JP3177121B2 - 位置制御装置及び方法 - Google Patents

位置制御装置及び方法

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JP3177121B2
JP3177121B2 JP13524495A JP13524495A JP3177121B2 JP 3177121 B2 JP3177121 B2 JP 3177121B2 JP 13524495 A JP13524495 A JP 13524495A JP 13524495 A JP13524495 A JP 13524495A JP 3177121 B2 JP3177121 B2 JP 3177121B2
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    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/596Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on disks

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  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は位置制御装置及び位置制
御方法に係り、特に、アクチュエータにより回転体の直
径方向に沿った各位置に対応する位置に移動される制御
対象物体の位置を制御する位置制御方法、及び該位置制
御方法を適用可能な位置制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ハード
ディスクドライブ(HDD)では、磁気ヘッドの位置を
所定時間毎に検出し、検出した磁気ヘッドの現在位置と
磁気ヘッドの目標位置との偏差に応じて、磁気ヘッドを
移動させるボイスコイルモータのボイスコイルを流れる
電流を制御することにより、磁気ヘッドの位置を制御す
るデジタル閉ループ制御を行っている。このHDDの閉
ループ制御系において、磁気ヘッドの現在位置と目標位
置との偏差を表すヘッド位置信号y(n)が所定時間毎
に入力され(nは離散時間値系において或る時点での信
号であることを表す)、入力されたヘッド位置信号y
(n)に基づいてモータ制御信号u(n)を生成、出力
する制御要素の代表的な構成を概念的に図11に示す。
【0003】図11に示す制御要素における伝達関数H
(z)(出力信号と入力信号とのz変換の比)は次の
(1)式で表される。この制御要素では所定時間毎に、
入力されたヘッド位置信号y(n)に基づいて、(1)
式の伝達関数に従ってモータ電流制御信号u(n)を生
成し、出力する。
【0004】
【数1】
【0005】ところで、制御対象物体の位置を制御する
ディジタルの閉ループ制御系において、制御対象物体を
目標位置に位置決めする際の位置決め精度は、制御対象
物体の位置を検出する周期(サンプリング周期)が短く
なるに従って向上するが、サンプリング周期は種々の制
限により所定時間以上短くすることができないことが一
般的である。サンプリング周期を短くすることなく位置
決め精度を向上させるためには、音楽用CD(コンパク
トディスク)に記録されたデジタルの音声信号を再生す
る等の場合にも用いられているように、オーバサンプリ
ングを行う(サンプリング周期よりも短い周期で出力を
切替える)ことが考えられる。
【0006】音楽用CDに記録された音声信号の再生で
は、或る時刻にサンプリングが行われてから次にサンプ
リングが行われる迄の中間時期において、補間等により
サンプリング値を予測して信号を出力している。HDD
の磁気ヘッドの位置を制御する閉ループ制御系におい
て、上記と同様にサンプリング周期の中間時期でヘッド
位置の予測値を用いて制御を行った場合も、磁気ヘッド
の位置をサンプリング周期よりも短い周期できめ細かく
制御することができる。しかし、ヘッド位置の予測値は
実際のヘッド位置に対し若干の誤差を含んでいるので、
この誤差の影響を受け、磁気ヘッドを目標位置に位置決
めする際の位置決め精度は必ずしも向上しないという問
題があった。
【0007】すなわち、HDDでは磁気ヘッドが目標位
置に一致している状態(定常状態:目標値との偏差=0
の状態)あっても、外部バイアス(ボイスコイルモータ
を駆動する駆動回路のもつバイアス等)が定常的に生じ
ている。このため、磁気ヘッドの目標位置への位置決め
に際し、磁気ヘッドが目標位置に一致したときに磁気ヘ
ッドの移動を停止させるためには、偏差=0の定常状態
であっても外部バイアスと釣り合う大きさの操作量を出
力する必要があるので、モータ電流制御信号u(n)を
生成、出力する制御要素には、積分動作を行う要素を設
けることが一般的である(図11では伝達要素150、
1サンプル遅れ要素152及び加え合わせ点154がこ
れに相当する)。
【0008】これに対し、ヘッド位置の予測値には前述
のように誤差が含まれているので、ヘッド位置の検出値
を用いたときの積分動作による操作量と、ヘッド位置の
予測値を用いたときの積分動作による操作量とに大きな
差が生じ、積分動作による操作量が振動的に変化して一
定値とならない。これにより、磁気ヘッドが目標位置に
一致しても磁気ヘッドの移動が停止しなかったり、磁気
ヘッドが目標位置に一致する前に磁気ヘッドの移動が停
止したり、目標位置に一致た状態となっていた磁気ヘッ
ドが目標位置から偏倚した位置へ移動する等の現象が生
じるので、磁気ヘッドを目標位置に高い位置決め精度で
位置決めすることは困難であった。
【0009】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、制御対象物体を目標位置に位置決めする際の位置決
め精度を向上させることができる位置制御方法及び位置
制御装置を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る位置制御装置は、制御対象物体の現在位
置として制御対象物体が対応している回転体の直径方向
に沿った位置を第1の所定時間毎に検出する検出手段
と、前記回転体の直径方向に沿った位置で表した制御対
象物体の目標位置と、前記検出手段によって検出された
制御対象物体の現在位置と、の偏差を表す制御動作信号
を前記第1の所定時間毎に出力する信号出力手段と、前
記信号出力手段から制御動作信号が出力されると、積分
動作を含む制御対象物体の位置を前記目標位置に一致さ
せるための複数の制御動作の各々による、前記制御動作
信号に応じた操作量を加え合わせた操作量を表す操作量
信号を出力した後に、第1の所定時間よりも短い第2の
所定時間経過後に前記積分動作以外の制御動作による操
作量を切替え、前記複数の制御動作の各々による操作量
を加え合わせた操作量を表す操作量信号を出力すること
により、アクチュエータによる制御対象物体の移動を制
御する制御手段と、を含んで構成している。
【0011】また本発明は、前記回転体として、円盤状
で同心円状に複数のトラックが形成され各トラックに情
報を記録可能な情報記録媒体を、前記制御対象物体とし
て、前記回転体のトラックに記録された情報を読み取る
機能を少なくとも備えたヘッドを適用することができ
る。
【0012】また本発明は、前記情報記録媒体として、
ハードディスク装置の磁気ディスクを、前記ヘッドとし
て、前記磁気ディスクのトラックに記録された情報を読
み取る機能を少なくとも備えたハードディスク装置の磁
気ヘッドを適用することができる。
【0013】また本発明において、第2の所定時間を、
第1の所定時間のn分の1倍(但しnは整数)とするこ
とができる。
【0014】また、本発明に係る位置制御方法は、制御
対象物体の現在位置として制御対象物体が対応している
回転体の直径方向に沿った位置を検出し、前記回転体の
直径方向に沿った位置で表した制御対象物体の目標位置
と、前記検出した制御対象物体の現在位置と、の偏差を
表す制御動作信号を生成し、積分動作を含む、制御対象
物体の位置を前記目標位置に一致させるための複数の制
御動作の各々による、前記生成した制御動作信号に応じ
た操作量を加え合わせた操作量を表す操作量信号を出力
することを第1の所定時間毎に行うと共に、前記操作量
信号を出力してから前記第1の所定時間よりも短い第2
の所定時間が経過した後に、前記積分動作以外の制御動
作による操作量を切替え、前記複数の制御動作の各々に
よる操作量を加え合わせた操作量を表す操作量信号を出
力することを繰り返してアクチュエータによる制御対象
物体の移動を制御する。
【0015】また上記発明において、第2の所定時間
を、第1の所定時間のn分の1倍(但しnは整数)とす
ることができる。
【0016】
【作用】制御対象物体の目標位置と現在位置との偏差を
表す制御動作信号により操作量信号を生成、出力する制
御要素の伝達関数を表す前出の(1)式において、この
伝達関数が表している複数の制御動作のうち積分動作と
それ以外の制御動作とを分けて考えると、(1)式は次
の(2)式のように変形でき、2つの伝達関数の和とし
て表すことができる。
【0017】
【数2】
【0018】(2)式において、第2項は積分動作に対
応する伝達関数、第1項はそれ以外の制御動作に対応す
る伝達関数である。参考までに、伝達関数が(2)式で
表される制御要素の構成を概念的にブロック線図で表す
と図12のようになる。(2)式において、制御対象物
体の現在位置が目標位置に一致している定常状態では、
上記伝達関数より求まる操作量に対し(2)式の第1項
の値が及ぼす影響は小さいので、第2項の値が適正であ
れば制御対象物体の位置が目標位置に一致するように高
い精度で制御できる。
【0019】上記に基づき本発明では、検出手段により
制御対象物体の現在位置が第1の所定時間毎に検出さ
れ、信号出力手段からは、制御対象物体の目標位置と前
記検出された制御対象物体の現在位置との偏差を表す制
御動作信号が第1の所定時間毎に出力される。制御手段
は、信号出力手段から制御動作信号が出力されると、積
分動作を含む制御対象物体の位置を前記目標位置に一致
させるための複数の制御動作の各々による、前記制御動
作信号に応じた操作量を加え合わせた操作量を表す操作
量信号を出力した後に、第1の所定時間よりも短い第2
の所定時間経過後に前記積分動作以外の制御動作による
操作量を切替え、前記複数の制御動作の各々による操作
量を加え合わせた操作量を表す操作量信号を出力するこ
とにより、アクチュエータによる制御対象物体の移動を
制御する。
【0020】上記によれば、積分動作による操作量は、
制御対象物体の目標位置と検出された制御対象物体の現
在位置との偏差に応じて第1の所定時間毎に切り替わる
ことになるので、制御対象物体の現在位置の予測等を行
うことによる予測誤差を含まず、制御対象物体の現在位
置が目標位置に一致すると外部バイアスと釣り合う適正
な値となる。また制御対象物体の現在位置が目標位置に
一致したときには、前述したように積分動作以外の制御
動作による操作量(先の(2)式では、第1項の演算結
果が相当する)が、前記複数の制御動作の各々による操
作量を加え合わせた操作量に及ぼす影響が小さくなるの
で、操作量信号として、前記積分動作による外部バイア
スと釣り合う適正な操作量に略一致した操作量を表す操
作量信号が、第1の所定時間よりも短い時間間隔で出力
されることになる。
【0021】このように、本発明では、制御対象物体の
現在位置が目標位置に一致したとき及び一致している定
常状態においては、外部バイアスと釣り合う適正な操作
量に一致又は略一致した操作量を表す操作量信号が、従
来の制御周期(第1の所定時間)よりも短い時間間隔で
出力されるので、制御対象物体を目標位置に位置決めす
る際の位置決め精度が向上する。
【0022】なお、制御対象物体を目標位置に位置決め
することにのみに着目すると、信号出力手段から出力さ
れた制御動作信号に応じて操作量信号を出力してから、
第1の所定時間よりも短い第2の所定時間が経過した後
の前記積分動作以外の制御動作による操作量の切替え
は、積分動作以外の制御動作による操作量が0となるよ
うに切替えてもよいが、制御対象物体の現在位置と目標
位置との偏差が大きい状態から、制御対象物体を目標位
置へ移動し位置決めする場合も併せて考慮すると、積分
動作以外の制御動作による操作量を、第2の所定時間が
経過したときの制御対象物体の予測位置に応じた操作量
に切替えたり、或いは前記積分動作以外の制御動作の伝
達関数を所定の評価関数による評価が最適となるように
予め定め、前記伝達関数より求まる操作量に切替えるよ
うにしてもよい。これにより、制御対象物体の現在位置
と目標位置との偏差が大きい場合にも、制御対象物体の
移動を短い時間間隔できめ細かく制御することができ
る。
【0023】なお、本発明では、回転体として、円盤状
で同心円状に複数のトラックが形成され各トラックに情
報を記録可能な情報記録媒体を適用すると共に、制御対
象物体として、回転体に記録された情報を読み取る機能
を少なくとも備えたヘッドを適用することができる。ま
た、前記情報記録媒体としては、一例としてハードディ
スク装置の磁気ディスクを適用することができ、前記ヘ
ッドとしては、前記磁気ディスクのトラックに記録され
た情報を読み取る機能を少なくとも備えたハードディス
ク装置の磁気ヘッドを適用することができる。
【0024】また、本発明に係る位置制御方法は、制御
対象物体の現在位置を検出し、制御対象物体の目標位置
と、検出した制御対象物体の現在位置と、の偏差を表す
制御動作信号を生成し、積分動作を含む制御対象物体の
位置を前記目標位置に一致させるための複数の制御動作
の各々による、前記生成した制御動作信号に応じた操作
量を加え合わせた操作量を表す操作量信号を出力するこ
とを第1の所定時間毎に行うと共に、操作量信号を出力
してから第1の所定時間よりも短い第2の所定時間経過
後に、積分動作以外の制御動作による操作量を切替え、
前記複数の制御動作の各々による操作量を加え合わせた
操作量を表す操作量信号を出力することを繰り返してア
クチュエータによる制御対象物体の移動を制御するよう
にしたので、上記と同様に、制御対象物体を目標位置に
位置決めする際の位置決め精度を向上させることができ
る。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。なお、以下では本発明に支障のない数値を
用いて説明するが、本発明は以下に記載した数値に限定
されるものではない。
【0026】図1には本実施例に係るハードディスク装
置10が示されている。ハードディスク装置10は、電
源が投入されるとシャフト12を一定速度で高速に回転
させる駆動装置14を備えている。シャフト12には、
互いの軸線が一致するように円筒状のスピンドル16が
取付けられており、スピンドル16の外周面にはディス
ク18が取付けられている。
【0027】ディスク18は所定の厚み寸法を有する円
盤状とされており、硬質の材料で形成されかつ両面に磁
性材料が塗布されており、両面が記録面とされている。
ディスク18の中心部にはスピンドル16の外径寸法と
ほぼ同径の孔が穿設されている。孔にはスピンドル16
が挿入されており、ディスク18はスピンドル16の外
周面に固定されている。従って、ハードディスク装置1
0の電源が投入され駆動装置14によってシャフト12
が回転されると、ディスク18はスピンドル16と一体
的に回転される。
【0028】ディスク18の各記録面には、図2に示す
ようにディスク18の直径方向に沿って複数の位置検出
情報記録領域50が放射状に形成されており、残りの領
域がデータトラック領域52とされている。図3には位
置検出情報記録領域50及びデータトラック領域52の
一部を示す。データトラック領域52には複数のデータ
トラックが同心円状にピッチPで形成されており、図3
にはその一部であるデータトラック54A、54B、5
4Cを示す。各データトラック54に対しては、後述す
る磁気ヘッドによってディスク18の円周方向(図3矢
印A方向)に沿って情報の読取り、書込みが行われる。
【0029】一方、位置検出情報記録領域50にはトラ
ック識別情報記録領域50A及びバーストパターン記録
領域50Bが設けられている。トラック識別情報記録領
域50Aには、各データトラック54に対応して、各デ
ータトラックのトラックアドレスをグレイコード(巡回
2進符号)で表したトラック識別情報が記録されてい
る。また、バーストパターン記録領域50Bにはバース
トパターンが形成されている。図3に示すように、バー
ストパターンは各々信号が記録された領域(図3にハッ
チングで示す部分)がデータトラック54の配列方向、
すなわちディスク18の直径方向に沿って配列された4
本のバーストパターン列(バーストパターン列A乃至
D)から成る。各バーストパターン列を構成する各信号
記録領域は、ディスク18の直径方向に沿った寸法及び
隣り合う領域との間隔が各々データトラック54のピッ
チPに等しい長さとされている。
【0030】バーストパターン列Aの信号記録領域50
a及びバーストパターン列Bの信号記録領域50bは、
ディスク18の直径方向に沿って千鳥状に配置され、か
つ各領域のディスクの直径方向に沿った両端部の辺がデ
ータトラック54の幅方向中心部に対応しており、各領
域に信号が記録されることによってバーストパターン列
A及びBが形成されている。また、バーストパターン列
Cの信号記録領域50c及びバーストパターン列Dの信
号記録領域50dは、ディスク18の直径方向に沿って
千鳥状に配置され、かつ各領域のディスクの直径方向に
沿った両端部の辺が隣接するデータトラック間の境界に
対応しており、各領域に信号が記録されることによって
バーストパターン列C及びDが形成されている。
【0031】また図1に示すように、ハードディスク装
置10はディスク18の各記録面に対応して設けられた
磁気ヘッド20A、20Bを備えている。磁気ヘッド2
0A、20Bは、MR素子を利用して情報の読取りを行
う図示しないリードエレメントと、コイルによって情報
の書込みを行う図示しないライトエレメントと、を含ん
で構成されている。磁気ヘッド20A、20Bは各々ア
クセスアーム22A、22Bの先端部に取付けられてお
り、ディスク18の対応する記録面から若干(例えば
0.1〜 0.2ミクロン程度)離れた位置に保持されてい
る。アクセスアーム22A〜22Dの磁気ヘッド20が
取付けられた側と反対側の端部は駆動装置24に取付け
られている。
【0032】駆動装置24は、アクセスアーム22A、
22Bに対応して設けられ各アクセスアームを移動させ
るボイスコイルモータ26(図4参照)を備えており、
後述するマイクロプロセッシングユニットによってボイ
スコイルモータ26が駆動されると、磁気ヘッド20
A、20Bがディスク18の直径方向に略沿って移動す
るようにアクセスアームを移動させる。これにより、磁
気ヘッド20A、20Bはディスク18の記録面上の所
定部位に対応される。
【0033】磁気ヘッド20A、20Bは図4に示すよ
うな回路に各々接続されている。すなわち磁気ヘッド2
0の信号出力端は増幅器28の入力端に接続されてお
り、磁気ヘッド20のリードエレメントから出力された
信号は増幅器28で増幅される。増幅器28の出力端は
アナログデジタル変換器(A/D変換器)30の入力端
に接続されている。A/D変換器30の出力端はマイク
ロプロセッシングユニット(MPU)32の信号入力端
に接続されており、増幅器28から出力されたアナログ
の信号はA/D変換器30でデジタル信号に変換されて
MPU32へ出力される。
【0034】MPU32は、A/D変換器30から入力
された信号に基づいて磁気ヘッド20の位置を判断し、
判断した磁気ヘッド20の位置と磁気ヘッド20の目標
位置との偏差に応じて、後述するようにして磁気ヘッド
20の位置を制御するためのデジタル信号(具体的には
ボイスコイルモータ26のボイスコイルを流れる電流を
制御するためのモータ電流制御信号)を生成し、MPU
32に接続されたドライバ34へ出力する。ドライバ3
4は入力された信号に基づいてボイスコイルモータ26
のボイスコイルを流れる電流を制御する。これにより、
磁気ヘッド20の位置が目標位置に一致するように移動
される。
【0035】次に本実施例の作用を説明する。図5に
は、MPU32が備えている各種機能のうち、磁気ヘッ
ド20の位置を制御する機能を実現するための制御系
を、機能毎にブロックに別けて示したものである。
【0036】A/D変換器30から出力された信号はヘ
ッド現在位置演算部60及びバーストパターン検出部6
2に入力される。バーストパターン検出部62では入力
された信号に基づいて、磁気ヘッド20がバーストパタ
ーン記録領域50Bに対応しているか否かを判定し、判
定結果をヘッド現在位置演算部60に出力する。ヘッド
現在位置演算部60では、バーストパターン検出部62
により磁気ヘッド20がバーストパターン記録領域50
Bに対応していると判定されているときに、A/D変換
器30から出力された信号を取込み、該信号に基づいて
磁気ヘッド20が現在対応しているディスク18の直径
方向に沿った位置(磁気ヘッド20の現在位置)を演算
し、出力する。従って、ヘッド現在位置演算部60から
はヘッド現在位置が所定周期(サンプリング周期Ts:
本発明の第1の所定時間に相当)毎に出力される。
【0037】またヘッド目標位置設定部64は、ディス
ク18の直径方向に沿った位置で表した磁気ヘッド20
の目標位置を設定、出力する。なお、磁気ヘッド20の
リードエレメントに対応するギャップと、ライトエレメ
ントに対応するギャップの各々の長手方向に沿った中心
位置(センタ)にずれ(オフセット)がある場合には、
ヘッド目標位置設定部64は、磁気ヘッド20の目標位
置としてデータトラック54からの情報の読取り時と書
込み時とで異なる値(例えば読取り時はリードエレメン
トのギャップのセンタがデータトラック54のセンタに
一致する値、書込み時はライトエレメントのギャップの
センタがデータトラック54のセンタに一致する値)を
設定、出力する。
【0038】ヘッド現在位置演算部60から出力された
ヘッド現在位置、及びヘッド目標位置設定部64から出
力されたヘッド目標位置はヘッド位置信号生成部66に
各々入力される。ヘッド位置信号生成部66は入力され
たヘッド現在位置とヘッド目標位置とを比較し、ヘッド
目標位置に対するヘッド現在位置の偏差の大きさ及び偏
差の方向(ヘッド目標位置に対しヘッド現在位置がディ
スク18の内周側にずれているか外周側にずれている
か)をデジタル値で表すヘッド位置信号y(n)をサン
プリング周期Ts毎に出力する。
【0039】なおヘッド位置信号y(n)は本発明の制
御動作信号に、バーストパターン検出部62及びヘッド
現在位置演算部60は本発明の検出手段に、ヘッド位置
信号生成部66は本発明の信号出力手段に各々対応して
いる。
【0040】ヘッド位置信号生成部66から出力された
ヘッド位置信号y(n)は、本発明の制御手段としての
主制御部68に入力される。この主制御部68で行われ
る処理を、該処理により実現される入力と出力との関係
に着目してブロック線図により概念的に示すと、図6の
ようになる。
【0041】図6に示すように、ヘッド位置信号y
(n)は引き出し点70を介して伝達関数がk1の伝達
要素72に入力され、伝達要素72から出力された信号
は加え合わせ点74に入力される。またヘッド位置信号
y(n)は、引き出し点70を介して伝達関数が「1/
z」の1サンプル遅れ要素76に入力され、1サンプル
遅れ要素76から出力された信号は伝達関数がk2の伝
達要素78に入力され、伝達要素78から出力された信
号は加え合わせ点74に入力される。また加え合わせ点
74には、伝達関数がk3の伝達要素80、伝達関数が
k4の伝達要素82、及び伝達関数がk5の伝達要素8
4から出力された信号も各々入力される。
【0042】加え合わせ点74からは伝達要素72、7
8、80、82、84から各々入力された信号の代数和
に相当する第1の制御信号c1(n)が出力され、この
第1の制御信号c1(n)は、引き出し点86を介して
加え合わせ点88に入力されると共に、伝達関数が「1
/z」の1サンプル遅れ要素90に入力される。1サン
プル遅れ要素90から出力された信号は、前述の伝達要
素80及び伝達関数がh3の伝達要素92に各々入力さ
れる。
【0043】またヘッド位置信号y(n)は、引き出し
点70を介して伝達関数がh1の伝達要素94に入力さ
れ、伝達要素94から出力された信号は加え合わせ点9
6に入力される。更にヘッド位置信号y(n)は、引き
出し点70を介して伝達関数が「1/z」の1サンプル
遅れ要素98に入力され、1サンプル遅れ要素98から
出力された信号は伝達関数がh2の伝達要素100に入
力され、伝達要素100から出力された信号は加え合わ
せ点96に入力される。加え合わせ点96には、前述の
伝達要素92、伝達関数がh4の伝達要素102、及び
伝達関数がh5の伝達要素104から出力された信号も
各々入力される。
【0044】加え合わせ点96からは伝達要素92、9
4、100、102、104から各々入力された信号の
代数和に相当する信号が出力され、この信号は、引き出
し点106を介し第2の制御信号c2(n)として加え
合わせ点108に出力されると共に、伝達関数が「1/
z」の1サンプル遅れ要素110に入力される。1サン
プル遅れ要素110から出力された信号は、前述の伝達
要素84、104及び伝達関数が「1/z」の1サンプ
ル遅れ要素112に各々入力される。1サンプル遅れ要
素112から出力された信号は、前述の伝達要素82、
102に各々入力される。
【0045】更に、ヘッド位置信号y(n)は引き出し
点70を介して加え合わせ点114に入力され、加え合
わせ点114から出力された信号は、伝達関数が「1/
z」の1サンプル遅れ要素116に入力される。1サン
プル遅れ要素116から出力された信号は加え合わせ点
114に入力されると共に、伝達関数がkiの伝達要素
118に入力される。なお、主制御部68における積分
動作は、加え合わせ点114、1サンプル遅れ要素11
6及び伝達要素118によって行われ、伝達要素118
からは、ヘッド位置信号y(n)に応じた積分動作によ
る操作量を表す積分信号in(n)が出力される。伝達
要素118から出力された積分信号in(n)は、引き
出し点120を介して加え合わせ点88及び加え合わせ
点108に各々入力される。
【0046】加え合わせ点88からは、加え合わせ点7
4から入力された第1の制御信号c1(n)と、伝達要
素118から入力された積分信号in(n)と、の代数
和に相当する信号が出力され、この信号は第1のモータ
制御信号u1(n)として切替部122に入力される。
また加え合わせ点108からは、加え合わせ点96から
入力された第2の制御信号c2(n)と、伝達要素11
8から入力された積分信号in(n)と、の代数和に相
当する信号が出力され、この信号は第2のモータ制御信
号u2(n)として切替部122に入力される。
【0047】図6では切替部122を概念的にスイッチ
として示している。切替部122は、入力された第1の
モータ制御信号u1(n)及び第2のモータ制御信号u
2(n)の何れか一方を、モータ電流制御量をデジタル
値で表したモータ電流制御信号u(n)(本発明の操作
量信号に相当)として、以下で説明するタイミングで選
択的に出力する。
【0048】すなわち、図7に示すように主制御部68
にはサンプリング周期Ts毎にヘッド位置信号y(n)
が入力されるが、或るタイミングでヘッド位置信号y
(n)が入力されてから演算等による遅れ時間dが経過
し、前記ヘッド位置信号y(n)に応じた第1のモータ
制御信号u1(n)及び第2のモータ制御信号u2
(n)が入力されると、まずモータ制御信号u(n)と
して第1のモータ制御信号u1(n)を出力する。次
に、第1のモータ制御信号u1(n)の出力を開始して
からサンプリング周期Tsよりも短い所定時間p1 (本
実施例ではp1 =Ts÷2:本発明の第2の所定時間に
相当)が経過した後に、モータ制御信号u(n)として
出力する信号を第2のモータ制御信号u2(n)に切替
える。
【0049】この第2のモータ制御信号u2(n)を出
力している間に、次の周期のヘッド位置信号y(n+
1)が入力される。そして、第2のモータ制御信号u2
(n)の出力を開始してから所定時間p2 (本実施例で
はp2 =p1 =Ts÷2)が経過(ヘッド位置信号y
(n+1)が入力されてから遅れ時間dが経過)する
と、モータ電流制御信号u(n)として出力する信号を
第1のモータ制御信号u1(n)に切替える。
【0050】なお、上記で説明したブロック線図は、主
制御部68で行われる処理を概念的に示したものであ
り、実際にはMPU32において、ヘッド位置信号生成
部66から入力されたヘッド位置信号y(n)に基づい
て所定の処理ルーチンが実行されることにより、切替部
122から出力される信号に等しい信号が生成され、こ
の信号がモータ電流制御信号u(n)としてドライバ3
4へ出力される。
【0051】なお、主制御部68において、加え合わせ
点74から出力される第1の制御信号c1(n)、加え
合わせ点96から出力される第2の制御信号c2(n)
は、本発明の制御手段の積分動作以外の制御動作による
操作量を加え合わせた操作量を表す信号である。また切
替部122では、第1の制御信号c1(n)に積分信号
in(n)が加え合わされた第1のモータ制御信号u1
(n)と、第2の制御信号c2(n)に積分信号in
(n)が加え合わされた第2のモータ制御信号u2
(n)と、を所定時間p1 (=p2 )毎に切替えてモー
タ電流制御信号u(n)として出力しており、切替部1
22による信号の切替えは、サンプリング周期Tsより
も短い所定時間p1 経過後に積分動作以外の制御動作に
よる操作量を切替え、複数の制御動作の各々による操作
量を加え合わせた操作量を表す操作量信号(すなわち第
2のモータ制御信号u2(n))を出力することに相当す
る。
【0052】ところで、第1の制御信号c1(n)及び
第2の制御信号c2(n)を各々式で表すと、次の
(3)、(4)式のようになる。
【0053】 c1(n) =k1・y(n) +k2・y(n-1) +k3・c1(n-1) +k5・c2(n-1) +k4・c2(n-2) …(3) c2(n) =h1・y(n) +h2・y(n-1) +h3・c1(n-1) +h5・c2(n-1) +h4・c2(n-2) …(4) ここで、k1=h1、k2=h2、k3=h3、k4=h4、k5=h5=0
としたとすると、(3)式のc1(n)及びc2(n)
は等しくなる((2)式の第1項と各々一致する)ので、
切替部122による信号の切替えに拘わらずモータ電流
制御信号u(n)の変化周期はサンプリング周期に一致
し、オーバサンプリングを行っていない場合と等しくな
る。
【0054】しかし、本実施例では最小二乗法等によ
り、ある評価関数より求めた評価値が最小(最適値)と
なるように、(3)式の定数k1,k2,k3,k4,k5の値
(伝達要素72、78、80、82、84の伝達関数)
及び(4)式の定数h1,h2,h3,h4,h5の値(伝達要素
94、100、92、102、104の伝達関数)が定
められている。これにより、磁気ヘッド20の現在位置
と目標位置との偏差に応じて磁気ヘッド20を目標位置
に一致させるために、モータ電流制御信号u(n)とし
て、第1のモータ制御信号u1(n)と第2のモータ制
御信号u2(n)とがサンプリング周期Tsの1/2の
周期(所定時間p、但しp=p1 =p2 )毎に交互に出
力される(オーバサンプリング)ので、磁気ヘッド20
の位置をきめ細かく制御することができる。
【0055】一方、伝達要素118から出力される積分
動作による操作量を表す積分信号in(n)は、サンプ
リング周期Ts毎に入力されるヘッド位置信号y(n)
に応じてサンプリング周期Ts毎に切り替わることにな
るので、磁気ヘッド20の位置の予測を行うことによる
予測誤差を含まず、磁気ヘッド20が目標位置に一致す
ると外部バイアスと釣り合う適正な値となる。磁気ヘッ
ド20が目標位置に一致したときには、第1の制御信号
c1(n)が第1のモータ制御信号u1(n)に及ぼす
影響は小さくなり、また第2の制御信号c2(n)が第
2のモータ制御信号u2(n)に及ぼす影響も小さくな
るので、モータ電流制御信号u(n)として、積分信号
in(n)に略一致した信号が、サンプリング周期Ts
の1/2の周期(所定時間p)毎に出力されることにな
る。
【0056】従って、磁気ヘッド20の位置が目標位置
に一致したとき及び一致している定常状態においては、
従来と同様に外部バイアスと釣り合う適正な操作量に一
致又は略一致した操作量を表すモータ電流制御信号u
(n)が、従来よりも短い周期で出力されるので、外部
バイアスを精度良く補償できると共に、外部バイアス以
外の周波数成分がオーバサンプルにより補償されるの
で、磁気ヘッド20を高い位置決め精度で目標位置に位
置決めすることができる。
【0057】次に、上記で説明した磁気ヘッド20の位
置を制御する閉ループ制御系において、外乱としてホワ
イトノイズが入力された場合に、磁気ヘッドの位置の分
散を最小とするための最適解を求めてみる。ここでは、
磁気ヘッドの目標位置を一定とし、磁気ヘッドが目標位
置に一致している状態で、図8にも示すように主制御部
68の加え合わせ点88、108の各々にホワイトノイ
ズv(n)が、主制御部68の入力側に便宜的に設けた
加え合わせ点130にホワイトノイズw(n)が加わっ
たものとした。
【0058】なお、図8に示す伝達要素132は、主制
御部68において積分動作を行う加え合わせ点114、
1サンプル遅れ要素116及び伝達要素118を統合し
たものであり、ここでは伝達要素118の伝達関数ki
を「−0.007795」とした。また図8のコントローラ13
4は、主制御部68のうち第1の制御信号c1(n)及
び第2の制御信号c2(n)を生成するための複数の要
素を統合したものである。また図8のVCM136は、
ボイスコイルモータ26及びドライバ34を統合したも
のである。なお、ヘッド現在位置演算部60、バースト
パターン検出部62、ヘッド現在位置演算部60、ヘッ
ド目標位置設定部64及びヘッド位置信号生成部66は
磁気ヘッドの位置を検出してヘッド位置信号y(n)を
生成するためのものであり、磁気ヘッドの位置に影響を
与えるものではないので、図8では図示を省略してい
る。
【0059】本実施例では、前述したように第1のモー
タ制御信号u1(n)と第2のモータ制御信号u2
(n)と、がサンプリング周期Tsの1/2の所定時間
p毎に交互にVCM136に出力される。このときのV
CM136の伝達関数は図9のようになる。図9に示す
伝達関数の遅れ時間d= 0.3Ts、所定時間p=0.5 T
s、係数K=4.91とし、何ら制限を設けなかった場合
(ケース3)には、(3)式及び(4)式の定数k1,k
2,k3,k4,k5,h1,h2,h3,h4,h5の最適解はk1=-0.
532,k2=1.07,k3=-0.0126 ,k4=-0.277,k5=0.074
0,h1=-0.093,h2=-0.686,h3=-0.145,h4=0.150
,h5=-0.250となった。
【0060】また、定数k4=k5=h1=h2=h3=h4=h5=
0とする制限を設けた場合(ケース2)には、定数k1,
k2,k3の最適解はk1=-0.405,k2=2.281 ,k3=-0.450
となった。なお、最適解の導出には最小二乗法等を適用
することができるが、上記では本願発明者が既に提案し
ている最小定常分散法(「最小定常分散法の提案」木坂
正志著 信学誌 vol.J76-A No.3(1993) p364 〜371 参
照)を適用した。
【0061】上述のケース2及びケース3を評価するた
めに、オーバサンプリングを行わない従来の閉ループ制
御系(すなわちk1=h1、k2=h2、k3=h3、k4=h4、k5=
h5=0)をケース1とし、各ケースにおいて外乱に対す
る磁気ヘッドの位置についての制御誤差の分散を求めて
みると、図10のようになる。図10より明らかなよう
に、定数の値に制限を設けたケース2であっても、オー
バサンプルを行わないケース1より誤差の分散の値が小
さくなっている。従って、本発明により、磁気ヘッドの
位置決め精度が向上することが理解できる。
【0062】なお、上記ではサンプリング周期の1/2
の周期でオーバサンプリングを行うようにしていたが、
これに限定されるものではなく、サンプリング周期の整
数分の1の周期(例えば1/3の周期や1/4の周期
等)でオーバサンプリングを行うようにしてもい。
【0063】また、上記では本発明に係る回転体として
ハードディスク装置の磁気ディスクを例に説明したが、
これに限定されるものではなく、フレキシブルディスク
等の他の磁気ディスク、或いは光ディスク、光磁気ディ
スク等のように、円盤状で同心円状に複数のトラックが
形成された情報記録媒体や、他の回転体に適用可能であ
り、本発明は、回転体上の所定位置に対応する位置に位
置決めされる各種ヘッドの位置制御に適用できる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る位置制
御装置は、制御動作信号が出力されると、積分動作を含
む制御対象物体の位置を目標位置に一致させるための複
数の制御動作の各々による、前記制御動作信号に応じた
操作量を加え合わせた操作量を表す操作量信号を出力し
た後に、第1の所定時間よりも短い第2の所定時間経過
後に積分動作以外の制御動作による操作量を切替え、前
記複数の制御動作の各々による操作量を加え合わせた操
作量を表す操作量信号を出力することにより、アクチュ
エータによる制御対象物体の移動を制御するので、制御
対象物体を目標位置に位置決めする際の位置決め精度を
向上させることができる、という優れた効果を有する。
【0065】本発明に係る位置検出方法は、制御対象物
体の目標位置と、検出した制御対象物体の現在位置と、
の偏差を表す制御動作信号を生成し、積分動作を含む制
御対象物体の位置を目標位置に一致させるための複数の
制御動作の各々による、前記生成した制御動作信号に応
じた操作量を加え合わせた操作量を表す操作量信号を出
力することを第1の所定時間毎に行うと共に、操作量信
号を出力してから第1の所定時間よりも短い第2の所定
時間経過後に、積分動作以外の制御動作による操作量を
切替え、前記複数の制御動作の各々による操作量を加え
合わせた操作量を表す操作量信号を出力することを繰り
返してアクチュエータによる制御対象物体の移動を制御
するようにしたので、制御対象物体を目標位置に位置決
めする際の位置決め精度を向上させることができる、と
いう優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るハードディスク装置の概略図で
ある。
【図2】バーストパターン記録領域を示すディスクの平
面図である。
【図3】データトラック及びバーストパターン記録領域
に記録されるバーストパターンを示す平面図である。
【図4】ハードディスク装置のMPU、磁気ヘッド及び
その周辺の接続関係を示す概略ブロック図である。
【図5】MPUにおいて、磁気ヘッドの位置をデータト
ラックに追従するように制御するための制御系を機能毎
にブロックに別けて示す機能ブロック図である。
【図6】主制御部の一例を、主制御部で行われる処理に
より実現される入力と出力との関係に着目して概念的に
示したブロック線図である。
【図7】主制御部から、第1のモータ制御信号u1
(n)及び第2のモータ制御信号u2(n)がモータ電
流制御信号u(n)として出力されるタイミングを示す
線図である。
【図8】本実施例に係る閉ループ制御系において、磁気
ヘッドの位置の分散が最小となる最適解を求める際の、
外乱としてのホワイトノイズの入力を説明するための概
略ブロック図である。
【図9】ボイスコイルモータ及びドライバからなる要素
に、第1のモータ制御信号u1(n)及び第2のモータ
制御信号u2(n)が交互に入力された場合の各信号に
対する伝達関数を示すブロック線図である。
【図10】オーバサンプリングを行わない場合(ケース
1)、定数の値に制限を設けて最適解を求めた場合(ケ
ース2)及び何ら制限を設けずに最適解を求めた場合
(ケース3)における、磁気ヘッドの位置の誤差の分散
を求めた結果を示す線図である。
【図11】従来技術に係る磁気ディスク装置の制御系に
おいて、入力されたヘッド位置信号に基づいてモータ電
流制御信号を生成、出力する制御要素の構成の一例を概
念的に示したブロック線図である。
【図12】図11の制御要素において、積分動作を行う
部分を分離した場合の構成を概念的に示したブロック線
図である。
【符号の説明】
10 ハードディスク装置 18 ディスク 20 磁気ヘッド 26 ボイスコイルモータ 32 MPU 60 ヘッド現在位置演算部 62 バーストパターン検出部 66 ヘッド位置信号生成部 68 主制御部 114 加え合わせ点 116 1サンプル遅れ要素 118 伝達要素 122 切替部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−190911(JP,A) 特開 昭57−176408(JP,A) 特開 昭62−66301(JP,A) 特開 平1−251103(JP,A) 特開 平2−255901(JP,A) 特開 昭61−122718(JP,A) 特開 昭59−117479(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/12 305 G11B 21/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象物体の現在位置として制御対象
    物体が対応している回転体の直径方向に沿った位置を第
    1の所定時間毎に検出する検出手段と、 前記回転体の直径方向に沿った位置で表した制御対象物
    体の目標位置と、前記検出手段によって第1の所定時間
    毎に検出された制御対象物体の現在位置と、の偏差を表
    す制御動作信号を前記第1の所定時間毎に出力する信号
    出力手段と、 前記信号出力手段から制御動作信号が出力されると、積
    分動作を含む、制御対象物体の位置を前記目標位置に一
    致させるための複数の制御動作の各々による、前記制御
    動作信号に応じた操作量を加え合わせた操作量を表す操
    作量信号を出力した後に、第1の所定時間よりも短い第
    2の所定時間経過後に前記積分動作以外の制御動作によ
    る操作量を、第1の伝達関数によるものから、第1の伝
    達関数と異なる第2の伝達関数によるものに切替え、前
    記複数の制御動作の各々による操作量を加え合わせた操
    作量を表す操作量信号を出力することにより、アクチュ
    エータによる制御対象物体の移動を制御する制御手段
    と、 を含む位置制御装置。
  2. 【請求項2】 前記回転体は、円盤状で同心円状に複数
    のトラックが形成され各トラックに情報を記録可能な情
    報記録媒体であり、 前記制御対象物体は、前記回転体のトラックに記録され
    た情報を読み取る機能を少なくとも備えたヘッドである
    ことを特徴とする請求項1記載の位置制御装置。
  3. 【請求項3】 前記情報記録媒体は、ハードディスク装
    置の磁気ディスクであり、 前記ヘッドは、前記磁気ディスクのトラックに記録され
    た情報を読み取る機能を少なくとも備えたハードディス
    ク装置の磁気ヘッドであることを特徴とする請求項2記
    載の位置制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の所定時間は、前記第1の所定
    時間のn分の1倍(但しnは整数)であることを特徴と
    する請求項1記載の位置制御装置。
  5. 【請求項5】 制御対象物体の現在位置として制御対象
    物体が対応している回転体の直径方向に沿った位置を
    1の所定時間毎に検出し、 前記回転体の直径方向に沿った位置で表した制御対象物
    体の目標位置と、前記第1の所定時間毎に検出した制御
    対象物体の現在位置と、の偏差を表す制御動作信号を生
    成し、 積分動作を含む、制御対象物体の位置を前記目標位置に
    一致させるための複数の制御動作の各々による、前記生
    成した制御動作信号に応じた操作量を加え合わせた操作
    量を表す操作量信号を出力することを第1の所定時間毎
    に行うと共に、 前記操作量信号を出力してから前記第1の所定時間より
    も短い第2の所定時間が経過した後に、前記積分動作以
    外の制御動作による操作量を、第1の伝達関数によるも
    のから、第1の伝達関数と異なる第2の伝達関数による
    ものに切替え、前記複数の制御動作の各々による操作量
    を加え合わせた操作量を表す操作量信号を出力すること
    を繰り返してアクチュエータによる制御対象物体の移動
    を制御する位置制御方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の所定時間は、前記第1の所定
    時間のn分の1倍(但しnは整数)であることを特徴と
    する請求項5記載の位置制御方法。
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