JP3182833B2 - 薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタおよびその製造方法

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JP3182833B2 JP02445192A JP2445192A JP3182833B2 JP 3182833 B2 JP3182833 B2 JP 3182833B2 JP 02445192 A JP02445192 A JP 02445192A JP 2445192 A JP2445192 A JP 2445192A JP 3182833 B2 JP3182833 B2 JP 3182833B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコン領域に活性層を設けた薄
膜トランジスタは、3次元集積回路を構成するうえで重
要な技術となっている。特にSRAMでは、完全CMO
S化するうえで高抵抗部を薄膜トランジスタで形成する
ことにより、メモリセルの縮小化を図ることが可能にな
る。
【0003】上記SRAMの構造を図8の概略構成断面
図により説明する。図に示すように、半導体基板71の
上層には、素子分離領域72が形成されている。この素
子分離領域72に分離された半導体基板71の一部分に
は、SRAMのドライバトランジスタ73が形成されて
いる。上記ドライバトランジスタ73を覆う状態に第1
の絶縁膜74が形成されている。また上記ドライバトラ
ンジスタ73のソース・ドレイン領域75上における上
記第1の絶縁膜74にはコンタクトホール76が設けら
れている。
【0004】さらに上記第1の絶縁膜74上には、上記
コンタクトホール76を介して上記ソース・ドレイン領
域75に接続する多結晶シリコン領域77が形成されて
いる。上記多結晶シリコン領域77には、薄膜トランジ
スタ78が形成されている。すなわち、多結晶シリコン
領域77に薄膜トランジスタ78の活性層79が形成さ
れ、この活性層79の両側の当該多結晶シリコン領域7
7に、薄膜トランジスタ78のソース・ドレイン領域8
0,81が形成されている。さらに薄膜トランジスタ7
8を覆う状態に第2の絶縁膜(層間絶縁膜)82が形成
されている。また上記ソース・ドレイン領域81上の第
2の絶縁膜82には、コンタクトホール83が設けられ
ている。このコンタクトホール83を介して、上記ソー
ス・ドレイン領域81に接続する1層目の配線84が上
記第2の絶縁膜82上に形成されている。上記の如くし
てSRAM70が構成される。
【0005】上記構成のSRAM70の製造方法を図9
と図10とにより簡単に説明する。図9の(1)に示す
ように、例えばLOCOS酸化法によって、半導体基板
(例えば単結晶シリコン基板)71の上層に、素子分離
領域72を形成する。次いで熱酸化法によって酸化シリ
コン膜(85)を形成した後、化学的気相成長法によっ
て多結晶シリコン膜(86)を成膜する。続いてホトリ
ソグラフィーとエッチングとによって、上記多結晶シリ
コン膜(86)でドライバトランジスタのゲート87を
形成する。さらに、上記酸化シリコン膜(85)でドラ
イバトランジスタのゲート絶縁膜88を形成する。次い
でイオン注入法によって、上記ゲート87の両側の上記
半導体基板71の上層に、低濃度拡散層89,90を形
成する。
【0006】その後図9の(2)に示す如く、化学的気
相成長法によって酸化シリコン膜(図示せず)を形成し
た後、この酸化シリコン膜をエッチバックして、ゲート
87の側壁に酸化シリコン膜のゲートサイドウォール絶
縁膜91を形成する。次いで、ゲートサイドウォール絶
縁膜91とゲート87とをイオン注入マスクにして、上
記低濃度拡散層89,90よりも深い状態に高濃度拡散
層92,93を形成する。このようにして上記低濃度拡
散層89と高濃度拡散層92とによって、ドライバトラ
ンジスタのソース・ドレイン領域94が形成される。ま
た低濃度拡散層90と高濃度拡散層93とによって、ソ
ース・ドレイン領域75が形成される。上記の如くし
て、ドライバトランジスタ73が形成される。
【0007】続いて図9の(3)に示すように、化学的
気相成長法によって、上記ドライバトランジスタ73を
覆う状態に、酸化シリコン膜よりなる第1の絶縁膜74
を形成する。その後ホトリソグラフィーとエッチングと
によって、上記ソース・ドレイン領域75上の第1に絶
縁膜74にコンタクトホール76を形成する。さらに化
学的気相成長法によって、上記コンタクトホール76の
内部と上記第1の絶縁膜74との上面とに多結晶シリコ
ン膜(95)を成膜した後、ホトリソグラフィーとエッ
チングとによって、当該多結晶シリコン膜(95)で多
結晶シリコン領域77を形成する。
【0008】次いで図10の(4)に示す如く、化学的
気相成長法によって、上記多結晶シリコン領域77の上
面に酸化シリコン膜(96)と多結晶シリコン膜(9
7)とを成膜する。その後ホトリソグラフィーとエッチ
ングとによって、多結晶シリコン膜(97)で薄膜トラ
ンジスタのゲート98を形成するとともに酸化シリコン
膜(96)で薄膜トランジスタのゲート絶縁膜99を形
成する。
【0009】次いで図10の(5)に示すように、上記
ゲート98と第1の絶縁膜74とをイオン注入マスクに
して、ゲート98の両側の多結晶シリコン領域77にソ
ース・ドレイン領域80,81を形成する。このように
して、薄膜トランジスタ78が形成される。その後、化
学的気相成長法によって、上記薄膜トランジスタ78を
覆う状態に、酸化シリコン膜よりなる第2の絶縁膜(層
間絶縁膜)82を形成する。続いてホトリソグラフィー
とエッチングとによって、上記ソース・ドレイン領域8
1に通じるコンタクトホール83を形成する。
【0010】続いて図10の(6)に示す如く、スパッ
タ法によって配線層(100)を形成した後、ホトリソ
グラフィーとエッチングとによって、上記配線層(10
0)で1層目の配線84を形成する。上記配線層(10
0)は、例えば窒化酸化チタン膜とチタン膜と1%のシ
リコンを含むアルミニウム膜とよりなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記説
明した薄膜トランジスタの活性層を形成する多結晶シリ
コン領域には、粒界または結晶内にシリコンのダンブリ
ングボンドが多数存在する。このため、キャリア移動度
が非常に低下するので、薄膜トランジスタの電気的特性
は低い。
【0012】そこで、キャリア移動度を高める方法とし
て、多結晶シリコン領域中に水素を導入することによっ
て、多結晶シリコン中の結晶粒界を1価の水素で埋め込
む水素化処理が行われている。通常の水素化処理は、プ
ラズマ窒化シリコン膜をパッシベーションとして用い、
熱処理によって、プラズマ窒化シリコン膜中の水素を層
間絶縁膜を通して、多結晶シリコン領域の活性層に拡散
させる方法が行われている。その他の方法としては、実
験的に試みられている方法として、水素プラズマを励起
させて活性層を水素化する方法もある。また水素をイオ
ン注入する方法もある。
【0013】しかし、上記プラズマ窒化シリコン膜より
水素を拡散して活性層を水素化する方法では、プラズマ
窒化シリコン膜の内部ストレスが大きく、しかも拡散時
の熱処理によってストレスが大きく変化する。このた
め、パッシベーションとして用いたプラズマ窒化シリコ
ン膜のストレス(およそ116GPa)が多結晶シリコ
ン領域のシリコン結晶に加わるので、シリコン結晶に結
晶欠陥が生じる。この結果、活性層の水素化処理を行っ
ても、活性層中に生じた結晶欠陥によって、薄膜トラン
ジスタの性能が大きく低下する。
【0014】本発明は、電気的特性として、特にキャリ
ア移動度特性に優れた薄膜トランジスタおよびその製造
方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされた薄膜トランジスタおよびその製造
方法である。第1の薄膜トランジスタは、基板上に多結
晶シリコン領域を形成し、この多結晶シリコン領域に活
性層を設けるとともに活性層の両側にソース・ドレイン
領域を設け、活性層上にゲート絶縁膜を介してゲートを
設けたもので、活性層を水素化処理してなる薄膜トラン
ジスタであって、ゲートの側壁にプラズマ窒化シリコン
膜よりなるサイドウォール絶縁膜を形成したものであ
る。 第2の薄膜トランジスタは、基板上に多結晶シリコ
ン領域を形成し、この多結晶シリコン領域に活性層を設
けるとともに活性層の両側にソース・ドレイン領域を設
け、活性層上にゲート絶縁膜を介してゲートを設けたも
ので、活性層を水素化処理してなる薄膜トランジスタで
あって、ゲートの側壁にプラズマ窒化シリコン膜よりな
るサイドウォール絶縁膜を形成するとともに、当該薄膜
トランジスタのゲート絶縁膜をプラズマ窒化シリコン膜
ではない窒化シリコン膜で形成したものである。 第3の
薄膜トランジスタは、基板上に多結晶シリコン領域を形
成し、この多結晶シリコン領域に活性層を設けるととも
に活性層の両側にソース・ドレイン領域を設け、活性層
上にゲート絶縁膜を介してゲートを設けたもので、活性
層を水素化処理してなる薄膜トランジスタであって、ゲ
ートの側壁にサイドウォール絶縁膜を形成するととも
に、当該サイドウォール絶縁膜を、当該ゲートの側壁と
その近傍の多結晶シリコン領域上とに形成した酸化シリ
コン膜と、当該酸化シリコン膜表面に形成したプラズマ
窒化シリコン膜とで形成したものである。
【0016】薄膜トランジスタの製造方法、基板上に
多結晶シリコン領域を形成し、次いで薄膜トランジスタ
の多結晶シリコン領域上にゲート絶縁膜を介してゲート
を形成した後、前記多結晶シリコン領域に形成される活
性層を水素化処理する薄膜ト ランジスタの製造方法にお
いて、前記多結晶シリコン領域上にゲート絶縁膜を介し
てゲートを形成した後に、当該ゲートの側壁のみプラ
ズマ窒化シリコン膜を形成し、次いでこの窒化シリコン
膜中に含まれる水素を放出することよって、多結晶シリ
コン領域中に形成する活性層を水素化処理する。
【0017】
【作用】上記構造の薄膜トランジスタでは、薄膜トラン
ジスタのゲートの側壁に形成されるサイドウォール絶縁
膜の全てまたはその一部分をプラズマ窒化シリコン膜で
形成することにより、プラズマ窒化シリコン膜で発生し
たストレスが薄膜トランジスタにかかるのを軽減する。
このため、薄膜トランジスタの活性層には結晶欠陥が発
生しない。さらに第3の薄膜トランジスタでは、酸化シ
リコン膜上にプラズマ窒化シリコン膜を設けたので、酸
化シリコン膜がプラズマ窒化シリコン膜で発生するスト
レスを緩和する。また上記薄膜トランジスタの製造方法
では、多結晶シリコン領域上に薄膜トランジスタのゲー
ト絶縁膜を介してゲートを形成した後に、当該ゲートの
側壁のみにプラズマ窒化シリコン膜を形成したことによ
り、薄膜トランジスタの活性層となる多結晶シリコン領
域には、ほとんどプラズマ窒化シリコン膜より発生する
ストレスが加わらない。
【0018】
【実施例】本発明の第1の薄膜トランジスタに係わる
施例(第1の実施例)を図1に示す概略構成断面図によ
り説明する。図では、高抵抗部を薄膜トランジスタで形
成したSRAM10を示す。図に示す如く、基板(例え
ば半導体基板)11(以下半導体基板11と記す)の上
層には、素子分離領域12が形成されている。上記半導
体基板11は、例えば単結晶シリコン基板で形成されて
いる。この素子分離領域12に仕切られた半導体基板1
1には、SRAMのドライバトランジスタ21が形成さ
れている。上記ドライバトランジスタ21を覆う状態に
第1の絶縁膜13が成膜されている。また上記ドライバ
トランジスタ21のソース・ドレイン領域22上の上記
第1の絶縁膜13にはコンタクトホール14が設けられ
ている。
【0019】さらに上記第1の絶縁膜13上には、上記
コンタクトホール14を介して上記ソース・ドレイン領
域22に接続する多結晶シリコン領域41が形成されて
いる。上記多結晶シリコン領域41には、薄膜トランジ
スタ42が形成されている。すなわち、多結晶シリコン
領域41に薄膜トランジスタ42の活性層43が形成さ
れている。また活性層43の両側の当該多結晶シリコン
領域41には、薄膜トランジスタ42のソース・ドレイ
ン領域44,45が形成されている。さらに上記活性層
43上には、ゲート絶縁膜46を介して薄膜トランジス
タ42のゲート47が形成されている。このゲート絶縁
膜46は、例えば酸化シリコン膜よりなる。上記ゲート
47の両側壁には、サイドウォール絶縁膜48,49が
形成されている。各サイドウォール絶縁膜48,49
は、例えばプラズマ化学的気相成長法によって成膜され
たプラズマ窒化シリコン膜(P−SiN)よりなる。
【0020】さらにゲート47の上層と多結晶シリコン
領域41の上層とには、低抵抗層50,51,52が形
成されている。各低抵抗層50〜52は、例えばチタン
シリサイド(TiSi2 )よりなる。なお上記低抵抗層
50〜52は、必ずしも形成する必要はない。また、上
記活性層43には、上記プラズマ窒化シリコン膜中に含
まれる水素が拡散されていて、当該活性層43のキャリ
ア移動度を高めている。上記の如くして、薄膜トランジ
スタ42が構成されている。
【0021】さらに、上記薄膜トランジスタ42を覆う
状態に第2の絶縁膜(層間絶縁膜)15が形成されてい
る。上記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域45
上の第2の絶縁膜15には、コンタクトホール16が設
けられている。そしてコンタクトホール16を介して、
上記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域45上の
低抵抗層52に接続する1層目の配線17が形成されて
いる。この1層目の配線17は、例えばバリヤメタル層
18とシリコンを1%含んだアルミニウム層19とで形
成されている。
【0022】上記の如くに、サイドウォール絶縁膜4
8,49をプラズマ窒化シリコン膜で形成したことによ
り、ソース・ドレイン領域44,45が形成される多結
晶シリコン領域41にストレスをかけることなく、活性
層43が水素化処理される。
【0023】次に上記第1の実施例で説明したSRAM
10の製造方法を、図2〜図4の製造工程図(その1)
〜(その3)により説明する。図2の(1)に示す如
く、例えば通常のLOCOS酸化法によって、半導体基
板(例えば単結晶シリコン基板)11の上層に、素子分
離領域12を形成する。次いで通常の熱酸化法によっ
て、露出している半導体基板11の表層に酸化シリコン
膜23を、例えば16nmの厚さに形成する。このとき
の酸化条件としては、例えば温度雰囲気が850℃の過
酸化水素(H2 2 )雰囲気に放置する。
【0024】その後、例えば化学的気相成長法によっ
て、酸化シリコン膜23側の全面に多結晶シリコン膜2
4を、例えば200nmの厚さに成膜する。このときの
成膜条件としては。例えば反応ガスに、流量が500s
ccmのシラン(SiH4 )と流量が0.35sccm
のホスフィン(PH3 )と流量が50sccmの水素
(H2 )とよりなる混合ガスを用い、成膜温度を例えば
580℃、成膜雰囲気の圧力を79.8Paに設定す
る。
【0025】さらに例えば化学的気相成長法によって、
上記多結晶シリコン膜24の上面にタングステンシリサ
イド(WSi2 )膜25を、例えば100nmの厚さに
成膜する。このときの成膜条件としては、例えば反応ガ
スに、流量が10sccmの六フッ化タングステン(W
6 )と流量が1000sccmのシラン(SiH4
と流量が360sccmのヘリウム(He)とよりなる
混合ガスを用い、成膜温度を例えば360℃、成膜雰囲
気の圧力を26.6Paに設定する。
【0026】続いて通常のホトリソグラフィーとエッチ
ングとによって、上記タングステンシリサイド膜25の
破線で示す部分と多結晶シリコン膜24の2点鎖線で示
す部分とを除去して、ドライバトランジスタ21のゲー
ト26を形成する。上記エッチングの条件としては、例
えば、エッチングガスに、流量が60sccmの三塩化
ホウ素(BCl3 )と流量が90sccmの塩素(Cl
2 )とよりなる混合ガスを用い、マイクロ波パワーを1
kW、高周波パワーを50Wに設定する。
【0027】その後、ゲート26をイオン注入マスクに
して、ゲート26の両側の半導体基板11の上層に、低
濃度拡散層27,28を形成する。上記イオン注入条件
として、NMOSトランジスタを形成する場合には、イ
オン注入不純物に、例えばリン(P+ )を用い、打ち込
みエネルギーを20keV、ドーズ量を2×1013個/
cm2 に設定する。またPMOSトランジスタを形成す
る場合には、イオン注入不純物に、例えばフッ化ホウ素
(BF+ )を用い、打ち込みエネルギーを30keV、
ドーズ量を3×1013個/cm2 に設定する。
【0028】その後図2の(2)に示すように、通常の
化学的気相成長法によって、上記ゲート26側の全面に
酸化シリコン膜29を、例えば250nmに成膜する。
このときの成膜条件としては、流量が250sccmの
シラン(SiH4 )と流量が250sccmの酸素(O
2 )と流量が100sccmの窒素(N2 )とよりなる
混合ガスを用い、成膜温度を例えば420℃、成膜雰囲
気の圧力を13.3Paに設定する。
【0029】次いで通常のエッチバック処理によって、
上記酸化シリコン膜29の2点鎖線で示す部分を除去す
る。そして、ゲート26の側壁に酸化シリコン膜29よ
りなるゲートサイドウォール絶縁膜30,31を形成す
る。このときのエッチバック条件としては、例えば、エ
ッチングガスに50sccmの流量のオクタフルオロシ
クロブタン(C4 8 )を用い、高周波パワーを1.2
kW、エッチング雰囲気の圧力を2Paに設定する。
【0030】次いでゲートサイドウォール絶縁膜30,
31とゲート26とをイオン注入マスクにした通常のイ
オン注入法によって、半導体基板11の上層に不純物を
導入して、上記低濃度拡散層27,28よりも深い状態
に高濃度拡散層32,33を形成する。そして上記低濃
度拡散層27と高濃度拡散層32とによって、ソース・
ドレイン領域34を形成する。また低濃度拡散層28と
高濃度拡散層33とによって、上記ソース・ドレイン領
域22を形成する。このイオン注入法の注入条件とし
て、例えばNMOSトランジスタを形成する場合には、
イオン注入不純物に、例えばヒ素(As+ )を用い、打
ち込みエネルギーを50keV、ドーズ量を3×1015
個/cm2 に設定する。またPMOSトランジスタを形
成する場合には、イオン注入不純物に、例えばフッ化ホ
ウ素(BF+ )を用い、打ち込みエネルギーを20ke
V、ドーズ量を2×1015個/cm2 に設定する。上記
の如くして、ドライバトランジスタ21が形成される。
【0031】続いて図2の(3)に示す如く、例えば通
常の化学的気相成長法によって、上記ドライバトランジ
スタ21を覆う状態に第1の絶縁膜13を、例えば50
0nmの厚さに成膜する。このときの成膜条件として
は、例えば、上記図2の(3)で説明したと同様に、流
量が250sccmのシラン(SiH4 )と流量が25
0sccmの酸素(O2 )と流量が100sccmの窒
素(N2 )とよりなる混合ガスを用い、成膜温度を例え
ば420℃、成膜雰囲気の圧力を13.3Paに設定す
る。
【0032】その後通常のホトリソグラフィーとエッチ
ングとによって、上記ソース・ドレイン領域22上の第
1の絶縁膜13にコンタクトホール14を形成する。こ
のときのエッチング条件としては、上記図2の(3)で
説明したと同様に、例えばエッチングガスに50scc
mの流量のオクタフルオロシクロブタン(C4 8 )を
用い、高周波パワーを1.2kW、エッチング雰囲気の
圧力を2Paに設定する。
【0033】次いで図2の(4)に示すように、通常の
化学的気相成長法によって、上記コンタクトホール14
の内部と上記第1の絶縁膜13との上面とに多結晶シリ
コン膜53を、例えば200nmの厚さに成膜する。こ
のときの成膜条件としては、例えば、上記図2の(1)
で説明したと同様に、反応ガスに、流量が500scc
mのシラン(SiH4 )と流量が0.35sccmのホ
スフィン(PH3 )と流量が50sccmの水素
(H2 )とよりなる混合ガスを用い、成膜温度を例えば
580℃、成膜雰囲気の圧力を79.8Paに設定す
る。
【0034】続いて通常のホトリソグラフィーとエッチ
ングとによって、多結晶シリコン膜53の2点鎖線で示
す部分を除去して、多結晶シリコン領域41を形成す
る。このときのエッチング条件としては、例えば、エッ
チングガスに、流量が50sccmの三塩化ホウ素(B
Cl3 )と流量が20sccmの塩化水素(HCl)と
流量が10sccmの塩素(Cl2 )とよりなる混合ガ
スを用い、エッチング雰囲気の圧力を7.98Pa、エ
ッチングパワーを1.5kWに設定する。
【0035】次いで図3の(5)に示す如く、例えば熱
酸化法によって、上記多結晶シリコン領域41の表面
に、酸化シリコン膜54を、例えば、16nmの厚さに
形成する。このときの熱酸化条件としては、例えば、酸
化雰囲気を、流量が6sccmの水素(H2 )と流量が
6sccmの酸素(O2 )とよりなる混合ガスにして、
温度雰囲気を850℃に設定する。
【0036】続いて、通常の化学的気相成長法によっ
て、上記酸化シリコン膜54の表面に多結晶シリコン膜
55を、例えば200nmの厚さに成膜する。このとき
の成膜条件としては、例えば、上記図2の(1)で説明
したと同様に、反応ガスに、流量が500sccmのシ
ラン(SiH4 )と流量が0.35sccmのホスフィ
ン(PH3 )と流量が50sccmの水素(H2 )とよ
りなる混合ガスを用い、成膜温度を例えば580℃、成
膜雰囲気の圧力を79.8Paに設定する。
【0037】その後、通常のホトリソグラフィーとエッ
チングとによって、上記多結晶シリコン膜55の2点鎖
線で示す部分を除去して、薄膜トランジスタのゲート4
7を形成する。さらにエッチングを行って、酸化シリコ
ン膜54の1点鎖線で示す部分を除去して、当該酸化シ
リコン膜54でゲート絶縁膜46を形成する。このとき
の多結晶シリコン膜55のエッチング条件としては、例
えば、エッチングガスに、流量が50sccmの三塩化
ホウ素(BCl3 )と流量が20sccmの塩化水素
(HCl)と流量が10sccmの塩素(Cl2 )とよ
りなる混合ガスを用い、エッチング雰囲気の圧力を7.
98Pa、エッチングパワーを1.5kWに設定する。
また上記酸化シリコン膜54のエッチング条件として
は、例えば、エッチングガスに、流量が75sccmの
トリフルオロメタン(CHF3 )と流量が25sccm
の酸素とよりなる混合ガスを用い、エッチング雰囲気の
圧力を5.32Pa、エッチングパワーを800Wに設
定する。
【0038】次いで、通常のイオン注入法によって、上
記ゲート47と第1の絶縁膜13とをイオン注入マスク
にして、ゲート47の両側の多結晶シリコン領域41に
ソース・ドレイン領域44,45を形成する。このとき
のイオン注入条件としては、例えばNMOSトランジス
タの薄膜トランジスタを場合には、イオン注入不純物
に、例えばヒ素(As+ )を用い、打ち込みエネルギー
を50keV、ドーズ量を3×1015個/cm2 に設定
する。またはPMOSトランジスタを形成する場合に
は、イオン注入不純物に、例えばフッ化ホウ素(B
+ )を用い、打ち込みエネルギーを20keV、ドー
ズ量を2×1015個/cm2 に設定する。
【0039】その後図3の(6)に示すように、通常の
プラズマを用いた化学的気相成長法(P−CVD法)に
よって、上記ゲート47側の全面を覆う状態にプラズマ
窒化シリコン(P−SiN)膜56を、例えば厚さが3
00nmに成膜する。このときの成膜条件としては、例
えば、反応ガスに、流量が180sccmのシラン(S
iH4 )と流量が500sccmのアンモニア(N
3 )と流量が720sccmの窒素(N2 )とよりな
る混合ガスを用い、成膜温度を200℃、成膜雰囲気の
圧力を39.9Paに設定する。
【0040】続いて通常のエッチバック処理によって、
上記プラズマ窒化シリコン膜56の2点鎖線で示す部分
を除去して、ゲート47の側壁に当該プラズマ窒化シリ
コン膜56よりなるサイドウォール絶縁膜48,49を
形成する。上記エッチバック処理の条件としては、例え
ば、エッチングガスに流量が75sccmのトリフルオ
ロメタン(CHF3 )と流量が25sccmの酸素とよ
りなる混合ガスを用い、エッチング雰囲気の圧力を5.
32Pa、エッチングパワーを800Wに設定する。通
常、上記プラズマ窒化シリコン膜56中には、およそ2
0at%の水素が含まれている。
【0041】その後、熱処理を行って、上記プラズマ
化シリコン膜56中に含まれている水素を、ゲート47
の下方の多結晶シリコン領域41で形成される活性層4
3に拡散する。このときの熱処理は、例えば、150℃
〜380℃の温度雰囲気を有する不活性ガス雰囲気中で
行う。上記熱処理を行うことによって、プラズマ窒化シ
リコン膜56中の水素が放出されて、多結晶シリコン領
域41中に拡散される。そして活性層43中に生じてい
る結晶粒界は水素原子で埋められる。このようにして、
活性層43は水素化処理される。上記の如くに、薄膜ト
ランジスタ42が形成される。
【0042】次いで図3の(7)に示す如く、例えば通
常のスパッタ法によって、上記薄膜トランジスタ42を
形成した側の全面に、チタン膜57を、例えば30nm
の厚さに形成する。このときのスパッタ条件としては、
流量が40sccmのアルゴン(Ar)をスパッタガス
として用い、高周波バイアスを−50W、直流スパッタ
パワーを1kW、スパッタ温度を200℃、スパッタ速
度を60nm/分に設定する。
【0043】その後図4の(8)に示すように、例えば
急速に加熱するアニール処理(以下RTAと略記する)
によって、上記チタン膜(57)のチタンとゲート47
のシリコンとをシリサイド化反応させるとともに、チタ
ン膜(57)のチタンと上記多結晶シリコン領域41の
シリコンとをシリサイド化反応させて、低抵抗層50〜
52になるチタンシリサイド(TiSi2 )膜を形成す
る。上記RTAの条件としては、例えば、温度が650
℃の不活性ガス雰囲気中で行う。
【0044】その後、例えばアンモニア過水中に10分
間浸漬して、未反応なチタン膜(57)を除去する。次
いで例えば900℃の不活性ガス〔例えば窒素
(N2 )〕中で、アニール処理を行うことにより、チタ
ンシリサイド(TiSi2 )膜を安定化して、ソース・
ドレイン領域44,45の上層とゲート47の上層とに
低抵抗層50〜52を形成する。なお、シリサイド化す
るためのRTA時には、通常、ゲートの側壁に形成した
サイドウォール絶縁膜のシリコンとチタン膜のチタンと
が反応して、チタンシリサイドを生成する。このとき、
チタンシリサイドはサイドウォール絶縁膜上を這い上が
る状態に生成される。ところが本実施例のサイドウォー
ル絶縁膜48,49はプラズマ窒化シリコン膜で形成さ
れているので、チタン膜(57)のチタンとサイドウォ
ール絶縁膜48,49のシリコンとはシリサイド化反応
しない。このため、ゲート47−ソース・ドレイン領域
44,45間のリーク電流は増大しない。したがって、
薄膜トランジスタ42の電気的特性は高くなる。
【0045】その後通常の化学的気相成長法によって、
上記薄膜トランジスタ42を覆う状態に、酸化シリコン
膜よりなる第2の絶縁膜(層間絶縁膜)15を、例えば
500nmの厚さに成膜する。このときの成膜条件とし
ては、例えば、反応ガスに、流量が250sccmのシ
ラン(SiH4 )と流量が250sccmの酸素
(O2 )と流量が100sccmの窒素(N2 )とより
なる混合ガスを用い、成膜温度を例えば420℃、成膜
雰囲気の圧力を13.3Paに設定する。
【0046】次いで例えば、1100℃の温度の窒素
(N2 )雰囲気中で10秒間の短時間アニール処理を行
って、多結晶シリコン領域41の活性層43と低抵抗層
50〜52との活性処理を行うとともに、多結晶シリコ
ン領域42中の不純物を拡散して、接合領域を形成す
る。
【0047】続いて通常のホトリソグラフィーとエッチ
ングとによって、上記ソース・ドレイン領域45に通じ
るコンタクトホール16を形成する。このエッチング条
件としては、例えば、エッチングガスに流量が50sc
cmのオクタフルオロシクロブタン(C4 8 )を用
い、高周波パワーを1.2kW、エッチング雰囲気の圧
力を2Paに設定する。
【0048】その後図4の(9)に示す如く、通常のス
パッタ法によって、上記コンタクトホール16の内部と
第2の絶縁膜15の上面とに、バリヤメタル層18の下
層になるチタン膜(図示せず)を、例えば50nmの厚
さに形成する。このときのスパッタ条件としては、スパ
ッタガスに流量が40sccmのアルゴン(Ar)を用
い、スパッタ雰囲気の圧力を0.4Pa、直流スパッタ
パワーを1kW、スパッタ速度を90nm/分に設定す
る。続いて、通常のスパッタ法によって、上記バリヤメ
タル層18の上層になる酸化チタン膜(図示せず)を、
例えば100nmの厚さに形成する。このときのスパッ
タ条件としては、例えば、スパッタガスに流量が47s
ccmの窒素(N2 )と流量が3sccmの酸素
(O2 )とよりなる混合ガスを用い、スパッタ雰囲気の
圧力を0.5Pa、直流スパッタパワーを3kW、スパ
ッタ速度を60nm/分に設定する。次いで、通常のス
パッタ法によって、上記バリヤメタル層18の表面にシ
リコンを1%含んだアルミニウム膜19を、例えば80
0nmの厚さに形成する。このときのスパッタ条件とし
ては、例えば、スパッタガスに流量が40sccmのア
ルゴン(Ar)を用い、スパッタ雰囲気の圧力を0.4
Pa、直流スパッタパワーを0.6kW、スパッタ速度
を800nm/分に設定する。
【0049】その後、通常のホトリソグラフィーとエッ
チングとによって、上記アルミニウム膜19の2点鎖線
で示す部分とバリヤメタル層18の1点鎖線で示す部分
とを除去して、1層目の配線17を形成する。上記エッ
チングでは、例えばRF印加型のマイクロ波エッチング
装置を用いる。そして、エッチングガスに、流量が60
sccmの三塩化ホウ素(BCl3 )と流量が90sc
cmの塩素(Cl2 )とよりなる混合ガスを用い、マイ
クロ波パワーを1kW、高周波パワーを50W、エッチ
ング雰囲気の圧力を2.13Paに設定する。
【0050】上記説明した製造方法では、水素化処理に
よって、薄膜トランジスタ42の活性層43中の結晶欠
陥部分が水素で埋め込まれる。このため、リーク電流の
発生が抑えられる。また薄膜トランジスタ42のゲート
47やソース・ドレイン領域44,45が低抵抗層50
〜52によって抵抗が低くなる。このため、ソース・ド
レイン領域44,45上およびゲート47上のシート抵
抗が、例えば8Ω/□以下に下がる。よって、薄膜トラ
ンジスタ42の高速動作が可能になる。
【0051】次に本発明の第2の薄膜トランジスタに係
わる実施例(第2の実施例)を図5の概略構成断面図に
より説明する。図では、前記第1の実施例で説明したと
同様の構成部品には同一番号を付す。図に示すように、
SRAM10の構成は、薄膜トランジスタ42のゲート
絶縁膜46を除いて、前記図1と同様なのでここでの説
明は省略する。本実施例における薄膜トランジスタ42
のゲート絶縁膜46は、プラズマ窒化シリコン膜ではな
窒化シリコン(Si3 4 )膜で形成されている。ま
た、サイドウォール絶縁膜48,49は、上記第1の実
施例と同様に、窒化シリコン(P−SiN)膜で形成さ
れている。上記窒化シリコン(Si3 4 )膜で形成さ
れるゲート絶縁膜46には、通常5wt%程度の水素が
含まれている。またサイドウォール絶縁膜48,49に
は、上記第1の実施例で説明したと同様に、およそ20
at%の水素が含まれている。
【0052】上記の如くに、水素を含む窒化シリコン膜
で、ゲート絶縁膜46とサイドウォール絶縁膜48,4
9とが形成されていることにより、ソース・ドレイン領
域44,45を形成する多結晶シリコン領域41にスト
レスをかけることなく、活性層43に十分な水素を拡散
する水素化処理が行える。
【0053】上記第2の実施例の薄膜トランジスタを製
造するには、前記図3の(5)で説明したゲート絶縁膜
46をプラズマ窒化シリコン膜ではない窒化シリコン膜
で形成すればよい。すなわち、酸化シリコン膜(54)
の代わりに、例えば通常の低圧化学的気相成長法によっ
て、上記窒化シリコン(Si3 4 )膜(58)を、例
えば16nmの膜厚に成膜する。このときの窒化シリコ
ン膜(58)の成膜条件としては、例えば、反応ガスに
流量が50sccmのジクロルシラン(SiH2
2 )と流量が200sccmのアンモニア(NH3
と流量が200sccmの窒素(N2 )とよりなる混合
ガスを用い、成膜温度を760℃、成膜雰囲気の圧力を
70Paに設定する。なお上記窒化シリコン膜でゲート
絶縁膜46を形成するときのエッチング条件としては、
例えば、エッチングガスに、流量が75sccmのトリ
フルオロメタン(CHF3 )と流量が25sccmの酸
素とよりなる混合ガスを用い、エッチング雰囲気の圧力
を5.32Pa、エッチングパワーを800Wに設定す
る。
【0054】次に本発明の第3の薄膜トランジスタに係
わる実施例(第3の実施例)を図6の概略構成断面図に
より説明する。図では、前記第1の実施例で説明したと
同様の構成部品には同一番号を付す。図に示すように、
薄膜トランジスタ42のゲート絶縁膜46はプラズマ窒
化シリコン膜ではない窒化シリコン(例えばSi
3 4 )膜(58)で形成されている。またサイドウォ
ール絶縁膜48は、ゲート47の一方側の側壁に形成し
た酸化シリコン膜61と、当該酸化シリコン膜61の表
面に形成した窒化シリコン(例えばP−SiN)膜62
とによって形成されている。同様にして、サイドウォー
ル絶縁膜49は、ゲート47の他方側の側壁に形成した
酸化シリコン膜61と、当該酸化シリコン膜61の表面
に形成したプラズマ窒化シリコン(P−SiN)膜62
とによって形成されている。
【0055】上記の如くに、サイドウォール絶縁膜4
8,49を形成したことにより、プラズマ窒化シリコン
膜62で発生したストレスは酸化シリコン膜61で緩和
される。このため、活性層43やソース・ドレイン領域
44,45が形成される多結晶シリコン領域41にはほ
とんどストレスがかからない。したがって、サイドウォ
ール絶縁膜48,49中に含まれる水素を放出して多結
晶シリコン領域41に形成される活性層43に放出した
水素を拡散する水素化処理の効果がより高められる。
【0056】上記第3の実施例で説明した薄膜トランジ
スタの製造方法を、図7により説明する。図7の(1)
に示すように、半導体基板11にドライバトランジスタ
21を形成し、さらに第1の絶縁膜13を形成する。そ
して第1の絶縁膜13にコンタクトホール14を設け
る。続いてコンタクトホール14の内部と第1の絶縁膜
13の上面とに多結晶シリコン領域41を形成する。こ
こまでは、前記図2の(4)で説明したと同様に製造さ
れる。
【0057】次いで図7の(2)に示す如く、例えば通
常の低圧化学的気相成長法によって、上記多結晶シリコ
ン領域41を覆う状態にプラズマ窒化シリコン膜ではな
窒化シリコン(例えばSi3 4 )膜58を、例えば
16nmの厚さに形成する。このときの窒化シリコン膜
58の成膜条件としては、例えば、反応ガスに流量が5
0sccmのジクロルシラン(SiH2 Cl2 )と流量
が200sccmのアンモニア(NH3 )と流量が20
0sccmの窒素(N2 )とよりなる混合ガスを用い、
成膜温度を760℃、成膜雰囲気の圧力を70Paに設
定する。
【0058】続いて通常の化学的気相成長法によって、
上記窒化シリコン膜58の表面に多結晶シリコン膜55
を、例えば200nmの厚さに成膜する。このときの成
膜条件としては、例えば、上記図3の(5)で説明した
と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0059】その後、通常のホトリソグラフィーとエッ
チングとによって、上記多結晶シリコン膜55の2点鎖
線で示す部分を除去して、薄膜トランジスタのゲート4
7を形成する。さらにエッチングを行って、窒化シリコ
ン膜58の1点鎖線で示す部分を除去して、当該窒化シ
リコン膜56で薄膜トランジスタのゲート絶縁膜46を
形成する。このときの多結晶シリコン膜55のエッチン
グ条件は、前記図3の(5)で説明したと同様なので、
ここでの説明は省略する。また窒化シリコン膜58のエ
ッチング条件は、前記第2の実施例で説明した窒化シリ
コン膜(56)と同様なのでここでの説明は省略する。
【0060】次いで、前記図3の(5)で説明したと同
様にして、通常のイオン注入法により、ゲート47の両
側の多結晶シリコン領域41にソース・ドレイン領域4
4,45を形成する。このときのイオン注入条件は、前
記図3の(5)で説明したと同様なので、ここでの説明
は省略する。その後図7の(3)に示す如く、通常の化
学的気相成長法によって、ゲート47側の全面に酸化シ
リコン膜61を、例えば50nmの厚さに成膜する。こ
のときの成膜条件としては、例えば前記図2の(2)で
説明したと同様に、流量が250sccmのシラン(S
iH4 )と流量が250sccmの酸素(O2 )と流量
が100sccmの窒素(N2 )とよりなる混合ガスを
用い、成膜温度を420℃、成膜雰囲気の圧力を13.
3Paに設定する。
【0061】続いて通常のプラズマを用いた化学的気相
成長法(P−CVD法)によって、上記酸化シリコン膜
61の表面にプラズマ窒化シリコン(P−SiN)膜6
2を、例えば厚さが300nmに成膜する。このときの
成膜条件としては、例えば前記図3の(6)で説明した
と同様に、反応ガスに、流量が180sccmのシラン
(SiH4 )と流量が500sccmのアンモニア(N
3 )と流量が720sccmの窒素(N2 )とよりな
る混合ガスを用い、成膜温度を200℃、成膜雰囲気の
圧力を39.9Paに設定する。
【0062】続いて通常のエッチバック処理によって、
上記プラズマ窒化シリコン膜62の2点鎖線で示す部分
と酸化シリコン膜61の1点鎖線で示す部分とを除去し
て、ゲート47の側壁に当該プラズマ窒化シリコン膜6
2と酸化シリコン膜61とよりなるサイドウォール絶縁
膜48,49を形成する。このとき、多結晶シリコン領
域41の段差部にもプラズマ窒化シリコン膜62と酸化
シリコン膜61とによるサイドウォールが形成される。
上記エッチバック処理の条件としては、例えば、エッチ
ングガスに流量が75sccmのトリフルオロメタン
(CHF3 )と流量が25sccmの酸素とよりなる混
合ガスを用い、エッチング雰囲気の圧力を5.32P
a、エッチングパワーを800Wに設定する。
【0063】その後、熱処理を行って、上記サイドウォ
ール絶縁膜48,49のプラズマ窒化シリコン(P−S
iN)膜62中に含まれている水素を、酸化シリコン膜
61を通して、ゲート47の下方の多結晶シリコン領域
41で形成される活性層43に拡散する。このときの熱
処理は、例えば、150℃〜380℃の温度雰囲気を有
する不活性ガス雰囲気中で行う。上記の如くに熱処理を
行うことによって、サイドウォール絶縁膜48,49中
の水素とゲート絶縁膜46中の水素とが放出されて、多
結晶シリコン領域41中に取り込まれる。そして多結晶
シリコン領域41の活性層43を形成する部分が水素化
処理される。このようにして、薄膜トランジスタ42が
形成される。
【0064】その後前記図3の(7)〜図4の(9)に
示したと同様の工程を行うことにより、低抵抗層(図示
せず),層間絶縁膜(図示せず),1層目の配線(図示
せず)等を形成する。
【0065】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項の発明
によれば、薄膜トランジスタの活性層に近い部分とし
て、薄膜トランジスタのゲートの側壁にプラズマ窒化シ
リコン膜よりなるサイドウォール絶縁膜を形成したの
で、プラズマ窒化シリコン膜より薄膜トランジスタにか
かるストレスが低減できる。請求項2の発明によれば、
薄膜トランジスタのゲート絶縁膜をプラズマ窒化シリコ
ン膜ではない窒化シリコン膜で形成することにより活性
層に十分な量の水素を拡散することが可能になる。請求
項3の発明によれば、サイドウォール絶縁膜を、酸化シ
リコン膜とプラズマ窒化シリコン膜とで形成したので、
プラズマ窒化シリコン膜より薄膜トランジスタに加えら
れるストレスが酸化シリコン膜によって緩和できる。こ
のため、薄膜トランジスタにかかるストレスが大幅に低
減できる。請求項4の発明によれば、ゲートを形成した
後に、当該ゲートの側壁のみにプラズマ窒化シリコン膜
を形成し、このプラズマ窒化シリコン膜中に含まれる水
素を放出させることによって、多結晶シリコン領域に形
成する活性層を水素化処理するので、薄膜トランジスタ
の活性層にはプラズマ窒化シリコン膜のストレスがほと
んど加わらない。このため、薄膜トランジスタの活性層
には結晶欠陥が発生しなくなる。したがって、薄膜トラ
ンジスタの電気的特性のうち、特にキャリア移動度特性
の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の概略構成断面図である。
【図2】第1の実施例の製造工程図(その1)である。
【図3】第1の実施例の製造工程図(その2)である。
【図4】第1の実施例の製造工程図(その3)である。
【図5】第2の実施例の概略構成断面図である。
【図6】第3の実施例の概略構成断面図である。
【図7】第3の実施例の製造工程図である。
【図8】従来例の概略構成断面図である。
【図9】従来例の製造工程図(その1)である。
【図10】従来例の製造工程図(その2)である。
【符号の説明】
11 半導体基板 41 多結晶シリコ
ン領域 42 薄膜トランジスタ 43 活性層 44 ソース・ドレイン領域 45 ソース・ドレ
イン領域 46 ゲート絶縁膜 47 ゲート 48 サイドウォール絶縁膜 49 サイドウォー
ル絶縁膜 56 窒化シリコン膜 58 窒化シリコン
膜 61 酸化シリコン膜 62 窒化シリコン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けた多結晶シリコン領域と、 前記多結晶シリコン領域に形成した活性層と、 前記活性層の両側の前記多結晶シリコン領域に設けたソ
    ース・ドレイン領域と、 前記活性層上にゲート絶縁膜を介して設けたゲートとに
    より構成されていて、前記活性層を水素化処理してなる
    薄膜トランジスタにおいて、 前記ゲートの側壁に水素を含みその水素を放出して前記
    水素化処理を行うプラズマ窒化シリコン膜よりなるサイ
    ドウォール絶縁膜を形成したことを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタ。
  2. 【請求項2】 基板上に設けた多結晶シリコン領域と、 前記多結晶シリコン領域に形成した活性層と、 前記活性層の両側の前記多結晶シリコン領域に設けたソ
    ース・ドレイン領域と、 前記活性層上にゲート絶縁膜を介して設けたゲートとに
    より構成されていて、前記活性層を水素化処理してなる
    薄膜トランジスタにおいて、 前記ゲートの側壁に水素を含みその水素を放出して前記
    水素化処理を行うプラズマ窒化シリコン膜よりなるサイ
    ドウォール絶縁膜を形成するとともに、当該薄膜トラン
    ジスタのゲート絶縁膜をプラズマ窒化シリコン膜ではな
    い窒化シリコン膜で形成したことを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタ。
  3. 【請求項3】 基板上に設けた多結晶シリコン領域と、 前記多結晶シリコン領域に形成した活性層と、 前記活性層の両側の前記多結晶シリコン領域に設けたソ
    ース・ドレイン領域と、 前記活性層上にゲート絶縁膜を介して設けたゲートとに
    より構成されていて、 前記活性層を水素化処理してなる薄膜トランジスタにお
    いて、 前記ゲートの側壁にサイドウォール絶縁膜を形成すると
    ともに、当該サイドウォール絶縁膜を、当該ゲートの側
    壁とその近傍の多結晶シリコン領域上とに形成した酸化
    シリコン膜と、当該酸化シリコン膜表面に形成したもの
    で水素を含みそ の水素を放出して前記水素化処理を行う
    プラズマ窒化シリコン膜とで形成したことを特徴とする
    薄膜トランジスタ。
  4. 【請求項4】 基板上に多結晶シリコン領域を形成し、
    次いで多結晶シリコン領域上にゲート絶縁膜を介してゲ
    ートを形成した後、前記多結晶シリコン領域に形成され
    る活性層を水素化処理する薄膜トランジスタの製造方法
    において、 前記多結晶シリコン領域上にゲート絶縁膜を介してゲー
    トを形成した後に、当該ゲートの側壁のみにプラズマ窒
    化シリコン膜を形成し、次いで当該窒化シリコン膜中に
    含まれる水素を放出させることによって、多結晶シリコ
    ン領域中に形成する活性層を水素化処理することを特徴
    とする薄膜トランジスタの製造方法。
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