JP3090100B2 - ホウ素化ヌクレオチドを用いた鎖置換増幅 - Google Patents

ホウ素化ヌクレオチドを用いた鎖置換増幅

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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制限エンドヌクレ
アーゼによってニッキングを誘導する方法、標的核酸配
列を増幅する方法、および特に鎖置換反応(Strand Dis
placement Amplification;SDA)による増幅に関す
る。
【0002】
【従来の技術】In vitroの核酸増幅技術は少量
の核酸の検出および分析のための効果的な手段であり、
これらの方法の高程度の感度は、感染および遺伝病の診
断、分析のための遺伝子の単離、並びに法医学における
特異的な核酸の検出のために、これらの方法を開発しよ
うという意欲をかきたててきた。核酸増幅方法は例えば
以下のものを含む:複製連鎖反応(PCR)、リガーゼ
鎖反応(LCR)、自己維持配列複製(Self Sustained
Sequence Replication)(3SR)、核酸配列基礎増
幅(Nucleic Acid Sequence Based Amplification)
(NASBA)、転写媒介複製(TMR)および鎖置換
増幅(Strand Displacement Amplification)(SD
A)。鎖置換増幅は、等温増幅反応の一種で、一定の温
度において30分未満で標的配列の10億倍以上の増幅
産物を製造することができる(G.T.Walkerら、
1992.Proc.Natl.Acad.Sci.
USA89,392−396;G.T.Walkerら、
1992.Nuc.Acids.Res. 20.16
91−1696;米国特許第5,455,166号;米国
特許第5,270,184号;欧州特許出願(EP)0
684 315)。
【0003】SDA反応は、約37℃と42℃の間の一
定温度、あるいは、増幅の効率および特異性を上昇させ
るために、一定のより高温で(公開された欧州特許出願
第0684 315号に記載されたような好熱性SDA
またはtSDA)行うことができる。どちらの形式にお
いても、SDAは1)半修飾された制限エンドヌクレア
ーゼ認識/切断部位をニッキングする制限エンドヌクレ
アーゼ、および2)標的配列を鋳型として用いて新しい
鎖を重合化しながら、標的配列のコピーをニックから伸
長させて、置換するポリメラーゼを採用する。ニッキン
グおよび置換の繰り返しサイクルが標的配列の新たなコ
ピーを製造する。
【0004】SDA反応は、米国特許第5,455,16
6号;米国特許第5,270,184号;欧州特許出願0
684 315に記載されている。適用する温度および
酵素にかかわらず、SDA反応の工程は同じであり、標
的配列を首尾よく増幅するためにはいくつかの特異的な
酵素活性が必要とされる。SDAポリメラーゼは、1)
天然に、または不活性化によって5'−3'エキソヌクレ
アーゼ活性を欠いており、2)SDAに必要な、誘導体
化されたデオキシヌクレオシドトリフォスフェート(d
NTPs)(αチオ−dNTPs等のヌクレオチド誘導
体)を取り込み、3)一本鎖ニックから開始する二本鎖
分子から下流の一本鎖を置換し、そして好ましくは4)
アンプリコンの汚染除去(decontaminati
on)を可能にするためにdUTPを取り込まなければ
ならない。SDA制限エンドヌクレアーゼは、1)認識
/切断部位が半修飾されている場合に、二本鎖認識/切
断部位をニッキングし(即ち、二本鎖のうちの一本鎖を
切断する)、2)認識/切断部位から乖離して、ポリメ
ラーゼが結合して標的を増幅することを可能にし、そし
て、好ましくは3)認識/切断部位に取り込まれたdU
TPによって影響を受けない、ものでなくてはならな
い。dNTP類似体の制限エンドヌクレアーゼ認識部位
への取り込みは、制限エンドヌクレアーゼによるニッキ
ングを誘導する。チオール化されたdNTPはSDAに
最も一般的に用いられるヌクレオチド類似体であるが、
しかしながら、メチル−置換dNTPの取り込みもまた
ニッキングを誘導する。SDAのための適当な生物学的
活性を有するポリメラーゼおよび制限エンドヌクレアー
ゼは上述した特許文献に記載されている。SDAによる
増幅に関する用語は欧州特許出願0 684 315に定
義されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アルファ−ホウ素化さ
れたデオキシヌクレオシドトリフォスフェートは、半修
飾された認識/切断部位を作成するために制限エンドヌ
クレアーゼの二本鎖制限エンドヌクレアーゼ認識/切断
部位に取り込まれた場合、制限エンドヌクレアーゼによ
るニッキング(二本鎖のうちの一本の切断)を誘導する
ことが、今や見いだされた。アルファ−ホウ素化された
デオキシヌクレオシドトリフォスフェート(dNTPα
BH3)はSDAにおいて増幅反応を継続させるのに必
要なニッキング可能な半修飾された制限エンドヌクレア
ーゼ認識/切断部位を生成するのに有用である。
【0006】
【課題を解決するための手段】SDAは、5'−3'エキ
ソヌクレアーゼ活性を欠き、二本鎖核酸における一本鎖
ニックからの重合を開始し、そして、ニッキングされて
いない鎖を鋳型として用いて新しい相補鎖を生成しなが
ら、ニックの下流の鎖を置換するポリメラーゼを必要と
する。鎖置換活性によって標的はさらなるコピーの合成
が可能となり、一本鎖伸長産物が生成され、指数関数的
増幅反応においてそれに第二増幅プライマーがハイブリ
ダイズする。dNTP類似体の取り込みが制限エンドヌ
クレアーゼによるニッキングを誘導するに際し、ポリメ
ラーゼは選択されたデオキシヌクレオチド類似体を取り
込むことができ、そしてそれを含む鎖を置換することが
できなければならない。
【0007】チオール化された、またはメチル化された
dNTPを用いた場合にSDAにおける使用に必要な性
質を有するいくつかのポリメラーゼが同定された:ex
-Klenow、T5DNAポリメラーゼおよびPh
i29DNAポリメラーゼ、exo- Vent(New
England Biolabs)、exo- Deep
Vent(New England Biolab
s)、Bst(BioRad)、exo- Pfu(St
ratagene)、Bca(Panvera)および
Sequencing Grade Taq(Prome
ga)。ポリメラーゼTth(Boegringe
r)、Tfl(Epicentre)、REPLINA
SE(DuPont)およびREPLITHERM(E
picentre)鎖は、ニックからの置換は行うが、
5'−3’エキソヌクレアーゼ活性も有する。これらの
ポリメラーゼは、例えば遺伝子工学によってエキソヌク
レアーゼ活性を除いた後に本発明の方法において有用で
ある。新たな置換を有するdNTPが望まれる場合に、
後述するような日常的なスクリーニングアッセイを用い
てポリメラーゼが必要な性質を有するか否かを決定して
もよい。
【0008】反応を永続させ、そして続く標的増幅のラ
ウンドの開始を可能にするのはニッキングであり、ニッ
キング活性はSDAに必須である。即ち、SDAに適当
な制限エンドヌクレアーゼは制限エンドヌクレアーゼの
二本鎖半修飾認識/切断部位の二本鎖のうちの一本のみ
を切断しなければならない(“ニッキング”)。そし
て、制限エンドヌクレアーゼは認識/切断部位から乖離
して、ポリメラーゼがニックに結合して伸長を始めるの
を可能にしなければならない。制限酵素は一般には二本
鎖破壊をもたらすので、二本鎖中の切断部位の二本鎖の
うちの一本の切断は選択的に抑制されなければならな
い。SDAでは、それは、重合化の際に制限エンドヌク
レアーゼ認識部位に少なくとも1種類の置換ヌクレオチ
ド(ヌクレオチド類似体)を導入し、半修飾部位を生成
することによって達成される。後述するような日常的な
スクリーニングアッセイを用いて、半修飾された制限エ
ンドヌクレアーゼ認識部位に新たなヌクレオチド類似体
が取り込まれた場合にニッキングが誘導されるか否かを
決定することができる。
【0009】デオキシヌクレオチドフォスフォロチオエ
ートおよびメチル化ヌクレオチドが、SDAにおいてニ
ッキングを誘導するために使用されてきた。SDAにお
いて有用な制限エンドヌクレアーゼ認識部位、並びにそ
れらの部位にニッキングを誘導するデオキチヌクレオチ
ド類似体が米国特許第5,455,166号および欧州特
許出願第0 684 315号に記載されている。本発明
は、SDAの際にポリメラーゼによって取り込まれ、制
限エンドヌクレアーゼによるニッキングを誘導して増幅
反応を継続させる、新たなグループのdNTP類似体
(アルファ−ホウ素化dNTPs)を提供する。対応す
るアルファ−ホウ素化dNTPは、記載されたような適
当な制限エンドヌクレアーゼおよび認識部位を適用する
SDA反応において、これらの文献において挙げられて
いるいかなるdNTP類似体の代わりに用いてもよい。
【0010】
【実施の形態】ホウ素化デオキチヌクレオシドトリフォ
スフェート化合物(Boron Biological
sから入手可能)は、それらのSDAにおける有用性を
評価し予測する3つのアッセイにおいてスクリーニング
する。第一は、ポリメラーゼがホウ素化dNTPを取り
込むことができるか否かを決定するのに用いられるポリ
メラーゼ活性アッセイである。あるポリメラーゼ活性ア
ッセイでは、活性化された胸腺DNAがポリメラーゼの
様々な希釈液の基質として用いられた。選択されたポリ
メラーゼは,25mM リン酸カリウム、5mM 硫酸ア
ンモニウム、10mM 2−メルカプトエタノールおよ
び1mg/ml BSAを含む、酵素希釈液中に希釈さ
れた。10μlの希釈液をアッセイのための緩衝液(2
5mM リン酸カリウム、0.15Mの各dNTPおよ
びdNTP類似体、4mMの塩化マグネシウム、4.5
μgの活性化ウシ胸腺DNAおよび0.3μlの300
0mCi/mmol 32P−標識 dNTP)に加え
た。平衡化の後、反応物を反応温度で15分間インキュ
ベートした。ある間隔毎に、15μlの反応物を取り除
き、反応を停止するたんに45μlの25mM EDT
Aに加えた。停止された反応物の40μlをDE−81
フィルターディスク上にスポットし、10mlの0.3
M ギ酸アンモニウム pH8.0で各回5分間、最低4
回洗浄した。最終洗浄後、フィルターをメタノール中で
リンスし、吸収紙上で空乾し、シンチレーション液とと
もにシンチレーション用バイアルに入れ、そして計測し
た。
【0011】例えば、Bcaポリメラーゼ(Takar
aまたはPanVera)の60℃におけるdCTPα
BH3の取り込みは、ポリメラーゼ活性アッセイにおい
てdCTPおよびdCTPαSを対照として参照して試
験した。dCTP対照は、1:30,000および1:
40,000希釈において測定した。dCTPαS対照
は、1:20,000および1:30,000希釈におい
て測定し、ホウ素化dCTPは、1:20,000、
1:30,000および1:40,000希釈において測
定した。結果は3点(5、10および15分)で測定
し、空フィルターについてのバックグラウンドの値と比
較した。Bcaポリメラーゼによる非修飾dCTP取り
込みは、152単位/μlの活性を与えた。dCTPα
Sによる完全な置換によりポリメラーゼ活性は39単位
/μlに低下した。チオール化されたdNTPの存在に
よるポリメラーゼの活性の低下は以前から観察されてき
たが、SDA効率には有意な阻害を与えないようであ
る。dCTPαBH3による完全な置換の結果、dCT
PαSの場合と同様にポリメラーゼ活性が低下した(4
0−50単位/μl)。これらの結果に基づき、ポリメ
ラーゼ活性アッセイは、dNTPのアルファ−ホウ素化
は重合化反応を阻害しないことを示しているので、SD
Aポリメラーゼは他のホウ素化dNTPs(例えば、d
ATPαBH3、TTPαBH3またはdGTPαB
3)の取り込みも行えると期待できるであろう。
【0012】ポリメラーゼ伸長アッセイを用いて、ポリ
メラーゼがホウ素化デオキシヌクレオシドトルホスフェ
ートの存在下で鎖置換を行う能力について評価できる。
あるポリメラーゼ伸長アッセイでは、SDAの維持に必
須なニックは、AluI消化したM13プラスミド上の
下流の非標識プライマーに近接する上流の標識プライマ
ーをアニールすることによって行う。プラスミドを消化
してポリメラーゼの指定された終始点を提供し、これに
よりゲル上で指定された大きさのバンドが得られる。こ
の例では、アッセイは、25mM KiPO4,pH7.
5、0.1μg/μl BSA、1mMの各dNTP、
250ngの消化された標的プラスミド、ポリメラー
ゼ、並びにポリヌクレオチドキナーゼで放射活性的に末
端ラベルされた40nMの上流置換プライマー中で行わ
れた。チオール化またはホウ素化dCTPは種々の量で
含ませ、そして各反応において40nMの下流プライマ
ーを含ませるか、あるいは含ませなかった。混合物を1
00℃で3分間変性し、ポリメラーゼに適当な反応温度
で2分間冷却した。そして試験されるポリメラーゼを添
加し、伸長反応を10分間継続させた。伸長は25mM
EDTA/98%ホルムアミドの添加によって停止し
た。そして、試料を変性ゲル上で電気泳動し、オウトラ
ジオグラフィーで分析した。ポリメラーゼが下流プライ
マーを置換し、上流標識プライマーを完全に伸長した場
合、指定された大きさのバンドが観察されるであろう。
生成物バンドの量は、ポリメラーゼによるプライマー伸
長の効率を示唆した。
【0013】Bcaポリメラーゼは(60℃で実験)、
ホウ素化dCTPまたはdCTPαSのどちらの場合で
も伸長アッセイにおいて同様によく機能した。下流プラ
イマーが存在しない場合、種々のヌクレオチド類似体の
存在下で同量の伸長産物が観察され、これは同等の効率
で取り込みが行われたことを示唆する。下流プライマー
が存在する場合、全ての反応はより少ない完全伸長産物
を産生し、短い未完成の産物が現れた。dCTPαBH
3反応の方がdCTPαS反応より多くの未完成産物が
観察されたが、アッセイではホウ素化dCTPはチオー
ル化dCTPに匹敵しうると考えられた。これらの結果
に基づき、このアッセイは、ホウ素誘導体化はこれらの
重合化反応を阻害しないことを示しているので、SDA
ポリメラーゼは他のホウ素化dNTPs(例えば、dA
TPαBH3、TTPαBH3またはdGTPαBH3
の存在下でも伸長および置換を行えると期待できるであ
ろう。
【0014】全てのヌクレオチド類似体があらゆるエン
ドヌクレアーゼによるニッキングを誘導するわけではな
いであろう。そこで、選択されたヌクレオチド類似体の
存在下で制限エンドヌクレアーゼのニッキング特性を評
価するためのアッセイを、二本鎖制限エンドヌクレアー
ゼ認識/切断部位に取り込まれた修飾デオキシヌクレオ
シドトリホスフェートが、二本鎖のうちの一本をエンド
ヌクレアーゼによる切断から保護する活性に基づいて開
発した。これは、類似体−誘導ニッキングアッセイまた
は鎖保護アッセイと呼ばれる。鎖保護アッセイでは、選
択されたエンドヌクレアーゼ認識部位を有する一本鎖鋳
型、並びに鋳型の3’末端に相補的なプライマーを合成
する。そして鋳型とプライマーを、好ましくは放射性ラ
ベルで標識する。プライマーと鋳型をハイブリダイズ
し、選択された修飾dNTPs(ヌクレオチド類似体)
をプライマーの伸長によって一本の鎖に取り込み、半修
飾された制限エンドヌクレアーゼ認識/切断部位を含む
完全に二本鎖の分子を産生する。この産物を切断につい
ての慣用化された条件下で制限エンドヌクレアーゼによ
って処理する。変性条件下での反応産物の電気泳動分析
を用いて、産生された断片の大きさによって、認識/切
断部位がニックされたか、両方の鎖が切断されたか、あ
るいは全く切断されなかったか否かを決定する。電気泳
動上の断片の長さはまた、認識/切断部位の二本鎖のう
ちどちらが(即ち、修飾された方か、または修飾されて
ない方か)切断から保護されたかを決定するために用い
ることもできる。
【0015】例えば、BsoBI部位(CTCGGG)
を含む45マーの鋳型および鋳型の3’部分に相補的な
21マーを合成した。鋳型またはプライマーのいずれか
をポリヌクレオチドキナーゼを用いて放射活性的に末端
標識した。21マーを鋳型にハイブリダイズさせ、以下
のようにα−ホウ素化dCTP(dCTPαBH3)の
存在下で21マーを鋳型上を伸長させることによって、
半修飾BsoBI制限部位を構築した。35mMのKi
PO4,pH7.5;0.1μg/μlのBSA;各1m
MのTTP,dATP,dGTPおよびdCTP;dC
TPαBH3もしくはα−チオ−dCTP(dCTPα
S);50nMの鋳型(標識もしくは非標識)並びに5
0nMのプライマー(標識もしくは非標識)を含む反応
物を作成した。DNAを100℃で2分間変性し、反応
物を37℃で2分間冷却した。8単位のexo-クレノ
ーポリメラーゼを添加し、選択されたdCTP剤の存在
下で伸長反応を37℃で30分間行わせた。ポリメラー
ゼを60℃で10分間熱不活性化し、10μlの反応物
を対照として用いるために回収した。35mMのKi
4、0.1μg/μlのBSA中の20単位のBso
Iを添加し、切断反応物を60℃で15分間インキュベ
ートした。切断反応を、25mM EDTA/98%ホ
ルムアミドの添加によって停止させた。そして、反応物
を8%変性ゲル上を電気泳動し、オートラジオグラフィ
ーにより結果を可視化した。BsoBIの半修飾制限部
位の修飾された鎖は、dCTPαBH3またはdCTP
αSのいずれの取り込みによっても完全に保護され、一
方、非修飾鎖は有効に切断された(ニッキング)。鎖保
護アッセイにおけるニッキング活性の観察は、試験され
たヌクレオチド類似体/制限エンドヌクレアーゼの組は
SDAを持続させるであろうという指標となる。
【0016】前述した全てのアッセイにおいて、dCT
PαBH3の性能はdCTPαSの性能と実質的に同等
であることが観察された。ホウ素化dNTP上の修飾部
位はチオール化dNTP上の修飾部位と同じであり、そ
して、2つの基は類似する大きさであり、かつ類似する
電荷を有するため、ほとんどのα−ホウ素化dNTP
は、SDAに関する実質的に面において対応するα−チ
オール化dNTPを模倣するであろう。従って、以前か
らSDAにおける使用が同定されていた、あらゆる制限
エンドヌクレアーゼ認識部位におけるニッキングを誘導
することが知られているdNTPαSのいずれも、対応
するdNTPαBH3が置換できるであろうと確信され
る。即ち、以下のアルファ−ホウ素化dNTPsの示さ
れた半修飾制限エンドヌクレアーゼ認識部位への取り込
みは、対応するdNTPαSのようにSDA反応に必要
なニッキングを誘導するであろう。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】SDAにおいて最も慣用的に使用されてい
る修飾dNTPはチオール化dNTPなので、これらの
試薬を用いた場合に最も高い効率の増幅を得るようにS
DAを最適化した。チオール化dNTPについて最適化
されたSDA反応へのホウ素化dNTPの直接的な置換
が、最適な結果を与えるとは期待できないが、これはホ
ウ素化dNTPの存在下におけるSDAを示すのに最も
簡便な方法である。そこで、一般にdNTPαSを用い
て行われているように、Bst(New EnglandBioLabs)
およびBcaポリメラーゼを用いて、dCTPαBH3
をSDA反応について試験した。Bst反応物は、以下
のものを含んだ:25mM KiPO4,pH7.5;0.
1μg/μl BSA;0.05μMの各バンパープラ
イマー;0.5μM 各SDA増幅プライマー;1.4
mM dCTPαSまたはdCTPαBH3;各々0.5
mMのdGTP、dUTPおよびdATP;500ng
のヒトDNA;4X105標的(Mycobacter
ium tuberculosisのIS6110挿入
要素);10%グリセロール;120単位のBsoBI
および60単位のBst。反応物はさらに6.9mM、
7.6mMまたは8.4mM MgCl2を含み、これらは
4mM、4.7mMまたは5.5mMの遊離マグネシウム
を意味する。Bca反応物も同様であるが、代わりに3
5mM KiPO4,pH7.5;各々0.2mMのdGT
PおよびdATP;160単位のBsoBIおよび8単
位のBcaを用いた。Bca反応物は、5.5mM、6
mMまたは6.5mM MgCl2を含み、これらは3.
2mM、3.7mMまたは4.2mMの遊離マグネシウム
を意味する。酵素およびMgCl2以外の全ての試薬を
含むSDA反応物を調製し、そして100℃で3分間変
性させた。次いで、反応物を55℃で2分間冷却し、ポ
リメラーゼ、制限エンドヌクレアーゼおよびMgCl2
を加えて混合した。55℃で30分間増幅を進行させ
た。試料をドライアイス上で素早く冷凍させることによ
り反応を終了させた。
【0020】10%非変性ゲル上を電気泳動し、臭化エ
チジウムで染色することにより増幅を検出した。あるい
は、以下のように、放射活性的に末端標識した検出プロ
ーブを増幅産物にハイブイダイズさせ、伸長させた:3
5mM KiPO4、1mMの各dNTP、4−6mMの
MgCl2中の1μM検出プローブの5μlを増幅産物
に加え、混合物を100℃で2分間変性させた。試料を
37℃で1分間平衡化し、1単位のexo-Kleno
wポリメラーゼを添加した。伸長反応物を37℃で10
分間インキュベートし、11μlのホルムアルデヒドの
添加により停止し、そして8%配列決定ゲル上を電気泳
動した。オートラジオグラフィーによって伸長された検
出プローブを可視化した。
【0021】標的はdCTPαBH3の存在下で首尾良
く増幅され、増幅係数は約104から3X105であっ
た。これらの増幅係数は、dCTPαS反応において得
られる増幅係数の約1/1000であるが、しかしなが
ら、前述したように、反応はホウ素化dNTPの取り込
みについて最適化されていたわけではないので、増幅効
率の減少は予想外というわけではない。この実験は、d
NTPαBH3のSDAにおける取り込みは標的増幅を
維持させるということを、明確に証明している。
【0022】
【配列表】
【0023】(2) 配列情報 SEQ ID NO:1: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 12 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:1: CCAAAACCCT GG 12
【0024】(2) 配列情報 SEQ ID NO:2: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 11 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:2: CCAGGTTTTG G 11
【0025】(2) 配列情報 SEQ ID NO:3: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 12 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:3: GGTCTCTTTT TT 12
【0026】(2) 配列情報 SEQ ID NO:4: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 11 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:4: CCAGGTTTTG G 11
【0027】(2) 配列情報 SEQ ID NO:5: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 14 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:5: GGTGAGGATC GTTT 14
【0028】(2) 配列情報 SEQ ID NO:6: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 11 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:6: GGATCGTTTT T 11
【0029】(2) 配列情報 SEQ ID NO:7: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 19 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:7: GGATGGCATG TCTTTTGGG 19
【0030】(2) 配列情報 SEQ ID NO:8: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 11 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:8: CCCGAGGAAG G 11
【0031】(2) 配列情報 SEQ ID NO:9: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 10 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:9: GTCTCCAATC 10
【0032】(2) 配列情報 SEQ ID NO:10: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 13 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:10: GGGTCTCCAG GAA 13
【0033】(2) 配列情報 SEQ ID NO:11: (i) 配列の特性: (A) 長さ: 11 塩基対 (B) 型: 核酸 (C) 鎖の数: 二本鎖 (D) トポロジー: 直鎖状 (xi) 配列: SEQ ID NO:11: GCAATGGCGG C 11
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 595117091 1 BECTON DRIVE, FR ANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNI TED STATES OF AMER ICA (72)発明者 ジョージ・テランス・ウォーカー アメリカ合衆国ノース・カロライナ州 27514,チャペル・ヒル,マウント・ボ ラス・ロード 209 (56)参考文献 特開 平5−192195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 C12Q 1/68 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SDAによって標的核酸配列を増幅する方
    法であって、アルファ−ホウ素化デオキシヌクレオシド
    トリフォスフェートを制限エンドヌクレアーゼの二本鎖
    認識部位に導入し、よってSDA反応中に制限エンドヌ
    クレアーゼによってニックを入れられる半修飾された制
    限エンドヌクレアーゼ認識部位を生じさせる、SDA反
    応において標的核酸配列を増幅することを含む、前記方
    法。
  2. 【請求項2】アルファ−ホウ素化デオキシヌクレオシド
    トリフォスフェートが2'−デオキシシチジン−α−ホ
    ウ素化トリフォスフェートである、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】制限エンドヌクレアーゼがBsoBIであ
    る、請求項2の方法。
  4. 【請求項4】認識部位がCTCGGGである、請求項2
    の方法。
  5. 【請求項5】制限エンドヌクレアーゼが、HincI
    I、AvaI、Fnu4HI、NiciIおよびBsr
    Iからなるグループから選択される、請求項1の方法。
  6. 【請求項6】制限エンドヌクレアーゼによる二本鎖DN
    Aのニッキングを誘導する方法であって、アルファ−ホ
    ウ素化デオキシヌクレオシドトリフォスフェートを制限
    エンドヌクレアーゼの二本鎖認識部位に導入して半修飾
    された認識部位を生じさせ、よって、制限エンドヌクレ
    アーゼによって半修飾された認識部位のニッキングを誘
    導させることを含む、前記方法。
  7. 【請求項7】ホウ素化デオキシヌクレオシドトリフォス
    フェートが2'−デオキシシチジン−α−ホウ素化トリ
    フォスフェートである、請求項6の方法。
  8. 【請求項8】制限エンドヌクレアーゼがBsoBIであ
    る、請求項7の方法。
  9. 【請求項9】認識部位がCTCGGGである、請求項8
    の方法。
  10. 【請求項10】制限エンドヌクレアーゼが、HincI
    I、AvaI、Fnu4HI、NiciIおよびBsr
    Iからなるグループから選択される、請求項6の方法。
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