JP3177166B2 - 熱間圧延機および熱間圧延機列 - Google Patents

熱間圧延機および熱間圧延機列

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JP3177166B2 JP21168596A JP21168596A JP3177166B2 JP 3177166 B2 JP3177166 B2 JP 3177166B2 JP 21168596 A JP21168596 A JP 21168596A JP 21168596 A JP21168596 A JP 21168596A JP 3177166 B2 JP3177166 B2 JP 3177166B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットストリップ
の小規模生産をコンパクトな規模で実現可能とする熱間
圧延設備に係わり、特に、このような熱間圧延設備に配
置され、小径作業ロールを補強ロール或いは中間ロール
により間接的に駆動する熱間圧延機、及びこの熱間圧延
機を含む熱間仕上圧延機列及び熱間粗圧延機列に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開平6−320202号公報には、小
規模で省エネルギの設備を提供するために仕上圧延を強
圧下し、仕上圧延のスタンド数を減少しストリップ材の
仕上温度低下防止する「熱間圧延設備およびその圧延方
法」が提案されている。この提案では、強圧下するため
に作業ロール径を小径とし、作業ロール径を小径とする
ために、補強ロール或いは中間ロールを駆動することに
より作業ロールを間接的に駆動している。また、小径作
業ロールにかかる間接駆動による水平力への対応及び撓
み剛性不足に対し、上下作業ロールの軸芯が上下中間ロ
ール又は上下補強ロールの軸芯より圧延方向出側にオフ
セットし、圧延荷重の水平方向分力で間接駆動水平力を
打ち消している。具体的には、モータ電流値より圧延ト
ルクを演算して作業ロールの駆動接線力を求め、圧延荷
重の水平分力と釣り合うように作業ロールのオフセット
量を演算し、作業ロールを移動制御している。すなわ
ち、理想的に間接駆動力をゼロにするため、オフセット
量を無段階調整している。
【0003】特開平4−84611号公報、特開平4−
224006号公報等にも作業ロールのオフセット量を
無段階調整する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。
【0005】(1)従来技術では、オフセット量を無段
階で調整するため、例えば特開平6−320202号公
報のように、モータ電流値より圧延トルク演算し作業ロ
ールの駆動接線力を求め、圧延荷重の水平分力と釣り合
うように作業ロールのオフセット量を演算し制御する
等、駆動制御系がかなり複雑である。
【0006】(2)オフセット量の調節を上下作業ロー
ルを移動し行っているが、作業ロールの入出側には通板
ガイドが隣接しており、通板性に悪影響を与えないため
には通板ガイドも同時に移動させる必要がある。一方、
一般にロール組替は作業側へロール軸方向に引き出すた
め、入出側の通板ガイドはロール組替の邪魔とならない
ように上下作業ロールから離れる方向へ移動できる構造
となっている。従って、前記オフセット量の調整のため
に入出側の通板ガイドに移動機構を追加することは困難
であり、移動範囲も多く、機構も極端に複雑となる。
【0007】本発明の第1の目的は、間接駆動小径作業
ロールを有する熱間圧延機において、オフセット量を2
段階調整とすることで機構の単純化を可能とし、強圧下
圧延を実現し、設備費の低減を図れる熱間圧延機、及び
この熱間圧延機を備えた熱間仕上圧延機列及び熱間粗圧
延機列を提供することである。
【0008】本発明の第2の目的は、間接駆動小径作業
ロールを有する熱間圧延機において、オフセット量を2
段階調整とし、機構の単純化を可能とし、合わせてスト
リップの通板性を阻害せずにオフセット量の調整が可能
となる熱間圧延機、及びこの熱間圧延機を備えた熱間仕
上圧延機列及び熱間粗圧延機列を提供することである。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、小
径の上下作業ロール及びこれを支持する上下支持ロール
を備え、かつ前記上下支持ロールにより上下作業ロール
を間接的に駆動するとともに、上下作業ロールを上下支
持ロールに対し圧延方向にオフセットさせ、作業ロール
に加わる駆動接線力を、圧延荷重の水平分力で軽減可能
とする熱間圧延機において、前記上下作業ロールの軸受
箱を圧延方向の2位置に選択的に移動させ、前記オフセ
ット量を2段階に調整可能とするオフセット調整機構を
設けたものである。
【0010】現在求められている小規模で省エネルギの
圧延設備とするためには仕上圧延にて小径作業ロールを
用いた低速高圧下圧延が必須となる。小径作業ロールで
はこれを直接駆動できないために補強ロール或いは中間
ロールにより作業ロールを間接的に駆動する方式を取る
が、間接駆動により作業ロールへ作用する水平力が発生
する。その水平力への対応として、上下作業ロールを上
下支持ロール(上下中間ロール又は上下補強ロール)に
対して圧延方向にオフセットさせることにより、作業ロ
ールに加わる駆動接線力を、圧延荷重の水平分力で軽減
可能となる。
【0011】一方、圧延条件の変化により間接駆動力が
変化するため、作業ロールに作用する水平荷重を完全に
ゼロとするためにはオフセット量を無段階に調整する必
要がある。しかし、圧延条件の変化する範囲が作業ロー
ルに実質的な悪影響を及ぼさない程度であれば、水平荷
重を完全にゼロにする必要がなく、よってオフセット量
の調整は無段階にする必要はない。
【0012】本発明は以上の知見に基づくものであり、
作業ロールに加わる駆動接線力を、圧延荷重の水平分力
で軽減するためのオフセット量を2段階で調整すること
により、圧延荷重が変化しても作業ロールに実質的な悪
影響を及ぼさない程度に水平荷重を軽減できる。また、
オフセット量の2段階調整なので、無段階調整に比べて
はるかにオフセット調整機構及びその駆動制御系が単純
化し、メンテナンス性の向上を図ると共に、より小規模
な圧延設備を提供できるようになる。
【0013】(2)また、上記第2の目的を達成するた
めに、本発明は、小径の上下作業ロール及びこれを支持
する上下支持ロールを備え、かつ前記上下支持ロールに
より上下作業ロールを間接的に駆動するとともに、上下
作業ロールを上下支持ロールに対し圧延方向にオフセッ
トさせ、作業ロールに加わる駆動接線力を、圧延荷重の
水平分力で軽減可能とする熱間圧延機において、前記上
下支持ロールの軸受箱を圧延方向の2位置に選択的に移
動させ、前記オフセット量を2段階に調整可能とするオ
フセット調整機構を設けたものとする。
【0014】このように上下作業ロールに代え上下支持
ロール(中間ロール又は補強ロール)を移動させても、
上記(1)と同様に作業ロールのオフセット量が2段階
に調整でき、上記(1)と同様の作用が得られる。
【0015】また、本発明では、上下作業ロールの水平
位置を固定とし、上下支持ロール(中間ロール又は補強
ロール)の位置を調整することによりオフセット量を調
整するので、上下作業ロールの入出側に隣接された通板
ガイドとは無関係となり、通板性に悪影響を与えること
なく、2段階の調節が可能となる。
【0016】(3)上記(1)又は(2)において、好
ましくは、オフセット大の位置とオフセット小の位置に
選択的に切り換えられる切換スイッチを設け、前記オフ
セット調整機構は、この切換スイッチの操作により駆動
され、前記上下作業ロールの軸受箱又は上下支持ロール
の軸受箱を圧延方向の2位置に選択的に移動させる。
【0017】これにより、オペレータは切換スイッチを
オフセット大の位置とオフセット小の位置のいずれかに
切り換えるだけで、オフセット量が2段階に調整される
ので、簡単な操作でオフセット量を調整できる。
【0018】(4)また、上記第1及び第2の目的を達
成するために、本発明は、熱間仕上圧延機列の前段の少
なくとも1台に、上記(1)又は(2)の熱間圧延機を
配置し、かつ後段の少なくとも1台には、オフセット量
を固定した熱間圧延機を配置したものである。
【0019】熱間仕上圧延機列においては、前段の圧延
機では圧延条件(ストリップ板厚、圧下量)の変化が大
きいので作業ロールに加わる駆動接線力の変化も大きい
が、後段の圧延機では圧延条件(ストリップ板厚、圧下
量)の変化が少ないので作業ロールに加わる駆動接線力
の変化も少ない。本発明では、この点に着目し、前段の
圧延機にはオフセット量を2段階で調整できる上記
(1)又は(2)の圧延機を設置し、後段の圧延機には
オフセット量を固定とした圧延機を設置する。これによ
り前段の圧延機において、圧延条件が変化しても作業ロ
ールに実質的な悪影響を及ぼさない程度に水平荷重を低
減できる。また、小規模で省エネルギの圧延設備を提供
可能となる。
【0020】(5)更に、上記第1及び第2の目的を達
成するために、本発明は、熱間粗圧延機列の少なくとも
1台に、上記(1)又は(2)の熱間圧延機を配置し、
かつ他の少なくとも1台には、オフセット量を固定した
熱間圧延機を配置したものである。
【0021】熱間粗圧延機列を通過する材料は少なくと
も仕上圧延機列で圧延する材料よりも厚い材料であり、
圧下量としては仕上圧延機列よりも高範囲となることが
ある。この場合も、少なくとも1台の圧延機において、
作業ロールのオフセット量を2段階に調整可能とするこ
とで、簡単な構造で高範囲な圧下量変化に対応できるよ
うになる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。
【0023】まず、本発明の第1の実施形態による熱間
圧延機を図1〜図3により説明する。
【0024】図1及び図2において、本実施形態の熱間
圧延機は、上下の作業ロール21,22とこれら作業ロ
ールを支持する上下の補強ロール23,24を有する4
段圧延機であり、上下作業ロール21,22は作業ロー
ル軸受箱4,5(それぞれ片側のみ図示)により回転可
能に支持され、上下補強ロール23,24は補強ロール
軸受箱6,7(それぞれ片側のみ図示)により回転可能
に支持され、軸受箱4,5及び軸受箱6,7はハウジン
グ3(片側のみ図示)内に配置されている。
【0025】被圧延材であるストリップは図示左から右
へ流れ、作業ロール21,22により圧延される。
【0026】作業ロール21,22は小径の作業ロール
であり、この上下の小径の作業ロール21,22を上下
の補強ロール23,24により間接駆動するため、補強
ロール23、24は図示しない駆動スピンドルを介して
駆動モータ2,2により駆動される。また、間接駆動に
より作業ロール21,22に加わる駆動接線力を圧延荷
重の水平分力で軽減するため、上下作業ロール21,2
2は上下補強ロール23,24に対して圧延方向出側に
オフセットしている。図中、そのオフセット量をLwで
示す。
【0027】また、上下作業ロール21,22の軸受箱
4,5を圧延方向の2位置に移動可能とし、上下作業ロ
ール21,22のオフセット量を2段階に調整可能とす
るオフセット調整機構70が設けられている。このオフ
セット調整機構70は、上下作業ロール21,22の軸
受箱4,5の水平方向の両側部に設置され、該当する作
業ロールを圧延方向の2位置に選択的に移動させる油圧
シリンダ11,12及び13,14を有し、この油圧シ
リンダ11,12及び13,14は切換スイッチ71、
制御装置72、電磁切換弁73により駆動制御される。
【0028】切換スイッチ71はオペレータがつまみ7
1aを操作することにより中立、オフセット大、オフセ
ット小の3位置に切り換え可能であり、上下作業ロール
21,22のオフセット量はこの切換スイッチ71の操
作により2段階に切り換えられる。すなわち、切換スイ
ッチ71がオフセット大の位置に切り換えられると、制
御装置72からの信号により電磁切換弁73は図示左側
の位置に切り換えられ、油圧シリンダ11,13に油圧
ポンプ74から圧油が供給されることにより油圧シリン
ダ11,13は伸長し、油圧シリンダ12,14からの
圧油がタンク75に排出されることにより油圧シリンダ
12,14は収縮し、これにより軸受箱4,5は図1に
示すように圧延方向出側(図示右方)に動かされ、上下
作業ロール21,22のオフセット量は大きく設定され
る。切換スイッチ71がオフセット小の位置に切り換え
られると、制御装置72からの信号により電磁切換弁7
3は図示右側の位置に切り換えられ、油圧シリンダ1
2,14に油圧ポンプ74から圧油が供給されることに
より油圧シリンダ12,14は伸長し、油圧シリンダ1
1,13からの圧油がタンク75に排出されることによ
り油圧シリンダ11,13は収縮し、軸受箱4,5は図
2に示すように圧延方向入側(図示左方)に動かされ、
上下作業ロール21,22のオフセット量は小さく設定
される。切換スイッチ71が中立位置にあるときは、制
御装置72からの信号により電磁切換弁73は中立位置
に保たれ、油圧シリンダ11,12及び13,14は作
動しない。
【0029】ここで、オフセット大、オフセット小の2
種類のオフセット量は事前に圧延条件によって決定して
おけばよい。
【0030】4段圧延機におけるオフセット量と作業ロ
ールに作用する水平荷重の関係を図3により説明する。
図3は、4段圧延機を正面から見たロール配置図であ
り、図1及び図2と同様ストリップ1は左から右へ流
れ、作業ロール21,22により圧延される。作業ロー
ル21,22が受ける圧延反力Pは補強ロール23,2
4に伝わる。また、ストリップ1の前後張力差ΔTが作
業ロール21,22のパス方向に作用する。更に、作業
ロール21,22は間接駆動のため駆動接線力Fが作用
する。故に、水平方向の力のつりあいを考えると、作業
ロール12,22に働く水平荷重Hは下記の(1)式と
なる。
【0031】 H=F−2・P・Lw/(Dw+Di)−ΔT …(1) ここで、Lwはオフセット量、Dwは作業ロール外径、
Diは補強ロール外径を表す。
【0032】上記の(1)式より、オフセット量Lwを
最適値にすれば作業ロール21,22に働く水平荷重H
をゼロにすることができることが分かる。
【0033】また、仮に水平荷重Hがゼロでなくても、
作業ロール21,22に実質的な悪影響を与えない程度
の値に抑えれば問題は無い。本発明はこの点に着目した
ものであり、上記のように作業ロール12,22のオフ
セット量を2段階に調整可能とすることにより作業ロー
ル12,22に加わる駆動接線力Fを実用に差し支えな
い程度に軽減することができる。また、オフセット量を
2段階に調整するだけであるので、オフセット調整機構
70及びその駆動制御系(切換スイッチ71、制御装置
72、電磁切換弁73)が単純化し、メンテナンス性の
向上が図れると共に、より小規模な圧延設備の提供が可
能となる。
【0034】本発明の第2の実施形態を図4〜図6によ
り説明する。図中、図1〜図3に示す部材と同等のもの
には同じ符号を付している。
【0035】図4及び図5において、本実施形態の熱間
圧延機は、上下の作業ロール21,22と、これら作業
ロールを支持する上下の中間ロール25,26と、これ
ら中間ロールを支持する上下の補強ロール23,24と
を有する6段圧延機であり、上下中間ロール25,26
を回転可能に支持する軸受箱8,9(片側のみ図示)も
ハウジング3内に配置されている。作業ロール21,2
2の入り出側には入側通板ガイド31及び出側通板ガイ
ド32が設置されている。
【0036】また、小径の上下の作業ロール21,22
は、図示しない駆動モータにより中間ロール25,26
又は補強ロール23,24を駆動することにより間接駆
動される。
【0037】また、本実施形態においては、オフセット
調整機構として油圧シリンダ11〜14が中間ロール2
5,26の軸受箱8,9に対して設けられ、この油圧シ
リンダ11〜14は、第1の実施形態と同様に、切換ス
イッチ71、制御装置72、電磁切換弁73により駆動
制御される。
【0038】図4はオペレータが切換スイッチ71をオ
フセット小の位置に切り換え、軸受箱8,9を圧延方向
出側(図示右方)に動かし、上下作業ロール21,22
のオフセット量を小さく設定した状態を示す。図5はオ
ペレータが切換スイッチ71をオフセット大の位置に切
り換え、軸受箱8,9を圧延方向入側(図示左方)に動
かし、上下作業ロール21,22のオフセット量を大き
く設定した状態を示す。
【0039】6段圧延機におけるオフセット量と作業ロ
ールに作用する水平荷重の関係を図6に示す。この場合
も、4段圧延機の場合と同様(1)式が成り立ち、オフ
セット量Lwを最適値にすれば作業ロール21,22に
働く水平荷重Hをゼロにすることができる。
【0040】また、この場合も、仮に水平荷重Hがゼロ
でなくても、作業ロール21,22に実質的な悪影響を
与えない程度の値に抑えれば問題は無く、上記のように
作業ロール12,22のオフセット量を2段階に調整可
能とすることにより作業ロール12,22に加わる駆動
接線力Fを実用に差し支えない程度に軽減することがで
き、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0041】また、本実施形態では、オフセット量の調
整は上下作業ロール21,22の水平方向位置を固定と
し、上下中間ロール25,26の水平方向位置を調整す
ることにより作業ロール21,22のオフセット量を2
段階に調整可能としたので、上下作業ロール21,22
の入出側に隣接設置された通板ガイド31,32とは無
関係となり、通板性に悪影響を与えることなく、作業ロ
ールのオフセット量の2段階調節が可能となる。
【0042】なお、図4〜図6では、6段圧延機におい
て中間ロールをオフセットする方式について記述した
が、図1及び図2に示す4段圧延機において補強ロール
23,24をオフセットする方式も可能であり、この場
合も中間ロールをオフセットする方式と同様の効果が得
られる。
【0043】また、以上では、作業ロール21,22が
これを支持する補強ロールや中間ロールに対し圧延方向
出側へオフセットするものとして説明したが、出側張力
が大きい圧延で駆動接線力よりも入出側張力差の出側方
向の力が大きくなるような圧延においては作業ロールを
圧延方向入側へオフセットするよう配置し、圧延荷重の
水平方向分力で作業ロールに作用する水平力を小さくす
ることもあり、本発明はこのようなオフセット圧延機に
も同様に適用可能である。
【0044】次に、本発明の熱間圧延機を組み込んだ熱
間圧延設備の実施形態を図7〜図10により説明する。
【0045】図7は、本発明の熱間圧延機を仕上圧延機
列に組み込んだ実施形態である。
【0046】図7に示す熱間圧延設備において、加熱炉
40を出た厚さ200mm前後のスラブはテーブルロー
ラ41により送られ、粗圧延機列45により圧延され、
かつその間エッジャー42、43、44により板幅を調
整されて厚さ20mm程度バー材となり、フライングシ
ャー46でバー材の先端部と後端部をクロップされコイ
ルボックス48で巻取られる。巻取られたバー材はコイ
ル巻出し位置49から巻出され、デスケーリング装置5
0により表面に付着した酸化スケールをはぎ取られ、仕
上圧延機列54に送られる。仕上圧延機列54の前段に
は作業ロールのオフセット量が2段階に調整可能な本発
明の熱間圧延機51,52を配置し、圧延条件の変化に
対応可能とし、後段には支持ロールにより小径作業ロー
ルを間接駆動とし、固定のオフセット量とした圧延機5
3を配置する。この仕上圧延機列54により、バー材を
低速でかつ強圧下するものである。
【0047】仕上圧延機列54において、各圧延機は4
ftミル(4フィートの幅の圧延材を圧延する圧延機)
の場合、300〜400mm程度の小径作業ロールを持
つ4段圧延機又は6段圧延機、図示実施形態では6段圧
延機で構成され、駆動は中間ロールで行われる。
【0048】仕上圧延の終わったストリップは冷却装置
55により水冷され、ピンチローラ56を経てチェーン
式のベルトラッパ58により巻取機57に巻取られ、巻
取り完了後、コイルカー59により搬送される。
【0049】熱間仕上圧延機列54においては、前段の
圧延機51,52、特に先頭の圧延機51では圧延条件
(ストリップ板厚、圧下量)の変化が大きいので作業ロ
ールに加わる駆動接線力の変化も大きいが、後段の圧延
機53では圧延条件(ストリップ板厚、圧下量)の変化
が少ないので作業ロールに加わる駆動接線力の変化も少
ない。このことから、本実施形態では、前段の圧延機5
1,52にはオフセット量を調整できる圧延機を設置
し、後段の圧延機53にはオフセット量を固定とした圧
延機を設置したものであり、これにより前段の圧延機5
1,52では圧延条件が変化しても、作業ロールに実質
的な悪影響を及ぼさない程度に水平荷重を軽減できる。
また、前段の圧延機はオフセット量の2段階調整なの
で、一層のメインテナンス性の向上が図れ、かつより小
規模な圧延設備の提供が可能となる。
【0050】ここで、仕上圧延機列54の前段に作業ロ
ールのオフセット量が2段階に調整可能な本発明の熱間
圧延機51,52を配置したことによる効果を定量的に
説明する。
【0051】上記(1)式において、ΔT=0と考える
と、 H=F−2・P・Lw/(Dw+Di) …(2) ここで、オフセット率θを、 θ=2・Lw/(Dw+Di) …(3) と表す。(2)式及び(3)式から、 H=F−P・θ …(4) が得られる。H=0となるとき、すなわち、作業ロール
に作用する水平荷重Hが0となるときのオフセット率θ
をθ1とすると、 θ1=F/P …(5) となる。ここで、(5)式のθ1は駆動接線力につりあ
う作業ロールのオフセット率とも言える。
【0052】一方、圧延時におけるストリップに対する
作業ロールの接線弧長Lsは、
【0053】
【数1】
【0054】と表すことができる。(6)式において、
Δhは圧下量を示す。この(6)式の約半分に圧延荷重
Pが作用したと考え、駆動接線力Fを算出すると、
【0055】
【数2】
【0056】となる。(5)式と(7)式とから、
【0057】
【数3】
【0058】となる。
【0059】この(8)式を用いて、仕上圧延機列64
における各段の圧延機51,52,53の水平荷重Hを
ゼロにするのに必要とされるオフセット率θ1を算出し
た例を表1及び表2にまとめて示す。表1及び表2にお
いて、F1は先頭の圧延スタンド、すなわち圧延機5
1、F2は中間位置の圧延スタンド、すなわち圧延機5
2、F3は最後の圧延スタンド、すなわち圧延機53で
ある。また、表1は比較的圧下量の少ない場合、表2は
圧下量が大きい場合のものである。また、表1、表2の
オフセット率θ1の値を図8にまとめて示す。なお、表
1及び表2において、Dw=500mmとした。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】表1及び表2から、図8において圧延スタ
ンドF1では、オフセット率θ1の差Δθ11が、 Δθ11=0.134-0.089=0.045 となる。また、圧延スタンドF3では、オフセット率θ
1の差Δθ13が、 Δθ13=0.047-0.035=0.012 となる。
【0063】ここで、実際に設定したオフセット率θが
表1、表2の各θ1の中央値だったとすると圧延スタン
ドF1では、 Δθ11/2=0.023 圧延スタンドF3では、 Δθ13/2=0.006 に相当する圧延荷重の水平分力が目標値であるH=0か
らずれることになる。この場合、圧延スタンドF1,F
3とも圧延荷重が2000トンならば、圧延スタンドF
1では46トン、圧延スタンドF3では12トンが作業
ロールに水平力として作用することになる。従って、圧
延スタンドF1で例えば、Δθ11/2の2つの半分の位
置にオフセット率θを設定できれば、上記の圧延スタン
ドF1に作用する水平力を46/2=23トンまで減ら
すことができる。
【0064】作業ロールに作用する水平力は作業ロール
を曲げるように作用するので、板クラウンや板形状に影
響を与えるし、作業ロールの軸受部に作用し軸受の寿命
を低下することにもつながる。
【0065】圧延スタンドF1では、オフセット率を2
段階に調整可能とすることで、作業ロールに作用する水
平力を半減する効果を生ぜしめるものである。
【0066】図9は本発明の熱間圧延機を粗圧延機列に
組み込んだ実施形態である。図中、図7に示す部材と同
等のものには同じ符号を付している。
【0067】図9において、粗圧延機列45Aの粗圧延
機60及び61は、いずれも比較的小径の作業ロールを
用いた補強ロール駆動の4段圧延機としてある。また、
粗圧延機60は作業ロールを固定のオフセット量とした
圧延機であり、粗圧延機61は、作業ロールのオフセッ
ト量が2段階に調整可能な本発明の圧延機であり、圧延
条件の変化に対応可能とした。
【0068】粗圧延機列45Aを通過する材料は少なく
とも仕上圧延機列で圧延する材料よりも厚い材料であ
り、同一粗圧延機列での圧下量としては仕上圧延機列5
4よりも高範囲となることがある。この場合も、圧延機
61において、作業ロールのオフセット量を2段階に調
整可能とすることで、簡単な構造で高範囲な圧下量変化
に対応できる。
【0069】図10に本発明の熱間圧延機を連続鋳造機
と直結した粗圧延機列に組み込んだ例を示す。図中、図
9に示す部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0070】図10において、連続鋳造機65と粗圧延
機列45Aが直結された熱間圧延設備においては、粗圧
延機列45Aが連続鋳造機65により鋳造された材料を
連続的に圧延することから、材料を噛込む頻度が少なく
なり、噛込み性を考慮せず任意の圧下量で圧延可能な小
径作業ロールを用いた圧延機がエネルギーコスト削減や
圧延機の設備コスト削減や圧延機の設備コスト削減上好
ましい。
【0071】この場合、仕上圧延機列54を出た最終の
板材厚みの変化に応じ、粗圧延機列45Aの出側の板厚
にも変化を生ぜしむる必要があり、前述同様、圧延機6
1でオフセット量を2段階に調整することで、簡単な構
造で高範囲な圧下量に対応できる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば次の効果が得られる。
【0073】(1)オフセット量の2段階調整により作
業ロールの水平力を軽減でき、作業ロールの小径により
強圧下が可能となる。これにより、圧延機を小規模にす
ることができると共に、圧延材の有する熱損失を防止で
き、省エネルギで低速圧延が可能となる。
【0074】(2)オフセット量の調整を支持ロール
(中間ロール又は補強ロール)で行うことにより、作業
ロールの水平方向位置は固定となるため、ストリップの
通板性を阻害せずにオフセット量の調整が可能となる。
【0075】(3)オフセット量の2段階調整により、
オフセット量調整機構及びその駆動制御系が単純とな
り、少ない設備費で作ることができると共に、メンテナ
ンス性の向上が図れる。
【0076】(4)切換スイッチをオフセット大の位置
とオフセット小の位置のいずれかに切り換えるだけで、
オフセット量が2段階に調整されるので、簡単な操作で
オフセット量を調整できる。
【0077】(5)仕上圧延機列において、前段の圧延
機でオフセット量を2段階に調整可能とすることによ
り、圧延条件が変化しても作業ロールに実質的な悪影響
を及ぼさない程度に水平荷重を低減でき、しかも、一層
のメインテナンス性の向上が図れ、かつより小規模な圧
延設備の提供が可能となる。
【0078】(6)粗圧延機列において、少なくとも1
台の圧延機でオフセット量を2段階に調整可能とするこ
とにより、圧延条件が変化しても作業ロールに実質的な
悪影響を及ぼさない程度に水平荷重を低減でき、しか
も、一層のメインテナンス性の向上が図れ、かつより小
規模な圧延設備の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による熱間圧延機(4
段圧延機)を示す図である。
【図2】図1に示す熱間圧延機を2段階の異なるオフセ
ット量に切り換えた状態を示す図である。
【図3】4段圧延機の作業ロールに作用する水平力の説
明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による熱間圧延機(6
段圧延機)を示す図である。
【図5】図4に示す熱間圧延機を2段階の異なるオフセ
ット量に切り換えた状態を示す図である。
【図6】6段圧延機の作業ロールに作用する水平力の説
明図である。
【図7】本発明の熱間圧延機を仕上圧延機列に組み込ん
だ熱間圧延設備の例を示す概略図である。
【図8】駆動接線力につりあう作業ロールオフセット率
θ1を示す図である。
【図9】本発明の熱間圧延機を粗圧延機列に組み込んだ
熱間圧延設備の例を示す概略図である。
【図10】本発明の熱間圧延機を粗圧延機列に組み込ん
だ熱間圧延設備の他の例を示す概略図である。
【符号の説明】
1…ストリップ(圧延材料) 2…駆動モータ 3…ハウジング 4,5…作業ロール軸受箱 6,7…補強ロール軸受箱 8,9…中間ロール軸受箱 11〜14…油圧シリンダ 21,22…作業ロール 23,24…補強ロール 25,26…中間ロール 31…入側通板ガイド 32…出側通板ガイド 40…加熱炉 41…テーブルローラ 42〜44…エッジャー 45…粗圧延機列 46…フライングシャー 48…コイルボックス 49…コイル巻出し位置 50…デスケーリング装置 51,52…オフセット量2段階調整可能な仕上圧延機 53…オフセット量固定の仕上圧延機 54…仕上圧延機列 55…冷却装置 56…ピンチローラ 57…巻取機 58…ベルトラッパ 59…コイルカー 60…オフセット量固定の粗圧延機 61…オフセット量2段階調整可能な粗圧延機 65…連続鋳造機 70…オフセット調整機構 71…切換スイッチ 72…制御装置 73…電磁切換弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−189809(JP,A) 特開 平9−234503(JP,A) 特開 平8−309407(JP,A) 特開 平6−320202(JP,A) 特開 平3−207507(JP,A) 特開 平3−207506(JP,A) 特開 平9−285804(JP,A) 特開 平7−308701(JP,A) 特開 平7−80508(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 13/14 B21B 1/22 B21B 31/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小径の上下作業ロール及びこれを支持する
    上下支持ロールを備え、かつ前記上下支持ロールにより
    上下作業ロールを間接的に駆動するとともに、上下作業
    ロールを上下支持ロールに対し圧延方向にオフセットさ
    せ、作業ロールに加わる駆動接線力を、圧延荷重の水平
    分力で軽減可能とする熱間圧延機において、 前記上下作業ロールの軸受箱を圧延方向の2位置に選択
    的に移動させ、前記オフセット量を2段階に調整可能と
    するオフセット調整機構を設けたことを特徴とする熱間
    圧延機。
  2. 【請求項2】小径の上下作業ロール及びこれを支持する
    上下支持ロールを備え、かつ前記上下支持ロールにより
    上下作業ロールを間接的に駆動するとともに、上下作業
    ロールを上下支持ロールに対し圧延方向にオフセットさ
    せ、作業ロールに加わる駆動接線力を、圧延荷重の水平
    分力で軽減可能とする熱間圧延機において、 前記上下支持ロールの軸受箱を圧延方向の2位置に選択
    的に移動させ、前記オフセット量を2段階に調整可能と
    するオフセット調整機構を設けたことを特徴とする熱間
    圧延機。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の熱間圧延機におい
    て、オフセット大の位置とオフセット小の位置に選択的
    に切り換えられる切換スイッチを設け、前記オフセット
    調整機構は、この切換スイッチの操作により駆動され、
    前記上下作業ロールの軸受箱又は上下支持ロールの軸受
    箱を圧延方向の2位置に選択的に移動させることを特徴
    とする熱間圧延機。
  4. 【請求項4】熱間仕上圧延機列の前段の少なくとも1台
    に、請求項1又は2記載の熱間圧延機を配置し、かつ後
    段の少なくとも1台には、オフセット量を固定した熱間
    圧延機を配置したことを特徴とする熱間仕上圧延機列。
  5. 【請求項5】熱間粗圧延機列の少なくとも1台に、請求
    項1又は2記載の熱間圧延機を配置し、かつ他の少なく
    とも1台には、オフセット量を固定した熱間圧延機を配
    置したことを特徴とする熱間粗圧延機列。
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