JP3175306B2 - 艶消しポリプロピレンフィルム - Google Patents

艶消しポリプロピレンフィルム

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JP3175306B2
JP3175306B2 JP15739392A JP15739392A JP3175306B2 JP 3175306 B2 JP3175306 B2 JP 3175306B2 JP 15739392 A JP15739392 A JP 15739392A JP 15739392 A JP15739392 A JP 15739392A JP 3175306 B2 JP3175306 B2 JP 3175306B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は艶消し艶消しポリプロピ
レンフィルムに関する。更に詳しくは、文具用の各種フ
ァイルに使用される外観性に優れたインフレーション法
加工して得られる艶消しポリプロピレンフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から文具用の各種フィルムにはポリ
プロピレン水冷加工法インフレーションフィルムが広く
使用されている。文具用ファイルに用いられる該水冷加
工法フィルムは透明であり、艶消しフィルムにするため
に高結晶性プロピレン単独重合体を使用したフィルムを
アニーリングや凸凹エンボシング加工することにより得
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】該ポリプロピレンフィ
ルムは高結晶ポリプロピレン単独重合体を使用し、更に
アニーリングや凸凹エンボシング加工の工程で加熱処理
をされるため、高度に配向、結晶化が進んでおり、従来
用いられるスリップ剤を配合してもスリップ性が低下し
て、ファイル台紙の挿入やファイリングする用紙等がフ
ァイル内部で引っかかりを生じ、ファイリングし難いこ
とやファイル製本時に端面を合わせ難い欠点がある。こ
の欠点を改善する為に、一般にスリップ剤を過度に添加
する手法があるが、スリップ性が不十分であることや該
スリップ剤がブリードすることによりフィルムが白化す
るという問題がある。
【0004】本発明者等は上述のポリプロピレンフィル
ムの問題点を解決すべく鋭意研究した。その結果、高結
晶性プロピレン単独重合体に特定のアルキレンビス高級
脂肪酸アマイドを所定量配合してなる組成物から得られ
たフィルムが、アニールや凸凹エンボシング加工の工程
で加熱処理されても種々の物性を損なわず、かつスリッ
プ性に優れた艶消しポリプロピレンフィルムになること
を見い出し、この知見に基づき本発明を完成した。以上
の記述から明らかなように、本発明の目的はアニールや
凸凹エンボシング加工における加熱処理後のスリップ性
に優れた艶消しポリプロピレンフィルムを提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成を有
する。メルトフロレート(MFR:230 ℃における荷重
2.16kgを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出量)とア
イソタクチックペンタッド分率(P)との関係が1.00≧
P≧0.015 log MFR+0.955 である高結晶プロピレン
単独重合体に、アルキレンビス高級脂肪酸アマイドを組
成物に対して0.05〜0.50重量%を配合した組成物を用い
たことを特徴とする表面光沢度が40%以下の艶消しポリ
プロピレンフィルム。
【0006】本発明で用いる高結晶性プロピレン単独重
合体は、メルトフロレートとアイソタクチックペンタッ
ド分率(P)との関係が1.00≧P≧0.015 log MFR+
0.955 である高結晶性プロピレン単独重合体である。該
プロピレン単独重合体のメルトフロレートは特に制限は
ないが、通常1.0 〜15g/10min の範囲のものが好まし
く、特に好ましくは4〜10g/10minの範囲のものであ
る。
【0007】このような高結晶性ポリプロピレン単独重
合体は本願と同一出願人の出願に関わる特開昭58-10490
7 号公報明細書の実施例1に記載された製造方法によっ
て製造できる。すなわち、有機アルミニウム化合物
(I)(例えば、トリメチルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムモノクロリド等)もしくは有機アルミニウム
化合物(I)と電子供与体(例えば、ジイソアミルエー
テル、エチレングリコールモノメチルエーテル等)との
反応生成物(VI)を四塩化チタンと反応して得られる固
体生成物(II)に、更に電子供与体と電子受容体(例え
ば、無水塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化バナ
ジウム等)とを反応させて得られる固体生成物(III)を
有機アルミニウム化合物(IV)(例えば、トリメチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド等)お
よび芳香族カルボン酸エステル(V)(例えば、安息香
酸エステル、p−トルイル酸メチル、p−トルイル酸エ
チル、p−トルイル酸−2−エチルヘキシル等)と組み
合わせ、該芳香族カルボン酸エステル(V)と該固体生
成物(III)のモル比率V/III =とした触媒の存在下
にプロピレンを1段階以上で重合させることによって得
ることが出来る。この場合の1段階とは、これらの単量
体の連続的なもしくは一時的な供給の1区分を意味す
る。
【0008】ここで、アイソタクチックペンタッド分率
(P)とはマクロモレキュールズ、6巻、6号、11月〜
12月、925 〜926 頁(1973年版)〔Macromolecules, Vo
l. 6,November-December, 925-923(1973)〕に発表され
ている方法、すなわち、13C−NMRを使用して測定さ
れるプロピレン系重合体分子鎖中のペンタッド単位での
アイソタクチック分率である。言い換えると該分率は、
プロピレンモノマー単位が5個連続してアイソタクチッ
ク結合したプロピレンモノマー単位の分率を意味する。
【0009】上述の13C−NMRを使用した測定におけ
るスペクトルのピークの帰属の決定は、マクロモレキュ
ールズ、8巻、5号、9月〜10月、687〜689頁(1975年
版)〔Macromolecules, Vol.8, September-October, 68
7-689(1975) 〕に基づいて行う。ちなみに後述の実施例
における13C−NMRによる測定にはFT−NMRの27
0 MHz の装置を用い、27,000回の積算測定により、シグ
ナル検出限界をアイソタクチックペンタッド分率で0.00
1 にまで向上させて行った。
【0010】上記アイソタクチックペンタッド分率
(P)とメルトフロレート(MFR)との関係式の要件
は、一般にMFRの低いプロピレン単独重合体の前記分
率Pは低下するので、使用すべきプロピレン単独重合体
として、そのMFRに対応したPの下限値を限定するこ
とを構成要件としたものである。そして該Pは分率であ
るから1.00が上限となる。
【0011】また、本発明で用いる高結晶性ポリプロピ
レン単独重合体にあっては、該高結晶性プロピレン単独
重合体に本発明の範囲外にあるアイソタクチックペンタ
ッド分率を有するプロピレン単独重合体、プロピレン成
分を70重量%以上含有するプロピレンとエチレン、ブテ
ン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1などのα−オレフィンの1種ま
たは2種以上との結晶性ランダム共重合体もしくは結晶
性ブロック共重合体、超低密度ポリエチレン、低密度ポ
リエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ポリブテン、ポリ−4−
メチルペンテン−1の如きプロピレン系重合体を除くポ
リオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エ
チレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの如き
合成ゴム等を混合して用いることもできる。このとき、
該混合物が上記の1.00≧P≧0.015 log MFR+0.955
を満足するものであればよい。
【0012】本発明で用いられるアルキレンビス高級脂
肪酸アマイドには、例えばエチレンビスステアリン酸ア
マイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビ
スベヘン酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイド、
ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチ
レンビスベヘン酸アマイド等を挙げることができる。該
アルキレンビス高級脂肪酸アマイドの配合割合は組成物
に対して0.05〜0.50重量%である。該配合割合が0.05重
量%未満では得られた組成物を用いたフィルムの加熱処
理後のスリップ性が悪化し、また、0.50重量%を超える
と該配合物のブリードによりフィルムが白化する。
【0013】本発明の艶消しポリプロピレンフィルムに
用いる組成物にあっては通常プロピレン重合体に添加さ
れる各種添加剤、たとえば酸化防止剤(リン系酸化防止
剤、硫黄系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤な
ど)、中和剤(高級脂肪酸の金属塩およびハイドロタル
サイトなど)、スリップ剤(モノ脂肪酸アミドおよびシ
リコンオイルなど)等を本発明の目的を損なわない範囲
で使用することができる。
【0014】本発明の艶消しポリプロピレンフィルムに
用いる組成物は高結晶性プロピレン重合体に所定量のア
ルキレンビス高級脂肪酸アマイド、さらに上述の各種添
加剤を通常の攪拌混合機、たとえばヘンセルミキサー
(商品名)等を用いて攪拌混合することによって得ら
れ、また、該混合物を通常の単軸押出機または2軸押出
機などで溶融混練してペレット化することによってペレ
ットとして得ることもできる。本発明の艶消しポリプロ
ピレンフィルムはかかる組成物を押出機および円形ダイ
スを用いて溶融押出し、溶融チューブ内に空気をいれ膨
張させつつ水槽に導入し、急冷する水冷インフレーショ
ン法加工で得られる。なお、水冷インフレーション法加
工の条件は特に限定しないが、通常、同法で使用される
MFR:3〜20のポリプロピレン樹脂では円形ダイスの
溶融押出部のクリアランス(以下、リップ幅と称する)
は、0.5 〜1.5mm の範囲が好ましく、0.7 〜1.2mm の範
囲が特に好ましい。該ダイス温度は190 から250 ℃、好
ましくは200 〜230 ℃で、水冷する水温は10〜60℃、好
ましくは15〜40℃である。
【0015】かくして得られたポリプロピレンフィルム
はアニーリングや凸凹エンボシング加工の工程で加熱処
理が行われても種々のフィルム物性を損なわず、スリッ
プ性ならびに艶消し性に優れていることが特徴である。
該フィルムはクリアートップインバインダーファイル、
クリアーサイドインバインダーファイル、葉書ホルダー
ファイル、カードホルダーファイル、スーパーミニアル
バム、ネガポケットファイル等に用いることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の艶消しポリプロピレンフィルム
は従来のフィルムに対してブリードが少なく、スリップ
性に優れたフィルムである。従って文具用ファイルに用
いた場合、製本加工時の端面の合わせも良く、ファイル
台紙の挿入やファイリングする用紙等のファイル内部で
引っかかりを生じることもなくスムースに使用できる。
以上のように各種ファイル用に画期的できわめて有用な
フィルムである。
【0017】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はそれによって範囲を限定
されるものではない。尚、実施例および比較例で実施し
た特性の評価方法は下記の方法で行った。
【0018】(1) メルトフロレート(MFR):J
IS K7210-1976 の試験条件14に基づき(230℃、2.16
kgf)で測定した。(単位:g/10min) (2) ヘイズ(Haze):ASTM D1003に基づき測
定した。 (単位:%)この値が小さい程、フィルムの透
明性は良好である。 (3) 表面光沢度:ASTM D523 に基づき測定し
た。 (単位:%)この値が小さい程、フィルムの表面の
反射が小さく、艶消し性が良好である。本発明で示す艶
消しフィルムはこの値が40%以下である。
【0019】(4) スリップ性:23℃、50%RHに7
日間保ったフィルムを試料とし、ASTM D1894に準
拠した方法で測定した動摩擦係数でスリップ性を示し
た。この値が小さいほどスリップ性が優れていることを
示す。 (5) 促進BI:製膜直後のフィルムを試料とし、A
STM D1003に準拠した方法でヘイズ値を測定したの
ち、40℃、50%RHに7日間保ったフィルムについても
ヘイズ値を測定する。40℃、50%RHに7日間保ったフ
ィルムのヘイズ値と製膜直後のフィルムのヘイズ値との
差を促進BIとして示した。この値が小さいほどブリー
ドが優れていることを示す。
【0020】実施例1、比較例1、2 高結晶ポリプロピレン単独重合体粉末(MFR:6.0g/1
0min, P:0.980) に酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)フォスファイト)0.10重量%、酸
化防止剤(テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン)0.05重量%、中和剤(カルシウムステアレ
ート)0.05重量%、耐ブロッキング剤酸化ケイ素0.30重
量%および本発明エチレンビスステアリン酸アマイドを
後述の表1に記載した配合量で添加し、ヘンセルミキサ
ー(商品名)に入れ2分間攪拌、混合したのち、該化合
物を口径40mmの単軸押出機を用いて、溶融混練温度200
℃で溶融混練押出し、ペレット化した。
【0021】該ポリプロピレンペレットを原料として水
冷インフレーションフィルム加工機を用いて、リップ幅
1.0mm、ダイス温度210 ℃、冷却水温度20℃、引取速度2
0m/min、アニール温度120 ℃でフィルム製膜し、折幅23
0m、厚み50μm のチューブ状フィルムを作成した。その
結果を表1に示した。また、得られたフィルムを用いて
サイドインファイルを作製した。また、比較例1、2と
して、スリップ剤としてオレイン酸アマイドを後述の表
1に記載した配合量で用いる以外は実施例1に準拠した
フィルムを作製し、該フィルムを用いてサイドインフィ
ルムを作製した。
【0022】表2から判るように、実施例1は、本発明
による高結晶性ポリプロピレンにアルキレンビス高級脂
肪酸アマイドを配合してなる組成物を用いたフィルムで
あるが、これらはスリップ性、ブリード性が優れている
ことがわかる。また、比較例1ではスリップ性が劣り、
比較例2ではブリード性が劣りファイル用フィルムとし
ては使用困難である。また、得られたフィルムを用いて
作製されたファイルも用いたフィルムと同様の傾向を有
していた。
【0023】実施例2 高結晶ポリプロピレン単独重合体粉末(MFR:6.0g/1
0min, P:0.980)に酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)フォスファイト)0.10重量%、酸
化防止剤(テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン)0.05重量%、中和剤(カルシウムステアレ
ート)0.05重量%、耐ブロッキング剤酸化ケイ素0.30重
量%およびスリップ剤オレイン酸アマイドまたは本発明
範囲であるエチレンビスオレイン酸アマイドを後述の表
1に記載した配合量で添加し、ヘンセルミキサー(商品
名)に入れ2分間攪拌、混合した後、該化合物を口径40
mmの単軸押出機を用いて、溶融混練温度200 ℃で溶融混
練押出し、ペレット化した。該ポリプロピレンペレット
を原料として水冷インフレーションフィルム加工機を用
いて、リップ幅1.0mm、ダイス温度210 ℃、冷却水温度2
0℃、引取速度20m/min、アニール温度120 ℃でフィル
ムを製膜し、折幅230m、厚み50μm のチューブ状フィル
ムを作成した。その結果を表2に示した。また得られた
フィルムを用いてファイルを作製した。
【0024】表2から判るように、実施例2は、本発明
による高結晶性ポリプロピレンにアルキレンビス高級脂
肪酸アマイドを配合してなる組成物を用いたフィルムで
あるが、これらはスリップ性、ブリード性が優れている
ことがわかる。また、得られたフィルムを用いて作製さ
れたファイルも用いたフィルムと同様の傾向を有してい
た。
【0025】実施例3 高結晶ポリプロピレン単独重合体粉末(MFR:6.0g/1
0min., P:0.980)に酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)フォスファイト)0.10重量%、酸
化防止剤(テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン)0.05重量%、中和剤(カルシウムステアレ
ート)0.05重量%、耐ブロッキング剤酸化ケイ素0.30重
量%およびスリップ剤オレイン酸アマイドまたは本発明
範囲であるエチレンビスベヘン酸アマイドを後述の表1
に記載した配合量で添加し、ヘンセルミキサー(商品
名)に入れ2分間攪拌、混合した後、該化合物を口径40
mmの単軸押出機を用いて、溶融混練温度200 ℃で溶融混
練押出し、ペレット化した。該ポリプロピレンペレット
を原料として水冷インフレーションフィルム加工機を用
いて、リップ幅1.0mm 、ダイス温度210 ℃、冷却水温度
20℃、引取速度20m/min、アニール温度120 ℃でフィル
ムを製膜し、折幅230m、厚み50μm のチューブ状フィル
ムを作成した。その結果を表2に示した。また、得られ
たフィルムを用いてファイルを作製した。
【0026】表2から判るように、実施例3は、本発明
による高結晶性ポリプロピレンにアルキレンビス高級脂
肪酸アマイドを配合してなる組成物を用いたフィルムで
あるが、これらはスリップ性、ブリード性が優れている
ことがわかる。また、得られたフィルムを用いて作製さ
れたファイルも用いたフィルムと同様の傾向を有してい
た。
【0027】実施例4、5、6、比較例3、4 高結晶ポリプロピレン単独重合体粉末(MFR:6.0g/1
0min, P:0.980)に酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)フォスファイト)0.10重量%、酸
化防止剤(テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン)0.05重量%、中和剤(カルシウムステアレ
ート)0.05重量%、耐ブロッキング剤酸化ケイ素0.30重
量%およびスリップ剤としてヘキサメチレンビスステア
リン酸アマイドを後述の表1に記載した配合量で添加
し、ヘンセルミキサー(商品名)に入れ2分間攪拌、混
合した後、該化合物を口径40mmの単軸押出機を用いて、
溶融混練温度200 ℃で溶融混練押出し、ペレット化し
た。該ポリプロピレンペレットを原料として水冷インフ
レーションフィルム加工機を用いて、リップ幅1.0mm 、
ダイス温度210 ℃、冷却水温度20℃、引取速度20m/mi
n、アニール温度120 ℃でフィルムを製膜し、折幅230
m、厚み50μm のチューブ状フィルムを作成した。その
結果を表2に示した。また、得られたフィルムを用いて
ファイルを作製した。
【0028】表2から判るように、実施例4は、本発明
による高結晶性ポリプロピレンにアルキレンビス高級脂
肪酸アマイドを配合してなる組成物を用いたフィルムで
あるが、これらはスリップ性、ブリード性が優れている
ことがわかる。また、実施例5ならびに実施例6は本発
明範囲内で配合比を変えたものであるがスリップ性、ブ
リード性が優れていることがわかる。同様に比較例3は
ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイドを0.5 重量%
を超えて配合した場合であるが、得られたフィルムはブ
リードが著しく増加していることが判る。また、比較例
4はヘキサメチレンビスステアリン酸アマイドを0.05重
量%を満たないで配合した場合であるが、得られたフィ
ルムはスリップ性が著しく悪化していることが判る。ま
た、得られたフィルムを用いて作製されたファイルも用
いたフィルムと同様の傾向を有した。
【0029】実施例7 高結晶ポリプロピレン単独重合体粉末(MFR:6.0g/1
0min, P:0.980)に酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)フォスファイト)0.10重量%、酸
化防止剤(テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン)0.05重量%、中和剤(カルシウムステアレ
ート)0.05重量%、耐ブロッキング剤酸化ケイ素0.30重
量%およびスリップ剤としてヘキサメチレンビスベヘン
酸アマイドを後述の表1に記載した配合量で添加し、ヘ
ンセルミキサー(商品名)に入れ2分間攪拌、混合した
後、該化合物を口径40mmの単軸押出機を用いて、溶融混
練温度200 ℃で溶融混練押出し、ペレット化した。該ポ
リプロピレンペレットを原料として水冷インフレーショ
ンフィルム加工機を用いて、リップ幅 1.0mm、ダイス温
度 210℃、冷却水温度20℃、引取速度20m/min、アニー
ル温度120 ℃でフィルムを製膜し、折幅230m、厚み50μ
m のチューブ状フィルムを作成した。その結果を表2に
示した。また、得られたフィルムを用いてサイドインフ
ァイルを作製した。
【0030】表2から判るように、実施例4は、本発明
による高結晶性ポリプロピレンにアルキレンビス高級脂
肪酸アマイドを配合してなる組成物を用いたフィルムで
あるが、これらはスリップ性、ブリード性が優れている
ことがわかる。また、得られたフィルムを用いて作製さ
れたファイルも用いたフィルムと同様の傾向を有してい
た。
【0031】実施例8、比較例5 実施例3及び比較例1で得られたフィルムを用いて凸凹
の深さ40μm のエンボスロールで80℃に加熱し、プレス
圧18kg/cm2でエンボシング加工して艶消しフィルムを得
た。得られた艶消しフィルムを用いてサイドインファイ
ルを作製した。表2から判るように、実施例8は、本発
明による高結晶製ポリプロピレンにアルキレンビス高級
脂肪酸アマイドを配合してなる組成物を用いたフィルム
であるが、これらはスリップ性、ブリード性が優れてい
ることがわかる。また、得られたフィルムを用いて作製
されたファイルも用いたフィルムと同様の傾向を有して
いた。
【0032】比較例6 ポリプロピレン単独重合体(MFR:12g/10min, P:
0.94) に酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイト)0.10重量%、酸化防止剤
(テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン)0.05重量%、中和剤(カルシウムステアレート)0.
05重量%、耐ブロッキング剤酸化ケイ素0.30重量%およ
びスリップ剤オレイン酸アマイドを後述の表1に記載し
た配合量で添加し、ヘンセルミキサー(商品名)に入れ
2分間攪拌、混合した後、該化合物を口径40mmの単軸押
出機を用いて、溶融混練温度 200℃で溶融混練押出し、
ペレット化した。該ポリプロピレンペレットを原料とし
て水冷インフレーションフィルム加工機を用いて、リッ
プ幅 1.0mm、ダイス温度 210℃、冷却水温度20℃、引取
速度20m/min 、アニール温度 120℃でフィルム製膜し、
折幅230m、厚み50μm のチューブ状フィルムを作成し
た。その結果を表2に示した。また、得られたフィルム
を用いてサイドインファイルを作製した。表2より判る
ように、比較例6は、MFR=12、P=0.94であるポリ
プロピレン単独重合体にオレイン酸アマイドを配合して
なる組成物を用いたフィルムであるが、表面光沢度が著
しく悪化しており本発明の表面光沢度40%以下を満足で
きないことがわかる。また、得られたフィルムを用いて
作製されたサイドインファイルも用いたフィルムと同様
の傾向を有した。
【0033】比較例7 ポリプロピレン単独重合体(MFR:12g/10min, P:
0.94) に酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイト)0.10重量%、酸化防止剤
(テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン)0.05重量%、中和剤(カルシウムステアレート)0.
05重量%、耐ブロッキング剤酸化ケイ素0.30重量%およ
びスリップ剤エチレンビスステアリン酸アマイドを後述
の表1に記載した配合量で添加し、ヘンセルミキサー
(商品名)に入れ2分間、攪拌、混合した後、該化合物
を口径40mmの単軸押出機を用いて、溶融混練温度 200℃
で溶融混練押出し、ペレット化した。該ポリプロピレン
ペレットを原料として水冷インフレーションフィルム加
工機を用いて、リップ幅 1.0mm、ダイス温度 210℃、冷
却水温度20℃、印取速度20m/min 、アニール温度120 ℃
でフィルム製膜し、折幅230m、厚み50μm のチューブ状
フィルムを作成した。その結果を表2に示した。また、
得られたフィルムを用いてサイドインファイルを作製し
た。表2より判るように、実施例7は、MFR=12,P
=0.94であるポリプロピレン単独重合体にエチレンビス
ステアリン酸アマイドを配合してなる組成物を用いたフ
ィルムであるが、表面光沢度が著しく悪化しており本発
明の表面光沢度40%以下を満足できないことがわかる。
また、得られたフィルムを用いて作製されたサイドイン
ファイルも用いたフィルムと同様の傾向を有した。
【0034】比較例8 比較例6で得られたフィルムを凹凸の深さ40μm のエン
ボスロールを80℃に加熱し、プレス圧18kg/cm2でエンボ
シング加工したその結果を表1、2に示す。また、該エ
ンボスを有するフィルムを用いたサイドインファイルを
作製した。表2から判るように、比較例8は、MFR=
12、P=0.94であるポリプロピレン単独重合体にオレイ
ン酸アマイドを配合してなる組成物を用いたフィルムで
あるが、表面光沢度が著しく悪化しており本発明の表面
光沢度40%以下を満足できないことがわかる。また、得
られたフィルムを用いて作製されたサイドインファイル
も用いたフィルムと同様の傾向を有した。
【0035】比較例9 比較例7で得られたフィルムを凹凸の深さ40μm のエン
ボスロールを80℃に加熱し、プレス圧18kg/cm2でエンボ
シング加工したその結果を表1、2に示す。また、該エ
ンボスを有するフィルムを用いたサイドインファイルを
作製した。表2から判るように、比較例9は、MFR=
12, P=0.94であるポリプロピレン単独重合体にエチレ
ンビスステアリン酸アマイドを配合してなる組成物を用
いたフィルムであるが、表面光沢度が著しく悪化してお
り本発明の表面光沢度40%以下を満足できないことがわ
かる。また、得られたフィルムを用いて作製されたサイ
ドインフィルムも用いたフィルムと同様の傾向を有し
た。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフロレート(MFR:230 ℃におけ
    る荷重2.16kgを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出
    量)とアイソタクチックペンタッド分率(P)との関係
    が 1.00≧P≧0.015 log MFR+0.955 である高結晶
    性プロピレン単独重合体に、アルキレンビス高級脂肪酸
    アマイドを組成物に対して0.05〜0.50重量%配合した組
    成物を用いたことを特徴とする表面光沢度が6〜40%の
    艶消しポリプロピレンフィルム。
  2. 【請求項2】請求項1の艶消しポリプロピレンフィルム
    を用いたファイル。
  3. 【請求項3】請求項1の艶消しポリプロピレンフィルム
    の表面に凸凹エンボシング加工を施したファイル。
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