JP3179199B2 - 管内修理装置 - Google Patents

管内修理装置

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JP3179199B2
JP3179199B2 JP22047392A JP22047392A JP3179199B2 JP 3179199 B2 JP3179199 B2 JP 3179199B2 JP 22047392 A JP22047392 A JP 22047392A JP 22047392 A JP22047392 A JP 22047392A JP 3179199 B2 JP3179199 B2 JP 3179199B2
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岡田  稔
崇和 石神
靖人 田中
一朗 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管内に発生した亀裂や
孔などを補修する管内修理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、外部から修理することのでき
ない既設配管や細管内に発生した亀裂及びなどの不良
箇所を補修する際には管内修理装置が使用されている。
【0003】前記管内修理装置には、実開昭63−53
366号公報に示すように管内に挿入する挿入部に管内
の視野を確保するためのライトガイド及びイメージガイ
ドを設けると共に、管内に対向するように配設した電極
を有する補修部と不良箇所を溶接する溶接トーチ(挿入
体)及びガス供給用孔・ガス噴出口とを備えた監視装置
付き溶接装置がある。
【0004】前記監視装置付き溶接装置は、溶接トーチ
を管内へ挿入してイメージガイドにて溶接箇所を見つ
け、溶接を行ない、溶接後の状態をイメージガイドで観
察することができるようになっている。
【0005】また、実開昭59−20992号公報には
遠隔操作でトーチと一体の溶接台車を円周方向に回転さ
せて管内全周を効率良く溶接することのできる管内面円
周自動溶接装置が示されている。
【0006】さらに、実開平3−91599号公報には
管内に補修部材を一端留置し、この留置した補修部材を
管内に接着固定して修理を行う管内補修装置が示されて
いる。前記管内補修装置は、一端をエアホースに接続し
たゴム管の外周に合成樹脂よりなる補修部材を遊嵌し、
一端この補修部材を不良箇所に留置して前記エアホース
で空気を送ってゴム管を膨張させて補修部材を管内内周
面に密着させ加熱器にて加熱硬化させて補修材を管内に
接着するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
63−53366号公報に示す監視装置付き溶接装置で
は、管壁を溶融させて補修部を埋めるようにしているの
で、微小な亀裂及び微小孔の補修には効果的であった
が、管壁を溶かしただけでは補修不可能な大きさの亀裂
及び孔を補修することは難しかった。
【0008】また、配管の軸方向に対して斜め方向に発
生した亀裂に対しては電極の位置制御を軸方向及び回転
方向の二方向を位置制御しなければならないので、作業
性が悪いという欠点をも有していた。
【0009】一方、実開昭59−20992号公報に示
す管内面円周自動溶接装置装置も前記実開昭63−53
366号公報に示す装置と同様に管壁を溶融させて補修
部を埋めるようにしていたので、大きな亀裂及び大きな
孔の補修が困難であった。
【0010】また、トーチと一体の溶接台車を回転させ
ることによって、管内全周を効率良く溶接するようにし
ているので、管内に挿入する装置が大型化するので小径
管に使用することができないという欠点があった。
【0011】そこで、実開平3−91599号公報に示
す管内補修装置では、合成樹脂の補修部材を管内内周面
に接着することによって、大きな亀裂及び大きな孔さら
には配管の軸方向に対して斜め方向に発生した亀裂など
を補修することができるようにしている。
【0012】しかしながら、前記管内補修装置は、補修
専用機であるため不良箇所を発見する検査装置が必要で
あると共に、この検査装置を用いて補修箇所を発見する
までの時間やこの補修箇所に管内補修装置を挿入・移動
させて配置するまでの時間及び補修部材を加熱硬化させ
て接着するまでの時間、さらには接着した補修部材の点
検のために再度検査装置を挿入して検査する時間など、
補修作業完了までに相当の時間を費やしていた。
【0013】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、配管内の管壁に生じた亀裂や孔の発見、修理及び
検査を効率良く、短時間で行なえる管内修理装置を提供
することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の管内修理装置
は、管内に挿入される挿入部及び光源装置、レーザー発
生装置、観察像表示部を備える管内修理装置であって、
光源装置の照明光を上記管内に照明する照明手段と、
入部の先端面に配置され、上記照明手段によって照明さ
れた管内における観察像を結像させる対物レンズ光学系
と、この対物レンズ光学系によって結像された管内の観
察像を観察像表示部へ伝送する観察像伝送手段と、管内
の補修部を補修するための円筒状の補修部材を挿入部先
端部に装着する補修部材装着部と、前記補修部材を溶着
するレーザー光を上記レーザー発生装置から挿入部へ伝
送するレーザー光伝送手段と、このレーザー光伝送手段
によって伝送されたレーザー光を集光して上記補修部材
の管内全周に向けて所定の出射角でリング状ビームを出
射する、上記対物レンズ光学系の周囲に配置された集光
レンズと、を具備することを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明によれば、まず、円筒状の補修材を挿入
部先端部に装着する一方、この挿入部を管内に挿入す
る。このとき、管内を照明手段によって照明し、対物レ
ンズ光学系によって捕らえた観察像を観察像表示部に表
示させて観察しながら挿入部を前進させて管内のクラッ
ク、或いは,孔などの不良箇所を発見する。
【0016】次に、発見した不良箇所を被うように挿入
部先端部に装着した円筒状の補修部材を配置する。
【0017】そして、レーザー発生装置で発生するレー
ザー光を集光レンズで集光してリング状ビームを出射し
て不良箇所を被う補修部材の前後と管内面とを全周溶着
し、この溶着部を対物レンズ光学系で観察して修理を終
了する。
【0018】最後に、管内から挿入部を抜去する。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1ないし図8は本発明の第1実施例に係り、図
1は管内修理装置の概略構成を示す説明図、図2は管内
修理装置の挿入部先端部の構成を示す断面図、図3は管
内修理装置の分岐部の概略構成を示す説明図、図4は前
記図2の挿入部先端部の集光レンズを示す説明図、図5
は管内修理装置を管部に挿入して管内を観察する状態を
示す説明図、図6は管内修理部材を所定位置に配置した
ときの状態を示す説明図、図7は管内修理部材の先端側
を溶着する状態を示す説明図、図8は管内修理部材の後
端側を溶着する状態を示す説明図である。
【0020】図1に示すように管内修理装置1は、管部
2に挿入する細長な挿入体3を有し、この挿入体3の先
端部4に管部2の内径よりも細径に形成した円筒状の補
修部材5を装着して管部2に挿入されている。また、前
記挿入体3の後端は管部外部に配設した分岐部6に接続
されており、この分岐部6には管内を照明する光源装置
7や管内の観察像をモニタ8に表示するためのカメラコ
ントロールユニット9(以下CCUと記載)及び挿入部
先端部4に装着した補修部材5を管部2の内周面に溶着
するためのレーザー光を発生させるレーザー発生装置1
0などが接続されている。
【0021】そして、前記挿入体3の先端部側には前記
補修部材5を管部2の中心部に位置させるための板バネ
3bを配設する溝部3aが軸方向に適宜な間隔で2ケ所
設けられており、この溝部3aの周方向に4等分した位
置に板バネ3bをそれぞれ配設している。
【0022】また、図2に示すように管内修理装置1の
先端部4には、前記光源装置7の照明光を管内に伝送す
る照明手段11と、管内の観察像を固体撮像素子12に
結像する対物レンズ光学系13及びこの観察像をCCU
9に伝送するための観察像伝送手段14と、前記レーザ
ー発生装置10から発生した溶着用レーザー光を伝送す
るファイバなどからなるレーザー光伝送手段15と、こ
のレーザー光を管内の周面に集光するリング状の集光レ
ンズ16と、補修部材5を装着するCリング17aなど
からなる補修部材装着部17などが設けられている。
【0023】さらに、前記対物レンズ光学系13と固体
撮像素子12との間及び集光レンズ16とレーザー光伝
送手段15の端面との間に配設されているハーフプリズ
ム18は、レーザー発生装置10から発生する溶着用レ
ーザー光を全て透過し、可視光を所定の割合だけ透過す
るように設定している。このため、ハーフプリズム18
の反射面に対向する位置には後述する参照光の波長(例
えば、633nm付近)を吸収する吸収フィルタ19を設
けると共に、溶着用のレーザー光が固体撮像素子に入射
しないように溶接用レーザー光の波長を反射する反射フ
ィルターを撮像素子の前面に設けてもよい。
【0024】一方、図3に示すように分岐部6にはレー
ザー発生装置10からのレーザー光をレーザー光伝送手
段15の光軸に対して所定角度(θ度)傾けて入射する
ようにレーザー光出射端2、レーザー光を平行光線に
するレンズ21及びハーフミラー22を所定角度傾けて
配置している。このため、レーザー光伝送手段15の後
端に光軸がθ度傾いたレーザー光が入射すると、レーザ
ー光伝送手段15を伝送したレーザー光は、図4に示す
ようにハーフプリズム18及びリング状の集光レンズ1
6を経て頂角が2θ度のリング状ビームを出射するよう
になっている。
【0025】また、前記分岐部内にはHe−Neレーザ
ーなどの参照光発生装置23が配設されており、この参
照光発生装置23から発生する参照光と前記レーザー光
出射端21から出射した溶着用レーザー光とが同軸的に
レーザー光伝送手段15に入射するようにハーフミラー
22を中心にして配置されている。さらに、分岐部6に
は、図示しないレーザー光入射角度変更手段を設けてい
るので、集光レンズからの出射光が所定の位置を照射し
ていないときには前記レーザー光入射角度変更手段を操
作して集光レンズからの出射光を所定の位置に照射する
ことができるようになっている。
【0026】図5ないし図8を参照して上述のように構
成されている管内修理装置1の作用を説明する。図5に
示すように、まず、管内修理装置1の挿入体3の先端部
4に補修部材5を装着する一方、この挿入体3を管部2
に挿入し、挿入体3に内蔵されている照明手段11及び
対物レンズ光学系13、前記固体撮像素子12、観察像
伝送手段14、CCU9などを介してモニタ8に映し出
された観察像から管壁に生じた亀裂、或いは、孔などの
不良箇所2aを発見する。
【0027】次に、図6に示すように管内修理装置1の
挿入体3を移動して先端部4に装着した補修部材5で不
良箇所2aをすべて被うように位置決めする。そして、
前記補修部材5を溶着するレーザー光が所定の位置を照
射するか否かを確認するために、分岐部6に配設した参
照光発生装置23から参照光を発生させる。このとき、
集光レンズ16から出射したリング状ビームの参照光が
所定の位置を照射するときは次行程に進むが、万一、前
記リング状ビームの参照光が所望の位置から外れている
ときには、分岐部6に設けたレーザー入射角度変更手段
を操作することにより、レーザー光伝達手段に入射する
レーザー光の入射角を変更してリング状ビームが所望の
位置を照射するように調節する。
【0028】そして、前記レーザー発生装置10より補
修部材5の材質に適した出力のレーザー光を発生させ
て、図7に示すように補修部材5の先端側全周と管部2
とを溶着する。
【0029】次いで、図8に示すように挿入体3を後方
に移動して補修部材5を留置する一方、挿入体3を所定
の位置に配置する。そして、再度参照光を補修部材5に
照射して後方側溶着位置を正確に照射しているか否かを
確認してからレーザー発生装置10よりレーザー光を発
生させて補修部材5の後方側全周と管部2とを溶着す
る。
【0030】最後に、補修部材5と管部2との溶着状態
をモニタ8に表示して点検し、問題がなければ挿入体3
を管部2から引き抜いて作業を終了する。
【0031】このように、本発明の管内修理装置1は、
管部2の不良箇所2aを発見することから始まって補修
部材5を所定の位置に留置すること及び補修部材5と管
部2とを溶着することさらには溶着後の点検などの一連
の作業を挿入体3を一度も引き抜くことなく行うことが
できるので作業性が大幅に向上する。
【0032】また、不良箇所2aを被った補修部材5の
先端側部及び後端側部をリング状ビームを照射して一度
に全周溶着することができるので軸方向に発生した亀裂
や孔のみならず軸方向斜めに発生した亀裂や大きな孔な
どの修理を効率良く、短時間に行うことができる。しか
も、溶着作業をレンズ面前方の離間した位置で行なうた
め、レンズ面が汚れ難いという効果がある。
【0033】さらに、トーチと一体の溶接台車を回転さ
せる方式と異なり、溶着用のレーザー光をリング状ビー
ムとして集光レンズ16から照射することにより挿入体
先端部4の形状を細径化することができるのでより細径
の管の修理が可能になる。
【0034】なお、前記管部2の修理に使用する補修部
材5は、樹脂製、或いは、金属製のどちらを用いても良
い。また、対物レンズ光学系13と集光レンズ16とを
一体で形成しても良い。
【0035】図9ないし図14は本発明の第2実施例に
係り、図9は管内修理装置の先端部の概略構成を示す説
明図、図10は管内修理装置の分岐部の概略構成を示す
説明図、図11は管内修理部材を所定位置に配置した状
態を示す説明図、図12は管内修理部材である形状記憶
合金の先端側を膨張させている状態を示す説明図、図1
3は管内修理部材である形状記憶合金の全体を膨張させ
ている状態を示す説明図、図14は膨張した管内修理部
材の先端側を溶着している状態を示す説明図である。
【0036】図9に示すように本実施例の管内修理装置
1aは、加熱することによって膨張する形状記憶合金を
補修部材5aとしており、補修部材5aの挿入体3への
装着は前記Cリング17aの代わりにOリング17bを
使用している。また、観察像伝送手段14にイメージガ
イドファイバ束15aを用いる一方、このイメージガイ
ドファイバ束15aの中心部をレーザー光伝送手段15
として使用する。
【0037】また、図10に示すように前記イメージガ
イドファイバ束15aの後端を分岐部6に固定し、この
イメージガイドファイバ束15aの中心軸上に固体撮像
素子12a及びこの固体撮像素子12aに観察像を結像
させる結像レンズ12bを配設している。
【0038】さらに、イメージガイドファイバ束15a
の端部に所定角度傾斜したレーザー光が入射するように
レーザー光出射端20が所定角度傾いて配設される一
方、前記イメージガイドファイバ束15aの端部とレー
ザー光出射端20との間にはレンズ21及びハーフミラ
ー22が配設されている。その他の構成は前記第1実施
例と同様である。
【0039】図11ないし図14を参照して上述のよう
に構成した管内修理装置1aの作用を説明する。管内修
理装置1aを前記図9のように構成することによって、
図11に示すように管部2の不良箇所2aを発見して補
修部材5aを留置した後、図12のように、レーザー発
生装置10から補修部材5aを加熱する程度のレーザー
光を出力してイメージガイドファイバ束15aの中央部
を伝送させてリング状ビームを補修部材5aの先端側に
照射して加熱膨張させる。さらに、図13に示すように
必要であれば挿入体を軸方向の前後に移動して加熱用レ
ーザー光を補修部材5aの全長にわたって照射して管部
2に素早く密着させる。そして、図14に示すように密
着した補修部材5aの先端側及び後端側の溶着位置を参
照光で確認した後、レーザー発生装置10から補修部材
5aの材質に応じた出力の溶着用レーザー光を発生させ
てイメージガイドファイバ束15a及び集光レンズ16
を介して溶着用レーザー光を照射して補修部材5aと管
部2とを溶着する。
【0040】このように、補修部材5aに形状記憶合金
を用いることによって、修理する管部2の内径が補修部
材外径よりも比較的大きな管であっても補修することが
可能になる。
【0041】また、イメージガイドファイバ束15aを
観察像伝達手段及びレーザー光伝送手段として使用する
ことによって、挿入体3をさらに細径化することが可能
になる。その他の作用及び効果は前記第1の実施例と同
様である。
【0042】ところで、配管にできてしまった小径の孔
などの修理には接着修理用の内視鏡装置が使用されるこ
ともある。前記接着修理用内視鏡装置は、内視鏡の処置
具挿通用チャンネルを使用して補修部材を鉗子などで把
持し、この補修部材に注射器などに注入した接着剤を塗
布してから補修部材を目的の不良箇所に接着して小径の
孔などの修理を行なっていた。
【0043】しかしながら、鉗子による補修部材の把持
及び仮固定が不安定であると共に、補修部材と管部との
間に塗布する接着剤の量の多少によって接着具合にばら
つきが生じて問題となっていた。
【0044】そこで、図15に示すように本実施例の内
視鏡管内修理装置1bは、挿入部3の先端部4に対物レ
ンズ光学系13、照明レンズ33、第1の処置具用チャ
ンネル孔31、第2の処置具用チャンネル孔32、供給
口34、及びこの供給口34に先端面より突出したテー
プレール35を設けている。そして、前記先端部4の端
面に開口を有する供給口内は、例えば、両面が接着性を
有する接着シート36を収納することができるようにな
っていると共に、前記テープレール35の先端部には鋭
利な刃のテープ切断部を形成している。
【0045】また、前記第1のチャンネル31は、図示
しない操作部まで挿通していて、マニピュレータ37が
先込めで挿入されている。前記マニピュレータ37は、
このマニピュレータ37の手元側を前後に操作すること
によってマニピュレータ37の先端部が軸方向の前後に
移動するようになっている。そして、前記マニピュレー
タ37の先端部がテープレール35の上を前方に移動す
ることによって、このスライドした長さだけ接着シート
36が供給口34から引き出されるようになっている。
【0046】さらに、挿入部の先端側の外周には筒状の
バルーン39が、両端を糸45でしばられて気密状態を
保持して配設されている。そして、前記バルーン39に
は液体、或いは、気体を送排するための管40が図示し
ない操作部まで導かれている。前記送排気のための管4
0に、例えば、気体を送気・排気してバルーン39を膨
張・収縮させることができるようになっている。
【0047】さらに、前記第2のチャンネル32は、第
1のチャンネル31と同様に図示しない操作部に挿通し
ており、この第2のチャンネル32内には把持鉗子など
が挿入されるようになっている。この把持鉗子は、操作
部を操作することによって把持部を開閉することができ
るので、管部2の孔などを塞ぐための補修部材を把持す
るようになっている。
【0048】なお、対物レンズ光学系13の観察像が結
像する位置には固体撮像素子12が備えられており、こ
の固体撮像素子12の後端からは信号線が図示しないカ
メラコントロールユニットに接続されている。また、前
記供給口34の中には接着シート36がスムーズに引き
出せる様に引き出しの際適度な負荷を与えるローラー3
8が備えらている。さらに、供給口34の内面やテープ
レール35の上面及びローラー38の接触面は、接着シ
ート36が貼り付かないようにテフロンコートを施す
か、或いは、テフロンによって製作されている。また、
バルーン39の後方側の挿入部3には複数の湾曲駒41
が接続されて湾曲可能な湾曲部42を形成し、この湾曲
部42を図示しない操作部で湾曲操作することによって
自在に湾曲するようになっている。
【0049】このように構成されている内視鏡管内修理
装置1bの作用を説明する。まず、図15に示すように
挿入部3に備えられた供給口34に接着シート36を収
納し、この接着シート36をテープレール35に引き出
すと共に、この接着シート36の上にマニピュレータ3
7の先端部を配置する一方、把持鉗子に補修部材を取り
付ける。
【0050】そして、図16に示すように内視鏡管内修
理装置1bの挿入部を管部2へ挿入していく。このと
き、湾曲部42を湾曲操作して挿入部先端部4を管部2
の不良箇所2aへ近づけ、マニピュレータ37を軸方向
の先端方向へ押し出して接着シート36をテープレール
35から引き出して不良箇所2aへ貼り付ける。
【0051】続いて、マニピュレータ37を接着シート
36の上に置いた状態で挿入部3を後方へ引き戻すと、
図17に示すように接着シート36がテープレール35
の先端に設けられている刃によって切断されて不良箇所
2aを覆うように貼付される。
【0052】引き続いて、図18に示すようにマニピュ
レータ37を接着シート36から取り外して後方へ引き
戻すと共に、把持鉗子43を操作して把持部に把持され
ている補修部材6bを不良箇所2aに貼付した接着シー
ト36の上に配置する。
【0053】次いで、図19に示すように挿入部3を前
進させて、バルーン39を不良箇所2aに貼付した接着
シート36に配置した補修部材6bに対設させ、例え
ば、気体を管40から送り込んでバルーン39を膨張さ
せて補修部材6bを接着シート36に押圧して不良箇所
2aを補修部材6bで確実に被覆接着する。
【0054】最後に、バルーン内の空気を管40から排
気してバルーン39を収縮させて挿入部3を管部2から
引き抜いて作業を終了する。
【0055】このように、内視鏡を挿入することのでき
る内径を有する配管であれば、内視鏡を挿入することに
よって容易、且つ、確実に管内の補修修理を行うことが
できる。
【0056】なお、バルーン39の内部に加熱流体を供
給して接着シート36の接着硬化を促進することができ
る。
【0057】また、図20に示すように補修部材6bの
押圧手段にバルーン39を使用する代わりに複数の形状
記憶合金を挿入部先端部4に設けても良い。その他の構
成は前記実施例と同様である。なお、前記形状記憶合金
は、電気を通電することによって伸縮するようになって
いるので、図示しないリード線が備えることになるが、
バルーンに液体、或いは、気体を供給していた管40は
不要となる。
【0058】上述のように形状記憶合金で形成した押圧
部44を配設したことによって、通常図の1点鎖線で示
す形状をしている形状記憶合金の押圧部44は、この形
状記憶合金に通電することによって図の実線で示される
形状に変形して、補修部材6bを接着シート36に押圧
して不良箇所2aを確実に被覆接着することができる。
そして、補修部材6b接着後に形状記憶合金への通電
を止めることによって1点鎖線で示される元の形状に戻
るので挿入部3を管部2より引き抜いて作業を終了す
る。
【0059】このように、通電することによって形状の
変化する形状合金を押圧部44として使用することによ
って、気体、或いは、液体を抵抗なく送排気するために
必要であった送排気のための管が不要となるので外径の
細い内視鏡を実現することができる。
【0060】また、管内検査用挿入体を挿通して定期的
検査をしたときなどに、管内に異物を発見することがあ
る。これら管内の異物は、管内検査用挿入体に設けた異
物回収のための処置具挿通路に処置具を挿通させて異物
を回収するようにしていた。しかしながら、チャンネル
内に挿通した処置具で処置具挿通路よりも大きな異物を
把持したときには、異物を処置具挿通路内を挿通させて
回収することができないので、異物を把持した状態で管
内検査用挿入体を管内から引き抜いて異物の回収を行な
っていた。このため、処置具挿通路よりも大きな異物が
管内に複数あるときには管内検査用挿入体を何度となく
挿入・回収を繰り返して回収作業を行なわなければなら
ないので作業性が悪かった。そこで、管内検査用挿入体
の異物回収を以下のようにすると良い。
【0061】図21及び図22に示すように、挿入体3
の軸方向全長に渡ってレール51を設けると共に、この
レール30を自在にスライドするスライド部材52を処
置具53、或いは、挿入部3に取り付ける。
【0062】例えば、挿入部先端部4に把持鉗子54を
有する処置具53は、図示しない操作用ワイヤを内蔵し
た挿入部3であるフレキシブルシャフト55が図示しな
い手元側の処置具操作部まで延出されている。前記フレ
キシブルシャフト55にはレール51に係合されると共
に、このレール51に沿ってスライド自在なスライド部
材52が適宜な間隔をおいて複数取り付けてある。
【0063】上述のように管内検査用挿入体50を構成
することによって、管内に挿入した管内検査用挿入体5
0で異物を発見したときには、異物を発見した時点でこ
のフレキシブルシャフト55に取り付けてあるスライド
部材52をレール51に係合させて処置具53を挿入部
先端部4まで移動する。そして、処置具操作部を操作し
て把持鉗子の鉗子部を開閉操作して異物を把持したとこ
ろで、この処置具53を後方側にスライドさせて管内か
ら抜去して異物を回収する。
【0064】なお、複数の異物があるときには同様の作
業を繰り返すことにより異物を回収することができる。
【0065】このように、管内検査用挿入体50を管内
に保持した状態で異物の回収作業をすることができるの
で、管内検査用挿入体50の挿入及び抜去作業をする必
要がなくなるので作業性が大幅に向上する。
【0066】尚、処置具53は、回収用のもののみなら
ず、電動ドライバなどの工具を先端に設けたものでもよ
い。
【0067】上述のように管内の検査、或いは、観察及
び修理を行うために挿入体を内蔵した挿入部は長尺とな
ると共に、管内の細径部に挿通させることが要求され
る。このため、挿入体をパイプ状の可撓管に挿通すると
いう従来の方法で組み立てるとき、挿入体を細径化する
にはパイプ状可撓管の肉厚を薄くする必要があった。
【0068】しかし、単に極薄の樹脂チューブ体にした
のでは剛性が足りず、容易に変形してしまうので、内蔵
物の保護にならないという欠点があった。そこで、前記
問題を解決する方法として以下のようにチューブを形成
することが考えられる。
【0069】まず、チューブ成形材料内にチューブ成形
に悪影響を与えない微粒子を添加する。前記微粒子は、
所定の薬品に反応して溶融するようになっている。
【0070】次に、前記微粒子を添加したチューブ成形
材料で通常の押出し成形を行って極薄チューブを成形す
る。
【0071】そして、この成形されたチューブを所定の
薬品に浸漬させてチューブ内から微粒子を溶かし出して
微細多孔質状のチューブにする。
【0072】さらに、前記微細多孔質状のチューブをイ
オンビーム法、或いは、イオンプレーティング法によっ
て金属粒子のプラズマを微細孔に加速充填する。
【0073】このように、極薄チューブ内に金属粒子を
埋め込むことによって、極薄チューブの剛性が向上す
る。
【0074】しかしながら、パイプ状の透孔を有する可
撓管に内蔵物を挿通するという方法では作業性や内蔵物
の耐性に問題があるので以下に示す方法が有効である。
【0075】図23及び図24は外被チューブの第1の
構成に係わり、図23は挿入体を熱可塑性エラストマで
被った外被チューブの第1の構成の概略を示す断面図
図24は樹脂被覆機によって挿入体に熱可塑性エラスト
マを被覆する状態を示す概略説明図である。
【0076】従来、対物レンズ、固体撮像素子などの観
察手段や照明手段、レーザー光伝送手段などの先端が固
定された先端構成ユニットの後端には、固体撮像素子に
連設される信号線束及び照明手段やレーザー光伝送手段
が外被チューブ内を挿通して延出されていた。
【0077】一方、図2に示すようにこれらの信号線
束62、照明手段、レーザー光伝送手段9などの挿入体
66を先端構成ユニット61と略同一外径に形成した熱
可塑性エラストマなどからなる外被チューブ63によっ
て構成している。
【0078】図2に示すように上記挿入体66を熱可
塑性エラストマなどの外被チューブ63内に内設させる
ためには、先端構成ユニット61に、信号線束62、照
明手段65、レーザー光伝送手段9などを接続した状態
で樹脂被覆機66を通して、先端構成ユニット61の外
径と略同一サイズとなるように加熱して軟化させた熱可
塑性エラストマを挿入体66の外周に被覆して外被チュ
ーブ63を形成すれば良い。
【0079】このように挿入体66に被覆しながら外被
チューブ63を形成することによって、信号線などを可
撓管に通す作業がなくなり、長尺の挿入体を容易に作成
することができる。
【0080】次に、図2及び図2は前記外被チュー
ブの第1の構成の変形例に係り、図2は挿入体を熱可
塑性ラストマ及びブレードで被った外被チューブの第
2の構成の概略を示す断面図、図2はブレーダーによ
って第1の構成の外被チューブにブレードを被覆する状
態を示す概略説明図である。本実施例の外被チューブ6
3aは、図2に示すように挿入体外周の全長にわたっ
て外ブレード71を設けている。すなわち、図2に示
すように前記第1の構造の挿入体66を先端構成ユニッ
ト61側からブレーダー72に挿通して外ブレード71
を編みながら外被チューブ103に被せて、先端構成ユ
ニット61に外ブレード71をロウ付け、或いは、接着
している。その他の構成は前記外被チューブの第1の構
成と同様である。
【0081】このように、外被チューブの外側に外ブレ
ードを設けたことにより、耐摩耗性が向上する。
【0082】さらに、図2に示すように外被チューブ
63の外周に帯状の金属製素材のフレックス75を螺旋
状に巻回すると共に、さらにこのフレックス75の外側
に外ブレード71を設けている。その他の構成は前記実
施例と同様である。
【0083】このように、外被チューブの外側にフレッ
クスを設けることによって可撓性の外被チューブ63の
つぶれ耐性が向上すると共に、前記フレックスの外側に
外ブレードを設けたることによって挿入体の伸びを抑え
られ、耐摩耗性も向上する。
【0084】また、図28に示すように長尺のビデオス
コープ81の先端部4の外周に電極82を配置すると共
に、電極82にリード線83を接続し、このリード線8
3を挿入部3内を挿通させてその基端部を挿入部の巻
取ドラム84から延出して放電用電源85に接続し、被
検査物である管部2に電極87を取付けて放電させてア
ーク光を発生させることによって管内を照明する照明光
とすることができる。
【0085】なお、電極87にはアース線88が接続さ
れており、アース線88も放電用電源85に接続されて
いる。
【0086】このように、放電用電源85で電圧をかけ
ることによって、電極82と電極87との間に放電によ
るアーク光が発生して照明光とすることができるので、
内視鏡の挿入部に照明光を伝送するためのライトガイド
ファイバなどを挿通させる必要がなくなるので内視鏡挿
入部を細径化することができる。また、挿入部がいくら
長くなっても照明光がライトガイドファイバを使用した
ときのように減衰しないので常に同じ状態の照明光を得
ることができる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、配
管内の管壁に生じた亀裂や孔の発見、修理及び検査を効
率良く、短時間で行なえる管内修理装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図8は本発明の第1実施例に係り、
図1は管内修理装置の概略構成を示す説明図
【図2】管内修理装置の挿入部先端部の構成を示す断面
【図3】管内修理装置の分岐部の概略構成を示す説明図
【図4】前記図2の挿入部先端部の集光レンズを示す説
明図
【図5】管内修理装置を管部に挿入して管内を観察する
状態を示す説明図
【図6】管内修理部材を所定位置に配置させた状態を示
す説明図
【図7】管内修理部材の先端側を溶着した状態を示す説
明図
【図8】管内修理部材の後端側を溶着した状態を示す説
明図
【図9】図9ないし図14は本発明の第2実施例に係
り、図9は管内修理装置の先端部の概略構成を示す説明
【図10】管内修理装置の分岐部の概略構成を示す説明
【図11】管内修理部材を所定位置に配置させた状態を
示す説明図
【図12】管内修理部材である形状記憶合金の先端側を
膨張させている状態を示す説明図
【図13】管内修理部材である形状記憶合金の全体を膨
張させている状態を示す説明図
【図14】膨張した管内修理部材の先端側を溶着してい
る状態を示す説明図
【図15】図15ないし図20は内視鏡を用いた管内修
理装置に係り図15は管内修理装置の概略構成を示す説
明図
【図16】接着テープ張り付け状態を示す説明図
【図17】接着テープ貼付終了状態を示す説明図
【図18】修理部材を接着テープ上に配置した状態を示
す説明図
【図19】バルーンにより修理部材を押圧して接着固定
する状態を示す説明図
【図20】修理部材押圧部を形状記憶合金としたときの
作用を示す説明図
【図21】図21及び図22は管内挿入体に係り、図2
1は管内検査用挿入体の概略構成を示す説明図
【図22】管内検査挿入体に配設されるレール及びスラ
イド部材を示す説明図
【図23】図23及び図24は管内に挿入される外被チ
ューブの第1の構成に係わり、図23は挿入体を熱可塑
性エラストマで被った外被チューブの第1の構成の 概略
を示す断面図
【図24】樹脂被覆機によって挿入体に熱可塑性エラス
トマを被覆する状態を 示す概略説明図
【図25】図25及び図26は前記外被チューブの第1
の構成の変形例に係り 図25は挿入体を熱可塑性エラス
トマ及びブレードで被った外被チ ューブの第2の構成の
概略を示す断面図
【図26】ブレーダーによって第1の構成の外被チュー
ブにブレードを被覆す る状態を示す概略説明図
【図27】外被チューブの第3の構成を示す説明断面図
【図28】長尺ビデオスコープの照明手段の概略構成を
示す説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 一朗 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−69596(JP,A) 特開 平4−127990(JP,A) 特開 昭59−151120(JP,A) 実開 平3−81270(JP,U) 実開 昭63−39151(JP,U) 実開 昭63−95692(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 G02B 23/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管内に挿入される挿入部及び光源装置、
    レーザー発生装置、観察像表示部を備える管内修理装置
    であって、 光源装置の照明光を上記管内に照明する照明手段と、挿入部の先端面に配置され、上記 照明手段によって照明
    された管内における観察像を結像させる対物レンズ光学
    系と、 この対物レンズ光学系によって結像された管内の観察像
    を観察像表示部へ伝送する観察像伝送手段と、 管内の補修部を補修するための円筒状の補修部材を挿入
    部先端部に装着する補修部材装着部と、 前記補修部材を溶着するレーザー光を上記レーザー発生
    装置から挿入部へ伝送するレーザー光伝送手段と、 このレーザー光伝送手段によって伝送されたレーザー光
    を集光して上記補修部材の管内全周に向けて所定の出射
    角でリング状ビームを出射する、上記対物レンズ光学系
    の周囲に配置された集光レンズと、 を具備することを特徴とする管内修理装置。
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