JP3842891B2 - 油剤付与装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、引き取り後の単糸繊度が1デニール以下、トータル繊度が30デニール以上のポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維を溶融紡糸する際に、毛羽、染色斑等の品質上の問題なく、安定して連続的に製造するのに好適な油剤付与装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル、ポリアミド繊維などの合成繊維を製造する場合の油剤付与装置としては、冷却装置と交絡付与装置との間に糸条が走行する下流に向かい、スリツトオイリングノズル又はオイリングローラのいずれか一方を1段、もしくは2段で配置する装置が一般的である。
しかし、この油剤付与装置では、生産性を高めるために紡糸速度を速くするに従い糸条の集束性が悪化し、パッケージにループ状の外観欠点が生じたり、擦過による単糸切れが多発するという問題がある。また、オイリングローラのみでは、油膜抵抗によって糸長方向に繊度斑が生じたり、加工染色後の製品の品位が低下するという問題がある。
【0003】
これらの問題を解決するために、オイリングノズルで集束しながら油剤を付与した後、さらにオイリングローラで油剤を付与する方法が提案されている。(特開昭61ー19810号公報)
しかし、上記で用いられる油剤付与装置は、オイリングノズルとオイリングローラ間にガイトがあるだけなので、単糸繊度が1.0 デニール以下、トータル繊度が30デニールを超えるハイマルチフィラメント糸条を多孔群で紡糸する場合、糸条への空気抵抗が増大し、紡糸張力が高まると、油剤付与時、油膜抵抗の影響を受けやすくり、糸切れや単糸切れが生じたり、得られる糸条を製編織し、染色した後の製品の品位が低下するという問題がある。さらに、紡糸での糸切れの際に、糸がオイリングローラに捲き込まれるという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した問題点を解決し、紡糸張力を低減しつつ油剤を均一に付与することにより、高品質のポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維を連続的に操業性よく製造することができる油剤付与装置を提供することを技術的な課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、溶融紡糸装置のノズル面から糸条が走行する下流に向かい2000mm以内で、かつ、冷却装置の下流側に、スリットオイリングノズル、仕切り板、オイリングローラの順で配置してなることを特徴とする油剤付与装置を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
【0007】
図1〜3は、本発明の油剤付与装置の実施態様を示す概略工程図であり、図1は環状冷却装置を用いた紡糸装置に本発明の油剤付与装置を配置した一例を示す概略工程図、図2は横吹付装置を用いた紡糸装置に本発明の油剤付与装置を配置した一例を示す概略工程図、図3は環状冷却装置を用い、2孔群で製造する紡糸装置に本発明の油剤付与装置を配置した一例を示す概略工程図である。
【0008】
図1〜3において、溶融紡糸装置のノズル面1から糸条2が走行する下流に向かい2000mm以内に、冷却装置3、スリットオイリングノズル4、仕切り板5、オイリングローラ6の順に配置することが必要である。図中、7は交絡付与装置である。
ノズル面からオイリングローラまでの距離が2000mmを超えると糸揺れが大きくなり、糸斑が発生したり、糸切れが多発する。
【0009】
また、ノズル面1から糸条2が走行する下流に向かい、まず冷却装置3で冷却する必要があり、装置としては図1、3のような環状吹付装置、図2のような横吹付装置など製造する糸条のタイプによって適宜選択される。
【0010】
本発明の油剤付与装置の目的は、品位低下の原因の一つである糸斑を軽減するために随伴気流を乱さず、同時に紡糸張力を高めることなく、糸条を集束しつつ、必要最少量の油剤を付与するものである。そして、紡糸張力を可能な限り低くしつつ油剤を付与するため、まず、スリットオイリングノズル4を用いる必要がある。
【0011】
次に、捲き取りでの集束性の面で不足する油剤を補う必要があるが、油剤を効率よく、均一にするためにはオイリングローラ6で供給する必要がある。
【0012】
さらに、スリットオイリングノズル4とオイリングローラ6との間には、オイリングローラ6上の油膜の乱れを引き起こす随伴気流を糸条から取り除くためと、糸切れ時に糸をオイリングローラに捲き込まないために、図4(a),(b) のように糸条の通過する部分が開口8した仕切り板5を設置する必要がある。
仕切り板5の形状やサイズは特に限定されるものではなく、糸条の通過位置、作業性の面から適宜選択されるが、オイリングローラ6上の油膜に対する随伴気流よる影響を軽減するために開口部8は小さい方が好ましく、取付角度も鉛直方向に対し、15〜75度が好ましい。
【0013】
本発明の油剤付与装置では、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じてスリットオイリングガイド4以降にガイドなどを設置してもよい。
【0014】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
なお、実施例における評価は、次の方法で行った。
1.操業性
操業性の判断は、16錘(4錘/1ワインダー×4ワインダー)での1日あたりの紡糸糸切れ回数で評価し、1回/日未満が◎、1〜2未満が○、2〜3未満が△、3以上を×とした。
2.毛羽
パッケージの毛羽について外観検査を行い、下記式で算出し、欠点率が0.5 %未満が◎、0.5 〜2%未満が○、2〜4%未満が△、4%以上を×とした。
欠点率(%)=(不良パッケージ数/総パッケージ数)×100
3.ウースター斑
ZELLWEGER USTER社のUSTER TESTER UT−1を使用し、糸速度25m/分、チャート速度5cm/分にて測定し、2%未満が◎、2〜3未満が○、3〜4未満が△、4以上を×とした。
【0015】
実施例1
フェノールと四塩化エタンの等重合混合物を溶媒として温度20℃で測定した極限粘度〔η〕が0.68で、艶消し剤として酸化チタンを0.40重量%含有したポリエチレンテレフタレートを用い、図1に示す紡糸工程に従い、ポリエステル繊維を製造した。
【0016】
まず、直径0.15mmの紡糸孔を168 孔穿孔した紡糸口金を用い、紡糸温度300 ℃、吐出量31.0g/分で吐出し、ノズル面からの距離800mm の位置に設置したスリットオイリングノズルからエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合ポリエーテルを主成分とする濃度2%の油剤を1ml/分で供給し、100mm 下流に設置した仕切り板を通過させた後、さらに200mm 下流(糸条とローラとの接点までの距離)に設置したオイリングローラにより25rpm で同一の油剤を付与した。その後、交絡付与装置で交絡を付与した後、紡糸速度3500m/分で引き取り、単糸繊度0.5 dの糸条を巻き取った。
【0017】
実施例2、比較例1〜5
実施例1において、スリットオイリング、仕切り板、オイリングローラの有無、位置関係を表1に従って代えた以外は実施例1と同様に実施した。
【0018】
実施例3
フェノールと四塩化エタンの等重合混合物を溶媒として温度20℃で測定した極限粘度〔η〕が0.68で、艶消し剤として酸化チタンを0.40重量%含有したポリエチレンテレフタレートを用い、図3に示す紡糸工程に従い、ポリエステル繊維を製造した。
【0019】
まず、直径0.15mmの紡糸孔を300 孔穿孔した紡糸口金を用い、紡糸温度300 ℃、吐出量62.0g/分で吐出し、均等に2分割し、ノズル面からの距離800mm の位置に設置したスリットオイリングノズルからエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合ポリエーテルを主成分とする濃度2%の油剤を1ml/分で供給し、100mm 下流に設置した仕切り板を通過させた後、さらに200mm 下流(糸条とローラとの接点までの距離)に設置したオイリングローラで25rpm で同一の油剤を付与した。その後、交絡付与装置で交絡を付与した後、紡糸速度3500m/分で引き取り、単糸繊度0.5 dの糸条を2孔群(4錘×2孔群の4コップ )で巻き取った。
実施例1〜3及び比較例1〜5の評価結果を併せて表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
表1から明らかなように、実施例1〜3は、操業性、得られた糸条の毛羽及びウースター斑の評価がすべて良好であった。
一方,比較例1〜5では、すべての評価を満足するものはなかった。
【0022】
【発明の効果】
本発明の油剤付与装置によれば、特に単糸繊度が1デニール以下、トータル繊度が30デニール以上で高品質のポリエステル繊維やポリアミド繊維を連続的に操業性よく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) 、(b) は、環状冷却装置を用いた紡糸装置に本発明の油剤付与装置を配置した一例を示す概略正面図と側面図である。
【図2】 (a) 、(b) は、横吹付装置を用いた紡糸装置に本発明の油剤付与装置を配置した一例を示す概略正面図と側面図である。
【図3】 (a) 、(b) は、環状冷却装置を用い、2孔群で製造する紡糸装置に本発明の油剤付与装置を配置した一例を示す概略正面図と側面図である。
【図4】 (a) 、(b) は、本発明で使用する仕切り板の形状例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ノズル
2、2’ 糸条
3 冷却装置
4、4’ スリットオイリングノズル
5 仕切り板
6 オイリングローラ
7, 7’ 交絡付与装置
Claims (1)
- 溶融紡糸装置のノズル面から糸条が走行する下流に向かい2000mm以内で、かつ、冷却装置の下流側に、スリットオイリングノズル、仕切り板、オイリングローラの順で配置してなることを特徴とする油剤付与装置。
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