JP3173986B2 - 研米装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、除糠筒内に回転駆
動自在に配置された回転体の外周部に、前記除糠筒内を
移送される米粒の表面に接触させるブラシが設けられた
研米装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】かかる研米装置は、適度な弾力性を有す
る状態でブラシを外周部に設けた回転体を回転駆動させ
ることにより、ブラシの先端を米粒の表面に接触させ
て、米粒の表面に残留する糠を削り取るように構成した
ものである。従来は、図１１に示すように、ブラシ４２
を、回転体Ｒの軸芯方向視において、回転体Ｒの周方向
に部分的に設け、ブラシのうち、回転体Ｒの回転方向
（図中、白抜き矢符にて示す）側端部に位置するもの
（以下、先頭ブラシと称する場合がある）を、図中にお
いて破線にて示すように、前記軸芯方向視において、ブ
ラシ長手方向を回転体Ｒの径方向に対して前記回転方向
とは反対側に傾斜する方向に沿わした状態で設けてい
た。つまり、ブラシ４２を、回転体Ｒの軸芯方向視にお
いて、前記周方向に部分的に設けることにより、先頭ブ
ラシ４２に対して、米粒がブラシの側部に当たるように
して、糠を削り取る際にブラシの弾力性を効果的に作用
させるようにして、糠の削り取りが効果的に行われるよ
うにしていた。

【０００３】尚、前記軸芯方向視において、ブラシ存在
部分Ｋの幅方向の中央部に位置するブラシ４２は、ブラ
シ長手方向を前記径方向に沿わした状態で設け、その幅
方向中央部のブラシ４２の両側に位置するブラシ４２
は、幅方向中央部のブラシ４２と平行になるように設け
ていた。従って、先頭ブラシ４２は、そのブラシ長手方
向が前記径方向に対して前記回転方向とは反対側に傾斜
する方向に沿う状態となっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、図１１に示
すように、先頭ブラシ４２に対しては、米粒は、ブラシ
４２の側部に当たるので、先頭ブラシ４２は前記回転方
向とは反対側に傾斜する状態となる。しかしながら、従
来の装置では、先頭ブラシ４２はそのブラシ長手方向が
回転体Ｒの径方向に対して前記回転方向とは反対側に傾
斜する方向に沿う状態となっているので、先頭ブラシ４
２の側部に米粒が当たると、先頭ブラシ４２は更に前記
回転方向とは反対側に傾斜する状態となり、ブラシ先端
部に対する米粒の接触角度α（即ち、前記軸芯方向視に
おいて、ブラシ先端部の移動軌跡に対するブラシ長手方
向の角度）が９０°に対してかなり小さくなる。ブラシ
先端部に対する米粒の接触角度αが小さいと、糠を削り
取る際にブラシの弾力性を十分に作用させることができ
ず、改善の余地があった。又、先頭ブラシ４２の先端部
においては、前記回転方向側の磨耗が徐々に進んで、斜
めに磨耗する状態（即ち、磨耗したブラシ先端面のブラ
シ長手方向に対する角度が９０°よりもかなり小さい状
態）となるので、糠の削り取り能力の低下が速くなるた
め、ブラシの耐久性が短いという問題もあった。本発明
は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的
は、糠を削り取る際にブラシの弾力性を十分に作用させ
るようにして、糠の削り取り能力を向上するとともに、
ブラシの耐久性を向上することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の特徴構
成によれば、ブラシを、回転体の軸芯方向視において、
回転体の周方向に部分的に設け、ブラシのうち、回転体
の回転方向側の端部に位置するブラシ（先頭ブラシ）
を、前記軸芯方向視において、ブラシ長手方向を回転体
の径方向、又は、その径方向に対して前記回転方向側に
傾斜する方向に沿わした状態で設けているので、ブラシ
先端部に対する米粒の接触角度を従来よりも大きくす
る、即ち、９０°に近づけることができる。従って、先
頭ブラシが糠を削り取る際に、ブラシの弾力性を十分に
作用させることができるようになり、糠の削り取り能力
を向上することができるようになった。又、先頭ブラシ
の先端部はブラシ長手方向に対して略直角に磨耗する状
態（即ち、磨耗したブラシ先端面のブラシ長手方向に対
する角度が略９０°になる状態）となるので、ブラシの
耐久性を向上することができるようになった。

【０００６】ところで、ブラシを、前記軸芯方向視にお
いて、前記周方向に部分的に設けた場合、米粒は、前記
回転方向とは反対側の端部に位置するブラシ（以下、最
後部のブラシと称する場合がある）の先端部を通過する
と、回転体の外周部に近づく方向に流動する状態となる
ので、最後部のブラシは、前記回転方向とは反対側に倒
れ易い。

【０００７】請求項２に記載の特徴構成によれば、最後
部のブラシも、前記軸芯方向視において、ブラシ長手方
向を前記径方向、又は、その径方向に対して前記回転方
向側に傾斜する方向に沿わした状態で設けているので、
最後部のブラシが糠を削り取る際にも、ブラシの弾力性
を十分に作用させることができるようになり、糠の削り
取り能力を更に向上することができるようになった。
又、最後部のブラシの先端部も、ブラシ長手方向に対し
て略直角に磨耗する状態となるので、ブラシの耐久性を
更に向上することができるようになった。

【０００８】請求項３に記載の特徴構成によれば、全て
のブラシを、前記軸芯方向視において、ブラシ長手方向
を前記径方向に沿わした状態で設けているので、先頭ブ
ラシ以外の全てのブラシが、糠を削り取る際にも、ブラ
シの弾力性を十分に作用させることができるようにな
り、糠の削り取り能力を更に向上することができるよう
になった。又、全てのブラシの先端部が、ブラシ長手方
向に対して略直角に磨耗する状態となるので、ブラシの
耐久性を更に向上することができるようになった。

【０００９】ところで、研米装置の運転時間が経過する
に伴って、ブラシは徐々に前記回転方向とは反対側に傾
斜した状態に塑性変形するとともに、先端部はブラシ長
手方向に対して徐々に斜めに磨耗するので、糠の削り取
り能力が低下する。請求項４に記載の特徴構成によれ
ば、ブラシが設けられたブラシ存在部分を、前記周方向
に反転可能な状態で、着脱自在に設けているので、糠の
削り取り能力の低下すると、ブラシ存在部分を、一旦回
転体から取り外して前記周方向に反転させてから、再
び、回転体に取り付けることにより、糠の削り取り能力
を復帰させることができる。従って、ブラシの使用可能
時間を延ばすことができるので、請求項３に記載の特徴
構成により得られる効果に加えて、ランニングコストを
低減することができるという効果を奏する。

【００１０】しかも、複数のブラシ存在部分を、前記周
方向に分散配置してあるので、米粒がブラシ存在部分の
先頭ブラシの側部に当たる回数が増大するので、糠の削
り取り能力を更に向上することができるようになった。

【００１１】ところで、ブラシ存在部分の先頭ブラシに
対しては、米粒はブラシの側部に当たるので、先頭ブラ
シは前記回転方向とは反対側に倒れた状態（以下、腰折
れ状態と称する場合がある）になり易い。又、最後部の
ブラシは、前記前記回転方向とは反対側に倒れ易いの
で、腰折れ状態になり易い。

【００１２】そこで、請求項５に記載の特徴構成によれ
ば、ブラシ存在部分の表面のうちの、前記周方向の両端
部夫々に、ブラシ設置部分の表面よりもブラシ先端側に
突出する状態の突起部を形成している。つまり、前記回
転方向の前方側の突起部によって、米粒はブラシの先端
側に案内されて、先頭ブラシに対しては、ブラシの先端
側の側部に当たる。又、前記回転方向の後方側の突起部
によって、ブラシ存在部分の最後部のブラシが、前記回
転方向とは反対側に倒れるのを抑制される。従って、請
求項４に記載の特徴構成により得られる効果に加えて、
ブラシ存在部分の先頭ブラシ、及び、最後部ブラシが腰
折れ状態になるのを防止することができるという効果を
奏する。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。図１に示すように、研米装置
は、研米すべき米粒を供給する供給部Ａ、その供給部Ａ
により下部の受入口１から供給された米粒を上部の排出
口２へ搬送しながら研米する研米室４０を備えた研米部
Ｐ、研米室４０を流動して排出口２から排出される米粒
に対して抵抗を与える抵抗付与部Ｅ、研米部Ｐで研米さ
れた米粒を排出する排出部Ｄ、研米室４０にて米粒から
分離された糠の吸引及び米粒冷却のため空気を通風する
通風部Ｆを主な構成要素として構成してある。

【００１４】図１及び図２に基づいて、研米部Ｐについ
て説明を加える。研米部Ｐは、除糠筒Ｔ内に回転駆動自
在に配置した研米用回転体Ｒの外周部に、除糠筒Ｔ内を
移送される米粒の表面に接触させるブラシ４２を設けて
構成してある。

【００１５】除糠筒Ｔについて、説明を加える。基枠４
の研米部形成用の円筒状部４ａの内部にその円筒状部４
ａと同軸状に、上下方向に連結した円筒形状のドラムス
クリーン５と円筒体６とを配設し、ドラムスクリーン５
と円筒体６の内部に研米室４０を形成し、ドラムスクリ
ーン５と円筒体６の外側に糠回収室７を形成してある。
つまり、ドラムスクリーン５と円筒体６により除糠筒Ｔ
を構成してある。ドラムスクリーン５は、図２に示すよ
うに、周方向等間隔で内側向きに架設した複数の溝型フ
レーム１２と、それら溝型フレーム１２の隙間を塞ぐよ
うに設けた複数のスクリーン部材１３と、各溝型フレー
ム１２の溝内に沿って設けた複数の砥石１４とから構成
してある。スクリーン部材１３には、研米に伴って米粒
から剥離した糠を糠回収室７に排出するための通気孔１
３ａを多数穿設してある。尚、円筒状部４ａにおけるド
ラムスクリーン５と対向する部分は、透明な部材で形成
してあり、糠回収室７が外部から透視できるように構成
してある。

【００１６】円筒状部４ａの上端部に、基枠４のフラン
ジ付円筒状部４ｂを連結し、そのフランジ付円筒状部４
ｂの上部開口を排出口２とし、円筒体６の周壁に受入口
１を形成してある。フランジ付円筒状部４ｂのフランジ
と円筒状部４ａとの嵌合部には、糠回収室７から外部に
対して開口する通気孔１５を形成してある。又、円筒状
部４ａの下端部に連通する状態で、基枠４の糠排出シュ
ート部４ｆを設けてある。

【００１７】研米用回転体Ｒについて、説明を加える。
筒内部から外周部に対して開口する通気孔８ａを多数形
成した筒状軸部８を、一対の軸受け９を用いて、基枠４
の軸支用円筒状部４ｃに上下方向の軸芯周りで回転自在
に設けてある。筒状の研米ロール４１と筒状の搬送スク
リュー１１とを筒内部が連通する状態で連結してある。
互いに連結した研米ロール４１及び搬送スクリュー１１
を、研米ロール４１を上部に位置させて除糠筒Ｔ内に位
置させた状態で、搬送スクリュー１１を筒状軸部８に筒
内部が互いに連通する状態で連結してある。もって、研
米ロール４１、搬送スクリュー１１及び筒状軸部８を、
上下方向の同一軸芯周りで一体回転自在に設けてある。
そして、研米用電動モータＭ２にて、研米ロール４１、
搬送スクリュー１１及び筒状軸部８を前記同一軸芯周り
で回転駆動するように構成してある。

【００１８】つまり、研米ロール４１及び搬送スクリュ
ー１１により、研米用回転体Ｒを構成し、その研米用回
転体Ｒを除糠筒Ｔ内に回転駆動自在に設けてある。又、
研米ロール４１、搬送スクリュー１１及び筒状軸部８夫
々の筒内部が一連に連なって形成される通路を通気路Ｈ
として機能させるように構成してある。又、軸支用円筒
状部４ｃと筒状軸部８との間に、一対の軸受け９により
気密状に区画された空間が形成されるが、この空間を後
述する空気溜まり部３３として機能させるように構成し
てある。尚、研米ロール４１の通気孔４１ａを通じて通
気路Ｈに入り込んだ米粒を取り出すために、筒状軸部８
の下端部の開口にボルト３４を螺着して、このボルト３
４の着脱により、筒状軸部８の下端部の開口を開閉する
ように構成してある。

【００１９】次に、図２ないし図６に基づいて、研米ロ
ール４１の外周部へのブラシ４２の設置構成について説
明を加える。研米ロール４１の外周部には、ブラシ４２
を設けたブラシ存在部分としてのブラシ取付部分Ｋの４
個を、研米ロール４１の周方向に等間隔で分散した状態
で、且つ、夫々が前記周方向に反転可能な状態で、ネジ
式締結手段（図示せず）にて着脱自在に設けてある。そ
して、研米用回転体Ｒが図２及び図５の白抜矢符に示す
如く回転すると、その外周部に設けたブラシ４２の先端
が米粒の表面に押し付けられて、そのブラッシング作用
によって糠が削り取られて、研米が行われるように構成
してある。

【００２０】図５及び図６に示すように、本実施形態で
は、多数のブラシ４２を束ね部材４３にて偏平形状に束
ねてブラシ束Ｂを形成し、そのブラシ束Ｂの複数をブラ
シ取付部材Ｋに取り付けるようにしてある。束ね部材４
３は、ベルト状の金属材をＵ字状に折り曲げて形成して
ある。そして、多数のブラシ４２を束ね部材４３の間に
入れた状態で、束ね部材４３を両側から押圧して塑性変
形させてブラシ４２を挟持することにより、ブラシ束Ｂ
を形成してある。

【００２１】以下、ブラシ取付部材Ｋについて説明を加
える。ブラシ取付部材Ｋは、樹脂製の概ね蒲鉾形状のベ
ース部材４４にて構成してあり、そのベース部材４４
を、蒲鉾形状の長手方向が研米ロール４１の軸芯方向と
平行になる姿勢で、且つ、その表面が研米ロール４１の
外周部よりも突出する状態で、研米ロール４１の外周部
に形成した溝に嵌め込んで、前記ネジ式締結手段にて取
り付ける。

【００２２】ベース部材４４の表面は、図４及び図５に
示すように、研米ロール４１の外周面の半径と同一中心
の曲率半径Ｒ₁ の曲面に形成してある。その表面には、
４つ端縁にわたって連なる突起部４４ａと、幅方向の中
央部に位置し、且つ、長手方向に延びて長手方向の両側
端縁の突起部４４ａに連なる突起部４４ｂを形成してあ
る。突起部４４ａ及び突起部４４ｂの表面は、研米ロー
ル４１の外周面の半径と同一中心の曲率半径Ｒ₂ の曲面
に形成してある。

【００２３】ベース部材４４には、突起部４４ｂ部分に
位置させて、前記ネジ式締結手段を構成するボルト（図
示せず）挿入用で、表裏に貫通する２個のボルト挿入孔
４４ｃと、多数の表裏に貫通する孔４４ｅを列状に形成
してある。又、ベース部材４４の表面側には、長手方向
に延びる溝４４ｄを幅方向に８列に並べて形成してあ
る。尚、突起部４４ｂの両側に隣接する溝４４ｄ夫々
は、２個のボルト挿入孔４４ｃを形成するために、長手
方向に３分割してある。各溝４４ｄは、図４及び図５に
示すように、前記軸芯方向視において、溝の中心線を研
米ロール４１の径方向に沿わした状態で形成してある。
又、ベース部材４４の幅方向両側の端面は、表側ほど外
側ベース部材４４の内方側に位置する傾斜面４４ｆに形
成してある。又、幅方向両側夫々に位置する突起部４４
ａ、及び、突起部４４ｂ夫々における、ブラシ４２に隣
接する端面は、隣接する溝４４ｄの中心線と平行な面に
形成してあり、端面の全面にてブラシ４２を支えるよう
にしてある。

【００２４】ベース部材４４の裏面には、孔４４ｅに連
通し、ボルト挿入孔４４ｃと区画する状態で凹部４４ｇ
を形成してある。凹部４４ｇは、ベース部材４４を研米
ロール４１に取り付けたときに、研米ロール４１の通気
孔４１ａと連通する位置に形成してある。

【００２５】図５に示すように、ブラシ束Ｂを各溝４４
ｄに嵌入し、耐熱性を有する接着剤にて固着する。そし
て、上述のようにして形成したブラシ取付部分Ｋを前記
ネジ式締結手段にて研米ロール４１に取り付ける。

【００２６】つまり、研米ロール４１の外周部に、全て
のブラシ４２を、前記軸芯方向視において、ブラシ長手
方向を研米ロール４１の径方向に沿わした状態で設けて
ある。又、全てのブラシ４２を、ブラシ先端が研米ロー
ル４１の外周面の半径と同一中心の曲率半径Ｒ₃ の仮想
曲面上に略位置するように設けてある。従って、図５の
（ロ）に示すように、ブラシ取付部分Ｋにおける前記回
転方向側の端部に位置するブラシ４２（即ち、先頭ブラ
シ４２）の先端部に対する米粒の接触角度αは、図１１
に示す従来の装置よりも大きくすることができる。

【００２７】又、図４及び図５の（ロ）に示すように、
前記軸芯方向視において、ブラシ取付部材Ｋの形状が研
米ロール４１の中心を通る中心線Ｌに対して対称とな
り、且つ、ブラシ４２の先端が、研米ロール４１の外周
面の半径と同一中心の半径Ｒ₃の仮想円周上に略位置す
ることにより、ブラシ取付部材Ｋを前記周方向に反転さ
せて取り付けても、同一の条件で研米できるように構成
してある。

【００２８】尚、ブラシ４２の毛足の長さ（外側ベース
部材４４の表面から突出している部分の長さ）を、例え
ば、５ｍｍ程度としてある。又、突起部４４ａ及び４４
ｂの表面の曲率半径Ｒ₂ は、外側ベース部材４４の表面
の曲率半径Ｒ₁ よりも２ｍｍ程度大にしてある。ブラシ
４２は、６−１０ナイロンに８００メッシュ程度の大き
さのカーボランダムの砥粒を担持させた材料にて、太さ
が０．４ｍｍ以下、例えば、０．２５ｍｍ程度に形成し
てある。

【００２９】従って、突起部４４ａは、ブラシ取付部分
Ｋの表面のうちの、前記周方向の両端部分夫々に位置し
て、ブラシ設置部分の表面よりもブラシ先端側に突出す
る状態の突起部として機能する。

【００３０】次に、図１に基づいて、供給部Ａについて
説明を加える。供給部Ａは、受入口１に連通接続した米
粒供給路１８と、その米粒供給路１８内に回転自在に支
持して設けた横送りスクリュー１９と、その横送りスク
リュー１９を回転駆動する供給用電動モータＭ１と、米
粒供給路１８に連通接続したホッパ２０と、そのホッパ
２０の排出口に介装したシャッタ２１とから構成してあ
る。供給用電動モータＭ１は所定の一定の回転数で回転
させ、シャッタ２１の開度調整により、受入口１への米
粒の供給量を調整するように構成してある。

【００３１】次に、図１に基づいて、排出部Ｄについて
説明を加える。排出部Ｄは、フランジ付円筒状部４ｂの
上部に連結した基枠４の排出室形成用の円筒状部４ｄの
内部に排出室２２を形成し、その円筒状部４ｄに排出シ
ュート２３を連通接続して構成してある。

【００３２】次に、図１及び図７に基づいて、抵抗付与
部Ｅについて説明を加える。抵抗付与部Ｅは、円筒状部
４ｄの上部に連結した基枠４の支持枠案内部４ｅに対し
て、研米室４０の内部から排出口２に向かって流動する
米粒の流動方向、即ち、上下方向に往復移動自在に支持
して設けた支持枠２４と、その支持枠２４に対して、上
下方向に往復移動自在に支持して設けた抵抗体２５と、
その抵抗体２５を排出口２に近づく方向、即ち、下方に
付勢するように支持枠２４に対して設けたバネ体２６
と、支持枠２４を上下方向に往復移動駆動するバネ圧調
整用電動モータＭ３とを備えて構成してある。

【００３３】支持枠２４は円筒形状に形成し、その軸芯
を上下方向に向けた状態で、支持枠案内部４ｅに対し
て、上下方向に往復移動自在に支持して設けてある。抵
抗体２５は抵抗盤２５ａとその抵抗盤２５ａの上面部に
垂直に立設した丸棒体２５ｂとから構成してあり、抵抗
盤２５ａを排出口２に対向配置した状態で、丸棒体２５
ｂを、支持枠２４に対して摺動自在に内嵌してある。バ
ネ体２６は、丸棒体２５ｂに外嵌した状態で、抵抗盤２
５ａと支持枠２４とにより挟持してある。支持枠２４の
外周面にラックギア２７を固着し、そのラックギア２７
を、バネ圧調整用電動モータＭ３の出力軸に固着したピ
ニオンギア２８に噛合してあり、バネ圧調整用電動モー
タＭ３の正方向及び逆方向回転により、支持枠２４を上
下方向に往復移動駆動するように構成してある。つま
り、バネ圧調整用電動モータＭ３の作動により、抵抗体
２５と支持枠２４との相対位置関係の調整することによ
り、バネ体２６の長さを調整して付勢力を調整し、米粒
の精白度を調整するように構成してある。

【００３４】次に、図１に基づいて、通風部Ｆについて
説明を加える。糠排出シュート部４ｆに対して、吸引フ
ァン２９の吸引口を接続してある。又、軸支用円筒状部
４ｃに給気路３０を連通接続し、圧送ファン３１の吐き
出し口を給気路３０に接続してある。給気路３０には、
圧送ファン３１にて圧送する風量を調整するダンパ３２
を介装してある。

【００３５】吸引ファン２９及び圧送ファン３１を作動
させると、図１、図２及び図５中において実線の矢符に
て示すように、吸引ファン２９及び圧送ファン３１の協
働により、圧送ファン３１から圧送された空気は、給気
路３０、空気溜まり部３３、通気孔８ａ、通気路Ｈ、通
気孔４１ａ、凹部４４ｇ、孔４４ｅを順次通流して、通
気孔４４ｅから噴出し、更に、研米室４０、通気孔１３
ａ、糠回収室７、糠排出シュート部４ｆを順次通流し
て、吸引ファン２９の吐き出し口から外部に排出され、
それと並行して、研米室４０にて研米に伴って米粒から
分離された糠及びブラシ４２が磨耗して分離された残滓
等も排出される。尚、ブラシ４２が磨耗して残滓が生じ
るが、その量は、例えば、２０ｔの米粒を研米した場
合、ブラシ４２は僅かに１ｍｍ程度磨耗するだけである
ことからも分かるように、極めて微量であり、その残滓
は、吸引ファン２９及び圧送ファン３１による通風によ
り糠とともに排出される。

【００３６】又、吸引ファン２９の吸引作用により、通
気孔１５を通じて、外部から空気を吸い込んで、円筒状
部４ａの内面に沿って通流させて、円筒状部４ａの透明
部分が糠等によって曇るのを防止するように構成してあ
る。ダンパ３２の調整によって、吸引ファン２９にて吸
引される風量が、圧送ファン３１にて圧送される風量よ
りも大になるように調整して、研米室４０内を負圧に保
つように構成してある。通気孔１５やその他の隙間から
も空気が吸い込まれるので、糠が外部に放出されるのを
防止することができる。具体的には、吸引ファン２９に
よる吸引風量を圧送ファン３１による圧送風量の１．３
倍程度としてある。

【００３７】上述の研米装置で研米した場合、吸引ファ
ン２９及び圧送ファン３１による通風により、略全ての
糠は排出されて、米粒にはほとんど糠は残っていず、実
際の使用上は問題とはならないが、詳細な説明は省略す
るが、糠分離装置にて、更に糠を除去すると、商品価値
を一層向上させることができる。尚、ブラシ４２の残滓
が残っていたとしても、糠分離装置にて、糠とともに除
去される。

【００３８】〔別実施形態〕次に別実施形態を説明す
る。 （イ） 研米ロール４１の外周部へのブラシ４２の設置
構成は、上記の実施の形態において例示した構成の他に
も種々の構成が可能であり、例えば、図８及び図９に示
す構成が可能である。即ち、ブラシ取付部分Ｋは、ベー
ス部材４６にて構成してある。ベース部材４６の形状
は、上記の実施の形態におけるベース部材４４の形状
と、溝４４ｄに代えて、表面側に横断面形状が円形の凹
部４６ｄを形成した以外は、略同様の形状に形成してあ
る。ベース部材４６の表面には、幅方向の両側端縁夫々
に位置し、長手方向の全長にわたって延びる突起部４６
ａと、幅方向の中央部に位置し、且つ、長手方向の全長
にわたって延びる突起部４６ｂを形成してある。ベース
部材４６には、突起部４６ｂ部分に位置させて、表裏に
貫通する２個のボルト挿入孔４６ｃと、多数の表裏に貫
通する孔４６ｅを列状に形成してある。又、ベース部材
４６の幅方向両側の端面は、表側ほど外側ベース部材４
４の内方側に位置する傾斜面４６ｆに形成してある。

【００３９】ベース部材４６の裏面には、孔４６ｅに連
通し、ボルト挿入孔４６ｃと区画する状態で凹部４６ｇ
を形成してある。凹部４６ｇは、ブラシ取付部材Ｋを研
米ロール４１に取り付けたときに、研米ロール４１の通
気孔４１ａと連通する位置に形成してある。

【００４０】凹部４６ｄは、ベース部材４６の表面にお
ける突起部４６ａ及び突起部４６ｂ形成部分以外の場所
に、夫々の軸芯を、前記軸芯方向視において研米ロール
４１の径方向に沿わした状態で、千鳥状に配置して形成
してある。

【００４１】ブラシ束Ｂは、多数のブラシ４２を束ね部
材（図示せず）にて花束形状に束ねて形成し、そのブラ
シ束Ｂを各凹部４６ｄに嵌入してある。つまり、研米ロ
ール４１の外周部に、全てのブラシ４２を、前記軸芯方
向視において、ブラシ長手方向を研米ロール４１の径方
向に沿わした状態で設けてある。又、全てのブラシ４２
を、ブラシ先端が、研米ロール４１の外周面の半径と同
一中心の曲率半径Ｒ₃ の仮想曲面上に略位置するように
設けてある。

【００４２】（ロ） あるいは、図１０に示すように、
ブラシ取付部分Ｋにおける前記回転方向側の端部に位置
するブラシ４２（即ち、先頭ブラシ４２）の先端部に対
する米粒の接触角度αが、略９０°になるように、先頭
ブラシ４２を、ブラシ長手方向が前記径方向に対して前
記回転方向側に傾斜する方向に沿わした状態で設けても
よい。

【００４３】（ハ） 上記の実施の形態、及び、図８及
び図９に示す別実施形態では、全てのブラシ４２を、前
記軸芯方向視において、ブラシ長手方向を研米ロール４
１の径方向に沿わした状態で設ける場合について例示し
たが、これに代えて、先頭ブラシ４２のみを、ブラシ長
手方向を研米ロール４１の径方向、又は、その径方向に
対して前記回転方向側に傾斜する方向に沿わした状態で
設けてもよい。あるいは、先頭ブラシ４２、及び、ブラ
シ取付部分Ｋにおける前記回転方向とは反対側の端部に
位置するブラシ４２（即ち、最後部ブラシ４２）のみ
を、ブラシ長手方向を研米ロール４１の径方向、又は、
その径方向に対して前記回転方向側に傾斜する方向に沿
わした状態で設けてもよい。

【００４４】（ニ） 上記の実施の形態では、研米ロー
ル４１に対して着脱自在なブラシ取付部分Ｋにブラシ４
２を設ける場合について例示したが、ブラシ４２を研米
ロール４１の外周部に直接設けてもよい。

【００４５】（ホ） ブラシ４２のうち、少なくとも、
前記回転方向側の端部に位置するものを、ブラシ長手方
向を前記径方向、又は、その径方向に対して前記回転方
向側に傾斜する方向に沿わした状態で設けるという条件
において、ブラシ４２を研米ロール４１の外周部に設け
る際の配置形態は、適宜変更可能である。

【００４６】（ヘ） 研米ロール４１の外周部にその周
方向に間隔を隔てて分散した状態で設けるブラシ取付部
分Ｋの個数は、不問である。

【００４７】（ト） ブラシ４２は、上記の実施の形態
において示した材料以外にも種々の材料で形成すること
ができる。例えば、ステンレス等の金属材料、樹脂、豚
毛等の材料にて形成することができる。尚、ブラシ４２
を金属材料で形成する場合は、ブラシ４２の太さを６０
ミクロン程度にすると、糠を削り取るのに適した弾力と
なり好ましい。

【００４８】（チ） 上記の実施の形態では、同軸状に
連結した研米ロール４０、搬送スクリュー１１及び筒状
軸部８を軸芯を上下方向に向けて設けた、いわゆる縦型
研米装置に、本発明を適用する場合について例示した
が、本発明は、これ以外にも種々の形式の研米装置にて
適用可能である。例えば、同軸状に連結した研米ロール
４０、搬送スクリュー１１及び筒状軸部８を軸芯を横方
向に向けて設けた、いわゆる横型研米装置、あるいは、
砥石１７に代えて硬質の木材（例えば、樫材）よりなる
艶出し部材を設けた研米装置に適用可能である。

【００４９】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】研米装置の縦断正面図

【図２】研米装置の研米部の横断平面図

【図３】ブラシ取付部分の側面図

【図４】ブラシ取付部分の横断平面図

【図５】ブラシを取り付けた状態のブラシ取付部分の横
断平面図

【図６】ブラシ取付部分の縦断側面図

【図７】抵抗付与部の縦断正面図

【図８】別実施形態におけるブラシ取付部分の側面図

【図９】別実施形態におけるブラシ取付部分の横断平面
図

【図１０】別実施形態におけるブラシ取付部分の横断平
面図

【図１１】従来の研米装置における要部の横断平面図

【符号の説明】 ４２ ブラシ ４４ａ 突起部 Ｋ ブラシ存在部分 Ｒ 回転体 Ｔ 除糠筒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−249（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−100400（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−192508（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−192509（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B02B 3/10

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 除糠筒（Ｔ）内に回転駆動自在に配置さ
   れた回転体（Ｒ）の外周部に、前記除糠筒（Ｔ）内を移
   送される米粒の表面に接触させるブラシ（４２）が設け
   られた研米装置であって、 前記ブラシ（４２）が、前記回転体（Ｒ）の軸芯方向視
   において、前記回転体（Ｒ）の周方向に部分的に設けら
   れ、 前記ブラシ（４２）のうち、前記回転体（Ｒ）の回転方
   向側の端部に位置するものが、前記軸芯方向視におい
   て、ブラシ長手方向を前記回転体（Ｒ）の径方向、又
   は、その径方向に対して前記回転方向側に傾斜する方向
   に沿わした状態で設けられている研米装置。
2. 【請求項２】 前記ブラシ（４２）のうち、前記回転方
   向とは反対側の端部に位置するものが、前記軸芯方向視
   において、ブラシ長手方向を前記径方向、又は、その径
   方向に対して前記回転方向側に傾斜する方向に沿わした
   状態で設けられている請求項１記載の研米装置。
3. 【請求項３】 全ての前記ブラシ（４２）が、前記軸芯
   方向視において、ブラシ長手方向を前記径方向に沿わし
   た状態で設けられている請求項１記載の研米装置。
4. 【請求項４】 前記ブラシ（４２）が設けられたブラシ
   存在部分（Ｋ）の複数が、前記回転体（Ｒ）に対して、
   その周方向に分散配置した状態で、且つ、夫々が前記周
   方向に反転可能な状態で、着脱自在に設けられている請
   求項３記載の研米装置。
5. 【請求項５】 前記ブラシ存在部分（Ｋ）の表面のうち
   の、前記周方向の両端部夫々に、ブラシ設置部分の表面
   よりもブラシ先端側に突出する状態の突起部（４４ａ）
   が形成されている請求項４記載の研米装置。