JP3181019B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子を収容
するための半導体素子収納用パッケージや混成集積回路
基板等に用いられる配線基板に関するものである。
するための半導体素子収納用パッケージや混成集積回路
基板等に用いられる配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、配線基板、例えば半導体素子を収
容する半導体素子収納用パッケージに使用される配線基
板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスより
成り、その上面中央部に半導体素子を収容する凹部を有
する絶縁基体と、前記絶縁基体の凹部周辺から下面にか
けて導出されたタングステン、モリブデン等の高融点金
属粉末から成る配線導体とから構成されており、前記絶
縁基体の凹部底面に半導体素子をガラス、樹脂、ロウ材
等の接着剤を介して接着固定するとともに半導体素子の
各電極を例えばボンディングワイヤ等の電気的接続手段
を介して配線導体に電気的に接続し、しかる後、前記絶
縁基体の上面に、金属やセラミックス等から成る蓋体を
絶縁基体の凹部を塞ぐようにしてガラス、樹脂、ロウ材
等の封止材を介して接合させ、絶縁基体の凹部内に半導
体素子を気密に収容することによって製品としての半導
体装置となり、配線導体の絶縁基体凹部底面に導出した
部位を外部電気回路基板の配線導体に接続することによ
って半導体素子の各電極が外部電気回路基板に電気的に
接続されることとなる。
容する半導体素子収納用パッケージに使用される配線基
板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスより
成り、その上面中央部に半導体素子を収容する凹部を有
する絶縁基体と、前記絶縁基体の凹部周辺から下面にか
けて導出されたタングステン、モリブデン等の高融点金
属粉末から成る配線導体とから構成されており、前記絶
縁基体の凹部底面に半導体素子をガラス、樹脂、ロウ材
等の接着剤を介して接着固定するとともに半導体素子の
各電極を例えばボンディングワイヤ等の電気的接続手段
を介して配線導体に電気的に接続し、しかる後、前記絶
縁基体の上面に、金属やセラミックス等から成る蓋体を
絶縁基体の凹部を塞ぐようにしてガラス、樹脂、ロウ材
等の封止材を介して接合させ、絶縁基体の凹部内に半導
体素子を気密に収容することによって製品としての半導
体装置となり、配線導体の絶縁基体凹部底面に導出した
部位を外部電気回路基板の配線導体に接続することによ
って半導体素子の各電極が外部電気回路基板に電気的に
接続されることとなる。
【0003】尚、前記配線基板は一般に、セラミックグ
リーンシート積層法によって製作されており、具体的に
は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バ
インダー、溶剤等を添加混合して泥漿状となすとともに
これを従来周知のドクターブレード法を採用してシート
状とすることによって複数のセラミックグリーンシート
を得、しかる後、前記セラミックグリーンシートに適当
な打ち抜き加工を施すとともに配線導体となる金属ペー
ストを所定パターンに印刷塗布し、最後に前記セラミッ
クグリーンシートを所定の順に上下に積層して生セラミ
ック成形体となすとともに該セラミック生成形体を還元
雰囲気中約1600℃の高温で焼成することによって製
作される。
リーンシート積層法によって製作されており、具体的に
は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バ
インダー、溶剤等を添加混合して泥漿状となすとともに
これを従来周知のドクターブレード法を採用してシート
状とすることによって複数のセラミックグリーンシート
を得、しかる後、前記セラミックグリーンシートに適当
な打ち抜き加工を施すとともに配線導体となる金属ペー
ストを所定パターンに印刷塗布し、最後に前記セラミッ
クグリーンシートを所定の順に上下に積層して生セラミ
ック成形体となすとともに該セラミック生成形体を還元
雰囲気中約1600℃の高温で焼成することによって製
作される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の配線基板においては、セラミック生成形体を焼成す
る際、セラミック生成形体に不均一な焼成収縮が発生し
て得られる配線基板に反り等の変形や寸法のばらつきが
発生してしまい、その結果、半導体素子の各電極と配線
導体とを、或いは配線導体と外部電気回路基板の配線導
体とを正確、且つ確実に電気的に接続することが困難と
なる欠点を有していた。
来の配線基板においては、セラミック生成形体を焼成す
る際、セラミック生成形体に不均一な焼成収縮が発生し
て得られる配線基板に反り等の変形や寸法のばらつきが
発生してしまい、その結果、半導体素子の各電極と配線
導体とを、或いは配線導体と外部電気回路基板の配線導
体とを正確、且つ確実に電気的に接続することが困難と
なる欠点を有していた。
【0005】また得られる配線基板は、絶縁基体を構成
する酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスが硬く
て脆い性質を有するため、搬送工程や半導体装置製作の
自動ライン等において配線基板同士が、あるいは配線基
板と半導体装置製作自動ラインの一部とが激しく衝突す
ると絶縁基体に欠けや割れ、クラック等が発生し、その
結果、半導体素子を気密に収容することができず、半導
体素子を長期間にわたり正常、且つ安定に作動させるこ
とができなくなるという欠点も有していた。
する酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスが硬く
て脆い性質を有するため、搬送工程や半導体装置製作の
自動ライン等において配線基板同士が、あるいは配線基
板と半導体装置製作自動ラインの一部とが激しく衝突す
ると絶縁基体に欠けや割れ、クラック等が発生し、その
結果、半導体素子を気密に収容することができず、半導
体素子を長期間にわたり正常、且つ安定に作動させるこ
とができなくなるという欠点も有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の配線基板の製造
方法は、無機絶縁物粉末と熱硬化性樹脂前駆体とエポキ
シ変性アクリレートもしくはカルボン酸アクリレートか
ら成る熱硬化性バインダーとから成る前駆体シートを準
備する工程と、前記前駆体シートに熱硬化性樹脂前駆体
と金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定パター
ンに印刷する工程と、前記前駆体シート及び金属ペース
トを熱硬化させる工程と、から成ることを特徴とするも
のである。
方法は、無機絶縁物粉末と熱硬化性樹脂前駆体とエポキ
シ変性アクリレートもしくはカルボン酸アクリレートか
ら成る熱硬化性バインダーとから成る前駆体シートを準
備する工程と、前記前駆体シートに熱硬化性樹脂前駆体
と金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定パター
ンに印刷する工程と、前記前駆体シート及び金属ペース
トを熱硬化させる工程と、から成ることを特徴とするも
のである。
【0007】また本発明の配線基板の製造方法は、前記
前駆体シート中の無機絶縁物粉末の含有量を40乃至9
5重量%としたことを特徴とするものである。
前駆体シート中の無機絶縁物粉末の含有量を40乃至9
5重量%としたことを特徴とするものである。
【0008】更に本発明の配線基板の製造方法は、前記
前駆体シート中の熱硬化性バインダーの含有量を2乃至
10重量%としたことを特徴とするものである。
前駆体シート中の熱硬化性バインダーの含有量を2乃至
10重量%としたことを特徴とするものである。
【0009】また更に本発明の配線基板の製造方法は、
前記前駆体シートの熱硬化性バインダーとしてエポキシ
変性アクリレートもしくはカルボン酸変性アクリレート
を使用することを特徴とするものである。
前記前駆体シートの熱硬化性バインダーとしてエポキシ
変性アクリレートもしくはカルボン酸変性アクリレート
を使用することを特徴とするものである。
【0010】更にまた本発明の配線基板の製造方法は、
前記前駆体シートのガラス転移点を−20℃乃至40℃
とすることを特徴とするものである。
前記前駆体シートのガラス転移点を−20℃乃至40℃
とすることを特徴とするものである。
【0011】本発明の配線基板の製造方法によれば、絶
縁基体は無機絶縁物粉末と熱硬化性樹脂前駆体とエポキ
シ変性アクリレートもしくはカルボン酸アクリレートか
ら成る熱硬化性バインダーとから成る前駆体シートを熱
硬化させることによって製作され、焼成工程がないこと
から不均一な焼成収縮による変形や寸法のばらつき発生
を有効に防止することができる。
縁基体は無機絶縁物粉末と熱硬化性樹脂前駆体とエポキ
シ変性アクリレートもしくはカルボン酸アクリレートか
ら成る熱硬化性バインダーとから成る前駆体シートを熱
硬化させることによって製作され、焼成工程がないこと
から不均一な焼成収縮による変形や寸法のばらつき発生
を有効に防止することができる。
【0012】また本発明の配線基板の製造方法によれ
ば、前駆体シート中の無機絶縁物粉末の含有量を40乃
至95重量%としたり、エポキシ変性アクリレートやカ
ルボン酸変性アクリレートの熱硬化性バインダーの含有
量を2乃至10重量%としたりして前駆体シートのガラ
ス転移点を−20℃乃至40℃とすると、前駆体シート
の打ち抜き加工性、及び金属ペーストの印刷性を優れた
ものとなすことができ、これによって前駆体シートに打
ち抜き加工を施す際、前駆体シートに変形やクラックが
発生するのを有効に防止するとともに金属ペーストを所
定パターンに高精度に印刷して、電気抵抗値等が所定値
の高精度の配線導体を形成することが可能となる。
ば、前駆体シート中の無機絶縁物粉末の含有量を40乃
至95重量%としたり、エポキシ変性アクリレートやカ
ルボン酸変性アクリレートの熱硬化性バインダーの含有
量を2乃至10重量%としたりして前駆体シートのガラ
ス転移点を−20℃乃至40℃とすると、前駆体シート
の打ち抜き加工性、及び金属ペーストの印刷性を優れた
ものとなすことができ、これによって前駆体シートに打
ち抜き加工を施す際、前駆体シートに変形やクラックが
発生するのを有効に防止するとともに金属ペーストを所
定パターンに高精度に印刷して、電気抵抗値等が所定値
の高精度の配線導体を形成することが可能となる。
【0013】更に本発明の製造方法によって製作される
配線基板は、絶縁基体が無機絶縁物粉末を靭性に優れる
熱硬化樹脂で結合することによって形成されていること
から配線基板同士あるいは配線基板と半導体装置製作自
動ラインの一部とが激しく衝突しても絶縁基体に欠けや
割れ、クラック等を発生することはない。
配線基板は、絶縁基体が無機絶縁物粉末を靭性に優れる
熱硬化樹脂で結合することによって形成されていること
から配線基板同士あるいは配線基板と半導体装置製作自
動ラインの一部とが激しく衝突しても絶縁基体に欠けや
割れ、クラック等を発生することはない。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付の図面に基づ
き、詳細に説明する。
き、詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の製造方法によって製作さ
れる配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用
パッケージに適用した場合の一実施例を示し、1は絶縁
基体、2は配線導体である。
れる配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用
パッケージに適用した場合の一実施例を示し、1は絶縁
基体、2は配線導体である。
【0016】前記絶縁基体1は、三枚の絶縁基板1a、
1b、1cを積層することによって形成されており、そ
の上面中央部に半導体素子を収容するための凹部1dを
有し、該凹部1dの底面には半導体素子3が樹脂等の接
着剤を介して接着固定される。
1b、1cを積層することによって形成されており、そ
の上面中央部に半導体素子を収容するための凹部1dを
有し、該凹部1dの底面には半導体素子3が樹脂等の接
着剤を介して接着固定される。
【0017】前記絶縁基体1を構成する絶縁基板1a、
1b、1cは、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、窒
化アルミニウム、炭化珪素、チタン酸バリウム、ゼオラ
イト等の無機絶縁物粉末と、エポキシ樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂前
駆体とエポキシ変性アクリレートやカルボン酸変性アク
リレート等の熱硬化性バインダ―とから成る前駆体シー
トを熱硬化させることによって形成されており、絶縁基
体1を構成する三枚の絶縁基板1a、1b、1cはその
各々が無機絶縁物粉末を靱性に優れるエポキシ変性樹脂
等の熱硬化性樹脂で結合していることから絶縁基体1に
外力が印加されても該外力によって絶縁基体1に欠けや
割れ、クラック等が発生することはない。
1b、1cは、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、窒
化アルミニウム、炭化珪素、チタン酸バリウム、ゼオラ
イト等の無機絶縁物粉末と、エポキシ樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂前
駆体とエポキシ変性アクリレートやカルボン酸変性アク
リレート等の熱硬化性バインダ―とから成る前駆体シー
トを熱硬化させることによって形成されており、絶縁基
体1を構成する三枚の絶縁基板1a、1b、1cはその
各々が無機絶縁物粉末を靱性に優れるエポキシ変性樹脂
等の熱硬化性樹脂で結合していることから絶縁基体1に
外力が印加されても該外力によって絶縁基体1に欠けや
割れ、クラック等が発生することはない。
【0018】尚、前記絶縁基体1を構成する三枚の絶縁
基板1a、1b、1cは、これに含有される無機絶縁物
粉末の含有量が40重量%未満であると絶縁基体1の熱
膨張係数が半導体素子3の熱膨張係数に対して大きく相
違し、半導体素子3が作動時に熱を発し、該熱が半導体
素子3と絶縁基体1の両者に印加されると、両者間に両
者の熱膨張係数の相違に起因する大きな熱応力が発生
し、この大きな熱応力によって半導体素子3が絶縁基体
1から剥離したり、半導体素子3に割れや欠けが発生す
る危険性がある。また95重量%を越えると無機絶縁物
粉末を熱硬化性樹脂で完全に結合させることができず、
所定の絶縁基板1a、1b、1cを得ることが困難とな
る。従って、前記絶縁基体1を構成する絶縁基板1a、
1b、1cは、その各々の内部に含有される無機絶縁物
粉末の量を40乃至95重量%の範囲としておくことが
好ましい。
基板1a、1b、1cは、これに含有される無機絶縁物
粉末の含有量が40重量%未満であると絶縁基体1の熱
膨張係数が半導体素子3の熱膨張係数に対して大きく相
違し、半導体素子3が作動時に熱を発し、該熱が半導体
素子3と絶縁基体1の両者に印加されると、両者間に両
者の熱膨張係数の相違に起因する大きな熱応力が発生
し、この大きな熱応力によって半導体素子3が絶縁基体
1から剥離したり、半導体素子3に割れや欠けが発生す
る危険性がある。また95重量%を越えると無機絶縁物
粉末を熱硬化性樹脂で完全に結合させることができず、
所定の絶縁基板1a、1b、1cを得ることが困難とな
る。従って、前記絶縁基体1を構成する絶縁基板1a、
1b、1cは、その各々の内部に含有される無機絶縁物
粉末の量を40乃至95重量%の範囲としておくことが
好ましい。
【0019】また前記絶縁基体1は、その凹部1d周辺
から下面にかけて例えば銅、銀、金等の金属粉末をエポ
キシ樹脂等の熱硬化樹脂により結合した配線導体2が被
着形成されている。
から下面にかけて例えば銅、銀、金等の金属粉末をエポ
キシ樹脂等の熱硬化樹脂により結合した配線導体2が被
着形成されている。
【0020】前記配線導体2は、半導体素子3の各電極
を外部電気回路に電気的に接続する作用を為し、絶縁基
体1の凹部1d周辺に位置する部位には半導体素子3の
各電極がボンディングワイヤ4を介して電気的に接続さ
れ、また絶縁基体1の下面に導出された部位は外部電気
回路に電気的に接続される。
を外部電気回路に電気的に接続する作用を為し、絶縁基
体1の凹部1d周辺に位置する部位には半導体素子3の
各電極がボンディングワイヤ4を介して電気的に接続さ
れ、また絶縁基体1の下面に導出された部位は外部電気
回路に電気的に接続される。
【0021】尚、前記金属粉末を熱硬化性樹脂で結合し
て成る配線導体2は、これに含有される金属粉末の含有
量が70重量%未満では配線導体2の電気抵抗が高いも
のとなり、また95重量%を越えると金属粉末を熱硬化
性樹脂で強固に結合して所定の配線導体2を形成するこ
とが困難となる傾向にある。従って、前記配線導体2
は、その内部に含有される金属粉末の量を70乃至95
重量%の範囲としておくことが好ましい。
て成る配線導体2は、これに含有される金属粉末の含有
量が70重量%未満では配線導体2の電気抵抗が高いも
のとなり、また95重量%を越えると金属粉末を熱硬化
性樹脂で強固に結合して所定の配線導体2を形成するこ
とが困難となる傾向にある。従って、前記配線導体2
は、その内部に含有される金属粉末の量を70乃至95
重量%の範囲としておくことが好ましい。
【0022】また前記配線導体2は、その露出する表面
にニッケル、金等の耐食性に優れ、且つ良導電性の金属
をメッキ法により1.0乃至20.0μmの厚みに層着
させておくと配線導体2の酸化腐食を有効に防止するこ
とができるとともに配線導体2とボンディングワイヤ4
とを強固に電気的に接続させることができる。従って前
記配線導体2は、その露出する表面にニッケルや金等の
耐食性に優れ、且つ良導電性の金属をメッキ法により
1.0乃至20.0μmの厚みに層着させておくことが
好ましい。
にニッケル、金等の耐食性に優れ、且つ良導電性の金属
をメッキ法により1.0乃至20.0μmの厚みに層着
させておくと配線導体2の酸化腐食を有効に防止するこ
とができるとともに配線導体2とボンディングワイヤ4
とを強固に電気的に接続させることができる。従って前
記配線導体2は、その露出する表面にニッケルや金等の
耐食性に優れ、且つ良導電性の金属をメッキ法により
1.0乃至20.0μmの厚みに層着させておくことが
好ましい。
【0023】かくして本発明の製造方法によって製作さ
れた上述の配線基板によれば、絶縁基体1の凹部1d底
面に半導体素子3を樹脂等の接着剤を介して接着固定す
るとともに半導体素子3の各電極をボンディングワイヤ
4を介して配線導体2に電気的に接続し、最後に前記絶
縁基体1の上面に蓋体5を樹脂等から成る封止材を介し
て接合させ、絶縁基体1と蓋体5とから成る容器内部に
半導体素子3を気密に収容することにより製品としての
半導体装置が完成する。
れた上述の配線基板によれば、絶縁基体1の凹部1d底
面に半導体素子3を樹脂等の接着剤を介して接着固定す
るとともに半導体素子3の各電極をボンディングワイヤ
4を介して配線導体2に電気的に接続し、最後に前記絶
縁基体1の上面に蓋体5を樹脂等から成る封止材を介し
て接合させ、絶縁基体1と蓋体5とから成る容器内部に
半導体素子3を気密に収容することにより製品としての
半導体装置が完成する。
【0024】次に前記半導体素子収納用パッケージに使
用される配線基板の製造方法について図2に基づき説明
する。
用される配線基板の製造方法について図2に基づき説明
する。
【0025】先ず、図2(a)に示すように無機絶縁物
粉末と熱硬化性樹脂前駆体と熱硬化性バインダーとから
成る三枚の前駆体シート11a、11b、11cを準備
する。
粉末と熱硬化性樹脂前駆体と熱硬化性バインダーとから
成る三枚の前駆体シート11a、11b、11cを準備
する。
【0026】前記三枚の前駆体シート11a、11b、
11cは、例えば、粒径が0.1μm〜100μmの酸
化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪
素、チタン酸バリウム、ゼオライト等の無機絶縁物粉末
に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、クリシジルエステル型エポキシ樹脂等の熱
硬化性樹脂と、エポキシ変性アクリレートやカルボン酸
変性アクリレート等の熱硬化性バインダーとを添加混合
してペースト状となし、しかる後、このペーストをシー
ト状に成形するとともに約25〜100℃の温度で1〜
60分間加熱し、半硬化させることによって形成され
る。
11cは、例えば、粒径が0.1μm〜100μmの酸
化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪
素、チタン酸バリウム、ゼオライト等の無機絶縁物粉末
に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、クリシジルエステル型エポキシ樹脂等の熱
硬化性樹脂と、エポキシ変性アクリレートやカルボン酸
変性アクリレート等の熱硬化性バインダーとを添加混合
してペースト状となし、しかる後、このペーストをシー
ト状に成形するとともに約25〜100℃の温度で1〜
60分間加熱し、半硬化させることによって形成され
る。
【0027】また三枚の前駆体シート11a、11b、
11cは、その中に含有されるエポキシ変性アクリレー
トやカルボン酸変性アクリレートの熱硬化性バインダー
の含有量を2乃至10重量%としておくと前駆体シート
11a、11b、11cのガラス転移点を−20℃乃至
40℃の範囲として打ち抜き加工性、及び金属ペースト
の印刷性を優れたものとなすことができ、これによって
後述するように三枚の前駆体シート11a、11b、1
1cに、打ち抜き加工を施す際、前駆体シート11a、
11b、11c等に変形やクラックが発生することはな
く、また前駆体シート11a、11b、11c等に金属
ペーストを印刷する際、金属ペーストを所定パターンに
高精度に印刷することが可能となる。従って、前記三枚
の前駆体シート11a、11b、11cは、その中に含
有されるエポキシ変性アクリレートやカルボン酸変性ア
クリレートの熱硬化性バインダーの含有量を2乃至10
重量%として前駆体シート11a、11b、11cのガ
ラス転移点を−20℃乃至40℃の範囲としておくこと
が好ましい。
11cは、その中に含有されるエポキシ変性アクリレー
トやカルボン酸変性アクリレートの熱硬化性バインダー
の含有量を2乃至10重量%としておくと前駆体シート
11a、11b、11cのガラス転移点を−20℃乃至
40℃の範囲として打ち抜き加工性、及び金属ペースト
の印刷性を優れたものとなすことができ、これによって
後述するように三枚の前駆体シート11a、11b、1
1cに、打ち抜き加工を施す際、前駆体シート11a、
11b、11c等に変形やクラックが発生することはな
く、また前駆体シート11a、11b、11c等に金属
ペーストを印刷する際、金属ペーストを所定パターンに
高精度に印刷することが可能となる。従って、前記三枚
の前駆体シート11a、11b、11cは、その中に含
有されるエポキシ変性アクリレートやカルボン酸変性ア
クリレートの熱硬化性バインダーの含有量を2乃至10
重量%として前駆体シート11a、11b、11cのガ
ラス転移点を−20℃乃至40℃の範囲としておくこと
が好ましい。
【0028】次に図2(b)に示すように前記三枚の前
駆体シート11a、11b、11cのうち二枚の前駆体
シート11a、11bに凹部1dとなる開口A、A’
を、二枚の前駆体シート11b、11cに配線導体2を
引き回すための貫通孔B、B’を各々形成する。
駆体シート11a、11b、11cのうち二枚の前駆体
シート11a、11bに凹部1dとなる開口A、A’
を、二枚の前駆体シート11b、11cに配線導体2を
引き回すための貫通孔B、B’を各々形成する。
【0029】前記開口A、A’及び貫通孔B、B’は、
前駆体シート11a、11b、11cに従来周知のパン
チング加工法を施し、前駆体シート11a、11b、1
1cの各々に所定形状の孔を穿孔することによって形成
される。この場合、前駆体シート11a、11b、11
cの硝子転移点温度を−20乃至40℃の範囲としてお
くと前駆体シート11a、11b、11cの打ち抜き加
工性を良好として前駆体シート11a、11b、11c
等に変形やクラックが発生することはない。
前駆体シート11a、11b、11cに従来周知のパン
チング加工法を施し、前駆体シート11a、11b、1
1cの各々に所定形状の孔を穿孔することによって形成
される。この場合、前駆体シート11a、11b、11
cの硝子転移点温度を−20乃至40℃の範囲としてお
くと前駆体シート11a、11b、11cの打ち抜き加
工性を良好として前駆体シート11a、11b、11c
等に変形やクラックが発生することはない。
【0030】次に図2(c)に示すように、前記前駆体
シート11b、11cの上下面及び貫通孔B、B’内に
配線導体2となる金属ペースト12を従来周知のスクリ
ーン印刷法及び充填法を採用して所定パターンに印刷塗
布するとともにこれを約25〜100℃の温度で1〜6
0分間加熱し半硬化させる。この場合、前駆体シート1
1a、11b、11cの硝子転移点温度を−20乃至4
0℃の範囲としておくと前駆体シート11a、11b、
11cに対する金属ペースト12の印刷性が優れたもの
となり、金属ペースト12を所定パターンに高精度に印
刷することが可能となる。
シート11b、11cの上下面及び貫通孔B、B’内に
配線導体2となる金属ペースト12を従来周知のスクリ
ーン印刷法及び充填法を採用して所定パターンに印刷塗
布するとともにこれを約25〜100℃の温度で1〜6
0分間加熱し半硬化させる。この場合、前駆体シート1
1a、11b、11cの硝子転移点温度を−20乃至4
0℃の範囲としておくと前駆体シート11a、11b、
11cに対する金属ペースト12の印刷性が優れたもの
となり、金属ペースト12を所定パターンに高精度に印
刷することが可能となる。
【0031】前記配線導体2となる金属ペースト12と
しては、例えば粒径が0.1〜20μm程度の銅等粉末
にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポ
キシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポ
キシ樹脂及びアミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、
酸無水物系硬化剤等の硬化剤等を添加混合しペースト状
となしたものが使用される。
しては、例えば粒径が0.1〜20μm程度の銅等粉末
にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポ
キシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポ
キシ樹脂及びアミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、
酸無水物系硬化剤等の硬化剤等を添加混合しペースト状
となしたものが使用される。
【0032】そして最後に図2(d)に示すように前記
三枚の前駆体シート11a、11b、11cを上下に積
層するとともにこれを約80〜300℃の温度で約10
秒〜24時間加熱し前記前駆体シート11a、11b、
11c及び前駆体シート11b、11cに所定パターン
に印刷塗布された金属ペースト12を完全に熱硬化させ
ることによって図1に示すような絶縁基体1に配線導体
2を被着させた配線基板が完成する。この場合、前記前
駆体シート11a、11b、11c及び金属ペースト1
2は、熱硬化時に収縮することは殆どなく、従って、得
られる配線基板に変形や寸法のばらつきが発生すること
は有効に防止され、半導体素子と配線導体とを正確に接
続することが可能となる。
三枚の前駆体シート11a、11b、11cを上下に積
層するとともにこれを約80〜300℃の温度で約10
秒〜24時間加熱し前記前駆体シート11a、11b、
11c及び前駆体シート11b、11cに所定パターン
に印刷塗布された金属ペースト12を完全に熱硬化させ
ることによって図1に示すような絶縁基体1に配線導体
2を被着させた配線基板が完成する。この場合、前記前
駆体シート11a、11b、11c及び金属ペースト1
2は、熱硬化時に収縮することは殆どなく、従って、得
られる配線基板に変形や寸法のばらつきが発生すること
は有効に防止され、半導体素子と配線導体とを正確に接
続することが可能となる。
【0033】尚、本発明は、上述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれ
ば、種々の変更は可能であり、例えば上述の実施例で
は、本発明の配線基板を半導体素子を収容する半導体素
子収納用パッケージに適用した場合を例に採って説明し
たが、例えば混成集積回路等他の用途に使用される配線
基板に適用してもよい。
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれ
ば、種々の変更は可能であり、例えば上述の実施例で
は、本発明の配線基板を半導体素子を収容する半導体素
子収納用パッケージに適用した場合を例に採って説明し
たが、例えば混成集積回路等他の用途に使用される配線
基板に適用してもよい。
【0034】また、上述の実施例では、三枚の前駆体シ
ートを積層することによって配線基板を製作したが、一
枚や二枚、あるいは四枚以上の前駆体シートを使用して
配線基板を製作してもよい。
ートを積層することによって配線基板を製作したが、一
枚や二枚、あるいは四枚以上の前駆体シートを使用して
配線基板を製作してもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明の配線基板の製造方法によれば、
絶縁基体は無機絶縁物粉末と熱硬化性樹脂前駆体とエポ
キシ変性アクリレートもしくはカルボン酸アクリレート
から成る熱硬化性バインダーとから成る前駆体シートを
熱硬化させることによって製作され、焼成工程がないこ
とから不均一な焼成収縮による変形や寸法のばらつき発
生を有効に防止することができる。
絶縁基体は無機絶縁物粉末と熱硬化性樹脂前駆体とエポ
キシ変性アクリレートもしくはカルボン酸アクリレート
から成る熱硬化性バインダーとから成る前駆体シートを
熱硬化させることによって製作され、焼成工程がないこ
とから不均一な焼成収縮による変形や寸法のばらつき発
生を有効に防止することができる。
【0036】また本発明の配線基板の製造方法によれ
ば、前駆体シート中の無機絶縁物粉末の含有量を40乃
至95重量%としたり、エポキシ変性アクリレートやカ
ルボン酸変性アクリレートの熱硬化性バインダーの含有
量を2乃至10重量%としたりして前駆体シートのガラ
ス転移点を−20℃乃至40℃とすると、前駆体シート
の打ち抜き加工性、及び金属ペーストの印刷性を優れた
ものとなすことができ、これによって前駆体シートに打
ち抜き加工を施す際、前駆体シートに変形やクラックが
発生するのを有効に防止するとともに金属ペーストを所
定パターンに高精度に印刷して、電気抵抗値等が所定値
の高精度の配線導体を形成することが可能となる。
ば、前駆体シート中の無機絶縁物粉末の含有量を40乃
至95重量%としたり、エポキシ変性アクリレートやカ
ルボン酸変性アクリレートの熱硬化性バインダーの含有
量を2乃至10重量%としたりして前駆体シートのガラ
ス転移点を−20℃乃至40℃とすると、前駆体シート
の打ち抜き加工性、及び金属ペーストの印刷性を優れた
ものとなすことができ、これによって前駆体シートに打
ち抜き加工を施す際、前駆体シートに変形やクラックが
発生するのを有効に防止するとともに金属ペーストを所
定パターンに高精度に印刷して、電気抵抗値等が所定値
の高精度の配線導体を形成することが可能となる。
【0037】更に本発明の製造方法によって製作される
配線基板は、絶縁基体が無機絶縁物粉末を靭性に優れる
熱硬化樹脂で結合することによって形成されていること
から配線基板同士あるいは配線基板と半導体装置製作自
動ラインの一部とが激しく衝突しても絶縁基体に欠けや
割れ、クラック等を発生することはない。
配線基板は、絶縁基体が無機絶縁物粉末を靭性に優れる
熱硬化樹脂で結合することによって形成されていること
から配線基板同士あるいは配線基板と半導体装置製作自
動ラインの一部とが激しく衝突しても絶縁基体に欠けや
割れ、クラック等を発生することはない。
【図1】本発明の製造方法によって製造される配線基板
を半導体素子収納用パッケージに適用した場合の一実施
例を示す断面図である。
を半導体素子収納用パッケージに適用した場合の一実施
例を示す断面図である。
【図2】本発明の配線基板の製造方法を説明するための
工程毎の断面図である。
工程毎の断面図である。
1・・・・・・・・・・・・絶縁基体 1a、1b、1c・・・・・絶縁基板 2・・・・・・・・・・・・配線導体 11a、11b、11c・・・前駆体シート 12・・・金属ペースト
Claims (4)
- 【請求項1】無機絶縁物粉末と熱硬化性樹脂前駆体とエ
ポキシ変性アクリレートもしくはカルボン酸アクリレー
トから成る熱硬化性バインダーとから成る前駆体シート
を準備する工程と、前記前駆体シートに熱硬化性樹脂前
駆体と金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定パ
ターンに印刷する工程と、前記前駆体シート及び金属ペ
ーストを熱硬化させる工程と、から成る配線基板の製造
方法。 - 【請求項2】前記前駆体シート中の無機絶縁物粉末の含
有量が40乃至95重量%であることを特徴とする請求
項1に記載の配線基板の製造方法。 - 【請求項3】前記前駆体シート中の熱硬化性バインダー
の含有量が2乃至10重量%であることを特徴とする請
求項1に記載の配線基板の製造方法。 - 【請求項4】前記前駆体シートのガラス転移点が−20
℃乃至40℃であることを特徴とする請求項1に記載の
配線基板の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32603395A JP3181019B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 配線基板の製造方法 |
US08/717,119 US5837356A (en) | 1995-09-22 | 1996-09-20 | Wiring board and method for manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32603395A JP3181019B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 配線基板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09167886A JPH09167886A (ja) | 1997-06-24 |
JP3181019B2 true JP3181019B2 (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18183357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32603395A Expired - Fee Related JP3181019B2 (ja) | 1995-09-22 | 1995-12-14 | 配線基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3181019B2 (ja) |
-
1995
- 1995-12-14 JP JP32603395A patent/JP3181019B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09167886A (ja) | 1997-06-24 |
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