JP3182311B2 - 食器洗い機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗浄室の上段及び下段
にそれぞれ上段カゴ及び下段カゴを配置し、下段カゴ内
の食器類には、洗浄室底部に水平方向に回転自在に支持
されたアームノズルから洗浄水を噴射するようにし、上
段カゴ内の食器類には、アームノズルに固着されたタワ
ーノズルから洗浄水を噴射するようにした食器洗い機に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の食器洗い機において、タ
ワーノズルを、アームノズルに固着された外ノズルと、
この外ノズル内に収められ、給水圧により上昇する内ノ
ズルとで構成すると共に、洗浄時に内ノズルの高さが切
り換わるようにして、上段カゴ内の食器類に満遍無く洗
浄水がゆきわたるようにしたものがある。このような食
器洗い機は、特開昭６１−１７０４３１号公報（Ａ４７
Ｌ１５／４２）及び特開平４−２７９１３９号公報（Ａ
４７Ｌ１５／４２）に示されている。

【０００３】上記特開昭６１−１７０４３１号公報に示
されたものは、内ノズルを作動レバーで下方から支持
し、この作動レバーをカム機構で上下させ、内ノズルを
上下させる構成である。

【０００４】また、上記特開平４−２７９１３９号公報
に示されたものは、ポンプを強弱運転させて内ノズルに
加わる水圧を変化させ、内ノズルを上下させる構成であ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭６１−１７０４３１号公報のものにあっては、内ノ
ズルを上下させる機構（作動レバー、カム機構）が流路
中にあるため、この機構が流れる水の妨げになるという
問題や、流れる水の力を常に受けることにより機構自身
が故障しやすいという問題がある。

【０００６】また、特開平４−２７９１３９号公報のも
のにあっては、ポンプを弱運転して給水圧を低下させる
と噴射圧が低下するので、食器類に洗浄水が当らない虞
や、当ったとしても当りが弱いために十分に洗浄能力が
発揮されない虞がある。

【０００７】本発明は、食器洗い機の改良に関し、この
ような問題点を解消するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、洗浄室と、こ
の洗浄室の上段及び下段にそれぞれ配置され、食器類を
収納する上段カゴ及び下段カゴと、前記洗浄室底面より
突出したノズル軸に水平方向に回転自在に支持され、ア
ーム内への給水時に回転しながら前記下段カゴ内の食器
類に向かって洗浄水を噴射するアームノズルと、前記ノ
ズル軸の上の位置で前記アームノズルに固着され、アー
ムノズルと共に回転し、前記上段カゴ内の食器類に向か
って洗浄水を噴射するタワーノズルと、前記洗浄室の底
部に貯められた洗浄水を前記ノズル軸を介して前記アー
ムノズル及び前記タワーノズルへ供給するポンプと、こ
のポンプを間欠的に駆動する駆動制御部とを備えた食器
洗い機であって、前記タワーノズルを、前記アームノズ
ルに固着された筒状の外ノズルと、この外ノズル内に上
下移動自在に収められ、給水圧によって上昇すると共に
上端部から斜め上方に向けて洗浄水を噴射する筒状の内
ノズルとで構成し、前記ノズル軸の前記タワーノズルへ
の給水口の周縁には、前記ポンプによる給水の停止時に
前記内ノズルの下端開口縁が載置される載置部を設け、
前記外ノズルの内壁には、高さの異なる複数の案内溝を
配列すると共に、前記内ノズルには、内ノズルが給水に
よって前記載置部から上昇したときに前記案内溝の１つ
に填まり込んで、その案内溝に案内される突起を形成
し、更に、前記載置部には、給水停止により前記内ノズ
ルが下降してその下端開口縁が前記載置部に載置される
と、内ノズルを回転させて前記突起を前回の給水時とは
違った案内溝の下へと移動させる移動手段を設け、前記
移動手段は、前記載置部の周方向に傾斜する傾斜面とし
たものである。

【０００９】

【００１０】

【００１１】さらに、上記構成において、前記駆動制御
部による前記ポンプの動作時間は、ポンプが動作してか
ら前記タワーノズルが１回転する時間よりも長くしたも
のである。

【００１２】

【作用】まず、ポンプによる給水の停止時には、内ノズ
ルは載置部に載置されている。

【００１３】ポンプが起動し、タワーノズル内に洗浄水
が供給されると、内ノズルは給水圧によって上昇する。
やがて、内ノズルの突起は、外ノズルに設けられた高さ
の異なる複数の案内溝のうち、給水停止時にこの突起の
上方に位置していた案内溝に填まり込み、溝に沿って上
昇する。突起が案内溝の頂上に到達すると、突起はこの
位置で止まり、これによって、内ノズルはこれに応じた
所定の高さで固定される。

【００１４】こうして、内ノズルは、外ノズルと共に回
転しながら、上端部から上段カゴ内の食器類に向けて洗
浄水を噴射する。

【００１５】ポンプが停止して、タワーノズル内への給
水が停止すると、内ノズルは、惰性回転による遠心力に
よってしばらく案内溝内に留まっているが、やがて回転
が停止に近づくと、自重によって下降し、その下端開口
縁が載置部に載置される。載置された内ノズルは、載置
部に設けられた移動手段により回転させられる。

【００１６】より具体的には、内ノズルの載置部への載
置によって内ノズルの下端開口縁に設けられた凸部が載
置部に設けられた傾斜面に載置され、その後、自重によ
って傾斜面を下る。これにより、内ノズルが回転し、内
ノズルの突起は前回の給水時とは違った案内溝の下へと
移動する。

【００１７】この状態において、再びポンプが起動し、
タワーノズル内に給水されると、再び内ノズルが上昇す
る。突起は前回とは違う案内溝に沿って上昇し、やはり
その案内溝の頂上で止まり、内ノズルもやはりこれに応
じた高さで固定される。このとき、案内溝の高さは前回
とは異なっているので、内ノズルの高さは前回とは異な
ったものとなる。

【００１８】こうして、内ノズルは、前回と同様に、外
ノズルと共に回転しながら、上端部から上段カゴ内の食
器類に向けて洗浄水を噴射するが、今回は前回とは違っ
た範囲に洗浄水がゆきわたる。

【００１９】このようにして、ポンプが駆動−停止を繰
り返すことにより、給水毎に突起が異なった高さの案内
溝に填まり込んで、給水毎に内ノズルの高さが切り換わ
る。この結果、内ノズルから噴射された洗浄水が上段カ
ゴの広い範囲にゆきわたる。

【００２０】なお、給水の停止によって内ノズルが下降
して載置部に載置された後、外ノズルは、さらに僅かに
惰性回転して停止するので、載置後、内ノズルを外ノズ
ルの回転方向と同じ方向に回転させると、その回転量に
よっては、突起が前回と異なった案内溝の下まで移動し
ない虞が出てくる。

【００２１】しかし、ここでは、傾斜面を外ノズルの回
転方向と反対方向に面するようにしているので、内ノズ
ルの凸部が外ノズルの回転方向と反対方向に移動する。
したがって、内ノズルが外ノズルの回転方向と反対方向
に回転するので、突起が確実に前回と異なった案内溝の
下まで移動する。

【００２２】また、ポンプの動作時間、即ち給水時間を
ポンプが動作してからタワーノズルが１回転する時間よ
り長くしているので、内ノズルが必ず同じ高さにおいて
１回転以上することになる。

【００２３】

【実施例】本発明の実施例を各図面に基づいて説明す
る。

【００２４】図１において、１は本発明の一実施例の食
器洗い機である。２はこの食器洗い機１の機枠、３はこ
の機枠２内に設けられた洗浄室で、前面が開口してい
る。４はこの洗浄室３を開閉するための扉で、手前に開
くよう下端が支持されている。

【００２５】５は前記洗浄室３内の上段に配置された食
器収納用の上段カゴ、６は同じく下段に配置された食器
収納用の下段カゴである。

【００２６】７は前記下段カゴ６の下方に配置され、下
段カゴ６内の食器類に洗浄水を当てるためのアームノズ
ルである。このアームノズル７の両アームの上面には、
下段カゴ６内の食器類に洗浄水を当てるために、上方に
向かって洗浄水を噴射する噴射孔８と、アームノズル７
を上から見て右回転させるために、洗浄水を左回転方向
に噴射する推進用噴射孔９とがそれぞれ設けられてい
る。１０は前記洗浄室３の底面に立設され、前記アーム
ノズル７を水平方向に回転自在に支持するノズル軸で、
アームノズル７へ洗浄水を供給するための送水管をも兼
ねている。

【００２７】１１は前記アームノズル７の中央であっ
て、前記ノズル軸１０上にかぶさるように固着されたタ
ワーノズルである。このタワーノズル１１は、上段カゴ
５内の食器類に洗浄水を当てるためのものである。この
タワーノズル１１はアームノズル７と共に回転する。

【００２８】１２は前記洗浄室３の底部前方に形成され
た排水槽、１３は食器類から流れ落ちた残菜類を除去す
るためにこの排水槽１２の上面に取り付けられたフィル
タである。

【００２９】１４は本発明のポンプとなる洗浄ポンプ
で、吸込口が前記排水槽１２に接続され、吐出口が前記
ノズル軸１０に接続されている。１５は前記排水槽１２
に接続された排水ポンプで、前記洗浄室３内の洗浄水を
排水ホース１６を介して機外へ排出するためのものであ
る。

【００３０】１７は水位検知装置であり、前記洗浄室３
内の所定水位を検知するためのものである。１８は前記
洗浄室３底部に設けられたループ状のシーズヒータで、
洗浄室３底部に貯めた洗浄水やすすぎ水を温水化し、か
つ乾燥時には洗浄室３内を昇温させ、洗浄・乾燥効果を
高めるものである。

【００３１】１９は前記洗浄室３の後部上方に設けられ
た給水ノズル、２０はこの給水ノズル１９に接続する給
水管２１に設けられた電磁給水弁である。前記洗浄室３
への給水は、この電磁給水弁２０を開閉することにより
行われる。

【００３２】２２は同じく前記洗浄室３の上方から後方
にわたって設けられた吸気ダクト、２３はこの吸気ダク
ト２２内に配置された吸気ファンで、本体の前面上端部
に設けられた吸気口（図示せず）から取り込んだ空気を
洗浄室３内に送る。２４は洗浄室３の前部の上方に設け
られた排気ダクトで、本体の前面上端部に設けられた排
気口２５に接続されており、前記吸気ファン２３によっ
て洗浄室３内に送り込まれ、室内を巡った空気を排出す
る。

【００３３】２６は前記扉４の下方の前面を覆う前面パ
ネルである。２７はこの前面パネル２６の裏側に配置さ
れた制御回路で、マイクロコンピュータなどから構成さ
れる。この制御回路２６は、洗浄運転時、前記洗浄ポン
プ１４を１分５７秒ＯＮ−３秒ＯＦＦで間欠的に駆動す
るように制御し、本発明の駆動制御部となるものであ
る。

【００３４】図２は前記タワーノズル１１の詳細な構成
を示す要部の拡大断面図である。図３は同じく分解斜視
図である。

【００３５】前記タワーノズル１１は、前記アームノズ
ル７に固着された筒状の外ノズル２８と、この外ノズル
２８内に上下移動自在に収められ、給水圧によって上昇
する筒状の内ノズル２９とで構成されている。

【００３６】前記外ノズル２８の内壁には６本の縦方向
の案内溝が配列されている。互いに向かい合う２つの案
内溝の高さは等しくなっており、ここでは、一番高い位
置まで設けられた溝を第１案内溝３０、次に高い位置ま
で設けられた溝を第２案内溝３１、一番低い位置まで設
けられた溝を第３案内溝３２としている。

【００３７】前記内ノズル２９の上端部には、斜め上方
に洗浄水を噴射するための２つの噴射口３３及び３４が
形成されている。これら噴射口３３及び３４は互いに異
なる噴射角度を有している。また、内ノズル２９の下端
部には、１８０度の間隔で外方に向けて２つの突起３５
が突出形成されている。これらの突起３５は、内ノズル
２９の上昇時、前記第１案内溝３０、第２案内溝３１及
び第３案内溝３２のうちのいづれかに填まり込み、その
溝に沿って上昇する。さらに、内ノズル２９の下端開口
縁には、９０度の間隔で下方に向けて４つの凸部３６が
突出形成されている。この凸部３６の先端は、後述する
傾斜面との摩擦が少なくなるよう丸くなっている。

【００３８】３７は前記アームノズル７の抜け止めとし
て、前記ノズル軸１０の先端部に取り付けられたノズル
キャップである。このノズルキャップ３７は、前記ノズ
ル軸１０に固定されており、前記アームノズル７が回転
しても回転しない。このノズルキャップ３７の上面中央
には、前記タワーノズル１１への給水口３８が設けられ
ている。また、この給水口３８の周りの面は、前記洗浄
ポンプ１４による給水の停止時に前記内ノズル２９の下
端開口縁が載置される載置部３９となる。

【００３９】４０は前記載置部３９に設けられた周方向
に傾斜する傾斜面であり、前記内ノズル２９の凸部３６
に対応して９０度の間隔で４つ設けられている。この傾
斜面４０は、前記アームノズル７の回転方向、即ち前記
タワーノズル１１の回転方向とは反対の左回転方向に面
するように形成されている。

【００４０】次に、上記の構成に基づく本実施例の食器
洗い機の動作を、図４を用いて説明する。

【００４１】まず、洗浄運転開始前、即ち洗浄ポンプ１
４による給水の停止時には、内ノズル２９は、その下端
開口縁が載置部３９に載置された状態にある。このと
き、内ノズル２９の凸部３６は、図２にも示すように、
傾斜面を下ったところ、即ち傾斜面４０と傾斜面４０の
間に載置されている。

【００４２】洗浄運転が開始され、洗浄ポンプ１４が起
動し、タワーノズル１１内に給水されると、内ノズル２
９は給水圧によって上昇する。やがて、内ノズル２９の
突起３５は、第１案内溝３０、第２案内溝３１及び第３
案内溝３２のうち、給水停止時にこの突起３５の上方に
位置していた案内溝に填まり込み、溝に沿って上昇す
る。

【００４３】例えば、今回、第１案内溝３０に填まり込
んだとする。突起３５が第１案内溝３０の頂上に到達す
ると、図４（イ）に示すように、この頂上の位置で止ま
る。これによって、内ノズル２９は、図２のＨに示す一
番高い位置で固定される。

【００４４】こうして、内ノズル２９は、外ノズル２８
と共に回転しながら、上端部の２つの噴射口３３及び３
４から上段カゴ５内の食器類に向けて洗浄水を噴射す
る。このとき、内ノズル２９は一番高いため、上段カゴ
５の中心部に近い範囲に洗浄水がゆきわたる。

【００４５】なお、洗浄ポンプ１４が動作してからタワ
ーノズル１１が１回転するまでの時間は２〜５秒程度で
ある。

【００４６】洗浄ポンプ１４の動作時間（１分５７秒）
が経過し、洗浄ポンプ１４が停止して、タワーノズル１
１内への給水が停止すると、内ノズル２９は、惰性回転
による遠心力によってしばらく第１案内溝３０内に留ま
っているが、やがて回転が停止に近づくと、自重によっ
て下降し、その下端開口縁が載置部３９に載置される。
即ち、図４の（ロ）に示すように、内ノズル２９の凸部
３６が傾斜面４０に載置される。

【００４７】外ノズル２８は、その後、さらに僅かに惰
性回転した後に停止する。傾斜面４０に載置された凸部
３６は、図４の（ハ）に示すように、自重によって傾斜
面４０を滑り降り、内ノズル２９はその分左に回転す
る。これにより、内ノズル２９の突起３５は、第１案内
溝３０の隣の第２案内溝３１の下へと移動する。

【００４８】洗浄ポンプ１４の停止時間（３秒）が経過
し、再び洗浄ポンプ１４が起動し、タワーノズル１１内
に給水されると、再び内ノズル２９が上昇する。今回、
突起３５は第２案内溝３１に沿って上昇し、図４の
（ニ）に示すように、やはりこの第２案内溝３１の頂上
で止まる。

【００４９】こうして 内ノズル２９は図２のＭに示す
中間の位置において、外ノズル２８と共に回転しながら
洗浄水を噴射する。このとき、内ノズル２９は中間の高
さのため、上段カゴ５の中心部より少しはなれた範囲に
洗浄水がゆきわたる。

【００５０】同様にして、次の給水停止時には、内ノズ
ル２９の突起３５が第３案内溝３２の下へと移動して、
次の給水時には、突起３５が第３案内溝３２の頂上で止
まる。これにより、内ノズル２９は、図２のＬに示す一
番低い位置で回転しながら洗浄水を噴射する。このとき
は、上段カゴ５の隅の方の範囲に洗浄水がゆきわたる。

【００５１】このようにして、洗浄ポンプ１４が駆動−
停止を繰り返すことにより、給水毎に内ノズル２９の高
さ、即ち洗浄水の噴射位置が高、中、低と切り換わり、
この結果、内ノズル２９から噴射された洗浄水が上段カ
ゴ５の広い範囲にゆきわたる。

【００５２】以上、本発明の実施例の食器洗い機の構成
によれば、洗浄ポンプ１４による給水毎に内ノズル２９
の高さを切り換えて洗浄水の噴射位置を変え、上段カゴ
５の広い範囲に洗浄水がゆきわたるようにしているの
で、上段カゴ５内の食器類をムラなく洗浄することがで
き、洗浄性能が向上する。

【００５３】その上、内ノズル２９の高さを切り換える
ための手段が流路内にないため、この手段が流れる水の
妨げになることがなく、また、この手段自身が流れる水
の影響を受けることもない。

【００５４】また、常に一定の給水圧で洗浄水を供給す
ることができるので、給水圧を低下させて、噴射圧を低
下させてしまうようなことがなく、食器類に洗浄水が十
分に当らずに洗浄能力を落としてしまうようなこともな
い。

【００５５】さらに、傾斜面４０を外ノズル２８の回転
方向と反対方向に面するようし、内ノズル２９の凸部３
６が外ノズル２８の回転方向と反対方向に移動するよう
にしているので、内ノズル２９が載置部３９へ載置され
た後に外ノズル２８が多少惰性回転しても、突起３５を
確実に前回と異なった案内溝の下まで移動させることが
でき、内ノズル２９の高さを確実に切り換えることがで
きる。

【００５６】さらに、洗浄ポンプ１４の動作時間は１分
５７秒であり、洗浄ポンプ１４が動作してからタワーノ
ズル１１が１回転する時間２〜５秒よりも長くしている
ので、内ノズル２９が所定の高さで必ず１回転以上する
ことになり、その高さに対応する範囲を確実に洗浄する
ことができる。

【００５７】なお、本発明の実施例では、凸部３６の先
端部を丸くして、凸部３６が傾斜面４０を下りやすいよ
うにしているが、凸部３６の先端部にローラなどの転動
体を設けて傾斜面４０を下りやすくしてもよい。また、
傾斜面４０に載置されて傾斜面４０を下るように内ノズ
ル２９の下端開口縁から下方に突出して設けたものであ
れば、本発明の凸部の概念にはいるものである。

【００５８】

【発明の効果】本発明の食器洗い機の構成によれば、ポ
ンプによる給水毎に内ノズルの高さを切り換えて洗浄水
の噴射位置を変え、上段カゴの広い範囲に洗浄水がゆき
わたるようにしているので、上段カゴ内の食器類をムラ
なく洗浄することができ、洗浄性能が向上する。

【００５９】その上、内ノズルの高さを切り換えるため
の手段が流路内にないため、この手段が流れる水の妨げ
になることがなく、また、この手段自身が流れる水の影
響を受けることもない。

【００６０】また、常に一定の給水圧で洗浄水を供給す
ることができるので、給水圧を低下させて、噴射圧を低
下させてしまうようなことがなく、食器類に洗浄水が十
分に当らずに洗浄能力を落としてしまうようなこともな
い。

【００６１】さらに、移動手段としては傾斜面を設ける
だけであるので構造が簡単であると共に、この傾斜面を
外ノズルの回転方向と反対方向に面するようし、内ノズ
ルの凸部が外ノズルの回転方向と反対方向に移動するよ
うにしているので、内ノズルが載置部へ載置された後に
外ノズルが多少惰性回転しても、内ノズルの突起を確実
に前回と異なった案内溝の下まで移動させることがで
き、内ノズルの高さを確実に切り換えることができる。

【００６２】さらに、ポンプの動作時間を、ポンプが動
作してからタワーノズルが１回転する時間よりも長くし
ているので、内ノズルが所定の高さで必ず１回転以上す
ることになり、その高さに対応する範囲を確実に洗浄す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の食器洗い機の全体の概要を
示す側面断面図である。

【図２】同じく、タワーノズルの詳細な構成を示す要部
の拡大断面図である。

【図３】同じく、タワーノズルとノズルキャップの分解
斜視図である。

【図４】同じく、洗浄運転時の内ノズルの動きを示すタ
ワーノズルとノズルキャップの簡略化した展開図であ
る。

【符号の説明】

３ 洗浄室 ５ 上段カゴ ６ 下段カゴ ７ アームノズル １０ ノズル軸 １１ タワーノズル １４ 洗浄ポンプ（ポンプ） ２７ 制御回路（駆動制御部） ２８ 外ノズル ２９ 内ノズル ３０ 第１案内溝（案内溝） ３１ 第２案内溝（案内溝） ３２ 第３案内溝（案内溝） ３５ 突起 ３６ 凸部 ３８ 給水口 ３９ 載置部 ４０ 傾斜面（移動手段）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 憲治 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−279139（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−170431（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−126976（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−12353（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47L 15/42

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄室と、この洗浄室の上段及び下段に
   それぞれ配置され、食器類を収納する上段カゴ及び下段
   カゴと、前記洗浄室底面より突出したノズル軸に水平方
   向に回転自在に支持され、アーム内への給水時に回転し
   ながら前記下段カゴ内の食器類に向かって洗浄水を噴射
   するアームノズルと、前記ノズル軸の上の位置で前記ア
   ームノズルに固着され、アームノズルと共に回転し、前
   記上段カゴ内の食器類に向かって洗浄水を噴射するタワ
   ーノズルと、前記洗浄室の底部に貯められた洗浄水を前
   記ノズル軸を介して前記アームノズル及び前記タワーノ
   ズルへ供給するポンプと、このポンプを間欠的に駆動す
   る駆動制御部とを備えた食器洗い機であって、 前記タワーノズルを、前記アームノズルに固着された筒
   状の外ノズルと、この外ノズル内に上下移動自在に収め
   られ、給水圧によって上昇すると共に上端部から斜め上
   方に向けて洗浄水を噴射する筒状の内ノズルとで構成
   し、 前記ノズル軸の前記タワーノズルへの給水口の周縁に
   は、前記ポンプによる給水の停止時に前記内ノズルの下
   端開口縁が載置される載置部を設け、 前記外ノズルの内壁には、高さの異なる複数の案内溝を
   配列すると共に、前記内ノズルには、内ノズルが給水に
   よって前記載置部から上昇したときに前記案内溝の１つ
   に填まり込んで、その案内溝に案内される突起を形成
   し、 更に、前記載置部には、給水停止により前記内ノズルが
   下降してその下端開口縁が前記載置部に載置されると、
   内ノズルを回転させて前記突起を前回の給水時とは違っ
   た案内溝の下へと移動させる移動手段を設け、 前記移動手段は、前記載置部の周方向に傾斜する傾斜面
   とした ことを特徴とする食器洗い機。
2. 【請求項２】 前記駆動制御部による前記ポンプの動作
   時間は、ポンプが動作してから前記タワーノズルが１回
   転する時間よりも長くしたことを特徴とする請求項１記
   載の食器洗い機。