JP3179180B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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康文 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多室用の空気調和機の
能力を冷凍サイクルの過熱度を一定に保ちながら必要能
力に応じた冷媒流量を制御することにより快適な空調を
行なうことを目的とした空気調和機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年一台の室外ユニットで複数の室内を
空調する空気調和機、いわゆるマルチエアコンでは、空
調を行なう室内の広さにより、接続する室内ユニットの
能力が異なることが多く、そのため、それぞれの室内ユ
ニットの能力や負荷に応じた冷媒流量の最適な制御が求
められている。
【0003】従来この種の空気調和機は、特願平1ー1
03934号公報に示すような構成が一般的であった。
以下その構成について図2を参照しながら説明する。
【0004】図に示す冷凍サイクルにおいて冷房時に
は、室外ユニット101内には、圧縮機102、室外熱
交換器103、冷凍サイクルを暖房運転と冷房運転とに
切替えるための四方弁104、複数の室内機の液管に分
岐するための分流器A105、複数の室内機のガス管に
分岐するための分流器B106、冷媒の減圧量と流量を
可変するための電動膨張弁107a〜c、およびこの電
動膨張弁107a〜cを制御するための制御装置108
が設けてある。室内ユニット109a〜c内には室内熱
交換器110a〜cと、能力信号発信装置111a〜c
が設けられている。室外ユニット101と、室内ユニッ
ト109a〜cは接続配管112a〜cおよび、113
a〜cで接続されており、室外ユニット101内の電動
膨張弁107a〜cからそれぞれ接続配管112a〜c
により室内ユニット109a〜cの室内熱交換器110
a〜cの一端に接続され、多端から接続配管113a〜
cがそれぞれ室外ユニット101に接続され、室外ユニ
ット101内で、接続配管113a〜cが分流器A10
5で合流接続され、圧縮機102に接続される。
【0005】上記構成により冷房時の運転動作を説明す
る。いま室内ユニット109a〜cの3台全数運転時に
は、圧縮機102で高温高圧になった冷媒ガスが実線の
矢印に示すように四方弁104を通り、室外熱交換器1
03に入り、室外ファン(図示せず)により、室外空気
と熱交換し、冷媒ガスが凝縮液化する。凝縮液化した冷
媒は、分流器A105によってそれぞれ分岐され、電動
膨張弁107a〜cにより所定の流量に調整されると同
時に減圧された後に、接続配管112a〜cにより室内
ユニット109a〜cの室内熱交換器110a〜cに冷
媒が流れ、それぞれの室内ファン(図示せず)により室
内空気と熱交換することにより、蒸発気化する。蒸発気
化した冷媒ガスは、接続配管113a〜cにより室外ユ
ニット101に流れ、それぞれが分流器B106で合流
した後に再び四方弁104を通り、圧縮機102に吸込
まれる。
【0006】暖房時には、圧縮機102で高温になった
冷媒ガスが破線の矢印の示すように四方弁104を通
り、分流器B106によってそれぞれ分岐され、接続配
管113a〜cにより室内ユニット109a〜cの室内
熱交換器110a〜cに冷媒が流れ、それぞれの室内フ
ァン(図示せず)により室内空気と熱交換することによ
り、冷媒ガスが凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は、接
続配管112a〜cにより室外ユニット101に流れ、
電動膨張弁107a〜cにより所定の流量に調整される
と同時に減圧された後に、分流器A105で合流した後
に室外熱交換器103に入り、室外ファン(図示せず)
により、室外空気と熱交換することにより、冷媒は蒸発
気化する。蒸発気化した冷媒ガスは、再び、四方弁10
4を通り、圧縮機102に吸込まれる。
【0007】次に制御について説明する。圧縮機102
に吸い込まれる冷媒を、温度センサ114および圧力セ
ンサ115の入力から過熱度計算装置A116により過
熱度を計算し、一定の過熱度になるように、電動膨張弁
107a〜cの開度を室内ユニット109a〜cの能力
の大きさに比例した開度に常になるように制御されてい
る。例えば、室内ユニット109aと室内ユニット10
9bの大きさの比が1対2である場合は、それぞれの電
動膨張弁107aと4bの開度の比が1対2になるよう
に、制御装置108を用いて調節している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
室内ユニットの能力の大きさに合わせて開度を変更し、
一定の冷媒配分で空調を行なうため、他の室内ユニット
に比べ、小さな能力の室内ユニットに大きな能力が必要
な場合であっても、冷媒は大きな能力の室内ユニットに
多くの冷媒が流れ、小さな能力の室内ユニットには必要
な冷媒が流れず、必要能力に応じた冷媒を流すことがで
きなかった。また、暖房運転時に電動膨張弁を閉めすぎ
ると液が溜まることが原因で流量制御性が悪く、能力を
大きく可変させることが不可能であった。そのため、空
調を行なう室内の熱負荷に応じた適正な冷媒配分をする
ことができないものであった。
【0009】本発明は上記課題を解決するもので、冷房
時、暖房時共に、室内機を設置した室内の熱負荷が変動
しても、必要能力に応じて冷媒量を制御することのでき
る空気調和機を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的を達成
するための手段は、室外ユニット、およびこの室外ユニ
ットに接続した複数の室内ユニットからなるヒートポン
プ式の空気調和機において、前記室外ユニットの熱交換
器と前記複数の室内ユニットが接続されている液管の分
流器と前記室外機の熱交換器の間に設けられた電動膨張
弁と、前記複数の室内ユニットが接続されているガス管
の分流器と前記室外ユニットから前記複数の室内ユニッ
トを接続するための複数の接続配管のガス管側に設けら
れた複数の流量制御弁と、前記各室内ユニットの必要能
力の信号を送る複数の能力信号発信装置と、前記室外ユ
ニット内に設けた圧縮機の吸込み部の冷媒の過熱度を検
出する過熱度計算装置と、前記過熱度計算装置から得ら
れた冷媒の過熱度の値により、前記電動膨張弁の開度を
制御する電動膨張弁制御装置と、前記複数の能力信号発
信装置から得られた前記各室内ユニットのそれぞれの必
要能力値により前記複数の流量制御弁のそれぞれの開度
を制御する流量制御装置とを備え、前記冷媒の過熱度を
一定に保ちながら、必要能力に応じて前記各室内ユニッ
トへの冷媒流量を、前記流量制御弁と前記流量制御装置
と前記電動膨張弁と前記電動膨張弁制御装置により制御
する構成としたものである。
【0011】
【作用】本発明は上記構成により、冷房時、暖房時共に
必要能力により各室内機の流量制御弁の開度を独立に設
定できるため、必要能力に応じた冷媒流量制御が行な
え、かつ、冷凍サイクルの過熱度から電動膨張弁の開度
を設定するため、過熱度を一定に保つことができる。ま
た、暖房時には室内熱交換器よりも流量制御弁が流れの
上側にあるため液が溜まりにくい。そのため、制御性が
良く、快適な空調を行なうことが簡単にできるものであ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の手段による一実施例について
図1を参照しながら説明する。なお、従来例と同一のも
のは同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。冷凍
サイクルを図1に示す。図において、室外ユニット10
1内には、室外熱交換器103と分流器105の間に冷
媒の過熱度を制御するための電動膨張弁d1と、その電
動膨張弁d1を制御するための電動膨張弁度制御装置2
が設けてある。また、複数の室内ユニットが接続されて
いるガス管113a〜cに、複数の流量制御弁3a〜c
と、それぞれの開度を制御する流量制御装置4を備え
る。
【0013】制御方法について図1にもとづいて説明す
る。圧力センサ115から圧力値、温度センサ114か
ら温度が、過熱度計算装置116に入力され過熱度が計
算される。過熱度計算装置116によって計算された過
熱度が電動膨張弁制御装置2に入力され、電動膨張弁d
1の開度が計算され、所定の開度に駆動される。また、
能力信号発信装置111a〜cから必要能力信号が流量
制御装置4に入力され、流量制御弁3a〜cの開度が計
算され、所定の開度に駆動される。
【0014】上記構成により冷房時の運転動作を説明す
る。いま室内ユニット109a〜cの3台全数運転時に
は、圧縮機102で高温高圧になった冷媒ガスが実線の
矢印に示すように四方弁104を通り、室外熱交換器1
03に入り、室外ファン(図示せず)により、室外空気
と熱交換することにより、冷媒ガスが凝縮液化する。凝
縮液化した冷媒は、電動膨張弁d1により、適正に減圧
される。このとき、電動膨張弁d1は、過熱度計算装置
116によって計算された過熱度から電動膨張弁制御装
置2よって適正な開度に設定される。適正に減圧された
冷媒は、分流器A105によってそれぞれ分岐される。
分岐された冷媒は接続配管112a〜cにより室内ユニ
ット109a〜cの室内熱交換器110a〜cに流れ、
それぞれの室内ファン(図示せず)により室内空気と熱
交換することにより、蒸発気化する。蒸発気化した冷媒
ガスは、接続配管113a〜cを通り流量制御弁3a〜
cで流量を制御される。このとき、流量制御弁3a〜c
は、室内ユニット109a〜cに取り付けられてある能
力信号発信装置111a〜cからの必要能力信号により
流量制御装置4によって、適正な開度に設定される。冷
媒ガスは、分流器B106で合流した後に、再び四方弁
104を通り、圧縮機102に吸込まれる。
【0015】次に、暖房運転時の運転動作を説明する。
暖房時には、圧縮機102で高温になった冷媒ガスが破
線の矢印の示すように四方弁104を通り、分流器B1
06によってそれぞれ分岐され、流量制御弁3a〜cに
よって流量の調整が行なわれる。このとき、流量制御弁
3a〜cは、室内ユニット109a〜cに取り付けられ
てある能力信号発信装置111a〜cからの必要能力信
号により流量制御装置4によって、適正な開度に設定さ
れる。冷媒ガスはそれぞれ接続配管113a〜cにより
室内ユニット109a〜cの室内熱交換器110a〜c
に冷媒が流れ、それぞれの室内ファン(図示せず)によ
り室内空気と熱交換することにより、冷媒ガスが凝縮液
化する。凝縮液化した冷媒は、接続配管112a〜cに
より室外ユニット101に流れる。冷媒が凝縮液化した
後方には、流量制御弁などがないため室内熱交換器11
0a〜cなどに冷媒が液溜まりすることなく分流器A1
05で合流する。合流した冷媒は、電動膨張弁d1によ
り減圧される。このとき、電動膨張弁d1、過熱度計算
装置116によって計算された過熱度から電動膨張弁制
御装置2よって適正な開度に設定される。減圧された冷
媒は室外熱交換器103に入り、室外ファン(図示せ
ず)により、室外空気と熱交換し蒸発気化する。蒸発気
化した冷媒ガスは、再び四方弁104を通り、圧縮機1
02に吸込まれる。
【0016】このように本発明の実施例の空気調和機に
よれば、過熱度を一定に保ちながら必要能力の制御を行
なうことができ、暖房時には液が溜まりにくい構造とす
ることができる。
【0017】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
の実施例によれば、過熱度を一定に保ち、効率の良い運
転を行ないながら、必要能力に応じた冷媒分配を行なう
ことをそれぞれ独立に最適に行なうことができる。
【0018】また、暖房時において室内機で冷媒が凝縮
液化する前に流量制御を行なうため、流量制御弁の前で
液が溜まることがないため、流量制御の可変量を大きく
取れるので、冷房時、暖房時共に、多室を同時に快適な
空調を行なうことができる効果のある空気調和機を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の空気調和機の系統図
【図2】従来の空気調和機の系統図
【符号の説明】
1 電動膨張弁d 2 電動膨張弁制御装置 3a 流量制御弁a 3b 流量制御弁b 3c 流量制御弁c 4 流量制御装置 101 室外ユニット 102 圧縮機 103 室外熱交換器 104 四方弁 105 分流器A 106 分流器B 108 制御装置 109a 室内ユニットa 109b 室内ユニットb 109c 室内ユニットc 110a 室内熱交換器a 110b 室内熱交換器b 110c 室内熱交換器c 111a 能力信号発信装置a 111b 能力信号発信装置b 111c 能力信号発信装置c 112a 接続配管 112b 接続配管 112c 接続配管 113a 接続配管 113b 接続配管 113c 接続配管 114 温度センサ 115 圧力センサ 116 過熱度計算装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 13/00 104 F24F 11/02 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室外ユニット、およびこの室外ユニットに
    接続した複数の室内ユニットからなるヒートポンプ式の
    空気調和機において、前記室外ユニットの熱交換器と前
    記複数の室内ユニットが接続されている液管の分流器と
    前記室外ユニットの熱交換器の間に設けられた電動膨張
    弁と、前記複数の室内ユニットが接続されているガス管
    の分流器と前記室外ユニットから前記複数の室内ユニッ
    トを接続するための複数の接続配管のガス管側に設けら
    れた複数の流量制御弁と、前記各室内ユニットの必要能
    力の信号を送る複数の能力信号発信装置と、前記室外ユ
    ニット内に設けた圧縮機の吸込み部の冷媒の過熱度を検
    出する過熱度計算装置と、前記過熱度計算装置から得ら
    れた冷媒の過熱度の値により、前記電動膨張弁の開度を
    制御する電動膨張弁制御装置と、前記複数の能力信号発
    信装置から得られた前記各室内ユニットのそれぞれの必
    要能力値により前記複数の流量制御弁のそれぞれの開度
    を制御する流量制御装置とを備え、前記冷媒の過熱度を
    一定に保ちながら、必要能力に応じて前記各室内ユニッ
    トへの冷媒流量を、前記流量制御弁と前記流量制御装置
    と前記電動膨張弁と前記電動膨張弁制御装置により制御
    する空気調和機。
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