JP3330720B2 - ポリエステルマルチフィラメント糸の製造方法 - Google Patents

ポリエステルマルチフィラメント糸の製造方法

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JP3330720B2 JP03578394A JP3578394A JP3330720B2 JP 3330720 B2 JP3330720 B2 JP 3330720B2 JP 03578394 A JP03578394 A JP 03578394A JP 3578394 A JP3578394 A JP 3578394A JP 3330720 B2 JP3330720 B2 JP 3330720B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルマルチフ
ィラメントの製造方法に関し、更に詳しくは従来の高速
紡糸によつて得られる繊維よりも紡糸安定性が良く、か
つ染品位の優れたポエステルマルチフィラメントの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルマルチフィラメントを高速
度で溶融紡糸を行うと溶融押出しされたフィラメント
(単糸)が急激に細化し、固化が完成されたマルチフィ
ラメントにおいて、細化終了点(ネッキングポイント)
が発現する。このネッキングポイント形成の位置を同円
心上に一重円配列紡孔を有する紡糸口金を用い、しかも
円筒状の冷却筒との組み合わせにより円周冷却すること
により、糸切れが少なく染品位の優れたポリエステルフ
ィラメントを製造する方法が特開昭59−192711
号公報や特開昭62−6905号公報には記載されてい
る。
【0003】一方、特開平4−300319には紡孔多
重円配列により紡孔の距離、すなわち芯間距離を拡大す
ることにより多数本単糸からなるマルチフィラメントを
安定して溶融紡糸する方法が提案されている。しかし、
この方法は紡糸安定性は増すものの、染品位(染斑)の
高いマルチフィラメント糸を製造するには難点がある。
【0004】また、特開平3−294516には極細フ
ィラメントで単糸数120フィラメント以上の多フィラ
メントを溶融押し出しして、巻取速度7000m/分以
上の速度で引き取られる間にフィラメントの細化終了点
の上流15cmから下流5cm域で、しかもマルチフィ
ラメントのフィラメント群を2分割以上の複数群に分け
た分割給油法が開示されている。しかし、マルチフィラ
メントの単糸数が48本以上になると、高速紡糸下での
分割箇所が糸条細化終了点付近(上流15cmから下流
5cm)であるため急激に冷却されるためか糸切れが多
発し、トラ縞状の染斑が顕著に発生する原糸となること
が判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、引き取り速
度が5000m/分以上7000m/分以下の高速紡糸
法により、単糸数が48本以上であっても、紡糸性が良
く、染品位の優れたポリエステルマルチフィラメント糸
を得ることができるポリエステルマルチフィラメント糸
の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、5000m/
分以上7000m/分以下の引き取り速度で溶融紡糸す
ることにより単糸数が48本以上のポリエステルマルチ
フィラメント糸を製造する方法において、紡糸口金から
吐出された紡糸直後のマルチフィラメント群が冷却帯域
を通過した後、マルチフィラメントの糸条細化終了点の
下方10cmないし60cmの距離に設置した給油ガイ
ドにより、マルチフィラメント群を2分割以上に分割し
集束給油したのち合糸して引き取ることを特徴とするポ
リエステルマルチフィラメント糸の製造方法を提供する
ものである。
【0007】つまり、本発明は高速紡糸法により、染品
位の優れた多数本単糸(48本以上)を含むポリエステ
ルマルチフィラメント糸を多重円配列紡糸口金を用いて
製造する方法に関するものである。高速紡糸において紡
糸安定性および染品位を向上させるには、一重円配列紡
口と円周冷却からなる冷却筒を付帯する紡糸設備が良好
であると提案されている。(特開昭62−6905) しかし、48本以上のマルチフィラメント糸を高速紡糸
する場合は、紡孔芯間の関係から多重円配列が好ましい
ことを掴んだ。
【0008】以下に本発明を詳しく説明する。図1は本
発明のポリエステルマルチフィラメントの製造プロセス
の実施態様の例示である。ポリエステルマルチフィラメ
ントは紡糸ヘッド先端の紡糸口金(1)を経て溶融押し
出しされ、引き取り速度5000m/分以上で加熱筒
(2)冷却筒(3)を経て分割給油ガイド(4−1、4
−2)で2分割後、合糸ガイド(5)にて合糸された後
巻き取られる。冷却筒と巻取機の糸経路には複数の分割
給油ガイド(4−1、4−2)及び、合糸ガイドが糸走
方向に沿ってそれぞれ後述する位置に配置されている。
(図2に、通常の高速引き取り紡糸によるポリエステル
マルチフィラメント糸の製造プロセスを対照して示し
た。)また、溶融押し出しされたマルチフィラメント糸
は、加熱筒と冷却筒の作用を受けてドラフトされなが
ら、冷却筒の冷却帯域を通過し、冷却固化される。この
間、引取り速度によってもその位置は異なるが各フィラ
メントに細化終了点(ネッキングポイント)が発生す
る。
【0009】本発明で言う引取り速度は、ネッキングポ
イントが発生することが前提であり、その速度はポリエ
ステルの場合5000m/分以上であることを確認し
た。また、上限速度においては8000m/分以下が好
ましくそれ以上の引取り速度の場合糸切れが多くなるの
で好ましくはない。分割位置は、この糸条細化終了点の
位置との関係が極めて重要であり、その位置から下方1
0cmないし60cmの距離に複数個の分割ガイドを設
ける。分割位置が糸条細化点下方10cm未満では、巻
取張力が極度に弱められ、太巻きや、巻取り中での自動
切替が困難となる。また、分割位置が糸条細化点から6
0cmを超える位置になると、逆に巻取り張力が高めら
れ、巻き取り中の糸切れや巻姿不良となり、紡糸安定性
を著しく損なうこととなる。
【0010】フィラメント群の分割は給油ノズルを使用
するのが好ましい。また、ノズルの数により分割数を任
意に設定できる。給油液の種類は任意に選ぶことがで
き、仕上げ剤との併用を限定するものではない。例え
ば、水や加工剤溶液などを給油液として使用してもかま
わない。分割数としては、糸のフィラメント数72本ま
では2分割で良いが、それ以上120本までは3分割と
するのが望ましい。また、フィラメント数がそれ以上の
場合は、状況に応じて任意に分割することができる。
【0011】紡糸口金における紡孔配列は、図3(A)
(B)のように、フィラメントに相当する紡孔を連続環
状多重に配列したもの(以下従来型という。)、あるい
は、環状配列を、例えば図4に示すように複数の扇状多
重配列孔群に分割(以下分割型という。)したものを使
用しても良い。紡糸後のマルチフィラメント群の冷却
は、全周からの送風冷却によって行うことが好ましい。
【0012】以上のことから、紡口直下の冷却過程でマ
ルチフィラメント群を分割して走行させることができる
ので、フィラメント群の走行時に伴う随伴流の逃げをつ
くることができ、全周からの送風冷却が分割箇所より、
より通りやすくなるため、内層部フィラメント群への効
率的な冷却が行われ、実質的に紡孔芯間距離を広げたと
同様の効果が得られる。更に、分割位置をフィラメント
の細化終了点の下方10cmないし60cmの距離にす
ることで、フィラメントが充分形成されたあと給油が行
われるので、分割によるフィラメントへのダメ−ジが小
さくなり、紡糸中の糸切れを少なく出来る。
【0013】なお、本発明でいうポリエステルとは、8
5モル%以上がエチレンテレフタレートからなるポリエ
ステルをいうが、共重合成分として、イソフタール酸、
ブタンジオールなどを含んでいてもよい。また、第3成
分として制電剤、艶消剤、カチオン可染剤あるいは難燃
剤などを含んでいても良い。
【0014】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を更に詳述す
る。
【0015】
【実施例1〜5】固有粘度が0.62、艶消剤としてT
iO2 を0.5重量%含有するポリエチレンテレフタレ
−トを295℃で溶融し、巻取速度7000m/分〜5
500m/分範囲での高速紡糸にて紡糸を行った。この
際紡糸口金は、72ホールの二重円配列および三重円配
列紡孔(直径0.30mm、紡糸口金タイプ:従来型、
分割型)さらに96ホールの三重円配列紡孔(直径0.
27mm紡糸口金タイプ:従来型、分割型)を用い、表
1に示す如く150/72、150/96、100/9
6の各銘柄において各マルチフィラメント群を細下終了
点より下方10cm以上離れた給油ガイドにより2〜4
分割にして集束給油した後、合糸して巻取った。
【0016】その結果、実施例1〜5に示す如く紡糸性
は良好であり、得られた糸も染品位に優れたものであつ
た。また、このことは、繊度斑を示すU%値(ウースタ
ーテスターI;ツェルベガーウースター製)にも顕著に
表れ、紡糸中の糸揺れも小さくなる事を確認した。さら
には分割をより易く行う工夫として、図4に示す如く孔
配列をおこなった紡糸口金を用いると有効である。
【0017】
【比較例1〜4】次に、比較例として、実施例と同様の
ポリエチレンテレフタレートを用い、295℃で溶融
し、巻取速度7000m/分〜5500m/分範囲での
高速紡糸にて紡糸を行った。なお、この際紡糸口金は、
72ホールの二重円配列紡孔(直径0.30mm、紡糸
口金タイプ:従来型)さらに96ホールの三重円配列紡
孔(直径0.27mm、紡糸口金:従来型)を用い、実
施例と同じ150/72、150/96、100/96
の銘柄において各マルチフィラメント群を細下終了点よ
り下方10cm以上離れた給油ガイドにより集束合糸の
状態にて給油させ巻取った。
【0018】その結果、比較例1〜3においては、染品
位、U%値においてはかなり劣る結果であった。また、
比較例4においては、実施例2あるいは比較例1と同様
の紡糸口金を用い、染品位アップのため冷風速度を0.
60m/秒条件にて紡糸を試みた結果、染品位は向上す
るものの紡糸性が著しく損われることを確認した。
【0019】
【比較例5】実施例と同様のポリエチレンテレフタレー
トを用い、295℃で溶融し、巻取速度6800m/分
の高速紡糸にて紡糸を行った。なお、この際紡糸口金
は、72ホールの三重円配列紡孔(直径0.30mm、
紡糸口金タイプ:従来型)を用い、実施例と同じ150
/72の銘柄において、マルチフィラメント群を細下終
了点の上方10cmの位置の給油ガイドにより集束合糸
の状態にて給油させ巻取った。
【0020】その結果、染品位、U%値、紡糸性の全て
において、かなり劣る結果であった。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上の説明の如く、5000m/分以上
7000m/分以下の引き取り速度で溶融紡糸すること
によりポリエステルマルチフィラメント糸を製造する方
法いおいて、フィラメント数48本以上の銘柄であって
も、糸条細化終了点より下方10cmないし60cmの
距離に設置した給油ガイドにて2分割以上に分割し引き
取ることにより、紡糸安定性が良好で、しかも染品位の
優れたポリエステルマルチフィラメント糸を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するに好適な製糸工程を示す配置
模式図
【図2】従来の製糸工程を示す模式図
【図3】本発明の実施例および比較例で用いられた従来
型の紡糸口金
【図4】本発明の実施例で用いられた2分割もしくは4
分割の分割型の紡糸口金
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 加熱筒 3 冷風筒 4 給油ガイド 4−1、4−2 分割型給油ガイド 5 合糸ガイド A1 2重円配列紡口 B1 3重円配列紡口 A2 2分割型 B2 4分割型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/62 301 - 308 D01F 11/08 D01D 5/08 - 5/096

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5000m/分以上7000m/分以下
    の引き取り速度で溶融紡糸することにより単糸数が48
    本以上のポリエステルマルチフィラメント糸を製造する
    方法において、紡糸口金から吐出された紡糸直後のマル
    チフィラメント群が冷却帯域を通過した後、マルチフィ
    ラメントの糸条細化終了点の下方10cmないし60c
    mの距離に設置した給油ガイドにより、マルチフィラメ
    ント群を2分割以上に分割し集束給油したのち合糸して
    引き取ることを特徴とするポリエステルマルチフィラメ
    ント糸の製造方法。
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