対35〜266)、ミデ
ィ変異体DNAの配列である。塩基17の“N"は、Gか又は
塩基なしである。塩基226及び227の“NN"は、GG、C又
は塩基なしである。塩基228のKがTであるかGである
かは分からない。
(xi)SEQ ID NO:1配列図 (25)SEQ ID NO:1059に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:71塩基 (B)種類:DNA (C)鎖:一重鎖 (xi)SEQ ID NO:1059配列図 (26)SEQ ID NO:1070に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:90塩基 (B)種類:DNA/RNAキメラ (C)鎖:一重鎖 (ix)特徴 (D)5′一端の3つのヌクレオチド、及び3′一
端の6つのヌクレオチドはリボヌクレオチドである。
(xi)SEQ ID NO:1070配列図 (27)SEQ ID NO:1500に関する資料 (i)配列特性 (A)長さ:90塩基 (B)種類:DNA/RNAキメラ (C)鎖:一重鎖 (ix)特徴 (D)位置38、39、68、及び69のヌクレオチドはリ
ボヌクレオチドである。
(xi)SEQ ID NO:1500配列図
フロントページの続き (72)発明者 ハートネツト,ジエームス・アール アメリカ合衆国、ウイスコンシン・ 53719、マデイソン、チエサピーク・ 2590 (72)発明者 ハドソン,ジエフリイ・アール アメリカ合衆国、ウイスコンシン・ 53711、マデイソン、カウンシル・クレ スト・4150 (72)発明者 ジヨーンズ,クリストフアー・エル アメリカ合衆国、ウイスコンシン・ 53711、マデイソン、ウエストブルツ ク・レイン・2018 (72)発明者 マフイツト,マーク・エイ アメリカ合衆国、ウイスコンシン・ 53711、マデイソン、ゴールデン・オー ク・レイン・1801 (72)発明者 マーテイネルリー,リチヤード・エイ アメリカ合衆国、マサチユーセツツ・ 02135、ブライトン、キルシス・ロー ド・71 (72)発明者 メンドウザ,レオポルド・ジイ アメリカ合衆国、ウイスコンシン・ 53719、マデイソン、ララミー・コー ト・6 (72)発明者 ミラー,キヤサリン・エム アメリカ合衆国、ウイスコンシン・ 53593、ベロナ、フライン・ドライブ・ 7834 (72)発明者 モナハン,ジヨン・イー アメリカ合衆国、マサチユーセツツ・ 02081、ウオルポール、ウエスト・スト リート・942 (72)発明者 ポウスキイ,エドワード・イー アメリカ合衆国、ウイスコンシン・ 53559、マーシヤル、マウネシヤ・ドラ イブ・514 (72)発明者 シユーム,ジエームス・ダブリユウ アメリカ合衆国、ウイスコンシン・ 53711、マデイソン、テインバー・リツ ジ・トレイル・5843 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/10 - 15/11 C12Q 1/68 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (35)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核酸セグメントを増幅する方法であって、 (a)少なくとも1つの2′−デオキシリボヌクレオチ
    ドあるいは2′−デオキシリボヌクレオチド類縁体を含
    む核酸セグメントを提供するステップであり、該セグメ
    ントがRNAレプリカーゼのDNA依存RNAポリメラーゼ活性
    により自触的に複製され得るRNAの配列を有することを
    特徴とするステップ (b)レプリカーゼによる自触的複製に有効な条件下に
    セグメントを置くステップ を含む方法。
  2. 【請求項2】セグメントのヌクレオチドの10%未満が
    2′−デオキシリボヌクレオチド類縁体あるいはリボヌ
    クレオチド類縁体である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】セグメントが2′−デオキシリボヌクレオ
    チド、2′−デオキシリボヌクレオチドホスフェート類
    縁体あるいはリボヌクレオチドを含む請求項2に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】セグメントが2′−デオキシリボヌクレオ
    チドあるいはリボヌクレオチドを含む請求項3に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】セグメントがDNAセグメントである請求項
    1に記載の方法。
  6. 【請求項6】セグメントがDNAセグメントである請求項
    4に記載の方法。
  7. 【請求項7】セグメントが一本鎖核酸のセグメントであ
    る請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】核酸セグメントが二本鎖あるいは部分的に
    二本鎖である核酸の鎖のセグメントである請求項1に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】二本鎖あるいは部分的に二本鎖である核酸
    の両方の鎖がDNAである請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】レプリカーゼがQβレプリカーゼである
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】有効な自触的複製のための条件が更に、
    増幅が生じる溶液中に0.5mM以上の濃度で、Mn+2,Co+2
    びZn+2から成る群から選択されるイオンを有することを
    含む請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】リポーターRNAを合成するために核酸サ
    ンプルを処理する方法であって、 (a)標的セグメントを含む核酸サンプルを提供するス
    テップ (b)プローブ分子を含むプローブを提供するステップ
    であり、各プローブ分子が (i)標的セグメントにハイブリダイズすることができ
    るアンチ標的セグメント (ii)RNAレプリカーゼにより自触的複製可能なリポー
    ターRNA配列の配列、あるいは該リポーターRNA配列に完
    全に相補的で同じ長さである配列を有する増幅可能な複
    合核酸セグメント を含むことを特徴とするステップ (c)ハイブリダイズされたアンチ標的セグメントがス
    テップ(d)において遊離しないような十分な強度で、
    少なくとも1つのプローブ分子アンチ標的セグメントが
    核酸サンプル標的セグメントとハイブリダイズするよう
    なハイブリダイゼーションに適した条件下で、核酸サン
    プルをプローブ分子と組合わせるステップ (d)全てのハイブリダイズされたプローブ分子からハ
    イブリダイズされていないプローブ分子を除くステップ (e)リポーターRNAを合成するために、複合核酸セグ
    メントの自触的複製が起こるレプリカーゼのDNA依存RNA
    ポリメラーゼ活性による触媒反応に有効な条件下に、各
    ハイブリダイズされたプローブ分子の複合核酸セグメン
    トを置くステップ を含む方法。
  13. 【請求項13】複合核酸セグメントがナノ変異体DNAあ
    るいはミディ変異体DNAの配列を有する請求項12に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】レプリカーゼがQβレプリカーゼである
    請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】リポーターRNAを合成するために核酸サ
    ンプルを処理する方法であって、 (a)標的セグメントを含む核酸サンプルを提供するス
    テップ (b)一次プローブを提供するステップであり、該一次
    プローブが、 (i)標的セグメントの部分にハイブリダイズすること
    ができる一次アンチ標的セグメント、および (ii)複製可能なセグメントの一次部分 を含むことを特徴とするステップ (c)二次プローブを提供するステップであり、該二次
    プローブが (i)標的セグメントの部分にハイブリダイズすること
    ができる二次アンチ標的セグメント、および (ii)増幅可能なセグメントの二次部分 を含み、一次および二次部分が一緒になって、RNAレプ
    リカーゼにより自触的複製可能なリポーターRNA配列の
    配列、あるいは該リポーターRNA配列に完全に相補的で
    同じ長さの配列を有することを特徴とするステップ、 (d)一次および二次アンチ標的セグメントが、ステッ
    プ(e)において複合体あるいは破断複合体を形成する
    ために処理され得るような十分な強度で、一次アンチ標
    的セグメントと二次アンチ標的セグメントがともに標的
    セグメントとハイブリダイズするようなハイブリダイゼ
    ーションに適した条件下で核酸サンプルを一次および二
    次プローブと組合わせるステップ (e)破断複合核酸セグメントあるいは複合核酸セグメ
    ントを合成するために、ハイブリダイズされた一次およ
    び二次プローブを処理するステップであり、複合核酸セ
    グメントが、その中に挿入された1つ以上のヌクレオチ
    ドを有する複製可能なセグメントを含むことを特徴とす
    るステップ (f)リポーターRNAを合成するために、核酸セグメン
    トの自触的複製が起こるレプリカーゼのDNA依存RNAポリ
    メラーゼ活性による触媒反応に有効な条件下に、ステッ
    プ(e)の核酸セグメントを置くステップ を含む方法。
  16. 【請求項16】複合核酸セグメントあるいは破断複合核
    酸セグメントが、アンチ標的セグメントの配列を含む配
    列が挿入されたナノ変異体DNAあるいはミディ変異体DNA
    の配列を有する請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】レプリカーゼがQβレプリカーゼである
    請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】リポーターRNAを合成するために核酸サ
    ンプルを処理する方法であり、 (a)一次標的セグメントを含む核酸サンプルを提供す
    るステップ (b)一次プローブを提供するステップであり、該一次
    プローブが、 (i)一次標的セグメントにハイブリダイズすることが
    できる一次アンチ標的セグメント、および (ii)増幅可能なセグメントの一次部分、 を含む事を特徴とするステップ (c)二次プローブを提供するステップであり、該二次
    プローブが、 (i)二次標的セグメントにハイブリダイズすることが
    できる二次アンチ標的セグメント、および (ii)増幅可能なセグメントの二次部分、 を含み、一次部分および二次部分の相補体が一緒になっ
    て、RNAレプリカーゼにより自触的複製可能なリポータ
    ーRNA配列の配列、あるいは該リポーターRNA配列に完全
    に相補的で同じ長さの配列を有する事を特徴とするステ
    ップ (d)一次プローブを、ステップ(e)においてプライ
    マーとして機能させるように、十分な強度で一次プロー
    ブの一次アンチ標的セグメントが一次標的セグメントに
    ハイブリダイズするようなハイブリダイゼーションに適
    した条件下で核酸サンプルを一次および二次プローブと
    組合わせるステップ (e)一次プローブの3′末端に隣接する二次標的セグ
    メントを合成するために、ハイブリダイズされた核酸サ
    ンプルを鋳型として使用する一次プライマー伸展反応に
    おいて、ハイブリダイズされた一次プローブを伸展させ
    るステップ (f)伸展された一次プローブのハイブリダイズされた
    鎖と核酸サンプルを分離するステップ (g)二次プローブをステップ(h)においてプライマ
    ーとして機能させるように、十分な強度で二次プローブ
    の二次アンチ標的セグメントを一次プローブの二次標的
    セグメントにハイブリダイズさせるステップ (h)複合核酸セグメントを合成するために、ハイブリ
    ダイズされた一次プローブを鋳型として使用する二次プ
    ライマー伸展反応において、ハイブリダイズされた二次
    プローブを伸展させるステップであり、複合核酸がその
    中に挿入された1以上のヌクレオチドを持つ複製可能な
    セグメントを含むことを特徴とするステップ (i)リポーターRNAを合成するために、複合核酸セグ
    メントの自触的複製が起こるレプリカーゼのDNA依存RNA
    ポリメラーゼ活性による触媒反応に有効な条件下に、複
    合核酸セグメントを置くステップ を含む方法。
  19. 【請求項19】レプリカーゼがQβレプリカーゼである
    請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】リポーターRNAを合成するために核酸サ
    ンプルを処理する方法であり、 (a)標的セグメントを含む核酸サンプルを提供するス
    テップ (b)RNAプローブを提供するステップであり、該RNAプ
    ローブが、 (i)標的セグメントにハイブリダイズすることができ
    るアンチ標的セグメント、および (ii)RNAレプリカーゼにより自触的複製可能なリポー
    ターRNA配列の配列、あるいは該リポーターRNA配列に完
    全に相補的で同じ長さの配列を有する増幅可能なセグメ
    ント を含み、該増幅可能なセグメントがアンチ標的セグメン
    トの5′末端に隣接することを特徴とするステップ、 (c)プローブを、ステップ(e)において鋳型として
    機能させるように、十分な強度で、アンチ標的セグメン
    トが標的セグメントにハイブリダイズするようなハイブ
    リダイゼーションに適した条件下で核酸サンプルをプロ
    ーブと組合わせるステップ (d)ステップ(c)の前あるいは後において、少なく
    ともプローブにハイブリダイズする標的セグメントが、
    核酸サンプルの3′末端セグメントであり、その3′末
    端にヒドロキシル基を有するように核酸サンプルを処理
    するステップ (e)標的セグメントの3′末端に隣接する複合核酸を
    合成するために、プローブを鋳型として使用するプライ
    マー伸展反応において、ハイブリダイズされた核酸サン
    プルを伸展させるステップであり、該複合核酸が増幅可
    能なセグメントに対して相補的な配列を有することを特
    徴とするステップ (f)化学的あるいは酵素的にRNAプローブを切断する
    ステップ (g)切断に使用した化学物質あるいは酵素を不活性化
    するステップ (h)リポーターRNAを合成するために、複合核酸セグ
    メントの自触的複製が起こるレプリカーゼのDNA依存RNA
    ポリメラーゼ活性による触媒反応に有効な条件下に、複
    合核酸セグメントを置くステップ を含む方法。
  21. 【請求項21】レプリカーゼがQβレプリカーゼである
    請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】リポーターRNAを合成するために核酸サ
    ンプルを処理する方法であり、 (a)一次および二次標的セグメントを含む核酸サンプ
    ルを提供するステップであり、該一次標的セグメントが
    該二次標的セグメントの5′位に位置し、標的セグメン
    トが少なくとも1つのヌクレオチドにより分断されてい
    ることを特徴とするステップ (b)一次標的セグメントにハイブリダイズできる一次
    アンチ標的セグメントを含む一次プローブを提供するス
    テップ (c)二次標的セグメントにハイブリダイズできる二次
    アンチ標的セグメントを含む二次プローブを提供するス
    テップ (d)二次プローブの伸展に対して物理的障害として機
    能するように十分な強度で、一次プローブが一次標的セ
    グメントとハイブリダイズし、ステップ(e)におい
    て、二次プローブをプライマーとして機能させるよう十
    分な強度で二次プローブが二次標的セグメントとハイブ
    リダイズするようなハイブリダイゼーションに適した条
    件下で、核酸サンプルを一次および二次プローブと組合
    わせるステップ (e)二次プローブの3′末端に隣接する、三次標的セ
    グメントを合成するために、ハイブリダイズされた核酸
    サンプルを鋳型として使用する一次プライマー伸展反応
    において、ハイブリダイズされた二次プローブを伸展さ
    せるステップであり、伸展された二次プローブの3′末
    端がハイブリダイズされた一次プローブの5′末端に隣
    接することを特徴とするステップ (f)伸展された二次プローブのハイブリダイズされた
    鎖と核酸サンプルを分離するステップ (g)三次RNAプローブを提供するステップであり、該
    三次RNAプローブが、 (i)三次アンチ標的セグメント、および (ii)RNAレプリカーゼにより自触的複製可能なリポー
    ターRNA配列の配列、あるいは該リポーターRNA配列に完
    全に相補的で同じ長さの配列を有する増幅可能なセグメ
    ント を含み、該増幅可能なセグメントがアンチ標的セグメン
    トの5′末端に隣接することを特徴とするステップ (h)三次プローブを、ステップ(i)において鋳型と
    して機能させるように、十分な強度で、三次プローブが
    伸展された二次プローブの三次標的セグメントにハイブ
    リダイズするようなハイブリダイゼーションに適した条
    件下で、伸展された二次プローブを三次RNAプローブと
    組合わせるステップ (i)三次標的セグメントの3′末端に隣接する、複合
    核酸セグメントを合成するために、三次プローブの増幅
    可能セグメントを鋳型として使用する二次プライマー伸
    展反応において、ハイブリダイズされた伸展された二次
    プローブを更に伸展させるステップであり、複合核酸セ
    グメントが増幅可能なセグメントに相補的な配列を有す
    ることを特徴とするステップ (j)ハイブリダイズされた、およびハイブリダイズさ
    れていないRNAをともに化学的あるいは酵素的に切断す
    るステップ (k)切断に使用した化学物質あるいは酵素を不活性化
    するステップ (l)リポーターRNAを合成するために複合核酸セグメ
    ントの自触的複製が起こるレプリカーゼのDNA依存RNAポ
    リメラーゼ活性による触媒反応に有効な条件下に、複合
    核酸セグメントを置くステップ を含む方法。
  23. 【請求項23】レプリカーゼがQβレプリカーゼである
    請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】リポーターRNAを増幅するための試験キ
    ットであり、 (a)DNA依存RNAポリメラーゼ活性を有するRNAレプリ
    カーゼ (b)(i)プローブを自触的複製のための鋳型として
    機能させるよう十分な強度で、核酸サンプル中の標的セ
    グメントにハイブリダイズし得るアンチ標的セグメント (ii)RNAレプリカーゼにより自触的複製可能なリポー
    ターRNA配列の配列、あるいは該リポーターRNA配列に完
    全に相補的で同じ長さの配列を有する増幅可能なセグメ
    ント を含む、少なくとも1つの2′−デオキシリボヌクレオ
    チドあるいは1つの2′−デオキシリボヌクレオチド類
    似残基であるプローブ を含む試験キット
  25. 【請求項25】レプリカーゼがQβレプリカーゼである
    請求項24に記載の試験キット
  26. 【請求項26】リポーターRNAを増幅するための試験キ
    ットであり、 (a)DNA依存RNAポリメラーゼ活性を有するRNAレプリ
    カーゼ (b)(i)核酸サンプル中の標的セグメントの部分に
    ハイブリダイズし得る一次アンチ標的セグメント、およ
    び (ii)増幅可能なセグメントの一次部分 を含む、一次プローブ (c)(i)増幅可能なセグメントを形成するために十
    分な強度で一次および二次アンチ標的サブセグメントが
    ハイブリダイズすることを特徴とする、核酸サンプル中
    の標的セグメントの部分にハイブリダイズすることがで
    きる二次アンチ標的サブセグメント (ii)増幅可能なセグメントの二次部分であって、RNA
    レプリカーゼにより自触的複製可能なリポーターRNA配
    列の配列、あるいは該リポーターRNA配列に完全に相補
    的で同じ長さの配列を、一次および二次部分が一緒にな
    ってを含むことを特徴とする二次部分 を含む、二次プローブ を含み、両プローブのいずれかあるいは両方が少なくと
    も1つの2′−デオキシリボヌクレオチドあるいは1つ
    の2′−デオキシリボヌクレオチド類似残基であること
    を特徴とする試験キット。
  27. 【請求項27】レプリカーゼがQβレプリカーゼである
    請求項26に記載の試験キット
  28. 【請求項28】リポーターRNAを増幅するための試験キ
    ットであり、 (a)DNA依存RNAポリメラーゼ活性を有するRNAレプリ
    カーゼ (b)(i)プライマー伸展において一次プローブをプ
    ライマーとして機能させるような十分な強度で核酸サン
    プル中の一次標的セグメントとハイブリダイズすること
    ができる一次アンチ標的セグメント (ii)二次標的セグメントを作製するためのプライマー
    伸展反応において、一次プローブが伸展され得る増幅可
    能なセグメントの一次部分 を含む、一次プローブ (c)(i)二次プローブが、伸展された一次プローブ
    と増幅可能なセグメントを形成するように十分な強度で
    二次標的セグメントとハイブリダイズすることが可能な
    二次アンチ標的セグメント (ii)増幅可能なセグメントの二次部分であって、一次
    部分および二次部分の相補体が一緒になって、RNAレプ
    リカーゼにより自触的複製可能なリポーターRNA配列の
    配列、あるいは該リポーターRNA配列に完全に相補的で
    同じ長さの配列を含むことを特徴とする二次部分 (d)逆転写酵素 を含み、両プローブのいずれか、あるいは両方が複合核
    酸である試験キット
  29. 【請求項29】レプリカーゼがQβレプリカーゼである
    請求項28に記載の試験キット
  30. 【請求項30】リポーターRNAを増幅するための試験キ
    ットであり、 (a)DNA依存RNAポリメラーゼ活性を有するRNAレプリ
    カーゼ (b)(i)プライマー伸展反応において標的セグメン
    トが伸展され得るような十分な強度で核酸サンプル中の
    標的セグメントとハイブリダイズすることができるアン
    チ標的セグメント (ii)RNAレプリカーゼにより自触的複製可能なリポー
    ターRNA配列の配列、あるいは該リポーターRNA配列の完
    全に相補的で同じ長さの配列を含む、アンチ標的セグメ
    ントの5′末端に隣接する増幅可能なセグメント を含むRNAプローブ (c)増幅可能なセグメントに相補的な配列を有する複
    合核酸を作製するために標的セグメントを伸展するため
    の逆転写酵素 を含む試験キット
  31. 【請求項31】セグメントがQβレプリカーゼである請
    求項30に記載の試験キット。
  32. 【請求項32】リポーターRNAを増幅させるための試験
    キットであり、 (a)DNA依存RNAポリメラーゼ活性を有するRNAレプリ
    カーゼ (b)二次プローブの伸展に対して物理的障害として一
    次プローブが機能するような十分な強度で核酸サンプル
    の一次標的セグメントとハイブリダイズすることができ
    る一次アンチ標的セグメントを含む一次プローブであ
    り、該核酸サンプルが、一次および二次標的サンプルを
    含み、一次標的セグメントが二次標的セグメントの5′
    位に位置し、該標的セグメントが少なくとも1つのヌク
    レオチドにより分断されていることを特徴とする一次プ
    ローブ (c)二次プローブをプライマーとして機能させるため
    に十分な強度で二次標的セグメントにハイブリダイズで
    きる二次アンチ標的セグメントを含む二次プローブであ
    り、該二次プローブがその後、三次標的セグメントを作
    製するためにプライマー伸展反応において伸展され、伸
    展された二次プローブがRNAレプリカーゼにより自触的
    増幅可能なリポーターRNA配列の配列あるいは該リポー
    ターRNAの相補的な配列を有する複合核酸を作製するた
    めに処理され得ることを特徴とする二次プローブ (d)(i)三次アンチ標的セグメント、および (ii)RNAレプリカーゼにより自触的複製可能なリポー
    ターRNA配列の配列、あるいは該リポーターRNA配列の相
    補的な配列を有する、アンチ標的セグメントの5′末端
    に隣接する増幅可能なセグメント を含む三次RNAプローブ (e)逆転写酵素 を含む試験キット。
  33. 【請求項33】レプリカーゼがQβレプリカーゼである
    請求項32に記載の試験キット
  34. 【請求項34】分析物に対する親和性分子であって、レ
    プリカーゼにより自触的複製可能なリボ核酸の配列また
    は相補配列を有する複合核酸によってラベルされている
    ことを特徴とする前記親和性分子。
  35. 【請求項35】第618番、第624番、第754番、第2004
    番、第1059番、第764番、第550番、第578番、第585番、
    第549番、第403番、第601番、第634番、第851番および
    第1番からなる群より選択される配列番号で示される配
    列を含む核酸分子。
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