JP3176117B2 - 海綿含有組成物から形成されるフィルム等の製造物 - Google Patents

海綿含有組成物から形成されるフィルム等の製造物

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JP3176117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海綿成分含有組成物
形成されるフィルム等の製造物、および海綿成分が付
着した繊維に係り、樹脂成形品、ゴム、フィルム、シー
ト、合成・人工皮革、塗料、インキ、化粧品、繊維、衣
料、おむつカバー、生理用品、内装材、建材、浴用スポ
ンジ、化粧品パフ、しっぷ薬、救急絆創膏、鮮度保持
袋、ペーパータオル、食品添加剤、医療用品(おねしょ
シーツ、あて木、使い捨て手術着、手袋)、漁網、ビニ
ールハウス用フィルム、その他あらゆる分野に利用でき
る。
【0002】
【背景技術】従来、海綿の微粉化は困難であるとされて
きた。このため、海綿粉末や細かな海綿繊維を含む組成
物については、現在見当たらない。また、海綿の利用法
も、そのままあるいは適宜な大きさに切って化粧用品、
事務用品に使用されているにすぎなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、生活関連の
あらゆる分野において品質向上の要望があり、例えば、
衣料品、車輛の内装材、建材等において、風合い、感触
の向上、吸放湿性等の機能向上等が望まれている。この
ような要望に対応するため、従来より知られている人工
素材への添加物としては、天然牛皮繊維粉末がある。こ
の天然牛皮繊維粉末は、実用に耐えるために、なめし処
理等により架橋を導入し、熱的性質を向上させる必要が
あった。しかし、なめし処理等は、作業が煩雑であるば
かりでなく、薬品の残留等の安全性の問題もある。
【0004】本発明の目的は、安全上の問題も少なく、
安価に各種製造物の風合い、吸放湿性等の機能を向上さ
せることのできる海綿含有組成物から形成されるフィル
ム等の製造物、および海綿成分が付着した繊維を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、海綿が風合
い、吸放湿性等がよく、良好な熱的性質を示し、なめし
処理を施すことなく様々な合成樹脂加工法等に幅広く適
応することができ、しかも、なめし処理を行わないた
め、安全性の高い天然素材の一つであることに着目し、
かつ、海綿を微粉化、繊維化する技術を開発したことに
よりなされたものである。
【0006】本発明は、海綿粉末あるいは海綿繊維を
合成樹脂、ゴム、化粧料等に含有させた海綿成分含有組
成物から成形されるフィルム、シート、その積層体、塗
料、インキ、繊維、海綿粉末あるいは海綿繊維を含有
する繊維仕上げ加工剤、前述の繊維仕上げ加工剤によ
り表面処理が施された繊維である
【0007】以下、本発明に用いられる海綿の原料、樹
脂、ゴム等について説明する。 (1)粉末・繊維状海綿の原料 本発明に用いられる海綿粉末及び海綿繊維の原料として
は、種々の海綿を用いることができる。具体的には、
石灰海綿綱及び海綿繊維に属する等腔目、異腔目等、
六放海綿綱に属する両盤目、六方星目等、尋常海綿綱
に属する四放海綿目、硬海綿目、磯海綿目、多骨海綿
目、単骨海綿目、角質海綿目等の海綿、あるいはこれら
を組み合わせたものが挙げられ、好ましくは尋常海綿綱
の海綿である。また、本発明に用いられる海綿粉末等の
原料として、上記の海綿そのものでもよいが、上記の海
綿を化粧、浴用スポンジ、ペン先のインク取り等に加工
する際に生ずる切断(カット)屑も使用することができ
る。これらのカット屑は従来ほとんど用途がなかった
が、本発明の原料として有効利用できる。
【0008】これらの原料を磨砕式ミル、ジョークラッ
シャー等で粗砕を行うことにより、繊維長が1cm以下の
海綿繊維を得ることができる。得られた海綿繊維は、本
出願人の出願に係る特願平3-344271号の方法に従って、
ボールミル、高速回転式衝撃粉砕機等で粉砕し、更に必
要に応じて分級、再粉砕して平均粒径100μm以下の
海綿粉末を得ることができる。海綿粉末は、酸またはア
ルカリ溶液に溶解後、気中あるいは液中に噴霧すること
によっても得られる。この粉末あるいは繊維を合成樹脂
等に配合することにより、天然素材のもつ感触、吸放湿
性、透湿性、抗菌性、紫外線カット機能を付与すること
ができる。海綿粉末、海綿繊維は漂白、染色が可能であ
り、樹脂、ゴム等との組成物に幅広く適用できる。漂白
は、前述の特許出願に記載される通り、酸化漂白法、還
元漂白法あるいは両者を組み合わせた多段漂白法等によ
り行える。
【0009】海綿粉末の粒径は、組成物を成形する場
合、小さい方が成形性に優れるが、粒径の大きい方が天
然素材の風合いが発現し易く、短繊維を配合することに
よってタッチ感、意匠性が向上する。本発明に用いる海
綿粉末は、用途を考慮して通常平均粒径が0.1μm〜
100μmのものがよく、好ましくは0.1〜60μm
である。0.1μm以下にすることは実質的に困難であ
り、100μmを越えると、種々の素材に配合して得ら
れた組成物にざらつき感がでたり、組成物の強度が低下
するといった問題が生じる。但し、吸放湿性、抗菌性、
紫外線カット等の機能を期待し、人等が接触しない部位
等に用いられる場合は、100μmを越えてもよい。こ
の点は、次に述べる繊維長についても、同様である。海
綿繊維も同様に繊維長1cm以下がよく、好ましくは0.
01mm以上5mm以下である。
【0010】本発明に用いる海綿粉末、繊維の配合量
は、1〜90wt%がよく、好ましくは1〜60wt%であ
る。1wt%未満では海綿粉末及び海綿繊維を配合したこ
とによる効果が得られない。また、配合量を増加させる
と組成物の吸放湿性、タッチ感が向上するが、強度を低
下させる原因となる。
【0011】(2)合成樹脂、ゴム等 本発明に用いられる合成樹脂としては、熱可塑性のもの
でも、熱硬化性のものでもよい。代表的な熱可塑性樹脂
としては、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチ
レン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール
樹脂、ポリカーボネート、ウレタン系、エステル系等の
熱可塑性エラストマー、セルロース系プラスチック等が
ある。代表的な熱硬化性樹脂としては、フェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエスル樹
脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、熱硬化性
ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂等がある。
【0012】本発明に用いられるゴムとしては、ジエン
系(ブタジエン−スチレン、ブタジエン−アクリロニト
リル)、多硫化物系(チオコール)、オレフィン系(エ
チレン−プロピレン、クロルスルホン化ポリエチレ
ン)、有機ケイ素化合物系、含フッ素化合物系、ウレタ
ン系、ビニル系等の合成ゴムや、天然ゴムがある。
【0013】本発明の組成物には、品質の安定化等の目
的や使用環境に応じて、この分野で通常使用される添
加剤、例えば繊維、酸化防止(抗酸化)剤、紫外線吸収
剤、紫外線散乱剤の他、充填剤、加工性改良剤、
硬化剤又は加硫剤、染料、顔料等の着色剤や、溶剤
等を必要量添加することができる。
【0014】ここで繊維としては、綿、麻、絹、毛等の
天然繊維やレーヨン、キュプラ、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ビニロン、ア
クリル、ナイロン、アセテート、ポリ塩化ビニル等の化
学繊維が挙げられる。
【0015】酸化防止剤としては、アルキルフエノー
ル、アルキレン・ビスフェノール、アルキルフェノール
・チオエーテル、β,β’−チオプロピオン酸エステ
ル、有機亜リン酸エステル、芳香族アミン、フェノール
・ニッケル複合体等がある。
【0016】紫外線吸収剤としては、フェニルサリチレ
ートのようなサリチル酸化合物;2−(2−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールのようなア
ゾール系化合物;2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン系化合物;パラアミノ安息香酸エチルのようなパラ
アミノ安息香酸化合物;シノキサートのような桂皮酸化
合物;ウロカニン酸等がある。紫外線散乱剤としては、
酸化チタン、カオリン、炭酸カルシウム、タルク等があ
る。
【0017】加工性改良剤としては、塩化ビニル用には
フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリク
レシル、リン酸トリオクチル等の可塑剤や、三塩基性硫
酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛等の安定
剤、及びステアリン酸、ステアリン酸鉛、カルナウバワ
ックス等の潤滑剤があり、ポリウレタン用にはジメチル
ホルムアミド、メチルエチルケトン、イソプロピルアル
コール等の溶剤がある。
【0018】充填剤としては、炭酸カルシウム、チタン
白、クレー、雲母等がある。加硫剤としては、粉末イオ
ウ、不溶性イオウ、表面処理イオウ等のイオウ;酸化マ
グネシウム、亜鉛等(CR,CSM,T用)等の金属酸
化物;キノイド加硫剤;過酸化物加硫剤;アミン加硫
剤;樹脂加硫剤;有機イオウ加硫剤等がある。加硫促進
剤としては、ジチオカルバミン酸鉛塩、複素環式メルカ
プタン等がある。加硫促進助剤としては、亜鉛華、ステ
アリン酸等がある。
【0019】本発明の海綿粉末あるいは海綿繊維または
それらを組み合わせたもの(以下、海綿成分という)
含有組成物を作るに際し、ペレット状、パウダー状、ブ
ロック状またはペースト状の樹脂及び/又はゴムを用い
る場合には、加熱混合あるいは混練時における発泡及び
海綿粉末または海綿繊維の加水分解を予め防止するた
め、海綿成分を乾燥し、この海綿成分と樹脂及び/又は
ゴムと、必要であれば添加剤とを加熱下に混合又は混練
し、例えばペレット状、粉末状等に加工する。液状組成
物を作る場合は、樹脂及び/又はゴムを適当な溶剤に溶
解又は分散し、これに海綿成分及び必要あれば添加剤を
加え、攪拌、混合する。何れの場合も、海綿成分と合成
樹脂及び/又はゴムとの混合割合は合成樹脂及び/又は
ゴム10〜99wt%に対し、海綿成分90〜1wt%の範
囲である。海綿成分の割合が90wt%を超えると、組成
物に脆が現れ、また1wt%未満ではその添加効果がな
い。海綿成分の混合割合は、好ましくは1wt%〜60wt
%の範囲である。
【0020】(3)フィルムまたはシート 本発明の海綿成分含有フィルムまたはシートを作るに際
し、ぺレット状、パウダー状、ブロック状又はペースト
状の樹脂を用いた場合、加熱混合あるいは混練時におけ
る発泡及び海綿粉末または海綿繊維の加水分解を予め防
止するため、海綿成分を乾燥し、この乾燥海綿成分と樹
脂と、必要であれば添加剤とを加熱下に混合または混練
し、例えばペレット状、粉体状等に加工した後、フィル
ム又はシート状に成形する。また、いったん液状組成物
としてもよく、この場合は樹脂を適当な溶剤に溶解また
は分散し、これに海綿成分及び必要あれば添加剤を加
え、攪拌、混合した後、フィルムまたはシート状に成形
する。何れの場合も海綿成分と合成樹脂との混合割合は
合成樹脂10〜99wt%に対し、海綿成分90〜1wt%
の範囲である。海綿成分の割合が90wt%を超えると、
フィルム又はシートに脆化が現れ、また1wt%未満では
その添加効果がない。ただし、合成樹脂中の海綿成分含
有量はフィルムの場合は1〜50wt%が好ましく、また
シートの場合は1〜60wt%が好ましい。フィルム又は
シートの厚さは5μm以上が適当で、海綿成分は均一に
分散していることが好ましい。海綿成分が表面に露出し
ていてもよく、この場合は更にタッチ感や温感の向上に
役立つ。成形方法としては乾式製膜、湿式製膜、カレン
ダー成形、インフレーション成形、Tダイ成形、プレス
成形等の一般的方法が利用できる。本発明の海綿成分含
有フィルム又はシートを作製する基素材としては、合成
樹脂に限らず、ゴムを用いることも可能である。
【0021】(4)積層体 (3)で述べたような海綿成分含有フィルムまたはシー
トは、それ自体で使用することもできるが、基材に、積
層して各種用途に供することもできる。また、必要に応
じてバフかけ、エンボスロール加工等により表面仕上げ
を施すこともできる。ここで使用される基材としては、
天然または化学繊維よりなる織布、編布又は不織布の
他、合成樹脂フィルムまたはシート、他の動物・植物製
蛋白質粉末あるいは繊維またはそれら組み合わせたも
のの含有フィルムまたはシート、紙等が挙げられる。
【0022】積層法としては、ポリウレタン樹脂を使用
する場合は、基材に海綿成分含有樹脂溶液を含浸する方
法、基材に前記溶液を塗布する湿式法、あるいは前記溶
液等で海綿成分含有フィルムまたはシートを作り、これ
を直接または接着剤を介して基材に積層する乾式法が挙
げられる。また、ポリ塩化ビニル樹脂の場合は、海綿成
分含有加熱溶融樹脂を押出成形やカレンダー成形により
フィルムまたはシートに成形し、これを予め接着剤を塗
布、乾燥させた基材に積層する方法が挙げられる。接着
層に海綿粉末あるいは海綿繊維を配合することで、透湿
性を向上させることができる。
【0023】具体的な積層装置を図1〜3に示す。図1
は乾式コーティング装置で、離型紙1上の海綿成分含有
樹脂溶液よりなる乾式コーティング液2は、ナイフロー
ル3によって離型紙1に所望の厚さに塗布され、乾燥機
4内で乾燥された後、冷却ロール5によって冷却され、
海綿成分含有フィルムまたはシートとなる。次いで、こ
のフィルムまたはシートの表面に接着剤6が塗布された
後、ニップロール8において、別途に供給される基材7
(含浸性でも非含浸性でもよい)と積層され、乾燥機9
内で乾燥され、更に冷却ロール10によって冷却されて
積層体11となる。一方、離型紙1はロール12に巻き
取られる。
【0024】図2は含浸コーティング装置で、含浸性基
材20は含浸槽21内に導入され、ここで海綿成分含有
溶液よりなる含浸コーティング液22が含浸され、引き
続き、マングル23によって余剰の液が絞られた後、凝
固兼水洗槽24内に導入され、ここで水25によって凝
固、水洗され、更に乾燥機26によって乾燥されて積層
体27となる。
【0025】図3は、図2の装置と類似した湿式コーテ
ィング装置で、基材30は、コーティングロール31に
よって海綿成分含有溶液よりなる湿式コーティング液3
2を塗布された後、凝固兼水洗槽33,34,35に順
次導入され、水36,37,38によって凝固、水洗さ
れ、更に乾燥機39によって乾燥されて積層体40とな
る。
【0026】以上のような本発明に係るフィルムまたは
シート、及び積層体の製造行程を図4にまとめて示し
た。
【0027】以上、本発明に係る海綿成分含有組成物
成形されるフィルム等によってできる製品群として、
次のようなものが考えられる。 ・海綿成分含有合成樹脂からなるフィルム、シートは、
各種プラスチック成形品等の製品にできる。 ・海綿成分含有ゴムからなるフィルム、シートは、靴
(靴底材、ゴム靴等用)、OA機器(ゴムロール、キー
ボード等用)、産業機器(印刷機用ゴムロール等用)、
グリップ(ゴルフ、バット、テニス、自転車等用)、ボ
ール(軟式テニス、ソフトボール等用)、車輛(タイ
ヤ、窓枠ゴム、ワイパーゴム、防振ゴム、シート、自動
車内装材、自転車ブレーキパッド等用)、事務用品(筆
記具の外筒、万年筆等のすべり止め、デスクマット、イ
ンキパッド等用)、ゴムシート(防振部材等用)、ゴム
引布(雨がっぱ等用)等の製品にできる。 ・フィルム、シート等の積層は、合成・人工皮革、コ
ート、ウインドブレーカー、スラックス、スカート、ジ
ャケット、手袋、その他の衣料品、車輛内装材、ハンド
ル用レザー、手摺被覆材、家具材(椅子、ソファ用シー
ト材、壁紙、コーナークッション材)、鞄材、靴材、靴
内装材、生理用品、おむつカバー等の製品にできる。
【0028】(5)塗料またはインキ (5−1)塗料 本発明に係る塗料には、海綿成分含有樹脂及び溶剤を含
み、必要に応じて各種添加剤、硬化剤が用いられる。本
発明の塗料に用いられる樹脂としては、例えば、塩化ビ
ニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。
好ましくは、二液型ウレタン樹脂であり、詳しくは、ア
クリル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂、
ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリカプロラクタン系ウ
レタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、シリコ
ン変性ウレタン樹脂、アミノ酸変性ウレタン樹脂、ポリ
アミド変性ウレタン樹脂が挙げられる。
【0029】本発明に係る塗料の溶剤としては、例えば
炭化水素系(トルエン、キシレン等)、アルコール系
(エタノール、シクロヘキサノール等)、エステル系
(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン系(アセトン、
シクロヘキサノン等)、エーテル系(エチレングリコー
ルモノエチルエーテル等)が単独で、または混合して用
いられる。添加剤としては、沈降防止剤、分散剤、紫外
吸収剤、紫外線散乱剤等がある。また、硬化剤として
は、ポリイソシアネート等がある。
【0030】塗料において、本発明のように海綿粉末あ
るいは海綿繊維を配合することで、良感触性、吸放湿
性、抗菌性、つや消し性、指紋付着の抑制、紫外線カッ
ト等の特性を付与することができる。
【0031】本発明の塗料の主な用途は、音響製品(T
V、オーディオ、ビデオ、ラジカセ)、OA機器、自動
車内装、外装部品、電子、電気部品、化粧品容器、漆
器、食器、一般雑貨、その他のあらゆる分野にわたる。
【0032】(5−2)インキ インキの組成は、使用目的、方法等により異なるが、一
般的に、顔料、樹脂、溶剤及び添加剤を主な構成素材と
している。顔料には着色顔料、体質顔料等があり、樹脂
は接着性、顔料の分散性、印刷適性等により選択され
る。溶剤は樹脂を溶解するものであり、印刷適正、乾燥
性等により選択され、毒性、環境公害等の面から紫外線
硬化タイプ(無溶剤型インキ)も増加している。添加剤
には消泡剤、レベリング剤、印刷適性の付与剤、粘度調
整剤がある。レベリング剤としては、シリコーン系、フ
ッソ系、アクリル系、界面活性剤等が用いられ、0.5
〜1.0wt%添加される。
【0033】樹脂の種類は用途、被印刷物の種類によ
り、アクリル系、塩・酢ビ系、ポリエステル系、セルロ
ース系、エポキシ系、メラミン系、各種ポリオール、ア
ルキド系、環化ゴム系、各種エラストマー、各種アクリ
レート樹脂等を単独または併用で使用する。更に、イン
キに一般的に使用される溶剤は以下の通りであり、単独
または併用される。アルコール系溶剤(エタノール、イ
ソプロピルアルコール等)、エーテル系溶剤(n−ブチ
ルエーテル、ジオキサン等)、ケトン系溶剤(MIBK:メ
チルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール、ジク
ロヘキサン、イソホロン等)、多価アルコール、誘導体
(エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブア
セテート、酢酸ブチルセロソルブ、ブチカルブビトール
等)芳香族炭化水素系溶剤(キシロール、ソルベントナ
フサ等)、脂肪族炭化水素系溶剤(ミネラルスピリット
等)、ハロゲン系溶剤(トリクロルエチレン、0−ジク
ロルベンゼン等)等である。
【0034】各被印刷物に対するインキの種類は、次の
通りである。紙に用いられるインキの樹脂は、石油樹
脂、ロジン誘導体、環化ゴム、塩化ゴム、塩素化PP(ポ
リプロピレン)、ポリブタジエン、ポリブテン、EVA
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、硝化綿、アルキッ
ド等であり、溶剤は、ターペン、テレピン油、キシロー
ル等である。硬質塩ビ(看板類に使用される)用のイン
キの樹脂は、塩ビ、酢ビ共重合樹脂等であり、溶剤は、
キシロール、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート
等である。軟質塩ビ(スキー用・ゴルフ用手袋等の合成
皮革、壁紙、ハンドバック、シューズ、玩具等に利用さ
れる)用のインキの樹脂は、塩ビ、酢ビ共重合樹脂等で
あり、溶剤は、キシロール、ブチルセロソルブ等であ
る。アクリル(屋内装飾、屋外成型看板等に利用され
る)用のインキの樹脂は、アクリル樹脂等であり、溶剤
は、ブチルセロソルブ、ダイアセトンアルコール等であ
る。ポリエステル(ステッカー類、電気製品、フロント
パネルに利用される)用のインキの樹脂は、線状飽和ポ
リエステル、ポリウレタン樹脂等であり、溶剤は、セロ
ソルブアセテート、キシロール等である。ポリカーボネ
ート(電気製品、フロントパネルに利用される)用のイ
ンキの樹脂は、塩ビ・酢ビ共重合樹脂、ポリエステル樹
脂等であり、溶剤は、ブチルセロソルブ、キシロール等
である。ポリスチレン(食品容器に利用される)用のイ
ンキの樹脂は、アクリル樹脂等であり、溶剤は、ブチル
セロソルブ、n−ブタノール等である。ポリオレフィン
用のインキの樹脂は、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、
塩素化PP、石油樹脂、EVA 、ポリウレタン樹脂等であ
り、溶剤は、キシロール、n−ブタノール、セロソルブ
アセテート、酢酸ブチル等である。ナイロン用のインキ
の樹脂は、ポリウレタン樹脂、二液型ポリウレタン樹
脂、エーテル化ナイロン12等であり、溶剤は、酢酸ブ
チル、キシロール等である。合成皮革用のインキの樹脂
は、ウレタン樹脂、二液型ポリウレタン樹脂等であり、
溶剤は、DMF (ジメチルホルムアミド)、1.4 −ブタン
ジオール、エチレングリコール等である。金属、ガラ
ス、陶磁器用のインキの樹脂は、アルキッド樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等であり、溶剤は、セロソ
ルブアセテート、キシロール、ブチルセロソルブ、n−
ブタノール、ダイアセトンアルコール等である。
【0035】(5−3)塗料、インキに配合する海綿粉
末、繊維 本発明に係る塗料に配合する海綿粉末、繊維の配合量は
1wt%〜90wt%、好ましくは1wt%〜60wt%であ
り、粒径は100μm以下、好ましくは30μm以下で
ある。繊維長は1cm以下、好ましくは5mm以下である。
配合量が多過ぎると基板との接着性が低下したり、覆膜
の強度が低下する。また、粒径や繊維長の値が大き過ぎ
ると、触れたときに異物感が感じられる。インキにおい
て、本発明のように海綿成分を配合することで、良感触
性、吸放湿性、抗菌性、つや消し性、指紋付着の抑制、
紫外線カット等の特性を付与することができる。
【0036】(5−4)塗布または印刷方法 本発明に係る塗料の塗布方法は、一般の塗料と同様であ
り、刷毛塗り、浸漬、噴霧、その他である。
【0037】本発明に係るインキの印刷方法も一般のイ
ンキと同様であり、具体的には次の通りである。スクリ
ーン印刷は、包装紙、紙箱、封筒、カード、ポスター、
文具、プラスチック、ステッカー、軟質ビニル玩具、ネ
ームプレート、Tシャツ、銘板等の印刷に用いられる。
グラビア印刷は、包装紙、紙箱、封筒、カード、ポスタ
ー、ラベル、包装用フィルム(PVC :ポリ塩化ビニル、
処理PP)、建材(壁紙、机等)等の印刷に用いられる。
熱転写プリントは、カジュアルウェア、スポーツウェ
ア、レインコート等の衣料、寝具、手袋、傘、バッグ、
レザー製品、蒔絵等の印刷に用いられる。
【0038】(6)油性化粧料 般に油性化粧料としては、例えば口紅、マスカラ、ア
イライナー、マニキュア、ファンデーション、制汗ステ
ィック等が知られている。これらの油性メークアップ化
粧料に海綿粉末あるいは海綿繊維またはそれらを組み合
わせたもの(海綿成分)を配合することにより、本発明
者は、自然な艶や、しっとり感、帯電防止、紫外線カッ
ト等の作用を付与できることを見出した。例えば、爪を
補強する目的でマニキュアの下地に塗布するベースコー
トには、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、木綿、羊
毛、麻、絹等の繊維が均一に分散されている。このよう
なベースコートに、長さ0.1mm〜5mm好ましくは0.
5mm〜3mmの海綿繊維を配合することにより、しっとり
感、抗菌性、紫外線カット効果等を付与することができ
る。
【0039】
【0040】他の動物性蛋白質繊維や粉末でも、海綿と
似たしっとり感を与えることが考えられるが、海綿は未
処理の状態でも熱的性質が良好で、なめし等で架橋を導
入する必要が無く、直接皮膚に使用する場合にも安心し
て利用できる。
【0041】本発明の化粧料に用いられる油成分は、従
来一般に油性化粧料に広く配合されているものと同様で
あり、例えばカルナウバろう、蜜ろう、セレシン、流動
パラフィン、スクワラン、固形パラフィン、ステアリン
酸、バチルアルコール、オリーブ油、ワセリン、ベヘニ
ルアルコール、ラノリン、イソプロピルミリステート、
セタノール、2−エチルヘキサン酸トリグリセリン等が
挙げられる。海綿成分の配合量は、油性化粧料全体に対
して1〜90wt%、好ましくは1〜60wt%の範囲で配
合される。また、他の化粧料成分のうち、海綿成分以外
の顔料または粉体や繊維についても、従来一般に油性化
粧料に用いられているものでよく、油性化粧料全体に対
して、0.1〜40wt%の範囲で配合される。
【0042】本発明の油性化粧料は、上記の必須成分に
加えて、必要に応じて保湿剤、各種薬効成分、活性剤、
香料、防腐剤等が配合される。
【0043】(7)繊維 本発明に係る海綿成分を、合成繊維、半合成繊維、再生
繊維の紡糸原料化合物の少なくとも一種以上混練し、
この混練組成物を紡糸して得られる繊維、あるいは、海
綿成分を付着させる繊維に用いられる基素材としては、
次のものがある。合成繊維としては、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビリニデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリウレタン等があり、半合成繊
維としては、アセテート、ジアセテート、トリアセテー
ト等があり、再生繊維としては、レーヨン等がある。
【0044】紡糸法としては、溶融紡糸、乾式紡糸、乾
湿式紡糸、湿式紡糸等の一般的方法を用いることができ
る。海綿成分の添加率は1〜60wt%、好ましくは1〜
30wt%である。海綿粉末の粒径は、平均粒径20μm
以下、好ましくは10μm以下である。添加率が多いま
たは粒径が大きくなると、糸切れが生じ易く、紡糸が困
難となり、紡糸された繊維の強度も低下する。繊維にお
いて、本発明のように海綿成分を配合することで、良感
触性、吸放湿性、抗菌性、紫外線カット効果を付与する
ことができる。また、この繊維で作られた織布、不織布
等の布にも同様の特性が発現する。
【0045】また、海綿成分は繊維基素材内に混練する
ものに限らず、紡糸した繊維表面に、後述する繊維仕上
げ加工剤を用いた処理を行い、海綿粉末及び/又は海綿
繊維を付着させ、紡糸した繊維表面を覆うことによって
も、混練と同様な効果が得られる
【0046】(8)繊維仕上げ加工剤 本発明に係る海綿成分組成物のうち、繊維仕上げ加工剤
に用いられる合成樹脂としては、例えばポリウレタン樹
脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等が
ある。
【0047】各繊維仕上げ加工と、その加工に用いられ
る樹脂並びにその樹脂の特性は、次の通りである。超ソ
フト加工には、主にシリコン樹脂、ポリウレタン樹脂が
用いられる。シリコン樹脂は、超ソフト感、ドレープ性
の面からアミノ変性シリコンが主に用いられる。ポリウ
レタン樹脂は、柔軟性の他にボリューム感、反発感、ド
ライ感を付与し、シリコン樹脂と併用した場合、その効
果は大きい。超ソフト加工において、吸水性付与のため
に一般柔軟剤を、また、ボリューム感やドライ感を付与
する目的で硬仕上剤を少量併用する場合もある。ピーチ
スキン加工は、繊維素材をエメリー起毛し、シリコン樹
脂(ソフトタッチ感を付与)、ポリウレタン樹脂(ボリ
ューム感、反発感を付与)をパッドもしくはコーティン
グすることにより得られる。その他の加工としては、撥
水・撥油加工にフッ素樹脂が用いられ、耐久性抗ピル加
工にポリウレタン樹脂とポリエステル樹脂との併用が、
目詰め加工にポリウレタン樹脂(ふとん地用吸水タイ
プ)、あるいは、シリコン樹脂とフッ素系撥水剤との併
用(アウター用)がされる。
【0048】繊維加工仕上げ剤に用いられるウレタン樹
脂は、一液型(熱可塑性)のものは表面強度が強く最外
層に用いられ、二液型(熱硬化性)のものは密着性能を
有するため、繊維との結合層に多用される。
【0049】繊維には、高性能・高機能化が重要な課題
として残っている。例えば、家具、車輛用としては、高
耐久性が、スポーツ衣料としては防水性を保持して透湿
性を付与する透湿機能が要求されている。前者について
は、抗ピル加工等により解決している。一方、後者につ
いては、従来は、ウレタンのソフトセグメントへの親水
性成分の導入によって発現する吸収・放出機構を活用し
たり、ソフトセグメントに立体的なヘリックス構造をと
る特殊な成分を導入し、その立体構造の間隙の透過機構
を活用しているが、高価であり、必ずしも十分な透湿機
能をはたしていない。
【0050】これに対し、本発明のように、繊維の仕上
げ加工剤に海綿成分を配合することによる有利点は、次
の通りである。各種仕上げ加工剤に海綿成分を配合する
だけで、吸放湿機構を付与することができる。天然素材
様のタッチ感を付与することができ、抗菌性や紫外線カ
ット効果を付与できる。
【0051】仕上げ加工剤に加える海綿粉末としては、
平均粒径60μm以下、詳しくは平均粒径30μm以下
が好ましく、60μmを越えるとざらつき感が出る。海
綿繊維の繊維長は5mm以下が好ましく、5mmを越えると
ざらつき感が出る。海綿成分の配合量は1〜60wt%が
好ましく、多過ぎると着性低下を生ずる。
【0052】
【作用】本発明における海綿成分含有組成物から形成さ
れるフィルム等の製造物においては、その使用時に感触
が良いばかりでなく、良好な吸放湿性、熱的性質を示
し、かつ、抗菌性、安全性、紫外線カット性等の良好な
作用をする。例えば、樹脂成形品等においては、前述の
ような各良好な特性を示す。この他、内装材、建材等に
おいては、良感触性、良吸放湿性、抗菌性等の作用を示
し、衣料、おむつカバー、生理用品、浴用スポンジ、化
粧品パフ、しっぷ薬、救急絆創膏等においては、皮膚に
優しく、良感触性、抗菌性等の作用があり、鮮度保持
袋、ペーパータオル、食品添加剤等においては、良好な
抗菌性を示し、医療用品(おねしょシーツ、あて木、使
い捨て手術着、手袋)等においては良好な抗菌性、良感
触性ばかりでなく、高い安全性も示し、更に、漁網、ビ
ニールハウス用フィルムにおいては良好な抗菌性を示
す。
【0053】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例と比較例とで説
明する。
【0054】実施例1 海綿粉末、繊維の製造方法 原料として、海綿をスポンジ等に加工する際に出るカッ
ト屑を用い、この原料海綿屑を磨砕式ミルにより繊維長
1cm以下になる迄粗砕を行う。本発明の海綿繊維は、こ
の繊維状粗砕品を利用した。この粗砕品をボールミルに
より、平均粒径30μm以下になる迄粉砕し、この粉砕
品を気流式ミルにより微粉化を行ない、平均粒径5μm
の粉末を得た。これら海綿繊維と海綿粉末を以下の各実
施例に使用した。
【0055】フィルムの作製 大日精化工業株式会社製の一液型ポリエステル系ポリウ
レタン樹脂溶液であるレザミンME-3612LP をフィルム原
料とし、海綿粉末含有フィルム(海綿フィルム)を作製
し、参照試料として海綿粉末を含まないフィルム(ブラ
ンクフィルム)を作製した。
【0056】作製工程は次の通りである。200mlビ
ーカーにレザミンを100g採取する。このレザミン中
の不揮発分は30wt%である。このレザミンに溶剤と
なるDMF (ジメチルホルムアミド)/MEK (メチルエチ
ルケトン)=1/1溶液を60g混合する。この混合
液に対し、海綿粉末を、所定の、具体的にはレザミンの
不揮発分に対して次の(a), (b), (c) の各重量濃度にな
るように、各重量づつ入れる。 (a)20 wt%−6g、(b)30 wt%−9g、(c)50 wt%−15g 粉末混入後、薬さじを用いて均一になるまで攪拌した
後、ラップで密閉し、24時間室温で放置して脱泡す
る。この後、泡が入らないように再度ゆっくり攪拌
し、図5に示すように、フィルムアプリケーター50上
にセットした離型紙51上に、この溶液52を適量たら
す。コーティングバー53を定速で図中右方に移動さ
せ、フィルムをひく。この際、膜が20μmになるよ
うに、離型紙51の上下縁近傍には、テープ54を貼っ
ておく。アプリケータ50を80°Cにセットした乾
燥オーブン中で約10分間放置し、溶剤を気化させて樹
脂溶液をフィルム化させる。気化後、離型紙51から
フィルムをはがして所望のフィルムを得る。
【0057】比較例1 実施例1と同様の方法で海綿粉末を入れないフィルムを
作製した。
【0058】吸放湿性試験 試料は、実施例1として作製した海綿フィルム(a) 〜
(c) のうち、海綿成分30wt%の(b) のもの及び比較例
1として作製したブランクフィルムを用いた。
【0059】試験方法 フィルム膜厚を測定し、同一の厚さのフィルムを選定
する。 12cm×12cmにフィルムを切断する。 12cm×12cmアルミ板上にフィルムを載せ、測定面
が10cm×10cmになるように周りにビニールテープを
貼る。 温度23°C、相対湿度(RH)30%の恒温恒湿槽にサ
ンプルを入れる。 この状態で12時間以上放置する。 恒温恒湿槽からサンプルを取り出して重量を測定し、
記録する。 次いで、2台目の恒温恒湿槽(30°C、80%RH)
に速やかにサンプルを入れる。 1時間おきに4時間目まで重量測定を行い、その値を
記録する。この際、での測定値との重量差が吸湿量と
なる。 1台目の恒温恒湿槽に再びサンプルを入れ、1時間お
きに4時間目まで重量測定を行い、その値を記録する。
での4時間目の測定値との重量差が放湿量となる。
【0060】試験結果を表1に示す。表1によれば、本
実施例に係る海綿粉末を配合したフィルムの吸放湿性が
高いことが分かる。なお、この試験方法は、単位面積当
りの透湿度であるが、重量当りの吸放湿性を測定しても
よい。
【0061】
【表1】
【0062】透湿度試験 試料は、実施例1として作製した海綿フィルム(a) 〜
(c) のうち、海綿成分20wt%の(a) のもの及び比較例
1として作製したブランクフィルムを用いた。
【0063】試験方法はJIS L1099-A1に準じて行った。
【0064】試験結果を表2に示す。表2によれば、本
実施例に係る海綿粉末を配合したフィルムの透湿度が高
いことが分かる。
【0065】
【表2】
【0066】抗菌力試験 試料は、実施例1として作製した海綿フィルム(a) 〜
(c) のうち、海綿成分50wt%の(c) のもの及び比較例
1として作製したブランクフィルムを用いた。
【0067】試験方法は、AATCC Method 100に準じて行
った。すなわち、5cm×5cmに切断したフィルム上に大
腸菌の菌液を滴下し、35°Cに保存して経時的に生菌
数を測定する。菌液は、普通ブイヨン培地(栄研化学
製)で35°C、18〜24時間培養後、減菌生理食塩
水を用いて菌数が105〜106 個/mlとなるように調
製した。
【0068】試験結果を表3に示す。表3によれば、3
時間後には、本実施例に係る海綿フィルム上の生菌数
は、ほぼ0となり、海綿フィルムに抗菌作用があること
が分かる。
【0069】
【表3】
【0070】紫外線透過試験 実施例1として作製した海綿フィルム(a) 〜(c) のうち
海綿成分30wt%の(b) のもの及び比較例1として作製
したブランクフィルムを用いた。
【0071】試験方法は、島津製作所製島津自記分光光
度計UV-240型で積分球を用いて透過測定を行った。
【0072】試験結果を図6に示す。一般に紫外線(1
80nm〜400nm)のうち、180〜290nmは地上に
は到達しない。290〜320nmは皮膚が赤くはれる、
火照る、水泡ができる等の害をおよぼす。320〜40
0nmは黒くやけ、シミやシワの原因、老化の促進等の害
がある。従って、400nm以下の波長を減少させること
が人体にとって有効である。図6によれば、本実施例に
係る海綿フィルムは290〜400nmの紫外線をカット
していることが分かる。
【0073】実施例2 軟質塩化ビニル樹脂(信越ポリマー社製、可塑剤38wt
%含有、重合度平均3000)80wt%に対し乾燥海綿粉末
を20wt%混合し、これを160°Cに加熱混練してシ
ート状に加工後、ペレット化した。次に、このペレット
をプレス成形機で厚さ400μmのシートに成形した。
【0074】実施例3(乾式合成皮革) 図1の乾式コーティング装置を用いて、離型紙上に、乾
式コーティング液として、乾燥海綿粉末を固型分基準で
6wt%配合した乾式用ポリウレタン樹脂溶液に助剤を少
量添加した液を塗布し、130°Cで乾燥して20μm
厚の海綿粉末含有ポリウレタンフィルムを形成する。こ
のフィルムを、接着剤として乾燥海綿粉末を固型分基準
で5wt%配合したポリウレタン系接着剤を用いて1デニ
ール、目付70g/m2のポリエステル不織布よりなる基
材に接着し、140°Cで乾燥して40μm厚の海綿粉
末含有ポリウレタン樹脂層を有するシートを、乾式合成
皮革用として製造した。
【0075】実施例4(湿式合成皮革) ナイロン50wt%とテトロン50wt%との混紡繊維の織
布よりなる基材に、湿式コーティング液として、乾燥海
綿粉末を固形分基準で30wt%配合した湿式用ポリウレ
タン樹脂溶液に充填剤を少量添加した液を、図3の湿式
コーティング装置で塗布し、140°Cで乾燥して0.
7mm厚の海綿粉末含有エステル系ポリウレタン樹脂層を
有するシートを、湿式合成皮革用として製造した。
【0076】実施例5(人工皮革) 2デニール、目付70g/m2のポリエステル不織布より
なる基材に、含浸コーティング液として、乾燥海綿粉末
を固形分基準で25wt%配合したエステル系ポリウレタ
ン樹脂溶液(樹脂固形分15wt%)に充填剤を3部添加
した液を、図2の含浸コーティング装置を用いて乾燥重
量で30g/m2含浸し、130°Cで乾燥した。次に、
この含浸処理基材に、湿式コーティング液として、乾燥
海綿粉末を固形分基準で30wt%配合したエステル系ポ
リウレタン樹脂溶液(樹脂固形分15wt%)に前記と同
じ充填剤と発泡剤を添加した液を、図3の湿式コーティ
ング装置で塗布し、130°Cで乾燥して0.4mm厚の
多孔質ポリウレタン樹脂層を有するシートを、人工皮革
用として製造した。
【0077】比較例2〜5 海綿粉末を用いなかった他は、実施例2〜5に従ってそ
れぞれシートまたは積層体を製造した。
【0078】吸放湿試験 次に、以上のようにして得られたフィルム、シート及び
積層体について、吸湿量、放湿量の性能を試験した。試
験方法は、実施例1の吸放湿性試験と同じである。ただ
し、測定時間は1時間迄は20分(1/3時間)おき
に、それ以降は1時間おきに24時間まで行った。
【0079】その結果を表4に示す。表4によれば、本
実施例品の方が吸放湿性が高いことが分かる。
【0080】
【表4】
【0081】官能試験 実施例2〜5及び比較例2〜5に対してタッチ感試験を
10人で行ない、以下の要領で評価してもらった値の平
均点で性能を判断した。この試験は、表面を手で触れて
比較するものである。5点−非常にタッチ感がよい、4
点−タッチ感がよい、3点−普通、2点−タッチ感が悪
い、1点−非常にタッチ感が悪い。
【0082】その結果を表5に示す。表5によれば、本
実施例の方がタッチ感が良好であり、比較例品は普通以
下であることが分かる。
【0083】
【表5】
【0084】実施例6 実施例1で製造した乾燥海綿繊維30wt%に対しL-LDPE
(直鎖状低密度ポリエチレン、出光石油化学株式会社製
モアテック1018T )が70wt%になるように、両者を混
合し、これを170°Cに加熱、混練した後、押し出し
によりペレット化し、これを射出成形して板状の射出成
形品(縦×横×厚さ=80mm×80mm×3mm)を得る。
【0085】成形品のテスト この成形品を30°C、95%RHの雰囲気中に24時間
放置した後、成形品表面における白粉発生の有無をチェ
ックしたところ、白粉の発生はなかった。
【0086】実施例7 バンバリーミキサーで予め180°Cに溶融させた熱可
塑性ポリウレタンエラストマー(武田−バーディッシュ
ウレタン工業製エラストランC80A10)70wt%に対し、
実施例1で製造した乾燥海綿繊維が30wt%になるよう
に両者を混練し、得られた混練ブロックを練ロールでシ
ートとし、このシートから造粒後、実施例6と同様に成
形して同サイズの射出成形品を製造した。この成形品を
実施例6と同じテスト法でチェックしたところ、白粉の
発生はなかった。
【0087】実施例8 実施例1で製造した乾燥海綿繊維30wt%に対し、EPDM
(エチレン−プロピレンターポリマー)(出光DSM 社製
KELTAN・1S-50A)が70wt%になるように、両者を混合
し、更にこの混合物100重量部に加硫剤1.5重量部
を添加し、これを表面温度40〜60°Cの練ロールで
混練し、直ちにこれをプレス成形し、板状のプレス成形
品(縦×横×厚さ=150mm×150mm×1mm)を得
る。この成形品を実施例6と同じテスト法でチェックし
たところ、白粉の発生はなかった。
【0088】実施例9 実施例1で製造した乾燥海綿繊維30wt%に対しブタジ
エン樹脂(日本合成ゴム社製RB820 )が70wt%になる
ように両者を混合し、これをバンバリーミキサーを用い
て110°C〜130°Cの温度で混練し、更に2本ロ
ールでシート化後、ペレットとした。次に、このペレッ
トをプレス成形して板状のプレス成形品(縦×横×厚さ
=150mm×150mm×1mm)を製造した。このものを
実施例6と同じテスト法でチェックしたが、白粉の発生
はなかった。
【0089】実施例10 実施例1で製造した乾燥海綿繊維30wt%に対し、重合
度800〜1000で平均粒径150μmのストレート塩化
ビニル樹脂100重量部と、可塑剤としてジオクチルフ
タレート70重量部と、重合度1000〜1300で平均粒径1
0μmの改質用ストレート塩化ビニル樹脂パウダー30
重量部とからなるパウダースラッシュ剤が70wt%にな
るように、乾燥海綿繊維とパウダースラッシュ剤とを混
合する。これをヘンシェルミキサーを用いて150 〜170
°Cの温度で攪拌し、得られた粉末を、230 °Cの温度
に保持された金型へ注入し、約10秒間成形後、未溶融
分を除去し、更に40秒間成形して板状のスラッシュ成
形品(縦×横×厚さ=100mm×100mm×2mm)を得
た。実施例6と同様にチェックの結果、成形品表面に白
粉は見られなかった。
【0090】比較例6〜10 実施例6〜10とそれぞれ同様の方法で、海綿繊維を含
まない射出成形品を得て、それぞれ比較例6〜10とし
た。
【0091】官能試験 実施例6〜10及び比較例6〜10に対し、実施例2〜
5等と同様の要領でタッチ感試験を行い、その結果を表
6に示す。表6によれば、本実施例品はタッチ感が良好
であり、比較例品は普通以下であることが分かる。
【0092】
【表6】
【0093】実施例11 樹脂にポリエステルポリオール、硬化剤にポリイソシア
ネート詳しくはHMDI三量体を用いた主剤に対して、実施
例1で製造した海綿粉末を20wt%加え、溶剤にトルエ
ン、キシレン、酢酸ブチルの混合溶剤、添加剤に分散
剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤を加えて成る塗料をABS
樹脂の平面上に吹き付け塗膜させた。比較例11 実施例11と同様で海綿粉末を含まない塗料を作製し、
ABS 樹脂の平面上に吹き付け塗膜させた。
【0094】官能試験 実施例11及び比較例11に対し、10人のタッチ感試
験により、タッチ感、指紋付着性について4段階評価に
よる試験を行った。その結果を表7に示す。表7によれ
ば、実施例品はタッチ感が極めてよく、指紋も付き難
く、一方、比較例品はタッチ感が悪く、指紋が付き易い
ことが分かる。
【0095】
【表7】
【0096】実施例12 表8に示す配合から成るインキに、実施例1で製造した
海綿粉末を樹脂に対して20wt%含んだインキを作製
し、このインキを発泡ポリスチレンシート上に印刷し
た。
【0097】
【表8】
【0098】比較例12 実施例12と同様で海綿粉末を含まないインキを作製
し、このインキを発泡ポリスチレンシート上に印刷し
た。
【0099】官能試験 実施例12及び比較例12に対し、10人による官能試
験を行ない、タッチ感、指紋付着について4段階評価し
てもらった。その結果を表9に示す。表9によれば、本
実施例品はタッチ感が良好で、指紋が付き難く、一方、
比較例品はタッチ感が悪く、指紋が付着しやすいことが
分かる。
【0100】
【表9】
【0101】次に、油性化粧料において、実施例1で製
造した海綿粉末を配合した実施例、(実施例13〜1
5)、及び従来から用いられている親油性界面活性剤を
配合した比較例(比較例13〜15)により、本発明を
更に詳説する。なお、以下の化粧料に関する実施例等に
おける配合割合は、重量部である。
【0102】実施例13、比較例13(アイライナー) アイライナーに、実施例1で製造した海綿粉末を配合
し、本発明の効果を調べた。製法は、次の通りである。
表10のA欄に示す割合で混合したものを加熱溶解させ
た後、B欄に示す成分を加え混合し、三本ロールで分散
させ、実施例13及び比較例13のアイライナーを得
た。
【0103】
【表10】
【0104】帯電性試験 実施例1で製造した海綿粉末を含む実施例と、含まない
比較例品とを次に示す帯電性試験により比較した。負に
帯電した10cm四方のナイロン製布をスタンドからつる
し、これに、本実施例品及び比較例品のアイライナーを
それぞれ約0.1gを付着させたステンレス製のミクロ
スパチュラ(小型のさじ)を10cmの距離に近づけ、ア
イライナーの放散状態を調べた。その結果、本実施例品
ではアイライナーは全く放散しなかったが、比較例品で
は著しく放散してナイロン製布を汚した。
【0105】実施例14、比較例14(制汗スティッ
ク) 次に、制汗スティックにおける実施例1で製造した海綿
粉末の有無による効果を比較した。製法は、次の通りで
ある。表11のA欄の成分を混合し加熱溶解させた後、
B欄に示す成分を加えて混合し、高速ディスパーにて分
散させる。これを成分金型に流し込み冷却固化させ、実
施例14及び比較例14の制汗スティックを得た。
【0106】
【表11】
【0107】帯電性試験及び官能試験 実施例1で製造した海綿粉末を含む本実施例品と、含ま
ない比較例品とを帯電性試験及び官能試験により比較し
た。
【0108】まず、帯電性試験による結果を示す。本実
施例品及び比較例品の制汗スティックを湿度40%、温
度20°Cの部屋に一昼夜放置し、スティック表面に付
着したほこりの量を観察した。その結果、本実施例品で
は、スティック表面上にわずかにほこりが付着した程度
であったが、比較例品では大量のほこりが付着してい
た。なお、ほこりの大半は負に荷電した化学繊維であっ
た。
【0109】次に、官能試験による結果を示す。本実施
例品及び比較例品の制汗スティックを18〜22才の女
性10名に対して、除毛した腋下に使用してもらい、べ
たつき感としっとり感について、5点法による官能評価
を行ない、10名の平均値として表12に示す結果を得
た。表12によれば、本実施例品はべたつき感が少な
く、しっとり感があり、一方、比較例品はその逆である
ことが分かる。
【0110】
【表12】
【0111】実施例15、比較例15(口紅) 更に、口紅における実施例1で製造した海綿粉末の有無
による効果を比較した。製法は、次の通りである。表1
3のA欄の成分を混合し加熱溶解した後、B欄の成分を
加えて混合し、三本ロールを用いて分散させ、成形金型
に流し込み冷却固化させて実施例15及び比較例15の
口紅を得た。
【0112】
【表13】
【0113】硬度測定及び官能試験 実施例1で製造した海綿粉末を含む本実施例品と、含ま
ない比較例品とを硬度測定および官能試験により比較し
た。
【0114】口紅の硬度の測定は、25°Cにおいてカ
ードテンションメーターを用いて測定した。その結果、
本実施例品は200g、比較例品は140gであり、本
実施例により硬度減少を改善することができた。
【0115】官能試験による比較は、本実施例にかかる
口紅と比較例に係る口紅とを、18〜22才の女性10
名に使用してもらい、塗布後のざらつき感の有無を、5
点法により評価することにより行ない、10名の平均値
を表14に示した。表14によれば、本実施例品の方が
明らかにざらつき感が少ないことが分かる。
【0116】
【表14】
【0117】実施例13〜15によれば、従来から知ら
れている方法に比べて、油性化粧料の帯電防止性が格段
に優れているのはもちろんのこと、使用感や品質を低下
させず、更にはざらつき感を感じさせない自然なつや
や、しっとり感を付与することができる。また、棒状化
粧料の硬度減少を防止することができる。なお、棒状化
粧料には、アイライナー、制汗スティック、口紅のみな
らず、いわゆるリップスティック、黛等その他の棒状の
化粧料も含まれる。
【0118】次に、繊維において、実施例1で製造した
海綿粉末を、各種樹脂基素材に混練して紡糸し、あるい
は、樹脂基素材の紡糸後に付着させた実施例(実施例1
6〜18)と、海綿粉末を含まない比較例(比較例16
〜18)とにより、本発明を更に詳説する。
【0119】実施例16 ポリエステル系ポリウレタン樹脂溶液にジメチルホルム
ド(DMF )を不揮発分が20wt%になるように加え
た。そこへ実施例1で製造した海綿粉末を不揮発分に対
して20wt%になるように加え、紡糸溶液を調製した。
充分に混練、脱泡した後、ギアポンプにより紡糸口金か
ら水凝固浴中に押し出す湿式紡糸法によって、海綿粉末
含有ウレタン繊維を紡糸した。
【0120】実施例17 ペレット状ポリプロピレンと、ポリプロピレンに対して
30wt%の実施例1で製造した海綿粉末をブレンダーに
よりブレンドした。このブレンド物を30mm単軸押出機
より溶融押し出しし、冷却後カッティングして海綿粉末
含有ペレットを得た。この海綿粉末含有ペレットをマス
ターバッチとして溶融紡糸法により海綿粉末含有PP繊維
を得た。このとき最終繊維に含まれる海綿粉末の量が全
体の20wt%になるようにマスターバッチ量を調節し
た。
【0121】
【0122】比較例16、17 それぞれ実施例16、17相当する海綿粉末を含まな
いポリエステル系ポリウレタン繊維、PP繊維、アクリ
ル繊維を比較例16、17として用意した。
【0123】官能試験 実施例16、17及び比較例16、17において、10
人による官能試験により、タッチ感の良否を調べた。そ
の結果を表15に示す。表15によれば、何れの本実施
例品も比較例品に比べて良好なタッチ感を有しているこ
とが分かる。
【0124】
【表15】
【0125】次に、繊維仕上げ加工剤用合成樹脂に実施
例1で製造した海綿粉末を混練させた実施例と、海綿粉
末を含まない比較例とにより、本発明に係る繊維加工仕
上げ剤の効果を確認した。
【0126】実施例19 固形分がフィルム化するアミノ変性シリコン系樹脂のエ
マルジョンタイプとして、シリコンAMZ (日華化学株式
会社製:合成樹脂成分13wt%)8.1gに水338.4 g
を添加して希釈したエマルジョン溶液を用い、このエマ
ルジョン溶液に実施例1で製造した海綿粉末13.5gを加
え、均一になるまで攪拌した。この混合物をナイロン製
のストッキング用素材に含浸させ、ロール間圧力1kg/c
m2の金属ロールとゴムロールとから構成される絞り機を
通し、余分な仕上剤を排除した。得られたストッキング
を乾燥機で、120°C、5分間乾燥して実施例品を得
た。
【0127】比較例19 実施例19と同様のナイロン製のストッキング用素材に
ついて、いかなる処理も施さなかった。
【0128】官能試験 10人による官能試験によるタッチ感と、実施例1と同
様の方法による吸放湿性とを調べた。その結果を表16
に示す。表16によれば、タッチ感、吸放湿性共に本実
施例品が優れていることが分かる。
【0129】
【表16】
【0130】なお、本発明は、前記各実施例に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での、
被対象物の増加、変更、並びに改良、変形等は、本発明
に含まれるものである。すなわち、本発明は、海綿粉末
あるいは海綿繊維の少なくとも一種(海綿粉末等)を含
有する合成樹脂、ゴム、その他の汎ゆる組成物から製造
される製造品含むものであり、要するに、製造物が海
綿粉末、海綿繊維、あるいはそれらの組合せの何れかを
含んでいれば足りる。
【0131】
【発明の効果】本発明によれば、海綿粉末、あるいは海
綿繊維のうち少なくとも一種を人工素材に配合あるいは
付着等させることで、高吸放湿性、天然素材の持つ良感
触性等の風合いに加えて、抗菌性、紫外線カット効果を
付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る積層体を形成する際に用
いられる乾式コーティング装置の一例を示す概略構成図
である。
【図2】図2は、本発明に係る積層体を形成する際に用
いられる含浸コーティング装置の一例を示す概略構成図
である。
【図3】図3は、本発明に係る積層体を形成する際に用
いられる湿式コーティング装置の一例を示す概略構成図
である。
【図4】図4は、本発明に係るフィルムまたはシート、
及び積層体の製造工程を示す図である。
【図5】図5は、本発明に係る実施例1を作製する際に
用いられるフィルムアプリケーターの一例を示す概略上
面図である。
【図6】図6は、実施例1と比較例1との光線透過率
(紫外線カット特性)を示すグラフである。
【符号の説明】
1 離型紙 2 海綿成分含有樹脂溶液よりなる乾式コーティング液 6 接着剤 7 基材 11 積層体 20 含浸性基材 22 海綿成分含有溶液よりなる含浸コーティング液 24 凝固兼水洗槽 27 積層体 30 基材 32 海綿成分含有溶液よりなる湿式コーティング液 33,24,35 凝固兼水洗槽 40 積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 11/08 C09D 11/08 199/00 199/00 D01F 8/18 D01F 8/18 D06M 15/01 D06M 15/01 (56)参考文献 特開 平1−180809(JP,A) 特開 昭52−47897(JP,A) 特開 昭56−13904(JP,A) 特開 昭56−13905(JP,A) 特開 昭48−85322(JP,A) 特開 昭54−94957(JP,A) 実開 昭62−164198(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 99/00 C08J 5/18 B32B 9/02 C09D 7/12 C09D 11/08 C09D 199/00 A61K 7/02 D01F 8/18 D06M 15/01

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.1μm〜100μmの範
    囲である乾燥海綿粉末、あるいは繊維長が1cm以下で
    ある乾燥海綿繊維のうち少なくとも一種を1wt%〜9
    0wt%、 合成樹脂を99wt%〜10wt%含んでなる海綿成分
    含有組成物を成形して得られることを特徴とするフィル
    ムまたはシート。
  2. 【請求項2】 平均粒径が0.1μm〜100μmの範
    囲である乾燥海綿粉末、あるいは繊維長が1cm以下で
    ある乾燥海綿繊維のうち少なくとも一種を1wt%〜9
    0wt%、 ゴムを99wt%〜10wt%含んでなる海綿成分含有
    組成物を成形して得られることを特徴とするフィルムま
    たはシート。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のフィル
    ムまたはシートを、直接または接着剤を介して基材に積
    層してなることを特徴とする積層体。
  4. 【請求項4】 海綿粉末、あるいは海綿繊維のうち少な
    くとも一種を配合した、少なくとも一種以上の樹脂を含
    むことを特徴とする塗料またはインキ。
  5. 【請求項5】 メークアップ化粧料に用いられる油性化
    粧料であって、海綿粉末、あるいは海綿繊維のうち少な
    くとも一種を、油成分に配合したことを特徴とする油性
    化粧料。
  6. 【請求項6】 海綿粉末、あるいは海綿繊維のうち少な
    くとも一種と、合成繊維、半合成繊維または再生繊維の
    紡糸原料化合物の少なくとも一種以上とを混練し、この
    混練組成物を紡糸して成形されることを特徴とする繊
    維。
  7. 【請求項7】 海綿粉末、あるいは海綿繊維のうちの少
    なくとも一種1wt%〜60wt%と、合成樹脂の少な
    くとも一種99wt%〜40wt%とを含むことを特徴
    とする繊維仕上げ加工剤。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の繊維仕上げ加工剤によ
    り素材糸に表面処理を施して得られることを特徴とする
    繊維。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の繊維において、 前記素材糸は、合成繊維、半合成繊維または再生繊維の
    紡糸原料化合物の少なくとも一種以上を混し、この混
    練組成物を紡糸して得られることを特徴とする繊維。
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