JP3181544B2 - A/d変換器及びa/d変換方法 - Google Patents
A/d変換器及びa/d変換方法Info
- Publication number
- JP3181544B2 JP3181544B2 JP31169897A JP31169897A JP3181544B2 JP 3181544 B2 JP3181544 B2 JP 3181544B2 JP 31169897 A JP31169897 A JP 31169897A JP 31169897 A JP31169897 A JP 31169897A JP 3181544 B2 JP3181544 B2 JP 3181544B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- analog signal
- circuit
- time
- output
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Analogue/Digital Conversion (AREA)
Description
ジタル値に変換するA/D変換器およびA/D変換方法
に関する。
す回路図である。図14において、51は変換対象のア
ナログ信号Vinを発生するアナログ信号源、52,53
は定電圧源、54は定電圧源52,53の出力電圧間を
等分割して参照電圧Vr1〜Vr7を生成する抵抗列、55
はアナログ信号源51からのアナログ信号Vinと抵抗列
54からの参照電圧Vr1〜Vr7との電圧差を各々増幅す
る増幅回路列、56は増幅回路列55の出力電圧をデジ
タル値に増幅し、保持するラッチ回路列、57はラッチ
回路列56の出力信号をA/D変換値にエンコードする
演算回路、58はラッチ回路列56および演算回路57
を動作させるクロック発生回路である。59はクロック
発生回路58の出力クロックの基準となるクロックの入
力端子、60は演算回路57によって演算されたA/D
変換値の出力端子である。
とVr4との間にあるとする。このとき、増幅回路列55
の第1〜3増幅回路は、正転入力電圧(アナログ電圧V
in)が反転入力電圧(参照電圧Vr1〜Vr3)よりも低い
ので負の電圧を出力する。一方、第4〜7増幅回路は、
正転入力電圧(アナログ電圧Vin)が反転入力電圧(参
照電圧Vr4〜Vr7)よりも高いので正の電圧を出力す
る。このように、増幅回路列55の出力電圧は、アナロ
グ信号Vinによって電圧の正負が切り替わる箇所が変化
するので、この切り替わりの箇所を基にしてアナログ信
号VinをA/D変換することができる。
電圧を論理電圧(VDD:1,Vss:0)に増幅し、
保持する。演算回路57は、ラッチ回路56の保持値を
図14に示すような3ビットのA/D変換値に変換す
る。すなわち、参照電圧Vr7よりも低い電圧は“00
0”、参照電圧Vr1よりも高い電圧は“111”、電圧
Vr1とVr7との間の電圧は“001”〜“110”に変
換される。この例では、ラッチ回路列56の保持値は
“0001111”となり(増幅回路の出力電圧が負の
ときラッチ回路の保持値は“0”、正のときはラッチ回
路の保持値は“1”とする)、演算回路57によってア
ナログ信号Vinは“100”に変換され、このデータ
“100”は出力端子60から出力される。
A/D変換器には以下のような問題がある。
は、アナログ信号Vinと参照電圧Vr1〜Vr7との電圧差
を増幅する各差動増幅回路の出力電圧の正負をA/D変
換の情報として用いていた。言い換えると、アナログ信
号と各参照電圧との大小関係にしたがってA/D変換を
行っていた。
は、各参照電圧の差すなわち定電圧源52,53の出力
電圧差を分割する際の刻み幅によって決定される。例え
ば8ビットのA/D変換器を構成するためには、定電圧
源52,53の出力電圧差を256(=28 )階調に分
割する必要がある。定電圧源52,53の出力電圧差を
2Vとすると、1階調あたりの電圧は約8mVとなる。
は、1階調当たりの電圧をさらに小さくする必要があ
る。
回路は理想的な回路であるものとして取り扱ったが、実
際の差動増幅回路はオフセット電圧を持つ。このため、
1階調当たりの電圧を小さくすると相対的にオフセット
電圧の影響が大きくなり、この結果、変換精度が向上し
ないという問題があった。
ると、実質上の参照電圧は、参照電圧Vr3とオフセット
電圧Vosとの和になる。このとき、本来はアナログ信号
Vinが参照電圧Vr3と等しくなるときを境にして出力電
圧の正負が替わるべきであるにも拘らず、実際には、ア
ナログ信号Vinが電圧(Vr3+Vos)と等しくなるとき
を境にして出力電圧の正負が替わることになる。
の誤差は±4mVとされているため1階調当たりの電圧
は4〜12(8±4)mVでなければならず、前記の問
題を防止するためにはオフセット電圧Vosは±4mV以
内でなければならない。
ト電圧Vosは、±10mV以上(MOSトランジスタ
の場合)である。したがって、MOSトランジスタを用
いた場合には、従来の技術では8ビット以上のA/D変
換器を実現することができない。
器およびA/D変換方法として、増幅回路のオフセット
電圧の影響を受けることなく、高速かつ高精度のA/D
変換を実現できるようにすることを課題とする。
め、本発明は、アナログ信号をディジタル値に変換する
A/D変換として、変換対象のアナログ信号の電圧と所
定の参照電圧との電圧差を増幅する複数の増幅回路を用
い、前記各増幅回路の増幅速度を基にして前記アナログ
信号を表すディジタル値を求めるものである。増幅回路
は、アナログ信号と参照電圧との電圧差が大きいほど増
幅速度が早くなる(増幅時間が短くなる)一方、アナロ
グ信号と参照電圧との電圧差が小さいほど増幅速度が遅
くなる(増幅時間が長くなる)ため、各増幅回路の増幅
速度の違いは前記アナログ信号の電圧と各増幅回路の参
照電圧との電圧差の違いを表すことになる。このため、
各増幅回路の増幅速度を基にしてA/D変換を行うこと
によって、アナログ信号と各参照電圧との大小関係のみ
をA/D変換の情報としていた従来技術では求めること
ができなかった,各参照電圧間におけるアナログ信号の
位置を求めることができる。したがって、増幅回路が本
質的に有するオフセット電圧のばらつきによって制限さ
れていた従来のA/D変換精度の限界を越えて、より高
精度のA/D変換を実現することができる。
段は、アナログ信号をディジタル値に変換するA/D変
換器として、変換対象のアナログ信号の電圧と所定の参
照電圧との電圧差を増幅する複数の増幅回路と、前記複
数の増幅回路の増幅時間をそれぞれ計数し、各増幅回路
の増幅時間を表す値を出力する時間計数手段と、前記時
間計数手段から出力された複数の値を基にして前記アナ
ログ信号を表すディジタル値を演算する演算手段とを備
え、前記時間計数手段は、時間の経過と共に変化する信
号を出力する発振回路と、前記複数の増幅回路各々に対
応して設けられており、対応する増幅回路の出力電圧が
所定の電圧に達したとき、前記発振回路の出力信号を保
持する複数の保持回路列とを備え、前記複数の保持回路
列が保持した信号を基にして各増幅回路の増幅時間を表
す値を求めるものであり、前記発振回路は、リング状に
接続された複数の遅延回路からなり、発振により信号の
遷移が循環する遅延回路リングを備え、前記遅延回路リ
ングを構成する遅延回路の出力信号を当該発振回路の出
力信号とするものである。
1のA/D変換器において、前記増幅回路は、第1のク
ロック信号にしたがって一定の電圧を出力するリセット
動作と増幅動作とが切り替わるものとし、前記発振回路
は、周波数が一定である第2のクロック信号を基準にし
て前記遅延回路リングの発振周波数を一定に制御するフ
ェーズ・ロック・ループ(PLL)が構成されており、
前記第1および第2のクロック信号は、前記増幅回路の
増幅動作の開始と前記時間計数手段の計数動作の開始と
が合致するようにその周波数および位相が設定されてい
るものとする。
は、アナログ信号をディジタル値に変換するA/D変換
器として、変換対象のアナログ信号の電圧と所定の参照
電圧と の電圧差を増幅する複数の増幅回路と、前記複数
の増幅回路の増幅時間をそれぞれ計数し、各増幅回路の
増幅時間を表す値を出力する時間計数手段と、前記時間
計数手段から出力された複数の値を基にして前記アナロ
グ信号を表すディジタル値を演算する演算手段とを備
え、前記演算手段は、前記時間計数手段から出力された
複数の値を基にして、前記複数の増幅回路の中から、参
照電圧が前記アナログ信号の電圧よりも高い第1の増幅
回路と参照電圧が前記アナログ信号の電圧よりも低い第
2の増幅回路とを特定し、前記第1の増幅回路の参照電
圧と前記第2の増幅回路の参照電圧との間を前記第2の
増幅回路の増幅時間と前記第1の増幅回路の増幅時間と
の比で内分する点の電圧を前記アナログ信号の電圧と判
定するものである。
は、アナログ信号をディジタル値に変換するA/D変換
器として、変換対象のアナログ信号の電圧と所定の参照
電圧との電圧差を増幅する複数の増幅回路と、前記複数
の増幅回路の増幅時間をそれぞれ計数し、各増幅回路の
増幅時間を表す値を出力する時間計数手段と、前記時間
計数手段から出力された複数の値を基にして前記アナロ
グ信号を表すディジタル値を演算する演算手段とを備
え、前記複数の増幅回路は、複数の群に分けられてお
り、前記時間計数手段は、前記複数の増幅回路の各群に
対応してブロックに分けて構成されているものである。
は、アナログ信号をディジタル値に変換するA/D変換
器として、変換対象のアナログ信号の電圧と所定の参照
電圧との電圧差を増幅する複数の増幅回路と、前記各増
幅回路の増幅速度を基にして前記アナログ信号を表すデ
ィジタル値を求める変換部とを備え、前記変換部は、前
記複数の増幅回路のうち、参照電圧が前記アナログ信号
の電圧よりも低い増幅回路については正転出力電圧およ
び反転出力電圧のうちのいずれか一方の出力電圧を、参
照電圧が前記アナログ信号の電圧よりも高い増幅回路に
ついては正転出力電圧および反転出力電圧のうちの他方
の出力電圧を、それぞれ基にして、前記アナログ信号を
表すディジタル値を求めるものである。
5のA/D変換器における変換部は、前記複数の増幅回
路の増幅時間を、参照電圧が前記アナログ信号の電圧よ
りも低い増幅回路については正転出力電圧および反転出
力電圧のうちのいずれか一方の出力電圧を、参照電圧が
前記アナログ信号の電圧よりも高い増幅回路については
正転出力電圧および反転出力電圧のうちの他方の出力電
圧をそれぞれ基にして計数する時間計数手段と、前記時
間計数手段によって計数された各増幅回路の増幅時間を
基にして前記アナログ信号を表すディジタル値を演算す
る演算手段とを備えているものとする。
段から出力された複数の値は、変換対象のアナログ信号
の電圧と所定の参照電圧との電圧差を増幅する各増幅回
路の増幅時間を表している。増幅回路の増幅時間は、例
えば増幅回路の出力電圧が、起点となる電圧から所定の
電圧に達するまでの時間とすればよい。すでに説明した
ように各増幅回路の増幅速度の違いはアナログ信号の電
圧と各増幅回路の参照電圧との電圧差の違いを表すの
で、各増幅回路の増幅時間もまた、アナログ信号の電圧
と各増幅回路の参照電圧との電圧差に対応する。このた
め、演算手段によって、前記時間計数手段から出力され
た複数の値を基にして、各参照電圧間におけるアナログ
信号の位置を求めることができるので、前記アナログ信
号を表すディジタル値を従来よりも高精度に演算するこ
とができる。したがって、増幅回路が本質的に有するオ
フセット電圧のばらつきによって制限されていた従来の
A/D変換精度の限界を越えて、より高精度のA/D変
換を実現することができる。
回路から出力された時間の経過と共に変化する信号は、
増幅回路の出力電圧が所定の電圧に達したとき前記増幅
回路に対応する保持回路列によって保持される。このた
め、保持回路列に保持された信号は、対応する増幅回路
の増幅時間に応じた信号となる。したがって、時間計数
手段は、保持回路列に保持された信号を基にすることに
より、各増幅回路の増幅時間を表す値を確実に求めるこ
とができる。
によって、第1の増幅回路の参照電圧と第2の増幅回路
の参照電圧との間におけるアナログ信号の位置を、前記
第1の増幅回路の増幅時間と前記第2の増幅回路の増幅
時間とを用いて精度良く求めることができるので、前記
アナログ信号を表すディジタル値を従来よりも高精度に
演算することができる。また、計測した増幅時間を相対
比較することによりA/D変換を行うので、電源電圧、
温度による変換誤差を抑制しA/D変換精度を向上させ
ることができる。
換器をLSIに配置する際のレイアウト上の自由度が高
くなる。
ログ信号のA/D変換に用いられる増幅回路の出力電圧
が、増幅の基準となる電圧よりも高い側又は低い側のい
ずれか一方の側に集中することになる。したがって、各
増幅回路のオフセット電圧の影響が相殺されるので、A
/D変換の精度が向上する。
路の増幅時間はアナログ信号の電圧と各増幅回路の参照
電圧との電圧差に対応するため、計数した各増幅回路の
増幅時間を基にして各参照電圧間におけるアナログ信号
の位置を求めることができるので、前記アナログ信号を
表すディジタル値を従来よりも高精度に演算することが
できる。
は、アナログ信号をディジタル値に変換するA/D変換
方法として、変換対象のアナログ信号の電圧と、互いに
異なる所定の参照電圧との電圧差をそれぞれ増幅する複
数の増幅回路を用い、前記各増幅回路の増幅速度を基に
して、前記アナログ信号を表すディジタル値を求めるも
のであり、参照電圧が前記アナログ信号の電圧よりも高
い第1の増幅回路が増幅に要した第1の時間、および参
照電圧が前記アナログ信号の電圧よりも低い第2 の増幅
回路が増幅に要した第2の時間を求める第1の工程と、
前記第1の増幅回路の参照電圧と前記第2の増幅回路の
参照電圧との間を前記第2の時間と前記第1の時間との
比で内分する点の電圧を、前記アナログ信号の電圧と判
定する第2の工程とを備えたものである。
の参照電圧と第2の増幅回路の参照電圧との間における
アナログ信号の位置を、前記第1の増幅回路の増幅時間
と前記第2の増幅回路の増幅時間とを用いて精度良く求
めることができるので、前記アナログ信号を表すディジ
タル値を従来よりも高精度に演算することができる。ま
た、計測した増幅時間を相対比較することによりA/D
変換を行うので、電源電圧、温度による変換誤差を抑制
しA/D変換精度を向上させることができる。
7のA/D変換方法における第1の工程は、前記第1の
時間を、前記第1の増幅回路の正転出力電圧および反転
出力電圧のうちのいずれか一方の電圧を基にして求める
一方、前記第2の時間を、前記第2の増幅回路の正転出
力電圧および反転出力電圧のうちの他方の電圧を基にし
て求めるものとする。
号のA/D変換に用いられる第1および第2の増幅回路
の出力電圧が、増幅の基準となる電圧よりも高い側又は
低い側のいずれか一方の側に集中することになる。した
がって、第1および第2の増幅回路のオフセット電圧の
影響が相殺され、A/D変換の精度が向上する。
は、アナログ信号をディジタル値に変換するA/D変換
器として、変換対象のアナログ信号の電圧と、互いに異
なる所定の参照電圧との電圧差をそれぞれ増幅する複数
の増幅回路と、前記複数の増幅回路の増幅時間をそれぞ
れ計数し、各増幅回路の増幅時間を表す値を出力する時
間計数手段と、前記時間計数手段から出力された複数の
値を基にして、いずれかの参照電圧間における前記アナ
ログ信号の位置を特定し、この特定結果から前記 アナロ
グ信号を表すディジタル値を演算する演算手段とを備え
たものである。
A/D変換器について図面を参照しながら詳細な説明を
行う。
換器の構成を示す回路図である。図1において、1は変
換対象のアナログ信号Vinを発生するアナログ信号源、
2は参照電圧の上限となる電圧を出力する第1の定電圧
源、3は参照電圧の下限となる電圧を出力する第2の定
電圧源、4は後述する増幅回路列10を構成する各差動
増幅回路10a〜10hを駆動する第1のクロック信号
としての基本クロックS1 を出力する第1のクロック発
生源、5は後述する第1および第2の発振回路30A,
30Bを駆動する第2のクロック信号としてのPLL用
クロックS2 を出力する第2のクロック発生源、6は直
列に接続された複数の抵抗からなり、第1の定電圧源2
と第2の定電圧源3との出力電圧差を分割することによ
って参照電圧Vr1〜Vr8を生成する抵抗列、7はアナロ
グ信号VinをA/D変換した結果であるディジタル値を
出力する出力端子である。
出力された参照電圧Vr1〜Vr8との電圧差を増幅する第
1〜第8の差動増幅回路10a〜10hからなる増幅回
路列である。例えば第1の差動増幅回路10aは、アナ
ログ信号Vinと参照電圧Vr1との電圧差を増幅して正転
出力電圧a+および反転出力電圧a−を出力する。同様
に、第2〜第8の差動増幅回路10b〜10hはそれぞ
れ、アナログ信号Vinと参照電圧Vr2〜Vr8との電圧差
を増幅して、正転出力電圧b+〜h+および反転出力電
圧b−〜h−を出力する。
てのフリップフロップ列(FF列)を複数個備えた第1
および第2のフリップフロップ列群、30A,30Bは
フェーズ・ロック・ループ(PLL)で構成された第1
および第2の発振回路であり、これらは、増幅回路列1
0を構成する各差動増幅回路10a〜10hの増幅速度
(増幅時間)を測定するものである。第1のフリップフ
ロップ列群20Aを構成する各FF列は、第1の発振回
路30Aの出力信号I1 〜I5 を用いて、第1〜第4の
差動増幅回路10a〜10dの出力電圧a−,a+〜d
−,d+が起点となる電圧から基準となる電圧に変化す
るまでの時間を表すディジタル値O1+,O1−〜O4
+,O4−を出力する。同様に、第2のフリップフロッ
プ列群20Bを構成する各FF列は、第2の発振回路3
0Bの出力信号I1 〜I5 を用いて、第5〜第8の差動
増幅回路10e〜10hの出力電圧e−,e+〜h−,
h+が起点となる電圧から基準となる電圧に変化するま
での時間を表すディジタル値O5+,O5−〜O8+,
O8−を出力する。第1および第2のフリップフロップ
列群20A,20B、並びに第1および第2の発振回路
30A,30Bによって、時間計数手段71が構成され
ている。
列群20A,20Bから出力された,増幅回路列10の
各差動増幅回路10a〜10hの増幅速度または増幅時
間を表すディジタル値O1+,O1−〜O8+,O8−
を基にして、下位のA/D変換のための演算を行う時間
演算回路である。42は時間演算回路41の出力データ
を基にして、A/D変換値を演算する変換値演算回路で
ある。43は第1のクロック発生源4から出力された基
本クロックS1 を基にして時間演算回路41および変換
値演算回路42を動作させるクロック信号を発生するク
ロック発生回路である。時間演算回路41および変換値
演算回路42によって、演算手段72が構成されてい
る。時間計数手段71および演算手段72によって、各
差動増幅回路10a〜10hの増幅速度を基にして、変
換対象のアナログ信号Vinを表すディジタル値を求める
変換部が構成されている。
変換器の主要部について、図2〜図5を用いてさらに詳
細に説明する。
回路10a〜10hについて説明する。図2は本実施形
態に係るA/D変換器における増幅回路列10を構成す
る差動増幅回路10a〜10hの一例を示す図であり、
同図中、(a)は差動増幅回路の構成の一例を示す回路
図、(b)は(a)に示す差動増幅回路の動作を示すタ
イミングチャートである。図2(a)において、11,
12a,12b,15,16a,16bはP型MOSト
ランジスタ(以下「PMOS」という)であり、13
a,13b,14a,14bはN型MOSトランジスタ
(以下「NMOS」という)である。
が印加されており定電流源となっている。PMOS12
a,12bは差動ペアの構成であり、PMOS12aの
ゲート端子(差動増幅回路の正転入力端子)にはアナロ
グ信号Vinが入力される一方、PMOS12bのゲート
端子(差動増幅回路の反転入力端子)には参照電圧VrN
(N=1〜8)が入力される。NMOS13a,13b
は、ゲート端子に定電圧VB2が印加されており定電流源
となっている。
らPMOS12a,12bのソース同士が接続された端
子に流れ込む電流をI1 とし、NMOS13a,13b
が端子A,Bから引き込む電流を各々I2 とし、NMO
Sトランジスタ14a,14bから端子A,Bに入る電
流を各々I3 とする。入力電圧Vinと参照電圧VrNとが
等しいときは、PMOS12a,12bに流れる電流は
等しくなり各々(I1/2)となる。このとき、端子
A,Bにおいて、次式のような関係が成り立つ。 I1 /2−I2 +I3 =0 …(1)
式(1)が成り立つ。このとき、PMOS15は閉状態
(ON状態)であるか開状態(OFF状態)であるかに
拘らずドレイン−ソース間に電流が流れないので、差動
増幅回路の出力端子における電圧は変化しない。すなわ
ち、差動増幅回路が平衡状態であるときの正転出力電圧
Vout(+),反転出力電圧Vout(-)は等しくなる。
“L”レベルのときはPMOS15は閉状態(ON状
態)になり、正転入力電圧Vinと反転入力電圧VrNの値
に拘らず差動増幅回路の出力電圧は正転・反転とも電圧
Vsになる。例えば、正転入力電圧Vinが反転入力電圧
VrNよりも高いときはPMOS12bには(I1 /2)
よりもΔIだけ多くの電流が流れるが、電流I2 はNM
OS13bのゲート電圧が定電圧VB2であるため変化し
ないので、端子Bに流れ込む電流I3 は端子Bにおける
キルヒホッフの電流則からΔIだけ減少する。同様にP
MOS12aには(I1 /2)よりもΔIだけ少ない電
流が流れるが、電流I2 はNMOS13aのゲート電圧
が定電圧VB2であるため変化しないので、端子Aに流れ
込む電流I3 は端子Aにおけるキルヒホッフの電流則か
らΔIだけ増加する。この結果、PMOS16a,16
bの電流は変化せず、正転出力端子および反転出力端子
からは共に差動増幅回路が平衡状態であるときの電圧V
sが出力される。このときの差動増幅回路の動作をリセ
ット動作という。
MOS15は開状態(OFF状態)になり、出力電圧は
増幅される。例えば正転入力電圧Vinが反転入力電圧V
rNよりも高いときには、正転出力端子には電流ΔIが流
れ出し、反転出力端子には電流ΔIが流れ込むことにな
る。これにより、正転出力端子の電圧Vout(+)は上昇す
る一方、反転出力端子の電圧Vout(-)は下降する。この
ときの差動増幅回路の動作を増幅動作という。PMOS
16a,16bがクロスカップリングされているのは、
正転出力端子と反転出力端子の電圧変化の速度を増大さ
せるためである。
列群20A,20Bについて説明する。第1のフリップ
フロップ列群20Aと第2のフリップフロップ列群20
Bとは共通の構成からなるので、ここでは第1のフリッ
プフロップ列群20Aについて説明を行う。
ける第1のフリップフロップ列群20Aの構成を示す回
路図である。図3において、21a,22a,21b,
22b,21c,22c,21d,22dは、入力端子
D1 〜D5 に入力された信号をクロック端子C1 に入力
された信号の遷移のタイミングで保持して、保持した信
号をデータ出力端子Q5 からディジタル値として出力す
る保持回路列としてのフリップフロップ列である。
プフロップ201〜205によって構成されており、各
フリップフロップ201〜205は、クロック端子Cに
フリップフロップ列21aのクロック端子C1 に入力さ
れた信号が入力されると共に、データ入力端子Dにフリ
ップフロップ列21aの入力端子D1 〜D5 に入力され
た信号がそれぞれ入力される。ここでは、各フリップフ
ロップ201〜205は、クロック端子Cに入力された
信号が立ち上がったときに端子Dに入力された信号を保
持し、端子Qに出力するものとする。各フリップフロッ
プ201〜205の端子Qから出力された信号は、フリ
ップフロップ列21aのデータ出力端子Q5 から5ビッ
トのデータとして出力される。なお、他のフリップフロ
ップ列21b〜21d,22a〜22dもフリップフロ
ップ列21aと同様の構成からなる(図示省略)。
は、図3に示すように、コンパレータ23a,24a,
23b,24b,23c,24c,23d,24d、お
よび出力ゲート25a,26a,25b,26b,25
c,26c,25d,26dを備えている。
列10を構成する第1〜第4の差動増幅回路10a〜1
0dの反転出力電圧a−〜d−がその正転入力端子に各
々入力される一方、コンパレータ24a〜24dは、増
幅回路列10を構成する第1〜第4の差動増幅回路10
a〜10dの正転出力電圧a+〜d+がその正転入力端
子に各々入力される。また、コンパレータ23a〜23
dおよび24a〜24dの反転入力端子には、それぞ
れ、各差動増幅回路10a〜10dの増幅速度の測定の
基準となる基準電圧V1 が入力される。コンパレータ2
3a〜23dの出力信号はフリップフロップ列21a〜
21d各々のクロック端子C1 に与えられ、またコンパ
レータ24a〜24dの出力信号はフリップフロップ2
2a〜22d各々のクロック端子C1 に与えられる。
端子に入力された基準電圧V1 を越えると、各コンパレ
ータの出力信号は“L”レベルから“H”レベルに変化
する。このとき、前記コンパレータの出力信号をクロッ
ク端子C1 から入力するフリップフロップ列は入力端子
D1 〜D5 に入力された信号を保持する。例えばコンパ
レータ23aは正転入力端子に第1の差動増幅回路10
aの反転出力電圧a−が入力されており、この電圧a−
が基準電圧V1 を越えるとコンパレータ23aの出力信
号は“L”レベルから“H”レベルに変化する。フリッ
プフロップ列21aは、クロック端子C1 に入力された
コンパレータ23aの出力信号の遷移のタイミングで、
入力端子D1 〜D5 に入力された信号を保持する。
ロップ列21a〜21dの出力データを各々端子Dに入
力し、コンパレータ23a〜23dの出力信号を各々制
御端子Eに入力し、ディジタル値O1−〜O4−を各々
出力する。また出力ゲート26a〜26dは、フリップ
フロップ列22a〜22dの出力データを各々端子Dに
入力し、コンパレータ24a〜24dの出力信号を各々
制御端子Eに入力し、ディジタル値O1+〜O4+をそ
れぞれ出力する。
6dは次のような性質を持つ。制御端子Eの入力電圧が
“H”レベルのときは、端子Dに入力されたデータにビ
ット“1”(“H”レベル)を付加して端子Qから出力
する。一方、制御端子Eの入力電圧が“L”レベルのと
きは、端子Dに入力されたデータに(又は所定のデータ
に)ビット“0”(“L”レベル)を付加して端子Qか
ら出力する。付加したビットが“1”のときは残りの5
ビットのデータは差動増幅回路の増幅速度を表すデータ
として有効であることを示し、付加したビットが“0”
のときは残りの5ビットのデータは無視してよいデータ
であることを示すものとする。例えば出力ゲート25a
は、制御端子Eに入力されたコンパレータ23aの出力
信号が“H”レベルのとき、端子Dに入力されたフリッ
プフロップ列21aの出力データにビット“1”を付加
して、端子Qから出力する。
30Bについて説明する。第1の発振回路30Aと第2
の発振回路30Bとは共通の構成からなるので、ここで
は第1の発振回路30Aについて説明を行う。
変換器における第1の発振回路30Aの構成を示す回路
図である。図4において、31はリング状に接続された
複数(図4では5個)の遅延回路としての反転増幅器3
11〜315からなる遅延回路リングである。各反転増
幅器311〜315は、端子aが入力端子、端子bが出
力端子であり、制御端子cに印加される電圧によって信
号伝搬時間が制御される。制御端子cに印加する電圧を
制御することによって、遅延回路リング31の発振周波
数を変化させることができる。反転増幅器311〜31
5の出力端子bにおける電圧はそれぞれ、第1の発振回
路30Aの出力信号I1 〜I5 となる。
Lに入力されたPLL用クロックS2 と遅延回路リング
31の出力信号(信号I1 )との位相差を比較する位相
比較器、33は位相比較器32から出力されたパルス信
号を平均化して出力するローパスフィルタ(LPF)、
34はローパスフィルタ(LPF)33の出力電圧を基
にして遅延回路リング31の発振周波数を制御する制御
回路である。遅延回路リング31、位相比較器32、ロ
ーパスフィルタ33、および制御回路34によってフェ
ーズ・ロック・ループ(PLL)が構成されており、遅
延回路リング31の発振周波数は電源電圧、温度が変化
しても第2のクロック発生源5が発生するPLL用クロ
ックS2 の周波数と一致する。本実施形態で用いられる
フェーズ・ロック・ループ(PLL)は一般的なもので
あり、その動作の詳細は数多くの文献に記載されている
のでここでは説明を省略する。
ープ(PLL)を利用する目的は、電源電圧、温度等が
変化しても遅延回路リング31の発振周波数を一定に維
持するためである。遅延回路リング31を構成する反転
増幅器311〜315が同一の構成であるとするとその
遅延時間はそれぞれ等しくなるので、遅延回路リング3
1の発振周波数を一定に維持することができれば、反転
増幅器1段当たりの遅延時間は遅延回路リング31の発
振周期の1/10(5段の反転増幅器を信号が2周する
時間が遅延回路リング31の発振周期に相当する)であ
るので、一定になる。
30Bの出力信号I1 〜I5 の時間変化を示すグラフで
ある。図5に示すように、出力信号I1 の立ち上がりエ
ッジaから反転増幅器1段当たりの遅延時間を経た後、
出力信号I2 が立ち下がり(エッジb)、出力信号I2
の立ち下がりエッジbから反転増幅器1段当たりの遅延
時間を経た後、出力信号I3 が立ち上がる(エッジc)
というように、各出力信号I1 〜I5 は反転増幅器1段
当たりの遅延時間を時間刻みとして順に変化していく。
信号の“H”レベルをビット“1”とし“L”レベルを
ビット“0”とすると、出力信号I1 〜I5 は図5の下
欄に示すような、反転増幅器1段当たりの遅延時間を時
間刻みとして変化する10種類の値を持つ5ビットのデ
ータとなる。出力信号I1 〜I5 の遷移順序は、変わる
ことなく常に一定である。したがって、出力信号I1 〜
I5 を用いることによって微小な時間の測定を行うこと
ができる。
I5 をフリップフロップ列によって保持し、さらに時刻
t2 において出力信号I1 〜I5 をフリップフロップ列
によって保持し、保持した2つの信号を比較すれば、時
刻t1 からt2 までの間で3段の反転増幅器の遅延時間
に相当する時間経過があったことが分かる。この場合、
反転増幅器1段当たりの遅延時間が1nsであるとする
と、時刻t1 からt2までの間で3nsの時間経過があ
ったことになる。
変換器の動作について説明する。
変換器の動作の概要を示すタイミングチャートである。
図6に示すように、増幅回路列10を構成する各差動増
幅回路10a〜10hの増幅動作の開始のタイミング
と、第1および第2の発振回路30A,30Bの出力信
号I1 〜I5 を用いた増幅時間計測動作の開始のタイミ
ングとが合致するよう、基本クロックS1 の立ち上がり
のタイミングをPLL用クロックS2 の立ち上がりのタ
イミングに一致させている。ただし、PLL用クロック
S2 は、第1および第2の発振回路30A,30Bの遅
延回路リング31の発振周波数を一定に保つための基準
となる信号なので、必ずしも基本クロックS1 と同じ信
号である必要はない。したがって、本実施形態では、基
本クロックS1 を生成する第1のクロック発生源4とP
LL用クロックS2 を生成する第2のクロック発生源5
とが独立して構成されており、PLL用クロックS2 は
基本クロックS1 の2倍の周波数を持つものとしてい
る。
する各差動増幅回路10a〜10hは、基本クロックS
1 が“L”レベルの期間においてリセット動作を行い、
基本クロックS1 が“H”レベルの期間において増幅動
作を行う。各差動増幅回路10a〜10hが増幅動作を
開始すると、第1および第2の発振回路30A,30B
の出力信号I1 〜I5 を基にして、各差動増幅回路10
a〜10hの増幅速度すなわち出力電圧の増幅時間の計
測動作が開始される。
力電圧の増幅時間の計測動作を説明するための図であ
る。図7の上欄に示すように、各差動増幅回路10a〜
10hは、リセット期間が終了して増幅期間に入ると入
力電圧Vinと参照電圧VrN(N=1〜8)との電圧差を
増幅するので、出力電圧が変化する。なお、差動増幅回
路は差動出力(正転出力と反転出力)であるが、図7で
は説明のために正転出力電圧および反転出力電圧のうち
の一方の出力電圧のみを図示している。
クS2 の周波数は基本クロックS1の2倍であり、PL
L用クロックS2 の立ち上がりタイミングは基本クロッ
クS1 の遷移のタイミングと一致する。一方、図4に示
すような第1および第2の発振回路30A,30Bにお
けるフェーズ・ロック・ループ(PLL)の制御動作に
よって、PLL用クロックS2 と反転増幅器311の出
力信号(すなわち第1および第2の発振回路30A,3
0Bの出力信号I1 )とは周波数および位相が一致す
る。したがって、図7の中欄に示すように、増幅回路列
10を構成する各差動増幅回路10a〜10hがリセッ
ト動作から増幅動作に変化するタイミングと、第1およ
び第2の発振回路30A,30Bの出力信号I1 の立ち
上がりのタイミングとが一致する。
圧Vs(リセット動作における出力電圧)から変化して
基準となる電圧V1 (図3に示す各コンパレータの反転
入力端子に印加される所定の電圧)に到達したとき、第
1および第2の発振回路30A,30Bの出力信号I1
〜I5 は、前記差動増幅回路に対応するフリップフロッ
プ列によって保持される。
a−が図7の上欄のグラフのように変化したとすると、
コンパレータ23aの出力信号は信号a−が電圧V1 を
越えたときに“L”レベルから“H”レベルに遷移する
ので、フリップフロップ列21aは、クロック端子C1
に入力された信号が立ち上がるときすなわち差動増幅回
路10aの反転出力信号a−が電圧V1 に到達したとき
に、入力端子D1 〜D5 に入力された第1の発振回路3
0Aの出力信号I1 〜I5 を保持する。出力信号I1 〜
I5 の遷移順序は一定であるので、図7の中欄に示すよ
うに、フリップフロップ列21aに保持された出力信号
I1 〜I5 から、差動増幅回路10aの反転出力信号a
−が電圧V1 に到達したタイミングは遅延回路リング3
1における5番目の信号遷移に相当することが分かる。
遅延回路リング31における反転増幅器1段当たりの信
号遷移時間を1nsとすると、差動増幅回路10aは5
ns(ただし1nsの量子化誤差を含む)の増幅時間を
要したことになる。
る各差動増幅回路10a〜10hの増幅時間を計測する
ことができる。
幅回路10a〜10hの増幅時間を用いて行われる,本
実施形態に係るA/D変換の原理について図8を参照し
て説明する。
の反転出力電圧a−〜f−を示すグラフである。図8
(a)では、アナログ信号Vinが、第3の差動増幅回路
10cの参照電圧Vr3と第4の差動増幅回路10dの参
照電圧Vr4との間の電圧を有する場合を示している。
電圧をVoN−,正転出力電圧をVoN+(N=1〜8)と
すると、電圧VoN−,VoN+はそれぞれ次のような式で
表される。 VoN−=−G・(Vin−VrN)+Vs …(2) VoN+=G・(Vin−VrN)+Vs …(3) ここで、G(>0)は各差動増幅回路10a〜10hの
電圧利得である。信号Vinが参照電圧Vr3とVr4との間
の電圧を有するとき、式(2)から、 Vo1−>Vo2−>Vo3−>Vs>Vo4−>Vo5−>Vo6
−>Vo7−>Vo8−となり、したがって、 ∴a−>b−>c−>Vs>d−>e−>f−>g−>h− …(4) となる。式(4)から分かるように、第1〜第3の差動
増幅回路10a〜10cの反転出力電圧a−,b−,c
−は電圧Vsから上昇して電圧V1 を上回る一方、第4
〜第8の差動増幅回路10d〜10hの反転出力電圧d
−,e−,f−,g−,h−は電圧Vsから降下するの
で電圧V1 を越えることはない。この代わりに、第4〜
第8の差動増幅回路10d〜10hはその正転出力電圧
d+,e+,f+,g+,h+が電圧V1 を上回る。
反転出力信号c−が電圧V1 を越え、かつ第4の差動増
幅回路10dの正転出力信号d+が電圧V1 を越えたこ
とから、アナログ信号Vinは参照電圧Vr3とVr4との間
の電圧を有することが分かる。このことから、アナログ
信号Vinの上位のA/D変換値を求めることができる。
動増幅回路10a〜10hの増幅時間を用いてアナログ
信号Vinをさらに精密にA/D変換する。これが下位の
A/D変換である。下位のA/D変換は以下のようにし
て行われる。
0a〜10cの反転出力電圧a−〜c−と第4〜第6の
差動増幅回路10d〜10fの正転出力電圧d+〜f+
とを示すグラフである。またこのグラフの下には、各出
力電圧が電圧V1 に達するまでの時間を示している。t
1 〜t3 はそれぞれ、第1〜第3の差動増幅回路10a
〜10cの反転出力電圧a−〜c−が電圧V1 に達する
までの時間、t4 〜t6 はそれぞれ、第4〜第6の差動
増幅回路10d〜10fの正転出力電圧d+〜f+が電
圧V1 に達するまでの時間を表している。
グ信号Vinおよび参照電圧VrN(N=1〜8)との関係
は、近似的に次のような式で表される。 Vin<VrNのとき tN =−H/(Vin−VrN) …(5) Vin>VrNのとき tN =H/(Vin−VrN) …(6) 式(5),(6)において、H(>0)は差動増幅回路
の設計によって決まる比例定数である。いま、Vin<V
rNが成り立つのはN=1〜3のときであり、Vin>VrN
が成り立つのはN=4〜8のときである。
グ信号Vinと参照電圧Vr3との電圧差の絶対値は、第1
および第2の差動増幅回路10a,10bにおけるアナ
ログ信号Vinと参照電圧との電圧差の絶対値よりも小さ
いので、時間t3 は時間t1,t2 よりも長くなる。一
方、第4の差動増幅回路10dにおけるアナログ信号V
inと参照電圧Vr4との電圧差の絶対値は、第5〜第8の
差動増幅回路10e〜10hにおけるアナログ信号Vin
と参照電圧との電圧差の絶対値よりも小さいので、時間
t4 は時間t5 〜t8 よりも長くなる。式(5),
(6)から、 t3 =−H/(Vin−Vr3) …(7) t4 =H/(Vin−Vr4) …(8) ここで、時間t3 と時間t4 との比をとると、 t3 /t4 =−(Vin−Vr4)/(Vin−Vr3) …(9) となり、式(9)をVinについて解くと、 Vin=(t3 ・Vr3+t4 ・Vr4)/(t3 +t4 ) …(10) となる。
電圧Vr3とVr4との間におけるアナログ信号Vinの位置
を求めることができることを示している。すなわち、式
(10)といわゆる内分の公式との類似関係から、アナ
ログ信号Vinは、参照電圧Vr3と参照電圧Vr4とをt4
対t3 に内分する位置にあることがわかる(図8(c)
を参照)。したがって、式(10)を用いることによっ
て、アナログ信号Vinの下位のA/D変換値を求めるこ
とができる。第1および第2の発振回路30A,30B
における量子化時間(遅延回路リング31を構成する反
転増幅器1段当たりの信号遅延時間)を細分化すること
によって時間t3 ,t4 をより細かく計測することがで
き、これによりアナログ信号Vinの下位のA/D変換値
をより精密に求めることができる。
を表すディジタル値を基にした下位のA/D変換のため
の演算(式(10)の演算)は、時間演算回路41によ
って行われ、変換値演算回路42は、時間演算回路41
によって得られたデータから上位A/D変換値および下
位A/D変換値を求め、これらを合わせて、変換対象の
アナログ信号Vinを表すディジタル値を演算する。
関係が成立することを前提にして求めたものである。す
なわち、差動増幅回路において増幅時間と入力電圧差と
が反比例するものと近似して、2つの参照電圧間を増幅
時間の比で内分する点の電圧をアナログ信号の電圧とし
て求めている。これによって、下位のA/D変換は簡易
な演算によって実現されることになる。下位のA/D変
換をさらに高精度に行うためには、実際の差動増幅回路
における増幅速度と入力電圧差との指数関数的な関係を
も考慮して、演算を行えばよい。
に、参照電圧がアナログ信号Vinよりも小さい差動増幅
回路については正転出力電圧を、参照電圧がアナログ信
号Vinの電圧よりも大きい差動増幅回路については反転
出力電圧を、下位のA/D変換を行うために用いてい
る。これは、各差動増幅回路の動的オフセットがA/D
変換精度に与える影響を緩和するためである。
する。いま、図9(a)に示すような、入力電圧差ΔV
を増幅して電圧Vout を出力する増幅回路を想定する。
図9(b)に示すように、入力電圧差ΔVがV1 (>
0)のときと−V2 (<0)のときとにおいて出力電圧
Vout と基準電圧Vsとの差が等しい場合、V1 とV2
との差を動的オフセットという。理想的な差動増幅回路
では動的オフセットは0であるが、実際には製造プロセ
ス等に起因して動的オフセットは0にはならない。動的
オフセットが0でないということは、入力電圧差ΔVの
絶対値が等しい場合でも、その値の正負によって出力電
圧Vout と基準電圧Vsとの差が異なることを意味す
る。
ットの影響を緩和できる理由を説明するための図であ
る。図10(a)に示すように、アナログ信号Vinが参
照電圧Vr4よりも高く参照電圧Vr3よりも低い場合を考
える。この場合、第4の差動増幅回路10dは正転入力
電圧(アナログ信号Vin)が反転入力電圧(参照電圧V
r4)よりも高いので入力電圧差ΔVは正である。一方、
第3の差動増幅回路10cは正転入力電圧(アナログ信
号Vin)が反転入力電圧(参照電圧Vr3)よりも低いの
で入力電圧差ΔVは負である。入力電圧差ΔVの正負が
異なるので、第3および第4の差動増幅回路10c,1
0d共に正転出力電圧をA/D変換に用いると、動的オ
フセットの存在によってA/D変換値に誤差が生じる。
第3および第4の差動増幅回路10c,10d共に反転
出力電圧を用いる場合も同様である。
幅回路の特性から、正転入力電圧がAでありかつ反転入
力電圧がBである差動増幅回路の正転出力電圧は、反転
入力電圧がAでありかつ正転入力電圧がBである差動増
幅回路の反転出力電圧と、動的オフセットの面からみて
等価であることが分かっている。
第3の差動増幅回路10cの反転出力電圧および第4の
差動増幅回路10dの正転出力電圧をA/D変換に用い
る場合は、図10(c)に示す場合と等価になる。すな
わち、動的オフセットの面からみると、第3の差動増幅
回路10cは、相対的に高い参照電圧Vr3が正転入力電
圧となり相対的に低いアナログ信号Vinが反転入力電圧
となると共に、正転出力電圧が下位のA/D変換に用い
られることになる。この結果、第3および第4の差動増
幅器10c,10dは、入力電圧差ΔVの正負が等しく
かつ共にその正転出力電圧がA/D変換に用いられるの
で、動的オフセットは相殺されることになる。図10
(a),(c)では、A/D変換に用いられる出力電圧
には○を、用いられない出力電圧には×を付している。
に、参照電圧がアナログ信号Vinよりも小さい差動増幅
回路については正転出力電圧を、参照電圧がアナログ信
号Vinの電圧よりも大きい差動増幅回路については反転
出力電圧を用いることによって、各差動増幅回路の動的
オフセットがA/D変換精度に与える影響を緩和するこ
とができる。もちろん、参照電圧がアナログ信号Vinよ
りも小さい差動増幅回路については反転出力電圧を、参
照電圧がアナログ信号Vinの電圧よりも大きい差動増幅
回路については正転出力電圧を用いても同様に、各差動
増幅回路の動的オフセットがA/D変換精度に与える影
響を緩和することができる。
信号Vinが参照電圧とほぼ等しいために、正転出力電圧
も反転出力電圧も共にほとんど変化せず電圧V1 に達し
ない差動増幅回路が存在する場合がある。このような場
合には、以下のようにしてA/D変換を行う。
eの反転出力電圧a−〜e−を示すグラフである。図1
1(a)では、アナログ信号Vinが第3の差動増幅回路
10cの参照電圧Vr3とほぼ等しい電圧を有する場合を
示しており、第3の差動増幅回路10cの正転出力電圧
c+も併せて示している。また、図11(b)は第1〜
第3の差動増幅回路10a〜10cの反転出力電圧a−
〜c−および第3〜第5の差動増幅回路10c〜10e
の正転出力電圧c+〜e+を示すグラフである。また図
11(b)のグラフの下には、各出力電圧が電圧V1 に
達するまでの時間を示しており、t1 ,t2 はそれぞれ
第1および第2の差動増幅回路10a,10bの反転出
力電圧a−,b−が電圧V1 に達するまでの時間、t4
〜t5 はそれぞれ第4および第5の差動増幅回路10
d,10eの正転出力電圧d+,e+が電圧V1 に達す
るまでの時間を表している。
は、第3の差動増幅回路10cはアナログ信号Vinと参
照電圧Vr3との電圧差を検知できないので、反転出力電
圧c−、正転出力電圧c+は電圧Vsから変化しない
か、又は変化したとしても増幅期間内において基準とな
る電圧V1 までは達しない。このため、図11(b)に
示すように、時間t3 のデータが得られないことになる
ので、時間t2 とt4 とを用いてA/D変換を行う。下
位のA/D変換は、次のような式にしたがってアナログ
電圧Vinの内分点を求めることによって行う。 Vin=(t2 ・Vr2+t4 ・Vr4)/(t2 +t4 ) …(11)
成する差動増幅回路10a〜10hの中から増幅時間が
最も長いものと2番目に長いものとを求めることによっ
て行う。例えばすでに説明した図8に示すような場合で
は、第4の差動増幅回路10dの増幅時間が最も長く次
に第3の差動増幅回路10cの増幅時間が長いので、入
力されたアナログ信号Vinは参照電圧Vr3とVr4との間
にあると判断する。これに対して図11に示すような場
合では、第4の差動増幅回路10dの増幅時間が最も長
く次に第2の差動増幅回路10bの増幅時間が長く、第
3の差動増幅回路10cの増幅時間を示すデータが存在
しないので、アナログ信号Vinは参照電圧Vr3とほぼ同
等であると判断する。このことから、A/D変換値の上
位ビットを求めることができる。
ック分割(ユニット化)が可能である。図1に示すA/
D変換器では、フリップフロップ列群および発振回路が
それぞれ2個ずつ構成されており、第1のフリップフロ
ップ列群20A、第1の発振回路30A、および第1〜
第4の差動増幅回路10a〜10dによって1つのブロ
ックが構成され、第2のフリップフロップ列群20B、
第2の発振回路30B、および第5〜第8の差動増幅回
路10e〜10hによってまた別のブロックが構成され
た形になっている。
ロック化が可能である理由について説明する。
般的には、複数の増幅器の出力信号の相対値を用いるこ
とによって変換精度を向上する。この点については本実
施形態に係るA/D変換器においても同様である。本実
施形態に係るA/D変換器が一般的な高精度A/D変換
器と異なるのは、複数の増幅器の出力信号をアナログ信
号のままで用いるのではなく、複数の増幅器の増幅時間
をディジタル値に変換した上でA/D変換の高精度化に
用いる点である。
幅器の出力信号をアナログ信号のままで相対比較するた
め、各増幅器の出力信号線の長さのばらつきがA/D変
換精度に影響を与えることになり、レイアウト上制約を
受ける。変換誤差が生じないように各増幅器の出力信号
線の長さを等しくしようとすると、変換ビット数が増加
した場合には、図12(a)に示すような縦長のレイア
ウトになってしまう。
器は、各増幅器の増幅時間をディジタル値に変換した上
で、複数の増幅器間でそのディジタル値の相対的な比較
を行う。このため、各増幅器の出力信号線の長さのばら
つきがA/D変換精度に影響を与えることがないので、
一般的な高精度A/D変換器よりもレイアウト上の自由
度が高くなり、図12(b)に示すようなブロック分割
されたレイアウトに展開することができる。
列群20A,20Bにおいて、コンパレータを省略して
各差動増幅回路の出力電圧を各フリップフロップ列の端
子C1に直接入力する構成としてもよい。この場合、増
幅時間測定の基準となる電圧V1 は、例えば、第1およ
び第2のフリップフロップ列群20A,20Bを構成す
る各フリップフロップにクロック信号のしきい値電圧と
して設定すれば良い。
列群20A,20Bにおいて、各差動増幅回路の正転出
力電圧および反転出力電圧を共通のフリップフロップ列
に入力する構成とすることによって、フリップフロップ
列を半減することも可能である。この場合には、各差動
増幅回路の増幅時間を表すディジタル値は各差動増幅回
路につき1個となり、その個数が半減する。ただし、下
位のA/D変換値を精度良くディジタル補正するために
は、本実施形態のように各差動増幅回路の正転出力電圧
および反転出力電圧それぞれに対してフリップフロップ
列が設けられた構成の方が好ましい。
リップフロップの個数は5に限られるものではなく、発
振回路から出力される出力信号の数に合わせて設定すれ
ば良い。
一定の電圧を出力するリセット動作と増幅動作とが切り
替わるものとしたが、本発明はこれに限るものではな
く、各差動増幅回路はリセット動作を行わなくてもかま
わない。すなわち、本実施形態では、増幅時間を計測す
る起点となる電圧としてリセット動作によって設定した
電圧Vsを用いたが、この代わりに、各差動増幅回路の
最大または最小出力電圧を、増幅時間を計測する起点電
圧としてもよい。
術すなわち精度向上のために電圧を一旦ホールドし、増
幅して補間を行うA/D変換と比べると、処理速度が格
段に速い。従来の補間技術では、アナログ信号が属する
電圧範囲を増幅し、増幅した電圧範囲において下位のA
/D変換を行うことによって精度を向上させていた。と
ころが、この方法では、高い増幅率で電圧を増幅する必
要があり、この電圧増幅に長い時間がかかり、結果とし
てA/D変換の高速化は困難であった。例えば、電圧範
囲8mVの間を4ビット(=16階調)補間するとする
と、16倍という高い増幅率で電圧を増幅しなければな
らず、このため長い電圧増幅時間を必要とした。
変換の際の各増幅回路の増幅時間を計測し、この増幅時
間を基にして下位のA/D変換を行うので、従来の補間
技術のように長い電圧増幅時間を必要とせず、従来より
も格段に高速に(例えば500MHz以上)しかも高精
度のA/D変換を行うことができる。したがって、本発
明によって、高速性と高精度とをともに兼ね備えたA/
D変換を実現することができる。
のA/D変換は、様々な用途が考えられる。その一例と
して、例えば磁気記録媒体(DVD,HDD,PD,M
Oなど)からの信号読み出しがある。図13はDVDシ
ステムの信号読み出し部の概略構成を示す図である。図
13において、81はDVD、82はレーザー発振器、
83はレーザー受光部、84はフィルター付き増幅器
(AMP)、85はA/D変換器、86はデジタル信号
処理部(DSP)である。また、87は読み出されたデ
ィジタル信号の出力端子であり、後段の回路(例えばデ
ィジタル信号を画像に変換するための回路)に接続され
ている。
ー波はDVD81によって変調(例えば周波数変調)さ
れ、この変調波はレーザー受光部83によって電気信号
に変換される。この電気信号はフィルター付き増幅器8
4によって、増幅されるとともに波形を整形されて、A
/D変換器85によってデジタル信号に変換される。
またディジタルデータの精度も高いレベルが要求される
ので、A/D変換器85として、高速かつ高精度のもの
が必要になる。将来、磁気記録媒体の記録密度がさらに
高くなり、読み出し精度も向上させるのに伴い、A/D
変換器85に対する高速化および高精度化の要求はさら
に強まるのは必然であり、本発明の重要性は益々高まる
ものと思われる。
路の増幅速度の違いは変換対象のアナログ信号の電圧と
各増幅回路の参照電圧との電圧差の違いを反映するの
で、各増幅回路の増幅速度に基づいてA/D変換を行う
ことによって、アナログ信号と各参照電圧との大小関係
のみをA/D変換の情報としていた従来技術では求める
ことができなかった,各参照電圧間におけるアナログ信
号の位置を求めることができ、したがって、増幅回路が
本質的に有するオフセット電圧のばらつきによって制限
されていた従来のA/D変換精度の限界を越えて、より
高精度のA/D変換を実現することができる。
間を計測した上で、第1の増幅回路の参照電圧と第2の
増幅回路の参照電圧との間における変換対象のアナログ
信号の位置を、第1の増幅回路の参照電圧と第2の増幅
回路の参照電圧との間を前記第1の増幅回路の増幅時間
と前記第2の増幅回路の増幅時間との比で内分すること
によって精度良く求めることができ、また、計測した増
幅時間を相対比較することによってA/D変換を行うの
で、電源電圧、温度による変換誤差を抑制しA/D変換
精度を向上させることができる。
ち、参照電圧が変換対象のアナログ信号の電圧よりも低
い増幅回路については正転出力電圧および反転出力電圧
のうちのいずれか一方の出力電圧を、参照電圧が変換対
象の前記アナログ信号の電圧よりも高い増幅回路につい
ては正転出力電圧および反転出力電圧のうちの他方の出
力電圧を、それぞれ基にしてA/D変換を行うことによ
り、前記アナログ信号のA/D変換に用いられる増幅回
路の出力電圧が、増幅の基準となる電圧よりも高い側又
は低い側のいずれか一方の側に集中することになる。し
たがって、各増幅回路のオフセット電圧の影響が相殺さ
れるのでA/D変換の精度が向上する。
を示す回路図である。
する差動増幅回路の一例を示す図であり、(a)は差動
増幅回路の構成の一例を示す回路図、(b)は(a)に
示す差動増幅回路の動作を示すタイミングチャートであ
る。
る第1のフリップフロップ列群20Aの構成を示す回路
図である。
る第1の発振回路30Aの構成を示す回路図である。
力信号I1 〜I5 の時間変化を示すグラフである。
換器の動作の概要を示すタイミングチャートである。
を説明するための図である。
め方を説明するための図である。
の影響を緩和できる理由を説明するための図である。
求め方を説明するための図である。
いてブロック化が可能になることによるレイアウトの変
化を表す図である。
構成を示す図である。
る。
(保持回路列) 30A 第1の発振回路 30B 第2の発振回路 31 遅延回路リング 311〜315 反転増幅器(遅延回路) 41 時間演算回路 42 変換値演算回路 71 時間計数手段 72 演算手段 S1 基本クロック(第1のクロック信号) S2 PLL用クロック(第2のクロック信号)
Claims (9)
- 【請求項1】 アナログ信号をディジタル値に変換する
A/D変換器であって、 変換対象のアナログ信号の電圧と所定の参照電圧との電
圧差を増幅する複数の増幅回路と、 前記複数の増幅回路の増幅時間をそれぞれ計数し、各増
幅回路の増幅時間を表す値を出力する時間計数手段と、 前記時間計数手段から出力された複数の値を基にして、
前記アナログ信号を表すディジタル値を演算する演算手
段とを備え、 前記時間計数手段は、 時間の経過と共に変化する信号を出力する発振回路と、 前記複数の増幅回路各々に対応して設けられており、対
応する増幅回路の出力電圧が所定の電圧に達したとき、
前記発振回路の出力信号を保持する複数の保持回路列と
を備え、 前記複数の保持回路列が保持した信号を基にして、各増
幅回路の増幅時間を表す値を求めるものであり、 前記発振回路は、 リング状に接続された複数の遅延回路からなり、発振に
より信号の遷移が循環する遅延回路リングを備え、 前記遅延回路リングを構成する遅延回路の出力信号を、
当該発振回路の出力信号とするものであることを特徴と
するA/D変換器。 - 【請求項2】 請求項1記載のA/D変換器において、 前記増幅回路は、第1のクロック信号にしたがって、一
定の電圧を出力するリセット動作と増幅動作とが切り替
わるものであり、 前記発振回路は、周波数が一定である第2のクロック信
号を基準にして、前記遅延回路リングの発振周波数を一
定に制御するフェーズ・ロック・ループ(PLL)が構
成されており、 前記第1および第2のクロック信号は、前記増幅回路の
増幅動作の開始と前記時間計数手段の計数動作の開始と
が合致するように、その周波数および位相が設定されて
いることを特徴とするA/D変換器。 - 【請求項3】 アナログ信号をディジタル値に変換する
A/D変換器であって、 変換対象のアナログ信号の電圧と所定の参照電圧との電
圧差を増幅する複数の増幅回路と、 前記複数の増幅回路の増幅時間をそれぞれ計数し、各増
幅回路の増幅時間を表す値を出力する時間計数手段と、 前記時間計数手段から出力された複数の値を基にして、
前記アナログ信号を表すディジタル値を演算する演算手
段とを備え、 前記演算手段は、 前記時間計数手段から出力された複数の値を基にして、
前記複数の増幅回路の中から、参照電圧が前記アナログ
信号の電圧よりも高い第1の増幅回路と参照電圧が前記
アナログ信号の電圧よりも低い第2の増幅回路とを特定
し、前記第1の増幅回路の参照電圧と前記第2の増幅回
路の参照電圧との間を前記第2の増幅回路の増幅時間と
前記第1の増幅回路の増幅時間との比で内分する点の電
圧を、前記アナログ信号の電圧と判定することを特徴と
するA/D変換器。 - 【請求項4】 アナログ信号をディジタル値に変換する
A/D変換器であって、 変換対象のアナログ信号の電圧と所定の参照電圧との電
圧差を増幅する複数の増幅回路と、 前記複数の増幅回路の増幅時間をそれぞれ計数し、各増
幅回路の増幅時間を表す値を出力する時間計数手段と、 前記時間計数手段から出力された複数の値を基にして、
前記アナログ信号を表すディジタル値を演算する演算手
段とを備え、 前記複数の増幅回路は、複数の群に分けられており、 前記時間計数手段は、前記複数の増幅回路の各群に対応
してブロックに分けて構成されていることを特徴とする
A/D変換器。 - 【請求項5】 アナログ信号をディジタル値に変換する
A/D変換器であって、 変換対象のアナログ信号の電圧と所定の参照電圧との電
圧差を増幅する複数の増幅回路と、 前記各増幅回路の増幅速度を基にして、前記アナログ信
号を表すディジタル値を求める変換部とを備え、 前記変換部は、 前記複数の増幅回路のうち、参照電圧が前記アナログ信
号の電圧よりも低い増幅回路については正転出力電圧お
よび反転出力電圧のうちのいずれか一方の出力電圧を、
参照電圧が前記アナログ信号の電圧よりも高い増幅回路
については正転出力電圧および反転出力電圧のうちの他
方の出力電圧を、それぞれ基にして、前記アナログ信号
を表すディジタル値を求めるものであることを特徴とす
るA/D変換器。 - 【請求項6】 請求項5記載のA/D変換器において、 前記変換部は、 前記複数の増幅回路の増幅時間を、参照電圧が前記アナ
ログ信号の電圧よりも低い増幅回路については正転出力
電圧および反転出力電圧のうちのいずれか一方の出力電
圧を、参照電圧が前記アナログ信号の電圧よりも高い増
幅回路については正転出力電圧および反転出力電圧のう
ちの他方の出力電圧をそれぞれ基にして計数する時間計
数手段と、 前記時間計数手段によって計数された各増幅回路の増幅
時間を基にして、前記アナログ信号を表すディジタル値
を演算する演算手段とを備えていることを特徴とするA
/D変換器。 - 【請求項7】 アナログ信号をディジタル値に変換する
A/D変換方法であって、 変換対象のアナログ信号の電圧と、互いに異なる所定の
参照電圧との電圧差をそれぞれ増幅する複数の増幅回路
を用い、前記各増幅回路の増幅速度を基にして、前記ア
ナログ信号を表すディジタル値を求めるものであり、 参照電圧が前記アナログ信号の電圧よりも高い第1の増
幅回路が増幅に要した第1の時間、および参照電圧が前
記アナログ信号の電圧よりも低い第2の増幅回路が増幅
に要した第2の時間を求める第1の工程と、 前記第1の増幅回路の参照電圧と前記第2の増幅回路の
参照電圧との間を前記第2の時間と前記第1の時間との
比で内分する点の電圧を、前記アナログ信号の電圧と判
定する第2の工程とを備えたものであることを特徴とす
るA/D変換方法。 - 【請求項8】 請求項7記載のA/D変換方法におい
て、 前記第1の工程は、 前記第1の時間を、前記第1の増幅回路の正転出力電圧
および反転出力電圧のうちのいずれか一方の電圧を基に
して求める一方、前記第2の時間を、前記第2の増幅回
路の正転出力電圧および反転出力電圧のうちの他方の電
圧を基にして求めるものであることを特徴とするA/D
変換方法。 - 【請求項9】 アナログ信号をディジタル値に変換する
A/D変換器であって、 変換対象のアナログ信号の電圧と、互いに異なる所定の
参照電圧との電圧差をそれぞれ増幅する複数の増幅回路
と、 前記複数の増幅回路の増幅時間をそれぞれ計数し、各増
幅回路の増幅時間を表す値を出力する時間計数手段と、 前記時間計数手段から出力された複数の値を基にして、
いずれかの参照電圧間における前記アナログ信号の位置
を特定し、この特定結果から、前記アナログ信号を表す
ディジタル値を演算する演算手段とを備えたものである
ことを特徴とするA/D変換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31169897A JP3181544B2 (ja) | 1996-11-21 | 1997-11-13 | A/d変換器及びa/d変換方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-310244 | 1996-11-21 | ||
JP31024496 | 1996-11-21 | ||
JP31169897A JP3181544B2 (ja) | 1996-11-21 | 1997-11-13 | A/d変換器及びa/d変換方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10209869A JPH10209869A (ja) | 1998-08-07 |
JP3181544B2 true JP3181544B2 (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=26566240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31169897A Expired - Fee Related JP3181544B2 (ja) | 1996-11-21 | 1997-11-13 | A/d変換器及びa/d変換方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3181544B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4100407B2 (ja) | 2004-12-16 | 2008-06-11 | 日本電気株式会社 | 出力回路及びデジタルアナログ回路並びに表示装置 |
JP4349445B2 (ja) | 2007-07-10 | 2009-10-21 | ソニー株式会社 | フラッシュ型ad変換器 |
-
1997
- 1997-11-13 JP JP31169897A patent/JP3181544B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10209869A (ja) | 1998-08-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR19980042649A (ko) | 아날로그/디지털 변환기 및 아날로그/디지털 변환방법 | |
JP3071411B2 (ja) | スキュー調整回路 | |
JP2916869B2 (ja) | 比較器及び比較装置 | |
JP2021509243A (ja) | 遅延ベースのコンパレータ | |
US6707413B2 (en) | A/D converter | |
JP2018528523A (ja) | 高速クロッキングのためのオフセットに影響されない直交クロック誤差補正およびデューティサイクル較正 | |
JP4349445B2 (ja) | フラッシュ型ad変換器 | |
US6963298B2 (en) | Analog to digital converter with voltage comparators that compare a reference voltage with voltages at connection points on a resistor ladder | |
JPH05252035A (ja) | 差動増幅器,比較器およびa/d変換器 | |
US5635934A (en) | Digital read channel utilizing analog-to-digital converter with offset reduction | |
JP3181544B2 (ja) | A/d変換器及びa/d変換方法 | |
US5646562A (en) | Phase synchronization circuit, one-shot pulse generating circuit and signal processing system | |
JP4872470B2 (ja) | レベルシフタ回路及び情報再生装置 | |
KR100446673B1 (ko) | 노이즈에 의한 전위 변동을 전달하는 변동 전달부를구비하는 반도체 장치 | |
JP2000165241A (ja) | A/d変換器及び半導体集積回路 | |
KR101067580B1 (ko) | 위상 오차 판정 방법 및 디지털 pll 장치 | |
JP3818877B2 (ja) | ホール素子を用いた電力量計 | |
US6172557B1 (en) | Time counting circuit, pulse converting circuit and FM demodulating circuit | |
JPH05191238A (ja) | Pwm回路 | |
JP4281909B2 (ja) | A/d変換回路とそれを用いたディスク再生システム | |
JP2001217695A (ja) | 多相発振器 | |
JP3195556B2 (ja) | 時間計数回路及びパルス信号生成方法 | |
JPH0865139A (ja) | 半導体集積回路装置および電子装置 | |
JPH01278127A (ja) | 並列型a/d変換回路 | |
JP3247045B2 (ja) | 時間計数回路 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010327 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080420 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090420 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |