JPH05137686A - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、洗浄室の上部に上噴水体を有する
ものであって、食器籠の有効内容積を大きく確保出来る
と共に、上噴水体への水の供給を確実に行うことができ
るようにしたもの 【構成】 上噴水体２５を上食器籠１８の底部に設け、
それを洗浄ポンプ９から導水する導水パイプ２６に対し
て上食器籠１８の出し入れする水平方向に接続させるよ
うにする。また、上食器籠１８の前部には、扉７が閉ま
ったときに扉７と上食器籠１８の間に挟まれるように弾
性体２０を取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗浄室内部に収容され
た食器の洗浄をする食器洗浄機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、食器洗浄機においては、食器
籠と、この食器籠に収容されて洗浄室に配置された食器
に向け噴水する噴水体を上下二段に設けて、それら食器
の洗浄を行うようにしたものが供されている。このもの
の場合、噴水体は一般には、下部が回転スプレーアーム
で、上部はその回転スプレーアームの中心から立設され
たノズルとなっている。

【０００３】しかして、このものの場合、ノズルは下部
の食器籠を貫通するようになっており、この関係で、下
部の食器籠はノズル貫通部分から外方に伸びて開放する
切欠部が形成され、この切欠部により食器籠の必要な出
し入れがノズルに邪魔されずに出来るようになってい
る。しかしながら、このものの場合には、上記切欠部の
分食器籠の有効内容積が小さくなり、食器の収容量が少
なくなるという問題点を有していた。

【０００４】これに対して、実公昭５７−３０９８８号
公報に示されるようにしたものが供されている。このも
のは、噴水体を上部も回転スプレーアームとして、上部
の食器籠の中央部を貫通させた接続パイプの下端部に取
付けることにより、この上部の食器籠の外底部に設け、
これにより上部の回転スプレーアームを上部の食器籠と
ともに出し入れされるようにして、更にその収容時に
は、洗浄ポンプに連通して、洗浄室の上方から臨んだ吐
出パイプに、上記接続パイプの上端部を対応させて接続
するようにしたものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにしたものでも、接続パイプが上部の食器籠の中央
を貫通して設けられる分、この上部の食器籠の有効内容
積が小さくなり、食器の収容量ひいては洗浄量が少なく
なるという問題点を有していた。またこのものの場合、
洗浄パイプから上部の回転スプレーアームまでの配管が
位置的に高く、かつ長くもなることから、洗浄ポンプに
大能力が必要とされ、コスト高になるという問題点をも
有していた。

【０００６】そこで、水平方向に摺動させて洗浄室内部
の上方に収容する上食器籠の底部に上噴水体を設け、上
食器籠の出し入れ方向に洗浄ポンプと連通して洗浄室の
背面側に立設する導水パイプを設け、この導水パイプと
前記上噴水体を脱着可能にすることも考えられるが、接
続を確実にしないと、ポンプから送られてくる水の勢い
で、接続部から水が漏れたりして、食器の有効な洗浄を
行うことが出来ないという課題があった。

【０００７】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的は、食器籠の有効内容積を大きく出来る
と共に、導水パイプから確実に上噴水体に水を送出する
ことができる食器洗浄機を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、水平方向に摺動させて洗浄室内部の上方
に収容する上食器籠を設け、扉との対向面側に洗浄ポン
プと連通する導水パイプを設け、前記上食器籠の底部に
上噴水体を設け、この上噴水体を上食器籠の出し入れ方
向に前記導水パイプの端部と脱着可能にし、扉を閉めた
場合に扉の内面側と上食器籠の前部との間に位置し扉と
上食器籠を反対方向に付勢する弾性体とを備えることに
特徴を有する。

【０００９】

【作用】上噴水体を上食器籠の底部に設けたので、上食
器籠中を貫通する物がなくなり、その分、上食器籠の有
効内容積を大きくすることができる。

【００１０】また、洗浄ポンプから上部の上噴水体まで
の配管の距離を縮めることができるとともに導水パイプ
の位置的な高さを高くする必要がなくなり、必要以上に
大きなパワーの洗浄ポンプは必要なくなる。

【００１１】更に、扉が閉められると、上食器籠は弾性
体を介して洗浄室の対向面側に押し込まれるので、上噴
水体は対向面側に設けられた導水パイプの端部と確実に
接続する。従って上噴水体と導水パイプとの接続箇所か
らの水漏れがなくなり、上噴水体から十分な水が食器に
噴射されるようになる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例につき図面を参照し
て説明する。

【００１３】まず、図１には食器洗浄機全体の外箱１を
示しており、内部に内箱２によって洗浄室３を形成し、
操作部４を備えた前面部には、その洗浄室３の出入口５
を回転軸６を中心に上下に回動する扉７を設けている。

【００１４】洗浄室３の底部には、貯水部８を形成して
おり、これに対して、その外方部には洗浄ポンプ９を配
設し、この洗浄ポンプ９のケーシング１０の吸水口１１
を貯水部８に連通させている。また、そのケーシング１
０内には羽根車１２を内設しており、この羽根車１２を
ケーシング１０外に配設したモータ１３により回転駆動
するようにしている。

【００１５】一方洗浄室３の底部上には、接続パイプを
兼ねるアーム台１４を固定して設けており、これに洗浄
ポンプ９のケーシング１０の二つある内の一方の吐水口
１５を接続している。また、このアーム台１４の上端部
には、噴水体である下部回転スプレーアーム１６を回転
自在に接続支持させて設けており、その直上に下食器籠
１７を洗浄室３の前記出入口５から図示しない周知のガ
イド機構により水平方向に出し入れ可能に収納して設け
ている。洗浄室３の内部上方には、上食器籠１８を洗浄
室３の前記出入口５から図示しないガイド機構により水
平方向に出し入れ可能に収納して設けている。

【００１６】この上食器籠１８の枠の一部分を形成する
前部のワイヤー１９には、円柱のチューブに斜めに切り
込み２０ａを入れた合成ゴム等からなる弾性体２０を前
部のワイヤー１９のほぼ中央部に回転可能に取付けてあ
る。

【００１７】また、上食器籠１８の外底部には扉７との
対向面２１から扉７に指向する接続パイプ２２が取付け
られ、この接続パイプ２２の先端部には、上部回転スプ
レーアーム２３がナット２４により回転自在に取付けて
接続支持されており、これら接続パイプ２２と上部回転
スプレーアーム２３とにより上噴水体２５が構成されて
いる。なお、この上部回転スプレーアーム２３はその回
転径を前記下部回転スプレーアーム１６のそれよりも小
さく定めている。

【００１８】前記対向面２１外方には、洗浄ポンプ９と
上噴水体２５とを連通する導水パイプ２６が設けられて
いる。この導水パイプ２６は、洗浄ポンプ９のケーシン
グ１０の他方の吐水口２７に接続すると共に対向面２１
外方に立設したパイプ主体２８と、上噴水体２５に対向
する位置に設けた継手２９とによって構成されている。

【００１９】前記継手２９には、図３に示すように接続
口体３０が対向面２１の内側に取付けられており、この
接続口体３０の吐出口３１は、接続パイプ２２端部にラ
ッパ状に形成した接続部３２に対し、水平方向に接続自
在になっている。次に、上記構成につきその作用につい
て説明する。

【００２０】扉７を回転軸６を中心にして下方に回動し
て開けて、食器を上食器籠１８および下食器籠１７に配
設した後、図示しないガイド機構を介することにより上
食器籠１８および下食器籠１７を摺動させて洗浄室３内
に収納する。この場合ラッパ状の接続部３２は接続口体
３０にほぼ一致した位置に来る。

【００２１】そして、扉７を回転軸６を中心に上方に回
動させる。このとき扉７が完全に閉まる少し前に扉７の
内面が上食器籠１８前面に取付けられたに弾性体２０に
接触し、扉７をさらに閉めると弾性体２０はワイヤー１
９を僅かの回転運動を受けて押圧され、上食器籠１８は
洗浄室３の奥に押し込まれることになり、扉７が完全に
閉まった状態では、接続部３２は接続口体３０に水密に
接合する。

【００２２】そして、操作部４を操作して運転を開始さ
せると、洗浄室３に供給されて貯水部８に溜められた水
が、洗浄ポンプ９により、吐水口１５からアーム台１４
を通って下部回転スプレーアーム１６に供給されると共
に、吐水口２７から導水パイプ２６および接続パイプ２
２を通して上部回転スプレーアーム２３に供給される。

【００２３】そこで、下部回転スプレーアーム１６は下
食器籠１７内に収容された食器に向け、また、上部回転
スプレーアーム２３は上部食器籠１８に収容された食器
に向けてそれぞれ噴水し、同時にその噴水反力によって
回転することで、それら下食器籠１７および上食器籠１
８内に収容された食器を洗浄する。また、洗浄後、図４
に示すように、扉７を開けて上食器籠１８を引き出せ
ば、それに伴って、上噴水体２５も引き出され、導水パ
イプ２６から離される。

【００２４】上記構成のものによれば、上食器籠１８に
対して、上部回転スプレーアーム２３もまた、接続パイ
プ２２も共にそれの外底部に設けたので、従来のように
ノズルが下食器籠を貫通したり、或いは、接続パイプが
上食器籠を貫通したりしたものと違い、下食器籠１７
も、また上食器籠１８もそれぞれその中を貫通するもの
ものがなく、それら下食器籠１７および上食器籠１８の
有効内容積を大きくすることができる。

【００２５】また、上食器籠１８の外底部に接続パイプ
２２を設け、それを導水パイプ２６に対して前記上食器
籠１８の出し入れする水平方向に接続可能にしたことに
より、従来の洗浄ポンプに連通して上方から臨んだ吐出
パイプに、上食器籠を上下に貫通した接続パイプの上端
部を対応させて接続したものと違い、洗浄ポンプ９から
上部回転スプレーアーム２３までの配管を位置的に低く
することができると共に、距離も短くもすることが出来
るので、洗浄ポンプ９に大能力を必要とすることを避け
得、コストも安くすることができる。

【００２６】加えて、上噴水体２５を上食器籠１８に設
けたことにより、上噴水体２５を内箱２に支持させて設
ける場合のようないわゆる片持ち支持とすることがない
ため、強度的に優れたものとすることもできる。さら
に、この場合上部回転スプレーアーム２３が上食器籠１
８と共に引き出されるので、掃除がし易くなる。

【００２７】そして特に上記構成のものでは、上部回転
スプレーアーム２３を下部回転スプレーアーム１６より
回転径の小さなものとしたことにより、下食器籠１７の
前部に大皿などの大型の食器を収容することも可能とな
る。

【００２８】また、扉７を閉めると弾性体２０を介して
上食器籠１８は奥に押されるため、上噴水体２５と導水
パイプ２６とが確実に接続されるので、洗浄ポンプ９か
ら送出された水は接続口体３０近傍から漏れてしまうと
いったことを防ぐことができる。

【００２９】また、上食器籠１８はガイド機構を介して
出し入れ自在にしているが、一般にこのガイド機構を用
いる構成にすると上食器籠１８はガイド機構に対して余
裕を持った寸法に設定しているため、扉７が閉まる方向
に回動する扉７に応動して上食器籠１８は持ち上がろう
とするが、弾性体２０は回転するため、上食器籠１８は
扉７の閉塞動作につれて持ち上がることなく、奥に押し
込まれるので、上噴水体２５と導水パイプ２６との接続
がより確実なものとなるとともに、運転中に上食器籠１
８が上下に振動することがなくなり、食器を傷つけてし
まうことを防止することもできる。

【００３０】さらに、弾性体２０はチューブに切り込み
２０ａを入れたもので形成したので、上食器籠１８の枠
をすべて形成した後に、弾性体２０をその切り込み２０
ａの端部から前部のワイヤー１９に巻き付けて取付ける
ことができるので、その取付けが容易になった。次に、
第２の実施例につき、第１の実施例と異なるところのみ
を図５および図６にて説明する。

【００３１】枠体のみにより構成された上食器籠４０
は、洗浄室３の内部の上方にスライド機構によって収容
されるものであり、この上食器籠４０を洗浄室３内に収
容したときに、この上食器籠４０の前部のワイヤー４１
と当接する位置に対応するように洗浄室３の前面に設け
られた回動自在な扉４２には、合成ゴムからなる弾性体
４３がなべ小ねじ４４によって取付けられている。この
弾性体４３は平坦な基部４５の中央に一方向に向かって
高くなるリブ４６を有し、リブ４６の山の高いほうを上
にして扉４２に取付けてある。

【００３２】この構成のものでは、扉４２を回動させて
閉塞すると上食器籠４０の前部のワイヤー４１に弾性体
４３のリブ４６の山の高いほうが先に当接し、上食器籠
４０を奥に押し込む。このとき、上食器籠４０が奥に押
し込まれるにつれて、ワイヤー４１はリブ４６の山の高
いほうから低い方に向って摺動する。

【００３３】この第２の実施例の構成のものでは、上食
器籠４０がリブ４６に押されて奥に押し込まれるとき
に、同時にリブ４６の山の高い方から低い方に摺動する
ので、上食器籠４０は下方に押し付けられるため、扉４
２が完全に閉まったときには、上食器籠４０の上下方向
への固定が一層確実になり、運転中に上食器籠４０が上
下に振動することがなくなり、食器を傷つけてしまうこ
とを防止することができる。また、なべ小ねじ４４を使
用したため、弾性体４３の取付けによるそこの箇所から
の水漏れを確実に防止することができる。

【００３４】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、弾性体は扉を閉じたときに上食器籠
を奥に押し込むことが出来るものであれば、その構造は
いかなるものであっても良いし、摺動性の良い材料を用
いれば、合成ゴムに限らず、様々な材料で作成しても良
い。また、扉の位置は操作部の付いた前面ではなく側方
であっても良いなど、種々の変形が可能である。

【００３５】

【発明の効果】本発明は、水平方向に摺動させて洗浄室
内部の上方に収容する上食器籠を設け、扉との対向面側
に洗浄ポンプと連通する導水パイプを設け、前記上食器
籠の底部に上噴水体を設け、この上噴水体を上食器籠の
出し入れ方向に前記導水パイプの端部と脱着可能にし、
扉を閉めた場合に扉の内面側と上食器籠の前部との間に
位置し扉と上食器籠を反対方向に付勢する弾性体とを設
けたので、食器籠の有効内容積を大きく出来ると共に、
導水パイプから確実に上噴水体に水を送出することがで
きる食器洗浄機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す全体の縦断面図

【図２】弾性体の斜視図

【図３】主要部分の縦断面図

【図４】上部食器籠取出し状態での全体の縦断面図

【図５】本発明の第２の実施例を示す全体の縦断面図

【図６】本発明の第２の実施例の弾性体の斜視図

【符号の説明】

３ 洗浄室 ７，４２ 扉 ９ 洗浄ポンプ １８，４０ 上食器籠 ２０，４３ 弾性体 ２１ 対向面 ２３ 上部回転スプレーアーム ２５ 上噴水体 ２６ 導水パイプ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄室側面に設けられた扉と、水平方向
   に摺動させて洗浄室内部の上方に収容する上食器籠と、
   洗浄ポンプと連通して前記洗浄室の扉と対向する対向面
   側に立設し洗浄ポンプと反対側の端部を洗浄室内部の上
   方に配設した導水パイプと、前記上食器籠の底部に位置
   して上食器籠の出し入れ方向にこの導水パイプと脱着可
   能に設けられた上噴水体と、前記扉を閉めた場合に扉の
   内面側と上食器籠の前部との間に位置し扉と上食器籠を
   反対方向に付勢する弾性体とを備えたことを特徴とする
   食器洗浄機。