JPH11207403A - 熱間鋼板圧延設備及び圧延方法 - Google Patents

熱間鋼板圧延設備及び圧延方法

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JPH11207403A
JPH11207403A JP1011798A JP1011798A JPH11207403A JP H11207403 A JPH11207403 A JP H11207403A JP 1011798 A JP1011798 A JP 1011798A JP 1011798 A JP1011798 A JP 1011798A JP H11207403 A JPH11207403 A JP H11207403A
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JP
Japan
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rolling
mill
hot
roll
rolled material
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Application number
JP1011798A
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English (en)
Inventor
Yujiro Kobayashi
裕次郎 小林
Toshiyuki Kajiwara
利幸 梶原
芳生 ▲高▼倉
Yoshio Takakura
Takehisa Harako
武久 原子
健一 ▲吉▼本
Kenichi Yoshimoto
Yasutsugu Yoshimura
泰嗣 芳村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱間鋼板圧延設備に関し、特に普通鋼板の小・
中容量生産に適し且つ薄板の生産も可能な圧延設備を提
供すること。 【解決手段】同一ハウジング内に圧延ロールを2セット
組み込んだ可逆式ツインミルの前後少なくとも一方に巻
き取り機を設け、本設備の前後に必要に応じで粗ミル,
薄スラブ連鋳,仕上げミルなど設置する。 【効果】厚スラブから薄板まで、蛇行・板曲がりのない
通板性・操業性に優れ、且つ温度低下が少なく必要仕上
がり温度を確保できる中・小容量の圧延設備、特に普通
鋼板用に最適な熱間圧延設備を提供できるので、この効
果は絶大である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間鋼板圧延設備
に関し、特に普通鋼板の小・中容量生産に適し且つ薄板
の生産も可能な圧延設備を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】以下の説明では、特に断らない限り圧延
材であるスラブ材の厚みにより、150〜300mm程度を
厚スラブ、70〜150mm程度を中厚スラブ、30〜7
0mm程度を薄スラブと称し、一般にスラブ材と述べる場
合は、上記すべてを包含した総称とする。
【0003】年間数百万トン前後の巨大な生産量を有す
る熱間圧延設備(ホットストリップミル)の新設は一段
落し、今後は百万トン前後の生産能力を持つ設備が、世
界的に分散して求められる情勢にある。
【0004】この先頭を切ったのが薄スラブ連続鋳造の
開発であり、この開発によって、従来の200mm前後の
スラブ厚を、50〜60mm程度の厚みにすることができ
た。このため、後続する粗圧延機群を省略し、タンデム
式仕上げ圧延機のみで圧延する方式が確立された。但
し、この方式には次の短所がある。
【0005】その一つとして、連続鋳造機から仕上げ圧
延機までの搬送の問題があげられる。即ち、通常、搬送
時のスラブ材温度低下を防止するため、コイル状に巻き
取って保熱するが、50〜60mmの板厚では、コイル状
に巻くのが困難である。従って、薄スラブ材が仕上げ圧
延機に達するまでに生じる冷却を防ぐために、薄スラブ
材の長い保熱炉を設ける必要がある。このような新たに
保熱炉を設置したり、且つその保熱炉長さが長くなって
しまうという問題を避けるため、連続鋳造機と仕上げミ
ル間に粗圧延機を直結で設け、スラブ材を減厚してから
コイルに巻くことが考えられる。しかし、この場合で
も、製品板厚まで圧延するためには仕上げ圧延機群が必
要であり、次に述べる方式と同様な問題がある。
【0006】別の方式として、連続鋳造機と直結した仕
上げ圧延機群で圧延することも考えられる。この方式の
問題点は、仕上げ圧延機群が高価になることである。そ
れは、通常のホットストリップミルで仕上げ圧延機前の
板厚(バー厚)が30mm前後で、1.2mm 程度の製品を
圧延するのに6〜7台の仕上げ圧延機を要している。こ
の例のように50mmのバー厚から、例えば1.2mm 程度
の薄物圧延を行うためには、7〜8台の圧延機が必要と
なる。これは前述の如く、仕上げ圧延機群の前に粗圧延
機を設けても、トータル的に必要とする圧延機の台数は
同様であり、設備全体が高価なものとなる。
【0007】また、一般に圧延機台数が多くなれば、そ
の分、圧延材の温度低下も大きくなってしまう。この温
度低下を防ぐためには、圧延速度を必要生産量を生産す
る速度以上に上げざるを得ない。その結果、生産量的に
は不必要であっても、圧延速度を上げるために、駆動モ
ータの容量も大きくなり、設備全体が不経済なものとな
る。
【0008】一方、全く違った分野で威力を発揮してい
る方式がある。これはステッケルミルと呼ばれている方
式で、一台の可逆圧延機の前後にファーネスコイラと呼
ばれる巻き取り機があり、可逆圧延を行うものである。
ここでは、巻き取り機内のコイルは、炉内で保温・加熱
されており、1台の圧延機で繰り返し薄物まで圧延して
も温度低下を防止できる構造としており、小規模生産に
は好適な方式である。但し、この方式は、主に表面スケ
ールの発生の少ないステンレス系の圧延に好適である。
これを、仮に、普通鋼の圧延に適用する場合は、炉内で
スケールが発生し、現在使用されている高圧水をスプレ
ーするデスケーリング法(FSB)を各パス毎に用いる
と、圧延材の温度が低下し過ぎる問題がある。これを避
けるため、FSBを減らして隔パス毎にFSBを適用す
る場合には、デスケーリングが不十分となり、表面品質
が粗悪となってしまう。よって、特殊な用途にしか適用
できない。
【0009】この欠点を大幅に改善する方法として、巻
き取り機間に一つのハウジング内に1セットのロールを
組み込んだシングルミルを、2台組み込んだ2スタンド
ステッケルミルの方式が、特開平2−37903号で提案され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】特開平2−37903号で提
案されている2スタンドステッケルミルの方式は、1パ
スの圧延で2回圧延ができるため、デスケーリングの回
数は2回の圧延に対して1回で良いこと、また、デスケ
ーリングを施す板厚は、1スタンドの場合と比較して厚
いため、圧延材の温度が少ないというメリットがある。
【0011】しかしながら、本方式の最大の課題は、圧
延材の通板巻き取り操作にある。例えば、炉内に巻き取
り装置を設置した巻き取り機、例えば、ファーネスコイ
ラの場合を例に、図2及び図3でこれを説明する。
【0012】ファーネスコイラ1は、炉の内部にマンド
レル21が設置され、このマンドレル21には、圧延材
20の先端を挿入する狭いスリット状の開口部Aが設け
られている。図2及び図3には表示して無いが、マンド
レル21は炉の外に設置された駆動装置と連結されてい
て、この駆動装置によりマンドレル21は回転自在に制
御される構造である。図2は、このファーネスコイラ1
での巻き取り初期におけるマンドレル21への圧延材2
0の先端挿入状態を説明する図である。圧延材20は、
ピンチロール23で挟まれて、ガイド22に沿って、マ
ンドレル21の開口部Aに挿入される。開口部Aに挿入
完了後、直ちに、図3に示されるように、圧延材20の
先端が挿入された状態でマンドレル21を回転し、これ
を折り曲げながら圧延材20を巻き上げる。巻き取り中
の圧延材20は、デフレクタロール24でガイドされ、
巻き太っても炉壁と接触しないような構造としている。
【0013】このようなファーネスコイラを圧延機の前
後に設けて、圧延を行うステッケルミルでの操業上の最
も重要な点は、通板後圧延材の先端をマンドレルの狭い
開口部Aに、如何に円滑に挿入できるかである。この圧
延材の挿入に失敗すると、圧延材の温度低下も招き圧延
の続行が不可能となる。
【0014】この挿入失敗の最大要因は、圧延材の蛇行
・先後端の板曲がりである。これらの発生する原因は、
圧延材自体の曲がりの他、板幅方向の板厚差や温度差等
材料に基づくものと、上下圧延ロール間隙の板幅方向の
誤差にあり、いずれも零とすることは非常に困難であ
る。これらの結果、ストリップ先後端に曲がりが生じ、
板の蛇行(圧延機の中心からストリップの中心がずれ
る)となり、蛇行は板の曲がりを助長させる結果とな
る。以上により、圧延材の蛇行・板曲がりを防ぐことが
ステッケルミルの安定操業に欠かせない要点であること
が分かる。これらの要因は、ストリップが2台の圧延機
に同時に噛んでいる場合は、その影響が圧延機間材料の
幅方向張力分布差の発生により、大幅に緩和される。従
って、本問題を解決する最善の方法は、2つのスタンド
間距離を如何に短縮するかである。
【0015】これに対し、提案されている2スタンドス
テッケルミル方式では、可逆圧延をしない一方向圧延方
式でも、約6m程度のスタンド間間隔を必要としてお
り、可逆圧延の場合は可逆通板ガイドのため、これを更
に短縮することは困難であり、操業が難しくなるという
欠点がある。また、通板・尻抜け時にスタンド間で先後
端に蛇行・板曲がりが発生すると、ストリップがスタン
ド間の通板ガイドに強く接触しながら進むことになり圧
延材の品質を損なうばかりか、薄板の場合ストリップの
先後端が折り曲がり、絞り込みさえ発生する。
【0016】上記を回避する意味もあり、巻き取り機と
圧延機間で張力が作用しない、圧延材先後端部では、通
常低速で圧延が行われる。しかし、これは、圧延材先後
端部の大きな温度降下を招き、本部分の製品品質の悪化
をもたらし、歩留まりを低下させるという問題がある。
【0017】従って、圧延材先後端部の歩留まり向上に
は、通板・尻抜け時の圧延速度を大きくすることが有効
であり、この意味でも圧延材の蛇行・板曲がりのない、
安定した操業性の良い圧延設備の提供が重要なものとな
る。
【0018】本発明の目的は、多種の熱間圧延材に適用
でき得る熱間圧延設備であって、熱間圧延材の温度低下
を抑制し、且つ巻き取り性能を向上することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の熱間圧延設備
は、一つのハウジング内に2組のロールアセンブリを備
えて熱間圧延材を圧延する圧延機と、該圧延機の入側及
び出側のうち少なくとも一方で前記圧延材を巻き取り巻
出し可能な巻き取り装置とを具備し、且つ前記圧延機を
可逆圧延可能な可逆式圧延機とすることを特徴とする。
【0020】また、本発明の熱間圧延設備は、普通鋼板
を生産する熱間圧延設備において、一つのハウジング内
に2組のロールアセンブリを備えて熱間圧延材を圧延す
る圧延機を設け、且つ前記圧延機を可逆圧延可能な可逆
式圧延機とし、薄板の普通鋼板を生産することを特徴と
する。
【0021】或いは、本発明の熱間圧延設備は、中厚ス
ラブから普通鋼板を製造する熱間圧延設備において、一
つのハウジング内に2組のロールアセンブリを備えて熱
間圧延材を圧延する圧延機を設け、且つ前記圧延機を可
逆圧延可能な可逆式圧延機とし、該圧延機の入側及び出
側の少なくとも一方に炉付きの巻き取り装置と、該圧延
機の入側及び出側の少なくとも一方にデスケーリング装
置とを備え、0.6 〜3mmの薄板の普通鋼板を製造する
ことを特徴とする。
【0022】若しくは、本発明の熱間圧延設備は、厚ス
ラブから普通鋼板を製造する熱間圧延設備において、上
流側から順次、該厚スラブ粗圧延する少なくとも一台の
第一の圧延機と、一つのハウジング内に2組のロールア
センブリを備えて熱間圧延材を圧延する第二の圧延機と
を設け、且つ前記第二の圧延機を可逆圧延可能な可逆式
圧延機とし、該第二の圧延機の入側及び出側の少なくと
も一方に炉付きの巻き取り装置と、該第二の圧延機の入
側及び出側の少なくとも一方にデスケーリング装置とを
備え、0.6〜3mm の薄板の普通鋼板を製造する。
【0023】本発明の熱間圧延方法は、一つのハウジン
グ内に2組のロールアセンブリを備えた圧延機によって
熱間圧延材を圧延する熱間圧延方法であって、該圧延機
の入側及び出側のうち少なくとも一方で前記圧延材の巻
き取り巻出しを行って該圧延機で可逆圧延することを特
徴とする。
【0024】また、本発明の熱間圧延方法は、普通鋼板
を生産する熱間圧延方法において、一つのハウジング内
に2組のロールアセンブリを備えた圧延機によって熱間
圧延材を圧延する熱間圧延方法であって、前記圧延機で
可逆圧延し、薄板の普通鋼板を生産することを特徴とす
る。
【0025】或いは、本発明の熱間圧延方法は、中厚ス
ラブから普通鋼板を製造する熱間圧延方法において、一
つのハウジング内に2組のロールアセンブリを備えた圧
延機によって圧延する熱間圧延方法であって、該圧延機
の入側及び出側の少なくとも一方の炉付き巻き取り装置
で巻き取り巻出しを行って前記圧延機で可逆圧延し、且
つ該可逆圧延の各パスのうち少なくとも一つのパス前に
デスケーリングして、0.6〜3mm の薄板の普通鋼板を
製造する。
【0026】若しくは、本発明の熱間圧延方法は、厚ス
ラブから普通鋼板を製造する熱間圧延方法において、少
なくとも一台の第一の圧延機で該厚スラブを粗圧延し、
その後、一つのハウジング内に2組のロールアセンブリ
を備えた第二の圧延機によって圧延する熱間圧延方法で
あって、該第二の圧延機の入側及び出側の少なくとも一
方の炉付き巻き取り装置で巻き取り巻出しを行って前記
第二の圧延機で可逆圧延し、且つ該可逆圧延の各パスの
うち少なくとも一つのパス前にデスケーリングして、
0.6〜3mm の薄板の普通鋼板を製造する。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明では、巻き取り機は、圧延
条件により、加熱炉中に巻き取り装置を配置したファー
ネスコイラとしても良い。また、アップコイラ,コイル
ボック方式でも良い。
【0028】なお、一つのハウジング内に2つのロール
アセンブリを組み込んだ圧延機を以下ツインミルと称
す。ここでのツインミルは、圧延条件により、2段圧延
ロールを2セット組み込んだ2段ツインミルを用いても
良い。また、4段や6段の圧延ロールを2セット組み込
んだ4段や6段の多段ツインミルとしても良い。
【0029】そして、圧延材の形状制御は、直接圧延材
に接する2セットの作業ロールを、同時に上下反対方向
に水平面内でクロスさせたり、ロール軸方向にシフトす
ることで行ったりすることができる。
【0030】圧延材張力制御は、例えば、上記ツインミ
ルロール間にストリップの張力検出装置を設置しない場
合、まず、圧延材が片方のロールでのみ圧延されている
状態での無張力圧延時に測定された、圧延荷重,トルク
等からトルクアーム係数を求める。次に、ロール間に張
力が作用した時に測定された圧延荷重,トルク等と、前
記トルクアーム係数を用いて、ロール間に作用する圧延
材の張力を計算により求めて、所定の張力になるよう
に、どちらかのロール駆動速度を制御する手段を設けれ
ばよい。
【0031】また、ツインステッケルミル前後の少なく
ともどちらか一方に、板幅制御のために圧延材の板幅方
向を圧延するエッジャーミルを設けたり、ストリップの
先後端の形状不良部(クロップ)を切断する走間剪断
機、或いは停止させて切断する停止形剪断機を設けても
良い。
【0032】また、入側スラブ材の板厚によっては、ツ
インステッケルミルの入り側に少なくとも一台以上の可
逆式シングル又はツイン粗ミルを設けたりしても良い。
特に、薄スラブ材から圧延する場合は、ツインステッケ
ルミルの入側に薄スラブ連鋳機を設けることが望まし
い。
【0033】更に、ツインステッケルミルに近接して出
側に少なくとも一台のシングル又は多段ツイン仕上げ圧
延機を設け、入側ツインステッケルミルの圧延で、巻き
取り機に巻き取らない圧延を含み、且つその時の圧延材
が仕上げ圧延機を越える長さとなる場合、その時の圧延
材を圧延せず仕上げ圧延機を単に通過させるのに必要十
分なロールギャップ拡大機構を持たせても良い。なお、
前記ロールギャップ拡大は油圧圧下シリンダー等通常の
ロール開度調整機構とは別に、電動モータやロッカープ
レート等により行ったりしても良い。
【0034】先に、公知であるシングルスタンドを2台
配置する2スタンドステッケルミルでは、圧延材の先後
端曲がり・蛇行により、通板・巻き取り操作が難しく操
業性に大きな問題を残していることを述べた。また、こ
の要因はスタンド間距離を6m以下にすることが極めて
困難なためであることを述べた。これは、圧延材先端の
蛇行量は通板長さのほぼ自乗に比例するため、6mのス
タンド間距離ではその蛇行量が大きく、次のスタンドへ
の噛み込みが円滑に行かず、また噛み込んだとしてもス
トリップ中心が圧延機中心と一致しないため、更に蛇行
が大きくなるためである。
【0035】従って、この場合、スタンド間には蛇行を
拘束するサイドガイドが必要となり、スタンド間距離を
短くできない要因ともなっている。
【0036】また、従来、絞り込みと呼ばれる圧延材先
後端でのトラブルは、先端通板時より遥かに後端尻抜け
時に多く発生していた。これは、左右圧下レベルの誤差
等に起因する板幅の両端における圧下率差の板の曲がり
に及ぼす影響が、先端曲がりに対し後端曲がりの方が熱
間では約3倍も大きいためである。また、後端曲がりは
曲がりの状態のままで移動するため、板の中心が圧延機
中心から急激に外れ、これが板幅両端の圧下率の差を更
に拡大し、後端曲がりを更に増大させるためでもある。
【0037】特に可逆圧延では、このような現象が発生
すると、一回目の圧延材後端が次のパスでの先端となる
ため、圧延材の通板・巻き取り操作が益々難しいものに
なる。
【0038】これに対し、本発明のように、ステッケル
ミルにツインミルを適用した場合は、ロール間隔を約
1.5m 程度にでき、従来の約1/4に短縮可能とな
る。そして、圧延材先端の蛇行量は約1/16になり、
実用上問題とならない程度に抑えることができる。
【0039】また、圧延材の後端曲がりは、前のスタン
ドを後端が抜けてから始まるため、ロール間距離の短い
ツインミルではこのような現象は生じない。また、仮
に、何らかの原因でいずれかのロールに板幅の両端で圧
下率が異なる要因が発生しても、ツインミルではロール
間の圧延材に対し直ちに板幅方向に張力分布が発生し、
板曲がり等の要因を減殺することができる。よって、圧
延材の先端及び後端での板曲がりが少なく安定した巻き
取り及び可逆圧延が可能となる。そのため、本質的に通
板性・巻き取り性が向上することができる。
【0040】上記の特性は、特に、数mmの薄い最終製品
板厚まで圧延する場合、顕著な効果をもたらすことがで
きる。この効果は、前記板厚が3mm以下程度で特に顕著
であり、0.6〜2mm 程度で更なる効果が期待できる。
これは板厚が薄いほど、板幅左右の圧下率差等に起因す
る板曲がり量も大きく、通板・巻き取り性の向上が重要
なものとなるからである。
【0041】従って、巻き取り機を少なくとも一方に備
えた可逆圧延設備にツインミルを適用した場合、通板・
巻き取り性を著しく向上させ得るということが言える。
しかも、このことは、先後端部の圧延がより大きな圧延
速度で、安定して可能になることも意味し、圧延材長手
方向の温度分布も更に均一化し、製品歩留まりの向上に
対しても有効である。
【0042】以上により、巻き取り機を少なくとも一方
に備えた可逆式圧延設備において、ツインミルの適用が
非常に優れていることが分かる。
【0043】上記ツインミルに関し、厚スラブから圧延
する場合は、大径作業ロールを備えた2Hツインミルが
好適である。これは、構造が単純なことと、大径作業ロ
ールにより圧延材のロールへの噛み込み性が良く、大き
な圧下量で圧延できるためである。
【0044】中厚・薄スラブ程度の板厚から圧延する場
合は、4段または6段の多段ツインミルが好適である。
これは板厚が比較的薄いため圧延材の噛み込みの問題が
少なく、比較的小径作業ロールの使用が可能となり、し
かも大径ロールより圧延荷重・動力が小さく且つ圧延材
の形状制御能力も高いため、最適な圧延設備の提供が可
能となるためである。
【0045】ツインミルの板形状制御は、少なくとも直
接圧延材に接する2セットの作業ロールを、同時に上下
反対方向に水平面内でクロスさせるクロス方式とするこ
とができる。
【0046】作業ロールの軸受け近傍に油圧シリンダー
等で外力を与え、作業ロールを撓ませることで形状制御
を行う作業ロールベンダーは、特に大径作業ロールを用
いる2Hツインミルに対しては、ダブルチョック等の特
殊構造としないと効果が小さく、クロス方式が有効とな
る。また、クロスするロールは作業ロールのみでも良い
し、多段ツインミルでは全ロールを同時に上下反対方向
に水平面内でクロスさせる方式でもよい。
【0047】特に、多段ツインミルでは、上下2セット
の中間又は作業ロールを同時に上下反対方向に水平面内
でシフトさせるロールシフト方式とすることもできる。
【0048】次に、ロール間距離の小さいツインミルで
は、圧延材のロール間における張力制御が問題となる。
多段ツインミルでのロール間距離は、大径の補強ロール
径で規制されるため、小径の作業ロール間に張力計が設
置できるため問題とならないが、2Hツインミルでは張
力計の設置が困難となる。
【0049】この場合、張力計を用いずロール間の張力
を制御することになる。これは、最初のロールのみに圧
延材が噛み込み、未だ次のロールに噛み込まないロール
間張力の作用しない無張力状態での圧延荷重、及び圧延
トルク等を測定することによりトルクアーム係数を求
め、次に両方のロールに圧延材が噛み込まれロール間張
力が発生した状態での圧延荷重、及び圧延トルクを計測
することにより、前記トルクアーム係数を用いてロール
間張力を計算により求め、ロール間の圧延材の張力制御
を行うことで解決される。
【0050】つまり、上記は、トルクアーム係数は、板
厚,圧下率,圧延材温度等により変化するが、その変化
量は僅かであり、同一圧延内では実用上一定とみなして
も問題ない、という知見に基付いて考案されたものであ
り、本制御方式の詳細と有効性は後述の説明で述べる。
【0051】また、種々のスラブ材から薄板までを圧延
できる、中・小生産量規模の圧延設備としての別案を提
供する。
【0052】その一は、厚スラブから薄板までを生産す
る圧延設備である。ツインミル巻き取り圧延設備のツイ
ンミルは小径な作業ロールを有する多段ツインミルと
し、この前(入側)に、一回以上可逆圧延を行う少なく
とも一台のツインまたは単スタンド粗ミルを設置する。
前記粗ミルは、厚スラブを圧延するため大径作業ロール
を用い、望ましくは2Hミルとし、後続する設備で、巻
き取り可能となる程度の板厚まで繰り返し圧延する。こ
のような設備とすることにより、板厚及び圧延材温度等
により最適なロール径,ロール材質等を選択し使い分け
ることができ、厚スラブから薄板までを生産するのに好
適な中・小生産量規模の圧延設備を提供できる。
【0053】その二は、薄スラブから薄板を生産する圧
延設備である。ツインミル巻き取り圧延設備のツインミ
ルは小径な作業ロールを有する多段ツインミルとし、本
圧延設備の前(入側)に薄スラブ連鋳機を設置するもの
である。
【0054】薄スラブ連鋳機の鋳造速度は、通常10m
/min 以下と低速であり、従来技術では連鋳機から仕上
げ圧延機までのスラブ材の搬送に問題があることは、す
でに述べた。これは、長い薄スラブを低速で鋳造するた
めに生じる問題であるが、これを薄スラブ連鋳機の下流
側(後続側)に、本発明のツインミル巻き取り圧延設備
を配置することで解決する。
【0055】一例として、薄スラブ連鋳機とファーネス
コイラを有するツインミル巻き取り圧延設備を直結して
配置すれば、連鋳機から鋳造されたスラブは、ツインミ
ルで圧延された後直ちにコイラで巻き取られ、加熱保温
されるため、鋳造速度が低速であっても圧延に支障を及
ぼすほどの温度低下は生じない。そして、鋳造スラブが
全て巻き取られた後は、通常の高速圧延が可能となり、
目的とする板厚になるまで繰り返し圧延する。つまり、
ファーネスコイラを有するツインミル巻き取り圧延設備
のスラブ入側速度が低速の場合においても、圧延が可能
であり、種々の入側速度に対応できることがわかる。
【0056】その三は、厚スラブから薄板までを生産す
る圧延設備の別案である。これは、ツインミル巻き取り
圧延設備のツインミルを大径作業ロールを有する2Hツ
インミルとし、本圧延設備の後(出側)に少なくとも一
台の仕上げ圧延機を近接配置し、これにより強圧下を行
い必要仕上がり温度を保ち薄板を生産するものである。
この場合仕上げ圧延機には、少なくともツインミル第一
パス出側の最大板厚以上に上下作業ロール間のロールギ
ャップを開ける、ロールギャップ拡大機構を持たせ、上
記ロールギャップ拡大は、油圧圧下シリンダー等の通常
のロール開度機構とは別に、電動モータやロッカープレ
ート等の機械的な拡大機構により行うことが、ミル剛性
を高く維持できるため好ましい。
【0057】また、仕上げミルは、高速・強圧下できる
形状制御特性に優れたミルを用いるのが望ましく、多段
シングルミル、又は圧延材の通板性の向上,蛇行防止等
の目的で多段ツインミルとすることもできる。
【0058】以上の発明は、普通鋼板を生産する熱間圧
延設備に対し、特に、好適である。つまり、普通鋼板の
圧延では、通常最終圧延の圧延材出側平均温度を、A3
変態点温度程度またはそれ以上とすることが、製品品質
を保つ上で好ましい。また、普通鋼鈑は酸化スケールが
発生しやすく、温度低下の一つの要因であるデスケーリ
ングを多く必要とする。特に、普通鋼板を数mm程度(特
に3mm以下、更に、0.6〜2mm 程度)の薄板まで圧延
する場合、上記の必要な温度を維持するためには、炉中
で加熱・保温する巻き取り機を、圧延機の前後に設置す
るのが望ましい。これにより圧延材の温度保持のために
は不利となるが、炉内で発生した圧延材の表面スケール
を除去し、高品質な鋼板を生産するためには、デスケー
リングの実施が不可欠となる。これに対しツインミルの
適用は、デスケーリングの実施回数を減らし、温度低下
を低く抑えるのみでなく、数mm程度の薄板に対しても、
通板・巻き取り操作性が格段に優れており、普通鋼板を
薄板まで生産でき且つ中・小生産量規模の熱間圧延設備
として、特に好適であるのは前述の通りである。また、
ツインミル巻き取り圧延設備の前に粗ミルを設置する場
合は、両者間の距離を極力短くすることにより、温度低
下を極力少なくし且つ設備長を短縮する効果がある。
【0059】以下に、より具体的に本発明の実施状況を
説明する。
【0060】(実施例1)図1に本発明の一実施例であ
る熱間圧延設備のステッケル圧延設備、及び図9に本発
明の一実施例である熱間圧延設備を示す。この熱間圧延
設備は、90mmの中厚スラブから1.8mm のホットスト
リップを生産するステッケル圧延設備を想定している。
【0061】この熱間圧延設備は、上流側から、スラブ
保熱手段,スラブ幅調整手段,ステッケル圧延設備,ス
ラブ剪断手段,ダウンコイラ9が配置されている。
【0062】スラブ保熱手段として、加熱炉7を上流側
に設けている。この加熱炉7によって、例えば、連続鋳
造機で製造されたスラブ材8を熱間圧延前に保熱するこ
とができる。
【0063】スラブ幅調整手段として、本実施例では、
エッジャーミル4をステッケル圧延設備の入側に設けて
いる。このエッジャーミル4によって、熱間圧延前に圧
延材の板幅方向を幅圧延して、板幅制御および板幅端部
の品質を向上させることができる。
【0064】ステッケル圧延設備は、本実施例では、一
つのハウジング内に2セットのロール群(入側からM
1,M2)を備えた4段ツインミル2と、その入側及び
出側に配置されたファーネスコイラ1とを備えている。
4段ツインミル2は、各々2組のロール群(上下作業ロ
ール及び上下補強ロール),圧下装置、及びロールの駆
動装置(図示されていない)を有している。ここで、前
述のロール駆動装置は、可逆圧延用のものを採用してお
り、この4段ツインミル2は、可逆圧延機である。ま
た、4段ツインミル2の入側及び出側にデスケーリング
(FSB)ヘッダ3を備え、圧延の前後で圧延材の表面
酸化スケールを除去する。更に、4段ツインミル2のロ
ール群M1とロール群M2との間にテンションメータで
ある張力計6を配置している。なお、ファーネスコイラ
1は、断熱材等の炉壁内に圧延材を巻き取る中心となる
マンドレル21を備え、マンドレル21への圧延材の案
内をする2つのガイド22と、ファーネスコイラ1への
圧延材の導入をするためのピンチロール23を配置して
いる。そして、保温・加熱しながら圧延材の巻き取り・
巻き戻しを行い、可逆圧延可能な構成となっている。
【0065】スラブ剪断手段として、ステッケル圧延設
備の下流側に走間形剪断機5を設けた。この走間形剪断
機5によって、圧延材先後端のクロップカットを行うこ
とができる。
【0066】ダウンコイラ9は、圧延された圧延材を最
終的にコイル状に巻き取るものである。
【0067】本実施例では、ツインミルとして、4段ツ
インミルを用いている。これは、スラブ厚が90mmと比
較的薄く、圧延材の噛み込みの問題も少なく最終製品ま
で圧延するため、形状制御能力の高い多段ツインミルと
しているものである。ここで、圧延材の形状制御は、少
なくとも上下作業ロールを水平面内で反対方向に同時に
クロスする作業ロールクロス,作業ロールベンダーまた
はこれらの併用で行うことができる。特に、ロール摩耗
を制御する場合は、作業ロールを板幅方向に移動するロ
ールシフト装置、または圧延機に直接ロールグラインダ
ーを取り付けロール研削を行うオンラインロールグライ
ンダー(ORG)を設置することが望ましい。また、本
実施例のように多段ツインミルとした場合、張力計6を
2セットの作業ロール間に配置することができるため、
張力制御はこの張力計6の測定値によるフィードバック
により行うことができる。但し、張力計6は必須でな
く、後述するように張力計なしで制御することも可能で
ある。
【0068】また、本実施例では、エッジャーミル4及
び剪断機5をファーネスコイラ1の外側に設置している
が、必要に応じてファーネスコイラ1の内側、つまり、
4段ツインミル2とファーネスコイラ1との間に設置し
てもよい。本実施例では、操作性の向上を主目的とし
て、ファーネスコイラ1の外側、つまり、上流側のファ
ーネスコイラ1の前段、下流側のファーネスコイラ1の
後段に、エッジャーミル4及び走間剪断機5を配置した
例を示している。但し、エッジャーミル4及び走間剪断
機5は、目的としている製品仕様によっては必ずしも必
要としない。
【0069】次に、この熱間圧延設備で、90mmの中厚
スラブから1.8mmの圧延材(ストリップ)を生産する場
合の圧延スケジュール例を表1に示す。この際、加熱炉
7から抽出されたスラブ温度を1050℃,圧延材質を
炭素鋼,スラブ幅を1250mm,スラブ厚みを90mm,
4段ツインミル(4Hツインミル)の各ロール群(M1,
M2)の作業ロール径を760mmとした。また、表1中
のM1は、4段ツインミルの入側のロール群、M2は、
4段ツインミルの出側のロール群を示し、トルク計算は
ロール2本分で計算している。
【0070】
【表1】
【0071】表1のスケジュールでは、第1パス〜第5
パスまで、5回のパス圧延を行って、板厚90mmのスラ
ブを1.8mmまで減厚圧延を実施している。
【0072】第1パス目のロール群M1では、厚下率3
1.1(%),圧延速度104.0(m/min),圧延荷
重1752(tf),トルク171(tf・m)という
条件で圧延し、圧延後のスラブ材温度である出口板温度
1038(℃),板厚62.0(mm)の圧延材を得た。そ
して、第1パス目のロール群M2では、厚下率30.6
(%),圧延速度150.0(m/min),圧延荷重16
24(tf),トルク130(tf・m)という条件で
圧延し、圧延後のスラブ材温度である出口板温度104
0(℃),板厚43.0(mm)の圧延材を得た。なお、こ
の際、第1パス目の圧延前に、デスケーリング(FS
B)を行い、スラブ表面の酸化スケールを除去してい
る。また、この第1パス目では、圧延材をファーネスコ
イラ1に巻き取らずに、次の逆方向圧延を行うようにし
ている。これは、巻き取り手段がファーネスコイラ1の
場合、巻き取り最大板厚は概略30mm程度であること、
板厚が厚い場合は温度低下も少なく、あえて巻き取る必
要もないことによる。つまり、43mmという板厚では、
巻き取りが困難であること及び温度低下が少ないことか
ら、作業性及び作業効率を考慮して、第1パス目では巻
き取りをしていないものである。但し、巻き取り手段の
巻き取り能力や温度低下が問題となる場合には、第1パ
ス目で巻き取っても良い。更に、本実施例では、第1パ
ス目から第2パス目の始めにかけて、圧延材の先後端ク
ロップを走間剪断機5によって処理している。
【0073】この第1パス目後、表1に示すように、順
次、FSB,第2パス目ロール群M2による圧延,第2
パス目ロール群M1による圧延,巻き取り巻出し、FS
B,第3パス目ロール群M1による圧延,第3パス目ロ
ール群M2による圧延,巻き取り巻出し、FSB,第4
パス目ロール群M2による圧延,第4パス目ロール群M
1による圧延,巻き取り巻出し,FSB,第5パス目ロ
ール群M1による圧延,第5パス目ロール群M2による
圧延、を行った。その結果、スラブ厚さが90mmから
1.8mmへの減厚ができた。
【0074】本実施例では、デスケーリング(FSB)
を各パス毎で実施している。そのため、圧延材表面の酸
化スケールを圧延工程中に適切に除去することができ、
表面品質の良い圧延材を得ることができる。なお、この
ように、各パス毎のデスケーリング(FSB)を行って
第5パス目まで圧延しても、圧延材の仕上り温度である
最終の出口板温度は、885℃であり、十分な仕上げ温
度が確保することができることが分かる。つまり、約8
50℃以上という仕上げ温度を十分に確保できているこ
とが分かる。この温度確保の要因は、ロール群M1やロ
ール群M2による2回の圧延に対して、一回のデスケー
リングで済むことによる。また、圧延前の入側(厚さが
厚い状態)で、デスケーリングを行うため、薄板でのデ
スケーリングを避けることができているからと考えられ
る。
【0075】これに対し、同一条件で、従来のステッケ
ル仕上げ圧延機1台の設備で、90mmのスラブから1.
8 mmのストリップまで、全パスデスケーリングを行っ
て圧延した場合、仕上がり温度は820℃以下となり、
必要温度を大きく下回る。更に、板曲がりも発生しやす
く、通板性及び巻き取り性が悪い。
【0076】また、従来のものと本実施例との両者同程
度の圧延動力とするスケジュールで生産量を比較する
と、従来通常タイプの方より、本実施例の方が約2倍と
なり、生産性が向上することが分かる。
【0077】また、先に、巻き取り機を少なくとも一方
に備えた可逆圧延設備にツインミルを適用した場合、通
板・巻き取り性を著しく向上させ得ること、及びこのこ
とは圧延材先後端の圧延における圧延速度をより大きく
でき、製品歩留まりの向上に対しても有効であることを
述べた。以下にこのことを説明する。
【0078】図8は、本実施例と2スタンドの圧延機を
備えたステッケル圧延設備との最終製品板厚でのストリ
ップ長手方向温度分布を比較した一例を示したものであ
る。記号Aは、表1のスケジュールでの本発明によるス
トリップ長手方向の温度分布を示し、スラブ材の加熱炉
抽出温度は、1050℃である。記号B及び記号Cは、
スタンド間距離を6mとした2スタンドの圧延機を備え
た従来のステッケル圧延設備の場合を示し、記号Bのス
ラブ材の加熱炉抽出温度は記号Aと同じく1050℃であ
り、記号Cのスラブ材の加熱炉抽出温度は記号Aより高
く1075℃であって圧延材の中央部温度がAと等しく
なるようにしてある。
【0079】2スタンドの圧延機を備えたステッケル圧
延設備の場合は、先後端の通板・尻抜け速度を150m
/min,ツインミルの場合は180m/minとした。
【0080】加熱炉抽出温度1050℃の本実施例によ
る記号Aと従来による記号Bとを比較すると、従来の方
が全般的に温度が低く、圧延材中央部での温度差は約1
0℃ある。また、圧延材長手方向位置95〜100%の
部分(圧延材後端部)は、30℃以上もの温度差があ
り、本実施例記号Aの場合に温度低下が少ないことが分
かる。このような温度差は、主に、スタンド間距離の違
いによる効果と考えられる。
【0081】仮に、従来の設備で、出炉温度を高くして
加熱炉抽出温度を25℃アップさせ1075℃とした場
合と本実施例とを比較してみる。前者の従来の記号Cと
後者の本実施例の記号Aとは、図8に示すように、圧延
材長手方向で中央部の温度は同等にすることができる。
しかし、圧延材の先後部(圧延材長手方向位置0〜20
%付近)では、本実施例より従来の記号Cは最大20℃
の温度低下があり、また、圧延材後端部(圧延材長手方
向位置80〜100%付近)では、本実施例より従来の
記号Cは最大30℃程度の温度低下がある。
【0082】つまり、本実施例では、全体的な温度低下
抑制のみならず、圧延材端部における温度低下抑制効果
が高く、圧延材長手方向での温度の均一化効果も高いこ
とがわかる。
【0083】いま、必要な製品品質を得るための仕上が
り温度は、850℃以上必要であるとすると、本例では
ツインミルを用いた記号Aと、記号Bを比較した場合は
10%以上、記号Cと比較しても5%以上、歩留まりが
向上するということが言える。
【0084】また、スラブ材の加熱炉抽出温度を高くす
ることは、炉の操業費が増加し、ロールに対する熱負荷
も増加し、好ましいことではない。この意味でも、2ス
タンドの圧延機を備えたステッケル圧延設備の方式に比
べ、ツインミルを用いた本発明の有利さが立証される。
【0085】以上より、巻き取り機を備えた可逆圧延設
備にツインミルを適用することによって顕著な効果が得
られ、特に、本実施例では、中厚スラブから薄板を圧延
するのに好適であることが示された。
【0086】(実施例2)図4は、本発明の一実施例で
ある熱間圧延設備を示す。この熱間圧延設備は、210
mmの厚スラブから1.2mmのホットストリップを生産す
ることを想定している。
【0087】この熱間圧延設備は、上流側から、スラブ
保熱手段,スラブ幅調整手段,2段ツインミル,スラブ
剪断手段,ステッケル圧延設備,ダウンコイラ9が配置
されている。
【0088】スラブ保熱手段,スラブ幅調整手段及びダ
ウンコイラ9は、図1に示す実施例と同様である。
【0089】本実施例では、ステッケル圧延設備におい
て、ファーネスコイラ1の巻き取り機間に配置されたツ
インミルは、1.2mm までの薄板を圧延することから、
作業ロールを小径化し、且つ高い形状制御能力を持たせ
るため、6Hツインミル11(6段ツインミル)とし
た。つまり、2つのロール群それぞれは、上下作業ロー
ル,上下中間ロール及び上下補強ロールを備えている。
なお、6Hツインミル11の入側及び出側には、それぞ
れ、デスケーリング手段としてFSBを設けている。
【0090】本実施例では、この設備の上流側(入側)
に、2Hツイン粗ミル10(2段ツイン粗ミル)を配置
している。更に、エッジャーミル4をこの2Hツイン粗
ミル10の入側に配置し、走間剪断機5をステッケル圧
延設備と2Hツイン粗ミル10との間に配置した。な
お、2Hツイン粗ミル10の入側及び出側には、それぞ
れ、デスケーリング手段としてFSBを設けている。
【0091】ステッケル圧延設備入側に、2Hツイン粗
ミル10を配置した理由は、初期スラブ厚が厚く、圧下
量も大きいため、耐熱性の優れた大径ロールでの圧延が
望ましいこと、また仕上げツインミル側(6Hツインミ
ル11側)では、粗圧延で減厚された比較的薄いバー板
厚から最終製品板厚(1.2mm)まで圧延するため、小径
で耐摩耗性の優れたロールが望ましいことによる。
【0092】また、2Hツイン粗ミル10は、強いてツ
インミルでなくともよく、圧延条件によっては通常の単
スタンド粗ミルとしてもよい。ツインミルとした場合の
利点は、温度低下を極力防ぐことができること、蛇行・
板曲がりを大幅に改善でき、操業性および製品品質の向
上が図れること、等の他に設備ライン長の短縮が可能と
なり、よりコンパクトな設備が提供できることである。
特に、設備設置ヤードに制限がある場合、設備長の短縮
は重要な意味を持つことが多い。
【0093】また、特に、2段とした理由は、比較的板
厚の厚いところでの圧延であり、後続する設備に、形状
制御能力の高い仕上げ圧延機を有することもあり、構造
が簡単で設備費の安い2Hツイン粗ミル10(2段ツイ
ン粗ミル)としたものである。形状制御は、作業ロール
クロスまたはロールベンダー装置等で行うことができ
る。
【0094】エッジャーミル4は、2Hツイン粗ミル1
0の入側に一台としているが、両側に配置することもで
きる。特に、大幅な幅変更を行う場合は、2Hツイン粗
ミル10と加熱炉7の間に、さらに金型を用いて幅方向
に圧延材をプレス圧延する幅プレス(図示してない)を
設けることが効果的である。
【0095】本設備で、210mmの厚スラブから1.2m
m の板を生産する場合の圧延スケジュールの一例を表2
に示す。
【0096】
【表2】
【0097】尚、本実施例の図中には示していないが、
2Hツイン粗ミル10と走間剪断機5及び走間剪断機5
と6Hツインミル11間の距離を各々10m程度を想定
している。
【0098】そして、本スケジュールは、板厚210mm
から巻き取り可能な板厚30mm程度まで、2Hツイン粗
ミル10によって3パス合計6回で圧延している。具体
的には、表2に示すように、デスケーリング(FS
B),第1パスの粗ツイン入側ミルR1による粗圧延,
第1パスの粗ツイン出側ミルR2による粗圧延,デスケ
ーリング(FSB),第2パスのR2による粗圧延,第
2パスのR1による粗圧延,デスケーリング(FS
B),第3パスのR1による粗圧延,第3パスのR1に
よる粗圧延という3パス6回粗圧延を行っている。圧下
率,圧延速度,圧延荷重,トルクは、表2に示す通りで
ある。
【0099】このような板厚210mmから30mmまでの
粗圧延で、圧延材温度(出口板温度)は、1150℃から
1106℃までの少ない温度低下である。また、圧延材
の長さは、粗圧延前10mのものが70mとなってい
る。
【0100】ここで、粗ミル入側のテーブル長は、ツイ
ン粗ミルの場合には2パス目の出側板長さ(約35m)
程度で済むが、単スタンド粗ミルの場合、次の圧延での
板長さ(約50m)程度は最小限必要となる。
【0101】従って、粗ミルにツインミルを採用した場
合には、入側テーブル長を短くでき、コンパクトな設備
となることが言える。
【0102】また、粗ミル第1パスの出側板長さは18
mとなり、これは粗ミルと走間剪断機間の想定距離10
mを超えている。従って、走間剪断機5は、粗ミル第1
パスの出側板厚120mmを切断せず、単に通過させるの
に必要な開度を設定できる構造とする必要があるが、こ
れは例えば特開平3−49819号に提案されている上下刃物
間隔を広く設定することのできる構造をもつ走間剪断機
を採用すれば解決することができる。
【0103】さらに、2Hツイン粗ミル10と6Hツイ
ンミル11間の距離を、13m程度に短くすることも可
能である。これは、前記距離が短いほど温度降下も少な
く、設備全体がコンパクトになるからである。この場
合、粗ミル第1パスの出側板長さは、6Hツインミル1
1をも超えることになるため、6Hツインミル11のロ
ール開度も粗ミル第1パスの出側板厚以上に開けておく
必要がある。
【0104】上記ロール間の開度調整は、AGCを行う
圧下シリンダで行うこともできるが、この場合圧下シリ
ンダのストロークが長くなり、AGCの応答性,圧延機
ミル定数の低下等の問題があるため、別の開度調整手段
例えばロッカープレートの出し入れ、電動スクリュー等
の機械的な方式とすることが望ましい。
【0105】以上のような粗圧延後、圧延材先後端のク
ロップを走間剪断機5で切断処理し、次のような仕上げ
圧延を行った。
【0106】仕上げ圧延は、仕上げ6Hツインミル11
で製品板厚1.2mm まで5パス圧延する例を示す。粗圧
延を含む全体のパス数である第4〜第8が仕上げ圧延の
第1パス目から第5パス目に対応する。以下の説明では
粗圧延を含む全体パス数で説明する。具体的には、表2
に示すように、仕上げ圧延の最初のパスである第4パス
は、空パス(圧延せず)とした。その後、巻き取り巻出
し、デスケーリング(FSB),第5パスの仕上げツイ
ン出側ミルM2による仕上げ圧延,第5パスの仕上げツ
イン入側ミルM1による仕上げ圧延,巻き取り巻出し,
デスケーリング(FSB),第6パスのM1による仕上
げ圧延,第6パスのM2による仕上げ圧延,巻き取り巻
出し,デスケーリング(FSB),第7パスのM2によ
る仕上げ圧延,第7パスのM1による仕上げ圧延,巻き
取り巻出し,デスケーリング(FSB),第8パスのM
1による仕上げ圧延,第8パスのM2による仕上げ圧延
という5パス8回仕上げ圧延を行っている(最初の仕上
げパスが空パスとしている)。
【0107】圧下率,圧延速度,圧延荷重,トルクは、
表2に示す通りである。
【0108】このような板厚30mmから1.2mm までの
仕上げ圧延で、圧延材温度(出口板温度)は、1095
℃から879℃までの少ない温度低下である。また、圧
延材の長さは、仕上げ圧延前70mのものが1750m
となっている。
【0109】ここで、表2に示したスケジュールでは、
仕上げミルの最初のパスである第4パス(M1,M2)
は圧延せず、そのまま出側の巻き取り機で巻き取る圧延
方法とした例を示しているが、仕上げミル最初の第4パ
スも圧延するようなスケジュールにすることも可能であ
る。しかし、この場合粗ミルの最終パスでは、粗・仕上
げミルのタンディム圧延となり、仕上げミルの圧延スケ
ジュールにより、粗ミル側の圧延速度が規制されること
になる。
【0110】従って、仕上げミル最初のパスである第4
パスの圧延条件によっては、粗ミル最終パスの圧延速度
が大きくなり、そのパスの圧延動力のみ過大になった
り、逆に圧延速度が小さくなり粗ミル及び仕上げミル入
側のデスケーリングにより、圧延材の温度降下が大きく
なり過ぎるような場合も生じる。そのため、本実施例で
は、仕上げミル最初のパスである第4パスを空パスとし
た。
【0111】つまり、本スケジュールは、粗ミルと仕上
げミルを近接配置しても、仕上げミル側のスケジュール
に影響されず、粗ミルの圧延スケジュールを組む方法を
示した例ともなっている。
【0112】また、仕上げミルを6Hツインミルとした
ため、自由度の高い形状制御方式を採用することができ
る。例えば、作業ロールクロス,作業ロール/中間ロー
ルシフト、または作業ロール/中間ロールベンダー及び
これら制御方式の組み合わせ制御等が可能となり、非常
に高い形状制御能力を持たせることができ、品質の高い
製品を製造できる。
【0113】以上により本実施例は、厚スラブから薄板
までを圧延するのに好適であることが示された。
【0114】(実施例3)図5は薄スラブ連鋳機から直
接薄板を生産することを想定した、本発明の実施例を示
す。本方式では、巻き取り機1はファーネスコイラと
し、ツイン巻き取り圧延設備の前(入側)に薄スラブ連
鋳機12を近接して配置し、直結した構成としている。
【0115】薄スラブ連鋳機12から鋳造された圧延材
は、直接6Hツインミル11で圧延された後巻き取り機
で巻き取られる。
【0116】本設備で、60mmの薄スラブから2.0mm
の板を生産する場合の圧延スケジュールの一例を表3に
示す。この際、連鋳機から鋳造されたスラブ温度を11
50℃,圧延材質を炭素鋼,スラブ幅を1600mm,ス
ラブ厚みを60mm,6段ツインミル(6Hツインミル1
1)の各ロール群(M1,M2)の作業ロール径を56
0mmとした。また、表3中のM1は、6段ツインミル1
1の入側のロール群、M2は、6段ツインミル11の出
側のロール群を示し、トルク計算はロール2本分で計算
している。
【0117】
【表3】
【0118】表3に示すように、FSB,第1パス目ロ
ール群M1による圧延,第1パス目ロール群M2による
圧延,巻き取り巻出し,FSB,第2パス目ロール群M
2による圧延,第2パス目ロール群M1による圧延,巻
き取り巻出し、FSB,第3パス目ロール群M1による
圧延,第3パス目ロール群M2による圧延,巻き取り巻
出し,FSB,第4パス目ロール群M2による圧延,第
4パス目ロール群M1による圧延,巻き取り巻出し,F
SB,第5パス目ロール群M1による圧延,第5パス目
ロール群M2による圧延、という5パス10圧延を行っ
た。その結果、スラブ厚さが60mmから2.0mm への減
厚ができた。圧下率,圧延速度,圧延荷重,トルクは、
表3に示す通りである。
【0119】本実施例では、デスケーリング(FSB)
を各パス毎で実施している。そのため、圧延材表面の酸
化スケールを圧延工程中に適切に除去することができ、
表面品質の良い圧延材を得ることができる。なお、この
ように、各パス毎のデスケーリング(FSB)を行って
第5パス目まで圧延しても、圧延材の仕上り温度である
最終の出口板温度は、874℃であり、十分な仕上げ温
度が確保することができることが分かる。
【0120】表3での本スケジュール例では、連続鋳造
速度を7m/min で想定した。ここで、本スケジュール
例の第1パス目での温度降下が非常に大きくなっている
が、これは圧延材の品質を確保するため、低速圧延を行
っている第1パスの入側でデスケーリングを実施したこ
とによる。
【0121】上記にもかかわらず、最終仕上がり温度は
850℃以上を保持しており、本発明は薄スラブ連鋳機
を用いた直結圧延に対しても有効であり、非常にコンパ
クトな圧延設備の提供が可能であることが示された。
【0122】(実施例4)さらに、スラブ厚が40mm程
度以下の場合は、より効果的な圧延設備を提供できる。
これは、スラブ厚が40mm程度であれば、コイルボック
ス等の公知技術により、圧延材をコイルに巻くことが利
用できるからである。つまり、ツインミルと薄スラブ連
鋳機の間に、上記巻き取り機を設置することができるの
である。この場合の実施例を図6に示す。
【0123】本方式では、ツインミル巻き取り圧延設備
の前(入側)に、コイルボックス等のコイル巻き取り機
17a及び薄スラブ連鋳機12を設置する。薄スラブ連
鋳機12から鋳造された40mm程度のスラブは、巻き取
り機17aで一旦コイル状に巻き取られ、巻出し機17
bの位置でコイル先端の口出し及び巻きだされ、ピンチ
ロール13により、ツインミルに搬送される。
【0124】図5の実施例における問題点は、薄スラブ
連鋳機12の低速鋳造速度での圧延を余儀なくされ、デ
スケーリング及びロールへの熱伝導等により圧延材の温
度低下が大きく、さらなる薄板を圧延することが困難で
あること、及びツインミルでの圧延が完了するまで、次
の連鋳材の鋳込みが開始できず、生産量が低下するとい
う点にある。
【0125】これに対し本実施例では、上記の問題を大
きく改善することができる。即ち、40mm程度の薄スラ
ブ連鋳材を薄スラブ連鋳機12の出側で、直ちにコイル
状に巻くことにより、スラブ材表面からの輻射による温
度低下を極めて低く抑えることができ、低鋳造速度であ
っても巻き取り中のスラブ温度をよく保持できること、
また6Hツインミル11の圧延は薄スラブ連鋳機12の
鋳造速度に拘束されないため、第一パスから高速で圧延
でき、圧延材の温度低下を小さく押さえることができる
からである。従って、本設備を適用すれば、2mm以下の
薄板の圧延に対しても十分対応できることは、表3のス
ケジュール例を参照すれば自明なことである。
【0126】また、中間巻き取りを実施することにより
6Hツインミル11と薄スラブ連鋳機12は独立した運
転が可能になり、圧延中でも薄スラブ連鋳機12の鋳造
を行うことができるため、生産量の向上を図ることがで
きる。
【0127】図7は厚スラブから薄板を生産することを
想定した、本発明の別案による実施例を示す。
【0128】2Hツイン粗ミル10は、厚スラブから圧
延するため2Hツインミルとし、上ロール2本と下ロー
ル2本を水平面内で反対方向に同時にクロスして、板ク
ラウン・板形状を制御を行うものとし、エッジャーミル
4は板幅調整用として2Hツイン粗ミル10の入側に設
置してある。
【0129】1はファーネスコイラ、14は厚み計、1
5は停止型剪断機で、圧延材先後端のクロップカットを
行う。
【0130】また、本設備の後に6H仕上げ圧延機16
を設置し、160mmのスラブから1.6mmのホットスト
リップを生産する場合の圧延スケジュールの一例を表4
に示す。
【0131】
【表4】
【0132】この際、加熱炉抽出スラブ温度を1200
℃,圧延材質を炭素鋼,スラブ幅を1600mm,スラブ
厚みを160mm,2段ツインミル(2Hツインミル)の
各ロール群(M1,M2)の作業ロール径を1250m
m,仕上げミル(F)の作業ロール径を360mmとし
た。また、表3中のM1は、2段ツインミルの入側のロ
ール群、M2は、2段ツインミルの出側のロール群を示
し、トルク計算はロール2本分で計算している。
【0133】表4に示すように、FSB,第1パス目ロ
ール群M1による圧延,第1パス目ロール群M2による
圧延,FSB,第2パス目ロール群M2による圧延,第
2パス目ロール群M1による圧延,クロップカット,巻
き取り巻出し,FSB,第3パス目ロール群M1による
圧延,第3パス目ロール群M2による圧延,クロップカ
ット,巻き取り巻出し、FSB,第4パス目ロール群M
2による圧延,第4パス目ロール群M1による圧延,巻
き取り巻出し、FSB,第5パス目ロール群M1による
圧延,第5パス目ロール群M2による圧延、という5パ
ス10圧延を行った。その後、仕上げミルFによる圧延
を行った。その結果、スラブ厚さが160mmから1.6m
m への減厚ができた。圧下率,圧延速度,圧延荷重,ト
ルクは、表4に示す通りである。
【0134】本例においても、圧延機の入側で各パスデ
スケーリングを行っても、ストリップの仕上がり温度は
850℃以上を確保することができ、普通鋼板の薄物熱
間圧延に極めて有効な方法であると言える。
【0135】ただ、本実施例のようにツインミルとして
2Hツインミルを用いた場合の問題点は、ロール間距離
が非常に小さいため、2Hツインミルの2組のロール間
に、圧延材の張力を測定する計器の取り付けが困難なた
め、ロール間圧延材の張力制御が問題となる。
【0136】この解決方法は、ロール間に張力が作用し
ない状態で測定される圧延荷重と圧延前後の板厚と圧延
トルクからトルクアーム係数を求め、次にロール間に張
力が作用した状態で測定される圧延トルクと、前記トル
クアーム係数を用いて計算される圧延トルクを比較する
ことにより、ロール間に作用しているストリップの張力
を求め、このロール間張力が所定の張力になるように、
どちらかのロール駆動速度を制御することである。
【0137】式を用いて説明すれば、無張力時における
圧延に必要なトルクをTr,張力により加わるトルクを
Ttとすると、ロール駆動に必要な全トルクTは、トル
クアーム係数λを用いて、次式(1)のように表すこと
ができる。
【0138】
【数1】
【0139】ここで、R:ロール半径、H:入側板厚、
h:出側板厚、P:圧延荷重、W:板幅、λ:トルクア
ーム係数、σb:入側張力、σf:ロール間張力であ
る。
【0140】ロール半径R及び板幅Wは既知であり、巻
き取り機とミル間の入側張力σbは巻き取り機のトルク
等から求めることができる。また、圧延荷重P,全トル
クT,入側板厚H,出側板厚hも測定器から測定可能で
ある。
【0141】しかし、トルクアール係数λは直接測定で
きず、理論的に正確に求めることも難しい。そこで、ロ
ール間に張力が作用していない状態、即ち圧延材が入側
のロールにのみ噛み込まれた状態での全トルクT,圧延
荷重P,入側板厚H,出側板厚hを測定すれば、ロール
間張力σf=0として、(1)式により、トルクアーム
係数λを求めることができる。なお、トルクアーム係数
λは大体0.4 程度で、板厚,圧下率等により変化する
が、その変化量は僅かである。従って、一回の圧延内に
おける変動幅程度であれば、実用的にその間は変化しな
いと考えて差し支えない。
【0142】以上により、上記方法で求められたトルク
アーム係数λを用い、ロール間張力σfが加わった時の
全トルクT、圧延荷重Pを測定することにより、簡単に
(1)式からその値を求めることができ、ストリップ張力
を所望の値に保つことが可能となる。
【0143】特に、張力制御が必要となるのは、板厚が
薄い場合であり、本方式による張力検出精度を推測する
ため、最も薄い最終パスについて表4の例で調べる。
【0144】目標ロール間張力σfの最大応力を、板切
れの起こさない程度の6kg/mm2 とし、巻き取り機とミ
ル間の後方入側張力σbを1kg/mm2 とすると、表1の
5パス目のツインミル内におけるロール間の全張力t
は、t=(3.1mm×6kg/mm2−4.0mm×1kg/m
m2 )×1600mm=23.4tfである。
【0145】上記の圧延ロールに対するトルクは、Tt
=1.25m/2×23.4tf=14.6tf・m とな
り、これは無張力時における入側ロールの圧延トルク3
8tf・mの38%にも当たる。
【0146】従って、ロール間張力が作用する前と後で
の圧延トルクは、ロール間張力の値により大きく変化す
るため、これらを測定することにより十分な検出精度で
ロール間張力の制御が可能となることが言える。
【0147】上記は入側ロールを基準とした場合である
が、出側ロールを基準とすることもできる。それは、出
側ロールに圧延材が噛み込んだ後、入側ロールのトルク
変化よりロール間張力σfを求め、これにより測定され
た出側ロールの圧延トルクから張力トルク寄与分を差し
引き、出側ロールのトルクアーム係数を求める方法であ
る。この場合には、通常圧延トルクは入側より出側の方
が小さいため、ロール間張力によるトルクの全圧延トル
クに及ぼす影響が大きく、張力の検出感度が高くなる。
【0148】即ち、出側張力を1kg/mm2 とすると、出
側ロールに対する張力トルクTtは、同様にTt=1
6.1tf・m となり、出側ロールの圧延トルク28t
f・mの58%に当たる。また、この場合には出側ロー
ルにおける入側板厚を、直接入側ロールのゲージメータ
方式で求められるという有利さがある。これに対し入側
ロール基準では、入側に厚み計を設けるか、前のパスの
圧延でゲージメータ方式によって測定していたストリッ
プ長手方向各部の板厚を記憶して、利用しなければなら
ないという欠点がある。
【0149】尚、ゲージメータ方式とは、圧延荷重を
P、上下ロール間の初期設定ギャップをS、及びミル定
数(単位圧延荷重が作用した時のミルハウジングの伸び
量)Kとすると、出側板厚hを、h=S+P/Kで求め
る方式である。
【0150】以上の如く、ツインミルを2Hツインミル
として普通鋼の熱間圧延に用いても大きな効果を発揮す
る。しかし、本実施例のようにツインミルに2Hツイン
ミルを用いた場合、2Hミルの宿命としてロール径を小
さくできないため、2mm以下の製品板厚を得ることは極
めて困難である。このため、更に薄板まで圧延する場合
は、仕上げスタンドの追加が必要となる。仕上げスタン
ドの数を多くすれば薄物圧延は容易になるが、スタンド
数が増加する程仕上がり温度が低下するため高速圧延が
必要となり、スタンド数の増加及び圧延用モータ容量の
増大で設備費が高くなる。
【0151】従って、できるだけ少ないスタンド数で圧
延できることが望ましい。このためには、仕上げミルと
しては強圧下できる圧延機が必要で、小径作業ロールを
用い形状制御性の優れた圧延機を用いるのが望ましく、
本実施例では6Hミルの圧延機16とした。
【0152】尚、図7において、ツインミルと仕上げミ
ルとの距離は、鋼板の温度低下を少なくするため、極力
短い方が望ましい。この場合、表4のスケジュール例の
ように、第1パス出側板厚が74mmと厚くコイラで卷け
ず、圧延材先端が仕上げ圧延機を超える長さとなる場
合、仕上げミルのロール間隙を開けて圧延材を自由に通
過させる必要がある。このため、仕上げミルにはAGC
を行う油圧圧下装置とは別のロール開度設定手段、例え
ば電動スクリュー,ロッカープレートの出し入れ等を設
け、機械的な方式でこれを行うことが望ましいことは、
前述した通りである。
【0153】また、仕上げ圧延機は一台に限る必要はな
く、複数台設置することもできるし、少なくとも一台以
上のツインミル、またはシングルミルとツインミルの混
成配置としてもよい。
【0154】また、図7では圧延材を停止させてから先
後端のクロップを切断する、停止型剪断機21をツイン
ミルの両側に近接して配した。これは、今回の圧延が終
了し次のパスの圧延準備が完了するまで、約5秒間程度
圧延材は必ず停止され待ち状態となる。この停止時間を
利用し先後端のクロップを切断するため、構造の簡単な
停止型剪断機を採用したものである。上記停止形剪断機
の代わり、圧延材を停止させず切断する走間剪断機を配
しても良く、この場合は一台でよい。
【0155】以上により本実施例でも、普通鋼板の薄物
熱間圧延に極めて有効な方法であることが示された。
【0156】これまでの実施例では、ツインミル前後の
コイラは、主に炉内に巻き取りドラムのある通称ファー
ネスコイラと呼ばれるものを示したが、圧延条件によっ
ては、巻き取りマンドレルのないアップコイラ方式又
は、コイルボックス方式等を採用することも可能であ
る。
【0157】また、本発明による圧延設備により、ステ
ンレス鋼等の特殊鋼の圧延にも適用できることは、自明
である。
【0158】
【発明の効果】本発明によれば、蛇行・板曲がりのない
通板性・操業性に優れ、且つ温度低下が少なく必要仕上
がり温度を確保できる中・小容量の圧延設備、特に普通
鋼板用に最適な熱間圧延設備を提供でき、この効果は絶
大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である熱間圧延設備のステッ
ケル圧延設備を示す。
【図2】ファーネスコイラ巻き取り説明図。
【図3】ファーネスコイラ巻き取り説明図。
【図4】本発明の一実施例である熱間圧延設備を示す。
【図5】本発明の一実施例である熱間圧延設備を示す。
【図6】巻きだし装置の構造説明図。
【図7】本発明の実施例。
【図8】圧延材の長手方向温度分布の比較図。
【図9】本発明の一実施例である熱間圧延設備を示す。
【符号の説明】
1…ファーネスコイラ、2…4段ツインミル、3…デス
ケーリングヘッダー、4…エッジャーミル、5…走間剪
断機、6…張力計、7…加熱炉、8…スラブ材、9…ダ
ウンコイラ、10…2Hツイン粗ミル、11…6Hツイ
ンミル、12…薄スラブ連鋳機、13…ピンチロール、
14…厚み計、15…停止型剪断機、16…圧延機、1
7a…コイル巻き取り機、17b…巻出し機、20…圧
延材、21…マンドレル、22…ガイド、23…ピンチ
ロール、24…デフレクタロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原子 武久 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 ▲吉▼本 健一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 芳村 泰嗣 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つのハウジング内に2組のロールアセン
    ブリを備えて熱間圧延材を圧延する圧延機と、該圧延機
    の入側及び出側のうち少なくとも一方で前記圧延材を巻
    き取り巻出し可能な巻き取り装置とを具備し、且つ前記
    圧延機を可逆圧延可能な可逆式圧延機とすることを特徴
    とする熱間圧延設備。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の熱間圧延設備において、
    前記2つのロールアセンブリを、上下一対の作業ロール
    を備えた2段のロールアセンブリ、又は上下一対の作業
    ロールと上下一対の補強ロールとを備えた4段のロール
    アセンブリ、或いは上下一対の作業ロールと上下一対の
    中間ロールと上下一対の補強ロールとを備えた6段のロ
    ールアセンブリにすることを特徴とする熱間圧延設備。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の熱間圧延設備において、
    前記上下一対の作業ロールを水平面内で上下反対方向に
    クロスするか、或いは、前記上下一対の作業ロール又は
    前記上下一対の中間ロールをロール軸方向で上下反対方
    向にシフトして、圧延材のクラウンを制御することを特
    徴とする熱間圧延設備。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3の何れかに記載の熱間
    圧延設備において、最初のロールのみに圧延材が噛み込
    み、未だ次のロールに噛み込まないロール間張力の作用
    しない無張力状態での圧延荷重、及び圧延トルクを計測
    することによりトルクアーム係数を求め、次に両方のロ
    ールにストリップが噛み込まれ、ロール間張力が発生し
    た状態で計測された圧延荷重、及び圧延トルクと、前記
    トルクアーム係数を用いてロール間張力を計算により求
    め、ロール間圧延材の張力制御を行うことを特徴とする
    熱間圧延設備。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4の何れかに記載の熱間
    圧延設備において、該圧延機の入側及び出側のうち少な
    くとも一方に、該圧延材の板幅方向を幅圧延するエッジ
    ャーミル及び該圧延材の先後端を切断する剪断機のうち
    少なくとも一方を設けることを特徴とする熱間圧延設
    備。
  6. 【請求項6】請求項1〜請求項5の何れかに記載の熱間
    圧延設備において、該圧延機の下流側に少なくとも一台
    の仕上げ圧延機を近接して設け、該圧延材の連続圧延を
    行うことを特徴とする熱間圧延設備。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の熱間圧延設備において、
    前記仕上げ圧延機を、一つのハウジング内に2組のロー
    ルアセンブリを備えた仕上げ圧延機とし、且つ上下一対
    の作業ロールと上下一対の補強ロールとを備えた4段の
    ロールアセンブリ又は上下一対の作業ロールと上下一対
    の中間ロールと上下一対の補強ロールとを備えた6段の
    ロールアセンブリにすることを特徴とする熱間圧延設
    備。
  8. 【請求項8】請求項6又は請求項7に記載の熱間圧延設
    備において、前記仕上げ圧延機に、仕上げ圧延せずに該
    圧延材を通過させるための所望するギャップを上下一対
    の作業ロール間に設けることが可能なロールギャップ拡
    大装置を設けることを特徴とする熱間圧延設備。
  9. 【請求項9】普通鋼板を生産する熱間圧延設備におい
    て、一つのハウジング内に2組のロールアセンブリを備
    えて熱間圧延材を圧延する圧延機を設け、且つ前記圧延
    機を可逆圧延可能な可逆式圧延機とし、薄板の普通鋼板
    を生産することを特徴とする熱間圧延設備。
  10. 【請求項10】中厚スラブから普通鋼板を製造する熱間
    圧延設備において、一つのハウジング内に2組のロール
    アセンブリを備えて熱間圧延材を圧延する圧延機を設
    け、且つ前記圧延機を可逆圧延可能な可逆式圧延機と
    し、該圧延機の入側及び出側の少なくとも一方に炉付き
    の巻き取り装置と、該圧延機の入側及び出側の少なくと
    も一方にデスケーリング装置とを備え、0.6〜3mm の
    薄板の普通鋼板を製造することを特徴とする熱間圧延設
    備。
  11. 【請求項11】厚スラブから普通鋼板を製造する熱間圧
    延設備において、上流側から順次、該厚スラブ粗圧延す
    る少なくとも一台の第一の圧延機と、一つのハウジング
    内に2組のロールアセンブリを備えて熱間圧延材を圧延
    する第二の圧延機とを設け、且つ前記第二の圧延機を可
    逆圧延可能な可逆式圧延機とし、該第二の圧延機の入側
    及び出側の少なくとも一方に炉付きの巻き取り装置と、
    該第二の圧延機の入側及び出側の少なくとも一方にデス
    ケーリング装置とを備え、0.6〜3mm の薄板の普通鋼
    板を製造する熱間圧延設備。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の熱間圧延設備におい
    て、前記第一の圧延機は、大径ロールを有する2段圧延
    機、又は、一つのハウジング内に上下一対の作業ロール
    からなるロールアセンブリを2組備えた圧延機であるこ
    とを特徴とする熱間圧延設備。
  13. 【請求項13】請求項11又は請求項12に記載の熱間
    圧延設備において、前記第一の圧延機と、前記第二の圧
    延機との間の距離を、前記第一の圧延機による粗圧延後
    の圧延材長さ以下にすることを特徴とする熱間圧延設
    備。
  14. 【請求項14】一つのハウジング内に2組のロールアセ
    ンブリを備えた圧延機によって熱間圧延材を圧延する熱
    間圧延方法であって、該圧延機の入側及び出側のうち少
    なくとも一方で前記圧延材の巻き取り巻出しを行って該
    圧延機で可逆圧延することを特徴とする熱間圧延方法。
  15. 【請求項15】普通鋼板を生産する熱間圧延方法におい
    て、一つのハウジング内に2組のロールアセンブリを備
    えた圧延機によって熱間圧延材を圧延する熱間圧延方法
    であって、前記圧延機で可逆圧延し、薄板の普通鋼板を
    生産することを特徴とする熱間圧延方法。
  16. 【請求項16】中厚スラブから普通鋼板を製造する熱間
    圧延方法において、一つのハウジング内に2組のロール
    アセンブリを備えた圧延機によって圧延する熱間圧延方
    法であって、該圧延機の入側及び出側の少なくとも一方
    の炉付き巻き取り装置で巻き取り巻出しを行って前記圧
    延機で可逆圧延し、且つ該可逆圧延の各パスのうち少な
    くとも一つのパス前にデスケーリングして、0.6〜3m
    m の薄板の普通鋼板を製造する熱間圧延方法。
  17. 【請求項17】厚スラブから普通鋼板を製造する熱間圧
    延方法において、少なくとも一台の第一の圧延機で該厚
    スラブを粗圧延し、その後、一つのハウジング内に2組
    のロールアセンブリを備えた第二の圧延機によって圧延
    する熱間圧延方法であって、該第二の圧延機の入側及び
    出側の少なくとも一方の炉付き巻き取り装置で巻き取り
    巻出しを行って前記第二の圧延機で可逆圧延し、且つ該
    可逆圧延の各パスのうち少なくとも一つのパス前にデス
    ケーリングして、0.6〜3mm の薄板の普通鋼板を製造
    する熱間圧延方法。
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