JP3183058B2 - 射出成形金型 - Google Patents

射出成形金型

Info

Publication number
JP3183058B2
JP3183058B2 JP20582794A JP20582794A JP3183058B2 JP 3183058 B2 JP3183058 B2 JP 3183058B2 JP 20582794 A JP20582794 A JP 20582794A JP 20582794 A JP20582794 A JP 20582794A JP 3183058 B2 JP3183058 B2 JP 3183058B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gate
mold
pin
gate cut
shutter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20582794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0866942A (ja
Inventor
国雄 山本
良浩 清野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP20582794A priority Critical patent/JP3183058B2/ja
Publication of JPH0866942A publication Critical patent/JPH0866942A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3183058B2 publication Critical patent/JP3183058B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フロッピーディス
ク、光磁気ディスク等の磁気ディスクのシャッタを樹脂
で成形するために用いられる射出成形金型に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に磁気ディスクのディスケットは、
図5に示すように、記憶用ディスク体1を収納する樹脂
製のハーフ2と、これらハーフ2の外周部に摺動可能に
取り付けられた断面コ字状のシャッタ3とから構成され
ている。そして、コンピュータ等に接続された磁気ディ
スクユニットから抜き出された非使用状態で、前記シャ
ッタ3によって各ハーフ2の磁気ヘッド導入口4を閉塞
し、記憶用ディスク体1を外部の塵埃等から保護するよ
うになっている。
【0003】従来、このような磁気ディスク5において
は、シャッタ3としてはステンレス製のものが一般的で
あったが、シャッタ3開閉時の摺動動作に伴って、シャ
ッタ3がそのエッジによって各ハーフ2を削り、削りか
すが磁気ディスク体1に付着してしまう等の不都合が発
生した。このため、近年では、樹脂製のシャッタ3が製
造され、上記不都合のない磁気ディスク5を安価に提供
できるようになってきている。
【0004】ところで、このような樹脂製のシャッタ3
は、その肉厚が0.3mm〜0.4mmと非常に薄いも
のであり、大きな射出圧力と型締力とを必要とし、しか
も、外観上、ゲート位置の制限およびゲート形状を小さ
くせざるを得ないという問題点がある。かかる問題点を
有効に解決するため、例えば、特開平2−229019
号に示される射出成形金型が提案されている。
【0005】この射出成形金型は、シャッタを構成する
底板の表面を形成する金型にバルブゲートを設けたもの
であり、ゲート跡を矢印状に形成することによって、ゲ
ート形状を比較的大きく確保し、しかも、ゲート跡を平
坦な矢印形状としてデザイン性を向上しているという利
点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た射出成形金型においても、ゲート跡が外観上明らかな
形で形成されることに変りはなく、このようなゲート跡
の形成自体が望まれない場合がある。かかる不都合を回
避するためには、例えば、実開平1−156019号に
示される構造の射出成形金型を採用することが考えられ
る。
【0007】この射出成形金型は、シャッタのキャビテ
ィを形成する固定型板および可動型板を有し、可動型板
をシャッタの側板の外方に配される一対のスライドコア
と側板の内側に配されるコア部とから構成するととも
に、キャビティの底板部分の両側端部に連通するランナ
ーを設け、キャビティとランナーとの間を分断するゲー
ト切断機構を設けた構造のものである。ゲート切断機構
は、コア部内部を貫通してその先端をキャビティとラン
ナーとの間に配するゲートカットピンと、固定型板側
に、ゲートカットピンに対向配置される受けピンと、ゲ
ートカットピンを駆動する上下部駆動板とから構成され
ている。
【0008】したがって、ゲート跡は、薄肉の底板部分
の両側端部に形成されるため、外観上目につきにくく、
しかも、ゲート切断機構の作動によってゲートを切断す
るので、一連の成形時間にロスを生じることがなく効率
よく連続成形することができるというメリットがある。
【0009】しかしながら、上述のようにゲートカット
ピンを可動型板側に設ける構成の射出成形金型である
と、側板の側方に配される金型が、シャッタのアンダー
カット部から型を外すためにスライドコア構造となって
いるので、ゲートカットピンを配置する十分なスペース
が確保できない不都合がある。しかも、シャッタの側板
の間に配されていて、唯一ゲートカットピンを配置可能
なコア部は、その厚さ寸法がきわめて薄く形成されてい
る。このため、ゲートカットピンの断面形状を極めて小
さく形成しなければならず、ゲートカットピンの強度を
確保することができないという難点があった。また、金
型構造も複雑になってしまうという欠点があった。
【0010】この観点から見れば、ゲートカットピン
は、固定側金型に配置されることが望ましい。しかし、
固定側金型は、樹脂流路であるスプルー等を有している
ために、高温状態となっている。このため、その内部に
貫通状態に配置されるゲートカットピンに熱変形が生
じ、その先端を一定位置に精度よく配置しておくことが
困難になるという不都合が考えられる。
【0011】そして、ゲートカットピンの熱膨張が設計
値よりも大きく発生して、ゲートカットピンの作動時
に、その先端が可動側金型に接触する場合には、その先
端部が欠損してしまうという不都合が考えられる。その
反面、ゲートカットピンの熱膨張が設計値よりも小さい
場合には、ゲートカットピンの作動によってもゲート深
さを十分に小さくすることができず、ゲートを確実に切
断することが困難になるという問題点が考えられる。
【0012】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、製品であるシャッタにおけるゲート跡の
形成を防止し、製品取り出し時にゲートを確実に切断す
る射出成形金型を簡易に構成し、しかも、ゲートカット
ピンの健全性を耐久的に維持することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、対向する一対の側板とこれら側板を断面
コ字状に連結する底板とからなる磁気ディスクのシャッ
タを一体成形するための射出成形金型であって、相互に
組み合わせられることにより、前記シャッタのキャビテ
ィと、該キャビティの前記底板の端部に対応する位置に
ゲートを介して連通するランナーとを形成する固定側金
型および可動側金型を具備し、前記固定側金型に、該固
定側金型を厚さ方向に貫通して前記ゲートに先端を配さ
れるゲートカットピンを、可動側金型に向けて変位させ
てゲート深さを縮小させるゲートカット機構が設けられ
おり、かつ、前記可動側金型に、キャビティ内に成形
されたシャッタを突き出す第1の突き出しピンと、ラン
ナーを突き出す第2の突き出しピンとが設けられ、これ
ら突き出しピンのうち、第1の突き出しピンの変位後に
第2の突き出しピンを遅れて変位させる2段突き出し機
構が設けられているいる射出成形金型を提案している。
【0014】
【0015】また、本発明は、対向する一対の側板とこ
れら側板を断面コ字状に連結する底板とからなる磁気デ
ィスクのシャッタを一体成形するための射出成形金型で
あって、相互に組み合わせられることにより、前記シャ
ッタのキャビティと、該キャビティの前記底板の端部に
対応する位置にゲートを介して連通するランナーとを形
成する固定側金型および可動側金型を具備し、前記固定
側金型に、該固定側金型を厚さ方向に貫通して前記ゲー
トに先端を配されるゲートカットピンを、可動側金型に
向けて変位させてゲート深さを縮小させるゲートカット
機構が設けられており、かつ、前記ゲートカットピンの
先端近傍に、該先端がゲートを遮断する前に、固定側金
型または移動側金型に当接して、ゲートカットピンのそ
れ以上の変位を禁止するストッパ手段が設けられている
射出成形金型を提案している。
【0016】
【作用】本発明に係る射出成形金型によれば、固定側金
型と可動側金型とを相互に組み合わせることによって形
成されるキャビティ内に、同様に形成されるランナーを
通して溶融樹脂を流入させることにより、対向する一対
の側板とこれらの側板を断面コ字状に連結する底板とか
らなるシャッタが一体的に成形される。この場合に、ラ
ンナーは、キャビティの底板の端部に対応する位置にゲ
ートを介してキャビティに連通するように設けられてい
るので、製品としてのシャッタの表面にゲート跡が形成
されることを回避することが可能となる。
【0017】そして、キャビティ内に充填された樹脂を
保圧すると同時に、ゲートカット機構を作動させてゲー
ト深さを縮小させる方向にゲートカットピンを変位させ
ることにより、ゲートが切断されることになる。ゲート
カットピンは、固定側金型を貫通するように設けられて
いるので、その設置スペースを十分に確保し得て、十分
な強度を有するように構成されることになる。
【0018】またシャッタおよびランナーを金型から
突き出す突き出しピンをそれぞれ設け、シャッタを突き
出した後にランナーを突き出す2段突き出し機構を設け
たことにより、ゲートカットピンにより縮小させられる
ゲート深さを比較的大きな値としても、ゲートを確実に
切断することが可能となる。その結果、熱変形によって
変位するゲートカットピンの先端位置を精密に位置設定
することが不要となり、調整作業に要する作業工数を大
幅に削減することができるとともに、ゲートカットピン
先端が金型に衝突することによって生ずる欠損等を確実
に防止することが可能となる。
【0019】また、ゲートカットピンの先端近傍に、そ
の先端がゲートを遮断する前に、固定側金型または移動
側金型に当接して、ゲートカットピンのそれ以上の変位
を禁止するストッパ手段を設けたことにより、ゲートカ
ットピン先端の衝突を確実に防止し得て、ゲートカット
ピンの刃こぼれ等の不都合が回避されることになる。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る射出成形金型の一実施例
について図1から図4を参照して説明する。本実施例に
係る射出成形金型10は、図1に示すように、相互に組
み合わせられてキャビティ11とランナー12とを形成
する固定側金型13および可動側金型14と、可動側金
型14内に設けられる2段突き出し機構15と、固定側
金型13内に設けられるゲートカット機構16とを具備
している。
【0021】前記可動側金型14は、図3に示すよう
に、板状に形成されるコア部17と、該コア部17の左
右に微小間隙を空けて配され、かつ、左右方向に分割可
能に配される一対のスライドコア18a・18bとから
構成されている。また、前記固定側金型13は、前記可
動側金型14の上方に配される型板19と、該型板19
の上方に配される受け板20・21と、該受け板20・
21の上方に配されるマニホールド22とから構成され
ている。
【0022】前記キャビティ11は、対向する一対の側
板3aと、これら側板3aを断面コ字状となるように連
結する底板3bとからなるシャッタ3を構成するよう
に、固定側金型13と可動側金型14とを組み合わせて
形成されるようになっている。前記側板3aを形成する
キャビティ11は、前記コア部17とスライドコア18
a・18bとによって形成されるようになっている。ま
た、前記底板3bを形成するキャビティ11は、前記可
動側金型14のコア部17と前記固定側金型13の型板
19との間に形成されるようになっている。
【0023】前記ランナー12は、前記底板3bの両端
部に対応するキャビティ11に連通状態に形成されてい
る。これらのランナー12には、例えば、スピアシステ
ムのようなゲートシステム23が連通状態に設けられて
おり、図示しない樹脂流路を通して供給される溶融状態
の樹脂をランナー12内に供給、停止することができる
ようになっている。
【0024】前記2段突き出し機構15は、図4に示す
ように、前記可動側金型14のコア部17内に上下方向
に貫通状態に配されていて、可動側金型14の移動に伴
ってキャビティ11内に先端を突出させる第1の突き出
しピン24と、ランナー12内に先端を突出させられる
第2の突き出しピン25と、これらの突き出しピン24
・25を駆動するエジェクタプレート26とから構成さ
れている。エジェクタプレート26は、各突き出しピン
24・25に対して1枚ずつ設けられており、各突き出
しピン24・25に固定された固定カラー27を係合さ
せることにより、第1の突き出しピン24を突き出した
後に、タイミングをずらして第2の突き出しピン25を
突き出すようになっている。
【0025】前記ゲートカット機構16は、図1に示す
ように、固定側金型13を上下方向に貫通状態に配され
るゲートカットピン28と、該ゲートカットピン28を
ゲートカット作動板29を介して作動させるシリンダ装
置30とから構成されている。前記ゲートカットピン2
8は、その上端をゲートカット作動板29に固定され、
下端を前記キャビティ11とランナー12との間に形成
されるゲート31の上部に配置されている。
【0026】このゲートカットピン28は、マニホール
ド22および受け板20・21を貫通する基幹部分28
aが比較的大径に形成されているとともに、型板19を
貫通する先端部分28bが、前記基幹部分28aよりも
小さい断面形状に形成されている。これにより、基幹部
分28aと先端部分28bとの境界位置に形成される肩
部28cと型板19の上面とによって、ストッパ手段3
2が構成されている。基幹部分28aの先端部は、受け
板21に設けられたガイドブッシュ33に嵌合状態に配
置されており、これによってゲートカットピン28が上
下方向に直線移動自在に支持されている。
【0027】また、前記ゲートカットピン28の先端部
分28bは、図2に示すように、その長手方向の途中位
置からさらに細い柱状に形成されているとともに、前記
ランナー12の上面の一部を形成する先端面がゲート3
1に向かう傾斜面28dを有している。また、該傾斜面
28dの先端に配されるゲートカットピン28の最先端
部には、微小幅の平面部28eが形成され、刃こぼれ等
の生じないように配慮されている。したがって、ゲート
31は、該平面部28eと前記可動側金型14のコア部
17とによって構成されるようになっている。
【0028】前記ゲートカット作動板29は、マニホー
ルド22よりもさらに上方に配置され、摺動スリーブ3
4によって上下方向に移動可能に支持されている。そし
て、このゲートカット作動板29には、前記キャビティ
11の両端部に形成されるゲート31を切断するための
ゲートカットピン28の上端が固定状態に保持されてい
る。
【0029】このゲートカット作動板29には、前記シ
リンダ装置30のピストン30aが取付ブッシュ30b
を介してボルト30cによって固定されている。このシ
リンダ装置30は、前記ゲートカット作動板29の上方
に固接される固定取付板35に形成されるシリンダ30
dと、該シリンダ30dを気密状態に閉塞しかつ上下方
向に移動可能に配されるピストン30aとからなる。そ
して、図示しない流体供給部から加圧空気等の作動流体
がシリンダ30d内に供給されると、ピストン30aが
下方に突出させられて、ゲートカット作動板29を下降
させるようになっている。
【0030】射出成形時には、前記ゲート31のゲート
深さは、例えば、0.5mmに設定されている。また、
このとき、ストッパ手段32を構成している基幹部分2
8aの肩部28cと型板19の上面との間隙寸法は、例
えば、通常の動作温度において、0.48mmとなるよ
うに形成されている。これにより、ゲートカット機構1
6が作動させられて、ゲートカットピン28が下降させ
られると、ゲート深さは、0.02mmとなるように設
定されている。
【0031】一方、前記シリンダ装置30のピストン3
0aと、前記取付ブッシュ30bとの間には、未作動状
態で、約1.00mmの間隙が形成されている。また、
固定取付板35には、ストッパブッシュ36が固定され
ており、該ストッパブッシュ36と前記ゲートカット作
動板29との間隙寸法は、0.49mmに設定されてい
る。
【0032】このように構成された射出成形金型10に
よってシャッタ3を成形する場合について、以下に説明
する。まず、固定側金型13と可動側金型14とが型締
めされることによって、両金型13・14の間にシャッ
タ3を成形するためのキャビティ11が形成される。こ
のとき、ゲートカット作動板29は可動範囲の上端に配
されており、ゲートカットピン28とコア部17との間
に形成されるゲート31のゲート深さは0.50mmと
なっている。
【0033】この状態で、ゲートシステム23を作動さ
せ、ランナー12を介してゲート31から溶融した樹脂
を注入し、キャビティ11内に樹脂を充填させることに
より、シャッタ3が成形される。そして、キャビティ1
1内の樹脂に保持圧力が作用されて保圧が行われると同
時に、ゲートカット機構16が作動させられる。
【0034】この場合に、シリンダ30d内に作動流体
が供給されることにより、ピストン30aが鉛直下方に
押下され、該ピストン30aに固定されている取付ブッ
シュ30bも同時に下降させられる。そして、取付ブッ
シュ30bとゲートカット作動板29との間隙が潰れる
と、ピストン30aの動作に伴ってゲートカット作動板
29およびこれに固定されているゲートカットピン28
が樹脂に作用している保持圧力に抗して下降させられ
る。
【0035】ここで、本実施例におけるゲートカットピ
ン28は、ランナー12に面している先端面の面積が十
分に小さく形成されているので、樹脂に印加される保持
圧力による押し戻し力を抑制することができる。しか
も、先端面にゲート31に向かう傾斜面28dが形成さ
れているので、保持圧力を分散させかつ樹脂のスムーズ
な流動を確保することができる。したがって、ゲートカ
ットピン28を下降させるためにシリンダ装置20によ
って発生させる押圧力が小さくて済み、ゲートカット作
動板29の変形やゲートカットピン28の不十分な下降
によるゲート31の切断不良を生ずることが防止される
ことになる。
【0036】これにより、ゲートカットピン28の先端
面とコア部17との間に形成されているゲート31のゲ
ート深さが縮小される。このとき、ゲートカットピン2
8と型板19との間には、ストッパ手段32が形成され
ているので、ゲートカットピン28が0.48mm下降
させられた時点でストッパ手段32が作動させられて、
ゲートカットピン28のそれ以上の下降が抑止されるこ
とになる。これにより、ゲート深さは0.02mmに設
定され、ゲートカットピン28の先端面がコア部17の
上面に衝突することが回避されることになる。
【0037】ここで、固定側金型13の温度上昇によっ
てゲートカットピン28が設定値以上に膨張した場合を
想定してみる。本実施例では、ゲートカットピン28の
基幹部分28aが先端部分28bに比較して十分に長く
形成されている。すなわち、ストッパ手段32が先端部
分28b近傍に配置されているので、先端部分28bの
熱膨張を小さく抑えることができる。
【0038】その結果、熱膨張のほとんどは基幹部分2
8aに生ずることになり、ストッパ手段32の作動寸法
が0.48mmよりも小さくなる。したがって、ゲート
深さが0.02mmよりも小さくなることが回避され、
ゲートカットピン28の破損が防止されることになる。
【0039】また、上記とは逆に、ゲートカットピン2
8が設定値よりも膨張しなかった場合を想定してみる
と、上記ストッパ手段32の作動寸法が0.48mmよ
りも大きくなる。この場合には、ストッパ手段32が作
動する前に、ゲートカット作動板29がストッパブッシ
ュ36に当接して係止され、ゲートカットピン28のそ
れ以上の下降が回避される。したがって、上記と同様に
して、ゲートカットピン28がコア部17に衝突するこ
とが防止され健全な状態に保持されることになる。
【0040】この後に、キャビティ11およびランナー
12に充填された樹脂が固化すると、固定側金型13に
対して可動側金型14が下降させられて型開きが実施さ
れる。可動側金型14は、コア部17に対してスライド
コア18a・18bが左右に開きながら下降させられる
ことにより、シャッタ3のアンダーカットからスライド
コア18a・18bが外されることになる。そして、可
動側金型13が所定量下降させられると、2段突き出し
機構15が作動させられる。
【0041】2段突き出し機構15においては、エジェ
クタプレート26が上昇させられることによって、第1
の突き出しピン24が製品としてのシャッタ3を突き出
すようにコア部17の上面から突出させられる。次い
で、エジェクタプレート26が第2の突き出しピン25
に固定されている固定カラー27に当接すると、第2の
突き出しピン25が上昇させられてランナー12を上方
に突き出すことになる。
【0042】したがって、製品としてのシャッタ3とゲ
ート31を介して接続していたランナー12とが2段突
き出し機構15の作動によってタイミングをずらして突
き出されることになるので、ゲートカット機構16の作
動によってゲート深さを縮小されたゲート31にせん断
力が作用し、ゲート31は容易に切断されることにな
る。
【0043】このように、本実施例に係る射出成形金型
10によれば、シャッタ3の底板3bの両端部にゲート
31を設けたので、製品としてのシャッタ3に形成され
るゲート跡を外観上目立たないように成形することがで
きる。また、ゲートカット機構16によってゲート31
を切断するので、一連の成形時間を短縮して多数のシャ
ッタ3を効率よく製造することができる。
【0044】また、ゲートカットピン28を固定側金型
13内を貫通するように設けたので、十分な設置スペー
スを確保して、基幹部分28aが十分に大きな断面形状
となるように形成することができる。これにより、ゲー
トカットピン28の十分な強度が確保されるとともに、
スライドコア18a・18bを有する可動側金型14に
ゲートカットピン28を設けないので、金型構造を簡易
なものとすることができる。
【0045】さらに、ゲートカットピン28は、樹脂を
溶融状態を保持するために加熱される固定側金型13内
に配されるために熱変形を伴うことになるが、該ゲート
カットピン28の下降を係止するストッパ手段32が先
端面近傍に配されているので、先端面がコア部17に衝
突することを確実に回避することができる。したがっ
て、ゲートカットピン28を長期に亙って健全な状態に
保持することができ、ゲートカットピン28の交換等の
保守作業を減少させることができる。
【0046】また、ゲートカットピン28の先端面は、
十分に小さい面積でランナー12に露出するように形成
されているので、樹脂に印加される保持圧力が、ゲート
カットピン28の作動の障害とならないように、その値
を十分に小さく抑制することができる。しかも、先端面
にゲート31に向かう傾斜面28dが形成されているの
で、樹脂をゲート31に向けてスムーズに流動させるこ
とができる。
【0047】さらに、製品としてのシャッタ3とランナ
ー12とをタイミングをずらして突き出す2段突き出し
機構15が設けられているので、ゲートカットピン28
によってゲート深さが十分に縮小されない場合であって
も、ゲート31にせん断力を作用させることによって、
確実にゲート31を切断することができる。したがっ
て、ゲートカット機構16によって縮小されるゲート深
さが、設計値に対して多少大きくなることも許容され、
調整作業が容易になるとともに、ゲートカットピン28
の先端面がコア部17に衝突して破損することをさらに
確実に防止することができる。
【0048】なお、本実施例において数値を挙げて説明
した各部の間隙寸法等は、これに限定されるものではな
く、設計条件によって任意に選定することができるもの
である。また、ゲートカットピン28の先端面とコア部
17との衝突を防止するストッパ手段32として、ゲー
トカットピン28に肩部28cを設け、この肩部28c
を型板19の上面に当接させる構成を採用したが、これ
に代えて、ゲートカットピン28の先端面よりも可動側
金型14側に配置される当接面をゲートカットピン28
に一体的に設け、この当接面を可動側金型14に当接さ
せることとしてもよい。これにより、コア部17と先端
面との間のゲート深さをより確実に保持することができ
る。
【0049】さらに、ゲートカットピン28の先端に設
けた傾斜面28dの傾斜角度は、ゲートカットピン28
の軸線に対して30゜程度とすることが望ましいが、そ
の他の任意の角度に設定することとしてよい。また、傾
斜面28dを設けることなくランド長さを長く形成する
こととしてもよい。この場合、ゲート深さを十分に小さ
く抑えることによりゲート31の切断容易性を高める必
要がある。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る射出
成形金型は、相互に組み合わせられることにより、シャ
ッタのキャビティと、その底板の端部に対応する位置に
ゲートを介して連通するランナーとを形成する固定側金
型および可動側金型を具備し、固定側金型に、厚さ方向
に貫通してゲートに先端を配されるゲートカットピンを
可動側金型に向けて変位させてゲート深さを縮小させる
ゲートカット機構を設けたので、製品としてのシャッタ
の外観上目立たない位置にゲート跡を形成することによ
り、製品価値を向上することができる。
【0051】また、ゲートカット機構によって射出成形
金型内においてゲートを切断するので、ゲートを切断す
るような後工程が不要となり、成形時間を短縮して連続
成形を効率よく実施することができる。さらに、ゲート
カットピンを固定側金型に設けることにより、設置スペ
ースを十分に確保することとし、強度の高いゲートカッ
トピンを採用し得て、金型の耐久性を向上するととも
に、ゲートカットピンの破損を防止して保守作業に要す
る工数を削減することができる。
【0052】また可動側金型に、キャビティ内に成形
されたシャッタを突き出す第1の突き出しピンと、ラン
ナーを突き出す第2の突き出しピンとを設け、これら突
き出しピンに、第1の突き出しピンの変位後に第2の突
き出しピンを遅れて変位させる2段突き出し機構を設け
ることとしたので、シャッタおよびランナーを突き出す
タイミングをずらしてゲートにせん断力を作用させるこ
とにより、ゲートをより確実に切断することができると
いう効果を奏する。
【0053】したがって、ゲートカットピンによって縮
小されるゲート深さを大きく許容してもゲートを切断す
ることができるので、ゲートカットピンの先端が熱変形
等によって可動側金型に接触しないように十分に大きな
ゲート深さを設定することができる。その結果、ゲート
カットピンの破損を確実に防止することができる。
【0054】また、ゲートカットピンの先端近傍に、先
端がゲートを遮断する前に、固定側金型または移動側金
型に当接して、ゲートカットピンのそれ以上の変位を禁
止するストッパ手段を設けることとしたのでゲート深
さを所望の値に設定し、しかも、ゲートカットピンの可
動側金型との衝突を確実に回避することができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形金型の一実施例を示す縦
断面図である。
【図2】図1の射出成形金型におけるゲートカットピン
の先端部分を示す拡大図である。
【図3】図1の射出成形金型における可動側金型構造の
一例を説明するための縦断面図である。
【図4】図1の射出成形金型における2段突き出し機構
の一例を説明するための縦断面図である。
【図5】磁気ディスクの一例を示す平面図である。
【符号の説明】
3 シャッタ 3a 側板 3b 底板 5 磁気ディスク 10 射出成形金型 11 キャビティ 12 ランナー 13 固定側金型 14 可動側金型 15 2段突き出し機構 16 ゲートカット機構 24・25 突き出しピン 28 ゲートカットピン 31 ゲート 32 ストッパ手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 23/033 602 G11B 23/033 602F B29L 17:00 31:34 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/26 - 45/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の側板とこれら側板を断面
    コ字状に連結する底板とからなる磁気ディスクのシャッ
    タを一体成形するための射出成形金型であって、 相互に組み合わせられることにより、前記シャッタのキ
    ャビティと、該キャビティの前記底板の端部に対応する
    位置にゲートを介して連通するランナーとを形成する固
    定側金型および可動側金型を具備し、 前記固定側金型に、該固定側金型を厚さ方向に貫通して
    前記ゲートに先端を配されるゲートカットピンを可動側
    金型に向けて変位させてゲート深さを縮小させるゲート
    カット機構が設けられており、 かつ、前記可動側金型に、キャビティ内に成形されたシ
    ャッタを突き出す第1の突き出しピンと、ランナーを突
    き出す第2の突き出しピンとが設けられ、 これら突き出しピンのうち、第1の突き出しピンの変位
    後に第2の突き出しピンを遅れて変位させる2段突き出
    し機構が設けられていることを特徴とする射出成形金
    型。
  2. 【請求項2】 対向する一対の側板とこれら側板を断面
    コ字状に連結する底板とからなる磁気ディスクのシャッ
    タを一体成形するための射出成形金型であって、 相互に組み合わせられることにより、前記シャッタのキ
    ャビティと、該キャビティの前記底板の端部に対応する
    位置にゲートを介して連通するランナーとを形成する固
    定側金型および可動側金型を具備し、 前記固定側金型に、該固定側金型を厚さ方向に貫通して
    前記ゲートに先端を配されるゲートカットピンを可動側
    金型に向けて変位させてゲート深さを縮小させるゲート
    カット機構が設けられており、 かつ、前記ゲートカットピンの先端近傍に、該先端がゲ
    ートを遮断する前に、固定側金型または移動側金型に当
    接して、ゲートカットピンのそれ以上の変位を禁止する
    ストッパ手段が設けられていることを特徴とする射出成
    形金型。
JP20582794A 1994-08-30 1994-08-30 射出成形金型 Expired - Fee Related JP3183058B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20582794A JP3183058B2 (ja) 1994-08-30 1994-08-30 射出成形金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20582794A JP3183058B2 (ja) 1994-08-30 1994-08-30 射出成形金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0866942A JPH0866942A (ja) 1996-03-12
JP3183058B2 true JP3183058B2 (ja) 2001-07-03

Family

ID=16513372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20582794A Expired - Fee Related JP3183058B2 (ja) 1994-08-30 1994-08-30 射出成形金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3183058B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4961437B2 (ja) * 2008-10-13 2012-06-27 株式会社富士精工 射出成形方法
CN101983859B (zh) * 2010-10-19 2013-06-19 昆山乙盛机械工业有限公司 机械式模内切模具
CN116373220B (zh) * 2023-02-27 2024-03-12 丰武光电(苏州)有限公司 键帽成型模具

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0866942A (ja) 1996-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070031533A1 (en) Injection molding method and injection mold
US20100047500A1 (en) Injection molding process, resin molded product and mold
KR102281139B1 (ko) 사이드 게이트 자동절단장치를 구비한 사출금형
JP3183058B2 (ja) 射出成形金型
JP3534714B2 (ja) 合成樹脂製品の射出圧縮成形金型並びに射出圧縮成形方法
CN116160630A (zh) 一种座椅背板前模抽芯防退机构及注塑模具
CN214562672U (zh) 一种模内浇口切断机构及注塑模具
JP3035655B2 (ja) 金型装置におけるゲート切断方法
JP3653508B2 (ja) 射出成形用金型
JP3005211B1 (ja) 射出成形金型
JPH06106584A (ja) 射出成形用金型装置
JP2966707B2 (ja) 射出成形方法及び射出成形金型の構造
KR100225402B1 (ko) 게이트차단핀을 갖는 사출 성형 금형 및 게이트차단핀의 구동 장치
JPH06270211A (ja) 樹脂成形におけるゲートカット方法および成形用金型
CN220973166U (zh) 一种可模内自动切料头的模具
JPH07241854A (ja) ガスベント付き金型装置
JP2003071886A (ja) 射出成形用金型
JP2675393B2 (ja) 厚肉成形品の成形方法および成形用金型
JPH0514824Y2 (ja)
JP3701229B2 (ja) 射出成形装置
JPH06155527A (ja) 成形用金型
JP2003112339A (ja) 射出成形用金型
JP2692348B2 (ja) 射出成形金型
KR101464548B1 (ko) 게이트 자동절단 사출금형
JP3001350U (ja) ゲートカット機構付金型

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010327

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees