JP3176451B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
無段変速機の変速制御装置Info
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- JP3176451B2 JP3176451B2 JP31052292A JP31052292A JP3176451B2 JP 3176451 B2 JP3176451 B2 JP 3176451B2 JP 31052292 A JP31052292 A JP 31052292A JP 31052292 A JP31052292 A JP 31052292A JP 3176451 B2 JP3176451 B2 JP 3176451B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無段変速機の変速制御装
置に関し、特に、目標エンジン回転数に実エンジン回転
数が一致するようにエンジンに接続された無段変速機の
変速比をフィードバック制御する無段変速機の変速制御
装置に関する。
置に関し、特に、目標エンジン回転数に実エンジン回転
数が一致するようにエンジンに接続された無段変速機の
変速比をフィードバック制御する無段変速機の変速制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用無段変速機の変速制御装置とし
て、特公昭62−52180号公報及び特開昭59−2
6656号公報に記載されたものが知られている。
て、特公昭62−52180号公報及び特開昭59−2
6656号公報に記載されたものが知られている。
【0003】上記特公昭62−52180号公報に記載
されたもの(以下第1従来例という)は、エンジンの運
転状態に応じて設定される無段変速機のシフトアップゾ
ーンとシフトダウンゾーンとの間に、無段変速機の変速
比を一定に保持するホールドゾーンを設け、スロットル
開度に基づいて車両が加速状態又は減速状態にあると判
断された場合に、前記ホールドゾーンを定常走行状態よ
りも広く設定するようになっている。
されたもの(以下第1従来例という)は、エンジンの運
転状態に応じて設定される無段変速機のシフトアップゾ
ーンとシフトダウンゾーンとの間に、無段変速機の変速
比を一定に保持するホールドゾーンを設け、スロットル
開度に基づいて車両が加速状態又は減速状態にあると判
断された場合に、前記ホールドゾーンを定常走行状態よ
りも広く設定するようになっている。
【0004】また、上記特開昭59−26656号公報
に記載されたもの(以下第2従来例という)は、本来の
制御目標値であるエンジンの回転数とは別個に、例えば
スロットル開度に基づいて決定されるエンジンの比較回
転数を設定し、この比較回転数を制御目標値として無段
変速機の変速制御を行うようになっている。
に記載されたもの(以下第2従来例という)は、本来の
制御目標値であるエンジンの回転数とは別個に、例えば
スロットル開度に基づいて決定されるエンジンの比較回
転数を設定し、この比較回転数を制御目標値として無段
変速機の変速制御を行うようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図17は、上記第1従
来例による変速特性を示すものである。
来例による変速特性を示すものである。
【0006】同図において例えばA点からB点に加速す
る場合を考えると、理想的変速機、即ち滑りの無いギヤ
式トランスミッションでは、原点を通る直線(破線図
示)上を加速することができる。しかしながら、ベルト
式無段変速機のような実際の無段変速機では、入出力回
転の変換効率が100%ではなく滑りが発生するため、
加速時にはエンジン回転数Neが理想回転数(破線図
示)を上回り、減速時にはエンジン回転数Neが理想回
転数を下回ることになる。その結果、加減速時に滑り感
が生じて走行フィーリングを損なう問題が発生する。
る場合を考えると、理想的変速機、即ち滑りの無いギヤ
式トランスミッションでは、原点を通る直線(破線図
示)上を加速することができる。しかしながら、ベルト
式無段変速機のような実際の無段変速機では、入出力回
転の変換効率が100%ではなく滑りが発生するため、
加速時にはエンジン回転数Neが理想回転数(破線図
示)を上回り、減速時にはエンジン回転数Neが理想回
転数を下回ることになる。その結果、加減速時に滑り感
が生じて走行フィーリングを損なう問題が発生する。
【0007】しかも、ホールドゾーンでは変速比が固定
されるため、変速特性の自由な設定が困難である。例え
ば、図上のC点(変速比がトップの状態)からB点に向
かって加速することは不可能である。
されるため、変速特性の自由な設定が困難である。例え
ば、図上のC点(変速比がトップの状態)からB点に向
かって加速することは不可能である。
【0008】図18は、上記第2従来例による変速特性
を示すものである。
を示すものである。
【0009】同図において例えばA点からB点に加速す
る場合を考えると、無段変速機の変速比が目標値の移動
経路を通るように制御されるため、滑り感は感じられな
い。しかしながら、前記目標値は経時的に変化するもの
であり、例えば走行抵抗やエンジン出力が変化すると、
同時間あたりの車速変化量が変化して図上の異なる経路
を通るようになってしまう。これはギヤ式トランスミッ
ション車の運転に慣れたドライバーにとって大きな違和
感となり、運転しずらい感じを与える場合がある。
る場合を考えると、無段変速機の変速比が目標値の移動
経路を通るように制御されるため、滑り感は感じられな
い。しかしながら、前記目標値は経時的に変化するもの
であり、例えば走行抵抗やエンジン出力が変化すると、
同時間あたりの車速変化量が変化して図上の異なる経路
を通るようになってしまう。これはギヤ式トランスミッ
ション車の運転に慣れたドライバーにとって大きな違和
感となり、運転しずらい感じを与える場合がある。
【0010】また、図19に示すように、エンジンの出
力特性が大きなピークを持つものでは、目標値の移動経
路が直線とならず不自然な走行フィーリングを与える場
合がある。
力特性が大きなピークを持つものでは、目標値の移動経
路が直線とならず不自然な走行フィーリングを与える場
合がある。
【0011】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、走行抵抗やエンジン出力が変化しても、変速機の滑
り感を感じさせず且つギヤ式トランスミッション車に近
いダイレクトな走行フィーリングが得られる無段変速機
の変速制御装置を提供することを目的とする。
で、走行抵抗やエンジン出力が変化しても、変速機の滑
り感を感じさせず且つギヤ式トランスミッション車に近
いダイレクトな走行フィーリングが得られる無段変速機
の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、図20のクレーム対応図に示すように、目
標エンジン回転数に実エンジン回転数が一致するように
エンジンに接続された無段変速機の変速比をフィードバ
ック制御する無段変速機の変速制御装置において、車両
の走行状態に基づいて適応係数を演算する適応係数演算
手段と;車体速度と適応係数とに基づいて目標エンジン
回転数下限値を演算する目標エンジン回転数下限値演算
手段と;車体速度と適応係数とエンジン負荷とに基づい
て目標エンジン回転数上限値を演算する目標エンジン回
転数上限値演算手段と;車体速度と車体速度変化量とに
基づいて目標エンジン回転数変化量を演算する目標エン
ジン回転数変化量演算手段と;前回演算した目標エンジ
ン回転数と前記目標エンジン回転数変化量とに基づいて
今回の目標エンジン回転数を演算する目標エンジン回転
数演算手段と;今回演算した目標エンジン回転数が前記
目標エンジン回転数下限値及び目標エンジン回転数上限
値間にある場合には前記今回演算した目標エンジン回転
数を目標値とし、今回演算した目標エンジン回転数が前
記目標エンジン回転数下限値を下回る場合には該目標エ
ンジン回転数下限値を目標値とし、また今回演算した目
標エンジン回転数が前記目標エンジン回転数上限値を上
回る場合には該目標エンジン回転数上限値を目標値と
し、その目標値に実エンジン回転数が一致するように前
記無段変速機の変速比をフィードバック制御する変速比
制御手段と;を備えたことを特徴とする。
に本発明は、図20のクレーム対応図に示すように、目
標エンジン回転数に実エンジン回転数が一致するように
エンジンに接続された無段変速機の変速比をフィードバ
ック制御する無段変速機の変速制御装置において、車両
の走行状態に基づいて適応係数を演算する適応係数演算
手段と;車体速度と適応係数とに基づいて目標エンジン
回転数下限値を演算する目標エンジン回転数下限値演算
手段と;車体速度と適応係数とエンジン負荷とに基づい
て目標エンジン回転数上限値を演算する目標エンジン回
転数上限値演算手段と;車体速度と車体速度変化量とに
基づいて目標エンジン回転数変化量を演算する目標エン
ジン回転数変化量演算手段と;前回演算した目標エンジ
ン回転数と前記目標エンジン回転数変化量とに基づいて
今回の目標エンジン回転数を演算する目標エンジン回転
数演算手段と;今回演算した目標エンジン回転数が前記
目標エンジン回転数下限値及び目標エンジン回転数上限
値間にある場合には前記今回演算した目標エンジン回転
数を目標値とし、今回演算した目標エンジン回転数が前
記目標エンジン回転数下限値を下回る場合には該目標エ
ンジン回転数下限値を目標値とし、また今回演算した目
標エンジン回転数が前記目標エンジン回転数上限値を上
回る場合には該目標エンジン回転数上限値を目標値と
し、その目標値に実エンジン回転数が一致するように前
記無段変速機の変速比をフィードバック制御する変速比
制御手段と;を備えたことを特徴とする。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
する。
【0014】図1に示すように、自動車に搭載されたエ
ンジンEに接続される無段変速機Cは、入力軸1に設け
た駆動プーリ2と、出力軸3に設けた従動プーリ4と、
両プーリ2,4に巻き掛けられた無端ベルト5とを備え
る。駆動プーリ2にはアクチュエータ6が設けられてお
り、このアクチュエータ6で駆動プーリ2の溝幅を増加
・減少すると、それに応動して従動プーリ4の溝幅が減
少・増加し、無段変速機Cの変速比が変化する。
ンジンEに接続される無段変速機Cは、入力軸1に設け
た駆動プーリ2と、出力軸3に設けた従動プーリ4と、
両プーリ2,4に巻き掛けられた無端ベルト5とを備え
る。駆動プーリ2にはアクチュエータ6が設けられてお
り、このアクチュエータ6で駆動プーリ2の溝幅を増加
・減少すると、それに応動して従動プーリ4の溝幅が減
少・増加し、無段変速機Cの変速比が変化する。
【0015】マイクロコンピュータよりなる電子制御ユ
ニットUは、中央演算処理装置(CPU)7、ランダム
アクセスメモリ(RAM)8、リードオンリーメモリ
(ROM)9、入力回路10、出力回路11及びAD変
換器12を備える。入力回路10には自動車の車体速度
Vを検出する車速検出器13、エンジンEの実エンジン
回転数Neを検出するエンジン回転数検出器14、エン
ジンEの負荷(実施例ではスロットル開度)θTHを検出
するエンジン負荷検出器15及びタイマ16が接続され
るとともに、出力回路11には前記アクチュエータ6の
モータドライバ17が接続される。このモータドライバ
17は、本発明における変速比制御手段M 6 を構成す
る。
ニットUは、中央演算処理装置(CPU)7、ランダム
アクセスメモリ(RAM)8、リードオンリーメモリ
(ROM)9、入力回路10、出力回路11及びAD変
換器12を備える。入力回路10には自動車の車体速度
Vを検出する車速検出器13、エンジンEの実エンジン
回転数Neを検出するエンジン回転数検出器14、エン
ジンEの負荷(実施例ではスロットル開度)θTHを検出
するエンジン負荷検出器15及びタイマ16が接続され
るとともに、出力回路11には前記アクチュエータ6の
モータドライバ17が接続される。このモータドライバ
17は、本発明における変速比制御手段M 6 を構成す
る。
【0016】次に、前記電子制御ユニットUにおいて実
行されるメインルーチンの内容を図2のフローチャート
に基づいて説明する。
行されるメインルーチンの内容を図2のフローチャート
に基づいて説明する。
【0017】先ず、ステップS1においてシステムをイ
ニシャライズした後、ステップS2でエンジン負荷検出
器15からのエンジン負荷θTHが読み込まれ、ステップ
S3で前記エンジン負荷θTH等のデータに基づいて自動
車の走行状態を示すパラメータである後述の適応係数K
が算出される。ステップS2〜ステップS4のループ
は、後述する適応係数算出ルーチン(図3参照)におけ
るエンジン負荷θTHのリングバッファ、並びに第1イン
タラプトルーチン(図4参照)及び第2インタラプトル
ーチン(図5参照)における車体速度Vのリングバッフ
ァ、車体加速度Gのリングバッファ及びエンジン回転数
Neのリングバッファに全てのデータが揃うまで繰り返
される。
ニシャライズした後、ステップS2でエンジン負荷検出
器15からのエンジン負荷θTHが読み込まれ、ステップ
S3で前記エンジン負荷θTH等のデータに基づいて自動
車の走行状態を示すパラメータである後述の適応係数K
が算出される。ステップS2〜ステップS4のループ
は、後述する適応係数算出ルーチン(図3参照)におけ
るエンジン負荷θTHのリングバッファ、並びに第1イン
タラプトルーチン(図4参照)及び第2インタラプトル
ーチン(図5参照)における車体速度Vのリングバッフ
ァ、車体加速度Gのリングバッファ及びエンジン回転数
Neのリングバッファに全てのデータが揃うまで繰り返
される。
【0018】次に、図3のフローチャートに基づいて適
応係数K算出のサブルーチンを説明する。
応係数K算出のサブルーチンを説明する。
【0019】先ず、ステップS21〜ステップS28の
ループをp=0からp=4まで5回繰り返し、所定間隔
毎にサンプリングされたエンジン負荷θTHの5個の値θ
TH0〜θTH5 がθTHp リングバッファに蓄積されると、
ステップS24でpが0にリセットされる。尚、ステッ
プS25以降の内容は後から詳述する。
ループをp=0からp=4まで5回繰り返し、所定間隔
毎にサンプリングされたエンジン負荷θTHの5個の値θ
TH0〜θTH5 がθTHp リングバッファに蓄積されると、
ステップS24でpが0にリセットされる。尚、ステッ
プS25以降の内容は後から詳述する。
【0020】次に、前記第1インタラプトルーチンの内
容を図4のフローチャートに基づいて説明する。
容を図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0021】第1インタラプトルーチンは、車速検出器
13を構成する車輪速センサが車輪の回転に伴ってパル
スを出力する毎にメインルーチンの実行を中断して起動
されるもので、先ずステップS31でタイマ16の出力
が読み込まれる。
13を構成する車輪速センサが車輪の回転に伴ってパル
スを出力する毎にメインルーチンの実行を中断して起動
されるもので、先ずステップS31でタイマ16の出力
が読み込まれる。
【0022】車体速度を検出するには連続する2個のパ
ルスの時間間隔を知る必要があり、電源投入後に初めて
検出されるパルスをm=0パルスとすると、その次にm
=1パルスが検出されたときに車体速度を算出すること
ができる。即ち、ステップS32でm=1となって2個
のパルス(m=0パルスとm=1パルス)が検出される
と、ステップS33でmをインクリメントするととも
に、ステップS34でタイヤの直径に比例する定数を前
記2個のパルスの時間間隔で除算することにより車体速
度が算出され、この車体速度はステップS35で車体速
度V0 としてVnリングバッファの最初の番地に格納さ
れる。而して、ループ毎に算出された車体速度は、車体
速度V0 〜V9 としてVn リングバッファの10個の番
地に順次歩進しながら格納される。
ルスの時間間隔を知る必要があり、電源投入後に初めて
検出されるパルスをm=0パルスとすると、その次にm
=1パルスが検出されたときに車体速度を算出すること
ができる。即ち、ステップS32でm=1となって2個
のパルス(m=0パルスとm=1パルス)が検出される
と、ステップS33でmをインクリメントするととも
に、ステップS34でタイヤの直径に比例する定数を前
記2個のパルスの時間間隔で除算することにより車体速
度が算出され、この車体速度はステップS35で車体速
度V0 としてVnリングバッファの最初の番地に格納さ
れる。而して、ループ毎に算出された車体速度は、車体
速度V0 〜V9 としてVn リングバッファの10個の番
地に順次歩進しながら格納される。
【0023】車体加速度を算出するには連続する2個の
車体速度と、それらが算出された時間間隔が必要であ
り、そのためには3個のパルスが必要である。ステップ
S36でm=2となって3個のパルス(m=0パルス、
m=1パルス及びm=2パルス)が検出されると、Vn
リングバッファには2個の車体速度(V0 及びV1 )が
格納されるため、ステップS37で車体速度V1 と車体
速度V0 との差を2個のパルス(m=1パルスとm=2
パルス)の時間間隔で除算することにより車体加速度が
算出され、この車体加速度はステップS38で車体加速
度G0 としてGnリングバッファの最初の番地に格納さ
れる。而して、ループ毎に算出された車体加速度は、車
体加速度G0 〜G9 としてGn リングバッファの10個
の番地に順次歩進しながら格納される。
車体速度と、それらが算出された時間間隔が必要であ
り、そのためには3個のパルスが必要である。ステップ
S36でm=2となって3個のパルス(m=0パルス、
m=1パルス及びm=2パルス)が検出されると、Vn
リングバッファには2個の車体速度(V0 及びV1 )が
格納されるため、ステップS37で車体速度V1 と車体
速度V0 との差を2個のパルス(m=1パルスとm=2
パルス)の時間間隔で除算することにより車体加速度が
算出され、この車体加速度はステップS38で車体加速
度G0 としてGnリングバッファの最初の番地に格納さ
れる。而して、ループ毎に算出された車体加速度は、車
体加速度G0 〜G9 としてGn リングバッファの10個
の番地に順次歩進しながら格納される。
【0024】そして、ステップS39でループ毎にnを
インクリメントし、ステップS40でnが10に達して
Vn リングバッファ及びGn リングバッファに車体速度
および車体加速度のデータが揃うと、ステップS41で
nを0にリセットするとともに、ステップS42で前回
のタイマ値を今回のタイマ値に置き換える。
インクリメントし、ステップS40でnが10に達して
Vn リングバッファ及びGn リングバッファに車体速度
および車体加速度のデータが揃うと、ステップS41で
nを0にリセットするとともに、ステップS42で前回
のタイマ値を今回のタイマ値に置き換える。
【0025】次に、前記第2インタラプトルーチンの内
容を図5のフローチャートに基づいて説明する。
容を図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0026】第2インタラプトルーチンはエンジン回転
数検出器14がクランクシャフトの回転に伴ってパルス
を出力する毎にメインルーチンの実行を中断して起動さ
れるもので、先ずステップS51でタイマ16の出力が
読み込まれる。
数検出器14がクランクシャフトの回転に伴ってパルス
を出力する毎にメインルーチンの実行を中断して起動さ
れるもので、先ずステップS51でタイマ16の出力が
読み込まれる。
【0027】エンジン回転数を検出するには連続する2
個のパルスの時間間隔を知る必要があり、電源投入後に
初めて検出されるパルスをj=0パルスとすると、その
次にj=1パルスが検出されたときにエンジン回転数を
算出することができる。即ち、ステップS52でj=1
となって2個のパルス2個のパルス(j=0パルスとj
=1パルス)が検出されると、ステップS53でjをイ
ンクリメントするとともに、ステップS54で前記2個
のパルスの時間間隔からエンジン回転数が算出され、こ
のエンジン回転数はステップS55でエンジン回転数N
e0 としてNe k リングバッファの最初の番地に格納さ
れる。そして、ステップS52でkをインクリメント
し、ループ毎に算出されたエンジン回転数が、エンジン
回転数Ne 0 〜Ne9 としてNek リングバッファの1
0個の番地に順次歩進しながら格納される。ステップS
57でkが5に達してNeK リングバッファにエンジン
回転数のデータが揃うと、ステップS58でkを0にリ
セットするとともに、ステップS59で前回のタイマ値
を今回のタイマ値に置き換える。
個のパルスの時間間隔を知る必要があり、電源投入後に
初めて検出されるパルスをj=0パルスとすると、その
次にj=1パルスが検出されたときにエンジン回転数を
算出することができる。即ち、ステップS52でj=1
となって2個のパルス2個のパルス(j=0パルスとj
=1パルス)が検出されると、ステップS53でjをイ
ンクリメントするとともに、ステップS54で前記2個
のパルスの時間間隔からエンジン回転数が算出され、こ
のエンジン回転数はステップS55でエンジン回転数N
e0 としてNe k リングバッファの最初の番地に格納さ
れる。そして、ステップS52でkをインクリメント
し、ループ毎に算出されたエンジン回転数が、エンジン
回転数Ne 0 〜Ne9 としてNek リングバッファの1
0個の番地に順次歩進しながら格納される。ステップS
57でkが5に達してNeK リングバッファにエンジン
回転数のデータが揃うと、ステップS58でkを0にリ
セットするとともに、ステップS59で前回のタイマ値
を今回のタイマ値に置き換える。
【0028】而して、図2のメインルーチンのステップ
S4で前記各リングバッファにデータが揃うと、続くス
テップS5及びステップS6で再度エンジン負荷θTHの
読み込みと適応係数Kの算出が行われる。
S4で前記各リングバッファにデータが揃うと、続くス
テップS5及びステップS6で再度エンジン負荷θTHの
読み込みと適応係数Kの算出が行われる。
【0029】図3の適応係数算出ルーチンのステップS
25では、前記第1インタラプトルーチンにおけるVn
リングバッファに蓄積された車体速度の10個の値V0
〜V 9 の平均値を取ることにより、平均車体速度Vsが
演算される。
25では、前記第1インタラプトルーチンにおけるVn
リングバッファに蓄積された車体速度の10個の値V0
〜V 9 の平均値を取ることにより、平均車体速度Vsが
演算される。
【0030】ステップS26では、前記第2インタラプ
トルーチンにおけるNek リングバッファに蓄積された
エンジン回転数の10個の値Ne0 〜Ne9 の平均値を
取ることにより、平均エンジン回転数Nesが演算され
る。
トルーチンにおけるNek リングバッファに蓄積された
エンジン回転数の10個の値Ne0 〜Ne9 の平均値を
取ることにより、平均エンジン回転数Nesが演算され
る。
【0031】ステップS27では、θTHp リングバッフ
ァに蓄積された5個の値θTH0 〜θ TH4 の平均値を取る
ことにより、平均エンジン負荷θTHsが演算される。
ァに蓄積された5個の値θTH0 〜θ TH4 の平均値を取る
ことにより、平均エンジン負荷θTHsが演算される。
【0032】而して、ステップS28で、エンジン負荷
θTHの平均値θTHsと車体加速度Gの平均値Gsとか
ら、 K=aθTHs+bGs に基づいて、適応係数Kが算出される。上式中における
a及びbは予め設定された定数である。
θTHの平均値θTHsと車体加速度Gの平均値Gsとか
ら、 K=aθTHs+bGs に基づいて、適応係数Kが算出される。上式中における
a及びbは予め設定された定数である。
【0033】以下、車体速度V、エンジン回転数Ne、
エンジン負荷θTH及び車体加速度Gとして、逐次更新さ
れる前記平均車体速度Vs、平均エンジン回転数Ne
s、平均エンジン負荷θTHs及び平均車体加速度Gsが
それぞれ用いられる。
エンジン負荷θTH及び車体加速度Gとして、逐次更新さ
れる前記平均車体速度Vs、平均エンジン回転数Ne
s、平均エンジン負荷θTHs及び平均車体加速度Gsが
それぞれ用いられる。
【0034】上述のようにして適応係数Kの値が決定さ
れると、図2のフローチャートのステップS7に移行
し、目標エンジン回転数下限値TNemin が、図6のマ
ップに基づいて求められる。即ち、図6において車体速
度Vと適応係数Kとから、目標エンジン回転数下限値T
Nemin が検索される。これを図7により更に詳しく説
明すると、車体速度=Vの前後直近の2値であるVa,
Vbと適応係数=Kの前後直近の2値であるKa,Kb
との4つの交点P1 〜P4 が検索され、これら4点P1
〜P4 を直線補間することにより目標エンジン回転数下
限値TNemin が決定される。
れると、図2のフローチャートのステップS7に移行
し、目標エンジン回転数下限値TNemin が、図6のマ
ップに基づいて求められる。即ち、図6において車体速
度Vと適応係数Kとから、目標エンジン回転数下限値T
Nemin が検索される。これを図7により更に詳しく説
明すると、車体速度=Vの前後直近の2値であるVa,
Vbと適応係数=Kの前後直近の2値であるKa,Kb
との4つの交点P1 〜P4 が検索され、これら4点P1
〜P4 を直線補間することにより目標エンジン回転数下
限値TNemin が決定される。
【0035】続いて、ステップS8において目標エンジ
ン回転数上限値TNemax が、図8のマップに基づいて
求められる。即ち、図8において車体速度Vと適応係数
Kとエンジン負荷θTHとから、目標エンジン回転数上限
値TNemax が検索される。これを図9により更に詳し
く説明すると、車体速度=Vの前後直近の2値と、適応
係数=Kの前後直近の2値と、エンジン負荷=θTHの前
後直近の2値との8つ交点Q1 〜Q8 が検索され、これ
ら8点Q1 〜Q8 を直線補間することにより目標エンジ
ン回転数上限値TNemax が決定される。
ン回転数上限値TNemax が、図8のマップに基づいて
求められる。即ち、図8において車体速度Vと適応係数
Kとエンジン負荷θTHとから、目標エンジン回転数上限
値TNemax が検索される。これを図9により更に詳し
く説明すると、車体速度=Vの前後直近の2値と、適応
係数=Kの前後直近の2値と、エンジン負荷=θTHの前
後直近の2値との8つ交点Q1 〜Q8 が検索され、これ
ら8点Q1 〜Q8 を直線補間することにより目標エンジ
ン回転数上限値TNemax が決定される。
【0036】続いて、ステップS9において目標エンジ
ン回転数変化率が、図10のマップに基づいて求められ
る。即ち、図10において車体速度Vから目標エンジン
回転数変化率(車体速度の変化量に対する目標エンジン
回転数の変化量)が検索される。次にステップS10に
おいて、メインルーチンの前回のループにおけるステッ
プS6で算出された車体速度V(初期値V=0)と、今
回のループおけるステップS6で算出された最新の車体
速度Vとの差から、車体速度変化量ΔVが算出され、ス
テップS11で前回算出された車体速度Vが新たに算出
された車体速度Vに置き換えられる。
ン回転数変化率が、図10のマップに基づいて求められ
る。即ち、図10において車体速度Vから目標エンジン
回転数変化率(車体速度の変化量に対する目標エンジン
回転数の変化量)が検索される。次にステップS10に
おいて、メインルーチンの前回のループにおけるステッ
プS6で算出された車体速度V(初期値V=0)と、今
回のループおけるステップS6で算出された最新の車体
速度Vとの差から、車体速度変化量ΔVが算出され、ス
テップS11で前回算出された車体速度Vが新たに算出
された車体速度Vに置き換えられる。
【0037】続いて、ステップS12において、ステッ
プS9の求めた目標エンジン回転数変化率とステップS
10で求めた車体速度変化量ΔVとを乗算することによ
り、目標エンジン回転数変化量ΔTNeが算出される
(図11参照)。
プS9の求めた目標エンジン回転数変化率とステップS
10で求めた車体速度変化量ΔVとを乗算することによ
り、目標エンジン回転数変化量ΔTNeが算出される
(図11参照)。
【0038】上述のようにして目標エンジン回転数変化
量ΔTNeが決定されると、続くステップS13におい
て前記目標エンジン回転数変化量ΔTNeから目標エン
ジン回転数TNeが以下のようにして決定される。即
ち、目標エンジン回転数TNeの初期値を車体速度V=
0の時の目標エンジン回転数下限値TNemin とすると
ともに、前回の目標エンジン回転数TNeに前記ステッ
プS12で求めた目標エンジン回転数変化量ΔTNeを
加算することにより目標エンジン回転数TNeを決定す
る。
量ΔTNeが決定されると、続くステップS13におい
て前記目標エンジン回転数変化量ΔTNeから目標エン
ジン回転数TNeが以下のようにして決定される。即
ち、目標エンジン回転数TNeの初期値を車体速度V=
0の時の目標エンジン回転数下限値TNemin とすると
ともに、前回の目標エンジン回転数TNeに前記ステッ
プS12で求めた目標エンジン回転数変化量ΔTNeを
加算することにより目標エンジン回転数TNeを決定す
る。
【0039】そして、ステップS14で目標エンジン回
転数TNeが前記ステップS8で求めた目標エンジン回
転数上限値TNemax を上回った場合には、ステップS
15で前記目標エンジン回転数上限値TNemax を目標
エンジン回転数TNeとし、またステップS16で目標
エンジン回転数TNeが前記ステップS7で求めた目標
エンジン回転数下限値TNemin を下回った場合には、
その目標エンジン回転数下限値TNemin を目標エンジ
ン回転数TNeとする。
転数TNeが前記ステップS8で求めた目標エンジン回
転数上限値TNemax を上回った場合には、ステップS
15で前記目標エンジン回転数上限値TNemax を目標
エンジン回転数TNeとし、またステップS16で目標
エンジン回転数TNeが前記ステップS7で求めた目標
エンジン回転数下限値TNemin を下回った場合には、
その目標エンジン回転数下限値TNemin を目標エンジ
ン回転数TNeとする。
【0040】而して、上述のようにして決定された目標
値である目標エンジン回転数TNeに制御量であるエン
ジンEの実エンジン回転数Neが一致するように、操作
量である無段変速機Cの変速比がアクチュエータ17を
介してフィードバック制御され、その過程で変速比がL
ow又はTopに達した場合にはアクチュエータ17の
作動が停止される。
値である目標エンジン回転数TNeに制御量であるエン
ジンEの実エンジン回転数Neが一致するように、操作
量である無段変速機Cの変速比がアクチュエータ17を
介してフィードバック制御され、その過程で変速比がL
ow又はTopに達した場合にはアクチュエータ17の
作動が停止される。
【0041】次に、前述の第1従来例及び第2従来例と
比較した本発明の効果について説明する。
比較した本発明の効果について説明する。
【0042】図12は上り坂においてスロットル開度を
増加させた場合に、車体速度V及び実エンジン回転数N
eがどのように変化するかを示すものである。
増加させた場合に、車体速度V及び実エンジン回転数N
eがどのように変化するかを示すものである。
【0043】先ず、ギヤ式トランスミッション車では、
A点からスロットル開度を徐々に増加させてゆくと、後
輪出力が走行抵抗よりも小さいうちは上り坂であるため
に車体速度Vは低下する。このとき、ギヤ式トランスミ
ッションにより車体速度Vと実エンジン回転数Neとの
比率は一定であるため、実エンジン回転数Neは図の原
点を通る直線上を低下する。スロットル開度の増加によ
って後輪出力が走行抵抗に釣り合うと車体速度Vと実エ
ンジン回転数Neの低下が止まり、スロットル開度が更
に増加すると車体速度Vと実エンジン回転数Neは原点
を通る直線上をB点に向けて増加してゆく。
A点からスロットル開度を徐々に増加させてゆくと、後
輪出力が走行抵抗よりも小さいうちは上り坂であるため
に車体速度Vは低下する。このとき、ギヤ式トランスミ
ッションにより車体速度Vと実エンジン回転数Neとの
比率は一定であるため、実エンジン回転数Neは図の原
点を通る直線上を低下する。スロットル開度の増加によ
って後輪出力が走行抵抗に釣り合うと車体速度Vと実エ
ンジン回転数Neの低下が止まり、スロットル開度が更
に増加すると車体速度Vと実エンジン回転数Neは原点
を通る直線上をB点に向けて増加してゆく。
【0044】一方、第1従来例のものでは、無段変速機
の滑り量がゼロであればギヤ式トランスミッション車と
同じ特性が得られるが、実際には無段変速機の滑り量に
よって実エンジン回転数Neがギヤ式トランスミッショ
ン車よりも高くなる。そして、前記無段変速機の滑り量
はエンジンEの出力が大きくなるほど増加するため、そ
の特性はA点及びD点を通る曲線となる。
の滑り量がゼロであればギヤ式トランスミッション車と
同じ特性が得られるが、実際には無段変速機の滑り量に
よって実エンジン回転数Neがギヤ式トランスミッショ
ン車よりも高くなる。そして、前記無段変速機の滑り量
はエンジンEの出力が大きくなるほど増加するため、そ
の特性はA点及びD点を通る曲線となる。
【0045】第2従来例のものでは、A点でスロットル
開度を増加させた時点で目標エンジン回転数(本来の目
標値)が大となるため、上り坂で車速Vが低下している
のにも関わらず目標エンジン回転数(比較値)は制御周
期毎に増加する。その結果、その特性はA点及びE点を
通る曲線となり、スロットルの開き始めの微小期間にお
いて実エンジン回転数Neの大きな上ずり感が感じられ
ることになる。
開度を増加させた時点で目標エンジン回転数(本来の目
標値)が大となるため、上り坂で車速Vが低下している
のにも関わらず目標エンジン回転数(比較値)は制御周
期毎に増加する。その結果、その特性はA点及びE点を
通る曲線となり、スロットルの開き始めの微小期間にお
いて実エンジン回転数Neの大きな上ずり感が感じられ
ることになる。
【0046】それに対して本発明では、目標エンジン回
転数の移動方向はスロットル開度とは無関係であり、車
体速度変化量ΔVが正(増速)の場合に目標エンジン回
転数TNeが増加し、車体速度変化量ΔVが負(減速)
の場合に目標エンジン回転数TNeが減少するようにな
っている(図11参照)。従って、上り坂により車体速
度Vが低下すると、予め設定された車体速度Vの関数と
して目標エンジン回転数TNeが減少し、それに伴って
実エンジン回転数Neも減少する。そして、駆動輪出力
と走行抵抗とが釣り合った後は、車体速度Vの増加と共
に目標エンジン回転数TNe、即ち実エンジン回転数N
eが増加してゆき、その特性はA点及びC点を通る直線
となる。
転数の移動方向はスロットル開度とは無関係であり、車
体速度変化量ΔVが正(増速)の場合に目標エンジン回
転数TNeが増加し、車体速度変化量ΔVが負(減速)
の場合に目標エンジン回転数TNeが減少するようにな
っている(図11参照)。従って、上り坂により車体速
度Vが低下すると、予め設定された車体速度Vの関数と
して目標エンジン回転数TNeが減少し、それに伴って
実エンジン回転数Neも減少する。そして、駆動輪出力
と走行抵抗とが釣り合った後は、車体速度Vの増加と共
に目標エンジン回転数TNe、即ち実エンジン回転数N
eが増加してゆき、その特性はA点及びC点を通る直線
となる。
【0047】即ち、図13(A)に示すように、第2従
来例では車体速度Vの低下とは無関係に実エンジン回転
数Neが増加しているが、図13(B)に示すように、
本発明では車体速度Vの低下に伴って一時的に実エンジ
ン回転数Neが低下し、その後実エンジン回転数Neが
増加に転じている。そして、本発明の前記特性はギヤ式
トランスミッション車の特性、つまりドライバーがスロ
ットルを開いてからパワーが出てくるまでの感覚に近い
ものであるため、従来のギヤ式トランスミッション車の
運転に慣れたドライバーにとって極めて運転し易いもの
となる。
来例では車体速度Vの低下とは無関係に実エンジン回転
数Neが増加しているが、図13(B)に示すように、
本発明では車体速度Vの低下に伴って一時的に実エンジ
ン回転数Neが低下し、その後実エンジン回転数Neが
増加に転じている。そして、本発明の前記特性はギヤ式
トランスミッション車の特性、つまりドライバーがスロ
ットルを開いてからパワーが出てくるまでの感覚に近い
ものであるため、従来のギヤ式トランスミッション車の
運転に慣れたドライバーにとって極めて運転し易いもの
となる。
【0048】尚、図12から明らかなように、ギヤ式ト
ランスミッション車の特性(A点及びB点を通る直線)
に対して本発明の特性(A点及びC点を通る直線)の傾
きがやや大きく設定されているが、その理由は以下の通
りである。即ち、上述のように特性を設定すると、変速
比がTopに近い状態で比較的に早く実エンジン回転数
Neが増加するため、充分なエンジンEの出力により加
速性能を向上させることができる。しかしながら、逆に
変速比がLowに近い状態では、実エンジン回転数Ne
が無駄に上昇しすぎて加速が遅くなる場合があるため、
その特性(A点及C点を通る直線)の傾きをギヤ式トラ
ンスミッション車の特性(A点及B点を通る直線)より
も小さく設定することもある。要するに、本発明の特性
はエンジンEの出力特性、車体重量、変速レシオ等の条
件によって最適の状態に設定することが可能である。
ランスミッション車の特性(A点及びB点を通る直線)
に対して本発明の特性(A点及びC点を通る直線)の傾
きがやや大きく設定されているが、その理由は以下の通
りである。即ち、上述のように特性を設定すると、変速
比がTopに近い状態で比較的に早く実エンジン回転数
Neが増加するため、充分なエンジンEの出力により加
速性能を向上させることができる。しかしながら、逆に
変速比がLowに近い状態では、実エンジン回転数Ne
が無駄に上昇しすぎて加速が遅くなる場合があるため、
その特性(A点及C点を通る直線)の傾きをギヤ式トラ
ンスミッション車の特性(A点及B点を通る直線)より
も小さく設定することもある。要するに、本発明の特性
はエンジンEの出力特性、車体重量、変速レシオ等の条
件によって最適の状態に設定することが可能である。
【0049】また、ここでは差異を明確にするために自
動車が上り坂にさしかかった場合を例示したが、平坦地
においても本発明の上記効果は達成されるものである。
動車が上り坂にさしかかった場合を例示したが、平坦地
においても本発明の上記効果は達成されるものである。
【0050】ところで、本発明では目標エンジン回転数
下限値TNemin 及び目標エンジン回転数上限値TNe
max を可変値としているが、それは前記目標エンジン回
転数下限値TNemin 及び目標エンジン回転数上限値T
Nemax を固定値にすると以下のような問題が発生する
からである。即ち、図14におけるA点で走行中に加速
する場合を考えると、その加速は矢印で示す加速経路に
沿って行われることになる。前記A点は実エンジン回転
数Neが低く且つ変速比がTopであるため、車体駆動
力が最も小さい状態である。従って、A点で走行中に急
な上り坂にさしかかった場合には、変速比をLow側に
移行させて実エンジン回転数Neを増加させないと登れ
ないことになる。しかしながら、実際には車体速度Vが
上昇しないかぎり目標エンジン回転数TNeは増加せ
ず、実エンジン回転数Neも増加しないことになる。つ
まり、目標エンジン回転数下限値TNemin 及び目標エ
ンジン回転数上限値TNemax を固定値にすると、急な
上り坂を登れない場合が発生することになる。
下限値TNemin 及び目標エンジン回転数上限値TNe
max を可変値としているが、それは前記目標エンジン回
転数下限値TNemin 及び目標エンジン回転数上限値T
Nemax を固定値にすると以下のような問題が発生する
からである。即ち、図14におけるA点で走行中に加速
する場合を考えると、その加速は矢印で示す加速経路に
沿って行われることになる。前記A点は実エンジン回転
数Neが低く且つ変速比がTopであるため、車体駆動
力が最も小さい状態である。従って、A点で走行中に急
な上り坂にさしかかった場合には、変速比をLow側に
移行させて実エンジン回転数Neを増加させないと登れ
ないことになる。しかしながら、実際には車体速度Vが
上昇しないかぎり目標エンジン回転数TNeは増加せ
ず、実エンジン回転数Neも増加しないことになる。つ
まり、目標エンジン回転数下限値TNemin 及び目標エ
ンジン回転数上限値TNemax を固定値にすると、急な
上り坂を登れない場合が発生することになる。
【0051】しかしながら、本発明の如く前記目標エン
ジン回転数下限値TNemin 及び目標エンジン回転数上
限値TNemax を可変値とすることにより、上記問題点
が解消される。即ち、図15おけるA点で走行中に急な
上り坂にさしかかり、図16に示すようにスロットル開
度θTHを開いた場合、破線で示すように平均スロットル
開度θTHs(つまり平均エンジン負荷)は次第に上昇す
る。その結果、適応係数K=aθTHs+bGsが増加
し、目標エンジン回転数下限値TNemin も増加するた
め(図6のマップ参照)、図15におけるA点がB点に
移動してB点から新たな加速経路で加速することにな
る。そして、A点からB点に移行することにより加速可
能な実エンジン回転数Neと変速比とが得られるため、
急な上り坂を登坂することが可能となる。
ジン回転数下限値TNemin 及び目標エンジン回転数上
限値TNemax を可変値とすることにより、上記問題点
が解消される。即ち、図15おけるA点で走行中に急な
上り坂にさしかかり、図16に示すようにスロットル開
度θTHを開いた場合、破線で示すように平均スロットル
開度θTHs(つまり平均エンジン負荷)は次第に上昇す
る。その結果、適応係数K=aθTHs+bGsが増加
し、目標エンジン回転数下限値TNemin も増加するた
め(図6のマップ参照)、図15におけるA点がB点に
移動してB点から新たな加速経路で加速することにな
る。そして、A点からB点に移行することにより加速可
能な実エンジン回転数Neと変速比とが得られるため、
急な上り坂を登坂することが可能となる。
【0052】而して、本発明では、駆動力が充分な状況
では目標エンジン回転数TNeを車体速度Vの関数とし
て変化させることによりギヤ式トランスミッション車の
近いフィーリングを与えるとともに、駆動力が不足した
状況では目標エンジン回転数下限値TNemin を上昇さ
せて駆動力の回復を図ることができる。
では目標エンジン回転数TNeを車体速度Vの関数とし
て変化させることによりギヤ式トランスミッション車の
近いフィーリングを与えるとともに、駆動力が不足した
状況では目標エンジン回転数下限値TNemin を上昇さ
せて駆動力の回復を図ることができる。
【0053】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の設計
変更を行うことが可能である。
明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0054】例えば、実施例では適応係数Kをエンジン
負荷θTHと車体加速度Gとに基づいて決定しているが、
適応係数Kを車両の走行状態を表す上記以外の種々のパ
ラメータに基づいて決定することができる。即ち、適応
係数Kをハンドルの操作頻度、ブレーキの使用頻度、横
加速度の平均値、バンク角の平均値、駆動輪トルク、坂
道の傾度等のパラメータに基づいて決定することが可能
である。
負荷θTHと車体加速度Gとに基づいて決定しているが、
適応係数Kを車両の走行状態を表す上記以外の種々のパ
ラメータに基づいて決定することができる。即ち、適応
係数Kをハンドルの操作頻度、ブレーキの使用頻度、横
加速度の平均値、バンク角の平均値、駆動輪トルク、坂
道の傾度等のパラメータに基づいて決定することが可能
である。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、車体速度
と車体速度変化量とに基づいて目標エンジン回転数を演
算し、その目標値に実エンジン回転数が一致するように
無段変速機の変速比をフィードバック制御しているの
で、走行抵抗やエンジン出力が変化しても、無断変速機
の滑り感を感じさせず且つギヤ式トランスミッション車
に近いダイレクトな走行フィーリングを得ることができ
る。しかも、車両の走行状態から求めた適応係数に基づ
いて目標エンジン回転数下限値及び目標エンジン回転数
上限値を演算し、目標エンジン回転数目標値が前記下限
値及び上限値を逸脱した場合には、その下限値及び上限
値を目標値として無段変速機の変速比をフィードバック
制御しているので、駆動力が不足した場合に目標エンジ
ン回転数を上昇させて駆動力の回復を図ることができ
る。
と車体速度変化量とに基づいて目標エンジン回転数を演
算し、その目標値に実エンジン回転数が一致するように
無段変速機の変速比をフィードバック制御しているの
で、走行抵抗やエンジン出力が変化しても、無断変速機
の滑り感を感じさせず且つギヤ式トランスミッション車
に近いダイレクトな走行フィーリングを得ることができ
る。しかも、車両の走行状態から求めた適応係数に基づ
いて目標エンジン回転数下限値及び目標エンジン回転数
上限値を演算し、目標エンジン回転数目標値が前記下限
値及び上限値を逸脱した場合には、その下限値及び上限
値を目標値として無段変速機の変速比をフィードバック
制御しているので、駆動力が不足した場合に目標エンジ
ン回転数を上昇させて駆動力の回復を図ることができ
る。
【図1】実施例の全体構成図
【図2】メインルーチンのフローチャート
【図3】適応係数算出サブルーチンのフローチャート
【図4】第1インタラプトルーチンのフローチャート
【図5】第2インタラプトルーチンのフローチャート
【図6】車体速度及び適応係数から目標エンジン回転数
下限値を求めるマップ
下限値を求めるマップ
【図7】図6の要部拡大図
【図8】車体速度、適応係数及びスロットル開度から目
標エンジン回転数上限値を求めるマップ
標エンジン回転数上限値を求めるマップ
【図9】図8の要部拡大図
【図10】車体速度から目標エンジン回転数変化率を求
めるマップ
めるマップ
【図11】車体速度変化量から目標エンジン回転数変化
量を求めるマップ
量を求めるマップ
【図12】車体速度とエンジン回転数との関係を示すグ
ラフ
ラフ
【図13】車体速度、エンジン回転数及びスロットル開
度の時間変化を示すグラフ
度の時間変化を示すグラフ
【図14】目標エンジン回転数下限値及び目標エンジン
回転数上限値を固定値とした場合の加速特性を示すグラ
フ
回転数上限値を固定値とした場合の加速特性を示すグラ
フ
【図15】目標エンジン回転数下限値及び目標エンジン
回転数上限値を可変値とした場合の加速特性を示すグラ
フ
回転数上限値を可変値とした場合の加速特性を示すグラ
フ
【図16】スロットル開度の時間変化を示すグラフ
【図17】第1従来例の変速特性を示すグラフ
【図18】第2従来例の変速特性を示すグラフ
【図19】第2従来例のエンジン回転数に対する車体速
度及びエンジントルクの関係を示すグラフ
度及びエンジントルクの関係を示すグラフ
【図20】クレーム対応図
C 無段変速機 E エンジン M1 適応係数演算手段 M2 目標エンジン回転数下限値演算手段 M3 目標エンジン回転数上限値演算手段 M4 目標エンジン回転数変化量演算手段 M5 目標エンジン回転数演算手段 M6 変速比制御手段 V 車体速度 ΔV 車体速度変化量 G 車体加速度 θTH エンジン負荷 Ne 実エンジン回転数 TNe 目標エンジン回転数 TNemin 目標エンジン回転数下限値 TNemax 目標エンジン回転数上限値 ΔTNe 目標エンジン回転数変化量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 59:48 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 F16H 9/00 F16H 59:14 F16H 59:36 F16H 59:44 F16H 59:48
Claims (1)
- 【請求項1】 目標エンジン回転数(TNe)に実エン
ジン回転数(Ne)が一致するようにエンジン(E)に
接続された無段変速機(C)の変速比をフィードバック
制御する無段変速機の変速制御装置において、 車両の走行状態に基づいて適応係数(K)を演算する適
応係数演算手段(M1)と;車体速度(V)と適応係数
(K)とに基づいて目標エンジン回転数下限値(TNe
min )を演算する目標エンジン回転数下限値演算手段
(M2 )と;車体速度(V)と適応係数(K)とエンジ
ン負荷(θTH)とに基づいて目標エンジン回転数上限値
(TNemax )を演算する目標エンジン回転数上限値演
算手段(M3 )と;車体速度(V)と車体速度変化量
(ΔV)とに基づいて目標エンジン回転数変化量(ΔT
Ne)を演算する目標エンジン回転数変化量演算手段
(M4 )と;前回演算した目標エンジン回転数(TN
e)と前記目標エンジン回転数変化量(ΔTNe)とに
基づいて今回の目標エンジン回転数(TNe)を演算す
る目標エンジン回転数演算手段(M5 )と;今回演算し
た目標エンジン回転数(TNe)が前記目標エンジン回
転数下限値(TNemin )及び目標エンジン回転数上限
値(TNemax )間にある場合には前記今回演算した目
標エンジン回転数(TNe)を目標値とし、今回演算し
た目標エンジン回転数(TNe)が前記目標エンジン回
転数下限値(TNemin )を下回る場合には該目標エン
ジン回転数下限値(TNemin )を目標値とし、また今
回演算した目標エンジン回転数(TNe)が前記目標エ
ンジン回転数上限値(TNemax )を上回る場合には該
目標エンジン回転数上限値(TNemax )を目標値と
し、その目標値に実エンジン回転数(Ne)が一致する
ように前記無段変速機(C)の変速比をフィードバック
制御する変速比制御手段(M6 )と;を備えたことを特
徴とする、無段変速機の変速制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31052292A JP3176451B2 (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 無段変速機の変速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31052292A JP3176451B2 (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 無段変速機の変速制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06159489A JPH06159489A (ja) | 1994-06-07 |
JP3176451B2 true JP3176451B2 (ja) | 2001-06-18 |
Family
ID=18006246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31052292A Expired - Fee Related JP3176451B2 (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 無段変速機の変速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3176451B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE602004002765T2 (de) | 2003-03-27 | 2008-01-31 | Torotrak (Development) Ltd., Preston | Verfahren zur steuerung eines stufenlosen getriebes |
JP5601894B2 (ja) * | 2010-06-21 | 2014-10-08 | 日野自動車株式会社 | 車両制御装置 |
JP2019033623A (ja) * | 2017-08-09 | 2019-02-28 | 日本電産株式会社 | モータ制御装置、送風装置、及び、掃除機 |
-
1992
- 1992-11-19 JP JP31052292A patent/JP3176451B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06159489A (ja) | 1994-06-07 |
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