JP3182060B2 - エアマット装置 - Google Patents

エアマット装置

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JP3182060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病人等が長期に渡
って床に伏せる場合などに生じる褥瘡を予防するための
エアマット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】寝返りを自ら打てない病人等が長期に渡
って床に伏していると、床ずれが体に生じる場合があ
る。床ずれの原因としては、寝返りが打てないことによ
り寝具からの体圧が身体の一定個所に集中して血行不良
が生じること、体力の衰えや栄養状態の悪化、あるいは
汗等による過湿によっての細菌の繁殖等が要因といわれ
ている。
【0003】このような床ずれを防止するため、例えば
図6に示すような医療用のエアマットが開発されてい
る。このエアマット10は、図に示すように、袋状のエ
アセル11を、マット本体12上に20本ほど並べて配
置して、これらのエアセル11にエアポンプ13からエ
アを送り込むようにしたものである。
【0004】エアポンプ13からのエアの移送路は、こ
の例では2本あり、配置されたエアセル11の奇数番の
エアセル11aからなるグループA(A系統セル)には
エア移送路14を介してエアを送り、偶数番のエアセル
11bからなるグループB(B系統セル)にはエア移送
路15を介してエアを送り込むように構成されている。
【0005】また、エアポンプ13内には、図7(a)
に示すような分配器20が配置されている。該分配器2
0は、3方弁として構成されており、回転部21、固定
部22、モータ23からなる。回転部21は円盤状に形
成されており、その内面を見ると、図7(b)に示すよ
うに、中心部に中心孔21aが設けられており、その周
辺には溝21b,21cが形成されていて、溝21cの
中には貫通孔21dが設けられている。また、外面は、
図7(a)に示すように、中心部を通り左右に渡って直
線状に溝21eが形成されており、その中心には前記中
心孔21aが開いている。
【0006】一方、固定部22は、円盤状の本体22a
を有し、中心部には中心孔22bが設けられており、外
周部には3個の円筒状の突起22c,22d,22eが
形成されている。また、本体22aの周縁部近傍には3
個の孔22c′,22d′,22e′が設けられてお
り、これらの孔は前記円筒状の突起22c,22d,2
2eの中空部とそれぞれ連通している。
【0007】また、モータ23は、パルスモータなどか
らなり、回転軸23aの先端部には孔23bが設けられ
ていて、該回転軸23aを固定部22の中心孔22bと
回転部21の中心孔21aを通して、その孔23bに棒
状のストッパ24を差し込み、更に該ストッパ24を回
転部21の溝21eに嵌め込むように構成している。ま
た、モータ23の回転軸23aの周囲にはコイルスプリ
ング25が配置されていて、固定部22と回転部21と
が該コイルスプリング25の付勢力で密着するようにな
っている。
【0008】固定部22は、図示せぬ構造によって動か
ないようになっており、モータ23が駆動されて回転軸
23aが回転すると、分配器20の回転部21だけが回
転するようになっている。
【0009】そして、固定部22の突起22eには、図
8に示すように、ポンプユニット13aからのエア送出
用のチューブ16が接続されており、また突起22cに
はA系統セルが、突起22dにはB系統セルがそれぞれ
エア移送路14、15により連通・連結されている。
【0010】ポンプユニット13aからエアが送出され
ると、チューブ16を通って固定部22の突起22eか
ら孔22e′に抜け、回転部21の溝21bを通って、
更に固定部22の孔22c′あるいは22d′から突起
22cあるいは22dを介してA系統セルかB系統セル
に送られる。この切換えは回転部21の回転により行わ
れる。また、エアセルの収縮は回転部21に設けられた
溝21cのところに固定部22の孔22c′又は22
d′が対向すると、エアセルのエアが溝21cの孔21
dから抜けることによって行われる。
【0011】ところで、エア圧力の検知は、チューブ1
6の途中で分岐された部分に配置された圧力センサ17
により行われ、該圧力センサ17の検知したエア圧の情
報はポンプユニット13aにフィードバックされて、予
め設定したエア圧になるようにエアセル内のエア圧を制
御している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した位
置に圧力センサ17を配置した場合に、ポンプユニット
13aが作動した際、3方弁からなる分配器20やエア
移送路14、15等が負荷となるため、圧力センサ17
側とA,B系統セル側との圧力に差が生じてしまうこと
になる。この結果、ポンプユニットが作動しているとき
は、圧力センサ17側の圧力が高く、A,B系統セル側
が低くなり、ポンプユニットが停止すると静圧となっ
て、A,B系統セル、3方弁、ポンプユニットの圧力が
均一になろうとする。このため、圧力センサが検出して
いる圧力は、ポンプユニットが作動中には高めに出て、
ポンプが停止した途端に低くなり、ポンプのオンオフを
繰り返しながら静圧の状態で完全に設定値以上になった
ところで落ちつくといった現象が生じている。
【0013】そこで、本発明は、ポンプのオンオフを繰
り返すことなく、エアセルをすみやかに設定したエア圧
にすることができるエアマット装置の提供を目的とする
ものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエアマット
装置は、上述目的に鑑みなされたものであって、袋状の
エアセルを複数本並設し、かつこれらを複数のグループ
に分けてそれぞれ連通させるとともに、これら各グルー
プとエアポンプ間のエア移送路を切り換える分配器を配
置して、該分配器の回転部の回転により、各グループ毎
に膨張・収縮させるように構成するとともに、前記各グ
ループのエアセルに帰還路を延設し、さらに前記分配器
に新たな導通路を形成して該導通路にエアセルからの前
記帰還路を接続するとともに、1個の圧力センサを接続
して、回転部の回転により膨張している状態のエアセル
のグループのエア圧が圧力センサに加わるようにしてエ
アセル内のエア圧を予め定めた値に制御するようにした
ことを特徴としている。なお、この場合に、分配器とし
て、2個の同期して動く3方弁で構成してもよく、また
6方弁で構成してもよい。
【0015】その際に、前記分配器の回転部に突出部を
設けるとともに、該突出部の当接・離間によりオンオフ
作動するリミットスイッチを配置して、いずれの圧力セ
ンサが現在膨張中のグループをセンシングしているのか
を判断するようにしてもよく、あるいは、該突出部によ
りオンオフ作動する光センサを配置して、いずれの圧力
センサが現在膨張中のグループをセンシングしているの
かを判断するようにしてもよい。
【0016】
【作用】本発明は、上述のように構成されているので、
エアポンプが作動して圧縮されたエアが送出されると同
時に、分配器の回転部が回転してエアセルのグループに
エアを送るエア移送路が切り換えられて、複数あるエア
セルのグループの何れかのエアセルのグループが膨張
し、他の何れかのグループが収縮する。そして、更に分
配器の回転部が回転することによって、今度は今まで膨
張していたグループが収縮して、逆に収縮していたグル
ープが膨張して、エアマット上に伏している身体を交互
に支えるように働く。
【0017】そして、そのときのエアセル内のエア圧
は、エアセルから直接取り出した帰還路によって分配器
を介して圧力センサへ導かれて検知され、予め設定した
エア圧と比較されて設定値になるようにエアポンプが制
御される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態の一例について説明する。なお、従来の技術の項
で説明したものと同一または相当する部分には同一符号
を付して説明を省略する。図1は、本発明の一実施の形
態例を模式図で示したものであり、A系統セル及びB系
統セルのエアセルに、エアセルの内部と連通するチュー
ブ等で構成した帰還路18、19が設けられており、そ
の帰還路18、19の先端部にはそれぞれ圧力センサ1
7a、17bが配置されている。
【0019】これら圧力センサ17a、17bの検知し
たエアセル内のエア圧の情報は、ポンプユニット13a
にフィードバックされて、エアセル内のエア圧が予め設
定したエア圧になるようにポンプのオンオフが制御され
る。
【0020】そして、これら圧力センサ17a、17b
のうちどちらの圧力センサが、現在膨張過程にある系統
セル(グループ)をセンシングしているかを知る必要が
ある。仮に、収縮過程にある系統セルのエア圧を検知し
ている圧力センサの情報に基づいてポンプ13aを作動
させると、膨張過程にある系統に過剰にエアを送出する
ことになり、エアセル内のエア圧を異常に高くしてしま
う恐れがある。
【0021】そこで、図2(a)に示すように、分配器
20の回転部21に、外側に突出した半円状の突出部3
0を設けて、更に図2(b)に示すように、該分配器2
0の近傍に前記突出部30の当接・離間によりオンオフ
作動するリミットスイッチ31を配置して、回転部21
の回転によってエアの移送路14,15切り換えられる
と同時に、どちらの圧力センサ17a、17bが現在膨
張中の系統セルをセンシングしているのかを判断するよ
うにした。
【0022】また、リミットスイッチ30に換えて、図
2(c)に示すように、発光素子と受光素子からなる光
センサ32を配置してどちらの圧力センサ17a、17
bが現在膨張中の系統セルをセンシングしているのかを
判断するようにしてもよい。なお、突出部30は回転部
21と一体に形成してもよく、あるいは別に上側から取
り付けるようにしてもよい。また、回転部21に突出部
30を設けないで、表面を一部黒く塗り、反射形の光セ
ンサで検出するようにすることもできる。
【0023】なお、上述の方法では、高価な圧力センサ
を2個使用しなければならないという点があるので、次
ぎに、圧力センサが1個で済むような構成を示す。
【0024】すなわち、図3に示すように、3方弁から
なる分配器20に同期して動く新たな3方弁からなる分
配器40を設けて、エアセルからの帰還路18,19を
接続するとともに、該分配器40の先の分配器20の突
起22eに該当するところに圧力センサ17を配置して
おく。分配器40は、分配器20と同様、固定部と回転
部があり回転部は分配器20の回転部21を回転させる
モータ23の回転軸23aによって回転させるように構
成されている。すなわち、1台のモータ23で、分配器
20,40の回転部を同時に回して、同時に系統が切り
換わるようにしたものである。なお、2台のモータによ
って、分配器20,40の回転部をそれぞれ同期して回
転させるようにしてもよい。
【0025】このように構成すると、A系統セルにエア
が送出されているときには、帰還路18と圧力センサ1
7とは連通状態になり、B系統セルにエアが送出されて
いるときには、帰還路19と圧力センサ17とは連通状
態になって、必ず膨張過程にある系統のセルのエア圧が
圧力センサ17にかかることになる。
【0026】また、図4に示すように、分配器の内部に
多数の導通路を形成して6方弁からなる分配器50を形
作り、エア注入路16、エア移送路14,15、帰還路
18,19さらに圧力センサ17を連結接続して、必ず
膨張過程にある系統のセルのエア圧が圧力センサ17に
かかるようにしてもよい。
【0027】この場合の分配器50の構造を例として、
図5(a),(b)あるいは、図5(c),(d)若し
くは図5(e),(f)に示す。図5(a),(b)
は、エアの出入口である突起が放射状に形成されたもの
で、(a)は回転部51の内側を示す図、(b)は固定
部52の内側を示す図である。一方、図5(c),
(d)は、エアの出入口である突起が2方向に並んで形
成されたもので、(c)は回転部51の内側を示す図、
(d)は固定部52の内側を示す図である。また、図5
(e),(f)は突起の位置をさらに変えたものであ
る。なお、図5(a),(b)と図5(e),(f)に
ついては、固定部に設けられた突起がどの系統に接続さ
れるかを示した。
【0028】但し、図5(a),(b)と(c),
(d)の分配器50の場合、A系統セルとB系統セルの
膨張・収縮の間隔を3方弁の分配機20の場合と同じく
するには、モータ23の回転速度を、3方弁による分配
器20の場合に比べて2分の1にする必要がある。な
お、分配器50の機能については従来例で示したものと
同様であるので説明は省略する。このように、分配器を
改良した方法によれば、圧力センサが1個で済むばかり
でなく、電気回路的にも構成が簡単になる。なお、上述
して実施の形態では、膨張・収縮する系統を、A系統セ
ルとB系統セルの2系統であったが、これに限らず、エ
アセルから直接エアを引き出してエア圧を検知する構成
は、1系統から適用することができる。また、現在膨張
中のセルをセンシングしている圧力センサを知る方法
は、3系統以上であっても同様に適用することが可能で
ある。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エアセル内のエア圧は、エアセルから直接取り出した帰
還路によって分配器を介して圧力センサへ導かれて検知
され、予め設定したエア圧と比較されて設定値になるよ
うにエアポンプが制御されるので、ポンプのオンオフを
繰り返すことなく、エアセルをすみやかに設定したエア
圧にすることができる。
【0030】この場合に、本発明によれば、圧力センサ
を1個用いればよいので、コストの削減が図れるのみな
らず、電気回路も簡単な構成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアマット装置の1実施形態例の
模式図である。
【図2】(a)本実施例に用いる3方弁からなる分配器
の斜視図、(b)分配器の近傍にリミットスイッチを配
置した状態の側面図、(c)分配器の近傍に光センサを
配置した状態の側面図である。
【図3】エア圧の検知方法として、3方弁を2個用いた
実施形態例である。
【図4】エア圧の検知方法として、6方弁を用いた実施
形態例である。
【図5】6方弁の構造を示す図で、(a),(b)ある
いは(c),(d)又は(e),(f)でそれぞれ1組
となり、(a),(c),(e)は回転部、(b),
(d),(f)は固定部である。
【図6】エアマット装置の斜視図である。
【図7】(a)は3方弁からなる分配器の分解斜視図、
(b)は回転部の内面を示す図である。
【図8】従来のエアマット装置の模式図である。
【符号の説明】
10 エアマット装置 11 エアセル 13 エアポンプ 13a エアポンプユニット 14 エア移送路 15 エア移送路 16 エア送出路 17 圧力センサ 18 帰還路 19 帰還路 20 分配器(3方弁) 21 回転部 22 固定部 23 モータ 30 突出部 31 リミットスイッチ 32 光センサ 50 分配器(6方弁)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 袋状のエアセルを複数本並設し、かつこ
    れらを複数のグループに分けてそれぞれ連通させるとと
    もに、これら各グループとエアポンプ間のエア移送路を
    切り換える分配器を配置して、該分配器の回転部の回転
    により、各グループ毎に膨張・収縮させるように構成す
    るとともに、前記各グループのエアセルに帰還路を延設
    し、さらに前記分配器に新たな導通路を形成して該導通
    路にエアセルからの前記帰還路を接続するとともに、1
    個の圧力センサを接続して、回転部の回転により膨張し
    ている状態のエアセルのグループのエア圧が圧力センサ
    に加わるようにしてエアセル内のエア圧を予め定めた値
    に制御するようにしたことを特徴とするエアマット装
    置。
  2. 【請求項2】 前記分配器は、2個の同期して動く3方
    弁で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    エアマット装置。
  3. 【請求項3】 前記分配器は、6方弁で構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のエアマット装置。
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