JP2005508135A - Rna配列の増幅のための方法および組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、ポリヌクレオチド増幅の分野に関する。より詳細には、本発明は、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドおよびRNA転写を用いる、目的のRNA配列を増幅する(すなわち、複数コピーを作製する)ための、方法、組成物およびキットを提供する。
【背景技術】
【0002】
リボ核酸(RNA)を増幅する能力は、生物学的プロセスを解明する努力の重要な局面である。今日までに、RNA(一般に、mRNA)増幅は、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)方法およびそのバリエーションを用いて最も普通に行われている。これらの方法は、RNAに相補的な一本鎖DNA(cDNA)を形成する、逆転写酵素によるRNAの複製、続いて複数コピーの二本鎖DNAを生成する、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅に基づく。これらの方法は最も普通に用いられるが、これらは、いくつかの顕著な欠点を有する:a)反応は、熱サイクリングを必要とする;b)産物は二本鎖であり、従って、プローブへの結合にそれほど接近可能でなくする;c)反応は、以前の増幅産物によって汚染される傾向があり、従って、反応混合物の厳密な封じ込めを必要とする;およびd)これらは、異なる配列の増幅の不均一な効率、および投入標的RNAの連続複製ではなく、増幅産物の複製に基づく指数関数的増幅の性質に起因して、これらの方法の増幅の指数関数的性質によって、投入した総RNAサンプル中の種々のRNA配列の代表を実際は反映しない産物プールを作製する傾向がある。
【0003】
総細胞mRNAは、規定の時間での遺伝子発現活性を表す。遺伝子発現は、細胞周期の進行、発生調節、内部刺激および外部刺激への反応などによって影響される。生物中の任意の細胞gタンパク質についての発現された遺伝子のプロファイルは、正常状態または罹病状態、種々の刺激、発生段階、細胞分化への応答などを反映する。
【0004】
遺伝子発現の分析のための種々の方法は、近年開発されている。例えば、米国特許第5,744,308号;同第6,143,495号;同第5,824,517号;同第5,829,547号;同第5,888,779号;同第5,545,522号;同第5,716,785号;同第5,409,818号;EP 0971039A2;EP0878553A2を参照のこと。これらは、特定のmRNAの定量、および多数のmRNAの同時定量、ならびに既知遺伝子および未知遺伝子の発現パターンの検出および定量を包含する。遺伝子発現プロファイルの分析は、現在、細胞の分化および細胞の発達の研究において、ならびに種々の生物(特にヒト)の正常状態および罹病状態の調査において、最も強力なツールの1つである。この分析は、遺伝子の発見、分子医薬および薬物発見プロセスに重要である。
【0005】
遺伝子発現プロファイリングに必須であるのは、任意の細胞または組織から調製された総細胞mRNAをランダムに増幅する能力である。非増幅mRNAの分析は可能であるが、かなりの量の出発mRNAが必要とされる。しかし、利用可能であるサンプルmRNA総量は、これを誘導する生物学的サンプルの量によって頻繁に制限される。生物学的サンプルはしばしば、量が制限され、そして貴重である。さらに、種々のmRNA種の量は均等ではない;いくつかの種は、他の種よりも豊富であり、そしてこれらは、分析される可能性がより高く、そしてより容易に分析される。mRNA配列を増幅する能力は、より量の少ない、稀なmRNA種の分析を可能にする。核酸増幅によって少量のサンプルを分析する能力はまた、サンプル容積の減少が、非常に大規模なスクリーニングまたはハイスループットスクリーニングを実施する能力、およびライブラリー成分の制限量に関しての両方についての主な懸念である、エフェクター分子ライブラリーの大規模スクリーニングの設計パラメーターに有利である。
【0006】
それゆえ、既存の方法における欠点を克服する、改善されたRNA増幅方法の必要性が存在する。本発明は、本明細書において、この必要性を満たし、そしてさらなる利点を提供する。
【0007】
本明細書中に引用した全ての参考文献(特許出願および特許公報を含む)は、その全体が参考として援用される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(関連出願の引用)
本出願は、2001年3月9日に出願された仮特許出願米国第60/274,236号の優先権の利益を主張する。仮特許出願米国第60/274,236号は、その全体が参考として援用される。
【0009】
(発明の開示)
本発明は、ポリヌクレオチド(特に、リボ核酸)の増幅のための方法、組成物およびキット、ならびにこの増幅方法の適用を提供する。
【0010】
1つの局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAにハイブリダイズした第一プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される、工程;(b)工程(b)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;(c)第一プライマー伸長産物にハイブリダイズした第二プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物を含む複合体が生成される、工程;(d)工程(c)の複合体を変性させる工程;および(e)第二プライマー伸長産物に、プロプロモーター、および第二プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写産物が生成される工程;それにより、目的のRNA配列の相補配列の複数コピーが生成される。
【0011】
1つの局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列の複数コピーを作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)第一プライマーを標的リボ核酸へとハイブリダイズする工程;(b)第一プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および標的リボ核酸を含む複合体が生成される、工程;(c)工程(b)の複合体中のリボ核酸を、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;(d)第二プライマーを、第一プライマー伸長産物へとハイブリダイズさせる工程;(e)第二プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物を含む複合体を生成する工程;(f)工程(e)の複合体を変性させる工程;(g)第二プライマー伸長産物に、プロプロモーター、および第二プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、標的リボ核酸に相補的な配列を含むRNA転写産物が産生される工程、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される。いくつかの実施形態では、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドは、プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)である。いくつかの実施形態では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)上記の本発明の局面の工程(f)から得られた一本鎖第二プライマー伸長産物と、プロプロモーター、および一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチドと、RNAポリメラーゼとを合わせる工程;ならびに(b)工程(a)の混合物を、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件(これは、必要な基質および緩衝液条件を含む)下でインキュベートする工程、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される。インキュベーションが、本明細書中に記載の方法のいずれかの部分として実施される程度まで、これらのインキュベーション工程の任意の組合せ、および任意の単一インキュベーション工程は、本発明の範囲内に含まれることが理解される。別の組合せ工程は、反応混合物をインキュベートすることとなるので、1以上のインキュベーション工程を含む方法は、このような組合せ工程を必要としないこともまた理解される。
【0012】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAにハイブリダイズした第一プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される、工程;(b)工程(a)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;(c)第一プライマー伸長産物にハイブリダイズした第二プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物を含む複合体が生成される、工程;(d)工程(c)の複合体を変性させる工程;(e)第二プライマー伸長産物に、プロプロモーター、および第二プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写産物が生成される工程;(f)上記RNA転写産物にハイブリダイズした第三プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第三プライマー伸長産物およびRNA転写産物を含む複合体が生成される、工程;(g)工程(f)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;(h)プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写産物が生成される工程;(i)必要に応じて、工程(f)〜工程(h)を繰り返す工程;それにより、目的のRNA配列の相補配列の複数コピーが生成される。
【0013】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)第一プライマーを標的リボ核酸にハイブリダイズさせる工程;(b)第一プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および標的リボ核酸を含む複合体が生成される、工程;(c)工程(b)の複合体中のリボ核酸を、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;(d)第二プライマーを、第一プライマー伸長産物へとハイブリダイズさせる工程;(e)第二プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物を含む複合体が生成される、工程;(f)工程(e)の複合体を変性させる工程;(g)第二プライマー伸長産物に、プロプロモーター、および第二プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、標的リボ核酸に相補的な配列を含むRNA転写産物が生成される工程;(h)第三プライマーを、上記RNA転写産物へとハイブリダイズさせる工程;(i)第三プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長させ、それにより、第三プライマー伸長産物およびRNA転写産物を含む複合体が生成される、工程;(j)工程(i)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;(k)プロプロモーターおよび一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、標的リボ核酸に相補的な配列を含むRNA転写産物が生成される工程;(1)必要に応じて、工程(h)〜工程(k)を繰返す工程、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー生成される。いくつかの実施形態では、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドは、プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)である。いくつかの実施形態では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)この段落の上記の工程(f)から得られた一本鎖第二プライマー伸長産物と;標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写産物にハイブリダイズ可能な配列を含む第三プライマーと;プロプロモーター、および一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチドと;プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチドと;RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素と;ならびにRNAポリメラーゼとを合わせる工程;ならびに(b)工程(a)の混合物を、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件下(これは、必要な基質および緩衝液を含む)でインキュベートする工程、それにより、目的のRNA配列の相補配列の複数コピーが作製される。なお別の実施形態では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)この段落の上記の工程(g)からのRNA転写産物と;RNA転写産物にハイブリダイズ可能な配列を含む第三プライマーと;プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチドと;RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素と;ならびにRNAポリメラーゼとを合わせる工程;ならびに(b)工程(a)の混合物を、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件下で(これは、必要な基質および緩衝液を含む)インキュベートする工程、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される。
【0014】
なお別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的リボ核酸と;標的リボ核酸にハイブリダイズ可能である配列を含む第一プライマーと;第一プライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能な配列を含む第二プライマーと;プロプロモーター、および一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチドと;RNA依存性DNAポリメラーゼと;DNA依存性DNAポリメラーゼと;RNAポリメラーゼと;ならびにRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素とを合わせる工程;ならびに(b)工程(a)の混合物を、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件下で(これは、必要な基質および緩衝液条件を含む)インキュベートする工程。いくつかの実施形態では、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドは、プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)である。
【0015】
なお別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する(増幅する)方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的リボ核酸と;標的リボ核酸にハイブリダイズ可能である配列を含む第一プライマーと;第一プライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能な配列を含む第二プライマーと;標的リボ核酸に相補的な配列を含むRNA転写産物にハイブリダイズ可能な配列を含む第三プライマーと;プロプロモーター、および一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチドと;プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチドと;RNA依存性DNAポリメラーゼと;DNA依存性DNAポリメラーゼと;RNAポリメラーゼと;ならびにRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素とを合わせる工程;ならびに(b)工程(a)の混合物を、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件下(これは、必要な基質および緩衝液条件を含む)でインキュベートする工程。いくつかの実施形態では、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドは、プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)である。
【0016】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAにハイブリダイズした第一プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体を生成する工程;(b)工程(b)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;(c)第一プライマー伸長産物にハイブリダイズした第二プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物を含む複合体が生成される工程;(d)工程(c)の複合体を変性する工程;ならびに(e)第二プライマー伸長産物に、プロプロモーター、および第二プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写産物が生成される、工程;それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される。
【0017】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)標的RNAにハイブリダイズした第一プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および標的RNAを含む複合体が生成される、工程;(b)工程(a)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;(c)第一プライマー伸長産物にハイブリダイズした第二プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物を含む複合体が生成される、工程;(d)工程(c)の複合体を変性させる工程;(e)第二プライマー伸長産物に、プロプロモーター、および第二プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写産物が生成される、工程;(f)上記RNA転写産物にハイブリダイズした第三プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第三プライマー伸長産物およびRNA転写産物を含む複合体が生成される、工程;(g)工程(f)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;(h)プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写産物が生成される、工程;(i)必要に応じて、工程(f)〜工程(h)を繰り返す工程;それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー生成される。
【0018】
別の局面では、本発明は、反応混合物をインキュベートする工程を包含する、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この反応混合物は、以下を含む:(a)上記の工程(d)から生じた一本鎖第二プライマー伸長産物;(b)プロプロモーター、および一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;ならびにRNAポリメラーゼ;ここで、このインキュベーションは、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件下においてであり、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される。
【0019】
別の局面では、本発明は、反応混合物をインキュベートする工程を包含する、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この反応混合物は、以下を含む:(a)上記の工程(d)から生じた一本鎖第二プライマー伸長産物;(b)標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写産物にハイブリダイズ可能な配列を含む、第三プライマー;(c)プロプロモーター、および一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;(d)プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;(e)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素;ならびに(f)RNAポリメラーゼ;ここで、このインキュベーションは、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件下においてであり、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される。
【0020】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、この反応混合物は、以下を含む:(a)上記の工程(e)からのRNA転写産物、(b)RNA転写産物にハイブリダイズ可能な配列を含む第三プライマー;(c)プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;(d)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素;ならびに(e)RNAポリメラーゼ;ここで、インキュベーションは、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件下においてであり、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される。
【0021】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、この反応混合物は:(a)標的RNA;(b)標的RNAにハイブリダイズ可能である配列を含む第一プライマー;(c)第一プライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能である配列を含む第二プライマー;(d)プロプロモーター、および一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;(e)RNA依存性DNAポリメラーゼ;(f)DNA依存性DNAポリメラーゼ;(g)RNAポリメラーゼ;ならびに(h)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を含み;ここで、このインキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーション、およびRNA転写を可能にする条件下においてであり、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される。
【0022】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、この反応混合物は:(a)標的RNA;(b)標的RNAにハイブリダイズ可能である配列を含む第一プライマー;(c)第一プライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能である配列を含む第二プライマー;(d)標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写産物にハイブリダイズ可能である配列を含む第三プライマー;(e)プロプロモーター、および一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;(f)プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;(g)RNA依存性DNAポリメラーゼ;(h)DNA依存性DNAポリメラーゼ;(i)RNAポリメラーゼ;ならびに(j)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を含み;ここで、このインキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーション、およびRNA転写を可能にする条件であり、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される。
【0023】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は:(a)複合プライマーを、上記の工程(d)から得られた一本鎖第二プライマー伸長産物へとハイブリダイズさせる工程であって、ここで、複合プライマーが、RNA部分および3’DNA部分を含む、工程;(b)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて複合プライマーを伸長し、それにより、プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物を含む複合体が形成される工程;(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、工程(b)の複合体中のRNAを切断し、その結果、別の複合プライマーが、第二プライマー伸長産物にハイブリダイズし、そして鎖置換によるプライマー伸長を繰り返す工程を包含し、それにより、目的のRNA配列の相補体が複数コピー生成される。
【0024】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程:(a)第二プライマー伸長産物にハイブリダイズした複合プライマーを伸長する工程であって、ここで、このプライマー伸長産物は、本明細書中に記載される方法のいずれかによる、テンプレートRNAにハイブリダイズした第一プライマーの伸長によって作製された第一プライマー伸長産物の相補体を含む、工程を包含し;それにより、この第一プライマー伸長産物は置換され、それにより、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列が複数コピー作製される。
【0025】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、この反応混合物は:(a)上記の工程(d)から得た一本鎖第二プライマー伸長産物;(b)一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である複合プライマーであって、ここで、複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む、複合プライマー;(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ;(d)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を含み;ここで、インキュベーションは、複合プライマーのプライマーハイブリダイゼーション、RNA切断、およびRNAが切断され、そして複合プライマーが複合体中のプライマー伸長産物に結合した場合、上記の工程(a)の複合体からのプライマー伸長産物の置換を可能にする条件下で行われ、それにより、目的のRNA配列の相補体が複数コピー生成される。
【0026】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列を複数コピー作製する方法を提供し、この方法は、以下の工程:(a)第二プライマー伸長産物にハイブリダイズした複合プライマーを伸長する工程であって、ここで、このプライマー伸長産物は、本明細書中に記載される方法のいずれかによるテンプレートRNAにハイブリダイズした第一プライマーの伸長によって作製された第一プライマー伸長産物の相補体を含み;それにより、この第一プライマー伸長産物が置換される工程、(b)置換された第一プライマー伸長産物と、プロプロモーター、および置換された第一プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含むポリヌクレオチドとを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズし、その結果、置換されたプライマー伸長産物に相補的な配列を含むRNA転写産物が生成される工程を包含し、それにより、目的のRNA配列が複数コピー作製される。
【0027】
当業者に明らかであるように、目的のRNA配列もしくはDNA配列のコピー、または目的のRNA配列もしくはDNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列のコピーの生成についての言及は、このような配列を含み(contain)得るか、含有(comprise)し得るか、またはこのような配列からなり(consist)得る産物を言及する。当業者に明白であるように、得られた混合物を合わせるかまたはインキュベートすることを言及する局面はまた、(種々の組合せおよび/またはサブ組合せの)種々の混合物をインキュベートし、その結果、所望の産物が形成される工程を包含する、方法の実施形態を包含する。これらのインキュベーション工程の任意の組合せ、および任意の単一のインキュベーション工程は、インキュベーションが、本明細書中に記載される方法のいずれかの一部として行われる範囲内で、本発明の範囲内に含まれることが理解される。別の組合せは、反応混合物をインキュベートすることとなるので、1以上のインキュベーション工程を包含する方法は、このような組合せ工程を必要としないこともまた理解される。
【0028】
種々の実施形態のプライマーが、本発明の方法において用いられる。例えば、いくつかの実施形態では、第一プライマーは、(所定のセットの条件下で)標的リボ核酸にハイブリダイズ可能でない5’部分を含む。これらの実施形態のいくつかでは、5’部分は、その相補体が所定のセットの条件下でプロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である配列を含む。1つの例では、第一プライマー中にこの5’部分が存在することによって、(所定のセットの条件下で)プロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である第二プライマー伸長産物が生成される。別の例では、第一プライマー中にこの5’部分が存在することによって、(所定のセットの条件下で)プロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である第三プライマー伸長産物が生成される。標的RNAがmRNAであるいくつかの実施形態では、第一プライマーは、ポリT配列を含み得る。他の実施形態では、第二プライマーと第三プライマーとは同一である。なお別の実施形態では、第二プライマーと第三プライマーとは異なる。なお別の実施形態では、第二プライマーと第三プライマーとは、異なる相補配列にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、第二プライマーおよび/または第三プライマーは、ランダム配列である配列(例えば、3’配列)を含む。なお他の実施形態では、第二プライマーおよび/または第三プライマーは、ランダムプライマーである。なお他の実施形態では、第三プライマーは、複合プライマーである。いくつかの実施形態では、複合プライマーのRNA部分は、3’DNA部分に関して5’側である。なお他の実施形態では、5’RNA部分は、3’DNA部分に隣接する。他の実施形態では、複合プライマーは、第一プライマーの配列を含む。
【0029】
これらの方法および組成物において使用され得る酵素は、本明細書中に記載される。例えば、RNAを切断する酵素はRNaseHであり得、そしてRNA依存性DNAポリメラーゼは逆転写酵素であり得る。RNA依存性DNAポリメラーゼは、RNase H酵素活性を含み得る。同様に、DNAポリメラーゼは、RNA依存性DNAポリメラーゼ酵素活性およびDNA依存性DNAポリメラーゼ酵素活性の両方を含み得る。DNA依存性DNAポリメラーゼと、RNAを切断する酵素とはまた、同一の酵素であり得る。DNA依存性DNAポリメラーゼと、RNA依存性DNAポリメラーゼと、RNAを切断する酵素とはまた、同一の酵素であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、本発明の方法を用いて、標識ポリヌクレオチド産物(一般に、DNA産物またはRNA産物)が作製される。標識DNA産物を作製するための方法のいくつかの実施形態では、用いられるdNTPの少なくとも1つの型は、標識dNTPである。標識RNA産物を作製するための方法のいくつかの実施形態では、用いられるrNTPの少なくとも1つの型は、標識rNTPである。標識DNA産物を作製するための方法の他の実施形態では、標識複合プライマーが用いられる。
【0031】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、第二プライマー伸長産物または第三プライマー伸長産物に3’末端でハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)を用い、それにより、伸長産物のDNAポリメラーゼ伸長が、転写が生じる二本鎖プロモーターを生成する。
【0032】
これらの方法は、任意のRNA標的(例えば、mRNAおよびリボゾームRNAを含む)を増幅するために適用され得る。1以上の工程は、(しばしば、必要な産物が形成され得る限り、任意の順番で)逐次、組み合わされ得る、および/または実施され得る。本発明が、開始(すなわち第一)工程が、本明細書中に記載される工程のうちのいずれかである方法を包含することもまた明らかであり、そして本明細書中に記載される。例えば、本発明の方法は、第一工程が、RNAテンプレートからの第一プライマー伸長産物の生成であることを必要としない。本発明の方法は、より後の、「下流」工程が開始工程である実施形態を包含する。
【0033】
本発明はまた、本発明の増幅方法の産物を用いる(通常、分析する)方法(例えば、配列決定、配列の変更の検出(例えば、遺伝子型決定(genotyping)または核酸変異検出);目的の配列の存在または不在の決定;遺伝子発現プロファイリング;差引きハイブリダイゼーション;差引きハイブリダイゼーションプローブの調製;差示的増幅;ライブラリー(cDNAライブラリーおよび差示的発現ライブラリーを含む)の調製;固定化核酸(マイクロアレイに固定化した核酸であり得る)の調製、ならびに本発明の方法によって作製された増幅核酸産物の特徴付け(検出および定量を含む)を提供する。
【0034】
1つの局面では、本発明は、目的のRNA配列を配列決定する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)rNTPとrNTPアナログとの混合物の存在下で、本明細書中に記載の方法によって、目的の配列を含む標的リボ核酸を増幅し、その結果、rNTPアナログの取り込みの際に転写が終了する工程;および(b)増幅産物を分析して配列を決定する工程。
【0035】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列を配列決定する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法によって、目的の配列を含む標的リボ核酸を増幅する工程であって、ここで、第二プライマー伸長産物から作製されるRNA転写産物が、rNTPとrNTPアナログとの混合物の存在下で増幅され、その結果、rNTPアナログの取込みの際に転写が終了する、工程;および(b)増幅産物を分析して配列を決定する工程。
【0036】
いくつかの局面では、本発明は、目的のRNA配列を配列決定する方法を提供し、この方法は、目的の配列を含む標的RNAを、dNTPとdNTPアナログ(標識されていても標識されていなくてもよい)との混合物の存在下で本発明の増幅方法によって増幅し、その結果、標識されていても標識されていなくてもよいdNTPアナログの取込みの際にプライマー伸長が終了する工程、および増幅産物を分析して配列を決定する工程を包含する。
【0037】
いくつかの局面では、本発明は、標的リボ核酸中の変異を検出する(または、いくつかの局面では、配列を特徴付けする)方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法によって標的リボ核酸を増幅する工程;および(b)この方法の増幅産物を一本鎖コンホメーションについて分析する工程であって、ここで、基準一本鎖ポリヌクレオチドと比較してのコンホメーションの相違が、標的リボ核酸中の変異を示す、工程。他の実施形態では、本発明は、標的リボ核酸中の変異を検出する(または、いくつかの局面では、配列を特徴付けする)方法を提供し、この方法は、本明細書中に記載の方法のいずれかの増幅産物を、一本鎖コンホメーションについて分析する工程であって、ここで、基準一本鎖ポリヌクレオチドと比較してのコンホメーションの相違が、標的リボ核酸中の変異を示す(または、いくつかの局面では、標的配列を特徴付ける)、工程を包含する。
【0038】
別の局面では、本発明は、基材に固定化された核酸を生成する方法(これは、マイクロアレイを生成する方法を包含する)を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法のいずれかによって標的RNAを増幅する工程;および(b)増幅産物を基材に固定する工程。増幅産物は、標識されていても標識されていなくてもよい。他の局面では、本発明は、マイクロアレイを生成する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の増幅方法によって標的RNAを増幅する工程;および(b)増幅産物を基材(これは、固体または半固体であり得る)に固定化する工程。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、増幅産物を基材上に固定化して、増幅産物のマイクロアレイを作製することによって生成される。他の実施形態では、マイクロアレイは、増幅産物を本明細書中に記載の方法のいずれかによって固体基板上に固定化して、増幅産物のマイクロアレイを作製することによって生成される。マイクロアレイは、紙、ガラス、セラミック、プラスチック、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、ケイ素、他の金属、および光ファイバーからなる群より選択される材料から製造された固体はまたは半固体の基材に固定化された少なくとも1つの増幅産物を含み得る。増幅産物は、二次元形状または三次元形状(ピン、ロッド、繊維、テープ、糸、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリーおよびシリンダーを含む)の固体または半固体の基材上に、固定化され得る。
【0039】
本発明の方法のいずれかを用いて、サンプル中の目的のRNA配列の特徴付けに適しているポリヌクレオチド(一般に、RNAまたはDNA)産物を作製し得る。1つの実施形態では、本発明は、目的のRNA配列を特徴付けする(例えば、検出および/または定量および/または存在もしくは不存在を決定する)ための方法を提供し、この方法は以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法のいずれかによって標的RNAを増幅する工程;および(b)増幅産物を分析する工程。増幅産物を分析する工程(b)は、例えば、プローブにハイブリダイズする増幅産物の検出および/または定量および/または存在もしくは不存在を決定することによって、当該分野で公知かまたは本明細書中に記載される任意の方法によって実施され得る。これらの増幅産物は、標識されていても標識されていなくてもよい。本発明の方法のいずれかを用い、標識ヌクレオチドをこの方法の適切な工程に組み込むことによって、標識されたポリヌクレオチド(一般に、RNAまたはDNA)産物を作製し得る。これらの標識産物は、当該分野で公知の方法(これは、cDNAマイクロアレイおよびオリゴヌクレオチドアレイのようなアレイの使用を含む)による定量および/または同定および/または存在もしくは不存在の決定に特に適切である。1つの局面では、本発明は、目的のRNA配列を特徴付けする方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法によって標的RNAを増幅して、標識産物を作製する工程;および(b)標識産物を分析する工程。いくつかの実施形態では、RNA産物を分析する工程は、この産物の量を決定し、それにより、サンプル中に存在する目的のRNA配列の量が定量されることを含む。ポリヌクレオチド産物は、例えば、ポリヌクレオチド産物を、少なくとも1つのプローブと接触させることによって分析され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプローブは、マイクロアレイとして提供される。マイクロアレイは、紙、ガラス、プラスチック、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、ケイ素および光ファイバーからなる群より選択される材料から製造された固体または半固体の基材上に固定化された少なくとも1つのプローブを含み得る。プローブは、二次元形状または三次元形状(ピン、ロッド、繊維、テープ、糸、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリーおよびシリンダーを含む)の固体または半固体の基材上に固定化され得る。
【0040】
別の局面では、本発明は、サンプル中の遺伝子発現プロファイルを決定する方法を提供し、この方法は:(a)本明細書中に記載の方法のいずれかを用いて、サンプル中の少なくとも1つの目的のRNA配列を増幅する工程;および(b)各目的のRNA配列の増幅産物の量を決定する工程であって、ここで、この各量は、サンプル中の各目的のRNA配列の量を示す工程を包含し、それにより、サンプルの遺伝子発現プロファイルが決定される。
【0041】
別の局面では、本発明は、差引きハイブリダイゼーションプローブを調製する方法を提供し、この方法は、本明細書中に記載の方法のいずれかを用いて第一RNA集団から、少なくとも1つの目的のRNA配列の相補体のコピーである複数の一本鎖ポリヌクレオチド(好ましくはDNA)を作製する工程を包含する。
【0042】
別の局面では、本発明は、差引きハイブリダイゼーションを実施する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法のいずれかを用いて、第一RNA集団から、少なくとも1つの目的のRNA配列の相補体を複数コピー作製する工程;および(b)この複数コピーを第二mRNA集団にハイブリダイズさせ、それにより、第二mRNA集団のサブ集団が、少なくとも1つの目的のRNA配列の相補体のコピーとの複合体を形成する工程。DNAコピーが作製される実施形態では、この方法はさらに以下を包含する:(c)工程(b)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;および(d)第二mRNA集団のうちのハイブリダイズしていないサブ集団を(本明細書中に記載の方法を含め、任意の方法を用いて)増幅し、それにより、第二mRNA集団のうちのハイブリダイズしていないサブ集団に相補的な一本鎖DNAが複数コピー作製される工程。
【0043】
別の局面では、本発明は、差示的増幅のための方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法のうちのいずれかを用いて、第一RNA集団から少なくとも1つの目的のRNA配列の相補体の複数の核酸(一般にDNA)コピーを作製する工程;(b)この複数コピーを第二mRNA集団にハイブリダイズさせ、それにより、第二mRNA集団のサブ集団が、DNAコピーと複合体を形成する、工程;(c)工程(b)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;および(d)第二mRNA集団のうちのハイブリダイズしていないサブ集団を、任意の方法(本明細書中に記載の方法を含む)を用いて増幅する工程、それにより、第二mRNA集団のうちのハイブリダイズしていないサブ集団に相補的な一本鎖DNAが複数コピー作製される。これらの方法は、差引きハイブリダイゼーションにおいて用いられるコピーが、本明細書中に記載の方法のいずれかを用いて作製される場合、工程(b)、工程(c)および工程(d)を包含する。
【0044】
別の局面では、本発明は、ライブラリーを作製するための方法を提供し、この方法は、本明細書中に記載の通りの差引きハイブリダイゼーションプローブまたは本明細書中に記載の通りの差示的増幅を調製する工程を包含する。これらの適用のいずれも、本明細書中に記載されるとおりの増幅方法(種々の成分およびこれらの成分のいずれかの種々の実施形態を含む)のいずれかを用い得る。
【0045】
本発明はまた、本明細書中に記載の増幅方法において用いられる種々の成分(およびこれらの成分の種々の組合せ)を含む、組成物、キット、複合体、反応混合物および系を提供する。これらの組成物は、本明細書中に記載される任意の成分、反応混合物および/または中間体、ならびにそれらの任意の組合せであり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下を含む組成物を提供する:(a)第一プライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);(b)第二プライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);および(c)プロプロモーターポリヌクレオチド(これは、いくつかの実施形態では、PTOである)。いくつかの実施形態では、これらの組成物は、以下をさらに含み得る:(d)第三プライマー(これは、ランダムプライマーであり得る)。これらの実施形態のうちのいくつかでは、第一プライマーは、標的RNAにハイブリダイズ可能でない配列を含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、第二プライマーは、第一プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能でない配列を含む。いくつかの実施形態では、第三プライマーは、RNA転写産物にハイブリダイズ可能でない配列を含む。いくつかの実施形態では、プロプロモーターポリヌクレオチド(上記の(c))は、第一プライマーの5’部分の相補体にハイブリダイズし得る。
【0047】
本発明はまた、第一プライマー伸長産物を作製するために用いた第一プライマーの5’部分の相補体である第二プライマー伸長の3’部分にハイブリダイズし得るプロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)を含む組成物を提供する。
【0048】
本発明はまた、以下を含む組成物を提供する:(a)第一プライマー;(b)第二プライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);および(c)複合プライマー(ここで、複合プライマーは、5’RNA部分およびDNA部分を含む)。いくつかの実施形態では、本発明は、以下を含む組成物を提供する:(a)標的RNAにハイブリダイズ可能な第一プライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);(b)第二プライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);および(c)第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能な複合プライマー。いくつかの実施形態では、組成物はさらに、以下のうちの1以上を含む:DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子(一般に、酵素)。
【0049】
本発明はまた、本明細書中に記載される増幅産物を含む組成物を提供する。従って、本発明は、本明細書中に記載の方法のいずれかによって生成される、標的配列のコピーであるアンチセンスRNA分子の集団を提供する。本発明はまた、本明細書中に記載の方法のいずれかによって生成される、アンチセンスポリヌクレオチド(一般にDNA)分子の集団を提供する。
【0050】
別の局面では、本発明は、本明細書中に記載の複合体(これは一般に、最終増幅産物に対する中間体と考えられる)のいずれかを含む組成物を提供する(これらの種々の複合体の例の模式的表示に関して図面もまた参考のこと)。例えば、本発明は、(a)第一プライマー伸長産物;と(b)標的RNA鎖との複合体を含む組成物を提供する。なお別の局面では、本発明は、(a)第一プライマー伸長産物;と(b)第二プライマー伸長産物との複合体を含む組成物を提供する。別の例では、本発明は、(a)第二プライマー伸長産物;と(b)プロプロモーターポリヌクレオチド(これは、PTOであり得る)との複合体を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、プロプロモーターポリヌクレオチドは、第一プライマー(first prime)の5’部分の相補体を含む、第二プライマー伸長産物中の配列にハイブリダイズし、ここで、第一プライマーは伸長されて、第一プライマー伸長産物を形成する。なお別の例では、本発明は、(a)第三プライマー伸長産物;と(b)プロプロモーターポリヌクレオチド(これは、PTOであり得る)との複合体を含む組成物を提供する。なお別の例では、本発明は、(a)ハイブリダイズした第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物の変性によって作製された第二プライマー伸長産物;と(b)第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能な複合プライマーとの複合体を含む組成物を提供する。
【0051】
別の局面では、本発明は、任意の1以上の産物(中間体を含む)、および本発明の方法の任意の局面によって生成される産物(中間体を含む)を含む組成物を包含する。産物は、本明細書中に記載の方法において用いられるプライマーの性質に一般的に基づく、ライブラリーおよび生成される任意の他の集団を包含する。
【0052】
別の局面では、本発明は、本明細書中に記載される成分の種々の組合せを含む、反応混合物(または反応混合物を含む組成物)を提供する。例えば、本発明は、以下を含む反応混合物を提供する:(a)標的RNA;(b)第一プライマー;(c)第二プライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);(d)RNAポリメラーゼ;および(e)DNAポリメラーゼ。反応混合物はまた、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNase H)をさらに含み得る。本発明の反応混合物はまた、プロプロモーターポリヌクレオチド(これは、いくつかの実施形態では、PTOである)を含み得る。
【0053】
別の局面では、本発明は、以下を含む反応混合物を提供する:(a)標的RNA;(b)第一プライマー;(c)第二プライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);(d)RNAポリメラーゼ;(e)DNAポリメラーゼ;および(f)複合プライマー。反応混合物はまた、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNase H)をさらに含み得る。
【0054】
別の局面では、本発明は、本明細書中に記載の方法を実施するためのキットを提供する。これらのキットは、適切なパッケージ中にあり、そして以下を含む本明細書中に記載される本発明の方法のいずれかを実施するための適切な指示書を一般に(しかし、必ずというわけではなく)含む:配列決定、配列の変更の検出(例えば、遺伝子型決定または核酸変異検出);目的の配列の存在または不存在の決定;遺伝子発現プロファイリング;差引きハイブリダイゼーション;差引きハイブリダイゼーションプローブの調製;差示的増幅;ライブラリー(cDNAライブラリーおよび差示的発現ライブラリーを含む)の調製;固定化核酸(これは、マイクロアレイ上に固定化された核酸であり得る)の調製、および本発明の方法によって作製されて増幅された核酸産物の特徴付け(検出および/または定量および/または存在もしくは不存在の決定を含む)。キットはさらに、本発明の方法において用いられる1以上の成分を含む。例えば、本発明は、その相補体がプロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である配列を含む第一プライマー、およびRNAを増幅するためのプライマーを使用するための指示書を含むキットを提供する。本発明はまた、第二プライマーおよび/または第三プライマー、ならびに必要に応じて、RNAを増幅するためにプライマーを使用するための指示書をさらに含むキットを提供する。キットは、例えば以下のうちのいずれかのような、さらなる成分を含み得る:(a)プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO);および(b)本明細書中に記載される酵素のうちのいずれか(例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNaseH)、DNAポリメラーゼ(RNA依存性またはDNA依存性)およびRNAポリメラーゼ)。別の例では、キットは、以下を含み得る:(a)複合プライマー;および(b)本明細書中に提供される本発明の方法を用いて標的RNAを増幅するために複合プライマーを使用するための指示書。キットは、さらなる成分(本明細書中に記載される酵素のうちのいずれか(例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNaseH)およびDNAポリメラーゼ(RNA依存性またはDNA依存性))を含む)を含み得る。別の例では、キットは、その相補体がプロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である配列を含む第一プライマー、および本明細書中に記載の方法のいずれかを用いてRNAを増幅するためにプライマーを使用するための指示書を含む。別の実施形態では、キットは、第二プライマーをさらに含む。
【0055】
別の局面では、本発明は、本明細書中に記載の増幅方法をもたらすための系を提供する。例えば、本発明は、標的リボ核酸を増幅するための系を提供し、この系は、以下を含む:(a)第一プライマー;(b)第二プライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);(c)RNA依存性DNAポリメラーゼ;(d)DNA依存性DNAポリメラーゼ;(e)プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO);および(f)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNaseH)。この系はまた、以下を含み得る:(g)第三プライマー(これは、ランダムプライマーであり得る)。本明細書中に記載されるように、本発明の系は一般に、本発明の方法を実施するために適切な1以上の装置を含む。
【0056】
(発明を実施するための形態)
本発明は、ポリヌクレオチド配列(特に、リボ核酸(RNA)配列)を増幅するための、方法、組成物およびキットを提供する。この方法は、単一RNA種またはRNA種のプールの増幅を提供する。この方法は、指数関数的増幅を達成し得、この方法は、生物学的サンプル中の非常に少量のRNA配列の増幅に特に有用である。この方法は、例えば、ライブラリー(cDNAライブラリーを含む)の作製に適切である。これらの方法は、一本鎖RNAまたはいくつかの実施形態では、一本鎖DNA産物を作製し、これらは、マイクロアレイ技術による多重分析、ならびに電気泳動に基づく技術(例えば、差示的シスプレイ)に容易に適合する。この方法は、自動化され得、そして熱サイクリングを必要としない。この方法は一般に、プロプロモーター配列を含むポリヌクレオチドを、プライマー伸長産物にハイブリダイズして、転写を駆動し得る中間体産物を作製する工程を包含し、それにより、目的のRNA配列に相補的な配列を含むRNA転写産物が生成される。別の局面では、この方法は、変性工程、複合プライマーおよび鎖置換を用いた、目的のRNA配列に相補的なDNAコピーの等温線形増幅を含む。Kurn,米国特許第6,251,639号B1を参照のこと。
【0057】
本発明の方法は、1以上のRNA種(例えば、RNA配列のプール)の増幅に関し、生物学的サンプル由来の総RNAの調製の際の全てのRNA(例えば、mRNA)配列の増幅に最も特に適切である。従って、本発明の方法の主な利点の1つは、配列のプール全体を増幅する能力であり、これは、細胞(例えば、目的のサンプル中の生物体(biological)中の細胞)中の遺伝子発現プロファイルを分析する能力に必須である。本発明の方法は、サンプル中の多様なRNA、より好ましくは非常に多様なRNA、そして最も好ましくは全てのRNA(例えば、mRNA)配列を増幅する潜在能力を有する。
【0058】
多くのmRNAが独特のポリA 3’末端を有する限り、mRNAの3’末端配列から開始された増幅は、最も通常は、遺伝子発現プロファイリングの決定または他の適用のための、cDNAライブラリーの調製およびその後の配列分析のためである。本発明の方法は、mRNAの増幅された3’部分のライブラリーの調製に同様に適切である。本発明の方法において用いられる第一プライマーの配列は、ランダム配列を、当該分野で公知の方法に従って用いることにより、サンプル中の多様な(または全ての)mRNA種に相補的であるように設計され得る。
【0059】
mRNA増幅のための種々の方法は、米国特許第744,308号;同第6,143,495号;EP 0971039A2;EP0878553A2に記載されている。これらの方法のほとんどは、転写に基づいており、ここで、RNAポリメラーゼについてのプロモーターは、5’末端に標的RNAにハイブリダイズするプロプロモーター配列を含むプライマーによって二本鎖cDNA中に取り込まれる。これらのプライマーは、テンプレートRNAに非特異的に結合し得る。DNAポリメラーゼが、遊離3’末端を有するテンプレート核酸にハイブリダイズしたプライマー(すなわち、ポリメラーゼによるプライマー伸長の基質)に高親和性を有する限り、5’末端にプロプロモーター配列を含むプライマーは、プロモーター配列を増幅産物中に非特異的に取り込み得る可能性が非常に高い。これにより、転写産物の非制御の生成がもたらされる。本明細書中に記載されるような、プロプロモーターポリヌクレオチドによる二本鎖プロモーターの付加は、転写に基づく増幅産物作製の増大した特異性および制御を提供する。
【0060】
1つの局面では、本発明は、以下の通りに作動する:目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製することは、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドによってその相補体がハイブリダイズ可能である配列を(一般に、その5’部分に)含む第一プライマー(これは、特異的プライマーまたはランダムプライマーであり得る)を用いることによって達成される。いくつかの実施形態では、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドによってその相補体がハイブリダイズ可能である配列は、プライマーが標的RNAにハイブリダイズした場合、標的RNAにハイブリダイズ可能である配列である。他の実施形態では、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドによってその相補体がハイブリダイズ可能である配列は、プライマーが標的RNAにハイブリダイズした場合、標的RNAにハイブリダイズ可能ではない(従って、プライマーが標的にハイブリダイズした場合、テイルを形成する)配列である。RNA依存性DNAポリメラーゼによる標的RNAに沿った第一プライマーの伸長は、少なくとも1つの規定末端(第一プライマー末端)を有する中間ポリヌクレオチド(第一プライマー伸長産物)の作製をもたらす。標的RNAおよび第一プライマー伸長産物を含む複合体からのテンプレートRNAの切断後、次いで、第二プライマー(これは、特異的プライマーまたはランダムプライマーであり得る)は、第一DNA鎖(第一プライマー伸長産物)にハイブリダイズし、そして伸長されて、1つの末端で、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドがハイブリダイズ可能である配列を含む、第一プライマー伸長産物と第二プライマー伸長産物との複合体を形成する。第二プライマーは、第一DNA鎖に沿ってDNAポリメラーゼによって伸長されて第二DNA鎖が作製されるのが可能であるように、第一DNA鎖にハイブリダイズされる任意の配列である。従って、いくつかの実施形態では、第二プライマーは、オリゴヌクレオチド(これは、別に提供される)である。他の実施形態では、これは、第一DNA鎖中の配列にハイブリダイズされる(例えば、ヘアピン構造または自己アニーリング構造)第一DNA鎖の配列であるか、または第一DNA鎖中の配列にハイブリダイズされる(例えば、ヘアピン構造または自己アニーリング構造)第一DNA鎖の配列を(一般に、3’末端に)含む。複合体の変性後、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドは、第二プライマー伸長産物にハイブリダイズされ、そしてプライマー伸長産物の3’末端は、プロプロモーターオリゴヌクレオチド(何らかの突出部が存在する場合)に沿って伸長されて、二本鎖プロモーター領域が作製される。このプロモーターによって駆動されるRNA転写は、目的のRNA配列の相補配列を含むRNA転写産物の複数コピーの作製をもたらす。サイクル増幅(本明細書中では、「指数関数的」増幅ともいう)を含むいくつかの実施形態では、これらのRNA転写産物(および必要に応じて、その後の工程で作製されるRNA転写産物)は、第三プライマー(これは、第二プライマーと同じであっても同じでなくてもよく、そして特異的プライマーまたはランダムプライマーであり得る)とハイブリダイズされる。第三プライマーは伸長されて、RNA転写産物および第三プライマー伸長産物(これは、DNA/RNAヘテロ二重鎖を構成する)を含む複合体を形成する。RNA転写産物の切断は、プロプロモーターポリヌクレオチドがハイブリダイズする一本鎖第三プライマー伸長産物をもたらす。必要な場合(すなわち、突出物が存在する場合)、第三プライマー伸長産物は、プロプロモーターポリヌクレオチドに沿って伸長されて、二本鎖プロモーター領域を作製する。このプロモーターによって駆動されるRNA転写は、目的のRNA配列の相補配列を含むRNA転写産物の複数コピーの作製をもたらす。これらのRNA転写産物に対する第三プライマーのハイブリダイゼーションは、さらなる増幅に至るサイクルプロセスを開始する。
【0061】
従って、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を少なくとも1コピー生成する方法を提供し、この方法は、以下を合わせて反応させる工程を包含する:(a)目的のRNA配列を含む標的RNA;(b)標的RNAにハイブリダイズする第一プライマー;(c)第一プライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能である第二プライマー;(d)RNA依存性DNAポリメラーゼ;(e)DNA依存性DNAポリメラーゼ;(f)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素;(g)プロプロモーター、および第二プライマーの伸長産物にハイブリダイズする領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;(h)デオキシリボヌクレオシド三リン酸または適切なアナログ;(i)リボヌクレオシド三リン酸および適切なアナログ;ならびに(j)RNAポリメラーゼ。サイクル増幅(交換可能に、本明細書中で「指数関数的」増幅と称される)を含む実施形態では、以下もまた、増幅反応に含まれる(上記に列挙した成分と同時かまたは別に添加されるかのいずれか):(k)必要に応じて、標的RNAの配列に相補的な配列を含むRNA転写産物にハイブリダイズする第三プライマー(これは、第二プライマーと同じであっても同じでなくてもよい);および(l)必要に応じて、プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含む、第二ポリヌクレオチド(このポリヌクレオチドは、上記の(g)に記載したポリヌクレオチドと同じであっても同じでなくてもよい)。
【0062】
この開示によって、当業者に明らかなように、記載される反応は、同時であっても逐次であってもよく、このように、本発明は、これらの種々の実施形態および組合せを包含する。
【0063】
いくつかの実施形態では、本発明は、目的のRNA配列の相補配列を少なくとも1コピー生成する方法を提供し、この方法は、以下を合わせて反応させる工程を包含する:(a)本明細書中に記載されるような第一プライマー伸長産物と第二プライマー伸長産物との複合体の変性から生じた一本鎖第二プライマー伸長産物;(b)プロプロモーター、および第二プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;(c)リボヌクレオシド三リン酸および適切なアナログ;ならびに(d)RNAポリメラーゼ。サイクル増幅(「指数関数的」増幅)を含む実施形態では、以下もまた、増幅反応に含まれ得る(上記に列挙した成分と同時かまたは別に添加されるかのいずれか):(e)必要に応じて、標的RNAの配列に相補的な配列を含むRNA転写産物にハイブリダイズする、第三プライマー(これは、第二プライマーと同じであっても同じでなくてもよい);および(f)必要に応じて、プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含む、第二ポリヌクレオチド(このポリヌクレオチドは、上記の(b)に記載したポリヌクレオチドと同じであっても同じでなくてもよい)。サイクル増幅を含むいくつかの実施形態では、この方法は、(目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーが生成されるような適切な条件および試薬下で)以下を合わせて反応させることを含む:(a)第一プロプロモーターポリヌクレオチドと第二プライマー伸長産物との複合体から作製されたRNA転写産物;(b)RNA転写産物にハイブリダイズする、第三プライマー(これは、第二プライマーと同じであっても同じでなくてもよい);(c)プロプロモーター、および一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含む、第二ポリヌクレオチド(このポリヌクレオチドは、工程(a)におけるRNA転写産物が作製される複合体におけるプロプロモーターポリヌクレオチドと同じであっても同じでなくてもよい)。
【0064】
別の局面では、本発明は、以下の通り、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド配列を複数コピー作製する方法を提供する:目的のRNA配列の相補配列の複数コピーの作製は、標的RNAにハイブリダイズ可能でない配列をその5’部分に含む(従って、プライマーが、第一プライマーがテンプレートRNAにハイブリダイズする条件下で標的にハイブリダイズした場合、テイルを形成する)第一プライマー(これは、特異的プライマーまたはランダムプライマーであり得る)を用いることによって達成される。RNA依存性DNAポリメラーゼによる、標的RNAに沿った第一プライマーの伸長は、第一プライマー配列の相補体を含む少なくとも1つの規定末端を有する中間ポリヌクレオチド(第一鎖cDNA)の作製をもたらす。標的RNAおよび第一鎖cDNAを含む複合体からのテンプレートRNAの切断後、次いで、第二プライマー(これは、特異的プライマーまたはランダムプライマーであり得る)は、第一鎖cDNAにハイブリダイズして伸長されて、(少なくとも)1つの末端で、第一プライマー配列および第一プライマー配列の相補体を含む規定末端を有する、第一鎖cDNAと第二鎖cDNAとの複合体を形成する。第二プライマーは、第一DNA鎖に沿ってDNAポリメラーゼによって伸長されて第二DNA鎖を作製し得る、第一DNA鎖にハイブリダイズする任意の配列である。従って、いくつかの実施形態では、第二プライマーは、オリゴヌクレオチド(これは、別に提供される)である。他の実施形態では、第二プライマーは、第一DNA鎖中の配列にハイブリダイズする第一DNA鎖の配列(例えば、ヘアピンまたは自己アニーリング構造)を(一般に、3’末端に)含む。他の実施形態では、第二プライマーは、(標的RNAおよび第一プライマー伸長産物を含む最初の複合体の切断後)第一プライマー伸長産物にハイブリダイズしたままである、標的RNA配列の1以上のフラグメントを含む。次いで、第一鎖cDNAと第二鎖cDNAとの複合体(ここで、第二鎖cDNAは、第一プライマー配列の相補体である3’末端部分を含む)は変性されて、一本鎖の第一鎖cDNAおよび第二鎖cDNAを形成する。
【0065】
一本鎖の第二鎖cDNAは、以下の通りの複合プライマーおよび鎖置換を用いた等温線形増幅の基質である:5’RNA部分および第二鎖cDNAの3’部分にハイブリダイズするDNA部分(一般に、第二鎖cDNAの3’部分)を含み、DNAポリメラーゼによって第二鎖cDNAに沿って伸長されて、複合体の一方の末端にRNA/DNAハイブリッド部分を含む二本鎖複合体を形成する、複合プライマー。RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNase H)は、ハイブリッドからRNA配列を切断して、第二鎖cDNA上に、別の複合プライマーによる結合に利用可能な配列を残す。別の第一(複合)鎖cDNAは、DNAポリメラーゼによって生成され、DNAポリメラーゼは、以前に結合していた切断された第一鎖cDNAを置換して、切断され置換された第一鎖cDNAをもたらす。切断され置換された第一鎖cDNA産物は、目的のRNA配列に相補的な一本鎖DNAを含む。Kurn,米国特許第6,251,639号B1を参照のこと。
【0066】
本発明の方法のいずれかを用いて、この方法の適切な工程に標的ヌクレオチドを取り込むことによって標識されたポリヌクレオチド(一般に、RNAまたはDNA)産物を作製し得る。これらの標識産物は、当該分野で公知の方法(これは、cDNAマイクロアレイおよびオリゴヌクレオチドアレイのようなアレイの使用を含む)による定量および/または同定に特に適切である。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明は、RNA配列を配列決定する方法を提供する。本明細書中に記載の方法に基づく配列決定方法に関して、適切なrNTPまたはそのアナログ(これらは、標識されていても未標識でもよい)が用いられる。従って、本発明は、上記の方法に基づいて目的の配列を含む標的RNAを配列決定する方法を提供し、ここで、rNTPおよびrNTPアナログ(これは、プライマー伸長ターミネーターである)(これらは、標識されていても未標識でもよい)が用いられ、そして増幅産物は、配列情報に関して以下に記載の通りに分析される。増幅産物がDNAである、本明細書中に記載の方法に基づく配列決定方法に関して、適切なdNTPまたはそれらのアナログ(これらは標識されていても未標識でもよい)が用いられる。
【0068】
他の実施形態では、本発明は、核酸配列変異を検出する方法を提供する。1つの実施形態では、増幅産物を用いて、標的RNA中の一本鎖コンホメーション多型が検出および/または同定される。
【0069】
本発明は、本発明の増幅方法を用いてポリヌクレオチド(一般に、RNAまたはDNA)産物を作製し、そして検出/定量方法によって(例えば、アレイ技術または溶液相技術に基づく方法によって)この産物を分析することによって、目的のRNA配列を特徴付けする(例えば、検出および/または定量および/または存在もしくは不存在を決定する)方法を提供する。必ずしもその必要はないが、一般に、これらの増幅産物は標識される。
【0070】
別の局面では、本発明は、目的のRNA配列を特徴付けする方法を提供し、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法によって標的RNAを増幅して、標識産物を作製する工程;および(b)標識ポリヌクレオチド(一般に、RNAまたはDNA)産物を分析する工程。いくつかの実施形態では、産物を分析する工程は、上記産物の量を決定し、それにより、サンプル中に存在する目的のRNA配列の量が定量されることを含む。ポリヌクレオチド(一般に、DNAまたはRNA)産物は、例えば、これらを少なくとも1つのプローブと接触させることによって分析され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプローブは、マイクロアレイとして提供される。マイクロアレイは、紙、ガラス、セラミック、プラスチック、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、ケイ素、他の金属および光ファイバーからなる群より選択される材料から製造された、固体または半固体の基材に固定された少なくとも1つのプローブを含み得る。プローブは、二次元形状または三次元形状(ピン、ロッド、繊維、テープ、糸、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリーおよびシリンダーを含む)の固体または半固体の基材上に固定され得る。
【0071】
別の局面では、本発明は、サンプル中の遺伝子発現プロファイルを決定する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)本明細書中に記載の方法のいずれかを用いて、サンプル中の少なくとも1つの目的のRNA配列を増幅する工程、および(b)各目的のRNA配列の増幅産物の量を決定する工程であって、ここで、各この量は、サンプル中の各目的のRNA配列の量を示す工程、それにより、サンプルの遺伝子発現プロファイルが決定される。
【0072】
別の実施形態では、本発明は、ライブラリー(cDNAライブラリーおよび差引きハイブリダイゼーションライブラリーを含む)を作製する方法であって、本明細書中に記載の方法のいずれかを用いて少なくとも1つの目的のRNA配列を増幅して、一本鎖核酸産物を作製する工程を包含する方法、ならびに差引きハイブリダイゼーションプローブを作製および使用する方法、差引きハイブリダイゼーションのための方法、差示的増幅のための方法、および差引きハイブリダイゼーションライブラリーを作製する方法を提供する。
【0073】
遺伝子発現の検出および遺伝子発現レベルの定量のための種々の方法は、近年開発されている。例えば、規定されたcDNAまたはオリゴヌクレオチドのいずれかが、例えば、固体もしくは半固体の基板上または規定された粒子上の別個の位置に固定されているマイクロアレイは、所定の標本における遺伝子の発現の検出および/または遺伝子の発現の大きさの定量を可能にする。
【0074】
サンプル中の複数のmRNA種を検出および/または定量する(これは次に、遺伝子発現プロファイリングの尺度である)ためにこれらの以前から公知の方法を用いることは一般に、cDNAの直接的標識を必要とし、これは、部分的には、mRNAが総RNAプールの小さなサブセットのみを表すので、多量の投入総RNAを必要とする。従って、所定の細胞サンプルまたは組織サンプル由来の総RNA調製物を用いた場合、アレイのような方法を用いたサンプル中の遺伝子発現の分析は、実質的な量(これは一般に、50μg〜200μgの範囲である)の投入RNAを必要とする。同様に、総RNA調製物から精製された2μg〜5μgのmRNAは一般に、遺伝子発現プロファイリングのアレイ技術を用いた単一分析のために必要とされる。これは、必要とされる細胞の数または組織標本のサイズが非常に大きく、かつ、これらの細胞または組織標本がしばしば、試験にほとんど利用可能でないかまたは高価すぎる限り、アレイ技術に基づく方法のような方法の明確な制限である。この制限は、研究されるべき細胞は稀であるかおよび/またはインビトロで培養することが困難である、臨床標本の研究において、ならびにエフェクター分子のライブラリーのハイスループットスクリーニングにおいて特に厳しい。
【0075】
(一般技術)
本発明の実施は、他に示さない限り、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来技術を使用し、これらの従来技術は、当該分野の技術の範囲内である。このような技術は、以下のような文献中に充分に説明される:例えば、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第二版(Sambrookら、1989);「Oligonucleotide Synthesis」(M.J.Gait編、1984);「Animal Cell Culture」(R.I.Freshney編、1987);「Methods in Enzymology」(Academic Press,Inc.);「Current Protocols in Molecular Biology」(F.M.Ausubelら編、1987および定期的最新版);「PCR:The Polymerase Chain Reaction」、(Mullisら編、1994))。
【0076】
本発明において使用されるプライマー、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは、当該分野で公知の標準的な技術を使用して作製され得る。
【0077】
(定義)
本明細書中で使用される場合、「標的配列」、「標的核酸」または「標的RNA」は、増幅が所望される目的の配列を含むポリヌクレオチドである。標的配列は、その実際の配列に関して、既知であっても未知であってもよい。いくつかの例において、用語「標的」および「テンプレート」、ならびにこれらのバリエーションは、交換可能に使用される。
【0078】
本明細書中で使用される場合、「増幅」は、一般に、所望の配列の複数のコピーを生成するプロセスをいう。「複数のコピー」は、少なくとも2コピーを意味する。「コピー」は、テンプレート配列に対する完全な配列相補性または配列同一性を必ずしも意味しない。例えば、コピーは、ヌクレオチドアナログ(例えば、デオキシイノシン)、意図的配列変更(例えば、テンプレートにハイブリダイズ可能であるが相補的ではない配列を含むプライマーを介して導入される配列変更、またはプライマーを介して導入される非標的配列)および/または増幅の間に生じる配列の誤りを含み得る。配列を「増幅すること」とは、一般に、配列またはその相補体のコピーを作製することを言及し得、上記のように、コピーすることは、テンプレート配列に関して、完全な配列相補性も配列同一性も必ずしも意味しないことが理解される。
【0079】
本明細書中で交換可能に使用される場合、「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマーをいい、DNAおよびRNAを包含する。ヌクレオチドは、デオキシボヌクレオチド、リボヌクレオチド、改変ヌクレオチドもしくは改変塩基、および/またはこれらのアナログ、あるいはDNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼによってポリマーに取り込まれ得る任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、改変されたヌクレオチド(例えば、メチル化ヌクレオチドおよびそれらのアナログ)を含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する改変は、ポリマーの組立の前またはその後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断され得る。ポリヌクレオチドは、例えば、標識成分との結合体化によって、重合後にさらに改変され得る。他の型の改変としては、例えば「キャップ」、アナログによる1以上の天然に存在するヌクレオチドの置換、ヌクレオチド間改変(例えば、非荷電結合(例えば、ホスホン酸メチル、ホスホトリエステル、ホスホアミデート(phosphoamidate)、カバマート(cabamate)など)での改変、および荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)での改変、ペンダント部分(例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジン(ply−L−lysine)など)を含む改変、インターカレーター(intercalator)(例えば、アクリジン、ソラレンなど)での改変、キレート剤(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含む改変、アルキル化剤を含む改変、改変された結合(例えば、αアノマー核酸など)での改変)、ならびに未改変形態のポリヌクレオチドが挙げられる。さらに、糖に通常存在するヒドロキシル基のいずれかは、例えば、ホスホン酸基、リン酸基によって置換され得るか、標準的な保護基によって保護され得るか、またはさらなるヌクレオチドに対するさらなる結合を調製するために活性化され得るか、あるいは固体支持体上に結合体化され得る。5’末端および3’末端のOHは、リン酸化され得るか、またはアミンもしくは1〜20個の炭素原子の有機キャップ基部分で置換され得る。他のヒドロキシルもまた、誘導体化されて標準的な保護基になり得る。ポリヌクレオチドはまた、一般に当該分野で公知のリボース糖もしくはデオキシリボース糖のアナログ形態を含み得、これらとしては、例えば、2’−O−メチル−リボース、2’−O−アリル−リボース、2’−フルオロ−リボースもしくは2’−アジド−リボース、炭素環式糖アナログ、α−アノマー糖、エピマー糖(例えば、アラビノース、キシロースもしくはリキソース)、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式アナログおよび塩基非含有(abasic)ヌクレオシドアナログ(例えば、メチルリボシド)が挙げられる。1以上のホスホジエステル結合は、代替の結合基によって置換され得る。これらの代替の結合基としては、リン酸が以下によって置換される実施形態が挙げられるが、これらに限定されない:P(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、”(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH2(「ホルムアセタール」)、ここで、各RまたはR’は、独立して、Hであるか、またはエーテル(−O−)結合、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはアラルジル(araldyl)を必要に応じて含む、置換アルキルもしくは非置換アルキル(1〜20個のC)である。ポリヌクレオチド中の全ての結合が同一である必要はない。先の記載は、RNAおよびDNAを含め、本明細書中で言及される全てのポリヌクレオチドに適用される。
【0080】
本明細書中で使用される場合、「標識dNTP」または「標識rNTP」は、それぞれ、標識に直接的または間接的に結合された、dNTPもしくはrNTP、またはそれらのアナログをいう。例えば、「標識」dNTPまたは「標識」rNTPは、例えば、色素および/または検出可能部分(例えば、特異的結合対(例えば、ビオチン−アビジン)のメンバー)によって直接標識され得る。「標識」dNTPまたは「標識」rNTPはまた、例えば、標識が結合されるおよび/または結合され得る部分に対する結合によって、間接的に標識され得る。dNTPまたはrNTPは、伸長産物へのdNTPまたはrNTPの取り込みの後に標識が結合され得る部分(例えば、アミン基)を含み得る。本発明において有用な標識としては、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質など)、放射性同位体(例えば、3H、35S、32P、33P、125Iまたは14C)、酵素(例えば、LacZ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、ジゴキシゲニン、および比色分析標識(例えば、コロイド状金または着色ガラスもしくは着色プラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズが挙げられる。種々の抗リガンドおよびリガンドが(標識自体として、または標識を結合するための手段として)使用され得る。天然の抗リガンド(例えば、ビオチン、チロキシンおよびコルチゾール)を有するリガンドの場合、このリガンドは、標識された抗リガンドと組み合わせて使用され得る。
【0081】
本明細書中で使用される場合、dNTPまたはrNTPの「型(タイプ)」とは、ヌクレオチドの特定の塩基、すなわち、アデニン、シトシン、チミン、ウリジンまたはグアニンをいう。
【0082】
本明細書中で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」は、一般に、一般的には約200ヌクレオチド長未満であるが、必ずしもそうである必要はない、短い、一般的に一本鎖の、一般的に合成のポリヌクレオチドをいう。本発明におけるオリゴヌクレオチドは、第一プライマー、第二プライマーおよび第三プライマー、ならびにプロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)を包含する。用語「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」は、互いに排他的ではない。ポリヌクレオチドについての上記の記載は、オリゴヌクレオチドに等しくかつ完全に適用可能である。
【0083】
「プライマー」は一般に、テンプレート配列(例えば、標的RNAまたはプライマー伸長産物)にハイブリダイズし、かつテンプレートに相補的なポリヌクレオチドの重合を促進し得る、遊離の3’−OH基を一般に有するヌクレオチド配列(すなわち、ポリヌクレオチド)である。「プライマー」は、例えば、オリゴヌクレオチドであり得る。これはまた、例えば、テンプレート自体の中の配列にハイブリダイズし(例えば、ヘアピンループ)、かつヌクレオチドの重合を促進し得る、テンプレート(例えば、プライマー伸長産物またはテンプレート−DNA複合体のRNase切断後に作製されるテンプレートのフラグメント)の配列であり得る。従って、プライマーは、外因性(例えば、付加された)プライマーまたは内因性(例えば、テンプレートフラグメント)プライマーであり得る。
【0084】
本明細書中で使用される場合、「ランダムプライマー」は、必ずしもサンプル中の特別または特定の配列に基づかずに設計され、むしろランダムプライマーの配列がサンプル中の1以上の配列に(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズ可能な統計的期待値(または経験的観察)に基づく配列を含むプライマーである。ランダムプライマー(またはその相補体)の配列は、天然に存在してもしなくてもよく、または目的のサンプル中の配列のプールに存在してもしなくてもよい。単一の反応混合物中の複数のRNA種の増幅は、必ずしもそうではないが、一般に、多数の(好ましくは非常に多数の)ランダムプライマーを使用する。当該分野で十分理解されるように、「ランダムプライマー」はまた、標的配列の所望の数および/または有意な数にハイブリダイズするように集合的に設計されるプライマーの集団(複数のランダムプライマー)のメンバーであるプライマーをいい得る。ランダムプライマーは、核酸配列の複数の部位でハイブリダイズし得る。ランダムプライマーの使用は、標的の正確な配列が予めわかっていることを必要としない、標的ポリヌクレオチドに相補的なプライマー伸長産物を作製するための方法を提供する。
【0085】
本明細書中で使用される場合、「プロトプロモーター配列」および「プロプロモーター配列」は、二本鎖形態でRNA転写を媒介し得る、一本鎖のDNA配列領域をいう。いくつかの文脈において、「プロトプロモーター配列」、「プロトプロモーター」、「プロプロモーター配列」、「プロプロモーター」、「プロモーター配列」および「プロモーター」は、交換可能に使用される。
【0086】
本明細書中で使用される場合、「プロプロモーターポリヌクレオチド」は、プロプロモーター配列を含むポリヌクレオチドをいう。プロプロモーターポリヌクレオチドの例は、プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)である。
【0087】
本明細書中で使用される場合、「プロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)」および「プロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO)」は、プロプロモーター配列、およびプライマー伸長産物の3’領域に(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズ可能な部分(一般に3’部分)を含むオリゴヌクレオチドをいう。プロプロモーター配列およびハイブリダイズ可能な部分は、オリゴヌクレオチドの同じ、別個または重複するヌクレオチドであり得る。
【0088】
「阻害する」とは、基準と比較した場合に、活性、機能および/または量を減少または低減することをいう。
【0089】
「複合体」は、成分の集合体である。複合体は、安定であっても安定でなくてもよく、そして直接的もしくは間接的に検出され得る。例えば、本明細書中に記載される場合、反応の特定の成分、および反応産物の種類を仮定すれば、複合体の存在が推測され得る。本発明の目的のために、複合体は一般に、最終増幅産物に関して中間体である。複合体の例は、第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物を含む核酸二重鎖である。
【0090】
2つのポリヌクレオチド(例えば、第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物)を含む複合体「を変性する」または2つのポリヌクレオチドを含む複合体「の変性」とは、複合体中のハイブリダイズした2つのポリヌクレオチド配列の解離をいう。解離は、各ポリヌクレオチドの一部分または全体を含み得る。従って、2つのポリヌクレオチドを含む複合体の変性または2つのポリヌクレオチドを含む複合体を変性することは、完全な解離(従って、2つの一本鎖ポリヌクレオチドを作製する)または部分的解離(従って、複合体の以前は二本鎖の領域において、一本鎖部分とハイブリダイズした部分との混合物を作製する)をもたらし得る。
【0091】
本明細書中で交換可能に使用される、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの「部分」または「領域」は、2以上の塩基の連続配列である。他の実施形態において、領域または部分は、少なくとも約3、5、10、15、20、25のいずれか連続したヌクレオチドである。
【0092】
別の配列に「隣接する」、領域、部分または配列は、その領域、部分または配列に直接接する。
【0093】
「反応混合物」は、適切な条件下で反応して複合体(これは、中間体であり得る)および/または産物を形成する成分の集まりである。
【0094】
「1つの」(「a」、「an」および「the」など)は、他に示さない限り、複数形を含む。
【0095】
「含む(comprising)」は、含む(including)を意味する。
【0096】
事象(例えば、ハイブリダイゼーション、鎖の伸長など)が生じるのを「可能にする」条件または事象を生じるのに「適切な」条件、あるいは「適切な」条件は、このような事象が生じるのを妨げない条件である。従って、これらの条件は、事象を可能にする、増強する、容易にするおよび/または好都合である。当該分野で公知である、および本明細書中に記載される、このような条件は、例えば、ヌクレオチド配列の性質、温度、および緩衝液条件に依存する。これらの条件はまた、所望される事象(例えば、ハイブリダイゼーション、切断、鎖の伸長または転写)に依存する。
【0097】
本明細書中で使用される場合、配列「変異」とは、基準配列と比較した、目的の配列中の任意の配列変更をいう。基準配列は、野生型の配列または目的の配列との比較が望まれる配列であり得る。配列変異としては、置換、欠失または挿入のような機構に起因する、配列中の1ヌクレオチドの変化または1より多いヌクレオチドの変更が挙げられる。1ヌクレオチド多型(SNP)もまた、本明細書中で使用されるような配列変異である。
【0098】
本明細書中で使用される場合「一本鎖コンフォメーション多型」および「SSCP」とは、一般に、その特定の核酸配列によって影響されるような一本鎖核酸の特定のコンフォメーションをいう。一本鎖ポリヌクレオチドの配列の変更(例えば、1ヌクレオチドの置換、欠失または挿入)は、一本鎖ポリヌクレオチドのコンフォメーションの変化または多型を生じる。ポリヌクレオチドのコンフォメーションは、一般に、当該分野で公知の方法(例えば、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動および/またはエンドヌクレアーゼ消化に対する感受性によって測定されるような電気泳動移動度)を使用して、検出可能、同定可能および/または識別可能である。
【0099】
本明細書中で交換可能に使用される場合、「マイクロアレイ」および「アレイ」は、未決定の特徴をしばしば有する生化学的サンプル(標的)に対する(例えば、ハイブリダイゼーションによる)推定結合部位のアレイ(好ましくは整列されたアレイ)を有する表面を含む。好ましい実施形態において、マイクロアレイとは、基板上の規定された位置で固定化された別個のポリヌクレオチドプローブまたはオリゴヌクレオチドプローブの集合体をいう。アレイは、紙、ガラス、セラミック、プラスチック(例えば、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、ケイ素もしくは他の金属、光ファイバーまたは任意の適切な他の固体支持体もしくは半固体支持体のような材料で製造された基板上に形成され、そして二次元構造(例えば、ガラス板、ケイ素チップ)または三次元構造(例えば、ピン、繊維、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリー)で構成される。アレイを形成するプローブは、以下を含む多数の方法によって基板上に結合され得る:(i)写真平板技術を使用するインサイチュ合成(例えば、高密度オリゴヌクレオチドアレイ)(Fodorら、Science(1991)、251:767−773;Peaseら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1994)、91:5022−5026;Lockhartら、Nature Biotechnology(1996)、14:1675;米国特許第5,578,832号;同第5,556,752号;および同第5,510,270号を参照のこと);(ii)ガラス、ナイロンまたはニトロセルロース上の中密度から低密度(例えば、cDNAプローブ)でのスポッティング/印刷(Schenaら、Science(1995)、270:467−470;DeRisiら、Nature Genetics(1996)、14:457−460;Shalonら、Genome Res.(1996)、6:639−645;およびSchenaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1995)、93:10539−11286);(iii)マスキング(MaskosおよびSouthern、Nuc.Acids.Res.(1992)、20:1679−1684)ならびに(iv)ナイロンハイブリダイゼーション膜またはニトロセルロースハイブリダイゼーション膜上のドットブロッティング(例えば、Sambrookら、編、1989、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第二版、1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory(Cold Spring Harbor、N.Y.)を参照のこと)。プローブはまた、アンカーに対するハイブリダイゼーションによって、磁気ビーズによって基板上に非共有結合的に固定化され得るか、またはマイクロタイターウェルまたはキャピラリーにおいてのように液体相中に存在し得る。プローブ分子は、一般に、DNA、RNA、PNAおよびcDNAのような核酸であるが、標的分子に特異的に結合し得る、タンパク質、ポリペプチド、オリゴ糖、細胞、組織およびこれらの任意の置換を含み得る。
【0100】
用語「3’」とは、一般に、同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の別の領域または位置から3’側(下流)の、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の領域または位置をいう。
【0101】
用語「5’」とは、一般に、同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の別の領域または位置から5’側(上流)の、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド中の領域または位置をいう。
【0102】
用語「3’−DNA部分」、「3’−DNA領域」、「3’−RNA部分」および「3’−RNA領域」とは、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの3’末端に向かって位置する、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの部分または領域をいい、そして同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの最も3’側のヌクレオチドに結合した最も3’側のヌクレオチドまたは部分を含んでも含まなくてもよい。最も3’側のヌクレオチドは、好ましくは約1〜約20、より好ましくは約3〜約18、なおより好ましくは約5〜約15ヌクレオチドであり得る。
【0103】
用語「5’−DNA部分」、「5’−DNA領域」、「5’−RNA部分」および「5’−RNA領域」は、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの5’末端に向かって位置する、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの部分または領域をいい、そして同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの最も5’側のヌクレオチドに結合した最も5’側のヌクレオチドまたは部分を含んでも含まなくてもよい。最も5’側のヌクレオチドは、好ましくは約1〜約20、より好ましくは約3〜約18、なおより好ましくは約5〜約15ヌクレオチドであり得る。
【0104】
当業者によって十分に理解されるように、プライマーの「テイル」配列は、プライマーの他の領域または部分が標的にハイブリダイズする条件下で、標的配列にハイブリダイズ可能でない配列である。
【0105】
(本発明の増幅方法)
以下は、本発明の増幅方法の例である。上記に提供された一般的説明を考慮して、種々の他の実施形態が実施され得ることが理解される。
【0106】
目的のRNA配列に相補的な複数コピーのRNA配列を産生する(増幅する)方法が、提供される。ある局面において、本発明の増幅方法は、転写工程を包含する。これらの方法の第1の実施形態において、プライマー伸長産物にプロプロモーターポリヌクレオチドをハイブリダイズさせて、転写を駆動し得る中間体産物を生成することに基づく線形核酸増幅が達成され、これによって、目的のRNA配列に相補的な配列を含むRNA転写物が産生される。これらの方法の第2の実施形態において、この方法の第1の実施形態のプロセスおよび引き続く増幅において生成した増幅されたRNA産物を、サイクリック増幅に供することによって、指数関数的な増幅が達成される。
【0107】
転写工程を包含する本発明の増幅方法の実施形態において、一般に、以下のように提供する;転写されるべきプライマー伸長産物がプロプロモーター配列を含む場合、二本鎖プロモーター領域は、一般に、プロプロモーターを含むポリヌクレオチド(本明細書中において、「プロプロモーターポリヌクレオチド」とも称される)を、プライマー伸長産物にハイブリダイズすることによって生成する。プライマー伸長産物が所望のプロプロモーター配列を含まない場合、転写工程は、一般に、プロモーター配列オリゴヌクレオチド(PTO)のようなプロプロモーターポリヌクレオチドの使用によって、RNAポリメラーゼプロプロモーター配列の取り込みに依存する。PTOのようなプロプロモーターポリヌクレオチドは、一本鎖プライマー伸長産物の伸長のため、および一端において二本鎖プロモーターを含む部分的二重鎖の形成のためのテンプレートとして働き得る。一本鎖プライマー伸長産物をプロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)にハイブリダイズさせる能力は、一般に、プロプロモーターポリヌクレオチドの3’末端配列に相補的な、規定された3’末端配列を有するプライマー伸長産物を生成することによって達成される。
【0108】
別の局面において、本発明は、第1のプライマーおよび複合プライマーを使用して、目的のRNA配列に相補的なポリヌクレオチド(DNA)配列の複数のコピーを生成(増幅)するための方法を提供する。
【0109】
本発明の方法の1つの局面は、プライマー伸長ならびに増幅基質および産物の産生の開始のための、RNA配列(例えば、複数のRNA配列)にハイブリダイズし得るプライマーの設計を包含する。
【0110】
(目的のRNA配列の増幅の方法)
(第1のプライマーおよびプロプロモーターポリヌクレオチドを使用する、核酸配列の増幅、ならびにプロプロモーターポリヌクレオチド)
本発明は、増幅工程に導入される場合に中間体ポリヌクレオチド(これに、プロプロモーターポリヌクレオチドがハイブリダイズし得る)の生成を生じる配列を含むプライマーを使用することによる、目的のRNA配列の、相補的配列の複数のコピーを生成する方法を提供する。このプライマーは、相補体がプロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である配列を含むように、設計される。一般に、この配列は、プライマーの5’部分である。この配列は、標的RNAにハイブリダイズ可能な配列(その相補体は、使用されるプロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である)、または標的RNAにハイブリダイズ可能ではない配列(その相補体は、使用されるプロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である)であり得る。いくつかの実施形態において、線形増幅が達成される。増幅されたRNA産物がさらなる回の増幅に供される、他の実施形態において、サイクリックの、従って指数関数的な増幅が、達成される。
【0111】
本発明の線形方法の1つの実施形態の概略的な例示的記載が、図1に提供される。本発明の指数関数的増幅方法の1つの実施形態の概略的な記載が、図2に示される。図1に示される本発明の線形増幅方法の実施形態は、図に示されるようにサンプルと結合された、以下の2つのオリゴヌクレオチドを使用する:a)2つの部分、3’部分(「A」と標識される)および5’部分(「B」と標識される)からなり得る第1のプライマー(「4」と標識される);ならびにb)第2のプライマー(「5」と標識される)。図2A〜Bに示されるような、本発明の指数関数的方法は、図に示されるようにサンプルと結合された以下の3つのオリゴヌクレオチドを使用する:a)2つの部分、3’部分(「A」と標識される)および5’部分(「B」と標識される)からなり得る第1のプライマー(「4」と標識される);b)第2のプライマー(「5」と標識される)、ならびにc)プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、プロモーターテンプレートオリゴヌクレオチド(PTO))(「6」と標識される)。
【0112】
図1および2Aに示される第1のプライマーの3’部分は、どの型、クラス、集団、および/または種のRNAが増幅されることが望まれるかに依存して、(配列の観点から)多数の様式のいずれかで設計され得る。いくつかの実施形態において、第1のプライマーの3’部分は、図1および2Aに示されるように、mRNAのポリ−Aテイルに相補的な配列を含み、そして3’部分の3’末端において、さらなるランダム配列(一般に、ポリ−A配列に相補的ではない)をさらに含み得る。他の実施形態において、第1のプライマーの3’部分は、複数のRNA種(各々が、2以上〜数百または数千またはそれより多くの範囲であり得る)にハイブリダイズ可能な配列を含む、ランダムプライマーである。ランダムプライマーは、当該分野において公知であり、例えば、これらは、PCRに基づく手順を使用するcDNAライブラリーの調製において、広範に使用されている。当該分野においてよく理解されているように、「ランダムプライマー」とは、所望のおよび/または有意な数の標的配列とハイブリダイズするように全体的に設計された、プライマーの集団(複数のランダムプライマー)のメンバーであるプライマーをいい得る。ランダムプライマーは、核酸配列における複数の部位において、ハイブリダイズし得る。
【0113】
他の実施形態において、第1のプライマーの3’部分は、特異的なRNAまたはRNAのファミリー(またはその一部)に相補的であるか、またはハイブリダイズし得る、配列を含み得る。
【0114】
図1および2Aに示されるようないくつかの実施形態において、第1のプライマーの5’部分は、(3’部分がRNA標的にハイブリダイズする条件下で)標的配列にハイブリダイズ可能ではない配列(例えば、プライマーが標的にハイブリダイズする場合に「テイル」を形成する配列)であり得る。この「テイル」配列は、一般に、第1のプライマー伸長産物(第1鎖cDNA)に組み込まれ、そしてこのテイルの相補体は、第2のプライマー伸長産物(第2鎖cDNA)の3’末端において組み込まれる。従って、いくつかの実施形態において、第1のプライマーは、同じ5’DNA部分を含む第1プライマーと、目的の複数の(少数から非常に多数であり得る)RNA配列を増幅するように選択された複数の3’DNA部分との混合物である。他の実施形態において、第1のプライマーの5’部分は、標的RNAにハイブリダイズ可能であり得る。
【0115】
図1および2Aに示されるような第2のプライマーは、ランダム配列を含み得、このランダム配列は、当該分野において公知であり、そして産生される複数の第1のcDNA鎖の配列に相補的である。プロプロモーターポリヌクレオチドの3’末端は、好ましくは、伸長不可能であるが、このことは必須ではない。PTOの3’部分は、一般に、第1のプライマー4のB配列と代表的に同一である配列を含む。
【0116】
図1および2Aに示されるようなプライマー2は、DNAからなり得、そして2つのセクション(交換可能に「部分」または「領域」と称される)を含み得るが、このことは必須ではない。プライマー2の3’部分は、生物学的サンプル中の多くの、大部分の、そして/または全ての可能なmRNA配列のランダムなプライミングのために、選択され得る。ランダムプライマーは、当該分野において公知であり、例えば、これらのプライマーは、PCRに基づく手順を使用するcDNAライブラリーの調製において、広範に使用されている。いくつかの実施形態において、第2のプライマーのハイブリダイズ可能な配列は、第1鎖cDNAにおける所望の結合部位の既知の配列に基づいて、設計される。他の実施形態において、第2のプライマーは、米国特許第5,962,271号および同第5,962,272号に記載される、鎖切換えオリゴヌクレオチドを含み、これは、mRNAに存在するCap配列にハイブリダイズ可能であり、そして逆転写酵素にmRNAテンプレートから切換えオリゴヌクレオチドに切換えさせ、この「切換えオリゴヌクレオチド」によってプライムされる第2鎖cDNAの生成を可能にする。あるいは、ホモポリマーテイルが、第1のプライマー伸長産物の3’末端に付加され、そして第2のプライマーは、このホモポリマーテイルの相補体を含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、第2のプライマーは、DNAを含む。他の実施形態において、第2のプライマーは、DNAからなる。他の実施形態において、本明細書中に記載されるように、第2のプライマーは、標的RNAのフラグメントであり、このフラグメントは、RNA標的の切断によって生成される。
【0118】
プライマー2の5’部分は、特定の標的配列に相補的ではなく、そしてこの配列に実質的にハイブリダイズしない配列であり得る。すなわち、この配列は、(3’部分がRNA標的にハイブリダイズする条件下で)ハイブリダイズせず、そしてテイルを構成する。「テイル」配列は、一般に、第2のプライマー伸長産物に組み込まれる。
【0119】
プロモーターテンプレートオリゴヌクレオチドである3(PTO)は、以下のように設計され得る:プロプロモーターポリヌクレオチドの3’末端は、好ましくは、伸長可能ではないが、このことは必須ではない。PTOの3’部分は、一般に、第1のプライマー4のB配列と代表的に同一である配列を含む。PTOの最も5’の部分は、DNA依存性RNAポリメラーゼに対するプロモーター配列であり、これは、上記のように、本発明の増幅方法の特定の実施形態において使用される。一般に、これら2つのセクションの間の配列は、より抜きのポリメラーゼによる最適な転写のために設計される。この配列の選択および設計のための基準は、当該分野において公知である。
【0120】
図1に示されるように、本発明の線形増幅方法のプロセスの1つの実施形態は、以下の通りである:
A)標的RNAからの二本鎖cDNA基質の形成
1.プライマー4の3’末端を標的にハイブリダイズさせることによって、プライマー4を標的RNAに結合させ、複合体Iを形成する。第1鎖cDNAを生成するために、第1のプライマーの結合のために最も通常使用される開始部位は、mRNAの3’末端ポリ−A配列およびすぐ隣接するヌクレオチドである。これらのすぐ隣接するヌクレオチドへのプライマーの結合は、プライマーの3’末端において、部分的にランダムな配列(標的mRNAのポリ−A配列に相補的な配列以外)を含めることによって、達成され得る。この目的でのプライマー設計のための基準は、当該分野において公知であり、例えば、ライブラリー(cDNAライブラリーが挙げられる)の生成におけるプライマー配列の選択においてである。mRNAの予め規定されたファミリーの配列のライブラリーを生成することが望ましい場合(例えば、免疫グロブリン鎖からのライブラリーの調製)、第1のプライマーのA配列は、免疫グロブリン鎖由来のRNAのファミリーの全てのメンバーにおいて十分に保存される配列を含み得る。
【0121】
2.複合体IのRNA鎖に沿ったプライマー伸長が、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素(「RT」と標識される)によって実施され、RNA/DNAハイブリッド二重鎖が形成される。RNase Hは、このハイブリッド二重鎖のRNA鎖を分解して、第1cDNA鎖(「I」と標識される)を産生する。RNase H活性は、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって供給され得るか、または別の酵素において提供され得る。この方法のために有用な逆転写酵素は、RNase H活性を有しても有さなくてもよい。
【0122】
3.第2のプライマー(「5」と標識される)は、相補的部位においてIIと結合し、複合体IIIを形成する。複数のRNA種が同時に増幅される場合、第2のプライマーは、複数のcDNA種のランダムな相補的部位においてIIに結合する、ランダムプライマーであり得る。既知のmRNAファミリーのライブラリー(例えば、特定の免疫グロブリン鎖のライブラリー)を生成することが望ましい場合、プライマー5は、このファミリーにおいて十分に保存される配列に相補的な配列を含み得る。
【0123】
4.第1cDNA鎖に沿ったプライマー伸長が、DNA依存型DNAポリメラーゼによって実施されて、一端において(第1のプライマーの)配列Bおよびその相補体の二重鎖を含む、二本鎖cDNA(「IV」と標識される)を生成する。cDNAは、本発明の方法による増幅のための基質である。
【0124】
5.二本鎖産物IVを変性して(例えば、熱によって)2つのDNA鎖を分離する。鎖分離のための種々の方法が、本発明の方法を実施するために使用され得る。鎖V(これは、インプット(標的)RNAと同じセンスである)は、増幅のための基質であり、そしてその5’末端において、第2のプライマー(プライマー5)の配列を含み、そしてその3’末端において、第1のプライマー(プライマー4)の配列Bに相補的な配列を含む。
【0125】
B)線形等温増幅
1.プロプロモーターオリゴヌクレオチド(例えば、PTO)は、Vの3’末端において、その3’末端配列Bをその相補的配列にハイブリダイズさせることによって、鎖Vの3’末端に結合し、複合体VIを形成する。
【0126】
2.DNA依存性DNAポリメラーゼは、複合体VIにおけるセンスcDNA鎖(鎖V)の3’末端を伸長させて、部分的な二重鎖VIIを形成し、これは、一端において、二本鎖RNAポリメラーゼプロモーターを含む。
【0127】
3.RNAポリメラーゼは、二本鎖プロモーターに結合し、そして複合体VIIのcDNA鎖を転写して、一本鎖アンチセンスRNA産物(VIII)の複数のコピーを産生する。これらのアンチセンスRNA産物はまた、指数関数的増幅のための基質として働き得る。
【0128】
本発明の指数関数的増幅方法の1つの実施形態は、図2A〜Bに示される。この実施形態において、線形増幅工程におけるアンチセンスRNA産物の生成に続いて、以下の工程が実施される。
【0129】
C)指数関数的等温増幅
1.プライマー5は、RNA産物VIIIの3’末端に結合して、複合体IXを形成する。
【0130】
2.RNA鎖に沿ったプライマー伸長が、RNA依存性DNAポリメラーゼによって実施され、RNA/DNAハイブリッド複合体Xを形成する。
【0131】
3.RNase Hが、複合体XのRNA鎖を分解して、RNA産物の一本鎖DNAコピーを産生する。プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)は、一本鎖DNAの3’末端にハイブリダイズして、複合体XIを形成する。
【0132】
4.複合体XIにおけるDNA鎖の3’末端が、プロプロモーターポリヌクレオチド(PTO)に沿って伸長されて、部分的二重鎖XII(一端に二本鎖プロモーター配列を含む)を形成する。この産物は、VIIと同じであり、そして上記工程b(3)と同様に、RNA産物の複数のコピーの生成のためのRNAポリメラーゼに対する基質であり、従って、標的RNAの指数関数的増幅のためのサイクリックプロセスを生じる。
【0133】
(第1のプライマー、複合プライマー、変性および鎖置換を使用する、核酸配列の増幅)
本発明は、第1のプライマーおよび複合プライマー、変性、および鎖置換を使用することによって、目的のRNA配列を増幅させる方法を提供する。増幅は、等温的に達成され得るが、全ての工程が必ずしも同じ温度で実施される必要はない。増幅された産物は、標的RNAにおける目的のRNA配列に相補的な配列を含む、一本鎖DNAである。
【0134】
複合プライマー、第2のプライマーおよび鎖置換に基づく本発明の方法の1つの実施形態の概略的な説明を、図3AおよびBに与える。この方法は、以下の工程を包含する:(a)インプットRNA(本明細書中に記載され、その1つの実施形態が図1に示される)と同じセンスの第2鎖cDNAの形成;ならびに(b)複合プライマーからの第2鎖cDNAに沿ったプライマー伸長および鎖置換による、第2鎖cDNA鎖の相補体の線形増幅。Kurn、米国特許第6,251,639号を参照のこと。
【0135】
図3Aおよび3Bに示される実施形態は、以下の3つのオリゴヌクレオチドを使用する;2つの部分(3’部分(「A」と標識される」および5’部分(「B」と標識される)からなり得る、第1のプライマー(1と標識され、第1鎖cDNAの形成のために使用される);第2鎖cDNA(これは、外因的に付加された、RNase H処理の後に第1鎖cDNAにハイブリダイズしたままである、第2のプライマーまたは標的RNAの1つ以上のフラグメントであり得る)の形成のために使用される、第2のプライマー;ならびに線形等温増幅のために使用される複合プライマー。この複合プライマーは、5’RNA部分およびDNA部分を含む。本発明のこの局面において使用される第1および第2のプライマーは、本明細書中に記載される任意の第1および第2のプライマー(1つ以上のフラグメントを含む第2のプライマーを含む)を含み得る。
【0136】
図3AおよびBに示される複合プライマーは、第2鎖cDNAにハイブリダイズし得る配列を含み、そして最もしばしば、第2鎖cDNA(これは、第1のプライマー配列の相補体である)の規定された3’部分にハイブリダイズ可能な配列を含む。複合プライマーは、この複合プライマーがハイブリダイズしてテイルが形成される条件下で、第2鎖cDNAにハイブリダイズ可能ではない配列をさらに含み得る。
【0137】
図3AおよびBに示されるように、複合プライマーは、その3’末端にDNA部分を含み、そしてその5’末端にRNA部分を含む。本明細書中で議論されるように、3’DNA部分に続いてその5’の方向にRNA部分が存在し、これに続いてDNAである部分が存在する、複合プライマーを使用することもまた、可能である。これらのセクションの各々の長さは、一般に、増幅の最大効率について決定される。2部分(すなわち、3’−DNA−RNA−5’)複合プライマーのみが、図3AおよびBに示される。
【0138】
図3AおよびBに示されるように、1つの実施形態において、RNAに基づいて、目的のRNA配列に相補的な配列を含むDNA産物の生成を生じる、本発明の増幅方法のプロセスは、以下の通りである:
A)複合プライマーを使用する増幅のための、一本鎖cDNA基質の形成
1.プライマーが、その3’末端の標的へのハイブリダイズによって、標的RNAに結合する。
【0139】
2.RNA鎖に沿ったプライマー伸長が、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって実施されて、RNA/DNAハイブリッド二重鎖を形成する。RNase Hは、このハイブリッド二重鎖のRNA鎖を分解して、第1cDNA鎖(「I」と標識される)を産生する。RNase H活性は、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって供給され得るか、または別の酵素において提供され得る。この方法のために有用な逆転写酵素は、RNase H活性を有しても有さなくても良い。
【0140】
3.第1cDNA鎖に沿ったプライマー伸長反応が、DNA依存性DNAポリメラーゼ(図3Aには示されない)によって実施されて、二本鎖cDNAを生成し、図3Aに示されるように、第1鎖cDNAおよび第2鎖cDNAの複合体を形成する(ここで、第2鎖cDNAは、第1のプライマー配列の相補体である3’末端部分を含む)。
【0141】
4.次いで、第1鎖cDNAと第2鎖cDNAとの複合体が変性されて、図3Bに示されるように、一本鎖の第1鎖cDNAおよび第2鎖cDNAを形成する。一本鎖の第2鎖cDNAは、以下のような複合プライマーおよび鎖置換を使用する等温増幅のための基質である。
【0142】
B)RNA/DNAヘテロ二重鎖を含む二本鎖cDNAの生成
1.5’−RNA部分およびDNA部分を含む複合プライマーが、第2鎖cDNAの3’部分に、一般的には第2鎖cDNAの3’部分にハイブリダイズし、そしてDNAポリメラーゼによって、第2鎖cDNAに沿って伸長されて、複合体の一端にRNA/DNAハイブリッド部分を含む二本鎖複合体を形成する。
【0143】
C)等温線形増幅
1.RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する、酵素のような因子(例えば、RNase H)は、ハイブリッドからRNA配列を切断して、別の複合プライマーによる結合のために利用可能な配列を、第2鎖cDNA上に残す。
【0144】
2.複合プライマーに相補的な第2鎖cDNAの一本鎖DNA末端へのRNA部分のハイブリダイゼーションによって、複合プライマーが結合する。このプライマーの3’DNA配列は、ハイブリダイズしない。
【0145】
3.結合した複合プライマーの3’末端、およびすぐ上流のDNA鎖の5’末端は同じであり、そして対向する鎖にハイブリダイズするために競合する。理論によって束縛されることを望まないが、プライマーのハイブリダイズした3’末端に対するDNAポリメラーゼの高い親和性は、これら2つの競合構造の平衡を、新たなプライマーの3’末端のハイブリダイゼーションおよび以前のプライマー伸長産物の5’末端の置換の方に移動させると予測される。第2鎖(センス)cDNA鎖に沿ったプライマー伸長は、以前の第2鎖cDNAの置換、ならびに一端において配列Bおよびその相補体からなるRNA/DNAハイブリッドを有する二本鎖cDNAの形成を生じる。
【0146】
4.このハイブリッドのRNAセグメントが、RNase Hのような因子によって分解され、これは、一本鎖3’末端の形成を生じ、この末端に、新たな複合プライマーが、その5’部分によって結合し得る。
【0147】
5.結合した複合プライマーの3’末端配列の、二重鎖における以前のプライマー伸長産物の最も5’の末端の置換によるハイブリダイゼーションのプロセス、以前の産物のプライマー伸長および置換が続き、そしてアンチセンス一本鎖DNA産物の複数のコピーの蓄積を生じる。
【0148】
いくつかの実施形態において、直線増幅工程でアンチセンスRNA産物を作製した後に、以下の工程を実施する:
D)指数関数的等温増幅
1.プロプロモーター(propromoter)オリゴヌクレオチド(例えば、PTO)は、アンチセンス一本鎖DNA産物の3’末端に結合する。
【0149】
2.RNA鎖に沿ったプライマーの伸長を、RNA依存性DNAポリメラーゼにより実施して、RNA/DNAハイブリッド二重鎖を形成する。この産物は、センスRNA産物のマルチコピーの作製のためのRNAポリメラーゼに対する同じ基質である。本明細書中に記載されるように、このプロプロモーターポリヌクレオチドの伸長は、転写のためのプロプロモーターの作製を必要としてもしなくても良い。
【0150】
(本発明の方法で使用される成分および反応条件)
(テンプレート核酸)
増幅されるRNA標的としては、精製形態または未精製形態の任意の供給源由来のRNAおよびそのフラグメントが挙げられ、このRNAは、任意の供給源および/または種(ヒト、動物、植物および微生物(例えば、細菌、酵母、ウイルス、ウイロイド、カビ、真菌、植物)を含む)由来の、総RNA、tRNA、mRNA、rRNA、ミトコンドリアRNA、葉緑体RNA、DNA−RNAハイブリッド、またはそれらの混合物のようなRNAであり得る。RNAは、当該分野で標準的な技術を使用して得られ、そして精製され得る。DNA標的の増幅は、DNA標的からRNA形態への初期転写を必要とし、これは、当該分野で公知の技術(例えば、発現系)により達成され得る。DNA−RNAハイブリッドの増幅は、ssRNAを得るためにハイブリッドの変性を必要とするか、またはRNAを得るためにDNA鎖の変性、続く転写を必要とする。標的RNAは、複雑な混合物(例えば、生物学的サンプル)のほんの少量の画分であり得るにすぎず、当該分野で周知の手順によって種々の生物学的材料から得られ得る。
【0151】
この標的RNAは、既知であっても未知であってもよく、そして目的の1つより多い所望の特定の核酸配列を含み得、この核酸配列の各々は、同じであっても互いに異なっていても良い。従って、増幅プロセスは、大量の1つの特定の核酸配列を生成するために有用なだけではなく、同じかまたは異なる核酸分子上に位置する1つより多い異なる特定の核酸配列を同時に増幅するためにも有用である。
【0152】
標的RNA配列の増幅の初期工程は、標的を一本鎖にする工程である。変性は、RNA標的分子中に存在する二次構造を除去するために行われ得る。この変性工程は、熱変性または当該分野で公知の任意の他の方法であり得る。
【0153】
(第1のプライマー)
第1のプライマーは、(所定のセットの条件下で)標的RNAにハイブリダイズ可能な配列(これはこのプライマー全体であってもなくてもよい)を含むプライマーである。この配列は、この標的の特定の配列、すまたはランダム配列(いくつかの実施形態において、第1のプライマーは、ランダムプライマーである)に基づき得る。この配列はまた、目的のRNA種中に存在することが知られている一般的なより普遍的な配列(例えば、mRNA中に見出されるポリ−A配列)に基づき得る。いくつかの実施形態において、このプライマーは、ポリA−配列に相補的な配列を含み得、そしてポリ−A配列に相補的なこの配列の3’にランダム配列をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、このプライマーは、好ましくは5’末端に、(所定のセットの条件下で)標的RNAにハイブリダイズし得ない配列を含む。さらに、この標的RNAにハイブリダイズし得る配列は、mRNAのポリ−Aテイルに相補的な配列を含み得、そして3’位の3’末端にさらなるランダム配列(一般に、ポリA−配列に相補的ではない)をさらに含み得る。
【0154】
ランダムプライマーは、当該分野で周知であり、これには少なくとも以下が挙げられる:サンプル中の2つ以上の配列にハイブリダイズ可能なプライマー;およびサンプル中の多数のRNA(例えば、全mRNA)にハイブリダイズ可能なポリ−T配列を含むプライマー。簡便性のために、単一のランダム複合プライマーを上で考察する。しかし、用語「ランダムプライマー」とは、標的配列の所望のおよび/または有意な集団に対してまとめて設計されるプライマーの集団のメンバーであるプライマーを言及し得ることが理解される。
【0155】
単一の反応混合物中の複数のmRNA種の増幅は、必ずしも必要ではないが、様々な、すなわち非常に多数のプライマーを用い得ることもまた理解される。従って、本発明は、単一の反応混合物中の多数のmRNA種を増幅する場合に、非常に多数の異なる複合プライマー(ランダムまたは非ランダム)を使用することを意図する。
【0156】
標的核酸へのハイブリダイゼーション(これは、当該分野で周知でありそして理解されているように、例えば、イオン強度および温度のような他の因子に依存する)を達成するために、標的RNAにハイブリダイズ可能なプライマーの配列は、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約75%、さらにより好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%、標的核酸に相補性である。
【0157】
いくつかの実施形態において、第1のプライマーは、5’配列(これは、一般に、最も5’側のヌクレオチドを含む)を含み、この相補体は、プロプロモーターポリヌクレオチドによりハイブリダイズされ得る。この配列は、この第1のプライマー伸長産物の5’末端(従って、引き続いて、第2/第3のプライマー伸長産物の3’末端)について規定される末端配列の生成を可能にする。規定された末端配列を有することは、後の工程における第2および第3のプライマー伸長産物の3’末端へのプロプロモーターポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションに関して特に有利である。従って、これらの実施形態において、第1のプライマーは、本発明の方法の増幅工程に導入される場合に、プロプロモーターポリヌクレオチドがハイブリダイズし得る中間体ポリヌクレオチドを生成する配列を含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、5’配列(この相補体は、プロプロモーターポリヌクレオチドによりハイブリダイズされ得る)は、プライマーが標的RNAにハイブリダイズする場合、標的RNAに(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズし得る。他の実施形態において、5’配列(この相補体は、プロプロモーターポリヌクレオチドによりハイブリダイズされ得る)は、プライマーが標的RNAにハイブリダイズする場合、標的RNAに(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズし得ない(従って、このプライマーの3’配列が標的にハイブリダイズする場合に、テイルを構築する)。
【0158】
一実施形態において、第1のプライマーは、DNAを含む。別の実施形態において、第1のプライマーは、RNAを含む。さらに別の実施形態において、第1のプライマーは、DNAおよびRNAを含む。
【0159】
(第2のプライマー)
本発明の方法における第2のプライマーは、第1のプライマー伸長産物上の部位で第1のプライマー伸長産物に(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズし得る配列(これはプライマー全体であってもなくてもよい)を含み、その結果、この第2のプライマー伸長産物は、目的のRNA配列を含む。いくつかの実施形態において、第2のプライマーのハイブリダイズ可能な配列は、第1のプライマー伸長産物上の所望の結合部位の既知の配列に基づいて設計される。他の実施形態において、ハイブリダイズ可能な配列は、複数のRNA種のランダムプライミングに適切であることが当該分野で知られているランダム配列に基づく。いくつかの実施形態において、第2のプライマーは、好ましくは、5’末端に、第1のプライマー伸長産物に(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズし得ない配列を含む。他の実施形態において、第2のプライマーは、鎖スイッチオリゴヌクレオチド(米国特許第5,962,271号および同第5,962,272号に記載される)を含み、この鎖スイッチオリゴヌクレオチドは、mRNA上に存在するCap配列にハイブリダイズし得、そして逆転写酵素をmRNAテンプレートからスイッチオリゴヌクレオチドに転換し、「スイッチオリゴヌクレオチド」によりプライミングされる第2のcDNAの生成を可能にする。あるいは、ホモポリマーテイルは、第1のプライマー伸長産物の3’末端に付加し、そして第2のプライマーは、このホモポリマーテイルの相補体を含む。
【0160】
一実施形態において、第2のプライマーは、DNAを含む。別の実施形態において、第2のプライマーは、DNAから構成される。別の実施形態において、第2のプライマーは、RNAを含む。さらに別の実施形態において、第2のプライマーは、DNAおよびRNAを含む。
【0161】
いくつかの実施形態において第2のプライマーは、(例えば、ヘアピンループによる)第1のプライマー伸長産物の3’末端における自己プライミングによって提供される。これらの実施形態において、第1のプライマー伸長産物の3’末端の配列は、第1のプライマー伸長産物中の別の配列にハイブリダイズする(例えば、米国特許第6,132,997号に記載されるように)。これらの実施形態において、この第1のプライマー伸長産物の3’の配列は、一般に、第1のプライマー伸長産物へのそのハイブリダイゼーションおよび/または第1のプライマー伸長産物に沿ったその伸長の後に、切断される(例えば、S1ヌクレアーゼによって)。米国特許第6,132,997号を参照のこと。
【0162】
いくつかの実施形態において、第2のプライマーは、標的RNAフラグメントによって提供される。このような標的RNAフラグメントは、標的RNAと第1のプライマー伸長産物との複合体中の標的RNAの、酵素(これはRNA/DNAハイブリッド中のRNAを切断する)による不完全な変性の結果として生成され得、その結果、1つ以上のRNAフラグメントは、第1のプライマー伸長産物に結合したままである。
【0163】
第1のプライマー伸長産物へのハイブリダイゼーション(これは、当該分野で周知であり理解されているように、他の因子(例えば、イオン強度および温度)に依存する)を達成するために、第1のプライマー伸長産物にハイブリダイズし得る第2のプライマーの配列は、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約75%、さらにより好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%、第1のプライマー伸長産物に相補性である。
【0164】
(第3のプライマー)
本発明の方法における第3のプライマーは、RNA転写物上の部位で(テンプレートとしての)第2のプライマー伸長産物から生成されるRNA転写物に(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズし得る配列(これは第1のプライマー全体であってもなくてもよい)を含み、その結果、第3のプライマー伸長産物は、目的のRNA配列が存在する場合、これを含む。いくつかの実施形態において、第3のプライマーのハイブリダイズ可能な配列は、RNA転写物上の所望の結合部位の既知の配列に基づいて設計される。他の実施形態において、このハイブリダイズ可能な配列は、複数のRNA種のランダムプライミングに適切であることが当該分野で知られているランダム配列に基づく。いくつかの実施形態において、この第3のプライマーは、好ましくは、5’末端で、RNA転写物に(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズし得ない配列を含む。
【0165】
RNA転写物へのハイブリダイゼーション(これは、当該分野で周知であり理解されているように、他の因子(例えば、イオン強度および温度)に依存する)を達成するために、RNA転写物にハイブリダイズし得る第3のプライマーの配列は、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約75%、さらにより好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%、RNA転写物に対して相補的である。
【0166】
一実施形態において、第3のプライマーは、DNAを含む。別の実施形態において、第3のプライマーは、RNAを含む。さらに別の実施形態において、第3のプライマーは、DNAおよびRNAを含む。
【0167】
いくつかの実施形態において、第3のプライマーは、(例えば、ヘアピンループによる)RNA転写物の3’末端における自己プライミングによって提供される。これらの実施形態において、RNA転写物の3’末端の配列は、RNA転写物自体の中の別の配列にハイブリダイズする。これらの実施形態において、このRNA転写物の3’の配列は、一般に、RNA転写物へのそのハイブリダイゼーションおよび/またはそのRNA転写物に沿ったその伸長の後に、切断される。
【0168】
(複合プライマー)
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、RNA部分およびDNA部分から構成される複合プライマーを用いる。この複合プライマーは、新たな(さらなる)複合プライマーの結合によるプライマー伸長産物のその後に続く置換およびポリメラーゼによるこの新たなプライマーの伸長が達成され得るように、設計される。さらに、プライマー伸長産物のRNA部分の切断は、この複合プライマーによる増幅のための基質ではない増幅産物の生成を生じる。
【0169】
図3に例示される複合プライマーは、第2のcDNA鎖にハイブリダイズし得る配列を含み、そして最も頻繁には、第2のcDNA鎖の規定された3’部分(これは第1のプライマー配列の相補体である)にハイブリダイズし得る配列を含む。この複合プライマーは、第1のプライマーの配列の全てまたは一部を含み得る。この複合プライマーは、第2のcDNA鎖にハイブリダイズし得ない配列をさらに含み得、その結果、テイルが形成される。
【0170】
単一の反応混合物中の複数のmRNA種の増幅は、必ずしも必要ではないが、様々な、すなわち非常に多数のプライマーを用い得ることもまた理解される。従って、本発明は、単一の反応混合物中の多数のmRNA種を増幅する場合に、非常に多数の異なる複合プライマー(ランダムまたは非ランダム)を使用することを意図する。
【0171】
複合プライマーは、(a)同じ伸長産物上の配列へのDNA部分のハイブリダイゼーションとは無関係に、第2のcDNA鎖産物上の配列に結合(ハイブリダイズ)し得;そして(b)第2のcDNA鎖にハイブリダイズした場合に、リボヌクレアーゼで切断され得る、少なくとも1つのRNA部分を含む。この複合プライマーは、第2のcDNA鎖と結合して、プライマーのRNA部分のみがRNase Hのようなリボヌクレアーゼと接触した場合に切断される部分ヘテロ二重鎖を形成し、一方、第2のcDNA鎖は、インタクトなままであり、従って、別の複合プライマーのアニーリングを可能にする。
【0172】
複合プライマーはまた、第2のcDNA鎖上の配列にハイブリダイズし得る3’DNA部分を含み、その結果、このcDNAへのハイブリダイゼーションは、DNAポリメラーゼによってこの第2のcDNA鎖から置換される核酸鎖の3’部分よりも有利である。このようなプライマーは、核酸の結合親和性に影響を与える周知の因子(例えば、配列長および/または同一性、ならびにハイブリダイゼーション条件)に基づいて合理的に設計され得る。好ましい実施形態において、複合プライマーの3’DNA部分の、第2のcDNA鎖中のその相補配列へのハイブリダイゼーションは、置換された鎖の5’末端中の相同配列の、この第2のcDNA鎖へのハイブリダイゼーションよりも有利である。
【0173】
重合による伸長に適切なプライマーの作製は、当該分野で周知である(例えば、PCT公開WO99/42618(およびその中で引用される参考文献)に記載される)。複合プライマーは、核酸伸長に適切なヌクレオチドである3’末端ヌクレオチドとRNAとDNAとの組み合わせを含む(上記の定義を参照のこと)。3’末端ヌクレオチドは、任意のヌクレオチドまたはアナログであり得、これらはプライマー中に存在する場合、DNAポリメラーゼにより伸長可能である。一般に、3’末端ヌクレオチドは、3’−OHを有する。適切なプライマーとしては、RNAの少なくとも一部分およびDNAの少なくとも一部分を含むプライマーが挙げられる。例えば、複合プライマーは、5’−RNA部分および3’−DNA部分(ここで、このRNA部分は3’−DNA部分に隣接している);または介在性RNA部分を有する5’−および3’DNA部分を含み得る。従って、一実施形態において、この複合プライマーは、5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、ここで好ましくは、このRNA部分は、3’−DNA部分に隣接している。別の実施形態において、この複合プライマーは、少なくとも1つの介在性RNA部分(すなわち、2つのDNA部分の間のRNA部分)を有する5’−および3’−DNA部分を含む。さらに別の実施形態において、本発明の複合プライマーは、3’−DNA部分および少なくとも1つの介在性RNA部分(すなわち、DNA部分の間のRNA部分)を含む。
【0174】
3’−DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマー中のRNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約50ヌクレオチド、より好ましくは約3〜約20ヌクレオチド、さらにより好ましくは約4〜約15ヌクレオチド、そして最も好ましくは約5〜約10ヌクレオチドであり得る。3’−DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、RNA部分は、少なくとも約1、3、4、5ヌクレオチドのいずれかであり得、上限は、約10、15、20、25、30、50ヌクレオチドのいずれかである。
【0175】
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマー中の5’−RNA部分の長さは、好ましくは、約3〜約50ヌクレオチド、より好ましくは約5〜約20ヌクレオチド、さらにより好ましくは約7〜約18ヌクレオチド、好ましくは約8〜約17ヌクレオチド、そして最も好ましくは約10〜約15ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーの他の実施形態において、この5’−RNA部分は、少なくとも約3、5、7、8、10ヌクレオチドのいずれかであり得、上限は、約15、17、18、20、50ヌクレオチドのいずれかである。
【0176】
非5’−RNA部分をさらに含む5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーの実施形態において、非5’−RNA部分は、好ましくは約1〜約7ヌクレオチド、より好ましくは約2〜約6ヌクレオチド、そして最も好ましくは約3〜約5ヌクレオチドであり得る。非5’−RNA部分をさらに含む5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーの特定の実施形態において、非5’−RNA部分は、少なくとも約1、2、3、5のいずれかであり得、上限は、約5、6、7、10ヌクレオチドのいずれかである。
【0177】
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーの実施形態(ここで、この5’−RNA部分は3’−DNA部分に隣接している)において、この5’−RNA部分の長さは、好ましくは約3〜約50ヌクレオチド、より好ましくは約5〜約20ヌクレオチド、さらにより好ましくは約7〜約18ヌクレオチド、好ましくは約8〜約17ヌクレオチド、そして最も好ましくは約10〜約15ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーの特定の実施形態(ここで、この5’−RNA部分は3’−DNA部分に隣接している)において、この5’−RNA部分は、少なくとも約3、5、7、8、10ヌクレオチドのいずれかであり得、上限は、約15、17、18、20、50ヌクレオチドのいずれかである。
【0178】
少なくとも1つの介在性RNA部分を有する、5’−および3’−DNA部分を含む複合プライマー中の介在性RNA部分の長さは、好ましくは約1〜約7ヌクレオチド、より好ましくは約2〜約6ヌクレオチド、そして最も好ましくは約3〜約5ヌクレオチドであり得る。少なくとも1つの介在性RNA部分を有する5’−および3’−DNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、介在性RNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドのいずれかであり得、上限は、約5、6、7、10ヌクレオチドのいずれかである。3’−DNA部分および少なくとも1つの介在性RNA部分を含む複合プライマー中の介在性RNA部分の長さは、好ましくは約1〜約7ヌクレオチド、より好ましくは約2〜約6ヌクレオチド、そして最も好ましくは約3〜約5ヌクレオチドであり得る。3’−DNA部分および少なくとも1つの介在性RNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、介在性RNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドのいずれかであり得、上限は約5、6、7、10ヌクレオチドのいずれかである。5’−RNA部分をさらに含む、3’−DNA部分および少なくとも1つの介在性RNA部分を含む複合プライマーにおいて、この5’−RNA部分は、好ましくは約3〜約25ヌクレオチド、より好ましくは約5〜約20ヌクレオチド、さらにより好ましくは約7〜約18ヌクレオチド、好ましくは約8〜約17ヌクレオチド、そして最も好ましくは約10〜約15ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分をさらに含む、3’−DNA部分および少なくとも1つの介在性RNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、この5’−RNA部分は、少なくとも約3、5、7、8、10ヌクレオチドのいずれかであり得、上限は約15、17、18、20ヌクレオチドのいずれかである。
【0179】
3’−DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマー中の3’−DNA部分の長さは、好ましくは約1〜約20ヌクレオチド、より好ましくは約3〜約18ヌクレオチド、さらにより好ましくは約5〜約15ヌクレオチド、そして最も好ましくは約7〜約12ヌクレオチドであり得る。3’−DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、この3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかであり得、上限は、約10、12、15、18、20、22ヌクレオチドのいずれかである。
【0180】
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマー中の3’−DNA部分の長さは、好ましくは約1〜約20ヌクレオチド、より好ましくは約3〜約18ヌクレオチド、さらにより好ましくは約5〜約15ヌクレオチド、そして最も好ましくは約7〜約12ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、この3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかであり得、上限は約10、12、15、18、20、22ヌクレオチドのいずれかである。
【0181】
非3’−DNA部分をさらに含む、5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーの実施形態において、非3’−DNA部分は、好ましくは約1〜約10ヌクレオチド、より好ましくは約2〜約8ヌクレオチド、そして最も好ましくは約3〜約6ヌクレオチドであり得る。非3’−DNA部分をさらに含む、5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、非3’−DNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドのいずれかであり得、上限は、約6、8、10、12ヌクレオチドのいずれかである。
【0182】
5’−RNA部分が3’−DNA部分に隣接する、5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む、複合プライマーの実施形態において、3’−DNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約20ヌクレオチド、より好ましくは、約3〜約18ヌクレオチド、さらにより好ましくは、約5〜約15ヌクレオチド、そして最も好ましくは、約7〜約12ヌクレオチドであり得る。5’−RNA部分が3’−DNA部分に隣接する、5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む、プライマーの特定の実施形態において、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかで、上限は約10、12、15、18、20、22ヌクレオチドのいずれかであり得る。
【0183】
少なくとも1つの介在RNA部分を有する、5’−DNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマー中の、非3’−DNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約10ヌクレオチド、より好ましくは、約2〜約8ヌクレオチド、そして最も好ましくは、約3〜約6ヌクレオチドであり得る。少なくとも1つの介在RNA部分を有する、5’−DNA部分および3’−DNA部分を含むプライマー中のいくつかの実施形態において、非3’−DNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドのいずれかで、上限は約6、8、10、12ヌクレオチドのいずれかであり得る。
【0184】
少なくとも1つの介在RNA部分を有する、5’−DNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマー中の、3’−DNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約20ヌクレオチド、より好ましくは、約3〜約18ヌクレオチド、さらにより好ましくは、約5〜約15ヌクレオチド、そして最も好ましくは、約7〜約12ヌクレオチドであり得る。少なくとも1つの介在RNA部分を有する、5’−DNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマー中のいくつかの実施形態において、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかで、上限は約10、12、15、18、20、22ヌクレオチドのいずれかであり得る。
【0185】
3’−DNA部分および少なくとも1つの介在RNA部分を含む複合プライマー中の非3’−DNA部分(すなわち、3’−DNA部分以外の任意のDNA部分)の長さは、好ましくは、約1〜約10ヌクレオチド、より好ましくは、約2〜約8ヌクレオチド、そして最も好ましくは、約3〜約6ヌクレオチドであり得る。3’−DNA部分および少なくとも1つの介在RNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、非3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかで、上限は約6、8、10、12ヌクレオチドのいずれかであり得る。3’−DNA部分および少なくとも1つの介在RNA部分を含む複合プライマーの3’−DNA部分の長さは、好ましくは、約1〜約20ヌクレオチド、より好ましくは、約3〜約18ヌクレオチド、さらにより好ましくは、約5〜約15ヌクレオチド、そして最も好ましくは、約7〜約12ヌクレオチドであり得る。3’−DNA部分および少なくとも1つの介在RNA部分を含む複合プライマーのいくつかの実施形態において、この3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドのいずれかで、上限は約10、12、15、18、20、22ヌクレオチドのいずれかであり得る。種々の部分の長さが、本発明の方法の反応条件下で適切なように、より長くても短くてもよいことが、理解される。
【0186】
いくつかの実施形態において、複合プライマーの5’−DNA部分は、プライマーの最も5’側のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、複合プライマーの5’−RNA部分は、プライマーの最も5’側のヌクレオチドを含む。他の実施形態において、複合プライマーの3’−DNA部分は、プライマーの最も3’側のヌクレオチドを含む。他の実施形態において、3’−DNA部分は、5’−RNA部分に隣接し、そしてプライマーの最も3’側のヌクレオチドを含む(そして、5’−RNA部分は、プライマーの最も5’側のヌクレオチドを含む)。
【0187】
複合プライマーの全長は、好ましくは、約10〜約50ヌクレオチド、より好ましくは、約15〜約30ヌクレオチド、そして最も好ましくは、約20〜約25ヌクレオチドであり得る。いくつかの実施形態において、この長さは、少なくとも約10、15、20、25ヌクレオチドのいずれかであり、上限は約25、30、50、60ヌクレオチドのいずれかであり得る。種々の部分の長さが、本発明の方法の反応条件下で適切なように、より長くても短くてもよいことが理解される。
【0188】
標的核酸へのハイブリダイゼーション(当該分野で周知であり、かつ理解されるように、他の因子(例えば、イオン強度および温度)に依存する)を達成するために、標的RNAにハイブリダイズ可能なプライマーの部分は、標的核酸に対して、好ましくは、少なくとも60%、より好ましくは、少なくとも約75%、さらにより好ましくは、少なくとも90%、そして最も好ましくは、少なくとも約95%の相補性である。
【0189】
(プライマー伸長産物にハイブリダイズするプロプロモーター(propromoter)および領域を含む、ポリヌクレオチド)
本発明の方法は、プライマー伸長産物にハイブリダイズする、プロプロモーターおよび領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチドを使用する。いくつかの実施形態において、プロプロモーターポリヌクレオチドは、以下により詳細に記載されるように、PTOとして提供される。
【0190】
(プロプロモーター鋳型リゴヌクレオチド)
いくつかの実施形態において、この方法は、プロプロモーター鋳型リゴヌクレオチド(PTO)によって提供される転写のためのプロモーター配列を使用する。
【0191】
本発明の方法および組成物に使用するためのPTOは、単鎖ポリヌクレオチド(一般に、DNA)であり、この単鎖ポリヌクレオチドは、RNAポリメラーゼの二重鎖プロモーターの形成のために設計されたプロプロモーター配列、およびプライマー伸長産物の3’末端にハイブリダイズし得る部分を含む。好ましい実施形態において、このプロプロモーター配列は、オリゴヌクレオチドの5’部分に配置され、そしてこのハイブリダイゼーション配列は、オリゴヌクレオチドの3’部分に配置される。一つの実施形態において、そして最も代表的に、このプロモーターおよびハイブリダイゼーション配列は、異なる配列である。別の実施形態において、このプロモーターおよびハイブリダイゼーション配列は、配列同一性において重複する。なお別の実施形態において、このプロモーターおよびハイブリダイゼーション配列は、同一の配列であり、従って、PTO上の同一の位置にある。この実施形態において、PTOのプライマー伸長産物へのハイブリダイゼーションが、オーバーハング(代表的に、プロプロモーター配列の全てまたは一部を含む、プライマー伸長産物にハイブリダイズしないPTOの5’末端)を含む二重鎖を生じる場合、DNAポリメラーゼは、適切なRNAポリメラーゼによって転写を効率化し得る二重鎖プロモーターを生じるように、このオーバーハング中に充填される。
【0192】
鋳型DNAの転写を可能にするプロモーター配列は、当該分野で公知であり、そして上記の通りである。好ましくは、このプロモーター配列は、使用される特定のRNAポリメラーゼの最適な転写活性を提供するように選択される。このような選択のための基準(すなわち、特定のRNAポリメラーゼに特に好ましい特定のプロモーター配列)がまた、当該分野で公知である。例えば、T7 DNA依存性RNAポリメラーゼおよびSP6による転写のためのプロモーターの配列は、当該分野で公知である。このプロモーター配列は、原核生物供給源由来または真核生物供給源由来であり得る。
【0193】
いくつかの実施形態において、PTOは、プロプロモーター配列と、プライマー伸長産物の3’末端にハイブリダイズし得る部分との間に、介在配列を含む。この介在配列の適切な長さは、経験的に、決定され得、そして少なくとも約1、2、4、6、8、10、12、15ヌクレオチドであり得る。介在配列の適切な配列同一性はまた、経験的に決定され得、そしてこの配列は、必ずではないが、好ましくは、配列の脱落部分と比較した場合、増幅の程度を増強させるように設計される。一つの実施形態において、介在配列は、使用されるRNAポリメラーゼにより、増強された転写またはより最適な転写を提供するように設計された配列である。一般に、この配列は、プライマー伸長産物に関連しない(すなわち、この配列は、実質的にハイブリダイズしない)。より最適な転写は、この配列に作動可能に連結されたプロモーター由来のポリメラーゼの転写活性が、そのように連結されないプロモーター由来のものよりも強力である場合に生じる。最適な転写に必要な配列は、一般に、種々のDNA依存性RNAポリメラーゼに関して以前に記載されたように当該分野で公知であり(例えば、米国特許第5,766,849号および同第5,654,142号)、そしてまた、経験的に決定され得る。
【0194】
別の実施形態において、PTOは、5’からプロプロモーター配列を含み、すなわち、PTOは、プロプロモーター配列に対して5’に配置されたさらなるヌクレオチド(これは、転写調節配列であってもそうでなくてもよい)を含む。一般に、必ずではないが、この配列は、プライマー伸長産物に対して(所定のセットの条件下で)ハイブリダイズし得ない。
【0195】
一つの実施形態において、このPTOは、核酸伸長のためのプライマーとして効率的に機能し得ない。PTOのプライマー機能をブロックするための技術は、DNAポリメラーゼによって、PTOの3’末端へのヌクレオチドの付加を防止する、任意の技術を含む。このような技術は、当該分野で公知であり、これらには、例えば、3’ヒドロキシル基の置換もしくは改変、またはDNAポリメラーゼによるヌクレオチドの付加物を固着させ得ないPTOの最も3’側の部分における、改変されたヌクレオチド(例えば、ジデオキシヌクレオチド)取り込みが挙げられる。特定の結合対のメンバー(例えば、ビオチン)である、標識または低分子を使用して、3’末端をブロックすることが可能である。非相補性か、または水素結合を支持しない構造的改変のいずれかに起因して、プライマー伸長産物にハイブリダイズし得ないヌクレオチドの付加により、3’末端に非伸長性を与えることがまた可能である。他の実施形態において、このPTOは、ブロックされない。
【0196】
目的のプライマー伸長産物にハイブリダイズするPTOの部分の長さは、好ましくは、約5〜約50ヌクレオチド、より好ましくは、約10〜約40ヌクレオチド、さらにより好ましくは、約15〜約35ヌクレオチド、そして最も好ましくは、約20〜30ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、このハイブリダイズ部分は、少なくとも以下のいずれかであり:約3、5、10、20;そして以下のいずれか未満である:約30、40、50、60。ハイブリダイズ部分の相補性は、目的のプライマー伸長産物上の意図される結合配列に対して、好ましくは、少なくとも約25%、より好ましくは少なくとも約50%、さらにより好ましくは、少なくとも約75%、そして最も好ましくは、少なくとも約90%である。
【0197】
(DNAポリメラーゼ、リボヌクレアーゼ、およびRNAポリメラーゼ)
本発明の増幅方法は、以下の酵素を使用する:RNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼ、リボヌクレアーゼ(例えば、RNase H)、およびDNA依存性RNAポリメラーゼ。これらの1以上の活性は、単一の酵素において見出され、そして使用され得る。例えば、RNase H活性は、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって供給され得るか、または別々の酵素において提供され得る。この方法のために有用な逆転写酵素は、RNase H活性を有しても有さなくてもよい。
【0198】
本発明の一つの局面は、プライマー−RNA複合体からの、二重鎖cDNAの形成である。このプロセスは、一般に、RNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼおよびリボースヌクレアーゼ活性の酵素活性を利用する。
【0199】
本発明の方法および組成物において使用するためのRNA依存性DNAポリメラーゼは、本発明の方法に従って、プライマーの伸長に有効であり得る。従って、好ましいRNA依存性RNAポリメラーゼは、少なくとも大部分のリボヌクレオチドを含む核酸鋳型に沿って、核酸プライマーを伸長し得るポリメラーゼである。本発明の方法および組成物に使用するための、適切なRNA依存性DNAポリメラーゼは、逆転写酵素を含む。多くの逆転写酵素(例えば、鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV−RT)およびモロニーマウス肉腫ウイルス(MMLV−RT)由来の逆転写酵素)は、1より多い活性(例えば、ポリメラーゼ活性およびリボヌクレアーゼ活性)を含み、そして二重鎖cDNA分子の形成において機能し得る。しかし、いくつかの場合において、RNase H活性を欠く逆転写酵素を使用することが好ましい。RNase H活性を欠く逆転写酵素は、当該分野で公知であり、これは、変異によりRNase H活性を排除する、野生型逆転写酵素の変異を含むものを含む。これらの場合、他の供給源由来のRNase H(例えば、E.coliから単離されたRNase H)の付加が、二重鎖cDNAの形成のために使用され得る。
【0200】
本発明の方法および組成物に使用するためのDNA依存性DNAポリメラーゼは、本発明の方法に従うプライマーの伸長に影響を与え得る。従って、好ましいポリメラーゼは、少なくとも大部分のデオキシヌクレオチドを含む核酸鋳型に沿って、核酸プライマーを伸長し得るポリメラーゼである。二重鎖cDNAの形成は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性の両方を含む、逆転写酵素によって実施され得る。好ましくは、DNAポリメラーゼは、核酸鎖にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの3’末端に結合するための高い親和性を有する。好ましくは、このDNAポリメラーゼは、実質的なニック活性(nicking activity)を有さない。好ましくは、このポリメラーゼは、プライマー、またはプライマー伸長ポリヌクレオチドの分解を最小にするように、5’−>3’エキソヌクレアーゼ活性をほとんどまたは全く有さない。一般に、このエキソヌクレアーゼ活性は、鋳型が、二重鎖であろうと、または単鎖であろうと、pH、塩濃度のような因子に依存し、これらの全ては、当業者にとってよく知られている。5’−>3’エキソヌクレアーゼ活性が欠失した変異DNAポリメラーゼは、当該分野で公知であり、本明細書中に記載された増幅方法に適切である。好ましくは、このDNAポリメラーゼは、プルーフリーディング活性をほとんどまたは全く有さない。
【0201】
本発明の方法および組成物に使用するための適切なDNAポリメラーゼは、米国特許第5,648,211号および同第5,744,312号に開示されているポリメラーゼを含む。これには、エキソ−Vent(New England Biolabs)、エキソ−Deep Vent(New England Biolabs)、Bst(BioRad)、エキソ−Pfu(Stratagene)、Bca(Panvera)、配列決定グレードのTaq(Promega)、およびthermoanaerobacter thermohydrosulfuricus由来の耐熱性DNAポリメラーゼが挙げられている。
【0202】
RNA/DNAハイブリッドのRNAを切断する試薬(例えば、リボヌクレアーゼ)は、本発明の方法および組成物において使用される。好ましくは、リボヌクレアーゼであり得る試薬は、切断されるリボヌクレオチドに隣接するヌクレオチドとの同一性および型に関係無く、リボヌクレオチドを切断する。この試薬(例えば、リボヌクレアーゼ)が、配列同一性に依存することなく切断することが好ましい。本発明の方法および組成物のための適切なリボヌクレアーゼの例は、当該分野で周知であり、これには、リボヌクレアーゼH(RNase H)(Hybridaseを含む)が挙げられる。
【0203】
本発明の方法および組成物に使用するためのDNA依存性RNAポリメラーゼは、当該分野で公知である。真核生物ポリメラーゼまたは原核生物ポリメラーゼのいずれかが、使用され得る。例としては、T7ポリメラーゼ、T3ポリメラーゼおよびSP6 RNAポリメラーゼが挙げられる。一般に、この選択されたRNAポリメラーゼは、本明細書中に記載されるように、プロプロモーターポリヌクレオチドによって提供されるプロモーター配列から転写し得る。一般に、RNAポリメラーゼは、DNA依存性ポリメラーゼであり、これは、好ましくは、プロモーター領域が二重鎖である限り、単鎖DNA鋳型から転写され得る。
【0204】
一般に、本発明の方法および組成物に含まれる、使用される酵素は、本方法および組成物の核酸成分の実質的な分解を生じるべきではない。
【0205】
(反応条件および検出)
本発明の方法を実行するための適切な反応媒体および条件は、本発明の方法に従って、核酸増幅を可能にする媒体および条件である。適切な媒体および条件は、当業者に公知であり、これは、種々の刊行物、例えば、米国特許第5,554,516号;同第5,716,785号;同第5,130,238号;同第5,194,370号;同第6,090,591号;同第5,409,818号;同第5,554,517号;同第5,169,766号;同第5,480,784号;同第5,399,491号;同第5,679,512号;およびPCT公開番号WO99/42618に記載されている。例えば、緩衝液は、Tris緩衝液であり得るが、他の緩衝液もまた、この緩衝液の成分が本発明の方法の酵素成分に対して非阻害性である限り、使用され得る。pHは、好ましくは、約5〜約11であり、より好ましくは、約6〜約10であり、さらにより好ましくは、約7〜約9であり、そして最も好ましくは、約7.5〜約8.5である。この反応媒体はまた、約0.01〜約15mM、最も好ましくは、約1〜10mMの範囲内である遊離イオンの最終濃度で、例えば、Mg2+またはMn2+のような二価の金属イオンを含む。この反応媒体はまた、この媒体の全イオン強度に寄与する、他の塩(例えば、KClまたはNaCl)を含み得る。例えば、KClのような塩の範囲は、好ましくは、約0〜約125mM、より好ましくは、約0〜約100mM、そして最も好ましくは、約0〜約75mMであり得る。反応媒体は、増幅反応の実施に影響を与え得るが、本方法の酵素成分の活性に欠くことができる添加剤をさらに含み得る。このような添加剤は、タンパク質(例えば、BSA)、単鎖結合タンパク質(例えば、T4遺伝子32タンパク質)、および非イオン性分解産物(例えば、NP40またはTriton)を含む。酵素活性を維持し得る、試薬(例えば、DTT)がまた、含まれ得る。このような試薬が、当該分野で使用される。適切な場合、本方法において使用されるRNAaseの活性を阻害しない、RNaseインヒビター(例えば、Rnasin)がまた、含まれ得る。本発明の方法の任意の局面は、同一温度または変化する温度で生じ得る。好ましくは、この増幅反応(特に、プライマー伸長および転写;および一般に、第1および第2のプライマー伸長産物の複合体の変性工程ではない)は、等温的に実施され、これにより、実質的に、厄介なサーモサイクル工程を避ける。この増幅反応は、本発明のオリゴヌクレオチド(プライマー、および/またはPTO)の、鋳型ポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションを可能にする温度、および使用される酵素の活性を実質的に阻害しない温度で実施される。この温度は、好ましくは、約25℃〜約85℃、より好ましくは、約30℃〜約80℃、そして最も好ましくは、約37℃〜約75℃の範囲であり得る。転写工程のための温度は、前述の工程のための温度よりも低くあり得る。この転写工程の温度は、約25℃〜約85℃、より好ましくは、約30℃〜約75℃、そして最も好ましくは、約37℃〜約70℃であり得る。
【0206】
本発明の方法におけるプライマー伸長産物の合成のために使用され得る、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチドアナログ(例えば、デオキシリボヌクレオシド三リン酸)は、好ましくは、約50〜約2500μM、より好ましくは約100〜約2000μM、さらにより好ましくは、約200〜約1700μM、そして最も好ましくは、約250〜約1500μMの量で提供される。本発明の方法においてRNA転写産物の合成のために使用され得る、ヌクレオチドおよび/またはアナログ(例えば、リボヌクレオシド三リン酸)は、好ましくは、約0.25〜約6mM、より好ましくは、約0.5〜約5mM、さらにより好ましくは、約0.75〜約4mM、そして最も好ましくは、約1〜約3mMの量で提供される。
【0207】
本発明の増幅反応のオリゴヌクレオチド成分は、一般に、増幅される標的核酸配列の数よりも多い。これらは、ほぼ以下または少なくともほぼ以下のいずれかで提供される:標的核酸の量の10、102、104、106、108、1010、1012倍。プライマーおよびPTOは、それぞれ、ほぼ以下または少なくともほぼ以下の濃度のいずれかで提供される:50nM、100nM、500nM、1000nM、2500nM、5000nM。
【0208】
一つの実施形態において、以下の成分は、増幅プロセスの開始において、同時に添加される。別の実施形態において、成分は、増幅反応によって必要とされる場合および/または認められる場合、増幅プロセスの間、適切な時点の前またはその後に、任意の順序で添加される。このような時点(これらの時点のいくつかは、以下に記載されている)は、当業者によって容易に確認され得る。本発明の方法に従う、核酸増幅のために使用される酵素は、酵素の熱安定性および/または当業者に公知の他の条件によって決定されるように、標的核酸変性工程の前、この変性工程の後、または標的RNAへのプライマーのハイブリダイゼーション後のいずれかで、反応混合物に添加される。この第1鎖cDNA(第1のプライマー伸長産物)および第2鎖cDNA(第2のプライマー伸長産物)の合成反応は、連続的に実施され得、その後、増幅工程(例えば、プロプロモーターポリヌクレオチドと転写物との結合)が続く。これらの実施形態において、この反応条件および成分は、異なる反応間で変化され得る。
【0209】
この増幅反応は、種々の時点で停止され、後の時点で再開され得る。上記の時点は、当業者によって容易に確認され得る。一つの時点は、第1鎖cDNA合成の終わりである。別の時点は、第2鎖cDNA合成の終わりである。反応を停止するための方法は、当該分野で公知であり、例えば、酵素活性を阻害する温度まで反応混合物を冷却する工程、または酵素を破壊する温度までこの反応混合物を加熱する工程が挙げられる。反応を再開するための方法もまた、当該分野で公知であり、例えば、酵素活性を許容する温度まで反応混合物の温度を上昇させる工程、または破壊した(枯渇した)酵素を補給する工程が挙げられる。いくつかの実施形態において、この反応の成分の1つ以上は、反応の再開前、再開時、または再開後に補給される。あるいは、この反応を、中断なしで(すなわち、最初から最後まで)進めることが可能であり得る。
【0210】
この反応は、中間体複合物を精製することなく(例えば、プライマーを除去することなく)、進めることが可能であり得る。生成物は、種々の時点(この温度は、当業者によって容易に確認可能であり得る)で精製され得る。一つの時点は、第1鎖cDNA合成の終わりである。別の時点は、第2鎖cDNA合成の終わり出る。
【0211】
増幅産物の検出は、標的配列の存在の表示による。定量分析がまた、可能である。直接的または間接的な検出(定量を含む)は、当該分野で周知である。例えば、標的配列を含むポリヌクレオチドの未知の量を含む試験サンプルから増幅された産物の量を、標的配列を含む既知量のポリヌクレオチドを有する参照サンプルの増幅産物と比較することによって、試験サンプル中の標的配列の量が決定され得る。本発明の増幅方法はまた、配列の変性の分析および標的核酸の配列決定に拡大され得る。さらに、検出は、例えば、RNA増幅産物由来の翻訳産物の試験によってもたらされ得る。
【0212】
(本発明の組成物およびキット)
本発明はまた、本明細書中に記載される方法において使用される組成物およびキットを提供する。この組成物は、本明細書中に記載される任意の成分、反応混合物および/または中間体、ならびにこれらの任意の組み合わせであり得る。
【0213】
例えば、本発明は、(a)第1のプライマー;(b)第2のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);および(c)プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、この組成物は、さらに、(d)第3のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る)を含む。いくつかの実施形態において、第2のプライマーおよび/または第3のプライマーは、ランダムプライマーである。いくつかの実施形態において、プロプロモーターポリヌクレオチド((C)上記)は、第1のプライマーの5’部分の相補体にハイブリダイズし得る。
【0214】
本発明はまた、第1のプライマー伸長産物を作製するために使用される第1のプライマーの5’部分の相補体である第2のプライマー伸長の3’部分にハイブリダイズし得るプロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)を含む組成物を提供する。
【0215】
本発明はまた、(a)第1のプライマー;(b)第2のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);および(c)複合プライマー(ここで、この複合プライマーは、5’RNA部分およびDNA部分を含む)を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、この組成物は、さらに、以下の1つ以上を含む:DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子(一般的に、酵素)。
【0216】
本発明はまた、プロプロモーターポリヌクレオチドを含む組成物を提供し、ここで、このプロプロモーターは、第1のプライマー(prime)の5’部分の相補体を含む第2のプライマー伸長産物の配列にハイブリダイズし得、ここで、この第1のプライマーは、第1のプライマー伸長産物を形成するために伸長される。
【0217】
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載される方法のいずれかによって作製される(存在する)複合体および/または反応中間体を提供する。このような複合体の例は、図1、2および3に模式的に示される。1つの例として、本発明の複合体は、(a)第2または第3のプライマー伸長産物;および(b)プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO)を含む複合体である。なお別の例において、本発明は、(a)第3のプライマー伸長産物;および(b)プロプロモーターポリヌクレオチド(これは、PTOであり得る)の複合体を含む組成物を提供する。なお別の例において、本発明は、(a)ハイブリダイズされる第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物の変性によって作製される、第2のプライマー伸長産物;および第2のプライマー伸長産物にハイブリダイズ可能な複合プライマー、の複合体を含む組成物を提供する。
【0218】
本発明はまた、本明細書中に記載される増幅産物を含む組成物を提供する。従って、本発明は、標的配列のコピーである集団のアンチセンスRNA分子を提供し、これは、本明細書中に記載される方法のいずれかによって作製される。本発明はまた、集団のアンチセンスポリヌクレオチド(一般的にDNA)分子を提供し、これは、本明細書中に記載される方法のいずれかによって作製される。
【0219】
これらの組成物は、一般的に、適切な媒体中にあるが、これらは、凍結乾燥形態で存在し得る。適切な媒体としては、水性媒体(例えば、純水または緩衝液)が挙げられるが、これに限定されない。
【0220】
本発明は、本発明の方法を実施するためのキットを提供する。従って、種々のキットが、適切なパッケージで提供される。このキットは、本明細書中に記載される任意の1つ以上の用途について使用され得、従って、任意の1つ以上の以下の用途についての指示書を含み得る:目的のRNA配列の増幅、配列決定、遺伝子型決定(核酸変異検出)、固定化された核酸(これは、マイクロアレイ上に固定化された核酸であり得る)の調製、本発明の方法によって作製された増幅された核酸産物を使用する核酸の特徴付け;遺伝子発現プロファイリング、サブトラクティブハイブリダイゼーション;サブトラクティブハイブリダイゼーションのためのプローブの調製;およびライブラリー(これは、cDNAライブラリーおよび/または差示的ハイブリダイゼーションライブラリーであり得る)の調製。
【0221】
本発明のキットは、本明細書中に記載される任意の組み合わせの成分を含む1つ以上の容器を含み、そして以下は、このようなキットの例である。例えば、本発明は、本発明の方法の増幅工程に導入される場合、プロプロモーターポリヌクレオチドがハイブリダイズし得る中間体ポリヌクレオチドを生成する配列を含む第1のプライマーを含むキットを提供する。本発明はまた、第2のプライマーおよび/または第3のプライマー(これらのいずれかまたは両方がランダムなプライマーであり得る)をさらに含むキットを提供する。このキットは、さらに、(a)プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO);および(b)本明細書中に記載される酵素のいずれか(例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNaseH)、DNAポリメラーゼ(RNA依存性またはDNA依存性)またはRNAポリメラーゼ)のうちのいずれかのような成分を含み得る。ランダムプライマーを含む成分に関して、これらの組成物はまた、複数のランダムプライマー(すなわち、異なる配列を有する、集団のランダムプライマー)を含み得る。
【0222】
キットはまた、必要に応じて、本明細書中に記載される酵素の1つ以上、ならびにデオキシヌクレオシド三リン酸および/またはリボヌクレオシド三リン酸のいずれかを含み得る。キットはまた、1つ以上の適切な緩衝液(本明細書中に記載される)を含み得る。核酸配列決定に有用なキットは、必要に応じて、プライマー伸長産物に組み込まれるときに、ヌクレオチド重合の終了をもたらす、標識されたかまたは標識されていないヌクレオチドアナログを含み得る。キット内の1つ以上の試薬は、乾燥粉末(通常は凍結乾燥される(賦形剤を含む))として提供され得、この粉末は、溶解の際に本明細書中に記載される任意の方法を行うのに適切な濃度を有する試薬溶液に備える。各々の成分は、別々の容器にパッケージされ得るか、またはいくつかの成分は、交差反応および貯蔵寿命を可能にする1つの容器において組み合わされ得る。
【0223】
本発明のキットは、必要に応じて、一組の指示書、一般的には書面の指示書を含み得るが、指示書を含む電子格納媒体(例えば、磁気ディスケットまたは光学ディスク)もまた条件に合い、これは、意図された核酸増幅のため、ならびに/または、適切な場合、核酸配列決定および配列変異の検出のような目的のためにこの増幅産物を使用するための本発明の方法の成分の使用に関連する。このキットとともに含まれる指示書は、一般的には、本発明の方法の実施に必要な試薬(キットに含まれようと含まれまいと)、このキットの使用方法についての指示および/または適切な反応条件に関する情報を含む。例えば、本発明は、相補体がプロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能な配列を含む第1のプライマー、およびRNAを増幅するためにプライマーを使用するための指示書を含むキットを提供する。別の例において、キットは、さらに、第2のプライマーおよび/または第3のプライマー、ならびに必要に応じて、RNAを増幅するためのプライマーを使用するための指示書を含み得る。他の例において、キットは、さらに、(a)プロプロモーターポリヌクレオチド(例えば、PTO);および(b)本明細書中に記載される酵素のいずれか(例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNaseH)、DNAポリメラーゼ(RNA依存性またはDNA依存性)およびRNAポリメラーゼのうちのいずれかのような成分を含み得る。別の例において、キットは、(a)複合プライマー;および(b)本明細書中に記載される方法のいずれかに従ってRNAを増幅するための指示書を含む。いくつかの実施形態において、このキットは、さらに、PTOを含む。他の実施形態において、このキットは、さらに、以下の成分のうちの1つ以上を含む:(a)第1のプライマー;(b)第2のプライマー;(c)RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断し得る因子(一般的に、RNase H);DNA依存性DNAポリメラーゼ;およびRNA依存性DNAポリメラーゼ。これらのキットにうちの任意が、さらに、RNAを増幅するための成分を使用するための指示書を含み得る。
【0224】
キットの成分は、任意の簡便で適切なパッケージング中にパッケージされ得る。この成分は、別々にパッケージされ得るか、または1つ以上の組み合わせでパッケージされ得る。キットが、本発明の増幅方法の実施のために提供される場合、RNAポリメラーゼ(もし含まれれば)は、好ましくは、転写段階の前の段階において使用される成分とは別々に提供される。
【0225】
このキットにおける種々の成分の相対量は、広範に変化して、本明細書中に開示される方法を実施するため、そして/または任意のアッセイの感度をさらに最適化するために、生じる必要がある反応を実質的に最適化する試薬濃度に備え得る。
【0226】
本発明はまた、本明細書中に記載される方法を果たすためのシステムを提供する。これらのシステムは、上記で議論された成分の種々の組み合わせを含む。例えば、本発明は、標的RNAを増幅するためのシステムを提供し、このシステムは、(a)第1のプライマー;(b)第2のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る);(c)RNA依存性DNAポリメラーゼ;(d)DNA依存性DNAポリメラーゼ;(e)プロプロモーターポリヌクレオチド;および(f)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を含む。このシステムは、さらに、(g)第3のプライマー(これは、ランダムプライマーであり得る)を含み得る。このシステムはまた、さらに、第2の鎖cDNAにハイブリダイズする複合プライマーを含み得る。システムは、一般的に、本発明の増幅方法を実行するための1つ以上の装置を含む。このような装置は、例えば、加熱デバイス(例えば、加熱ブロックまたは水浴)および本明細書中に記載される方法の1つ以上の工程の自動化をもたらす装置を含む。
【0227】
本発明はまた、本明細書中に記載される成分の種々の組み合わせを含む反応混合物(または、反応混合物を含む組成物)を提供する。反応混合物の例は、(a)第1のプライマー伸長産物および第2のプライマー伸長産物の複合体;(b)プロプロモーター配列(例えば、PTO)を含むポリヌクレオチド;および(c)RNAポリメラーゼである。他の反応混合物は、本明細書中に記載され、そして本発明によって包含される。
【0228】
(本発明の増幅方法および組成物を使用する方法)
本発明の方法および組成物は、種々の目的のために使用され得る。例示の目的のために、配列決定方法、遺伝子型決定(genotyping)(核酸変異検出)方法、固定された核酸(これは、マイクロアレイ上に固定された核酸であり得る)の調製方法、および本発明の方法によって作製された増殖された核酸産物を使用して核酸を特徴付ける方法が記載される。発現プロファイリング方法、サブトラクティブハイブリダイゼーション方法およびサブトラクティブハイブリダイゼーションのためのプローブの調製の方法、ならびにライブラリー(これは、cDNAライブラリーおよび/または差示的ハイブリダイゼーションライブラリーであり得る)の調製方法もまた、記載される。
【0229】
(本発明の方法を使用するRNA標的の配列決定)
本発明の増幅方法は、例えば、目的のRNA配列の配列決定ために有用である。配列決定プロセスは、本明細書中に記載される増幅方法について記載されるように実施される。
【0230】
本発明の増幅方法は、例えば、目的のRNA配列の配列決定ために有用である。配列決定プロセスは、本明細書中に記載される方法のいずれかによって目的の配列を含む標的RNAを増幅することによって実施される。プライマー伸長の間のヌクレオチドの添加は、当該分野で公知の方法(例えば、ターミネーターヌクレオチドの組み込み、または合成による配列決定(例えば、熱配列決定(pyrosequencing)))を使用して分析される。
【0231】
最終生成物が置換されたDNAプライマー伸長産物の形態である実施形態においては、天然のデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)のような、増幅方法において使用されるヌクレオチドに加えて、プライマー伸長産物への取り込みの際にプライマー伸長の終結をもたらす適切なヌクレオチド三リン酸アナログ(これは、標識されていても標識されていなくてもよい)が、反応混合物に添加され得る。好ましくは、dNTPアナログは、所望の量の第2のプライマー伸長産物またはフラグメント伸長産物が生成するように、増幅反応の開始から十分な量の反応時間が経過した後に添加される。この量の時間は、当業者によって実験的に決定され得る。
【0232】
最終生成物がRNA産物の形態である実施形態においては、配列決定は、RNA転写の中途での(故意の)終結に基づき得る。RNA転写物への組み込みの際に反応混合物中のrNTP重合の終結をもたらす、rNTPアナログ(これは、標識されていても標識されていなくてもよい)を含むことは、短縮型RNA産物の生成を生じ、これは、このアナログの取り込み部位におけるRNAポリメラーゼのブロッキングから生じる。
【0233】
適切なアナログ(dNTPおよびrNTP)としては、他の配列決定方法において通常使用されるものが挙げられ、そして当該分野において周知である。dNTPアナログの例としては、ジデオキシリボヌクレオチドが挙げられる。rNTPアナログ(例えば、RNAポリメラーゼターミネーター)の例としては、3’−dNTPが挙げられる。Sasakiら、Biochemistry(1998)95:3455−3460。これらのアナログは、例えば、蛍光色素または放射性同位体で標識され得る。これらの標識はまた、質量分析に適切な標識であり得る。この標識はまた、特異的結合対のメンバー(例えば、ビオチン)である低分子であり得、そしてこの特異的結合対の他方のメンバー(例えば、ストレプトアビジン)の結合に続いて、検出可能であり得、この結合対の最後のメンバーが、酵素に結合され、この酵素は、比色定量、蛍光比色法、または化学発光のような方法によって検出され得る、検出可能なシグナルの発生を触媒する。上記例の全ては、当該分野において周知である。これらは、ポリメラーゼによってプライマー伸長産物またはRNA転写物に組み込まれ、そしてテンプレート配列に沿ったさらなる伸長を停止するよう働く。得られた短縮型重合産物は、標識される。蓄積される短縮型産物は、各々のアナログの取り込み部位(これは、テンプレート配列上の相補的ヌクレオチドの種々の配列位置に相当する)に従って長さが変動する。
【0234】
配列情報の説明のための、反応生成物の分析を、当該分野において公知の種々の方法のいずれかを使用して実施し得る。このような方法としては、ゲル電気泳動および適切なスキャナを用いる標識されたバンドの検出、配列決定ゲル電気泳動および放射性同位元素標識されたバンドの燐光による直接的な検出(例えば、Molecular Dynamicsリーダー)、反応に使用される標識に対して特異的な検出器に適合されたキャピラリー電気泳動などが挙げられる。この標識はまた、結合タンパク質と結合体化した酵素と組み合わせた、標識の検出のために使用される結合タンパク質に対するリガンド(例えば、ビオチン標識された鎖ターミネーター、および酵素と結合体化したストレプトアビジン)であり得る。この標識は、検出可能なシグナルを発生させるその酵素の酵素活性によって検出される。当該分野において公知の他の配列決定方法を用いて同様に、種々のヌクレオチド型(A、C、G、TまたはU)についての配列決定反応が、単一の反応容器内でか、または別個の反応容器内(各々が、種々のヌクレオチド型の1つに相当する)のいずれかで実施される。使用されるべき方法の選択は、当業者に容易に明らかな実用的な考慮(例えば、使用されるヌクレオチド三リン酸アナログおよび/または標識)に依存する。従って、例えば、アナログの各々が示差的に標識される場合には、配列決定反応は、単一の容器内で実施され得る。本発明の方法による配列決定分析の最適な実施のための、試薬および反応条件の選択のための考慮は、以前に記載された他の配列決定方法についての考慮と類似である。試薬および反応条件は、本発明の核酸増幅方法に対して上記されたようなものであるべきである。
【0235】
(本発明の増幅方法を利用する、1本鎖コンフォメーション多型に基づく変異検出を含む変異検出)
本発明の方法によって作製されたポリヌクレオチド(一般的に、RNAおよびDNA)増幅産物はまた、配列の変更以外は標的核酸配列と同一である参照核酸配列と比較した場合の、標的核酸配列における任意の変更の検出のための分析に適切である。配列の変更は、ゲノム配列に存在する配列変更であり得るか、またはゲノムDNA配列には反映されない配列変更(例えば、転写後改変に起因する変更、および/またはスプライス改変体を含むmRNAプロセシング)であり得る。
【0236】
増幅方法のDNA産物およびRNA産物は、一本鎖コンフォメーション多型(rSSCP)に基づく変異検出に適切である。本発明の増幅方法は、一本鎖コンフォメーション多型を検出するための適切な手段(例えば、参照核酸と比較した場合の試験核酸における特定の配列特徴の存在および/または任意の差異の存在を説明するための、一本鎖RNAまたはDNA産物の特異的移動度パターンの同定のための電気泳動分離法)に直接組み合わせられ得る。
【0237】
ゲル電気泳動またはキャピラリー電気泳動に基づく方法は、種々の一本鎖コンフォメーション異性体の検出および分析のために使用され得る。あるいは、配列依存型二次構造を認識するヌクレアーゼを使用する、一本鎖RNA産物の切断が、配列特異的コンフォメーション多型の決定のために有用であり得ることもまた、ありそうである。このようなヌクレアーゼは当該分野において公知である(例えば、Cleavaseアッセイ(Third Wave))。電気泳動の方法は、ハイスループットの、変異または遺伝子型決定の検出方法のための、潜在的により適切である。
【0238】
所定の核酸配列に対する配列特異的な電気泳動パターンの決定は、例えば、試験配列の特異的対立遺伝子の検出のために有用である。さらに、種々の対立遺伝子に対する電気泳動移動度パターンは、十分に区別され得、これによって、異種接合の遺伝子型、または多重対立遺伝子のために必要とされるような、単一の個体由来の核酸サンプルにおける2つの対立遺伝子の検出を可能にすることが予測される。試験核酸配列における任意の変更(例えば、塩基の置換、挿入または欠失)は、この方法を使用して検出され得る。この方法は、特異的な一塩基多型(SNP)の検出および新たなSNPの発見のために有用であると予測される。従って、本発明はまた、一塩基多型を含むポリヌクレオチドを検出するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)本明細書中に記載される方法のいずれかを使用して、標的ポリヌクレオチドを増幅する工程;および(b)一本鎖コンフォメーションに対して増幅産物を分析する工程であって、ここで、参照一本鎖ポリヌクレオチドと比較した場合のコンフォメーションの差異が、標的ポリヌクレオチドにおける一塩基多型の指標であり、これによって、一塩基多型を含むポリヌクレオチドが検出される、工程。
【0239】
参照核酸配列と比較した場合の、標的核酸配列における任意の変更の検出のための分析の、当該分野において認容された他の方法は、本発明の増幅方法の一本鎖核酸産物を用いる使用に適切である。このような方法は、当該分野において周知であり、そして特異的に規定された配列の検出のための種々の方法(対立遺伝子特異的プライマー伸長、対立遺伝子特異的プローブ連結、差示的プローブハイブリダイゼーション、および限定されたプライマー伸長に基づく方法が挙げられる)が挙げられる。例えば、Kurnら、米国特許第6,251,639号B1;米国特許第5,888,819号;同第6,004,744号;同第5,882,867号;同第5,854,033号;同第5,710,028号;同第6,027,889号;同第6,004,745号;同第5,763,178号;同第5,011,769号;同第5,185,243号;同第4,876,187号;同第5,882,867号;同第5,731,146号;WO US88/02746;WO99/55912;WO92/15712;WO00/09745;WO97/32040;WO00/56925;および5,660,988を参照のこと。従って、本発明はまた、一塩基多型を含む目的のRNA配列における変異を検出するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)本明細書中に記載される方法のいずれかを使用して、標的RNAを増幅する工程;および(b)参照一本鎖ポリヌクレオチドと比較した場合の、変更(変異)の存在について、この増幅産物を分析する工程。
【0240】
(一本鎖核酸を固定する方法)
本発明のいくつかの増幅方法の一本鎖ポリヌクレオチド(一般的に、RNAおよびDNA)産物は、表面に対する固定に適切である。一本鎖産物は、一本鎖増幅産物を含むマイクロアレイを調製するために特に適切である。
【0241】
増幅産物は、固体または半固体の支持体または表面(これらは、例えば、ガラス、プラスチック(例えば、ポリプロピレン、ナイロン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、または他の材料から作製され得る)に固定および/または結合され得る。
【0242】
固体基材(例えば、スライドガラス)に対して核酸を固定するためのいくつかの技術が当該分野で周知である。1つの方法は、増幅された核酸中に、固体基材へ結合し得る部分(例えば、アミン基、アミン基の誘導体、または正の電荷を有する別の基)を含む改変塩基またはアナログを組み込むことである。次いで、増幅された産物は、固体基材(例えば、ガラススライド)と接触される。この基材は、増幅された産物上にあり、かつガラススライドと共有結合的に結合するようになる反応性基と共有結合を形成するアルデヒドまたは別の反応性基で被覆されている。増幅された産物を含むマイクロアレイは、Biodot(BioDot,Inc.Irvine,CA)スポッティング装置およびアルデヒド被覆ガラススライド(CEL Associates,Houston,TX)を用いて製造され得る。増幅産物は、アルデヒドで被覆されたスライド上にスポットされ得、そして公開された手順(Schenaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1996)93:10614〜10619)に従って処理され得る。アレイはまた、ガラス、ナイロン(Ramsay,G.,Nature Biotechnol.(1998)、16:40〜44)、ポリプロピレン(Matsonら、Anal Biochem.(1995),224(1):110〜6)、およびシリコーンスライド(Marshall,AおよびHodgson,J.,Nature Biotechnol.(1998)、16:27〜31)上にロボットによりプリントされ得る。アレイアセンブリに対する他のアプローチとしては、電場内の微細なマイクロピペッティング(MarshallおよびHodgson、前出)、および正に被覆されたプレートに対する直接的なポリヌクレオチドのスポッティングが挙げられる。アミノプロピルシリコン表面化学を用いた方法のような方法も、http://www.cmt.corning.com、およびhttp://cmgm.stanford.edu/pbrown/に開示のように、当該分野で公知である。
【0243】
マイクロアレイを作製するための1つの方法は、高密度ポリヌクレオチドアレイを作製することによる。ポリヌクレオチドの迅速な蒸着のための技術が公知である(Blanchardら、Biosensors & Bioelectronics,11:687〜690)。例えば、マスキング(MaskosおよびSouthern,Nuc.Acids.Res.(1992)、20:1679〜1684)によって、マイクロアレイを作製するための他の方法がまた、用いられ得る。原則として、そして上記のように、任意のタイプのアレイ(例えば、ナイロンハイブリダイゼーションメンブレン上のドットブロット)が用いられ得る。しかし、当業者に認識されるように、ハイブリダイゼーション容量がより小さくなるので、非常に小さいアレイが頻繁に好ましい。
【0244】
増幅されたポリヌクレオチドは、紙、ガラス、プラスチック、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、光ファイバー、または任意の他の適切な固体もしくは半固体(例えば、薄層のポリアクリルアミドゲル(Khrapkoら、DNA Sequence(1991)1:375〜388))表面を含む基材上にマトリックスとしてスポットされ得る。
【0245】
アレイは、平坦な基材上に2次元マトリックスとして組み立てられ得るか、またはピン、ロッド、ファイバー、テープ、スレッド、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリー、シリンダー、および標的分子のハイブリダイゼーションおよび検出に適切な任意の他の構成を含む3次元構造を有し得る。1つの実施形態において、増幅産物が結合される基材は、磁気ビーズまたは磁気粒子である。別の実施形態において、固体基材は、光ファイバーを含む。なお別の実施形態において、増幅産物は、キャピラリー内の液相中に分散し、次にここで固相に対して固定される。
【0246】
(核酸の特徴付け)
本発明の方法は、特に定量的分析に従う。なぜなら、十分な一本鎖ポリヌクレオチド(一般的に、DNAおよびRNA)の産物が生成され、これは出発材料における種々のmRNAの提示を通常正確に反映しているからである。増幅産物は、例えば、当該分野で公知のプローブハイブリダイゼーション技術(例えば、ノーザンブロット、およびプローブアレイへのハイブリダイズ)を用いて分析され得る。さらに、一本鎖ポリヌクレオチド産物は、当該分野で公知の他の分析方法および/または定量方法(例えば、リアルタイムPCR、定量的TaqMan、分子ビーコンを用いる定量的PCR、Kurn、米国特許第6,251,639号に記載の方法、など)のための他の出発材料のための出発材料として作用し得る。従って、本発明は、本明細書中の方法の任意の産物に適用されるようなさらなる分析方法および/または定量方法を包含する。
【0247】
別の実施形態において、本発明の増幅方法を利用して、DNA重合化またはRNA重合化の間に、標識されているヌクレオチドの取り込みによって標識される一本鎖ポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)産物の複数のコピーを生成する。例えば、本発明の方法による増幅は、適切な標識dNTPまたはrNTPで実行され得る。これらの標識されたヌクレオチドは、標識に直接結合され得るか、または標識に対して結合され得る部分を含み得る。この標識は、増幅産物に対して共有結合的にまたは非共有結合的に結合し得る。適切な標識が当該分野で公知であり、そして例えば、結合対の検出可能な第2のメンバーを用いて検出/定量され得る特定の結合対のメンバーであるリガンドを含む。従って、例えば、Cy3−dUTP、またはCy5−dUTPの存在下での、本発明の方法による総mRNAの増幅により、この増幅産物へのこれらのヌクレオチドの組み込みが生じる。
【0248】
標識された増幅産物は、それを例えば、マイクロアレイ(ガラス、チップ、プラスチックを含む任意の適切な表面の)、ビーズ、または粒子(cDNAおよび/またはオリゴヌクレオチドプローブのような適切なプローブを含む)と接触させることにより、分析(例えば、検出および/または定量)するのに特に適切である。従って、本発明は、本発明の増幅方法を用いて、標識されたポリヌクレオチド(一般に、DNAまたはRNA)産物を生成すること、および標識された産物を分析することにより、目的のRNA配列を特徴付ける(例えば、検出および/または定量)する方法を提供する。標識された産物の分析は、例えば、以下に対する、標識された増幅産物のハイブリダイゼーションによって実施され得る:例えば、上記の、固体基材または半固体基材上の特定の位置に固定されたプローブ、規定の粒子上に固定されたプローブ、またはブロット(例えば、膜)上に固定されたプローブ(例えばアレイ)。標識された産物を、分析する他の方法は、当該分野で公知であり、このような方法としては、例えば、それらをプローブを含む溶液と接触させること、続いて溶液から、標識された増幅産物およびプローブを含む複合体の抽出が挙げられる。プローブの同一性によって、増幅された産物の配列同一性の特徴付けが提供され、これによってサンプル中に存在する標的RNAの同一性の推定が提供される。標識された産物のハイブリダイゼーションは、検出可能であり、そして検出される特定の標識の量は、目的の特定のRNA配列の標識された増幅産物の量に比例する。この測定は、例えば、本明細書に記載のように、サンプル中の種々のRNA種の相対的な量(遺伝子発現の相対的レベルに関連する)を測定するために有用である。アレイ上の規定の位置でハイブリダイズした、標識された産物の量(例えば、標識に会合した検出可能シグナルにより示される)は、サンプル中の対応する標的RNA種の検出および/または定量を示し得る。
【0249】
標識された増幅産物は、タンパク質とcDNAおよび/またはオリゴヌクレオチドプローブのような適切なプローブを含むマイクロアレイと、これらの標識された増幅産物を接触させることによって、分析(例えば、存在または非存在を検出および/または定量および/または決定するための)に特に適している。従って、本発明は、本発明の増幅方法を用いて標識したポリヌクレオチド(一般的に、RNAまたはDNA)産物を生成すること、およびその標識産物を分析することによって、目的のRNA配列を特徴付けるための(例えば、存在または非存在を検出および/または定量および/または決定するための)方法を提供する。例えば、標識産物の分析は、上記のように、例えば、固体基材または半固体基材上の特定の位置に固定されたプローブ、規定された粒子上に固定されたプローブ、またはブロット(例えば、膜)上に固定されたプローブ(例えばアレイ)への、標識された増幅産物のハイブリダイゼーションによって実行され得る。標識された産物を分析するための他の方法は、当該分野で公知であり、これは、例えば、プローブを含む溶液とこれらの標識された産物とを接触させる工程、続いて、標識された増幅産物およびプローブを含む複合体を溶液から抽出することによる。プローブの同一性によって、増幅された産物の配列同一性の特徴付けが提供され、これによってサンプル中に存在する標的RNAの同一性の推定が提供される。標識された産物のハイブリダイゼーションは、検出可能であり、そして検出される特定の標識の量は、目的の特定のRNA配列の標識された増幅産物の量に比例する。この測定は、例えば、サンプル中の種々のRNA種の相対的な量(これは、遺伝子発現の相対的レベルに関連する)を測定するために有用である。アレイ上の規定の位置でハイブリダイズした、標識された産物の量(例えば、標識に会合した検出可能シグナルにより示される)は、サンプル中の対応する標的RNA種の検出および/または定量および/または存在または非存在を示し得る。
【0250】
(遺伝子発現プロフィールの決定)
本発明の増幅方法は、サンプル中の複数の遺伝子の発現のレベルを決定する際の使用に特に適切である。なぜなら、本明細書に記載の方法は、同じサンプル中で、複数の標的RNAを増幅し得るからである。上記のように、増幅産物は、本明細書に記載の、および/または当該分野で公知の種々の方法によって検出および定量され得る。RNAは、遺伝子発現の産物であるので、サンプル中の種々のRNA種(例えば、mRNA)のレベルは、種々の遺伝子の相対的発現レベル(遺伝子発現プロフィール)を示す。従って、サンプル中に存在する目的のRNA配列の量の決定(配列の増幅産物を定量することにより決定される)によって、サンプル供給源の遺伝子発現プロフィールの決定が得られる。
【0251】
従って、本発明は、サンプル中の遺伝子発現プロフィールを決定する方法を提供する。この方法は、以下:本明細書に記載の任意の方法を用いて、サンプル中の目的の少なくとも1つのRNA配列から一本鎖産物を増幅する工程;および目的の各RNA配列の増幅産物の量を決定する工程を包含し、ここでこの各々の量は、サンプル中の目的の各々のRNA配列の量を示し、それによってサンプル中の発現プロフィールが決定される。一般に、標識された産物が生成される。1つの実施形態において、標的RNAはmRNAである。増幅産物の量が、定量的方法および/または定性的方法を用いて決定され得ることが理解される。増幅産物の量の決定は、増幅産物が存在するか存在しないかを決定することを含む。従って、発現プロフィールは、目的の1つ以上のRNA配列の存在または非存在に関する情報を含み得る。産物の「非存在(absent)」または「非存在(absence)」、および「産物の検出がない」は、本明細書において用いる場合、有意でないレベル、すなわち最小レベルを含む。
【0252】
発現プロファイリングの方法は、広範な種々の分子診断において有用であり、そして本質的に任意の哺乳動物細胞(単一細胞を含む)または細胞集団における遺伝子発現の研究において特に有用である。細胞または細胞集団(例えば、組織)は、例えば、血液、脳、脾臓、骨、心臓、脈管、肺、腎臓、下垂体、内分泌腺、胚性細胞、腫瘍などに由来し得る。発現プロファイリングはまた、異なる時点(発生、処置などの前、後、および/または間を含む)で収集された試験サンプルを含む試験サンプルに対して、コントロール(正常)サンプルを比較するために有用である。
【0253】
(ライブラリーを調製する方法)
本発明の方法の一本鎖のポリヌクレオチド(一般的に、DNAおよびRNA)産物は、ライブラリー(cDNAライブラリーおよび差し引きハイブリダイゼーションライブラリーを含む)を調製するのに有用である。本発明の方法を用いて、限られた量の出発材料(例えば、限定された量の組織、さらには単一の細胞から抽出したmRNA)からライブラリーを調製し得る。従って、1つの局面において、本発明の方法は、本発明の一本鎖のDNA産物またはRNA産物からライブラリーを調製することを提供する。なお別の局面において、本発明はライブラリーを作製するための方法を提供する。この方法は、以下:本明細書に記載の任意の方法を用いて差し引きハイブリダイゼーションプローブを調製する工程、を包含する。
【0254】
従って、1つの局面において、本発明の方法は、本発明の一本鎖DNA産物またはRNA産物からライブラリーを調製することを提供する。いくつかの実施形態において、ライブラリーは、cDNAライブラリーである。
【0255】
(差し引きハイブリダイゼーションの方法)
本発明の増幅方法は、差し引きハイブリダイゼーション方法における使用に特に適切である。なぜなら、本明細書に記載の方法は、同じサンプル中で複数の標的RNAを増幅し得るからである。そして本発明の方法は、差し引きハイブリダイゼーションにおける「ドライバー(driver)」としての使用に適切な大量の一本鎖アンチセンスDNA産物およびRNA産物を生成するために適切である。例えば、2つの核酸集団(1つはセンス、そしてもう1つはアンチセンス)が、モル過剰で存在する1つの集団(「ドライバー」)と一緒に混合するされ得る。両方の集団において存在する配列は、ハイブリッドを形成するが、1つの集団にしか存在しない配列は、一本鎖のままである。その後、種々の周知の技術を用いて、差次的に発現された配列を示すハイブリダイズしていない分子を分離する。例えば、Hamsonら、米国特許第5,589,339号;Van Gelder、米国特許第6,291,170号を参照のこと。
【0256】
従って、本発明は、差し引きハイブリダイゼーションを実施するための方法を提供する。この方法は、以下:(a)本明細書に記載の任意の増幅方法を用いて第1のRNA集団から目的の少なくとも1つのRNA配列の相補体の複数のコピー(一般的にDNA)を調製する工程;および(b)第2のmRNA集団に対してこの複数のコピーをハイブリダイズする工程を包含し、これによってこの第2のmRNA集団の部分集団がヌクレオチドDNAコピーとの複合体を形成する。本発明はまた、差し引きハイブリダイゼーションを実施するための方法を提供し、この方法は、以下:第2のmRNA集団に対して、本明細書に記載の任意の増幅方法を用いて第1のRNA集団から目的の少なくとも1つのRNA配列の相補体の複数のコピーをハイブリダイズする工程を包含し、これによってこの第2のmRNA集団の部分集団は、コピーとの複合体を形成する。いくつかの実施形態において、本発明の方法の「ドライバー」一本鎖アンチセンスDNA産物は、テスター(センス)mRNA種と合わせられる。別の局面において、本発明は、異なる増幅の方法を提供する。この方法では、テスターmRNA配列にハイブリダイズする一本鎖ドライバー(アンチセンス)DNA配列を、DNA/RNAハイブリッドに存在するRNAを切断する因子(RNase H)による切断に供する。mRNAの切断によって、試験mRNA鎖から一本鎖DNA産物を生成することが不能になる。逆に、非切断テスター(すなわち、ドライバーDNA分子にハイブリダイズしなかったテスターmRNA)は、引き続く増幅のための基質としてはたらき得る。増幅された差次的に発現された産物は、差次的発現ライブラリーを生成するための、多くの用途(差次的発現プローブとしてを含む)を有する。従って、別の局面において、本発明は、目的の1つ以上のRNA配列の差次的増幅のための方法を提供する。この方法は以下:本明細書に記載の任意の増幅方法を用いて、第1のRNA集団由来の目的の少なくとも1つのRNA配列の相補体の複数のポリヌクレオチド(一般に、DNA)のコピーを、第2のmRNA集団に対してハイブリダイズして、これによって第2のmRNA集団の部分集団がDNAコピーと複合体を形成する工程;(b)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて工程(a)の複合体においてRNAを切断する工程;ならびに(c)第2のmRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団を増幅して、これによってこの第2のmRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団に相補的な一本鎖ポリヌクレオチド(一般的に、DNA)の複数のコピーが生成される工程、を包含する。
【0257】
以下の実施例は、例示のために提供され、本発明を限定しない。
【実施例】
【0258】
(実施例1:総mRNAの増幅)
0.1μgの総mRNAを、プライマー1(0.1〜1μMの濃度で提供される)、PTOオリゴヌクレオチド(0.1〜1μMの濃度で提供される)、プライマー2(0.1〜1μMの濃度で提供される)と総容量約10μlで、緩衝液(40mM Tris(pH8.5)、5mM DTT、12mM MgCl2、72mM KCl、108.8μg/ml BSA、2mMの各rATP、rUTP、rCTP、1.5mM rGTP、および0.5mM rITPを含む1mMのdNTP)中で混合する。この混合物を65℃で2分間インキュベートし、そして37℃(または42℃)に冷却した。T7 RNAポリメラーゼ(40〜80U)、MMLV逆転写酵素(10〜30U)、およびRNase H(1〜3U)を含む10μlの酵素混合物を、この反応混合物に添加し、そしてこの混合物をさらに0.5〜3時間インキュベートした。
【0259】
この反応混合物のアリコートを、ゲル電気泳動(5〜20%PAGE、Novex)によって増幅産物の生成について分析した。
【0260】
【化1】
ここで、太字は、第2プライマー伸長産物の3’末端に相補的な配列を示す。
プライマー3:
プライマー3は、プライマー1と同じである。
【0261】
(実施例2:特異的mRNAの増幅)
プライマー2を増幅される規定されたmRNA種の配列に特異的なプライマーで置換した以外は、実施例1の実験を実行する。例えば、GAPDH mRNAの配列の増幅を、GAPDH mRNAから生成された第1のcDNA鎖(第1プライマー伸長産物)上の部位にハイブリダイズするプライマーを用いて実行する。
【0262】
上記の本発明は、理解の明確化のための例示および実施例によっていくらか詳細に記載したが、特定の変更および改変が実施され得ることは、当業者に明らかである。従って、説明および実施例は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0263】
【図1】図1は、線形RNA増幅プロセスの図による提示である。図1は、標的RNAに相補的なRNA転写産物を複数コピー生成する、プロプロモーターを含むポリヌクレオチドを用いた標的RNAの増幅を示す。
【図2A】図2Aは、標的RNAに相補的な、より多くのRNA転写産物を生成する、図1のプロセスからのRNA転写産物のさらなる増幅を示す。
【図2B】図2Bは、標的RNAに相補的な、より多くのRNA転写産物を生成する、図1のプロセスからのRNA転写産物のさらなる増幅を示す。
【図3A】図3Aは、標的RNAに相補的な一本鎖DNA鎖を生成する、複合プライマーである第三プライマーを用いた、線形RNA増幅プロセスの図による提示を示す。
【図3B】図3Bは、標的RNAに相補的な一本鎖DNA鎖を生成する、複合プライマーである第三プライマーを用いた、線形RNA増幅プロセスの図による提示を示す。
Claims (84)
- 目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)標的RNAにハイブリダイズした第一プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および該標的RNAを含む複合体が生成される、工程;
(b)工程(b)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;
(c)該第一プライマー伸長産物にハイブリダイズした第二プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物を含む複合体が生成される、工程;
(d)工程(c)の複合体を変性させる工程;および
(e)該第二プライマー伸長産物に、プロプロモーターおよび該第二プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、該標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写物が作製される工程;
を包含し、
それにより、目的のRNA配列の相補配列の複数コピーが生成される、方法。 - 目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)標的RNAにハイブリダイズした第一プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第一プライマー伸長産物および該標的RNAを含む複合体が生成される、工程;
(b)工程(a)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;
(c)該第一プライマー伸長産物にハイブリダイズした第二プライマーを、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、該第一プライマー伸長産物および第二プライマー伸長産物を含む複合体が生成される、工程;
(d)工程(c)の複合体を変性させる工程;
(e)該第二プライマー伸長産物に、プロプロモーター、および該第二プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含むプロプロモーターポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、該標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写物が生成される工程;
(f)該RNA転写物にハイブリダイズした第三プライマーを、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いて伸長し、それにより、第三プライマー伸長産物およびRNA転写物を含む複合体が生成される、工程;
(g)工程(f)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;
(h)プロプロモーターおよび一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズする領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼによる転写が生じるのを可能にする条件下でハイブリダイズさせ、その結果、該標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写物が生成される工程;
(i)必要に応じて、工程(f)〜工程(h)を繰り返す工程;
を包含し、
それにより、該目的のRNA配列の相補配列の複数コピーが生成される、
方法。 - 前記第一プライマーが前記標的RNAにハイブリダイズし得ない5’部分を含む、請求項1または2に記載の方法。
- 前記5’部分が配列を含み、該配列の相補体は、前記工程(f)における前記プロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である、請求項3に記載の方法。
- 前記標的RNAがmRNAである、請求項1または2に記載の方法。
- 前記第一プライマーがポリT配列を含む、請求項1または2に記載の方法。
- 前記第一プライマーが前記標的RNAにハイブリダイズし得ない5’部分を含み、そして、ここで、該5’部分が配列を含み、該配列の相補体が前記工程(g)におけるプロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である、請求項2に記載の方法。
- 前記第二プライマーおよび前記第三プライマーが同一である、請求項2に記載の方法。
- 前記第二プライマーおよび前記第三プライマーが異なる、請求項2に記載の方法。
- 前記第二プライマーおよび前記第三プライマーが異なる相補配列にハイブリダイズする、請求項2に記載の方法。
- 少なくとも1つの型の使用されるrNTPが標識されたrNTPであり、それによって、標識された生成物が生成する、請求項1または2に記載の方法。
- 前記第一プライマーがランダムプライマーである、請求項1または2に記載の方法。
- 前記第二プライマーがDNAを含む、請求項1または2に記載の方法。
- 請求項2または2に記載の方法であって、前記第二プライマーが、前記プライマー伸長産物にハイブリダイズしている標的RNAのフラグメントを含み、前記工程(b)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断することによって、該フラグメントが生成される、方法。
- 前記方法が、目的の2以上の異なる配列を複数コピー作製する工程を包含する、請求項1または2に記載の方法。
- 前記方法が少なくとも2つの異なる第一プライマーを含む、請求項15に記載の方法。
- 目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法であって、該方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、該反応混合物は、以下:
(a)請求項1の工程(d)から生じた一本鎖第二プライマー伸長産物;
(b)プロプロモーターおよび一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;ならびに
RNAポリメラーゼ;
を含み、
ここで、該インキュベーションは、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件下においてであり、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される、方法。 - 目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法であって、該方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、該反応混合物は、以下:
(a)請求項1の工程(d)から生じた一本鎖第二プライマー伸長産物;
(b)前記標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写物にハイブリダイズ可能な配列を含む、第三プライマー;
(c)プロプロモーターおよび一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;
(d)プロプロモーターおよび一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;
(e)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素;ならびに
(f)RNAポリメラーゼ;
を含み、
ここで、該インキュベーションは、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件下においてであり、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される、方法。 - 目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法であって、該方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、該反応混合物は、以下:
(a)請求項1の工程(e)からのRNA転写物;
(b)RNA転写物にハイブリダイズ可能な配列を含む第三プライマー;
(c)プロプロモーターおよび一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;
(d)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素;ならびに
(e)RNAポリメラーゼ;
ここで、該インキュベーションは、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびRNA転写を可能にする条件下においてであり、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される、方法。 - 目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法であって、該方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、該反応混合物は、以下:
(a)標的RNA;
(b)標的RNAにハイブリダイズ可能である配列を含む第一プライマー;
(c)第一プライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能である配列を含む第二プライマー;
(d)プロプロモーターおよび一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;
(e)RNA依存性DNAポリメラーゼ;
(f)DNA依存性DNAポリメラーゼ;
(g)RNAポリメラーゼ;ならびに
(h)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素;
を含み、
ここで、該インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーション、およびRNA転写を可能にする条件下においてであり、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される、方法。 - 目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法であって、該方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、該反応混合物は、以下:
(a)標的RNA;
(b)該標的RNAにハイブリダイズ可能である配列を含む第一プライマー;
(c)該第一プライマーの伸長産物にハイブリダイズ可能である配列を含む第二プライマー;
(d)標的RNAに相補的な配列を含むRNA転写物にハイブリダイズ可能である配列を含む第三プライマー;
(e)プロプロモーターおよび一本鎖第二プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;
(f)プロプロモーターおよび一本鎖第三プライマー伸長産物にハイブリダイズ可能である領域を含む、プロプロモーターポリヌクレオチド;
(g)RNA依存性DNAポリメラーゼ;
(h)DNA依存性DNAポリメラーゼ;
(i)RNAポリメラーゼ;ならびに
(j)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素;
を含み、
ここで、該インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA切断、プロプロモーターポリヌクレオチドハイブリダイゼーション、およびRNA転写を可能にする条件であり、それにより、目的のRNA配列の相補配列が複数コピー作製される、方法。 - 前記第一プライマーが前記標的RNAにハイブリダイズし得ない5’部分を含む、請求項20または21に記載の方法。
- 前記5’配列が配列を含み、該配列の相補体は、プロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能である、請求項22に記載の方法。
- 請求項20または21に記載の方法であって、(a)前記第一プライマーがポリT配列を含み、そして、(b)前記標的RNAがmRNAである、方法。
- 前記第二プライマーおよび前記第三プライマーが同一である、請求項21に記載の方法。
- 前記第二プライマーおよび前記第三プライマーが異なる、請求項21に記載の方法。
- 前記第二プライマーおよび前記第三プライマーが、異なる相補配列にハイブリダイズする、請求項21に記載の方法。
- RNAを切断する前記酵素がRNaseHである、請求項1、2、18、19、20および21のいずれか1項に記載の方法。
- 前記RNA依存性DNAポリメラーゼおよび前記DNA依存性DNAポリメラーゼが1つの酵素である、請求項1、2、20および21のいずれか1項に記載の方法。
- 前記RNA依存性DNAポリメラーゼおよびRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が同一の酵素である、請求項1、2、20および21のいずれか1項に記載の方法。
- 前記DNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が同一の酵素である、請求項1、2、20および21のいずれか1項に記載の方法。
- 前記DNA依存性DNAポリメラーゼ、前記RNA依存性DNAポリメラーゼおよび前記RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が同一の酵素である、請求項1、2、20および21のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プロプロモーターポリヌクレオチドが、前記第二プライマー伸長産物にハイブリダイズする3’末端にある領域を含み、それにより、該第二プライマー伸長産物のDNAポリメラーゼ伸長が、転写が生じる二本鎖プロモーターを生成する、請求項1または20に記載の方法。
- 前記プロプロモーターポリヌクレオチドがプロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチドである、請求項33に記載の方法。
- 前記プロプロモーターポリヌクレオチドが、前記第三プライマー伸長産物にハイブリダイズする3’末端にある領域を含み、それにより、該第二プライマー伸長産物のDNAポリメラーゼ伸長が、転写が生じる二本鎖プロモーターを生成する、請求項2または21に記載の方法。
- 前記プロプロモーターポリヌクレオチドがプロプロモーターテンプレートオリゴヌクレオチドである、請求項35に記載の方法。
- 少なくとも1つの型の使用されるrNTPが標識されたrNTPであり、それによって、標識された生成物が生成される、請求項20または21に記載の方法。
- 目的のRNA配列の相補配列を複数コピー作製する方法であって、該方法は以下:
(a)複合プライマーを、請求項1の工程(d)から得られた一本鎖第二プライマー伸長産物へとハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該複合プライマーが、RNA部分および3’DNA部分を含む、工程;
(b)DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて該複合プライマーを伸長し、それにより、プライマー伸長産物および該第二プライマー伸長産物を含む複合体が形成される工程;
(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて、工程(b)の複合体中のRNAを切断し、その結果、別の複合プライマーが、該第二プライマー伸長産物にハイブリダイズし、そして鎖置換によるプライマー伸長を繰り返す工程
を包含し、
それにより、該目的のRNA配列の相補体が複数コピー生成される、方法。 - 前記複合プライマーのRNA部分が前記3’DNA部分に関して5’にある、請求項38に記載の方法。
- 前記5’RNA部分が前記3’DNA部分に隣接する、請求項39に記載の方法。
- 前記第一プライマーが、前記複合プライマー配列を含む、請求項38に記載の方法。
- 前記複合プライマーが、前記第一プライマーの5’部分の相補体にハイブリダイズ可能な部分を含む、請求項38に記載の方法。
- 前記標的RNAがmRNAである、請求項38に記載の方法。
- 前記方法が、目的の2以上の異なる配列を複数コピー作製する工程を包含する、請求項38に記載の方法。
- 前記RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素がRNaseHである、請求項38に記載の方法。
- 前記RNA依存性DNAポリメラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼが同一の酵素である、請求項38に記載の方法。
- 前記RNA依存性DNAポリメラーゼおよびRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が同一の酵素である、請求項38に記載の方法。
- 前記DNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が同一の酵素である、請求項38に記載の方法。
- 前記DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼおよび前記RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が同一の酵素である、請求項38に記載の方法。
- 少なくとも1つの型の使用されるdNTPが標識されたdNTPであり、それによって、標識された生成物が生じる、請求項38に記載の方法。
- 目的のRNA配列を配列決定する方法であって、該方法は、以下:
(a)rNTPとrNTPアナログとの混合物の存在下で、請求項1または20に記載の方法によって、目的の配列を含む標的RNAを増幅し、その結果、rNTPアナログの取り込みの際に転写が終了する工程;および
(b)該増幅産物を分析して配列を決定する工程、
を包含する、方法。 - 前記標的RNAがmRNAである、請求項51に記載の方法。
- 目的のRNA配列を配列決定する方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項2または21に記載の方法によって、目的の配列を含む標的RNAを増幅する工程であって、ここで、前記第二プライマー伸長産物から作製されるRNA転写物が、rNTPとrNTPアナログとの混合物の存在下で増幅され、その結果、rNTPアナログの取込みの際に転写が終了する、工程;および
(b)該増幅産物を分析して配列を決定する工程。
を包含する、方法。 - 前記標的RNAがmRNAである、請求項53に記載の方法。
- 標的RNA中の変異を検出する方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項1、2、20および21のいずれかに記載の方法によって標的RNAを増幅する工程;ならびに
(b)基準ヌクレオチドと比較して、変異の存在について該増幅産物を分析する工程、
を包含する、
方法。 - 前記標的RNAが、mRNAである、請求項55に記載の方法。
- 一本鎖コンホメーション多型により標的RNA中の変異を検出する方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項1、2、20および21のいずれかに記載の方法によって標的RNAを増幅する工程;ならびに
(b)該増幅産物を一本鎖コンホメーションについて分析する工程であって、ここで、基準一本鎖ポリヌクレオチドと比較したときのコンホメーションの相違が、該標的ポリヌクレオチド中の変異を示す、工程、
を包含する、方法。 - 前記標的RNAが、mRNAである、請求項57に記載の方法。
- 基材に固定化された核酸を生成する方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項1、2、20および21に記載の方法のいずれかによって標的RNAを増幅する工程;ならびに
(b)該増幅産物を基材に固定する工程。
を包含する、方法。 - 前記標的RNAが、mRNAである、請求項59に記載の方法。
- 前記基材がマイクロアレイである、請求項59に記載の方法。
- 目的のRNA配列を特徴付ける方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項10に記載の方法によって、標的RNAを増幅する工程;および
(b)該標識されたRNA産物を分析する工程;
を包含する、方法。 - 前記工程(b)が前記標識DNA産物を少なくとも1つのプローブと接触させる工程を包含する、請求項62に記載の方法。
- 前記少なくとも1つのプローブがマイクロアレイとして提供される、請求項63に記載の方法。
- 請求項64に記載の方法であって、前記マイクロアレイが、基材に固定化された少なくとも1つのプローブを含み、該基材は、以下:
紙、セラミック、ガラス、プラスチック、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、ケイ素、および光ファイバー
からなる群より選択される材料から製造される、方法。 - 請求項65に記載の方法であって、前記プローブが、二次元形状または三次元形状の基材上に固定化され、該基材は、ピン、ロッド、繊維、テープ、糸、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリーおよびシリンダーを含む、方法。
- 前記標的RNAが、mRNAである、請求項62に記載の方法。
- 請求項62に記載の方法であって、前記標識されたRNA産物を分析する工程(b)が、該産物の量を決定することを包含し、それによりサンプル中に存在する前記目的のRNA配列の量が定量される、方法。
- 目的のRNA配列を特徴づける方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項37に記載の方法によって、標的RNAを増幅する工程;および
(b)前記標識されたRNA産物を分析する工程;
を包含する、方法。 - 工程(b)が前記標識されたDNA産物を少なくとも1つのプローブと接触させる工程を包含する、請求項69に記載の方法。
- 前記少なくとも1つのプローブがマイクロアレイとして提供される、請求項70に記載の方法。
- 請求項71に記載の方法であって、ここで、前記マイクロアレイが、基材上で固定化された少なくとも1つのプローブを含み、該基材が、以下:
紙、ガラス、プラスチック、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、ケイ素、および光ファイバー
からなる群より選択される材料から製造される、方法。 - 請求項72に記載の方法であって、前記プローブが、二次元形状または三次元形状の基材上に固定化され得、該基材は、ピン、ロッド、繊維、テープ、糸、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、キャピラリーおよびシリンダーを含む、方法。
- 前記標的RNAが、mRNAである、請求項69に記載の方法。
- 請求項69に記載の方法であって、前記標識されたRNA産物を分析する工程(b)が、該産物の量を決定する工程を包含し、それによりサンプル中に存在する前記目的のRNA配列の量が定量される、方法。
- サンプル中の遺伝子発現プロファイルを決定する方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項1または2に記載の方法のいずれかを用いて、サンプル中の少なくとも2つの目的のRNA配列を増幅する工程;および
(b)目的のRNA配列の各々の増幅産物の量を決定する工程であって、ここで、該量の各々は、該サンプル中の目的のRNA配列の各々の量を示す工程
を包含し、
それにより、該サンプルの遺伝子発現プロファイルが決定される、方法。 - 各標的RNAが、mRNAである、請求項76に記載の方法。
- ライブラリーを調製するための方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項1および請求項2のいずれかに記載の方法を使用して、少なくとも2つの目的のRNA配列を増幅する工程;ならびに
(b)増幅された一本鎖のDNAまたはRNA産物からライブラリーを調製する工程
を包含する、方法。 - 前記第一プライマーがランダムプライマーである、請求項78に記載の方法。
- 前記第一プライマーがポリT部分を含む、請求項78に記載の方法。
- 差引きハイブリダイゼーションプローブを実施する方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項38に記載の方法を使用して、第一RNA集団から1以上の目的のRNA配列の相補体を複数DNAコピー調製する工程;および
(b)該複数コピーを第二mRNA集団にハイブリダイズさせる工程;を包含し、
それにより、該第二mRNA集団の部分集団が該DNAコピーと複合体を形成する、方法。 - 差引きハイブリダイゼーションプローブを実施する方法であって、該方法は、以下:
(a)請求項38に記載の方法を使用して、第一RNA集団から少なくとも2つの目的のRNA配列の相補体を複数DNAコピー調製する工程;および
(b)ハイブリダイズする該複数コピーを第二mRNA集団にハイブリダイズさせる工程;を包含し、
それにより、該第二mRNA集団の部分集団が該DNAコピーと複合体を形成し、
(c)工程(b)の複合体中のRNAを、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて切断する工程;ならびに
(d)該第二mRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団を増幅する工程
を包含し、
それにより、該第二mRNA集団のハイブリダイズしていない部分集団に相補的な複数コピーの一本鎖DNAを生成する、方法。 - 第一プライマーおよび指示書を備えるキットであり、該第一プライマーは、配列を含み、
該配列の相補体は、プロプロモーターポリヌクレオチドによってハイブリダイズ可能であり、
該指示書は、請求項1、2、17、18、19、20、21、および38のいずれかに記載の方法を使用して、該プライマーを使用してRNAを増幅するための指示書である、
キット。 - 第二プライマーをさらに含む、請求項83に記載のキット。
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