JP3176194B2 - 積層ポリエステルフイルム - Google Patents

積層ポリエステルフイルム

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JP3176194B2
JP3176194B2 JP26286593A JP26286593A JP3176194B2 JP 3176194 B2 JP3176194 B2 JP 3176194B2 JP 26286593 A JP26286593 A JP 26286593A JP 26286593 A JP26286593 A JP 26286593A JP 3176194 B2 JP3176194 B2 JP 3176194B2
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征二 坂本
慶英 尾崎
順尉 首藤
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三菱化学ポリエステルフィルム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層ポリエステルフイ
ルムに関するものであり、詳しくは、帯電防止性能が付
与された二軸配向積層ポリエステルフイルムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリエステルフイルムは、機械
的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、透明
性などの優れた特性を有するため、磁気記録媒体のベー
スフイルム、製版用フイルムを始めとして種々の用途に
使用されている。しかしながら、二軸延伸ポリエステル
フイルムは、他のプラスチックフイルムと同様に、静電
気が発生し易く、フイルムが帯電し易いと言う欠点があ
る。
【0003】一般に、ポリエステルフイルムの帯電防止
方法としては、有機スルホン酸塩などのアニオン性界面
活性剤タイプの低分子量化合物を練り込む方法、金属化
合物を蒸着する方法、アニオン性化合物、カチオン性化
合物または導電性化合物を表面に塗布する方法などが知
られている。
【0004】上記の各帯電防止方法は、要求される帯電
防止性能などに応じて適宜選択して採用されるが、特
に、帯電防止剤を練込む方法は、比較的容易に実施で
き、しかも、帯電防止効果も実用上充分な場合が多いた
め、好ましく使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、共押出法
による積層ポリエステルフイルムが注目され、磁気記録
用途や透明易滑が要求される用途において一部実用化さ
れている。斯かる積層フイルムは、例えば、表層のみに
粒子を配合してフイルム全体の透明性を向上させたり、
表裏の粗度を変えことが出来る等、優れた機能を発揮し
得る。特に、3層以上の層構成を有する積層ポリエステ
ルフイルムは、各層に種々の機能を与える際の自由度が
大きいため、好ましく使用することが出来る。
【0006】ところで、上記の積層フイルムにおいて
も、しばしば、帯電防止性能が求められるが、各層に多
量に帯電防止剤を配合した場合、しばしば、フイルムの
機械的特性の低下を招き、また、経済的にも不利となっ
てしまう。
【0007】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、フイルムの機械的特性を損なうこと
なく、しかも、経済的有利な条件下に帯電防止性能が付
与された積層フイルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、3層以上の積層
フイルムの両外層と内層とにおける表面固有抵抗を一定
の範囲に設計するならば、比較的少量の帯電防止剤の使
用によって優れた帯電防止性能が発揮されるとの知見を
得た。
【0009】本発明は、上記の知見に基づき完成された
ものであり、その要旨は、少くとも3層から成る共押出
積層ポリエステルフイルムであって、両外層および内層
の表面固有抵抗値が次式を満足することを特徴とする二
軸配向ポリエステルフイルムに存する。
【0010】
【数2】ρo =105 〜1012Ω/□ ρi =107 〜1014Ω/□ ρi /ρo =10〜104 (但し、ρo は両外層の各表面固有抵抗、ρi は内層を
単独でフイルム化した際の表面固有抵抗を表す。)
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるポリエステルとしては、代表的には、例えば、構
成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであ
るポリエチレンテレフタレート、構成単位の80モル%
以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチ
レン−2,6−ナフタレート、構成単位の80モル%以
上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート
であるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフ
タレート等が挙げられる。その他には、ポリエチレンイ
ソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げら
れる。
【0012】上記の優位構成成分以外の共重合成分とし
ては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成
分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸などのジカルボン酸成分およびオキ
シモノカルボン酸などのエステル形成性誘導体を使用す
ることが出来る。また、ポリエステルとしては、単独重
合体または共重合体の他に、他の樹脂との小割合のブレ
ンド物も使用することが出来る。
【0013】本発明の積層ポリエステルフイルム(以
下、「積層フイルム」と略記する。)は、3層構造を基
本とし、共押出法によって積層される。具体的には、内
層を形成するポリエステルと両外層を形成するポリエス
テルとを溶融した状態でフィードブロック又はマルチマ
ニホールドダイ等の共押出積層装置を使用して共押出を
行う。そして、得られた溶融シートを急冷して無定形の
未延伸シートとした後、常法に従い、二軸配向、熱処理
を行う。積層フイルムの各層の厚みは、通常、ギヤポン
プによりポリマー吐出量を調節することにより制御する
ことが出来る。本発明においては、必要に応じ、内層を
2層以上、すなわち、合計4層以上の層構成を採用する
ことも出来る。
【0014】本発明の積層フイルムの最大の特徴は、両
外層と内層とにおける表面固有抵抗を一定の範囲に設計
した点にある。そして、斯かる表面固有抵抗の設計は、
主として、基体のポリエステルに帯電防止剤を配合せし
めることにより行なう。具体的には、ポリエステルの製
造工程において原料中に帯電防止剤を添加する方法、製
膜時に原料樹脂中に帯電防止剤またはそれを含むマスタ
ーバッチを配合する方法が好ましく使用される。
【0015】上記の帯電防止剤としては、イオン導電性
化合物の代表例として、スルホン酸塩やリン酸塩の誘導
体を挙げることが出来る。最も典型的な例としては、ア
ルキルスルホン酸の金属塩またはアルキルベンゼンスル
ホン酸の金属塩が挙げられる。そして、これらを使用す
る場合、ポリアルキレングリコールを併用すると帯電防
止効果が増すことが多い。また、電子導電性化合物の代
表例としては、カーボンブラックを挙げることが出来
る。
【0016】本発明においては、積層フイルムの両外層
の各表面固有抵抗ρo (Ω/□)は、いずれも、105
〜1012Ω/□、好ましくは106 〜1011Ω/□、更
に好ましくは107 〜1010Ω/□の範囲でなければな
らない。両外層の各表面固有抵抗の値が105 Ω/□未
満の場合は、多量の帯電防止剤を配合することとなり、
フイルムの機械的、熱的特性が低下する。また、両外層
の各表面固有抵抗の値が1012Ω/□を超える場合は、
帯電防止効果が弱くなり、塵埃を吸着し、基材(プラス
チツクピン等)との接触が強い場合は走行性が不安定と
なる。
【0017】また、本発明においては、積層フイルムの
内層の表面固有抵抗ρi (Ω/□)は、107 〜1014
Ω/□、好ましくは108 〜1013Ω/□の範囲でなけ
ればならない。ところで、積層フイルムの内層の表面固
有抵抗は、直接測定することが出来ない。従って、上記
の値は、内層を単独でフイルム化した際の表面固有抵抗
を表し、具体的には、積層フイルムの場合と同一条件下
に内層単独をフイルム化し、得られたフイルムの表面固
有抵抗を表す。なお、内層が多数存在する場合はそれら
をブレンドし単層フイルムとした際の表面固有抵抗をρ
i とする。
【0018】本発明者らの知見によれば、積層フイルム
の両外層のみに帯電防止性能を付与してもその耐久性に
おいてしばしば不充分な場合があり、一方、内層が外層
よりも弱いが一定の帯電防止性能を付与する場合は、積
層フイルムに好ましい帯電防止効果が付与される。
【0019】すなわち、内層の表面固有抵抗ρi が10
7 Ω/□未満の場合またはρi /ρo が10未満の場合
は、しばしば、フイルムの機械的、熱的特性が損なわれ
る。また、ρi が1014Ω/□を超える場合またはρi
/ρo が104 を超える場合は、往々にして帯電防止の
効果が失なわれてしまう。従って、本発明においては、
内層の表面固有抵抗と両外層の各表面固有抵抗対との比
ρi /ρo は、10〜104 、好ましくは10〜103
の範囲にする必要がある。
【0020】本発明において、通常、積層フイルムの全
厚みは、2〜500μm、好ましくは4〜250μmと
され、その両外層の合計厚みは、積層フイルム全体に対
し1〜30%程度とされる。そして、表裏の何れか一層
の外層厚みt(μm)とρi/ρo との関係が次式を満
足する際、本発明の効果がより有効に発揮される。
【0021】
【数3】10≦ρi /ρo ≦10t/3+2
【0022】本発明の積層フイルムは、帯電防止以外の
機能、例えば、滑り性を付与するため、突起形成剤とし
て、添加粒子、析出粒子、その他の触媒残渣などを含有
していてもよい。これらの突起形成剤の種類、大きさ、
配合量は、目的とする滑り性、透明性などに応じて適宜
選択される。
【0023】更に、突起形成剤以外の添加剤として、必
要に応じ、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光線遮断剤、着色剤な
どを含有していてもよい。これらの添加剤は、本発明の
趣旨を妨げない限り、外層あるいは内層の何れに含有さ
れていてもよい。
【0024】また、本発明においては、外層の少くとも
片面に塗布層を形成するのが好ましい。外層に塗布層が
形成されて成る積層フイルムは、当該塗布層の特徴を活
かして広く利用し得る。
【0025】すなわち、ポリエステルフイルムにおいて
は、易滑性、接着性、離型性、耐摩耗性などの機能を付
与するため、所謂コーティング法により表面を変性する
ことがある。そして、本発明の積層フイルムの場合、そ
の優れた帯電防止性能により、塵埃の付着などの問題が
なく、従って、スムースにコーティングを行なうことが
出来る。
【0026】また、コーティング法の中でも、ポリエス
テルフイルムの製造工程において水系の塗布剤をコーテ
ィングした後に少くとも一方向に延伸して熱処理を施す
所謂インラインコーティング法の場合、得られる塗膜
は、通常0.01〜0.3μmと極めて薄い。従って、
本発明の積層フイルムの場合は、塗膜の上に改めて帯電
防止処理を施さなくても十分な帯電防止性能を維持する
ことが出来る。
【0027】勿論、本発明においては、必要に応じ、積
層フイルムの外層の少くとも片面に帯電防止を主たる目
的とするコーティングを行なうことは何ら差し支えない
し、それにより、帯電防止効果を確実ならしめることが
出来る。
【0028】本発明の積層フイルムは、前述の共押出法
により未延伸シートを得た後、具体的には、ロール又は
テンター方式の延伸機を使用し、次の様な条件を採用し
て製造することが出来る。
【0029】すなわち、先ず、前記未延伸シートを一方
向に延伸する。斯かる1段目の延伸温度は、通常60〜
120℃、好ましくは70〜100℃の範囲、延伸倍率
は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜7倍の範囲
とされる。次に、上記の一方向と直交する方向に延伸し
て二軸配向フイルムを得る。斯かる二段目の延伸温度
は、通常80〜130℃、好ましくは85〜120℃の
範囲、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.
5〜7倍の範囲とされる。
【0030】本発明においては、上記の各一方向の延伸
を2段階以上に分けて行う方法も採用することが出来る
が、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入る
ことが好ましい。また、同時二軸延伸法を採用し、面積
倍率が7〜20倍になる様に前記未延伸シートを同時に
二方向に延伸することも可能である。
【0031】本発明の積層フイルムは、その優れた特
性、経済性を活かし、ビデオテープ、オーディオテー
プ、フロッピィディクス、磁気カード等の磁気記録分
野、写真用、マイクロフイルム、製版用、トレーシング
フイルム等のグラフィックアーツ分野、更には、包材、
ディスプレー、建材などの分野で好適に使用することが
出来る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例中に「部」及び「%」とあるのは、それぞれ「重量
部」及び「重量%」を意味する。また、物性(特性)測
定方法および原料ポリエステルは、下記の通りである。
【0033】<表面固有抵抗>横河・ヒューレット・パ
ッカード社の同心円型電極「16008A(商品名)」
(内側電極50mm径、外側電極70mm径)に試料を
設置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計「4
329A(商品名)」で試料の表面固有抵抗を測定し
た。測定雰囲気の条件は、23℃、50%RHである。
【0034】<帯電防止性能の実用特性評価> (1)走行安定性:幅12.5mmのフイルムに張力1
00gをかけプラスチック製ピンの間を100回往復さ
せた後の巻き姿を観察し、次の3ランクに分けて評価し
た。
【0035】
【表1】 ○:全く巻き乱れが無い。 △:端部がわずかに不揃いとなる。 ×:端部がやや不揃いとなる。
【0036】(2)耐久性:エタノールを浸み込ませた
ガーゼでフイルム表面を捺拭した後に風乾する処理を5
回繰り返し、その後のフイルムの表面固有抵抗を測定す
る。そして、処理前の表面固有抵抗値と比較し、表面固
有抵抗(Ω/□)の上昇に基づく次の3ランクに分けて
評価した。
【0037】
【表2】 ○:表面固有抵抗(Ω/□)が1桁未満の上昇しか無
い。 △:表面固有抵抗(Ω/□)が1桁以上で2桁未満上昇
した。 ×:表面固有抵抗(Ω/□)が2桁以上上昇した。
【0038】<極限粘度>ポリエステルチップ又はフイ
ルム1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/5
0(重量比)の混合溶媒100mlに溶解して30℃で
測定した。
【0039】<表面粗さ(Ra)>中心線平均粗さRa
(μm)をもって表面粗さとした。そして、(株)小坂
研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を使用し、次
の様にしてRaを求めた。すなわち、フイルム断面曲線
からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部
分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍
率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表わした
際、次式で与えられた値を[μm]で表わす。
【0040】
【数4】
【0041】中心線平均粗さRaは、試料フイルム表面
から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求
めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表わし
た。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgと
し、カットオフ値は0.08mmとした。
【0042】< 原料ポリエステル> (1)ポリエステルA:平均粒径0.5μmの球状シリ
カを0.2重量%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムを1.2重量%、分子量8,000のポリエチレン
グリコールを1.0重量%含む極限粘度0.650のポ
リエチレンテレフタレート。
【0043】(2)ポリエステルB:平均粒径0.5μ
mの球状シリカを0.2重量%、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムを0.3重量%、分子量8,000の
ポリエチレングリコールを0.8重量%含む極限粘度
0.650のポリエチレンテレフタレート。
【0044】(3)ポリエステルC:平均粒径0.6μ
mのカオリンを0.05重量%、ドデシルスルホン酸ナ
トリウムを1.0重量%、分子量8,000のポリエチ
レングリコールを1.0重量%含む極限粘度0.650
のポリエチレンテレフタレート。
【0045】(4)ポリエステルD:平均粒径0.5μ
mの架橋高分子粒子を0.1重量%含む極限粘度0.6
50のポリエチレンテレフタレート。
【0046】実施例1 ポリエステルA及びBを使用し、A/B/Aの層構成と
なる様にダイス内で積層し、290℃で口金からシート
状に押出して冷却回転ドラム上で急冷し、3層構造の無
配向シートを得た。得られた無配向シートを長さ方向に
85℃で3.3倍、幅方向に95℃で3.8倍延伸した
後、225℃で2秒間熱処理を行ない二軸配向積層ポリ
エステルフイルムを得た。
【0047】得られた積層フイルムは、1μm/13μ
m/1μmの厚み構成を有するものであった。積層フイ
ルムの物性および特性の測定結果を表3に示すが、当該
積層フイルムは、含有されている帯電防止剤の絶対量が
少ないにも拘わらず良好な帯電防止性を示し、また、製
膜段階でのポリエステルの分子量の低下も少ない好まし
い積層フイルムであった。なお、ポリエステルBのみを
使用し、上記の積層フイルムの製造と同様にして単層の
二軸配向ポリエステルフイルムを得、その表面固有抵抗
を測定したところ7×1012Ω/□であった。
【0048】実施例2 実施例1において、ポリエステルA、B及びCを使用
し、A/B/Cの層構成となる様にダイス内で積層した
以外は、実施例1と同様にして、A/B/C(1μm/
13μm/1μm)の3層構造から成る二軸配向積層ポ
リエステルフイルムを得た。得られた積層フイルムの物
性および特性の測定結果を表3に示すが、当該積層フイ
ルムは、帯電防止性に優れ且つ表裏の粗度が異なる特徴
を有する有用な積層フイルムであった。
【0049】実施例3 実施例2において、A/B/Cのフイルムの厚み構成を
0.3μm/14.4μm/0.3μmとした以外は、
実施例2と同様にして二軸配向積層ポリエステルフイル
ムを得た。得られた積層フイルムの物性および特性の測
定結果を表3に示すが、当該積層フイルムは、良好な帯
電防止性を示し、また、ポリエステルの分子量の低下も
少ない好ましい積層フイルムであった。。
【0050】比較例1 実施例1において、ポリエステルAのみを使用した以外
は、実施例と同様にして15μm厚みの単層の二軸配向
ポリエステルフイルムを得た。得られたフイルムの物性
および特性の測定結果を表4に示すが、当該フイルム
は、帯電防止性には優れているものの、使用した帯電防
止剤の総量はかなり多く、また、極限粘度の低下も顕著
で満足すべきものではなかった。
【0051】比較例2 実施例1において、ポリエステルA及びDを使用し、D
/A/Dの層構成となる様にダイス内で積層した以外
は、実施例1と同様にして、D/A/D(1μm/13
μm/1μm)の3層構造から成る二軸配向積層ポリエ
ステルフイルムを得た。得られた積層フイルムの物性お
よび特性の測定結果を表4に示すが、当該積層フイルム
は、帯電性が大きく使い難いものであった。
【0052】比較例3 実施例1において、ポリエステルA及びDを使用し、A
/D/Aの層構成となる様にダイス内で積層した以外
は、実施例1と同様にして、A/D/A(0.3μm/
14.4μm/0.3μm)の3層構造から成る二軸配
向積層ポリエステルフイルムを得た。得られた積層フイ
ルムの物性および特性の測定結果を表4に示すが、当該
積層フイルムは、走行時、特に、繰り返し走行させた場
合に走行が不安定であった。
【0053】実施例4 実施例1において、長さ方向に延伸した後、その片面に
印刷インク等との接着性を向上させるためインラインコ
ーティングコートを行なった以外は、実施例1と同様に
して、片面に易接着性の塗膜を有する3層構造の二軸配
向積層ポリエステルフイルムを得た。インラインコーテ
ィングコートは、大日本インキ化学工業社製の「ファイ
ンテックスES−650」(商品名)とバイエル社製
「インプラニルDL11」(商品名)とを20:80重
量比とした10重量%水分散液を使用し、乾燥厚みを
0.03μmとした。当該積層フイルムは、インライン
コーティングコート面を接触面として走行させてもその
帯電性の上昇は少なく優れた積層フイルムであった。
【0054】
【表3】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 <フイルム層構成> 表A/B/裏A 表A/B/裏C 表A/B/裏C <表面固有抵抗(Ω/□)> 表層(ρo ) 8 ×1010 8 ×1010 8 ×1010 裏層(ρo ) 8 ×1010 7 ×109 7 ×109 内層(ρi ) 7 ×1012 7 ×1012 7 ×1012 ρi /表層ρo 1.1 ×102 1.1 ×102 1.1 ×102 ρi /裏層ρo 1.1 ×102 1.0 ×103 1.0 ×103 <極限粘度> 0.636 0.637 0.638 <Ra(μm)> 表層 0.015 0.015 0.011 裏層 0.015 0.010 0.007 <走行安定性> ○ ○ ○ <耐久性> ○ ○ ○ ──────────────────────────────────── (注)極限粘度はフイルム全体についての値を表す。
【0055】
【表4】 ──────────────────────────────────── 比 較 例 1 2 3 <フイルム層構成> A 表D/A/裏D 表A/D/裏A <表面固有抵抗(Ω/□)> 表層(ρo ) 8 ×1010 1 ×1016 8 ×1010 裏層(ρo ) − 1×1016 8 ×1010 内層(ρi ) − 8×1010 1 ×1016 ρi /表層ρo − 8×10-6 1.2 ×105 ρi /裏層ρo − 8×10-6 1.2 ×105 <極限粘度> 0.619 0.637 0.638 <Ra(μm)> 表層 0.015 0.014 0.015 裏層 (0.015 ) 0.014 0.015 <走行安定性> ○ × △ <耐久性> ○ − △ ──────────────────────────────────── (注)極限粘度はフイルム全体についての値を表す。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、フイルム
の機械的特性を損なうことなく、しかも、経済的有利な
条件下に帯電防止性能が付与された積層フイルムが提供
され、本発明の積層フイルムは、特に、磁気記録用途や
グラフィックアーツの分野で好適に使用し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 首藤 順尉 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダイアホイルヘキスト株式会社 中央研 究所内 (56)参考文献 特開 平3−121137(JP,A) 特開 平3−44636(JP,A) 特開 昭62−108053(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少くとも3層から成る共押出積層ポリエ
    ステルフイルムであって、両外層および内層の表面固有
    抵抗値が次式を満足することを特徴とする二軸配向積層
    ポリエステルフイルム。 【数1】ρo =105 〜1012Ω/□ ρi =107 〜1014Ω/□ ρi /ρo =10〜104 (但し、ρo は両外層の各表面固有抵抗、ρi は内層を
    単独でフイルム化した際の表面固有抵抗を表す。)
  2. 【請求項2】 外層の少くとも片面に塗布層が形成され
    て成る請求項1記載の二軸配向積層ポリエステルフイル
    ム。
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