JP3106913B2 - Bi系強誘電体薄膜形成用組成物並びにBi系強誘電体薄膜及びその製造方法 - Google Patents
Bi系強誘電体薄膜形成用組成物並びにBi系強誘電体薄膜及びその製造方法Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体メモリや光
スイッチ等に用いられるBi系強誘電体薄膜形成用組成
物並びにBi系強誘電体薄膜及びその形成方法に関す
る。
スイッチ等に用いられるBi系強誘電体薄膜形成用組成
物並びにBi系強誘電体薄膜及びその形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、Sr,Ba,Pb,Bi,Ta,
Nbを含む誘電体組成としてはSrBi2 Ta2 O9 ,
BaBi2 Ta2 O9 ,PbBi2 Nb2 O9 等が知ら
れている。これらのうち、特に、SrBi2 Ta2 O9
材料は薄膜化した際に、PZTに見られるような分極反
転を繰り返すと分極が小さくなるという膜疲労が少ない
ことから、半導体メモリに組み込むことによって、その
ヒステリシス特性を利用した不揮発性メモリへ応用する
ことが考えられている。
Nbを含む誘電体組成としてはSrBi2 Ta2 O9 ,
BaBi2 Ta2 O9 ,PbBi2 Nb2 O9 等が知ら
れている。これらのうち、特に、SrBi2 Ta2 O9
材料は薄膜化した際に、PZTに見られるような分極反
転を繰り返すと分極が小さくなるという膜疲労が少ない
ことから、半導体メモリに組み込むことによって、その
ヒステリシス特性を利用した不揮発性メモリへ応用する
ことが考えられている。
【0003】このSrBi2 Ta2 O9 の分極値は、バ
ルクの分極値でPr=5.8μC/cm2 である。将
来、強誘電体材料が高集積化された時に必要とされる残
留分極値は256Mbで2Pr=15μC/cm2 以上
といわれており、従って、膜疲労がより一層低減された
薄膜を得るためにはこの材料の残留分極値の改善が望ま
れる。
ルクの分極値でPr=5.8μC/cm2 である。将
来、強誘電体材料が高集積化された時に必要とされる残
留分極値は256Mbで2Pr=15μC/cm2 以上
といわれており、従って、膜疲労がより一層低減された
薄膜を得るためにはこの材料の残留分極値の改善が望ま
れる。
【0004】このSrBi2 Ta2 O9 薄膜の形成方法
として、PCT公開公報WO94/10702には、組
成比をSr:Bi:Ta=1:2.4:2として前駆体
溶液を調製した後、成膜、乾燥、仮焼を繰り返して結晶
化を行うことが記載されている。ここで20%のBi過
剰分は結晶化熱処理時に拡散或いは蒸発するBi分を補
うためである。使用する基板(例えば、Pt/Ti/S
iO2 /Si基板など)は、成膜前に成膜終了プロセス
までにかける最高温度かそれ以上で一度焼成を行ってい
る。また、上記特性を満たす電気特性を得るための仮焼
温度は700℃位である。
として、PCT公開公報WO94/10702には、組
成比をSr:Bi:Ta=1:2.4:2として前駆体
溶液を調製した後、成膜、乾燥、仮焼を繰り返して結晶
化を行うことが記載されている。ここで20%のBi過
剰分は結晶化熱処理時に拡散或いは蒸発するBi分を補
うためである。使用する基板(例えば、Pt/Ti/S
iO2 /Si基板など)は、成膜前に成膜終了プロセス
までにかける最高温度かそれ以上で一度焼成を行ってい
る。また、上記特性を満たす電気特性を得るための仮焼
温度は700℃位である。
【0005】なお、従来の(Sr,Ba,Pb)−Bi
−(Ta,Nb)系誘電体形成用組成物の組成は(S
r,Ba,Pb):Bi:(Ta,Nb)=1:1.8
〜4:2であり(即ち、(Sr,Ba,Pb)=1)、
(Sr,Ba,Pb)<1の組成の報告例はない。
−(Ta,Nb)系誘電体形成用組成物の組成は(S
r,Ba,Pb):Bi:(Ta,Nb)=1:1.8
〜4:2であり(即ち、(Sr,Ba,Pb)=1)、
(Sr,Ba,Pb)<1の組成の報告例はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来にあっては、成膜
前の基板熱処理の温度と、成膜乾燥後の仮焼温度が高く
(即ち、良好な電気特性を得るには、いずれも700〜
800℃程度)、このため、基板への熱的ダメージは相
当に大きい。例えば、Pt/Ti/SiO2 、又はPt
/Ta/SiO2 基板を800℃で焼成した場合には、
表面の金属光沢が失われ、TaやTiが析出すると共
に、酸化により表面が荒れる現象が発生する。
前の基板熱処理の温度と、成膜乾燥後の仮焼温度が高く
(即ち、良好な電気特性を得るには、いずれも700〜
800℃程度)、このため、基板への熱的ダメージは相
当に大きい。例えば、Pt/Ti/SiO2 、又はPt
/Ta/SiO2 基板を800℃で焼成した場合には、
表面の金属光沢が失われ、TaやTiが析出すると共
に、酸化により表面が荒れる現象が発生する。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決し、残
留分極値が大きく、膜疲労がない、良好な電気特性を有
するBi系強誘電体薄膜を、成膜前の高温プロセスを必
要とせずに形成することができるBi系強誘電体薄膜形
成用組成物並びにBi系強誘電体薄膜及びその形成方法
を提供することを目的とする。
留分極値が大きく、膜疲労がない、良好な電気特性を有
するBi系強誘電体薄膜を、成膜前の高温プロセスを必
要とせずに形成することができるBi系強誘電体薄膜形
成用組成物並びにBi系強誘電体薄膜及びその形成方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のBi系強誘電体
薄膜形成用組成物は、溶液中の金属組成比(モル比)が
A:B:C=X:Y:Zで表され(ただし、AはSrと
Ba及び/又はPb,BはBi,CはTa及び/又はN
bを示す。)、0.4≦X<1.0,1.5≦Y≦3.
5,Z=2であり、Sr:Ba:Pb=a:b:cで表
したときに、0.7X≦a<X,0<b+c≦0.3X
となるように有機溶媒中に金属化合物を混合してなるこ
とを特徴とする。
薄膜形成用組成物は、溶液中の金属組成比(モル比)が
A:B:C=X:Y:Zで表され(ただし、AはSrと
Ba及び/又はPb,BはBi,CはTa及び/又はN
bを示す。)、0.4≦X<1.0,1.5≦Y≦3.
5,Z=2であり、Sr:Ba:Pb=a:b:cで表
したときに、0.7X≦a<X,0<b+c≦0.3X
となるように有機溶媒中に金属化合物を混合してなるこ
とを特徴とする。
【0009】本発明のBi系強誘電体薄膜は、請求項1
の組成物を基板上に塗布し、乾燥及び仮焼成を目的の膜
厚になるまで複数回繰り返した後、焼成して結晶化させ
て得られることを特徴とする。
の組成物を基板上に塗布し、乾燥及び仮焼成を目的の膜
厚になるまで複数回繰り返した後、焼成して結晶化させ
て得られることを特徴とする。
【0010】本発明のBi系強誘電体薄膜の形成方法
は、請求項1の組成物を基板上に塗布し、乾燥及び仮焼
成を目的の膜厚になるまで複数回繰り返した後、焼成し
て結晶化させて得られることを特徴とする。
は、請求項1の組成物を基板上に塗布し、乾燥及び仮焼
成を目的の膜厚になるまで複数回繰り返した後、焼成し
て結晶化させて得られることを特徴とする。
【0011】本発明に係る金属組成は、従来提供されて
いるSr−Bi−Ta系の強誘電性を向上させるため
に、組成中のSrの一部をBa及び/又はPbで置換す
ると共に、更に場合により、Taの一部又は全部をNb
で置換したものであり、このような組成の組成物を用い
ることにより、成膜前の基板熱処理を行うことなく、ま
た、低い成膜時仮焼成温度にて、従って、基板に熱的悪
影響を及ぼすことなく、残留分極が大きく、膜疲労の少
ない高特性強誘電性Bi系強誘電体を製造することが可
能とされる。
いるSr−Bi−Ta系の強誘電性を向上させるため
に、組成中のSrの一部をBa及び/又はPbで置換す
ると共に、更に場合により、Taの一部又は全部をNb
で置換したものであり、このような組成の組成物を用い
ることにより、成膜前の基板熱処理を行うことなく、ま
た、低い成膜時仮焼成温度にて、従って、基板に熱的悪
影響を及ぼすことなく、残留分極が大きく、膜疲労の少
ない高特性強誘電性Bi系強誘電体を製造することが可
能とされる。
【0012】即ち、本来、化学量論比は例えばSr−B
i−Ta系ではSr:Bi:Ta=1:2:2である
が、強誘電性を向上させるため液組成でSrの組成比X
を1より小さくかつ0.4以上とすることで、残留分極
が大きく、膜疲労の少ない強誘電体膜が提供される。
i−Ta系ではSr:Bi:Ta=1:2:2である
が、強誘電性を向上させるため液組成でSrの組成比X
を1より小さくかつ0.4以上とすることで、残留分極
が大きく、膜疲労の少ない強誘電体膜が提供される。
【0013】また、Srの一部をBaで置き換えること
により、抗電界を小さくする作用が奏されるが、この割
合がPbとの合計でXに対して0.3を超えると、残留
分極も低下してしまう。Srの一部をPbで置換した場
合は、残留分極を大きくする作用が奏されるが、抗電界
も大きくしてしまう他に、Pb系では膜疲労の問題が発
生する。このため、Pb及び/又はBaの割合はXに対
して0.3以下とする。
により、抗電界を小さくする作用が奏されるが、この割
合がPbとの合計でXに対して0.3を超えると、残留
分極も低下してしまう。Srの一部をPbで置換した場
合は、残留分極を大きくする作用が奏されるが、抗電界
も大きくしてしまう他に、Pb系では膜疲労の問題が発
生する。このため、Pb及び/又はBaの割合はXに対
して0.3以下とする。
【0014】Biは少ないと良好な特性が得られない
が、多くしすぎると膜がリーキーとなる。
が、多くしすぎると膜がリーキーとなる。
【0015】更に、TaをNbで置換した場合には、残
留分極の若干の改善がみられる。
留分極の若干の改善がみられる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明のBi系強誘電体薄膜形成用組成物
において、A:B:C=X:Y:Z(ただし、AはSr
とBa及び/又はPb,BはBi,CはTa及び/又は
Nbを示す。)で表される溶液中の金属組成比(モル
比)で、Xが0.4以上1未満であるため、残留分極が
大きく、膜疲労の少ない強誘電体膜が得られる。Xが
0.4未満であると残留分極が著しく低下する。
において、A:B:C=X:Y:Z(ただし、AはSr
とBa及び/又はPb,BはBi,CはTa及び/又は
Nbを示す。)で表される溶液中の金属組成比(モル
比)で、Xが0.4以上1未満であるため、残留分極が
大きく、膜疲労の少ない強誘電体膜が得られる。Xが
0.4未満であると残留分極が著しく低下する。
【0018】Yが1.5未満では良好な特性が得られ
ず、3.5を超えると膜がリーキーとなるため、1.5
≦Y≦3.5とする。
ず、3.5を超えると膜がリーキーとなるため、1.5
≦Y≦3.5とする。
【0019】ZはSr−Bi−Ta系の化学量論比でZ
=2とする。
=2とする。
【0020】Srの一部をBaで置換することにより抗
電界を小さくする作用が得られるが、この置換割合が過
度に多いと残留分極の低下を引き起こす。また、Srの
一部をPbで置換することにより、残留分極の増大が図
れるが、この置換割合が過度に大きいと抗電界も増大す
る。このため、Ba及び/又はPbの置換割合は、S
r:Ba:Pb=a:b:cで表したときに、0.7X
≦a<X,0<b+c≦0.3Xとなるようにする。
電界を小さくする作用が得られるが、この置換割合が過
度に多いと残留分極の低下を引き起こす。また、Srの
一部をPbで置換することにより、残留分極の増大が図
れるが、この置換割合が過度に大きいと抗電界も増大す
る。このため、Ba及び/又はPbの置換割合は、S
r:Ba:Pb=a:b:cで表したときに、0.7X
≦a<X,0<b+c≦0.3Xとなるようにする。
【0021】更に、Taの一部又は全部をNbで置換す
ることにより残留分極を大きくすることができる。この
置換割合は、特に、Ta:Nb=m:1−mで表したと
きに、mは0≦m≦0.7の範囲であることが好まし
い。
ることにより残留分極を大きくすることができる。この
置換割合は、特に、Ta:Nb=m:1−mで表したと
きに、mは0≦m≦0.7の範囲であることが好まし
い。
【0022】このような本発明のBi系強誘電体薄膜形
成用組成物は、上記金属組成比が得られるように、有機
溶媒中に金属の有機化合物及び/又は無機化合物を添加
混合することにより容易に調製することができる。
成用組成物は、上記金属組成比が得られるように、有機
溶媒中に金属の有機化合物及び/又は無機化合物を添加
混合することにより容易に調製することができる。
【0023】なお、本発明のBi系強誘電体薄膜形成用
組成物に用いられる有機溶媒としては、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等の酢酸エス
テル類、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−
メトキシエタノール等のアルコール類が挙げられる。
組成物に用いられる有機溶媒としては、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等の酢酸エス
テル類、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−
メトキシエタノール等のアルコール類が挙げられる。
【0024】また、Sr化合物としては、オクチル酸ス
トロンチウム、n−ヘキサン酸ストロンチウム、2−エ
チル酪酸ストロンチウム、i−吉草酸ストロンチウム等
のストロンチウムのカルボン酸塩や、ストロンチウムエ
トキシド、ストロンチウムプロポキシド、ストロンチウ
ム2−メトキシエトキシド等のストロンチウムアルコキ
シド類等が、Ba化合物としてはオクチル酸バリウム、
n−ヘキサン酸バリウム、2−エチル酪酸バリウム、i
−吉草酸バリウム等のカルボン酸塩や、バリウムエトキ
シド、バリウムプロポキシド、バリウム−2−メトキシ
エトキシド等のアルコキシド等が、Pb化合物としては
オクチル酸鉛、nーヘキサン酸鉛、2−エチル酪酸鉛、
i−吉草酸鉛、酢酸鉛等のカルボン酸塩や、鉛エトキシ
ド、鉛プロポキシド、鉛ブトキシド等のアルコキシド等
が、Bi化合物としては、オクチル酸ビスマス、n−ヘ
キサン酸ビスマス、2−エチル酪酸ビスマス、i−吉草
酸ビスマス等のビスマスのカルボン酸塩等の有機Bi化
合物、硝酸ビスマス等の無機Bi化合物が、Ta化合物
としては、タンタルエトキシド、タンタルプロポキシ
ド、タンタルブトキシド、タンタル2−メトキシエトキ
シド等のタンタルのアルコキシドやオクチル酸タンタ
ル、n−ヘキサン酸タンタル、2−エチル酪酸タンタ
ル、i−吉草酸タンタル等のタンタルのカルボン酸塩等
が、また、Nb化合物としては、ニオブエトキシド、ニ
オブプロポキシド、ニオブブトキシド、ニオブ−2−メ
トキシエトキシド等のアルコキシドや、オクチル酸ニオ
ブ、n−ヘキサン酸ニオブ、2−エチル酪酸ニオブ、i
−吉草酸ニオブ等のカルボン酸等が挙げられる。
トロンチウム、n−ヘキサン酸ストロンチウム、2−エ
チル酪酸ストロンチウム、i−吉草酸ストロンチウム等
のストロンチウムのカルボン酸塩や、ストロンチウムエ
トキシド、ストロンチウムプロポキシド、ストロンチウ
ム2−メトキシエトキシド等のストロンチウムアルコキ
シド類等が、Ba化合物としてはオクチル酸バリウム、
n−ヘキサン酸バリウム、2−エチル酪酸バリウム、i
−吉草酸バリウム等のカルボン酸塩や、バリウムエトキ
シド、バリウムプロポキシド、バリウム−2−メトキシ
エトキシド等のアルコキシド等が、Pb化合物としては
オクチル酸鉛、nーヘキサン酸鉛、2−エチル酪酸鉛、
i−吉草酸鉛、酢酸鉛等のカルボン酸塩や、鉛エトキシ
ド、鉛プロポキシド、鉛ブトキシド等のアルコキシド等
が、Bi化合物としては、オクチル酸ビスマス、n−ヘ
キサン酸ビスマス、2−エチル酪酸ビスマス、i−吉草
酸ビスマス等のビスマスのカルボン酸塩等の有機Bi化
合物、硝酸ビスマス等の無機Bi化合物が、Ta化合物
としては、タンタルエトキシド、タンタルプロポキシ
ド、タンタルブトキシド、タンタル2−メトキシエトキ
シド等のタンタルのアルコキシドやオクチル酸タンタ
ル、n−ヘキサン酸タンタル、2−エチル酪酸タンタ
ル、i−吉草酸タンタル等のタンタルのカルボン酸塩等
が、また、Nb化合物としては、ニオブエトキシド、ニ
オブプロポキシド、ニオブブトキシド、ニオブ−2−メ
トキシエトキシド等のアルコキシドや、オクチル酸ニオ
ブ、n−ヘキサン酸ニオブ、2−エチル酪酸ニオブ、i
−吉草酸ニオブ等のカルボン酸等が挙げられる。
【0025】これらの金属化合物は、組成物中の酸化物
換算の合計濃度が5〜15重量%となるように、前記有
機溶媒に混合される。
換算の合計濃度が5〜15重量%となるように、前記有
機溶媒に混合される。
【0026】なお、本発明のBi系強誘電体薄膜形成用
組成物においては、上記金属化合物の他、特性向上のた
めの添加剤として、イオン半径の近い希土類元素、例え
ば、La,Ce,Pr,Nd,Eu,Tb,Dy,E
r,Yb等の化合物を含有していても良い。この場合、
これらの添加剤の添加量は、Ta或いはNbに対してモ
ル比で0以上0.15倍モル以下とするのが好ましい。
組成物においては、上記金属化合物の他、特性向上のた
めの添加剤として、イオン半径の近い希土類元素、例え
ば、La,Ce,Pr,Nd,Eu,Tb,Dy,E
r,Yb等の化合物を含有していても良い。この場合、
これらの添加剤の添加量は、Ta或いはNbに対してモ
ル比で0以上0.15倍モル以下とするのが好ましい。
【0027】本発明のBi系強誘電体薄膜は、本発明の
形成方法に従って、このようなBi系強誘電体薄膜形成
用組成物を、基板上に塗布し、乾燥及び仮焼成を目的の
膜厚になるまで複数回繰り返した後、焼成して結晶化さ
せることにより製造される。
形成方法に従って、このようなBi系強誘電体薄膜形成
用組成物を、基板上に塗布し、乾燥及び仮焼成を目的の
膜厚になるまで複数回繰り返した後、焼成して結晶化さ
せることにより製造される。
【0028】ここで、基板としては、Pt/Ti/Si
O2 /Si基板、Pt/Ta/SiO2 /Si基板,P
t/SiO2 /Si基板、Ir/IrO2 /Si基板、
Pt/TiN/SiO2 /Si基板、Pt/Ir/Si
O2 /Si基板、(Pt−Ir合金)/IrO2 /Si
基板、Pt/Ir/IrO2 /Si基板等を用いること
ができる。
O2 /Si基板、Pt/Ta/SiO2 /Si基板,P
t/SiO2 /Si基板、Ir/IrO2 /Si基板、
Pt/TiN/SiO2 /Si基板、Pt/Ir/Si
O2 /Si基板、(Pt−Ir合金)/IrO2 /Si
基板、Pt/Ir/IrO2 /Si基板等を用いること
ができる。
【0029】本発明によれば、これらの基板は熱処理を
行うことなく、成膜に供することができる。
行うことなく、成膜に供することができる。
【0030】基板へのBi系強誘電体薄膜形成用組成物
の塗布方法としてはスピンコート法、ディップコート
法、噴霧法等を採用することができ、所定の膜厚のBi
系強誘電体薄膜が得られるように、繰り返し塗布、乾燥
及び仮焼成を行う。本発明においては、この仮焼成は、
200〜600℃、特に200〜400℃の低温で1〜
30分程度行えば良い。
の塗布方法としてはスピンコート法、ディップコート
法、噴霧法等を採用することができ、所定の膜厚のBi
系強誘電体薄膜が得られるように、繰り返し塗布、乾燥
及び仮焼成を行う。本発明においては、この仮焼成は、
200〜600℃、特に200〜400℃の低温で1〜
30分程度行えば良い。
【0031】Bi系強誘電体薄膜形成用組成物を、基板
上に、所望の膜厚に塗布、乾燥及び仮焼成した後は、本
焼成を行って結晶化させる。本発明においては、この本
焼成は、酸化雰囲気中にて、600〜900℃、特に6
00〜800℃で20分〜2時間行う。これにより、残
留分極値が大きく、膜疲労の少ない、高誘電特性のBi
系強誘電体薄膜を、高温プロセスを必要とすることな
く、容易に形成することができる。
上に、所望の膜厚に塗布、乾燥及び仮焼成した後は、本
焼成を行って結晶化させる。本発明においては、この本
焼成は、酸化雰囲気中にて、600〜900℃、特に6
00〜800℃で20分〜2時間行う。これにより、残
留分極値が大きく、膜疲労の少ない、高誘電特性のBi
系強誘電体薄膜を、高温プロセスを必要とすることな
く、容易に形成することができる。
【0032】なお、このようにして製造される本発明の
Bi系強誘電体薄膜の膜厚は、10nm〜1μm、特に
80〜800nmであることが好ましい。この膜厚が1
0nm未満では薄すぎるため絶縁性を得にくく、1μm
を超えると粒成長が激しく表面が粗れるため、10nm
〜1μmの範囲とするのが好ましい。
Bi系強誘電体薄膜の膜厚は、10nm〜1μm、特に
80〜800nmであることが好ましい。この膜厚が1
0nm未満では薄すぎるため絶縁性を得にくく、1μm
を超えると粒成長が激しく表面が粗れるため、10nm
〜1μmの範囲とするのが好ましい。
【0033】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
【0034】なお、以下の実施例及び比較例において、
薄膜形成用組成物の有機溶媒としては、酢酸イソアミル
を用い、金属化合物としては下記のものを用い、各化合
物は、組成物中の酸化物換算の合計濃度が10重量%と
なるように所定の組成比で混合した。
薄膜形成用組成物の有機溶媒としては、酢酸イソアミル
を用い、金属化合物としては下記のものを用い、各化合
物は、組成物中の酸化物換算の合計濃度が10重量%と
なるように所定の組成比で混合した。
【0035】 Sr化合物:オクチル酸ストロンチウム Ba化合物:オクチル酸バリウム Pb化合物:オクチル酸鉛 Bi化合物:オクチル酸ビスマス Ta化合物:タンタルエトキシド Nb化合物:ニオブエトキシド 実施例1〜16、比較例1〜20 各金属化合物を表1〜3に示す金属組成となるように混
合して薄膜形成用組成物を調製し、この組成物をPt/
Ta/SiO2 /Si基板上に表1〜3に示す回数スピ
ンコート法による塗布、乾燥及び仮焼を繰り返し行っ
た。仮焼条件は表1〜3に示す通りである。
合して薄膜形成用組成物を調製し、この組成物をPt/
Ta/SiO2 /Si基板上に表1〜3に示す回数スピ
ンコート法による塗布、乾燥及び仮焼を繰り返し行っ
た。仮焼条件は表1〜3に示す通りである。
【0036】その後、酸素雰囲気中にて表1〜3に示す
条件で焼成して結晶化を行って、表1〜3に示す膜厚の
Bi系強誘電体薄膜を得た。
条件で焼成して結晶化を行って、表1〜3に示す膜厚の
Bi系強誘電体薄膜を得た。
【0037】この薄膜上に、真空蒸着法により上部電極
として金を蒸着し、その後、800℃で10分間アニー
ル処理を行って試料とした。
として金を蒸着し、その後、800℃で10分間アニー
ル処理を行って試料とした。
【0038】各試料の残留分極、抗電界及び膜疲労特性
(1010回反転後の残留分極の初期値に対する割合
(%))を調べ、結果を表1〜3に示した。
(1010回反転後の残留分極の初期値に対する割合
(%))を調べ、結果を表1〜3に示した。
【0039】表1〜3より、本発明のBi系強誘電体薄
膜は、残留分極が大きく、抗電界も良好な値であり、膜
疲労が少ないことが明らかである。
膜は、残留分極が大きく、抗電界も良好な値であり、膜
疲労が少ないことが明らかである。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、高
温プロセスを必要とすることなく、従って、基板に熱的
な悪影響を及ぼすことなく、強誘電性で残留分極が大き
く、膜疲労の少ない高特性Bi系強誘電体薄膜を形成す
ることができる。
温プロセスを必要とすることなく、従って、基板に熱的
な悪影響を及ぼすことなく、強誘電性で残留分極が大き
く、膜疲労の少ない高特性Bi系強誘電体薄膜を形成す
ることができる。
【0044】本発明のBi系強誘電体薄膜を半導体メモ
リ等に使用した場合には、膜疲労のない優れたデバイス
を作製することが可能である。
リ等に使用した場合には、膜疲労のない優れたデバイス
を作製することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/788 29/792 (56)参考文献 特開 平6−308721(JP,A) 特表 平7−502149(JP,A) Ferroelectrics, 1988,Vol.82,PP.55−62 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 29/00 H01L 21/8242 H01L 21/8247 H01L 27/10 451 H01L 27/108 H01L 29/788 H01L 29/792 CA(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 溶液中の金属組成比(モル比)がA:
B:C=X:Y:Zで表され(ただし、AはSrとBa
及び/又はPb,BはBi,CはTa及び/又はNbを
示す。)、0.4≦X<1.0,1.5≦Y≦3.5,
Z=2であり、Sr:Ba:Pb=a:b:cで表した
ときに、0.7X≦a<X,0<b+c≦0.3Xとな
るように有機溶媒中に金属化合物を混合してなるBi系
強誘電体薄膜形成用組成物。 - 【請求項2】 請求項1の組成物を基板上に塗布し、乾
燥及び仮焼成を目的の膜厚になるまで複数回繰り返した
後、焼成して結晶化させて得られることを特徴とするB
i系強誘電体薄膜。 - 【請求項3】 請求項1の組成物を基板上に塗布し、乾
燥及び仮焼成を目的の膜厚になるまで複数回繰り返した
後、焼成して結晶化させて得られることを特徴とするB
i系強誘電体薄膜の形成方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07173438A JP3106913B2 (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | Bi系強誘電体薄膜形成用組成物並びにBi系強誘電体薄膜及びその製造方法 |
KR1019960017151A KR100381498B1 (ko) | 1995-05-22 | 1996-05-21 | 비스무스계유전체박막및그의형성방법및그박막형성용조성물 |
US08/651,593 US5807495A (en) | 1995-05-22 | 1996-05-22 | Bi-based dielectric thin films, and compositions and method for forming them |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07173438A JP3106913B2 (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | Bi系強誘電体薄膜形成用組成物並びにBi系強誘電体薄膜及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0925124A JPH0925124A (ja) | 1997-01-28 |
JP3106913B2 true JP3106913B2 (ja) | 2000-11-06 |
Family
ID=15960479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07173438A Expired - Lifetime JP3106913B2 (ja) | 1995-05-22 | 1995-07-10 | Bi系強誘電体薄膜形成用組成物並びにBi系強誘電体薄膜及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3106913B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002170938A (ja) | 2000-04-28 | 2002-06-14 | Sharp Corp | 半導体装置およびその製造方法 |
JPWO2004077564A1 (ja) * | 2003-02-26 | 2006-06-08 | Tdk株式会社 | 薄膜容量素子ならびにそれを含んだ電子回路および電子機器 |
KR20050100700A (ko) * | 2003-02-27 | 2005-10-19 | 티디케이가부시기가이샤 | 박막용량소자 및 그것을 포함한 전자회로 및 전자기기 |
-
1995
- 1995-07-10 JP JP07173438A patent/JP3106913B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Ferroelectrics,1988,Vol.82,PP.55−62 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0925124A (ja) | 1997-01-28 |
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