JP3178363B2 - 強誘電体薄膜形成剤 - Google Patents
強誘電体薄膜形成剤Info
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- JP3178363B2 JP3178363B2 JP00457097A JP457097A JP3178363B2 JP 3178363 B2 JP3178363 B2 JP 3178363B2 JP 00457097 A JP00457097 A JP 00457097A JP 457097 A JP457097 A JP 457097A JP 3178363 B2 JP3178363 B2 JP 3178363B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は赤外線センサー、圧
電フィルター、振動子、レーザーの変調素子、光シャッ
ター、キャパシタ膜、不揮発性のメモリー等に適用され
る高純度の層状ペロブスカイト型化合物からなる強誘電
体薄膜を形成するための強誘電体薄膜形成剤に関する。
電フィルター、振動子、レーザーの変調素子、光シャッ
ター、キャパシタ膜、不揮発性のメモリー等に適用され
る高純度の層状ペロブスカイト型化合物からなる強誘電
体薄膜を形成するための強誘電体薄膜形成剤に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電体薄膜の成膜方法として、金属ア
ルコキシド及び/又は金属カルボン酸塩を有機溶媒に溶
かして調製された強誘電体薄膜形成剤を、スピンコート
法により基板上に塗布し、所望の厚さの塗膜を形成し、
これを焼成する方法がある。
ルコキシド及び/又は金属カルボン酸塩を有機溶媒に溶
かして調製された強誘電体薄膜形成剤を、スピンコート
法により基板上に塗布し、所望の厚さの塗膜を形成し、
これを焼成する方法がある。
【0003】この方法は、スパッタリング法による成膜
法に比べて、容易に目的とする組成の強誘電体薄膜を形
成することができ、しかもその設備が低コストであるな
どの利点を有する。
法に比べて、容易に目的とする組成の強誘電体薄膜を形
成することができ、しかもその設備が低コストであるな
どの利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、強誘電
体薄膜形成剤に用いる有機溶媒と金属アルコキシド及び
/又は金属カルボン酸塩の種類によっては、スピンコー
ト法により得られる塗膜には、ストリエーションと呼ば
れる不均質な部分が観察される。このストリエーション
のある不均質な塗膜を焼成して得られる強誘電体薄膜で
は、誘電特性に関して再現性のある薄膜を得ることが困
難である。このため、有機溶媒に対して、使用できる金
属アルコキシド及び/又は金属カルボン酸塩等に制約が
生じる。
体薄膜形成剤に用いる有機溶媒と金属アルコキシド及び
/又は金属カルボン酸塩の種類によっては、スピンコー
ト法により得られる塗膜には、ストリエーションと呼ば
れる不均質な部分が観察される。このストリエーション
のある不均質な塗膜を焼成して得られる強誘電体薄膜で
は、誘電特性に関して再現性のある薄膜を得ることが困
難である。このため、有機溶媒に対して、使用できる金
属アルコキシド及び/又は金属カルボン酸塩等に制約が
生じる。
【0005】例えば、従来、Sr−Bi−Ta−Nb系
強誘電体薄膜形成剤として、Sr及びBiの2−エチル
ヘキサン酸塩とTa及びNbの2−メトキシエトキシド
を酢酸イソアミルに溶解してなるものが提供されている
が、この強誘電体薄膜形成剤において、水に対する安定
性を付与するために、Ta及びNbの2−メトキシエト
キシドの代わりにTa及びNbの2−エチルヘキサン酸
塩を用いた場合には、形成される塗膜はストリエーショ
ンが観察されるものとなる。このため、この組み合せは
好ましくない。
強誘電体薄膜形成剤として、Sr及びBiの2−エチル
ヘキサン酸塩とTa及びNbの2−メトキシエトキシド
を酢酸イソアミルに溶解してなるものが提供されている
が、この強誘電体薄膜形成剤において、水に対する安定
性を付与するために、Ta及びNbの2−メトキシエト
キシドの代わりにTa及びNbの2−エチルヘキサン酸
塩を用いた場合には、形成される塗膜はストリエーショ
ンが観察されるものとなる。このため、この組み合せは
好ましくない。
【0006】このように、従来においては、使用する有
機溶媒に対して、適用可能な有機金属化合物が制約を受
けるため、強誘電体薄膜形成剤の安定性や取扱性、有機
金属化合物の価格や入手し易さ等の面から任意の有機金
属化合物を選定使用することはできないという不具合が
あった。
機溶媒に対して、適用可能な有機金属化合物が制約を受
けるため、強誘電体薄膜形成剤の安定性や取扱性、有機
金属化合物の価格や入手し易さ等の面から任意の有機金
属化合物を選定使用することはできないという不具合が
あった。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、有機
金属化合物の種類に影響されることなく、ストリエーシ
ョンのない均質な塗膜を確実に形成することができる強
誘電体薄膜形成剤を提供することを目的とする。
金属化合物の種類に影響されることなく、ストリエーシ
ョンのない均質な塗膜を確実に形成することができる強
誘電体薄膜形成剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の強誘電体薄膜形
成剤は、有機金属化合物を有機溶媒に溶解してなる、
(SrX Bi1-X )Bi2 (TaY Nb1-Y )2 O
Z (ただし、0.4≦X<1、0≦Y≦1で、Zは各金
属元素に付随する酸素原子の数の合計を示す。)、
[{Sr1-m (Pb及び/又はBa)m }X Bi1-X ]
Bi2 (TaY Nb1-Y )2 OZ (ただし、0<m≦
0.3、0.4≦X<1、0≦Y≦1で、Zは各金属元
素に付随する酸素原子の数の合計を示す。)、又は、
{(Sr1-n Rn )x Bi1-x }Bi2 (TaY Nb
1-Y )2 OZ (ただし、RはLa,Ce,Pr,Nd,
Eu,Sm,Tb,Gd及びErよりなる群から選ばれ
る1種又は2種以上の元素を示し、0<n≦0.1、
0.4≦X<1、0≦Y≦1で、Zは各金属元素に付随
する酸素原子の数の合計を示す。)の組成を有する強誘
電体薄膜を形成するための強誘電体薄膜形成剤におい
て、該有機溶媒として、1−アルコキシ−2−プロパノ
ール及びそのカルボン酸エステル並びにC6 H12O2 の
分子式を持つカルボン酸とエタノールとのエステルより
なる群から選ばれる1種又は2種以上の混合溶媒を用い
たことを特徴とする。
成剤は、有機金属化合物を有機溶媒に溶解してなる、
(SrX Bi1-X )Bi2 (TaY Nb1-Y )2 O
Z (ただし、0.4≦X<1、0≦Y≦1で、Zは各金
属元素に付随する酸素原子の数の合計を示す。)、
[{Sr1-m (Pb及び/又はBa)m }X Bi1-X ]
Bi2 (TaY Nb1-Y )2 OZ (ただし、0<m≦
0.3、0.4≦X<1、0≦Y≦1で、Zは各金属元
素に付随する酸素原子の数の合計を示す。)、又は、
{(Sr1-n Rn )x Bi1-x }Bi2 (TaY Nb
1-Y )2 OZ (ただし、RはLa,Ce,Pr,Nd,
Eu,Sm,Tb,Gd及びErよりなる群から選ばれ
る1種又は2種以上の元素を示し、0<n≦0.1、
0.4≦X<1、0≦Y≦1で、Zは各金属元素に付随
する酸素原子の数の合計を示す。)の組成を有する強誘
電体薄膜を形成するための強誘電体薄膜形成剤におい
て、該有機溶媒として、1−アルコキシ−2−プロパノ
ール及びそのカルボン酸エステル並びにC6 H12O2 の
分子式を持つカルボン酸とエタノールとのエステルより
なる群から選ばれる1種又は2種以上の混合溶媒を用い
たことを特徴とする。
【0009】本発明に従って、有機溶媒として1−アル
コキシ−2−プロパノール及びそのカルボン酸エステル
並びにC6 H12O2 の分子式を持つカルボン酸とエタノ
ールとのエステルよりなる群から選ばれる1種又は2種
以上の混合溶媒を用いることにより、有機金属化合物の
種類に関わりなく、ストリエーションのない均質な塗膜
を形成して、高特性強誘電体薄膜を製造することができ
る。
コキシ−2−プロパノール及びそのカルボン酸エステル
並びにC6 H12O2 の分子式を持つカルボン酸とエタノ
ールとのエステルよりなる群から選ばれる1種又は2種
以上の混合溶媒を用いることにより、有機金属化合物の
種類に関わりなく、ストリエーションのない均質な塗膜
を形成して、高特性強誘電体薄膜を製造することができ
る。
【0010】本発明において、1−アルコキシ−2−プ
ロパノールとしては1−エトキシ−2−プロパノールが
好ましく、1−アルコキシ−2−プロパノールのカルボ
ン酸エステルとしては、1−エトキシ−2−アセトキシ
プロパンが好ましく、C6 H12O2 の分子式を持つカル
ボン酸とエタノールとのエステルとしてはヘキサン酸エ
チルが好ましい。
ロパノールとしては1−エトキシ−2−プロパノールが
好ましく、1−アルコキシ−2−プロパノールのカルボ
ン酸エステルとしては、1−エトキシ−2−アセトキシ
プロパンが好ましく、C6 H12O2 の分子式を持つカル
ボン酸とエタノールとのエステルとしてはヘキサン酸エ
チルが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。
する。
【0012】本発明の強誘電体薄膜形成剤は、有機金属
化合物を溶解する有機溶媒として、1−アルコキシ−2
−プロパノール及びそのカルボン酸エステル並びにC6
H12O2 の分子式を持つカルボン酸とエタノールとのエ
ステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合
溶媒を用いることを特徴とする。
化合物を溶解する有機溶媒として、1−アルコキシ−2
−プロパノール及びそのカルボン酸エステル並びにC6
H12O2 の分子式を持つカルボン酸とエタノールとのエ
ステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合
溶媒を用いることを特徴とする。
【0013】本発明において、1−アルコキシ−2−プ
ロパノールとしては、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、1−プロポキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ
−2−プロパノール等が挙げられ、これらのうち、特
に、1−エトキシ−2−プロパノールが好ましい。
ロパノールとしては、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、1−プロポキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ
−2−プロパノール等が挙げられ、これらのうち、特
に、1−エトキシ−2−プロパノールが好ましい。
【0014】また、1−アルコキシ−2−プロパノール
のカルボン酸エステルとしては、1−メトキシ−2−ア
セトキシプロパン、1−プロポキシ−2−アセトキシプ
ロパン、1−ブトキシ−2−アセトキシプロパン等の酢
酸エステル、1−メトキシ−2−プロピオニルオキシプ
ロパン、1−エトキシ−2−プロピオニルオキシプロパ
ン、1−プロポキシ−2−プロピオニルオキシプロパ
ン、1−ブトキシ−2−プロピオニルオキシプロパン等
のプロピオン酸エステル等が挙げられる。これらのう
ち、特に、1−エトキシ−2−アセトキシプロパンが好
ましい。
のカルボン酸エステルとしては、1−メトキシ−2−ア
セトキシプロパン、1−プロポキシ−2−アセトキシプ
ロパン、1−ブトキシ−2−アセトキシプロパン等の酢
酸エステル、1−メトキシ−2−プロピオニルオキシプ
ロパン、1−エトキシ−2−プロピオニルオキシプロパ
ン、1−プロポキシ−2−プロピオニルオキシプロパ
ン、1−ブトキシ−2−プロピオニルオキシプロパン等
のプロピオン酸エステル等が挙げられる。これらのう
ち、特に、1−エトキシ−2−アセトキシプロパンが好
ましい。
【0015】また、C6 H12O2 の分子式を持つカルボ
ン酸とエタノールとのエステルとしては、ヘキサン酸エ
チル、2−エチルブタン酸エチル等が挙げられ、これら
のうち、特に、ヘキサン酸エチルが好ましい。
ン酸とエタノールとのエステルとしては、ヘキサン酸エ
チル、2−エチルブタン酸エチル等が挙げられ、これら
のうち、特に、ヘキサン酸エチルが好ましい。
【0016】本発明において、有機溶媒として、これら
の3種類の溶媒の2種以上の混合溶媒を用いる場合、そ
の混合割合には特に制限はなく、任意の混合比を採用す
ることができる。
の3種類の溶媒の2種以上の混合溶媒を用いる場合、そ
の混合割合には特に制限はなく、任意の混合比を採用す
ることができる。
【0017】本発明においては、上記特定の有機溶媒を
用いることから、有機金属化合物には特に制限を受け
ず、強誘電体薄膜を構成する金属元素の金属アルコキシ
ド、例えば、ブトキシド、エトキシド、プロポキシド、
イソプロポキシド、2−メトキシエトキシド、1−エト
キシ−2−プロポキシド、イソアミルアルコキシド等、
及び、金属カルボン酸塩、例えば、2−エチルヘキサン
酸塩、オクチル酸塩、n−ヘキサン酸塩、2−エチル酪
酸塩、i−吉草酸塩、2,2−ジメチル酪酸塩、3,3
−ジメチル−酪酸塩、2,3−ジメチル−酪酸塩、3−
メチルペンタン酸塩、4−メチルペンタン酸塩、2−エ
チルペンタン酸塩、3−エチルペンタン酸塩、2,2−
ジメチルペンタン酸塩、3,3−ジメチルペンタン酸
塩、2,3−ジメチルペンタン酸塩、3−エチルヘキサ
ン酸塩等その他、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキ
シアセトン金属錯体等の有機金属化合物のなかから任意
の組み合せで用いることができる。
用いることから、有機金属化合物には特に制限を受け
ず、強誘電体薄膜を構成する金属元素の金属アルコキシ
ド、例えば、ブトキシド、エトキシド、プロポキシド、
イソプロポキシド、2−メトキシエトキシド、1−エト
キシ−2−プロポキシド、イソアミルアルコキシド等、
及び、金属カルボン酸塩、例えば、2−エチルヘキサン
酸塩、オクチル酸塩、n−ヘキサン酸塩、2−エチル酪
酸塩、i−吉草酸塩、2,2−ジメチル酪酸塩、3,3
−ジメチル−酪酸塩、2,3−ジメチル−酪酸塩、3−
メチルペンタン酸塩、4−メチルペンタン酸塩、2−エ
チルペンタン酸塩、3−エチルペンタン酸塩、2,2−
ジメチルペンタン酸塩、3,3−ジメチルペンタン酸
塩、2,3−ジメチルペンタン酸塩、3−エチルヘキサ
ン酸塩等その他、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキ
シアセトン金属錯体等の有機金属化合物のなかから任意
の組み合せで用いることができる。
【0018】本発明の強誘電体薄膜形成剤は、前記特定
の有機溶媒に対して、このような有機金属化合物を、所
定の組成比で、強誘電体薄膜形成剤中の金属の酸化物換
算の合計濃度が5〜15重量%となるように溶解させる
ことにより調製することができる。
の有機溶媒に対して、このような有機金属化合物を、所
定の組成比で、強誘電体薄膜形成剤中の金属の酸化物換
算の合計濃度が5〜15重量%となるように溶解させる
ことにより調製することができる。
【0019】このような本発明の強誘電体薄膜形成剤に
より強誘電体薄膜を形成するには、スピンコート法によ
り、Pt,Si,Pt/Ti/SiO2 /Si,Pt/
Ta/SiO2 /Si,Pt/SiO2 /Si,Ru/
RuO2 /SiO2 /Si,RuO2 /Si,RuO2
/Ru/SiO2 /Si,Ir/IrO2 /Si,Pt
/Ir/IrO2 /Si,Pt/IrO2 /Si等の基
板上に本発明の強誘電体薄膜形成剤を塗布し、乾燥(仮
焼成)及び本焼成を行う。なお、1回の塗布では、所望
の膜厚が得られない場合には、塗布、乾燥の工程を複数
回繰り返し行った後、本焼成を行う。ここで、乾燥は、
150〜400℃で行われ、本焼成は450〜800℃
で30分〜2時間程度行われる。
より強誘電体薄膜を形成するには、スピンコート法によ
り、Pt,Si,Pt/Ti/SiO2 /Si,Pt/
Ta/SiO2 /Si,Pt/SiO2 /Si,Ru/
RuO2 /SiO2 /Si,RuO2 /Si,RuO2
/Ru/SiO2 /Si,Ir/IrO2 /Si,Pt
/Ir/IrO2 /Si,Pt/IrO2 /Si等の基
板上に本発明の強誘電体薄膜形成剤を塗布し、乾燥(仮
焼成)及び本焼成を行う。なお、1回の塗布では、所望
の膜厚が得られない場合には、塗布、乾燥の工程を複数
回繰り返し行った後、本焼成を行う。ここで、乾燥は、
150〜400℃で行われ、本焼成は450〜800℃
で30分〜2時間程度行われる。
【0020】このようにして形成される強誘電体薄膜の
厚さは、通常の場合、300〜5000Å程度である。
厚さは、通常の場合、300〜5000Å程度である。
【0021】なお、本発明の強誘電体薄膜の組成は下記
〜である。
〜である。
【0022】 (SrX Bi1-X )Bi2 (TaY N
b1-Y )2 OZ (ただし、0.4≦X<1,0≦Y≦1
で、Zは各金属元素に付随する酸素原子の数の合計を示
す。) [{Sr1-m (Pb及び/又はBa)m }X Bi
1-X ]Bi2 (TaY Nb1-Y )2 OZ (ただし、0<
m≦0.3,0.4≦X<1,0≦Y≦1で、Zは各金
属元素に付随する酸素原子の数の合計を示す。) {(Sr1-n Rn )X Bi1-X }Bi2 (TaY N
b1-Y )2 OZ (ただし、RはLa,Ce,Pr,N
d,Eu,Sm,Tb,Gd及びErよりなる群から選
ばれる1種又は2種以上の元素を示し、0<n≦0.
1,0.4≦X<1,0≦Y≦1で、Zは各金属元素に
付随する酸素原子の数の合計を示す。) 上記〜の組成において、Xが0.4以上1未満であ
るため、残留分極が大きく、膜疲労の少ない強誘電体薄
膜が得られる。Xが0.4未満であると残留分極が著し
く低下する。
b1-Y )2 OZ (ただし、0.4≦X<1,0≦Y≦1
で、Zは各金属元素に付随する酸素原子の数の合計を示
す。) [{Sr1-m (Pb及び/又はBa)m }X Bi
1-X ]Bi2 (TaY Nb1-Y )2 OZ (ただし、0<
m≦0.3,0.4≦X<1,0≦Y≦1で、Zは各金
属元素に付随する酸素原子の数の合計を示す。) {(Sr1-n Rn )X Bi1-X }Bi2 (TaY N
b1-Y )2 OZ (ただし、RはLa,Ce,Pr,N
d,Eu,Sm,Tb,Gd及びErよりなる群から選
ばれる1種又は2種以上の元素を示し、0<n≦0.
1,0.4≦X<1,0≦Y≦1で、Zは各金属元素に
付随する酸素原子の数の合計を示す。) 上記〜の組成において、Xが0.4以上1未満であ
るため、残留分極が大きく、膜疲労の少ない強誘電体薄
膜が得られる。Xが0.4未満であると残留分極が著し
く低下する。
【0023】Taの一部又は全部をNbで置換すること
により残留分極を大きくすることができる。この置換割
合は、0≦Y≦0.7の範囲であることが好ましい。
により残留分極を大きくすることができる。この置換割
合は、0≦Y≦0.7の範囲であることが好ましい。
【0024】上記の組成において、Srの一部をBa
で置換することにより、抗電界を小さくする作用が得ら
れるが、この置換割合が過度に多いと残留分極の低下を
引き起こす。また、Srの一部をPbで置換することに
より、残留分極の増大が図れるが、この置換割合が過度
に大きいと抗電界も増大する。このため、Ba及び/又
はPbの置換割合は、0<m≦0.3とする。
で置換することにより、抗電界を小さくする作用が得ら
れるが、この置換割合が過度に多いと残留分極の低下を
引き起こす。また、Srの一部をPbで置換することに
より、残留分極の増大が図れるが、この置換割合が過度
に大きいと抗電界も増大する。このため、Ba及び/又
はPbの置換割合は、0<m≦0.3とする。
【0025】また、上記の組成において、Srの一部
をLa,Ce,Rr,Nb,Eu,Sm,Tb,Gd及
びErよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の元素
で置換することにより残留分極を大きくすることができ
るが、この割合が過度に大きいと強誘電性が損なわれる
ため、0<n≦0.1とする。
をLa,Ce,Rr,Nb,Eu,Sm,Tb,Gd及
びErよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の元素
で置換することにより残留分極を大きくすることができ
るが、この割合が過度に大きいと強誘電性が損なわれる
ため、0<n≦0.1とする。
【0026】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】薄膜形成の熱処理時に、鉛、ビスマスは蒸
発することを考慮して、以下の実施例1〜102及び比
較例1〜12では、請求項で示した薄膜の金属組成と同
じ組成を持つ薄膜形成剤に、更に、鉛、ビスマスを過剰
に加えたものを用いてある。それらの薄膜形成剤を用い
て形成した薄膜の金属組成をEPMA及びICP発光分
析法により調べた結果、どの薄膜の金属組成もそれぞれ
対応する請求項に示した組成を満たした。
発することを考慮して、以下の実施例1〜102及び比
較例1〜12では、請求項で示した薄膜の金属組成と同
じ組成を持つ薄膜形成剤に、更に、鉛、ビスマスを過剰
に加えたものを用いてある。それらの薄膜形成剤を用い
て形成した薄膜の金属組成をEPMA及びICP発光分
析法により調べた結果、どの薄膜の金属組成もそれぞれ
対応する請求項に示した組成を満たした。
【0028】実施例1〜17、比較例1,2 有機金属化合物として、Sr,Bi,Ta及びNbの2
−エチルヘキサン酸塩を用い、これらをSr:Bi:T
a:Nb=0.8:2.4:1.3:0.7のモル比と
なるように、かつ、金属の酸化物換算の合計濃度が10
重量%となるように、表1に示す有機溶媒に溶解して強
誘電体薄膜形成剤を調製した。
−エチルヘキサン酸塩を用い、これらをSr:Bi:T
a:Nb=0.8:2.4:1.3:0.7のモル比と
なるように、かつ、金属の酸化物換算の合計濃度が10
重量%となるように、表1に示す有機溶媒に溶解して強
誘電体薄膜形成剤を調製した。
【0029】得られた強誘電体薄膜形成剤をスピンコー
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
【0030】得られた塗膜表面を光学顕微鏡により観察
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表1に示し
た。
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表1に示し
た。
【0031】また、得られた強誘電体薄膜形成剤をスピ
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表1に示した。
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例18〜34、比較例3,4 有機金属化合物として、Sr及びBiの2−エチルヘキ
サン酸塩とTa及びNbのエトキシドを用い、これらを
Sr:Bi:Ta:Nb=0.8:2.4:1.3:
0.7のモル比となるように、かつ、金属の酸化物換算
の合計濃度が10重量%となるように、表2に示す有機
溶媒に溶解して強誘電体薄膜形成剤を調製した。
サン酸塩とTa及びNbのエトキシドを用い、これらを
Sr:Bi:Ta:Nb=0.8:2.4:1.3:
0.7のモル比となるように、かつ、金属の酸化物換算
の合計濃度が10重量%となるように、表2に示す有機
溶媒に溶解して強誘電体薄膜形成剤を調製した。
【0034】得られた強誘電体薄膜形成剤をスピンコー
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
【0035】得られた塗膜表面を光学顕微鏡により観察
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表2に示し
た。
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表2に示し
た。
【0036】また、得られた強誘電体薄膜形成剤をスピ
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表2に示した。
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表2に示した。
【0037】なお、実施例18〜34において、エトキ
シドの代りにブトキシド、プロポキシド、イソプロポキ
シド、2−メトキシエトキシド又はアルコキシドを用い
た場合にも同等の結果が得られた。
シドの代りにブトキシド、プロポキシド、イソプロポキ
シド、2−メトキシエトキシド又はアルコキシドを用い
た場合にも同等の結果が得られた。
【0038】
【表2】
【0039】実施例35〜51、比較例5,6 有機金属化合物として、Sr,Pb,Ba,Bi,Ta
及びNbの2−エチルヘキサン酸塩を用い、これらをS
r:Pb:Ba:Bi:Ta:Nb=0.7:0.1:
0.05:2.4:1.30:0.70のモル比となる
ように、かつ、金属の酸化物換算の合計濃度が10重量
%となるように、表3に示す有機溶媒に溶解して強誘電
体薄膜形成剤を調製した。
及びNbの2−エチルヘキサン酸塩を用い、これらをS
r:Pb:Ba:Bi:Ta:Nb=0.7:0.1:
0.05:2.4:1.30:0.70のモル比となる
ように、かつ、金属の酸化物換算の合計濃度が10重量
%となるように、表3に示す有機溶媒に溶解して強誘電
体薄膜形成剤を調製した。
【0040】得られた強誘電体薄膜形成剤をスピンコー
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
【0041】得られた塗膜表面を光学顕微鏡により観察
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表3に示し
た。
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表3に示し
た。
【0042】また、得られた強誘電体薄膜形成剤をスピ
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表3に示した。
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表3に示した。
【0043】
【表3】
【0044】実施例52〜68、比較例7,8 有機金属化合物として、Sr,Pb,Ba及びBiの2
−エチルヘキサン酸塩とTa及びNbのエトキシドを用
い、これらをSr:Pb:Ba:Bi:Ta:Nb=
0.7:0.1:0.05:2.4:1.30:0.7
0のモル比となるように、かつ、金属の酸化物換算の合
計濃度が10重量%となるように、表4に示す有機溶媒
に溶解して強誘電体薄膜形成剤を調製した。
−エチルヘキサン酸塩とTa及びNbのエトキシドを用
い、これらをSr:Pb:Ba:Bi:Ta:Nb=
0.7:0.1:0.05:2.4:1.30:0.7
0のモル比となるように、かつ、金属の酸化物換算の合
計濃度が10重量%となるように、表4に示す有機溶媒
に溶解して強誘電体薄膜形成剤を調製した。
【0045】得られた強誘電体薄膜形成剤をスピンコー
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
【0046】得られた塗膜表面を光学顕微鏡により観察
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表4に示し
た。
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表4に示し
た。
【0047】また、得られた強誘電体薄膜形成剤をスピ
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表4に示した。
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表4に示した。
【0048】なお、実施例52〜68において、エトキ
シドの代りにブトキシド、プロポキシド、イソプロポキ
シド、2−メトキシエトキシド又はアルコキシドを用い
た場合にも同等の結果が得られた。
シドの代りにブトキシド、プロポキシド、イソプロポキ
シド、2−メトキシエトキシド又はアルコキシドを用い
た場合にも同等の結果が得られた。
【0049】
【表4】
【0050】実施例69〜85、比較例9,10 有機金属化合物として、Sr,La,Bi,Ta及びN
bの2−エチルヘキサン酸塩を用い、これらをSr:L
a:Bi:Ta:Nb=0.76:0.04:2.4:
1.30:0.70のモル比となるように、かつ、金属
の酸化物換算の合計濃度が10重量%となるように、表
5に示す有機溶媒に溶解して強誘電体薄膜形成剤を調製
した。
bの2−エチルヘキサン酸塩を用い、これらをSr:L
a:Bi:Ta:Nb=0.76:0.04:2.4:
1.30:0.70のモル比となるように、かつ、金属
の酸化物換算の合計濃度が10重量%となるように、表
5に示す有機溶媒に溶解して強誘電体薄膜形成剤を調製
した。
【0051】得られた強誘電体薄膜形成剤をスピンコー
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
【0052】得られた塗膜表面を光学顕微鏡により観察
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表5に示し
た。
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表5に示し
た。
【0053】また、得られた強誘電体薄膜形成剤をスピ
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表5に示した。
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表5に示した。
【0054】なお、実施例69〜85において、Laの
代りにCe、Pr、Nd、Eu、Sm、Tb、Gd又は
Er、或いは、これらとLaのうちの2種以上の元素を
用いた場合も同様の結果が得られた。
代りにCe、Pr、Nd、Eu、Sm、Tb、Gd又は
Er、或いは、これらとLaのうちの2種以上の元素を
用いた場合も同様の結果が得られた。
【0055】
【表5】
【0056】実施例86〜102、比較例11,12 有機金属化合物として、Sr,La,及びBiの2−エ
チルヘキサン酸塩とTa及びNbのエトキシドを用い、
これらをSr:La:Bi:Ta:Nb=0.76:
0.04:2.4:1.30:0.70のモル比となる
ように、かつ、金属の酸化物換算の合計濃度が10重量
%となるように、表6に示す有機溶媒に溶解して強誘電
体薄膜形成剤を調製した。
チルヘキサン酸塩とTa及びNbのエトキシドを用い、
これらをSr:La:Bi:Ta:Nb=0.76:
0.04:2.4:1.30:0.70のモル比となる
ように、かつ、金属の酸化物換算の合計濃度が10重量
%となるように、表6に示す有機溶媒に溶解して強誘電
体薄膜形成剤を調製した。
【0057】得られた強誘電体薄膜形成剤をスピンコー
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
ト法により3000rpmで15秒間の条件で4インチ
Pt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布した。
【0058】得られた塗膜表面を光学顕微鏡により観察
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表6に示し
た。
し、ストリエーションの有無を調べ、結果を表6に示し
た。
【0059】また、得られた強誘電体薄膜形成剤をスピ
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表6に示した。
ンコート法により3000rpmで15秒間の条件で、
4インチのPt/Ti/SiO2 /Si基板上に塗布し
た。その後、400℃で10分間乾燥させた。この工程
を3回行った。その後、800℃の酸素雰囲気中で1時
間焼成した。得られた強誘電体薄膜の膜厚と、印加電圧
3Vにおける、その強誘電体薄膜の誘電特性を調べ、結
果を表6に示した。
【0060】なお、実施例86〜102において、La
の代りにCe、Pr、Nd、Eu、Sm、Tb、Gd又
はEr、或いは、これらとLaのうちの2種以上の元素
を用いた場合も同様の結果が得られた。また、エトキシ
ドの代りにブトキシド、プロポキシド、イソプロポキシ
ド、2−メトキシエトキシド、1−エトキシ−2−プロ
ポキシド、イソアミルアルコキシドを用いた場合にも同
等の結果が得られた。
の代りにCe、Pr、Nd、Eu、Sm、Tb、Gd又
はEr、或いは、これらとLaのうちの2種以上の元素
を用いた場合も同様の結果が得られた。また、エトキシ
ドの代りにブトキシド、プロポキシド、イソプロポキシ
ド、2−メトキシエトキシド、1−エトキシ−2−プロ
ポキシド、イソアミルアルコキシドを用いた場合にも同
等の結果が得られた。
【0061】
【表6】
【0062】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の強誘電体薄
膜形成剤によれば、スピンコート法により基板上にスト
リエーションのない均質な塗膜を形成することができ、
この塗膜を焼成することで、誘電特性に関して再現性の
ある強誘電体薄膜を形成することができる。
膜形成剤によれば、スピンコート法により基板上にスト
リエーションのない均質な塗膜を形成することができ、
この塗膜を焼成することで、誘電特性に関して再現性の
ある強誘電体薄膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小木 勝実 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三 菱マテリアル株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平8−153854(JP,A) 特開 平9−286619(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 35/00 H01B 3/12 312 C01B 13/32 CA(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 有機金属化合物を有機溶媒に溶解してな
る、(SrX Bi1-X )Bi2 (TaY Nb1-Y )2 O
Z (ただし、0.4≦X<1,0≦Y≦1で、Zは各金
属元素に付随する酸素原子の数の合計を示す。)の組成
を有する強誘電体薄膜を形成するための強誘電体薄膜形
成剤において、 該有機溶媒として、1−アルコキシ−2−プロパノール
及びそのカルボン酸エステル並びにC6 H12O2 の分子
式を持つカルボン酸とエタノールとのエステルよりなる
群から選ばれる1種又は2種以上の混合溶媒を用いたこ
とを特徴とする強誘電体薄膜形成剤。 - 【請求項2】 有機金属化合物を有機溶媒に溶解してな
る、[{Sr1-m (Pb及び/又はBa)m }X Bi
1-X ]Bi2 (TaY Nb1-Y )2 OZ (ただし、0<
m≦0.3,0.4≦X<1,0≦Y≦1で、Zは各金
属元素に付随する酸素原子の数の合計を示す。)の組成
を有する強誘電体薄膜を形成するための強誘電体薄膜形
成剤において、 該有機溶媒として、1−アルコキシ−2−プロパノール
及びそのカルボン酸エステル並びにC6 H12O2 の分子
式を持つカルボン酸とエタノールとのエステルよりなる
群から選ばれる1種又は2種以上の混合溶媒を用いたこ
とを特徴とする強誘電体薄膜形成剤。 - 【請求項3】 有機金属化合物を有機溶媒に溶解してな
る、{(Sr1-n Rn )X Bi1-X }Bi2 (TaY N
b1-Y )2 OZ (ただし、RはLa,Ce,Pr,N
d,Eu,Sm,Tb,Gd及びErよりなる群から選
ばれる1種又は2種以上の元素を示し、0<n≦0.
1,0.4≦X<1,0≦Y≦1で、Zは各金属元素に
付随する酸素原子の数の合計を示す。)の組成を有する
強誘電体薄膜を形成するための強誘電体薄膜形成剤にお
いて、 該有機溶媒として、1−アルコキシ−2−プロパノール
及びそのカルボン酸エステル並びにC6 H12O2 の分子
式を持つカルボン酸とエタノールとのエステルよりなる
群から選ばれる1種又は2種以上の混合溶媒を用いたこ
とを特徴とする強誘電体薄膜形成剤。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、1−アルコキシ−2−プロパノールが1−エトキシ
−2−プロパノールであり、1−アルコキシ−2−プロ
パノールのカルボン酸エステルが1−エトキシ−2−ア
セトキシプロパンであり、C6 H12O2 の分子式を持つ
カルボン酸とエタノールとのエステルがヘキサン酸エチ
ルであることを特徴とする強誘電体薄膜形成剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00457097A JP3178363B2 (ja) | 1997-01-14 | 1997-01-14 | 強誘電体薄膜形成剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00457097A JP3178363B2 (ja) | 1997-01-14 | 1997-01-14 | 強誘電体薄膜形成剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10199336A JPH10199336A (ja) | 1998-07-31 |
JP3178363B2 true JP3178363B2 (ja) | 2001-06-18 |
Family
ID=11587708
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00457097A Expired - Fee Related JP3178363B2 (ja) | 1997-01-14 | 1997-01-14 | 強誘電体薄膜形成剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3178363B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4030243B2 (ja) * | 1999-12-20 | 2008-01-09 | 日本電気株式会社 | 強誘電体薄膜形成用溶液及び強誘電体薄膜形成方法 |
JP4572364B2 (ja) * | 2003-06-30 | 2010-11-04 | セイコーエプソン株式会社 | 強誘電体薄膜形成用組成物及び強誘電体薄膜並びに強誘電体薄膜の製造方法 |
-
1997
- 1997-01-14 JP JP00457097A patent/JP3178363B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10199336A (ja) | 1998-07-31 |
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