JP3180691B2 - かご型誘導電動機の回転子及びその製造方法 - Google Patents
かご型誘導電動機の回転子及びその製造方法Info
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Description
型のかご型誘導電動機の回転子におけるロータバー(回
転子バー)とエンドリング(短絡環)をろう付するため
の継手構造とそのろう付方法に関するものである。
55−40051号公報に示された従来の誘導電動機の
回転子におけるロータバー(回転子バー)とエンドリン
グ(短絡環)のろう付継手構造を示す側面図、正面図、
上面図である。図17は従来のろう付継手構造を有する
回転子に対して、トーチ(火炎)加熱によりろう付を行
う様子を示す外観斜視図である。図において、1はロー
タバー(回転子バー)、2はエンドリング(短絡環)、
3はろう材5が流れた後のろう付部、4はろう付すき
間、5は作業者が手動で供給するろう材、6はエンドリ
ング2下面からCO2 カ゛ス等の火炎により加熱するトー
チa、7はロータバー1のろう付部側面をCO2 カ゛ス等
の火炎により加熱するトーチbである。8はエンドリン
グ2表面に設けられたろう付用溝である。
て説明する。まずエンドリング2表面に設けられたろう
付用溝8にフラックス(図示せず)を塗布しておく。従
来例では、ろう材5に銀ろう材(BAg-6またはBAg-7)を
用いるため、フラックスにも銀ろう材用のフラックスを
用いている。トーチa6によりエンドリング2下面から
加熱する。また、ある程度エンドリング2の温度が上昇
したところで、トーチb7によりロータバー1を加熱す
る。フラックスが活性温度に達して、ロータバー1とエ
ンドリング2がろう材5の液相線以上の温度に達した段
階で、作業者(図示せず)がろう材5を手で差してろう
付を行う。この時作業者は、加熱したロータバー1とエ
ンドリング2の色を見ながら温度を予測しており、これ
には熟練した技能が必要となる。このように1本のロー
タバー1がろう付できたら次々に他のロータバー1をろ
う付していく。また、ロータバー1の本数が多い場合
(例えば20本以上)は、5から8本程度をろう付し
て、ろう付した箇所の180度反対側のローターバーを
次にろう付するようにして、ろう付時に発生する熱応力
が小さくなるような方法をとる。このため従来のろう付
方法では、ろう付が完了するまでの時間が長くなる欠点
がある。たとえば、ロータバー1が45本程度あるもの
では、エンドリング2にロータバー1をすべてろう付す
るのに2時間程度要する。
は、以上のようにろう付時間が長くかかり、作業者の熟
練が必要であるという欠陥があった。また、回転子が大
きくなるとロータバー1の寸法も大きくなり、ろう付す
き間4を形成する目的で図16(a)に示すように斜め
に切断した形状では、ロータバー端面を旋盤等で加工す
るため、斜めにする角度θを1度以下にはしにくく、ろ
う付すき間4が大きくなりすぎるという欠点があった。
さらに、従来の作業者によるろう付方法において欠点で
あったろう付時間を短縮するためには、置きろう材をエ
ンドリング2と接するロータバー端面の片側の長辺に沿
って供給し、エンドリング2下面からの高周波加熱によ
り一括ろう付を行う方法が考えられる。しかし、図1
6、および図18(c)に示すような従来の継手形状の
ままで上記置きろう材によるろう付を行うと、図18
(a)に示すように、ろう材がロータバー1端面に一様
に流れず、中央部に大きなろう付欠陥が発生するという
欠点があった。これは、ロータバー1とエンドリング2
のすき間の小さいところの毛細管力は強く、すき間が大
きくなるに従って毛細管力が小さくなるため、ろう材の
流れ速度は図18(b)に示すようになり、ロータバー
中央部をろう材が埋める前に、ろう材の流れ速度の速い
部分のろう材がロータバー1外周部を回り込み、その結
果、中央部にボイドを形成するためである。
ためになされたもので、ろう付時間が短く、作業者の技
能を必要とせず、置きろう材で信頼性の高いかご型誘導
電動機の回転子が得られるろう付継手形状及びろう付方
法を得ることを目的とする。
導電動機の回転子は、エンドリングと接するロータバー
端面に、ロータバー端面における短辺の方向に沿った凹
部または凸部を設け、上記凹部または凸部を少なくとも
2つの傾斜面で構成してロータバーとエンドリングの接
触を線接触とするとともに、ろう付け間隙の最大高さを
0.6mm以下となるようにしたものである。
は、ロータバーと接するエンドリング面に、周方向に沿
った凹部または凸部を設け、上記凹部または凸部を少な
くとも2つの傾斜面で構成してロータバーとエンドリン
グの接触を線接触とするとともに、ろう付け間隙の最大
高さを0.6mm以下となるようにしたものである。
は、上記ロータバーと上記エンドリングの接触を1〜5
本の線接触のみとしたものである。
は、上記凹部または凸部の断面形状を山形形状とし、ロ
ータバー端面における短辺の両端部より短辺の中央部の
毛細管力を大きくしたものである。
は、上記複数のロータバーと接するエンドリング面の、
各ロータバー設置位置に、ロータバー1本とロータバー
1本をろう付できる量のろう材をロータバーの片側に収
めることができる大きさの溝部を設けたものである。
の製造方法は、上記かご型誘導電動機の回転子におい
て、ロータバー2本をろう付できる量のろう材をロータ
バーとロータバーとの間に一つ間隔で供給し、エンドリ
ングの下面から加熱して一括ろう付したものである。
の製造方法は、上記かご型誘導電動機の回転子におい
て、ロータバー1本をろう付できる量の平板状のろう材
を各ロータバーの片側に供給し、エンドリングの下面か
ら加熱して一括ろう付したものである。
て説明する。図1はこの発明の実施の形態1によるかご
型誘導電動機の回転子におけるロータバーとエンドリン
グのろう付継手構造を示す断面構成図である。図におい
て、1は回転子に複数本設けられたロータバーであり、
ロータバー端面には、ロータバー端面における短辺の方
向に沿った凹部および凸部が形成され、端面全体が細か
い波形状になっている。また、凹部および凸部の高さ、
即ちろう付間隙の最大高さdは0.6mm 以下としてい
る。2はエンドリングであり、ロータバー1とエンドリ
ング2の接触は3本の線接触となる。8はエンドリング
2表面に加工されたろう付用溝である。ろう付用溝8
は、旋盤などでエンドリング2に加工するため、エンド
リング2の周方向全体に形成される。9はろう材であ
る。本実施の形態によれば、ろう付完了後にろう付用溝
8によりロータバー1側面にフィレットが形成され、応
力集中の生じ難いろう付ができる。また、ロータバー端
面には山形形状の凹凸部が形成されているので、ロータ
バー端面とろう付用溝8表面とのろう付間隙にろう材が
均等に浸入する。
付方法について説明する。図2はエンドリング下面から
の高周波加熱により実施の形態1による回転子をろう付
する方法を示す外観斜視図である。従来例(図17)と
同一部品はここでは説明を省略する。図において、9は
各ロータバー1の片側に供給された置きろう材であり、
ロータバー1本をろう付できる量のろう材である。本実
施の形態では丸棒(φ7mm)状のものを2本使用してい
る。10は高周波加熱を行うための加熱コイル、11は
加熱コイル10とエンドリング2との絶縁をとるための
絶縁シート、12は代表的なロータバー1の温度を検出
する赤外線センサーである。
んで、加熱コイル10の上に設置する。次に、エンドリ
ング2表面に設けられたろう付用溝8にフラックス(図
示せず)を塗布しておく。そして、積層コア材、回転軸
等が既に組み立てられた(本図では図示せず)ロータバ
ー1をエンドリング2に設置後、置きろう材9にもフラ
ックスを塗布して、各ロータバー端面の片側の長辺に沿
って供給する。最後に、赤外線センサー12をロータバ
ー1の所定の温度検出位置にあわせて準備が完了する。
本実施の形態では、外径500mm、内径340mm、厚さ
25mmのエンドリングを使用し、ロータバー1は端面の
長辺が50mm、短辺が20mmのものを46本用いてい
る。ろう付は、高周波コイル10によりエンドリング2
下面から加熱することにより開始される。本実施の形態
では、150kWの高周波電源を用い、13kHz で加熱を
行っている。これにより、エンドリング2下面から0.
2mmの深さの部分が加熱される。
ータバー1の温度測定結果を示す。横軸は時間、縦軸は
温度であり、実線がエンドリング2の温度、点線がロー
タバーの温度を示す。図3に示すように、最初の3分間
は、エンドリング2だけが温度上昇する。これは、エン
ドリング2とロータバー1が線接触で接しているので接
触熱抵抗が高いためである。つぎに、エンドリング2が
ろう材の液相温度(約700℃)に達すると置きろう材
9が溶解し、ロータバー1にろう材9が接触して急激に
熱が伝導していき、ロータバー1の温度が上昇し始め
る。但し図3ではロータバー1の端面から10mm上方の
位置に熱電対を差し込んでいるため、測温部は実際のろ
う付部より温度が低くなっている。置きろう材9が溶解
してから約1分でロータバー1はろう材の液相温度に達
し、溶解したろう材9がろう付間隙に浸入し、さらにロ
ータバー側面にもフィレットが形成される。予めロータ
バーのろう付部の温度と測温部の温度との温度差を実験
的に求めておき、ロータバー1のろう付部の温度が規定
の温度(ろう材の液相温度+20℃)に達したのを赤外
線センサー12が検知すると高周波の加熱を停止して冷
却にはいる。図3に示すように加熱コイル10を適正に
設計すれば、エンドリング2にほとんど温度分布がつか
ず、均一に加熱できる。このため、ろう付時に発生する
熱応力は、冷却時にエンドリングが均等に収縮してロー
タバー1に対する残留応力となるが、従来の手動ろう付
に比べて、均等な残留応力となり、その最大値も小さな
ものになる。また、従来はエンドリング2とロータバー
1を共に加熱したが、エンドリング2のみを加熱し、さ
らにロータバー1とエンドリング2の接触を線接触にし
て接触熱抵抗を高くしたので、エンドリング2下面から
加熱した際に、ロータバー1が圧入されている積層コア
(図示せず)に熱が奪われる量が少なく、エンドリング
2に蓄熱できるようになされているため、必要以上に高
周波電源の容量を増やさなくとも、短時間で一時に一括
ろう付ができるようになった。従って、ロータバー1の
加熱時間が短いため、ロータバー1が焼鈍されず、従い
ロータバー1の強度低下が少なくなり、ろう付時間も当
然のことながら、従来の手動ろう付に比べてはるかに短
く(冷却まで含め約15分)なる。さらに、熟練した技
能が不要となる。
う付方法におけるろう材の流れについて解説する。本実
施の形態では、ろう材の流れ速度に大きな差がでないよ
うに従来のろう付継手に比べて最大ろう付間隙dを小さ
くする(従来は0.8mm 以上→本発明では0.6mm 以
下)とともに、図4(b)に示すようにろう材の流れ速
度分布もロータバー1中央部が周囲部より遅くならない
にように、凹部または凸部の断面形状を左右対称の山形
形状とし、ロータバー端面における短辺の両端部より短
辺の中央部の毛細管力を大きくした。この結果、置きろ
う材によるろう付を行うと図4(a)に示すように、ろ
う付間隙にほぼ均等にろう材が侵入し、ロータバー端面
にろう付欠陥が発生しなくなった。
に左右対称の山形形状の凹部および凸部を形成したが、
図5(c)に示すようにのこぎり型形状の凹部および凸
部としてもよい。この場合、ろう材の流れ速度分布は図
5(b)に示すように、ロータバー端面の一方の端部に
おいて速く、また凹部および凸部が左右非対称であるた
め毛細管力のバランスが多少悪くなり、ろう付欠陥の発
生率は多少悪くなるが、ロータバーとエンドリングは上
記実施の形態と同様、線接触であるため、ろう付時間が
短くなる効果がある。
りエンドリングを加熱し一括ろう付を行うようにした
が、トーチや炉を用いて加熱するようにしてもよい。
態2によるかご型誘導電動機の回転子におけるロータバ
ーとエンドリングのろう付継手構造を示す断面構成図で
ある。図において、1は回転子に複数本設けられたロー
タバーであり、ロータバー端面に山形形状の凸部がロー
タバー端面における短辺の方向に形成されている。2は
エンドリングであり、ロータバー1とエンドリング2の
接触は1本の線接触である。また、凸部の高さ、即ちろ
う付間隙の最大高さdは0.6mm 以下としている。8は
エンドリング2表面に加工されたろう付用溝である。ろ
う付用溝8は、旋盤などでエンドリング2に加工するた
め、エンドリング2の周方向全体に形成される。9はろ
う材であり、本実施の形態によれば、ろう付完了後にロ
ータバー1側面にフィレットが形成され、ロータバー1
とろう付用溝8表面とのろう付間隙にもろう材が均等に
浸入している。
ろう付方法におけるろう材の流れについて解説する。本
実施の形態2では、ろう材の流れ速度に大きな差がでな
いように従来のろう付継手に比べて最大ろう付間隙dを
小さくする(従来は0.8mm以上→本発明では0.6mm
以下)とともに、図7(b)に示すようにろう材の流れ
速度分布がロータバー1中央部が最も早くなるように、
左右対称の山形形状をした凸部からなるろう付継手とし
た。この結果、置きろう材によるろう付を行うと図7
(a)に示すようにロータバー1中央部にろう付欠陥が
発生しなくなった。さらに、ロータバー1とエンドリン
グ2の接触を一本の線接触にして接触熱抵抗をより高く
したので、エンドリング2下面から加熱した際に、ロー
タバー1が圧入されている積層コア(図示せず)に熱が
ほとんど奪われることがなく、エンドリング2に蓄熱さ
れるようにした。この継手形状は特に高周波電源の容量
が小さく、大きな熱容量のエンドリングをろう付すると
きに有利となる。これにより、短時間で欠陥の少ない一
括ろう付ができるようになった。
態3によるかご型誘導電動機の回転子におけるロータバ
ーとエンドリングのろう付継手構造を示す断面構成図で
ある。図において、1は回転子に複数本設けられたロー
タバーであり、ロータバー端面には、ロータバー端面に
おける短辺の方向に凹部および凸部が形成され、端面全
体が細かい波形状になっている。また、凹部および凸部
の高さ、即ちろう付間隙の最大高さdは0.6mm 以下と
している。2はエンドリングであり、ロータバー1とエ
ンドリング2の接触は5本の線接触となる。8はエンド
リング2表面に加工されたろう付用溝である。ろう付用
溝8は、旋盤などでエンドリング2に加工するため、エ
ンドリング2の周方向全体に形成される。9はろう材で
ある。本実施の形態によれば、ろう付完了後にろう付用
溝8によりロータバー1側面にフィレットが形成され、
応力集中の生じ難いろう付ができる。また、ロータバー
端面には山形形状の凹凸部が形成されているので、ロー
タバー端面とろう付用溝8表面とのろう付間隙にろう材
が均等に浸入する。
う付方法におけるろう材の流れについて解説する。本実
施の形態では、ろう材の流れ速度に大きな差がでないよ
うに従来のろう付継手に比べて最大ろう付間隙dを小さ
くする(従来は0.8mm 以上→本発明では0.6mm 以
下)とともに、図9(b)に示すようにろう材の流れ速
度分布もロータバー1中央部が遅くならないにように、
複数の山形形状の凹部および凸部を形成し、凹部および
凸部の方向がロータバー端面における短辺の方向になる
ようにした。この結果、置きろう材によるろう付を行う
と図9(a)に示すようにロータバー端面にろう付欠陥
が発生しなくなった。さらに、ロータバー1とエンドリ
ング2の接触を複数の線接触(本実施の形態では5本の
線接触)にして接触熱抵抗を高くしているが、実施の形
態1および2に比べると低く設定している(実施の形態
1では3本の線接触、実施の形態2では1本の線接
触)。即ち、エンドリング2下面から加熱した際に、ロ
ータバー1が圧入されている積層コア(図示せず)に熱
が少ししか奪われることがなく、エンドリング2に主に
蓄熱されるようにするとともに、実施の形態1および2
に比較してロータバー1も加熱できるようにした。この
継手形状は特に高周波電源の容量が大きく余裕があり、
加熱容量に比べて小さな熱容量のエンドリングをろう付
するときに有利となる。これにより、短時間で欠陥の少
ない一括ろう付ができるようになった。
形態4によるかご型誘導電動機の回転子におけるロータ
バーとエンドリングのろう付継手構造を示す断面構成図
である。図において、1は回転子に複数本設けられたロ
ータバー、2はエンドリング、8はエンドリング2表面
に加工されたろう付用溝である。ろう付用溝8は、旋盤
などでエンドリング2に加工され、ろう付用溝面8全体
が山形形状になっている。即ち、ロータバー1と接する
エンドリング面には、周方向に凸部が設けられ、上記ロ
ータバーと上記エンドリングの接触を1本の線接触とし
ている。9はろう材であり、本実施の形態によれば、ろ
う付完了後にロータバー1側面にフィレットが形成さ
れ、ロータバー1とろう付用溝8表面とのろう付間隙に
もろう材が均等に浸入している。
けるろう材の流れについて解説する。本実施の形態で
は、ロータバーの形状とエンドリングの形状を実施の形
態2と逆にしただけなので、基本的なろう材の流れとロ
ータバー1が圧入されている積層コア(図示せず)に熱
がほとんど奪われることがなく、エンドリング2に蓄熱
されるようにした作用は実施の形態2と同様である。こ
の結果、実施の形態2と同様に、高周波電源の容量が小
さく、大きな熱容量のエンドリングをろう付するとき
に、短時間で欠陥の少ない一括ろう付ができる。
形態5によるかご型誘導電動機の回転子におけるロータ
バーとエンドリングのろう付継手構造を示す断面構成図
である。図において、1は回転子に複数本設けられたロ
ータバー、2はエンドリング、8はエンドリング2表面
に加工されたろう付用溝である。ろう付用溝8は、旋盤
などでエンドリング2表面に加工され、さらに複数の山
形形状の凹凸加工が施され、ろう付用溝全体が細かい波
形状になっている。9はろう材であり、本実施の形態に
よれば、ろう付完了後にロータバー1側面にフィレット
が形成され、ロータバー1とろう付用溝8表面とのろう
付間隙にもろう材が均等に浸入している。
けるろう材の流れについて解説する。本実施の形態で
は、ロータバーの形状とエンドリングの形状を実施の形
態1と逆にしただけなので、基本的なろう材の流れとロ
ータバー1とエンドリング2の接触熱抵抗の設定は実施
の形態1と同様である。この結果実施の形態1と同様
に、この継手形状は高周波電源の容量が大きく余裕があ
り、加熱容量に比べて小さな熱容量のエンドリングをろ
う付するとき、短時間で欠陥の少ない一括ろう付ができ
る。
形態6によるかご型誘導電動機の回転子のろう付方法を
示す外観斜視図である。図2と同一部分はここでは説明
を省略する。図において、13はロータバーとロータバ
ーとの間に供給される置きろう材であり、ロータバー1
を2本ろう付できる量のろう材である。本実施の形態で
は丸棒(φ7mm)状のものを4本使用している。また、
置きろう材13は、図12に示すように、置きろう材1
3が供給されるロータバー間と置きろう材が供給されな
いロータバー間が交互になるように、ロータバーとロー
タバーとの間に一つ間隔で供給されている。
挟んで、加熱コイル10の上に設置する。次に、エンド
リング2表面に設けられたろう付用溝8にフラックス1
4を塗布しておく。そして、積層コア材、回転軸等が既
に組み立てられた(本図では図示せず)ロータバー1を
エンドリング2に設置後、置きろう材13にもフラック
ス14を塗布して、ロータバーとロータバーとの間に一
つ間隔で供給する。ろう付は、高周波コイル10により
エンドリング2下面から加熱することにより開始され
る。本実施の形態によれば、複数のロータバー1の間の
ピッチが狭い回転子でも、ろう材の流れ込む方向がロー
タバー1の片側からのみであるため、、ボイドができる
という不良はなくなる。すなわち、本実施の形態では、
ろう材が確実にロータバー1の片側から流れ、また、ロ
ータバー端面には実施の形態1〜5に示すような山形形
状の凹凸加工が施されており、ロータバー1の中央部の
毛細管力が周囲部の毛細管力より大きくなるように設定
しているため、ロータバー1中央部に先にろう材が流
れ、ろう付間隙部の空気が排出されるので、ろう付欠陥
ができにくくなる。
形態7によるかご型誘導電動機の回転子のろう付方法を
示す外観斜視図である。図2と同一部分はここでは説明
を省略する。図において、15は各ロータバー1の片側
に供給された平板状の置きろう材であり、本実施の形態
では丸棒(φ7mm)2本と断面積がほぼ同じ13mm×6
mmの矩形の断面形状をしたろう材を使用している(長さ
は丸棒と同じ)。
リング2下面から加熱することにより行う。図14
(a)に示す丸棒が2本よりなる置きろう材9では、熱
源であるエンドリング2と置きろう材9とが線接触にな
り、フラックス14の塗布のばらつきなどにより、接触
熱抵抗がろう材間で違ってくることがある。このためろ
う材が溶解するタイミングがばらつく恐れがある。ろう
材が溶解するタイミングがばらつくと、最初にろう材9
が溶解して接触したロータバーの温度が上昇し、この近
傍の所定温度に上昇しないロータバーのろう材が次に溶
解した際、先に温度が上昇したロータバーの方にこのろ
う材が流れる現象が起こり、ろう材溶解のタイミングの
遅れた部分のロータバーはろう材不足を起こす可能性が
高い。本実施の形態によれば、図14(b)に示すよう
に、置きろう材は平板状であるため、エンドリング2と
置きろう材9とは面接触となり、接触熱抵抗は丸棒状に
比べて均等になるので、一括ろう付の際にろう材の溶解
するタイミングがばらつかないので、欠陥の少ないろう
付ができる。
×6mm(縦幅)の断面形状をしたろう材を使用したが、
ロータバー間のピッチが狭い場合は、断面形状が正方形
状又は6mm(横幅)×13mm(縦幅)の断面形状にすれ
ばよく、その数値を限定するものではない。
形態8によるかご型誘導電動機の回転子を示す平面構成
図であり、ロータバー1を途中で切断し、エンドリング
2を上面から見た図である。図において、16はロータ
バー1と置きろう材18が収まる大きさの小判形のろう
付用溝17が形成されたエンドリング、18は1本のロ
ータバーをろう付できる量の置きろう材である。本実施
の形態では置きろう材18として丸棒(φ7mm)状のも
のを1本使用しているが、平板状のものでもかまわな
い。ろう付用溝17は、フライスやマシニングセンタ
ー、あるいはプレスによるスタンピング加工などで形成
される。
いて説明する。エンドリング16表面に設けられた小判
形ろう付用溝17にフラックス(図示せず)を塗布して
おく。そして、積層コア材、回転軸等が既に組み立てら
れた(本図では図示せず)ロータバー1をエンドリング
16の小判形ろう付用溝17内に設置後、置きろう材1
8にもフラックスを塗布して、小判形ろう付用溝17内
の、ロータバー1の片側に供給する。その後、前記実施
の形態と同様に、高周波コイルによりエンドリング2下
面から加熱することによりろう付が開始される。本実施
の形態によれば、ロータバー1間のピッチが狭い回転子
でも、また一括ろう付でろう材の溶解するタイミングが
ろう材毎にばらついた場合でも、ロータバー毎に独立し
たろう付用小判形溝17があるため、先に温度が上がっ
たロータバーの方に隣のロータバーに隣接して供給され
たろう材が流れていかないので、最初に溶解したろう材
側に後から溶解するろう材が引き寄せられて起こるろう
材不足を完全に防止できる。
17は小判形状としたが、四角形状でもあるいは他の形
状でも同様の効果がある。
動機の回転子によれば、エンドリングと接するロータバ
ー端面に、ロータバー端面における短辺の方向に沿った
凹部または凸部を設け、上記凹部または凸部を少なくと
も2つの傾斜面で構成してロータバーとエンドリングの
接触を線接触とするとともに、ろう付け間隙の最大高さ
を0.6mm以下となるようにしたので、短時間で欠陥
の少ない一括ろう付ができる。さらに、加熱時間が短い
ため、ロータバーの強度低下が防げる。また、熟練した
技能が不要となる。
れば、ロータバーと接するエンドリング面に、周方向に
沿った凹部または凸部を設け、上記凹部または凸部を少
なくとも2つの傾斜面で構成してロータバーとエンドリ
ングの接触を線接触とするとともに、ろう付け間隙の最
大高さを0.6mm以下となるようにしたので、上記構
成のかご型誘導電動機の回転子と同様の効果がある。ま
た、各ロータバーのロータバー端面にろう付間隙形成用
の加工を施さず、エンドリング面に一括してろう付間隙
形成用の加工を施すので、加工時間が削減できる。
れば、ロータバーとエンドリングの接触を1〜5本の線
接触のみとしたので、ロータバーを加熱せずにエンドリ
ングとろう材を効率よく加熱でき、短時間で欠陥の少な
い一括ろう付ができる。
れば、凹部または凸部の断面形状を山形形状とし、ロー
タバー端面における短辺の両端部より短辺の中央部の毛
細管力を大きくしたので、ろう付間隙にほぼ均等にろう
材が侵入し、ロータバー端面にろう付欠陥が発生しにく
くなる。また、ろう付欠陥の削減により、ろう付部の強
度の低下が防止できる。
れば、複数のロータバーと接するエンドリング面の、各
ロータバー設置位置に、ロータバー1本とロータバー1
本をろう付できる量のろう材をロータバーの片側に収め
ることができる大きさの溝部を設けたので、一括ろう付
でろう材が溶解するタイミングがばらついた時、最初に
溶解したろう材側に後から溶解したろう材が引き寄せら
れて起こるろう材きれを防止できる。
造方法によれば、上記かご型誘導電動機の回転子におい
て、ロータバー2本をろう付できる量のろう材をロータ
バーとロータバーとの間に一つ間隔で供給し、上記エン
ドリングの下面から加熱して一括ろう付したので、ロー
タバー間のピッチが狭くなっても、ろう材がロータバー
の片側から確実に流れるため、ろう付欠陥が削減でき、
ろう付部強さの低下を防止できる。
造方法によれば、上記かご型誘導電動機の回転子におい
て、ロータバー1本をろう付できる量の平板状のろう材
を各上記ロータバーの片側に供給し、上記エンドリング
の下面から加熱して一括ろう付したので、ろう材の接触
熱抵抗が丸棒状に比べて均等になるため、一括ろう付の
際にろう材の融けるタイミングがばらつかないので、欠
陥の少ないろう付ができる。
動機の回転子におけるロータバーとエンドリングのろう
付継手構造を示す断面構成図である。
付する方法を示す外観斜視図である。
グとロータバーの温度測定結果を示すグラフである。
へのろう材の流れを説明する説明図である。
バーへのろう材の流れを説明する説明図である。
動機の回転子におけるロータバーとエンドリングのろう
付継手構造を示す断面構成図である。
へのろう材の流れを説明する説明図である。
動機の回転子におけるロータバーとエンドリングのろう
付継手構造を示す断面構成図である。
へのろう材の流れを説明する説明図である。
電動機の回転子におけるロータバーとエンドリングのろ
う付継手構造を示す断面構成図である。
電動機の回転子におけるロータバーとエンドリングのろ
う付継手構造を示す断面構成図である。
電動機の回転子のろう付方法を示す外観斜視図である。
電動機の回転子のろう付方法を示す外観斜視図である。
効果を説明する説明図である。
電動機の回転子を示す平面構成図である。
ロータバーとエンドリングのろう付継手構造、およびろ
う付方法を示す側面図、正面図、および上面図である。
ろう付方法を示す外観斜視図である。
する説明図である。
部、4 ろう付すき間、5 ろう材、6 トーチa、7
トーチb、8 ろう付用溝、9,13,15,18
置きろう材、10 加熱コイル、11 絶縁シート、1
2 赤外線センサ、14 フラックス、17 小判形ろ
う付用溝。
Claims (7)
- 【請求項1】 複数のロータバーとエンドリングがろう
付によって接続されたかご型誘導電動機の回転子におい
て、上記エンドリングと接するロータバー端面に、上記
ロータバー端面における短辺の方向に沿った凹部または
凸部を設け、上記凹部または凸部を少なくとも2つの傾
斜面で構成して上記ロータバーと上記エンドリングの接
触を線接触とするとともに、ろう付け間隙の最大高さを
0.6mm以下となるようにしたことを特徴とするかご
型誘導電動機の回転子。 - 【請求項2】 複数のロータバーとエンドリングがろう
付によって接続されたかご型誘導電動機の回転子におい
て、上記ロータバーと接するエンドリング面に、周方向
に沿った凹部または凸部を設け、上記凹部または凸部を
少なくとも2つの傾斜面で構成して上記ロータバーと上
記エンドリングの接触を線接触とするとともに、ろう付
け間隙の最大高さを0.6mm以下となるようにしたこ
とを特徴とするかご型誘導電動機の回転子。 - 【請求項3】 ロータバーとエンドリングの接触を1〜
5本の線接触のみとしたことを特徴とする請求項1また
は2記載のかご型誘導電動機の回転子。 - 【請求項4】 凹部または凸部の断面形状を山形形状と
し、ロータバー端面における短辺の両端部より短辺の中
央部の毛細管力を大きくしたことを特徴とする請求項1
または2記載のかご型誘導電動機の回転子。 - 【請求項5】 複数のロータバーと接するエンドリング
面の、各ロータバー設置位置に、ロータバー1本とロー
タバー1本をろう付できる量のろう材をロータバーの片
側に収めることができる大きさの溝部を設けたことを特
徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のかご型誘
導電動機の回転子。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のか
ご型誘導電動機の回転子において、ロータバー2本をろ
う付できる量のろう材をロータバーとロータバーとの間
に一つ間隔で供給し、エンドリングの下面から加熱して
一括ろう付したことを特徴とするかご型誘導電動機の回
転子の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかに記載のか
ご型誘導電動機の回転子において、ロータバー1本をろ
う付できる量の平板状のろう材を各ロータバーの片側に
供給し、エンドリングの下面から加熱して一括ろう付し
たことを特徴とするかご型誘導電動機の回転子の製造方
法。
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