JP3179046B2 - 乗用電気車両の制御装置 - Google Patents

乗用電気車両の制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、前後進切換装置
を備えない電気自動車等に容易に適用できる乗用電気車
両の制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の乗用電気車両においては、アクセ
ル開度に応じて電動機を駆動するモータ電流の導通率を
変化させて、速度制御を行なうものがある。乗用電気車
両、例えば、3輪電気ゴルフカーにおいては、前後進の
切換装置を備えない比較的簡単な速度制御が採用されて
いる。その一例を示せば、第5図に示すようにメインス
イッチ1でリレー2を開閉することにより、電源3に直
列に接続した電動機4を駆動し、速度制御はアクセル開
度に応じてアクセル出力回路5を介して、チョッパ回路
6の入力電力を制御し、電動機4のモータ電流の導通率
を変化させるものがある。この3輪電気ゴルフカーでは
メインスイッチ1を投入すると電動機4が駆動して前進
するが、後進する場合にはメインスイッチ1を遮断して
人力で後方へ牽引するようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このように、乗用電気
車両を人力で後方へ牽引して後進する際にはメインスイ
ッチを遮断するが、電動機の逆転で発電された電力は並
列に接続されたサージ吸収用のダイオードの作用によっ
て環流するため、電気制動が行なわれて後進させる場合
に多大な力が必要である。 【0004】この発明はこのような実情に鑑みてなされ
たもので、人力による後方への牽引が容易である乗用電
気車両の制御装置を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明は、運転者の操作量に応じた出力を発生す
るアクセル出力回路と、このアクセル出力回路からの入
力に応じて電源に接続した前進用の電動機のモータ電流
の導通率を変化させるチョッパ回路と、前記電動機に並
列に接続されたフライホイールダイオードとを備え、前
進時には乗車した運転者の操作により前記電動機を駆動
して走行し、後進時には降車して人力により後方へ牽引
し、その際駆動輪の回転により前記電動機が逆転される
前後進の切換装置を備えない乗用電気車両の制御装置に
おいて、前記電動機は電源が接続されない閉回路におい
て発電するタイプであり、前記電動機とフライホイール
ダイオードとの閉回路に開閉手段が接続され、さらに前
記開閉手段を開閉するスイッチング手段を備え、このス
イッチング手段により前記電動機により前進走行すると
きは前記開閉手段を閉じ、人力により前記乗用電気車両
を後方へ牽引するときは、前記開閉手段を開いて前記閉
回路に前記電動機の逆転により発電された電流が還流し
ないようにしたことを特徴としている。 【0006】この発明では、スイッチング手段により乗
用電気車両の前進時には開閉手段を閉じてチョッパ回路
により電動機のモータ電流の通流率を変化させて走行
し、乗用電気車両を人力にて後方へ牽引するときには開
閉手段を開いて、駆動輪の回転により電動機が逆転して
も、電動機で発生した電力がフライホイールダイオード
を介して環流しないようにし電気制動を阻止するので、
人力にて乗用電気車両を容易に牽引することができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、この発明の乗用電気車両の
制御装置の一実施例を添付図面に基づいて詳細に説明す
る。第1図はこの発明を乗用電気車両の一例を示す3輪
電動ゴルフカーに適用した実施例を示す制御装置の回路
図である。 【0008】電動ゴルフカーの電源であるバッテリ11
には、リレー12を介して前進用の電動機13とチョッ
パ回路14とが直列に接続され、これらで駆動回路を構
成している。この駆動回路に接続された開閉手段である
リレー12は接点12aと励磁コイル12bから構成さ
れ、接点12aがバッテリ11と電動機13との間に接
続され、また励磁コイル12bはスイッチング手段を構
成するメインスイッチ15に直列に接続されている。励
磁コイル12bとメインスイッチ15からなる直列回路
がバッテリ11に並列に接続されている。メインスイッ
チ15を閉じるとリレー12の励磁コイル12bにバッ
テリ11から電流が流れて磁力が発生し、その磁力によ
りリレー12の接点12aが閉じ、一方メインスイッチ
15を開くとリレー12の励磁コイル12bヘの電流が
流れなくなって磁力が消失してリレー12の接点12a
が開くように構成されている。 【0009】リレー12の接点12aと電動機13との
直列回路にはフライホイールダイオード16が並列に接
続されている。また、チョッパ回路14はその一部を構
成するパワートランジスタ17をアクセル出力回路18
の出力に応じてスイッチングさせ、バッテリ11から供
給されるモータ電流の導通率を変化させ、電動機13の
回転速度を制御するようになっている。アクセル出力回
路18は、運転者の操作量に応じた出力を発生させる。 【0010】第2図乃至第4図は第1図の実施例をさら
に具体的に3輪電動ゴルフカーに適用したものである。
ゴルフ場で使用される1人乗りの3輪電動ゴルフカー1
9には、車体の中央部に後輪20を駆動する電動機1
3、電動機13の電源である2個のバッテリ11、電動
機13等を制御する制御機器21が搭載されている。電
動機13は電源が接続されない閉回路において発電する
タイプである。そして、後輪20の間には乗車台22
が、また車体の両側にはゴルフバックを積載する荷台2
3が設けられている。 【0011】前輪24はステアリング軸25で旋回さ
れ、このステアリング軸25は後輪20側に設けられた
サポート26に支持されている。サポート26の上部両
側にはゴルフバックの上部を支持する支持アーム27が
設けられている。ステアリング軸25の上部にはハンド
ル28が固定され、右側にはアクセルレバー29が、左
側にはブレーキレバー30が設けられている。また、ハ
ンドル28の中央部にはメインスイッチ15が設けら
れ、さらに車体にはアクセル開度を検出するポテンショ
メータ31が設けられている。 【0012】次に、この実施例の作動について説明す
る。発進するときに、メインスイッチ15を投入する
と、リレー12の励磁コイル12bに励磁電流が流れて
接点12aを閉じ、電動機13がバッテリ11に接続さ
れて起動する。ついで、アクセルレバー29を操作して
ポテンショメータ31を回転させると、アクセル出力回
路18の出力がアクセル開度に応じて増大する。これに
より、チョッパ回路14の入力電圧が大きくなり、内蔵
された図示しないPWM変調回路からのパルス信号のオ
フ間隔が徐々に狭くなる。このため、パワートランジス
タ17はこのパルス信号に応じてスイッチング作動を行
ない、電動機13に供給されるモータ電流を増加させ
る。 【0013】発進後はこのアクセル操作によって得られ
る所定の入力電圧に応じて電動機13の速度制御が行な
われる。今、メインスイッチ15を閉じた状態で、3輪
電気ゴルフカー19を停止し、降車して人力にて後方へ
牽引すると、電動機13が逆転して発電が行なわれる。
この電力はフライホイールダイオード16を介して環流
し、電気制動が行なわれるため、例えば、坂道等で停止
した場合等に急速に降下することを避けることができ
る。 【0014】ところで、メインスイッチ15を遮断する
と、リレー12の接点12aが開となるため、人力で後
方へ牽引しても、電動機13で発生した電力はフライホ
イールダイオード16を介して環流しないから、電気制
動は行なわれないため、人力にて容易に牽引することが
できる。また、運転時、電動機13に電流が流れている
時に、メインスイッチ15を遮断した場合には、リレー
12の鉄部分の磁化後の残留磁力により励磁コイル12
bに逆電圧が発生し、メインスイッチ15が遮断時に逆
電圧が残っているためリアクタンス作用によって、リレ
ー12の接点の開時点が遅延して一定時間後に接点12
aが開状態となる。このようにリレー12の接点の開時
点が遅延するが、電動機13に発生した電力は接点12
aが閉の期間にフライホイールダイオード16を介して
環流するため、リレー12の接点12a間に逆電圧が加
わることなく、リレー12の接点12a間にアークを発
生することが防止され、接点12aの保護となる。 【0015】 【発明の効果】この発明は前記のように、スイッチング
手段により乗用電気車両の前進時には開閉手段を閉じて
チョッパ回路により前進用の電動機のモータ電流の通流
率を変化させて走行し、乗用電気車両を人力にて後方へ
牽引するときには開閉手段が開いて、人力で牽引し駆動
輪の回転により電動機が逆転しても、電動機で発生した
電力がフライホイールダイオードを介して環流しないよ
うにし電気制動を阻止するので、人力にて乗用電気車両
を容易に牽引することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】乗用電気車両の制御装置の一実施例を示す回路
図である。 【図2】この発明を適用した乗用電気車両の一例を示す
電動ゴルフカーの斜視図である。 【図3】この発明を適用した乗用電気車両の一例を示す
電動ゴルフカーの側面図である。 【図4】この発明を適用した乗用電気車両の一例を示す
電動ゴルフカーの平面図である。 【図5】従来の乗用電気車両の速度制御装置の電気回路
図である。 【符号の説明】 11…バッテリ 12…リレー 13…電動機 14…チョッパ回路 16…フライホイールダイオード 18…アクセル出力回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 7/00 - 7/28 B60L 15/00 - 15/38

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.運転者の操作量に応じた出力を発生するアクセル出
    力回路と、このアクセル出力回路からの入力に応じて電
    源に接続した前進用の電動機のモータ電流の導通率を変
    化させるチョッパ回路と、前記電動機に並列に接続され
    たフライホイールダイオードとを備え、前進時には乗車
    した運転者の操作により前記電動機を駆動して走行し、
    後進時には降車して人力により後方へ牽引し、その際駆
    動輪の回転により前記電動機が逆転される前後進の切換
    装置を備えない乗用電気車両の制御装置において、前記
    電動機は電源が接続されない閉回路において発電するタ
    イプであり、前記電動機とフライホイールダイオードと
    の閉回路に開閉手段が接続され、さらに前記開閉手段を
    開閉するスイッチング手段を備え、このスイッチング手
    段により前記電動機により前進走行するときは前記開閉
    手段を閉じ、人力により前記乗用電気車両を後方へ牽引
    するときは、前記開閉手段を開いて前記閉回路に前記電
    動機の逆転により発電された電流が還流しないようにし
    たことを特徴とする乗用電気車両の制御装置。
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チョッパ制御方式専門委員会編、「チョッパ制御ハンドブック」、電気学会、昭和51年6月15日発行 第63頁第15行乃至第29行

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