JP3176445B2 - 多錘取り溶融紡糸用オイリング装置 - Google Patents

多錘取り溶融紡糸用オイリング装置

Info

Publication number
JP3176445B2
JP3176445B2 JP26434492A JP26434492A JP3176445B2 JP 3176445 B2 JP3176445 B2 JP 3176445B2 JP 26434492 A JP26434492 A JP 26434492A JP 26434492 A JP26434492 A JP 26434492A JP 3176445 B2 JP3176445 B2 JP 3176445B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
circle
spinning
guide
oiling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26434492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0693509A (ja
Inventor
照雄 樋口
道昌 大西
和康 角野
浩務 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Ester Co Ltd filed Critical Nippon Ester Co Ltd
Priority to JP26434492A priority Critical patent/JP3176445B2/ja
Publication of JPH0693509A publication Critical patent/JPH0693509A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3176445B2 publication Critical patent/JP3176445B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ポリエステル,ポリア
ミドで代表される熱可塑性ポリマーの溶融紡糸に用いる
オイリング装置に関するものであり,さらに詳しくは,
多錘取り溶融紡糸の際に用いるオイリング装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年,熱可塑性ポリマーを用いた合成繊
維の製造において,生産性向上のために,多錘取り溶融
紡糸法が検討されているが,紡糸された各糸条を分割,
集束するために必要なコンパクトなオイリング装置の開
発が遅れており,このため,同様の装置が多数台並ぶ生
産ラインにおいて極めて広い面積が必要となり,狭い面
積で複数の糸条群を紡糸して生産効率を高めることがで
きないという問題がある。
【0003】実公昭60-21399号公報には, 紡糸された複
数の糸条群を分割, オイリングする多錘取り紡糸用のオ
イリング装置が開示されている。しかしながら,このオ
イリング装置は, 紡糸頭よりも広い面積を必要とするの
で上記の問題を解決できず,生産効率を高めることがで
きない。
【0004】さらにこの考案は,チムニー上に固定, 載
置するものであって,オイリング装置と紡糸頭との距離
(糸条群の集束位置)を容易に変更することができな
い。糸条群の集束位置は,紡糸された糸条群の張力をコ
ントロールするために,紡糸速度や繊度,フィラメント
数等により適宜変更することが必要であり, 糸条群の集
束位置を変更できないと, 異常に張力が高くなったり,
糸条の繊度が大きい場合には,冷却不足から単糸間の密
着や毛羽, 単糸切れが発生する。
【0005】また, 紡糸中に糸切れが発生すると, 嵩高
で多量の糸条がオイリング装置の上に堆積するが,この
装置は定置型であるため, 紡糸頭直下から退避させるこ
とが困難で,復旧までに時間がかかり,また,糸屑を取
除く際に機器を損傷しかねず,操業性も極めて悪い等の
問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
点を解決し, 連続的に溶融紡糸される複数の糸条群を,
群間分割して油剤を付与するのみでなく,紡糸条件が変
更されても単糸間の密着や毛羽, 単糸切れの発生を防止
することが可能で,操業性のよいコンパクトな多錘取り
溶融紡糸用オイリング装置を提供することを技術的な課
題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記した
課題を解決するため鋭意検討した結果,紡糸された各糸
条群に油剤を付与するためのガイドオイリングノズル,
糸道固定ガイド及び交絡処理器を糸条群数だけ1基の架
台上に配置するとともに,この架台を上下方向に適宜移
動可能とすることで糸条群の集束位置を容易に変更する
ことができ,操業性のよいコンパクトなオイリング装置
を得ることができることを見出し, 本発明に到達した。
【0008】すなわち,本発明は, 1つの紡糸頭から複
数の糸条群を紡糸し,紡糸した各糸条群を1個の環状冷
却装置で冷却,固化した後,各糸条群に分割し,引取り
ローラを介してパッケージに巻取る熱可塑性ポリマーの
多錘取り溶融紡糸に用いるオイリング装置において,各
紡糸孔群のほぼ中心点をQ1 ,Q2 …Qn (nは紡糸孔
群数,ただし,nは2以上とする)とし,これらの点を
通る円C0 の中心点をP0 とし,点P0 の鉛直線上で下
方に順に3つの点P1 ,P2 ,P3 をとり,点P1 を中
心として円C0 を拡大投影して円C1 とし,点P2 ,P
3 を中心として円C0 を拡大もしくは縮小投影して,そ
れぞれ円C2 ,C3 とし,P1 を中心とする円C1 上の
点でQ1 ,Q2 …Qn を投影した点q1 ,q2 …qn
ガイドオイリングノズル,その下段のP2 を中心とした
円C2 上の点でQ1 ,Q2 …Qnを投影した点r1 ,r
2 …rn に糸道固定ガイド,さらに,その下段のP3
中心点とした円C3 上の点でQ1 ,Q2 …Qn を投影し
た点s1 ,s2 …sn に交絡処理器を配設するととも
に,前記ガイドオイリングノズル,糸道固定ガイド及び
交絡処理器を1基の上下方向に移動可能な架台に下記式
(1),(2)を満足するように取り付けたことを特徴
とする多錘取り溶融紡糸用オイリング装置を要旨とする
ものである。 30≦h1≦500(mm) …(1) 20≦h2≦300(mm) …(2) h1:ガイドオイリングノズルと糸道固定ガイドとの距離 h2:糸道固定ガイドと交絡処理器との距離
【0009】以下,本発明について詳細に説明する。図
5は本発明のオイリング装置を用いた多錘取り溶融紡糸
方法の一実施態様を示す概略工程図である。図5におい
て,複数の紡糸孔群を有する1あるいは複数個の紡糸口
金2を用いて紡糸された各糸条群は,環状冷却装置3で
冷却, 固化された後,糸条群ごとに分割されながらガイ
ドオイリングノズル4で集束されつつ油剤が付与され,
糸道固定ガイド5を通り,さらに,その下流に設けた交
絡処理器6によって集束性が強化され,引取りローラ7
a,7bを介して巻取り機8でパッケージ9として巻取
られる。なお,図5中,1は紡糸口金ホルダーである。
【0010】本発明のオイリング装置を用いた溶融紡糸
方法に適用される紡糸口金装置は,図6に例示するよう
に,紡糸孔が全孔群の幾何学的中心Oを中心点とする同
心円上に穿孔され,かつこの幾何学的中心Oから放射状
に複数の紡糸孔群に分割穿孔された,1個の口金板ある
いは複数の口金板を紡糸口金ホルダー内に配置したもの
が好ましい。図6(a)は紡糸口金ホルダー内に4個の
口金板を配置した全孔数72の紡糸口金の平面図であり,
(b)は紡糸口金ホルダー内に1個の口金板を配置した
全孔数144 の紡糸口金の平面図である。
【0011】オイリング装置は,糸条に油剤を付与し,
糸条群を集束させるものであるが,紡糸孔群から吐出さ
れる各単糸を同一方向に同張力で引取るためには,複数
の糸条群間の糸道(紡糸口金から引取りローラ7aまで
の紡糸線)にバラツキをなくすことが必要であり,その
ためにはガイドオイリングノズル4,糸道固定ガイド
5,交絡処理器6を配設する位置が重要となる。
【0012】図1は各紡糸孔群に対するガイドオイリン
グノズル4,糸道固定ガイド5及び交絡処理器6の配置
を示す概略図であって,1つの紡糸口金ホルダー内に図
6の(a)のように紡糸孔を穿孔した紡糸口金を配置
し,4糸条群を同時に紡糸する例を示している。図2は
ガイドオイリングノズル4,糸道固定ガイド5及び交絡
処理器6の位置関係を示す概略説明図である。
【0013】各紡糸口金の紡糸孔群のほぼ中心点を
1 ,Q2 ,Q3 ,Q4 とし,この各点を通る円をC0
とし,円C0 の中心点をP0 とする。次に,点P0 の鉛
直線上で下方に点P1 をとり,P1 を基点とした位置に
円C0 を拡大投影して円C1 を描き,円C1 上にQ1
2 ,Q3 ,Q4 に対応する点q1 ,q2 ,q3 ,q4
をとり,ガイドオイリングノズル4をそれぞれ配設す
る。
【0014】本発明において,各紡糸口金より紡出され
た糸条をガイドオイリングノズル4の油剤付着部20に良
好に接触させるために, 円C0 より円C1 を大きくする
必要がある。あわせてガイドオイリングノズル4の糸導
入のための開口部19の方向を,環状冷却装置3から冷却
風が吹出される方向と逆,すなわち,円C1 の外側に開
口部19を向けてガイドオイリングノズル4を配設するこ
とが好ましい。
【0015】これは,各紡糸孔群の中心点より外側,す
なわち,円C0 の外周に位置する孔群から紡出される糸
条を,ガイドオイリングノズル4の油剤付着部20に十分
に接触させるためである。
【0016】円C0 より円C1 が小さい場合やガイドオ
イリングノズル4の開口部19の方向を環状冷却装置から
冷却風が吹出される方向, すなわち, 円C1 の中心側に
向けた場合には,糸条が開口部19より外側に流され, 油
剤付着部20に十分に接触できず油剤の付着斑ができ, 糸
切れが発生する原因となる場合があり好ましくない。
【0017】同様にP1 の鉛直線上で下方にP2 をと
り,P2 を基点とした位置に円C0 を投影して円C2
描き,円C2 上にQ1 ,Q2 ,Q3 ,Q4 に対応する点
1 ,r2 ,r3 ,r4 をとり,糸道固定ガイド5をそ
れぞれ配設する。
【0018】さらに,P2 の鉛直線上で下方にP3 をと
り,P3 を基点とした位置に円C0を投影して円C3
描き,円C3 上にQ1 ,Q2 ,Q3 ,Q4 に対応する点
1,s2 ,s3 ,s4 をとり,交絡処理器6をそれぞ
れ配設する。
【0019】以上のように,ガイドオイリングノズル
4,糸道固定ガイド5及び交絡処理器6を配設すること
により各紡糸孔群間の糸道のバラツキは解消され,糸品
質や紡糸調子も安定する。糸道にバラツキがあると,紡
糸調子が悪くなり糸揺れが発生したり,糸条に油剤が良
好に付与されずに付着斑等ができ,これらが原因となっ
て得られる糸条に太さ斑ができたり,巻き取る際に糸切
れが起こりやすくなり好ましくない。
【0020】また,ガイドオイリングノズル4の糸導入
のための開口部19が前記したような方向であれば,ガイ
ドオイリングノズル4の下方の円C2 の大きさは,ガイ
ドオイリングノズル4の油剤付着部20に糸条が接触しや
すい角度の糸道とするために円C1 よりも小さくするこ
とが好ましい。
【0021】さらに,この場合,交絡処理器6を配設す
る円C3 は,糸道固定ガイド5の円C2 よりも大きく
し,糸道角度を大きくとることが好ましい。すなわち,
交絡処理器6は圧縮空気によって糸条に乱流処理を施す
ものであるため,糸条が導入されたり導出される場合
に, この角度が不十分であると走行糸条が圧空の乱流の
影響を受け,キリモミ状の捩が糸条にかかって安定した
紡糸ができなくなる場合があるため,円C3 は円C2
りも大きくすることが好ましい。
【0022】ガイドオイリングノズル4と糸道固定ガイ
ド5の距離h1 は,30〜500mm が好ましく,より好まし
くは100 〜300mm である。この距離が500 mmを超すよう
な場合は,装置全体が大型化しすぎて好ましくなく,30
mmより小さいと,糸のセットが困難になり好ましくな
い。また,糸道固定ガイド5と交絡処理器6との距離h
2 は,20〜300 mmが好ましく,より好ましくは50〜100m
m である。この距離が20mmより小さくなると,操作性に
劣るばかりか,糸道屈曲による過剰張力となり,紡糸性
の観点からも好ましくない。また,この距離が300mm を
超えるとやはり装置全体が大型化し,好ましくない。
【0023】ガイドオイリングノズル4は紡出された糸
条に油剤を付与するとともに糸条を集束させるものであ
る。単糸間の密着や毛羽,単糸切れをなくすためには,
ポリマーの種類,単糸繊度,引取り速度,紡糸温度等種
々の条件によって糸条の集束位置を適宜変更することが
必要である。本発明では,これらのガイドオイリングノ
ズル4,糸道固定ガイド5及び交絡処理器6を1基の上
下方向に移動可能な架台12に取り付け,糸条の集束位置
を容易に変更できるようにしている。本発明の装置を用
いて高速紡糸を行う場合は,一般に紡糸口金からガイド
オイリングノズルまでの距離を100 〜300cm にすること
が好ましい。
【0024】次に,図3は本発明のオイリング装置の一
例を示す平面図で,図4は図3の装置を用いた紡糸装置
の一部切り欠き概略図である。図中4-1,4-2,4-3
-4は繊維処理油剤を付与するガイドオイリングノズル
で,5-1,5-2(図示せず),5-3,5-4(図示せず)
は糸道固定ガイド,6-1,6-2(図示せず),6-3,6
-4(図示せず)は交絡処理器である。これらの機器を取
り付けた2枚の円盤型のプレート10a,10bを円筒11で
一体化するとともに, 1基の架台12に取付けてある。ガ
イドオイリングノズルへの油剤供給チューブ13a, 13
b, 13c, 13dは,この装置の後面外部より前記プレー
ト10bの下部から円筒11の内部を通って,ノズルホルダ
ーの継手4a, 4b, 4c, 4dに接続してある。交絡
処理器のエアチューブ6a, 6b(図示せず), 6c,
6d(図示せず)も同様にし,両者のチューブは結束バ
ンド等で走行糸条と干渉しないように配慮されている。
【0025】架台12は, 一体化した装置本体を固定する
部材14に連結されており,この部材14はスライド部15を
備えたスライドレール16に取り付けられており,スライ
ド部15はスライドレール16に沿って左右方向に移動可能
になっている。糸切れが発生すると,部材14ごと架台12
をスライドさせることで,ガイドオイリングノズル4,
糸道固定ガイド5及び交絡処理器6を紡糸孔群の鉛直位
置より容易に退避させることができる。
【0026】さらに,これらを載置したスライドレール
16は把持部材17を介して昇降案内ロッド18に取り付けら
れている。把持部材17は昇降案内ロッド18を挟んでボル
トで固定してあり, この把持部材17の固定位置を昇降案
内ロッド18に沿って上下に移動させることによって, ガ
イドオイリングノズル4,糸道固定ガイド5及び交絡処
理器6を上下方向に移動させることができ, 紡糸条件に
従って糸条群の集束位置を容易に変更することができ
る。
【0027】1つの架台12に配設するガイドオイリング
ノズル4,糸道固定ガイド5,交絡処理器6の数は,そ
れぞれ2〜8個が好ましい。いい換えれば,1つの紡糸
頭での錘数は2〜8錘が好ましい。8錘を超えると1紡
糸頭あたりの各糸条群を複数の巻取り機に巻取るという
煩雑さがあり好ましくない。
【0028】本発明のオイリング装置を用いた溶融紡糸
方法を適用可能な熱可塑性ポリマーとしては,ポリエチ
レンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等で
代表されるポリエステル系や,ナイロン6,ナイロン6
6等のポリアミド系等がある。また,これらのポリマー
に第3成分を共重合したものや,艶消剤,制電剤,顔料
等の添加剤を含有させたものでもよい。さらに,単一ポ
リマーのみでなく,異種ポリマーとの接合型複合,芯鞘
型複合,割繊型複合等の複合繊維としてもよい。
【0029】
【実施例】次に,本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお,実施例における物性値及び評価は次のよう
にして行った。
【0030】(1)糸揺れ 口金直下からガイドオイリングノズルに至るまでの間で
の各糸条群の糸揺れ状態を目視にて観察し,次のランク
付けをした。 ○ : 口金直下に小刻みな振動様の揺れがなく,良好で
ある。 × : 口金直下に小刻みな振動様の揺れがある。 (2)紡糸張力 同時紡糸した各糸条群の張力を,各々に対応した交絡処
理器の下流200 mmの点にてロッシールド社製のテンショ
ンメーターで測定した。 (3)太さ斑A(%) ZELLWEGER USTER 社製のウースターテスターを用い,各
糸条群の太さ変動を記録紙にとり,基準線に対する太
さ,細さのかい差率を求め,下式により太さ斑Aを算出
した。なお,太さ斑Aは,比較的短糸長の斑を測定した
値である。 太さ斑A(%)=(a+b)/2 a : 糸長5m内の最も太い部分のかい差率と最も細い
部分のかい差率を和して2で除した値 b : 続く5mのa値 (4)太さ斑B(%) 太さ斑Aと同方法で測定長を1000mとし,a,bは各々
500 m単位で算出した。 (5)紡糸糸切れ 1ワインダー当たり8糸条群を連続して引取り,24時間
当たりに発生する糸切れ回数を1糸条群当たりに換算し
て評価した。なお,糸切れとは,毛羽や単糸切れは含ま
ずに糸条群が完全に切断してしまうことを意味する。 (6)総合評価 ○ : よい。得られた製品の品質もよく,収率も高い。 × : 悪い。製品品質が劣る,又は紡糸糸切れが多く,
収率が低い。
【0031】実施例1 ポリエチレンテレフタレートチップを紡糸温度290 ℃で
溶融した後,全紡糸孔数が72であり, 紡糸孔の配列が図
6(a)と同じである紡糸口金(紡糸孔径0.4mmφ,1
つの口金板の孔数18, 外径80mmφ) を紡糸口金ホルダー
内の直径125mmの円周上に装着した装置を用い,それぞ
れの口金より毎分28.7gの割合で吐出し,4糸条群を紡
糸した。同様にして,合計2つの紡糸頭から合わせて8
糸条群を紡糸した後,各紡糸頭に対応した2基の環状吹
付装置(内径225 mmφ)を用い,毎秒0.8 mの風速で糸
条を冷却, 固化させ,次いで本発明のオイリング装置を
ガイドオイリングノズル4が口金より 120cm下方になる
ように設置し,糸条に繊維処理油剤を付与し,交絡処理
を施しつつ温度90℃,毎分3500mの速度で回転するゴデ
ーローラとこれに対応するセパレートローラからなる第
1ローラ群に7.5 回巻回した後,同じく温度128 ℃,毎
分5400mで回転する第2ローラ群との間で延伸し,1糸
条群の繊度を50d/18fとして,8糸条群を1基の高速
ワインダーに巻取った。上記で使用した本発明のオイリ
ング装置は,ガイドオイリングノズルを配置した円
1 ,糸道固定ガイドを配置した円C2 ,交絡処理器を
配置した円C3 の直径をそれぞれ220mm ,180mm ,200m
m とした。また,ガイドオイリングノズルと糸道固定ガ
イドとの距離h1 は200mm ,糸道固定ガイドと交絡処理
器との距離h2 は50mmとした。さらに,ガイドオイリン
グノズルからの油剤は1糸条群当たり毎分1.2 ミリリッ
トルとし,交絡処理器の圧縮空気の圧力は0.7kg/cm2
とした。こうして巻取られた糸条の品質及び紡糸調子を
表1に示す。
【0032】比較例1,2 ガイドオイリングノズルを配置した円C1 ,糸道固定ガ
イドを配置した円C2,交絡処理器を配置した円C3
大きさ及びガイドオイリングノズルと糸道固定ガイドと
の距離h1 と,糸道固定ガイドと交絡処理器との距離h
2 を表1に記載したように変更した以外は,実施例1と
同様に実施した。
【0033】実施例2 全紡糸孔数144 が図6(b)のように穿孔され,3糸条
群を紡出する紡糸口金(紡糸孔径0.3 mmφ) を紡糸口金
ホルダー内に装着した装置を用い,1糸条群当たり毎分
115 gで吐出した。同様にして,合計2つの紡糸頭から
合わせて6糸条群を紡糸し,実施例1と同様に冷却, 固
化させた糸条をガイドオイリングノズルに導いて油剤を
付与し,次いで交絡処理を施して実施例1と同様に延伸
した後,1ワインダー当たり6つのパッケージに繊度20
0 d/48fの糸条を巻取った。この場合,糸条群の集束
位置は口金より220cm 下方とした。ガイドオイリングノ
ズルを配置した円C1 ,糸道固定ガイドを配置した円C
2 ,交絡処理器を配置した円C3 の大きさ及びガイドオ
イリングノズルと糸道固定ガイドとの距離h1 と,糸道
固定ガイドと交絡処理器との距離h2 を表1に記載した
ように変更した。実施例及び比較例で用いた各値をまと
めて表1に記載した。
【0034】
【表1】
【0035】表1より明らかなように,実施例1,2で
は太さ斑の少ない良好な糸を,糸揺れもなく紡糸糸切れ
回数も少なく操業性よく得ることができた。一方,ガイ
ドオイリングノズルが位置する円C1 の大きさが紡糸孔
群が位置する円C0 の大きさがより小さい比較例1は,
口金直下の糸条に小刻みな揺れやキリモミ状の捩じれが
あった。また, 糸道固定ガイドと交絡処理器との距離が
短い比較例2は, 口金直下に小刻みな揺れがあり, 糸条
の屈曲がきつく, 比較例1,2ともに得られた糸条は太
さ斑が多く,さらに紡糸糸切れ回数も多く操業性に劣る
ものであった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば,連続紡糸されてくる複
数の糸条群を群間分割して良好に油剤を付与することが
でき,また, 紡糸条件が変更されても糸条群の集束位置
を変更することによって,単糸間の密着や毛羽, 単糸切
れをなくし, 操業性よく巻取ることができるコンパクト
な多錘取り溶融紡糸用オイリング装置を提供することが
可能となる。また, 多錘取り溶融紡糸用オイリング装置
を左右方向に移動可能にすれば,紡糸中に糸切れが発生
しても, 紡糸頭直下から容易に退避させて復旧作業をす
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイリング装置の配置の一実施態様を
示す概略図である。
【図2】ガイドオイリングノズル,糸道固定ガイド及び
交絡処理器の位置関係を示す概略説明図である。
【図3】本発明のオイリング装置の一実施態様を示す平
面図である。
【図4】図3のオイリング装置を用いた紡糸装置の一部
切り欠き概略図である。
【図5】紡糸工程を示す概略工程図である。
【図6】本発明のオイリング装置を用いた溶融紡糸方法
に適用される紡糸口金の例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金ホルダー 2 紡糸口金 3 環状冷却装置 4 ガイドオイリングノズル 5 糸道固定ガイド 6 交絡処理器 12 架台 15 スライド部 16 スライドレール 17 把持部材 18 昇降案内ロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−58515(JP,A) 特開 昭60−110917(JP,A) 実公 昭60−21399(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01D 1/00 - 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの紡糸頭から複数の糸条群を紡糸
    し,紡糸した各糸条群を1個の環状冷却装置で冷却,固
    化した後,各糸条群に分割し,引取りローラを介してパ
    ッケージに巻取る熱可塑性ポリマーの多錘取り溶融紡糸
    に用いるオイリング装置において,各紡糸孔群のほぼ中
    心点をQ1 ,Q2 …Qn (nは紡糸孔群数,ただし,n
    は2以上とする)とし,これらの点を通る円C0 の中心
    点をP0とし,点P0 の鉛直線上で下方に順に3つの点
    1 ,P2 ,P3 をとり,点P1を中心として円C0
    拡大投影して円C1 とし,点P2 ,P3 を中心として円
    0 を拡大もしくは縮小投影して,それぞれ円C2 ,C
    3 とし,P1 を中心とする円C1 上の点でQ1 ,Q2
    n を投影した点q1 ,q2 …qn にガイドオイリング
    ノズル,その下段のP2 を中心とした円C2 上の点でQ
    1 ,Q2 …Qn を投影した点r1 ,r2 …rn に糸道固
    定ガイド,さらに,その下段のP3 を中心点とした円C
    3 上の点でQ1 ,Q2 …Qn を投影した点s1 ,s2
    n に交絡処理器を配設するとともに,前記ガイドオイ
    リングノズル,糸道固定ガイド及び交絡処理器を1基の
    上下方向に移動可能な架台に下記式(1),(2)を満
    足するように取り付けたことを特徴とする多錘取り溶融
    紡糸用オイリング装置。 30≦h1≦500(mm) …(1) 20≦h2≦300(mm) …(2) h1:ガイドオイリングノズルと糸道固定ガイドとの距離 h2:糸道固定ガイドと交絡処理器との距離
  2. 【請求項2】 架台を左右方向に移動可能なスライド機
    構に取り付け,紡糸孔群の鉛直位置より退避可能とした
    請求項1記載の多錘取り溶融紡糸用オイリング装置。
  3. 【請求項3】 1基の架台に配設されたガイドオイリン
    グノズル,糸道固定ガイド,交絡処理器の数がそれぞれ
    2〜8個である請求項1又は2記載の多錘取り溶融紡糸
    用オイリング装置。
JP26434492A 1992-09-07 1992-09-07 多錘取り溶融紡糸用オイリング装置 Expired - Fee Related JP3176445B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26434492A JP3176445B2 (ja) 1992-09-07 1992-09-07 多錘取り溶融紡糸用オイリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26434492A JP3176445B2 (ja) 1992-09-07 1992-09-07 多錘取り溶融紡糸用オイリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0693509A JPH0693509A (ja) 1994-04-05
JP3176445B2 true JP3176445B2 (ja) 2001-06-18

Family

ID=17401862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26434492A Expired - Fee Related JP3176445B2 (ja) 1992-09-07 1992-09-07 多錘取り溶融紡糸用オイリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3176445B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100379192B1 (ko) * 1996-07-22 2003-06-11 주식회사 코오롱 합성섬유용 방사유제공급장치
KR100372738B1 (ko) * 1996-12-30 2003-04-21 주식회사 코오롱 합성섬유방사용 유제 비산방지장치
KR20110002031A (ko) * 2008-03-20 2011-01-06 인비스타 테크놀러지스 에스.에이.알.엘. 멀티필라멘트 폴리에스테르 이성분사의 멀티엔드 패키지
JP5262834B2 (ja) * 2009-02-27 2013-08-14 東レ株式会社 多糸条からなる極細合成繊維の製造方法およびその製造装置
CN103981586A (zh) * 2014-05-23 2014-08-13 苏州大学 一种超低异收缩聚酰胺6复合纤维及其制备方法
CN103981585A (zh) * 2014-05-23 2014-08-13 苏州大学 一种聚酰胺6poy/fdy复合纤维及纺丝交络一步法的制备方法
CN103981587A (zh) * 2014-05-23 2014-08-13 苏州大学 一种聚酰胺6poy/fdy交络丝及一步法制备方法
CN108842199B (zh) * 2018-09-07 2023-12-22 福建景丰科技有限公司 一种旋转切换式多路纺丝上油装置
CN115262006A (zh) * 2022-07-29 2022-11-01 江苏恒科新材料有限公司 一种fdy聚酯纤维用环形震动纺丝油嘴

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0693509A (ja) 1994-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3176445B2 (ja) 多錘取り溶融紡糸用オイリング装置
JPS6051561B2 (ja) 極細マルチフイラメント糸の製造法
JP2724214B2 (ja) 分繊用弾性糸及びその製造方法
JP5262834B2 (ja) 多糸条からなる極細合成繊維の製造方法およびその製造装置
JPH11131322A (ja) ポリエステル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法
JP2567213B2 (ja) 熱可塑性合成重合体の多錘紡糸方法
JP3842891B2 (ja) 油剤付与装置
JP3598023B2 (ja) 断糸処理装置
JPH05247715A (ja) 混繊糸の直接紡糸延伸方法
KR900005995B1 (ko) 열가소성 합성 모노필라멘트사의 정경사 제조방법
JP3837227B2 (ja) ポリエステル極細マルチフィラメントの直接紡糸延伸方法
JPS61289109A (ja) 複合糸条の溶融紡糸方法
JPH072469U (ja) 紡糸口金
JPS599015Y2 (ja) 紡糸装置
JP3992373B2 (ja) 交絡付与装置及びマルチフィラメント糸の製造方法
JPS62110913A (ja) 異収縮混繊糸の製造方法
JPH0718048B2 (ja) 高速紡糸引取方法
JP3330720B2 (ja) ポリエステルマルチフィラメント糸の製造方法
JPH0447045B2 (ja)
JPH10158929A (ja) ポリエステル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法
JP2003342825A (ja) 高中空糸用紡糸口金
JPH0231126B2 (ja)
JPS621002B2 (ja)
JPS6228404A (ja) 合成材料の前延伸モノフイラメント糸の製造法
JP2895530B2 (ja) 太繊度フィラメント糸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080406

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090406

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees