JP3297572B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子を収容
するための半導体素子収納用パッケージや混成集積回路
基板等に用いられる配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、配線基板、例えば半導体素子を収
容する半導体素子収納用パッケージに使用される配線基
板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスより
成り、その上面中央部に半導体素子を収容する凹部を有
する絶縁基体と、前記絶縁基体の凹部周辺から下面にか
けて導出されたタングステン、モリブデン等の高融点金
属粉末から成る配線導体とから構成されており、前記絶
縁基体の凹部底面に半導体素子をガラス、樹脂、ロウ材
等の接着剤を介して接着固定するとともに半導体素子の
各電極を例えばボンディングワイヤ等の電気的接続手段
を介して配線導体に電気的に接続し、しかる後、前記絶
縁基体の上面に、金属やセラミックス等から成る蓋体を
絶縁基体の凹部を塞ぐようにしてガラス、樹脂、ロウ材
等の封止材を介して接合させ、絶縁基体の凹部内に半導
体素子を気密に収容することによって製品としての半導
体装置となり、配線導体の絶縁基体凹部底面に導出した
部位を外部電気回路基板の配線導体に接続することによ
って半導体素子の各電極が外部電気回路基板に電気的に
接続されることとなる。
【0003】尚、前記配線基板は一般に、セラミックグ
リーンシート積層法によって製作されており、具体的に
は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バ
インダー、溶剤等を添加混合して泥漿状となすとともに
これを従来周知のドクターブレード法を採用してシート
状とすることによって複数のセラミックグリーンシート
を得、しかる後、前記セラミックグリーンシートに適当
な打ち抜き加工を施すとともに配線導体となる金属ペー
ストを所定パターンに印刷塗布し、最後に前記セラミッ
クグリーンシートを所定の順に上下に積層して生セラミ
ック成形体となすとともに該セラミック生成形体を還元
雰囲気中約1600℃の高温で焼成することによって製
作される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の配線基板においては、セラミック生成形体を焼成す
る際、セラミック生成形体に不均一な焼成収縮が発生
し、得られる配線基板に反り等の変形や寸法のばらつき
が発生し、その結果、半導体素子の各電極と配線導体と
を、或いは配線導体と外部電気回路基板の配線導体とを
正確、且つ確実に電気的に接続することが困難であると
いう欠点を有していた。
【0005】また得られる配線基板は、絶縁基体を構成
する酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスが硬く
て脆い性質を有するため、搬送工程や半導体装置製作の
自動ライン等において配線基板同士が、あるいは配線基
板と半導体装置製作自動ラインの一部とが激しく衝突す
ると絶縁基体に欠けや割れ、クラック等が発生し、その
結果、半導体素子を気密に収容することができず、半導
体素子を長期間にわたり正常、且つ安定に作動させるこ
とができなくなるという欠点も有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の絶縁基体に所定
パターンの配線導体を被着させた配線基板の製造方法
は、熱硬化性樹脂前駆体と無機絶縁物粉末とを混合した
絶縁基体となる前駆体シートを準備する工程と、前記前
駆体シートに、熱硬化性樹脂前駆体と金属粉末と融点が
300℃以下の低融点金属粉末とを混合した配線導体と
なる金属ペーストを所定パターンに印刷する工程と、前
記金属ペーストが印刷塗布された前記前駆体シートを
数枚上下に積層するとともにこれを所定温度の不活性雰
囲気中に投入し、前記金属ペースト中の金属粉末を前記
低融点金属粉末で接合させるとともに前記前駆体シート
の熱硬化性樹脂前駆体と前記金属ペーストの熱硬化性樹
脂前駆体とを熱硬化させる工程と、から成ることを特徴
とするものである。
【0007】また本発明の絶縁基体に所定パターンの配
線導体を被着させた配線基板の製造方法は、熱硬化性樹
脂前駆体と無機絶縁物粉末とを混合した絶縁基体となる
前駆体シートを準備する工程と、前記前駆体シートに、
熱硬化性樹脂前駆体と融点が300℃以下の低融点金属
粉末とを混合した配線導体となる金属ペーストを所定パ
ターンに印刷する工程と、前記金属ペーストが印刷塗布
された前記前駆体シートを複数枚上下に積層するととも
にこれを所定温度の不活性雰囲気中に投入し、前記金属
ペースト中の低融点金属粉末同士を接合させるとともに
前記前駆体シートの熱硬化性樹脂前駆体と前記金属ペー
ストの熱硬化性樹脂前駆体とを熱硬化させる工程と、か
ら成ることを特徴とするものである。
【0008】更に本発明は、前記金属ペーストの熱硬化
性樹脂前駆体が導電性を有していることを特徴とするも
のである。
【0009】本発明の配線基板の製造方法によれば、配
線導体が被着される絶縁基体を熱硬化性樹脂前駆体と無
機絶縁物粉末とを混合して成る前駆体シートを熱硬化さ
せることによって形成しており、絶縁基体を得る際に焼
成工程がないことから焼成に伴う不均一な収縮による変
形や寸法のばらつきが発生することはない。
【0010】また本発明の配線基板の製造方法によれ
ば、金属ペーストが印刷塗布された前駆体シートを所定
温度の不活性雰囲気中に投入し、雰囲気温度によって金
属ペースト中の金属粉末を低融点金属で接合させる、或
いは低融点金属粉末同士を接合させることから金属粉末
間、或いは低融点金属粉末間の電気的接続が確実とな
り、これよって配線導体の電気抵抗を低抵抗となすこと
ができる。
【0011】更に本発明の配線基板の製造方法によれ
ば、配線導体となる金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆体
を導電性を有する導電性熱硬化性前駆体としておけば金
属粉末間、或いは低融点金属粉末間の電気的接続がより
確実となり、これよって配線導体の電気抵抗をより低抵
抗となすことができる。
【0012】また更に本発明の製造方法によって得られ
る配線基板は、絶縁基体が無機絶縁物粉末を靱性に優れ
る熱硬化性樹脂で結合することによって形成されている
ことから配線基板同士あるいは配線基板と半導体装置製
作自動ラインの一部とが激しく衝突しても絶縁基体に欠
けや割れ、クラック等を発生することもない。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の製造方法によって製作さ
れる配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用
パッケージに適用した場合の一実施例を示し、1は絶縁
基体、2は配線導体である。
【0015】前記絶縁基体1は、三枚の絶縁基板1a、
1b、1cを積層することによって形成されており、そ
の上面中央部に半導体素子を収容するための凹部1dを
有し、該凹部1dの底面には半導体素子3が樹脂等の接
着剤を介して接着固定される。
【0016】前記絶縁基体1を構成する絶縁基板1a、
1b、1cは、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、窒
化アルミニウム、炭化珪素、チタン酸バリウム、ゼオラ
イト等の無機絶縁物粉末をエポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂,ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂で結
合することによって形成されており、絶縁基体1を構成
する三枚の絶縁基板1a、1b、1cはその各々が無機
絶縁物粉末を靭性に優れる熱硬化性樹脂で結合すること
によって形成されていることから絶縁基体1に外力が印
加されても該外力によって絶縁基体1に欠けや割れ、ク
ラック等が発生することはない。
【0017】尚、前記無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で
結合して成る絶縁基体1を構成する三枚の絶縁基板1
a、1b、1cは、無機絶縁物粉末の含有量が60重量
%未満であると絶縁基体1の熱膨脹係数が半導体素子3
の熱膨脹係数に対して大きく相違し、半導体素子3が作
動時に熱を発し、該熱が半導体素子3と絶縁基体1の両
者に印加されると、両者間に両者の熱膨脹係数の相違に
起因する大きな熱応力が発生し、この大きな熱応力によ
って半導体素子3が絶縁基体1から剥離したり、半導体
素子3に割れや欠けが発生する危険性がある。また95
重量%をえると無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で完全
に結合させることができず、所定の絶縁基板1a、1
b、1cを得ることが困難となる。従って、前記絶縁基
体1を構成する絶縁基板1a、1b、1cは、その各々
の内部に含有される無機絶縁物粉末の量を60乃至95
重量%の範囲としておくことが好ましい。
【0018】また前記絶縁基体1は、その凹部1d周辺
から下面にかけて配線導体2が被着形成されており、該
配線導体2は銅、銀、金等の金属粉末を融点が300℃
以下の低融点金属、具体的には半田を介し接合されたも
の、或いは融点が300℃以下の半田等の低融点金属同
士を接合させたものを熱硬化性樹脂を介し絶縁基体1に
取着させて形成されている。
【0019】前記配線導体2は、内部に収容する半導体
素子3の各電極を外部電気回路に電気的に接続する作用
を為し、絶縁基体1の凹部1d周辺に位置する部位には
半導体素子3の各電極がボンディングワイヤ4を介して
電気的に接続され、また絶縁基体1の下面に導出された
部位は外部電気回路に電気的に接続される。
【0020】前記配線導体2はまた銅、銀、金等の金属
粉末を融点が300℃以下の低融点金属で接合すること
によって、或いは融点が300℃以下の半田等の低融点
金属同士を接合させることによって形成されているた
め、金属粉末間、或いは低融点金属同士の電気的接続を
確実として配線導体2の電気抵抗を低抵抗のものとなす
ことができる。
【0021】更に前記配線導体2は金属粉末等を絶縁基
体1取着させる熱硬化性樹脂を導電性ポリピロール樹
脂やポリパラフェニレン樹脂、ポリアニリン樹脂等の導
電性樹脂で形成しておくと配線導体2の金属粉末間や低
融点金属同士の電気的接続がより確実となり、配線導体
2の電気抵抗をより低抵抗のものとすることができる。
【0022】尚、前記配線導体2はそれが金属粉末と融
点が300℃以下の低融点金属と熱硬化性樹脂とから成
る場合、金属粉末と融点が300℃以下の低融点金属の
合計重量が配線導体2の全重量に対し、70重量%未満
となると金属粉末と低融点金属との接合が不完全とな
り、また95重量%をえると熱硬化性樹脂で配線導体
2を絶縁基体1に強固に被着させるのが困難になるとと
もに配線導体2が脆弱となる傾向にある。従って、前記
配線導体2に含有される金属粉末と融点が300℃以下
の低融点金属はその合計重量を配線導体2の全重量に対
して70重量%乃至95重量%の範囲としておくことが
好ましい。
【0023】また前記配線導体2が300℃以下の融点
を有する低融点金属と熱硬化性樹脂とから成る場合、融
点が300℃以下の低融点金属の重量が配線導体2の全
重量に対し、70重量%未満となると低融点金属同士の
接合が不完全となり、また95重量%をえると熱硬化
性樹脂で配線導体2を絶縁基体1に強固に被着させるの
が困難になるとともに配線導体2が脆弱となる傾向にあ
る。従って、前記配線導体2に含有される融点が300
℃以下の低融点金属はその重量を配線導体2の全重量に
対して70重量%乃至95重量%の範囲としておくこと
が好ましい。
【0024】更に前記配線導体2はそれが金属粉末と融
点が300℃以下の低融点金属と熱硬化性樹脂とから成
る場合、金属粉末の量が該金属粉末と融点が300℃以
下の低融点金属の合計重量に対し20重量%未満となる
と金属粉末に対して低融点金属の量が多くなり、低融点
金属同士が溶融し合って金属粉末を取り込んだ一体化が
困難となって配線導体2の電気抵抗が高くなる傾向にあ
り、また80重量%をえると金属粉末を接合させる低
融点金属の量が相対的に少なくなり、金属粉末を完全に
接合させることができず、配線導体2の電気抵抗が高く
なってしまう傾向にある。従って、前記配線導体2はそ
れが金属粉末と融点が300℃以下の低融点金属と熱硬
化性樹脂とから成る場合、金属粉末の量を該金属粉末と
融点が300℃以下の低融点金属の合計重量に対し20
重量乃至80重量%の範囲としておくことが好まし
い。
【0025】また更に前記配線導体2に含有される金属
粉末や融点が300℃以下の低融点金属は、その平均粒
径が0.1μm未満となると金属粉末や融点が300℃
以下の低融点金属が凝集して均一な分散が得られなくな
り、また50μmをえると配線導体2の幅を一般的に
要求される50μm〜200μmの範囲に印刷形成する
のが困難となる傾向にある。従って、前記配線導体2に
含有される金属粉末や融点が300℃以下の低融点金属
はその平均粒径を0.1μm乃至50μmの範囲として
おくことが好ましい。
【0026】かくして本発明の製造方法によって製作さ
れた上述の配線基板によれば、絶縁基体1の凹部1d底
面に半導体素子3を樹脂等の接着剤を介して接着固定す
るとともに半導体素子3の各電極をボンディングワイヤ
4を介して配線導体2に電気的に接続し、最後に前記絶
縁基体1の上面に蓋体5を樹脂等から成る封止材を介し
て接合させ、絶縁基体1と蓋体5とから成る容器内部に
半導体素子3を気密に収容することにより製品としての
半導体装置が完成する。
【0027】次に前記半導体素子収納用パッケージに使
用される配線基板の製造方法について図2に基づき説明
する。
【0028】先ず、図2(a)に示すように三枚の前駆
体シート11a、11b、11cを準備する。
【0029】前記三枚の前駆体シート11a、11b、
11cは、無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂前駆体で結合
することによって形成されており、例えば、粒径が0.
1μm〜100μm程度の酸化珪素粉末にビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ノボララック型エポキシ樹脂、グ
リシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂及び
アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬
化剤等の硬化剤を添加混合してペースト状となし、しか
る後、このペーストをシート状に成形すことによって形
成される。
【0030】次に図2(b)に示すように前記三枚の前
駆体シート11a、11b、11cのうち二枚の前駆体
シート11a、11bに半導体素子3を収容する凹部1
dとなる開口A、A’を、二枚の前駆体シート11b、
11cに配線導体2を引き回すための貫通孔B、B’を
各々形成する。
【0031】前記開口A、A’及び貫通孔B、B’は、
前駆体シート11a、11b、11cに従来周知のパン
チング加工法を施し、前駆体シート11a、11b、1
1cの各々に所定形状の孔を穿孔することによって形成
される。
【0032】次に図2(c)に示すように、前記前駆体
シート11b、11cの上下面及び貫通孔B、B’内に
配線導体2となる金属ペースト12を従来周知のスクリ
ーン印刷法及び充填法を採用して所定パターンに印刷塗
布する。
【0033】前記配線導体2となる金属ペースト12と
しては、例えば粒径が0.1〜20μm程度の銅等の金
属粉末に、融点が300℃以下の半田等から成る低融点
金属粉末と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラ
ラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ
樹脂等のエポキシ樹脂及びアミン系硬化剤、イミダゾー
ル系硬化剤、酸無水物系硬化剤等の硬化剤を添加混合し
てペースト状となしたものが使用される。
【0034】また前記配線導体2となる金属ペースト1
2はビスフェノールA型エポキシ樹脂等に替えて導電性
ポリピロール樹脂やポリパラフェニレン樹脂、ポリアニ
リン樹脂等の導電性樹脂を使用すると後述する金属ペー
スト12を所定パターンに印刷塗布した三枚の前駆体シ
ート11a、11b、11cを熱硬化させて配線導体2
を有する絶縁基体1となす際、配線導体2の金属粉末
間、或いは低融点金属同士の電気的接続がより確実とな
り、配線導体2の電気抵抗をより低抵抗のものとなすこ
とができる。従って、前記配線導体2となる金属ペース
ト12はそれに使用されてる熱硬化性樹脂として導電性
ポリピロール樹脂やポリパラフェニレン樹脂、ポリアニ
リン樹脂等の導電性樹脂を使用することが好ましい。
【0035】そして最後に前記三枚の前駆体シート11
a、11b、11cを上下に積層するとともにこれを8
0〜300℃の不活性雰囲気中に投入し、雰囲気温度で
金属ペースト中の金属粉末を低融点金属粉末で接合させ
る、或いは低融点金属同士を接合させ、同時に三枚の前
駆体シート11a、11b、11cの熱硬化性樹脂前駆
体と金属ペースト12の熱硬化性樹脂前駆体とを熱硬化
させることによって図1に示すような絶縁基体1に配線
導体2を被着させた配線基板が完成する。この場合、前
記前駆体シート11a、11b、11c及び金属ペース
ト12は、熱硬化時に収縮することは殆どなく、従っ
て、得られる配線基板に変形や寸法のばらつきが発生せ
ず、配線導体に断線が招来することはなく、配線導体
を介して半導体素子等の電極を外部電気回路に確実
に電気的接続することが可能となる。
【0036】また前記金属ペースト12を所定パターン
に印刷塗布した三枚の前駆体シート11a、11b、1
1cが投入される温度が80〜300℃の不活性雰囲気
は、例えばガルデン(伊国 アウジモント社の商品名)
と称されている不活性溶液をヒーターにより加熱し、そ
の蒸気相を使用することによって形成され、該不活性溶
液の蒸気相を使用した不活性雰囲気は温度のコントロー
ルが容易であることから雰囲気の温度を所定の温度とし
て金属ペースト12の金属粉末間を低融点金属で確実に
接合させつつ、或いは低融点金属同士を確実に接合させ
つつ三枚の前駆体シート11a、11b、11cの熱硬
化性樹脂前駆体と金属ペースト12の熱硬化性樹脂前駆
体とを熱硬化させることができる。
【0037】尚、本発明は、上述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれ
ば、種々の変更は可能であり、例えば上述の実施例で
は、本発明の配線基板を半導体素子を収容する半導体素
子収納用パッケージに適用した場合を例に採って説明し
たが、例えば混成集積回路等他の用途に使用される配線
基板に適用してもよい。
【0038】また、上述の実施例では、三枚の前駆体シ
ートを積層することによって配線基板を製作したが、一
枚や二枚、あるいは四枚以上の前駆体シートを使用して
配線基板を製作してもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明の配線基板の製造方法によれば、
配線導体が被着される絶縁基体を熱硬化性樹脂前駆体と
無機絶縁物粉末とを混合して成る前駆体シートを熱硬化
させることによって形成しており、絶縁基体を得る際に
焼成工程がないことから焼成に伴う不均一な収縮による
変形や寸法のばらつきが発生することはない。
【0040】また本発明の配線基板の製造方法によれ
ば、金属ペーストが印刷塗布された前駆体シートを所定
温度の不活性雰囲気中に投入し、雰囲気温度によって金
属ペースト中の金属粉末を低融点金属で接合させる、或
いは低融点金属粉末同士を接合させることから金属粉末
間、或いは低融点金属粉末間の電気的接続が確実とな
り、これよって配線導体の電気抵抗を低抵抗となすこと
ができる。
【0041】更に本発明の配線基板の製造方法によれ
ば、配線導体となる金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆体
を導電性を有する導電性熱硬化性前駆体としておけば金
属粉末間、或いは低融点金属粉末間の電気的接続がより
確実となり、これよって配線導体の電気抵抗をより低抵
抗となすことができる。
【0042】また更に本発明の製造方法によって得られ
る配線基板は、絶縁基体が無機絶縁物粉末を靱性に優れ
る熱硬化性樹脂で結合することによって形成されている
ことから配線基板同士あるいは配線基板と半導体装置製
作自動ラインの一部とが激しく衝突しても絶縁基体に欠
けや割れ、クラック等を発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板を半導体素子収納用パッケー
ジに適用した場合の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の配線基板の製造方法を説明するための
工程毎の断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基体 2・・・配線導体 11・・・前駆体シート 12・・・金属ペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−61395(JP,A) 特開 平7−9609(JP,A) 特開 平4−348935(JP,A) 特開 昭55−160072(JP,A) 特開 平7−14422(JP,A) 特開 平1−294303(JP,A) 特表 平7−502369(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 1/02,1/03,1/09 H05K 3/12,3/46 H01L 23/12,23/14 H01B 1/00 - 1/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂前駆体と無機絶縁物粉末とを
    混合した絶縁基体となる前駆体シートを準備する工程
    と、前記前駆体シートに、熱硬化性樹脂前駆体と金属粉
    末と融点が300℃以下の低融点金属粉末とを混合した
    配線導体となる金属ペーストを所定パターンに印刷する
    工程と、前記金属ペーストが印刷塗布された前記前駆体
    シートを複数枚上下に積層するとともにこれを所定温度
    の不活性雰囲気中に投入し、前記金属ペースト中の金属
    粉末を前記低融点金属粉末で接合させるとともに前記
    駆体シートの熱硬化性樹脂前駆体と前記金属ペーストの
    熱硬化性樹脂前駆体とを熱硬化させる工程と、から成る
    ことを特徴とする絶縁基体に所定パターンの配線導体を
    被着させた配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】熱硬化性樹脂前駆体と無機絶縁物粉末とを
    混合した絶縁基体となる前駆体シートを準備する工程
    と、前記前駆体シートに、熱硬化性樹脂前駆体と融点が
    300℃以下の低融点金属粉末とを混合した配線導体と
    なる金属ペーストを所定パターンに印刷する工程と、前
    記金属ペーストが印刷塗布された前記前駆体シートを
    数枚上下に積層するとともにこれを所定温度の不活性雰
    囲気中に投入し、前記金属ペースト中の低融点金属粉末
    同士を接合させるとともに前記前駆体シートの熱硬化性
    樹脂前駆体と前記金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆体と
    を熱硬化させる工程と、から成ることを特徴とする絶縁
    基体に所定パターンの配線導体を被着させた配線基板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆体が
    導電性を有していることを特徴とする請求項1もしくは
    請求項2に記載の配線基板の製造方法。
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