JP3173739B2 - 画像記録方法 - Google Patents

画像記録方法

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JP3173739B2
JP3173739B2 JP10618292A JP10618292A JP3173739B2 JP 3173739 B2 JP3173739 B2 JP 3173739B2 JP 10618292 A JP10618292 A JP 10618292A JP 10618292 A JP10618292 A JP 10618292A JP 3173739 B2 JP3173739 B2 JP 3173739B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像記録方法に関し、詳
しくは、感熱層の温度による可逆的な透明度変化を利用
して、記録及び消去を何度も繰り返し行なうことのでき
る可逆性感熱記録材料を用いた画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一時的な画像形成が行なえ、不要
となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆
性感熱記録材料が注目されている。その代表的なものと
しては、塩化ビニル系樹脂のような樹脂母材中に高級脂
肪酸のような有機低分子物質を分散した可逆性感熱記録
材料が知られている(特開昭54−119377号、特
開昭55−154198号などの公報)。しかし、これ
らは不透明部を透明化するための温度巾が2〜4℃と狭
いため、一部が不透明な記録材料全体を透明化したり、
或いは、全体が不透明な記録材料に透明画像を形成する
際の温度制御が困難であった。
【0003】本発明者らは、先に、こうした可逆性感熱
記録材料を用い、サーマルヘッド等の発熱体にパルス状
エネルギーを印加して可逆性感熱記録材料を加熱させ、
そこに記録画像を形成する方法を提案している(特願平
4−19589号明細書)。だが、その方法によった場
合には、パルスモータにより可逆性感熱記録材料(以降
単に「記録材料」又は「感熱記録材料」と称することが
ある)を移動させた後、静止させてからサーマルヘッド
を発熱させ記録材料を加熱させることを狙っているもの
の、時として、パルスモータへの電流印加が終わった後
も、それまでの慣性等でそれまでの動きと同じ方向に行
きすぎたり、或いは、行きすぎた後戻る等の動きがあ
り、その動いている間に記録材料を加熱していたりす
る、等の不都合が認められる。
【0004】それに加えて、記録材料の裏面及び内部は
加熱により軟化しているため、加熱時に記録材料とサー
マルヘッドとが相対的に移動することで記録材料内部に
移動方法にズリ応力が発生し有機低分子物質粒子が変形
し、さらに加熱をくり返すことにより、有機低分子粒子
が寄り集まり、拡大しついには透明〜白濁変化をおこし
にくくなるという欠点があった。特に記録材料の表面が
熱に弱く粘性を持つようなものであるとこの傾向は顕著
となり、さらに加熱をくり返すことにより表面にキズが
発生するという欠点があった。更にまた、記録材料は動
きながら加熱されるため一画素の大きさが大きくなり、
解像度が低下するという欠点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
欠点を解消し、サーマルヘッド等の発熱体による加熱の
くり返しによっても有機低分子物質粒子の拡大による白
濁度の低下や、表面のキズを減少させ、かつ画像の解像
度を向上させることが可能な可逆性感熱記録材料を用い
た画像記録方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱による透明
度が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料と、発熱体
と、これら可逆性感熱記録材料及び発熱体を移動させる
移動手段とを用い、該発熱体にパルス状エネルギーを印
加して発熱せしめて該可逆性感熱記録材料に画像を記録
する方法において、非記録時には該可逆性感熱記録材料
と該発熱体とは相対的かつ間欠的に移動させ、また、記
録時には該可逆性感熱記録材料と該発熱体とは相対的に
静止させ、しかも該可逆性感熱記録材料及び該発熱体が
相対的に静止してから該発熱体にエネルギーが印加され
るまでの時間が0.5msec以上であることを特徴と
している。
【0007】本発明者らは前記課題を達成するために可
逆性感熱記録材料への画像記録についていろいろな角度
から検討を行なってきたが、記録材料の表面が熱に弱く
ても内部のズリ応力が発生しにくく、有機低分子物質粒
子の拡大を防ぐことができ、くり返し加熱による白濁度
低下を防ぐことができること、さらに表面のキズの発生
を防ぐことができることを確かめた。本発明はこうした
知見に基づいてなされたものである。
【0008】以下に、本発明方法を更に詳細に説明す
る。本発明で用いられる可逆性感熱記録材料は熱によ
り、色調、透明度、濁度等が変化するものならばなんで
もよく、例えば、急冷、除冷で透明状態と白濁状態が可
逆的に変化するものや、加熱する温度の違いにより色
調、透明度等が変化するものが挙げられる。
【0009】前者の例としては、ポリマーブレンド(特
開昭61−258853号公報に記載)や液晶高分子
(特開昭62−66990号公報に記載)が挙げられ
る。一方、後者の例としては、第1の特定温度と第2の
特定温度で透明度や濁度、色調光の吸収状態等の色の状
態が変化するもので、例えば、第1の特定温度で透明状
態となり第2の特定温度で白濁状態となるもの(特開昭
55−154198号公報に記載)や、第1の特定温度
で白濁状態となり第2の特定温度で透明状態となるもの
(特開平3−169590号公報に記載)、第1の特定
温度で黒、赤、青に発色し第2の特定温度で消色するも
の(特開平2−188293号、特開平2−18829
4号などの公報に記載)、第2の特定温度で発色し、第
1の特定温度で消色するもの(特願平2−414438
号明細書に記載)等が挙げられる。特に有機低分子物質
を樹脂母材中に分散したもので、第1の特定温度で透明
状態となり第2の特定温度で白濁状態となるものが感度
及び耐久性の面から好適に用いられる。この透明状態と
白濁状態の違いは次のように推測される。すなわち、
透明の場合には樹脂母材中に分散された有機低分子物質
の粒子は有機低分子物質の大きな粒子で構成されてお
り、片側から入射した光は散乱されること無く反対側に
透過するため透明に見えること、また、白濁の場合に
は有機低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶
が集合した多結晶で構成され、個々の結晶の結晶軸がい
ろいろな方向を向いているため片側から入射した光は有
機低分子物質粒子の結晶の界面で何度も屈折し、散乱さ
れるため白く見えること、等に由来している。
【0010】図1(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材及びこの樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質を主成分とする感熱層は、例えばT0
以下の常温では白濁不透明状態にある。これを第1の特
定温度T2に加熱すると透明になり、この状態で再びT0
以下の常温に戻しても透明のままである。これは温度T
2から温度T0以下に至るまでに有機低分子物質が半溶融
状態を経て多結晶から単結晶へと結晶が成長するためと
考えられる。更に、T3以上の第2の特定温度に加熱す
ると、最大透明度と最大不透明度との中間の半透明状態
になる。次に、この温度を下げて行くと再び透明状態を
とることなく最初の白濁不透明状態に戻る。これは温度
3以上で有機低分子物質が溶融後、冷却されることに
より多結晶が析出するためであると考えられる。なお、
この不透明状態のものをT1〜T2間の温度に加熱した
後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合には透明と
不透明との中間の状態をとることができる。また、前記
常温で透明になったものも再びT3以上の温度に加熱し
た後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に戻る。即ち、
常温で不透明及び透明の両形態並びにその中間状態をと
ることができる。
【0011】従って、熱を選択的に与えることにより感
熱層を選択的に加熱し、透明地に白濁画像、白濁地に透
明画像を形成することができ、その変化は何回も繰り返
することが可能である。そして、このような感熱層の背
面に着色シートを配置すれば、白地に着色シートの色の
画像または着色シートの色の地に白色の画像を形成する
ことができる。また、OHP(オーバーヘッドプロジェ
クター)などで投影すれば、白濁部は暗部になり、透明
部は光が透過しスクリーン上では明部となる。
【0012】ここで透明化温度巾とは以下の如く定義さ
れるものである。即ち、図2に白濁状態の可逆性感熱記
録材料を図1のT1〜T3を含む各温度に加熱後、T0
下の温度に冷却したときの可逆性感熱記録材料の透明度
を示す。図2において、透明状態を最小透明度t11に最
大透明度t12と最小透明度t11(最大白濁状態)との差
の80%を加えたものを透明度t13とし、t13以上の透
明度になる温度を透明化温度とし、その範囲を透明化温
度範囲(T4〜T5)としてその巾を透明化温度巾(T5
−T4)とする。以上は第1の色の状態が透明状態とな
る可逆性感熱記録材料における定義であるが、他の色の
状態に変わる材料にも同様の定義があてはまる。その場
合には透明化温度巾が第1の特定温度巾、透明化温度範
囲は第1の特定温度範囲となる。
【0013】本発明で用いられる感熱記録材料を作るに
は一般に(1)樹脂母材及び有機低分子物質の2成分を
溶解した溶液、又は(2)樹脂母材の溶液(溶剤として
は有機低分子物質のうちの少なくとも1種を溶解しない
ものを用いる)に有機低分子物質を微粒子状に分散した
分散液をプラスチックフィルム、ガラス板、金属板等の
支持体上に塗布乾燥して感熱層を形成することにより作
られる。感熱層又は記録材料形成用溶剤としては、母材
及び有機低分子物質の種類によって種々選択できるが、
例えばテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタ
ノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。なお、分
散液を使用した場合はもちろんであるが、溶液を使用し
た場合も得られる感熱層又は記録材料中では有機低分子
物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
【0014】感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子
物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透
明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂
母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良
い樹脂が好ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体等の塩化ビニル系共
重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビ
ニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体等の塩化ビニ
リデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリア
クリレート又はポリメタクリレート或いはアクリレート
−メタクリレート共重合体;シリコン樹脂等が挙げられ
る。これらは単独で或いは2種以上混合して使用され
る。
【0015】一方、有機低分子物質としては記録層中で
熱により多結晶から単結晶に変化するもの(図1に示し
た温度T1〜T3の範囲で変化するもの)であればよく、
一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程
度のものが使用される。このような有機低分子物質とし
てはアルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカ
ノールまたはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミ
ン;アルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカ
ン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアル
カン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和または不
飽和モノまたはジカルボン酸又はこれらのエステル、ア
ミド又はアンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂
肪酸またはこれらのエステル、アミド又はアンモニウム
塩;アリルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド
又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸または
それらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオア
ルコール;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミ
ンまたはアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸
エステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上
混合して使用される。これらの化合物の炭素数は10〜
60、好ましくは10〜38、特に10〜30が好まし
い。エステル中のアルコール基部分は飽和していても飽
和していなくてもよく、またハロゲン置換されていても
よい。いずれにしても有機低分子物質は分子中に酸素、
窒素、硫黄及びハロゲンの少くとも1種、例えば−O
H、−COOH、−CONH、−COOR、−NH−、
−NH2、−S−、−S−S−、−O−、ハロゲン等を
含む化合物であることが好ましい。
【0016】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンイコサン酸、
トリコサン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロ
チン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、オ
レイン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸メチル、ステア
リン酸テトラデシル、ステアリン酸オクタデシル、ラウ
リン酸オクタデシル、パルミチン酸テトラデシル、ベヘ
ン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエステル; C1633−O−C1633,C1633−S−C1633,C
1837−S−C1837,C1225−S−C1225,C19
39−S−C1939,C1225−S−S−C1225,H
2311OCO・H2C・H2C−O−CH2・CH2・OC
OC1123,H3517OCO・H2C・H2C−O−CH
2・CH2・OCOC1735,H3C・H2C・(CH3
HC・(CH215OOC・H2C−O−* *−CH2・CH2・COO(CH215・CH(CH3
・CH2・CH3,H2512OCO・H2C・H2C−S−
CH2・CH2・OCOC1225,H3718OCO・H2
C・H2C−S−CH2・CH2・OCOC1837,H3
・H2C・(CH3)HC・(CH215OOC・H2C・
2C−S−** **−CH2・CH2・COO(CH215・CH(C
3)・CH2・CH3,H3718OOC・H2C・H2
−NH−CH2・CH2・COOC1837,H3C・H2
・(CH3)HC・(CH213・COO・H2C−NH
−*** ***−CH2・COO(CH213・CH(CH3)・
CH2・CH3 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ヘプタデカン酸、
ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンイコサン酸、トリコサ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の炭
素数16以上の高級脂肪酸が好ましく、炭素数16〜24の高
級脂肪酸が更に好ましい。
【0017】記録材料はその第1の特定温度の巾が広い
方が第1の色の状態になりやすく、15℃を超えること
が好ましく、さらに好ましくは22℃を超えるときであ
る。ただし、第一の特定温度巾が広すぎると第2の特定
温度が上がりすぎ例えば第2の色の状態となる際の熱感
度が下がってしまう。そのため第1の特定温度巾は80
℃以下が好ましく、50℃以下が更に好ましい。
【0018】樹脂母材中に有機低分子物質を分散した可
逆性感熱記録材料の場合、透明化できる温度の巾を広げ
るには、この明細書において記載した有機低分子物質を
適宜組合せるか、または、そうした有機低分子物質と融
点の異なる他の材料とを組合せればよい。これらは例え
ば特開昭63−39378号、特開昭63−13038
0号などの公報や、特願昭63−14754号、特願平
1−140109号などの明細書に開示されているが、
これらに限定されるものではない。
【0019】なお、感熱層中の有機低分子物質と樹脂母
材との割合は、重量比で2:1〜1:16程度が好まし
く、1:2〜1:6が更に好ましい。樹脂母材の比率が
これ以下になると、有機低分子物質を樹脂母材中に保持
した膜を形成することが困難となり、またこれ以上にな
ると、有機低分子物質の量が少ないため、不透明化が困
難になる。
【0020】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。
【0021】高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン
酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リ
ン酸トリクレジル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
ヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2
−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジ
オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチ
ルベンジル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−
ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼラ
イン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、
セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ジエチレングリコ
ールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−
エチルブチラート、アセチルリシノール酸メチル、アセ
チルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコ
レート、アセチルクエン酸トリブチル。
【0022】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、芳
香族カルボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホ
ン酸、硫酸モノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エス
テルのCa、Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖
アルキルアクリレート;アクリル系オルゴマー;ポリ長
鎖アルキルメタクリレート;長鎖アルキルメタクリレー
ト〜アミン含有モノマー共重合体;スチレン〜無水マレ
イン酸共重合体;オレフィン〜無水マレイン酸共重合
体。
【0023】この記録材料の画像を反射画像として用い
る場合には、記録層の背面に光を反射する層を設けると
記録層の厚みを薄くしてもコントラストを上げることが
できる。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着すること
が挙げられる(特開昭64−14079号公報に記
載)。
【0024】また、感熱層上にはその感熱層を保護する
ために保護層を設けることができる。保護層(厚さ0.
1〜10μm)の材料としては、シリコーン系ゴム、シ
リコーン樹脂(特開昭63−221087号公報に記
載)、ポリシロキサングラフトポリマー(特願昭62−
152550号明細書に記載)や紫外線硬化樹脂又は電
子線硬化樹脂(特願昭63−310600号明細書に記
載)等が挙げられる。いずれの場合も、塗布時に溶剤を
用いるが、その溶剤は、感熱層の樹脂ならびに有機低分
子物質を溶解しにくいほうが望ましい。感熱層の樹脂及
び有機低分子物質を溶解しにくい溶剤としてn−ヘキサ
ン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等が挙げられ、特にアルコール系の溶剤が
コスト面から望ましい。
【0025】また、保護層形成液の溶剤やモノマー成分
等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層との間
に中間層を設けることができ(特開平1−133781
号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹脂
母材として挙げたものの他に下記のような熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリ
エステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ
る。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ましい。
【0026】こうした構造を有する可逆性感熱記録材料
は、必要に応じて、磁気記録層、IC等と組み合わせ、
情報表示可能な磁気カード、ICカードとして用いるこ
とも可能である(実開平2−3876号公報に記載)。
【0027】本発明方法はかかる感熱記録材料を用いて
画像記録を行なおうとするものである。従って、感熱記
録材料との関係において本発明方法を説明を進める。
【0028】図3(a)は発熱体1と記録材料2とが相
対的に移動している際の感熱層3内部にズリ応力が生じ
る現象を示している。例えば、記録材料2がAの方向に
動くとき発熱体1は相対的にはAと反対の方法(即ちB
の方向)に動くこととなる。その際、発熱体1にエネル
ギーを印加して加熱すると発熱体1と感熱層3表面とが
粘着し感熱層3の内部にはBの方向にズリ応力が発生す
る。
【0029】図3(b)は印字をする前の初期の感熱層
3中の様子を示しており、樹脂6中に球状の有機低分子
物質粒子5が分散された状態となっている。これに図3
(a)に示したごとき内部のズリ応力が発生すると図3
(c)のようにBの方向に粒子が変形し、加熱により画
像形成をくり返すと図3(d)に示したように有機低分
子物質粒子5が拡大し透明〜白濁変化を示さなくなる。
【0030】これに対し、発熱体1と記録材料2とが相
対的に静止しているときに加熱を施せば、図3(a)に
示したようなズリ応力は生じず、上述のような原因によ
る記録材料の劣化を防ぐことができる。
【0031】次に、記録装置の制御方法との関係におい
て本発明方法をさらに詳細に述べる。ここでは発熱体
(サーマルヘッド)1が固定されプラテン7をパルスモ
ータで動かすことにより記録材料2が移動する場合を説
明する(図4)。
【0032】図5は、プラテンを動かすタイミングと発
熱体にパルスを印加するタイミングの関係を表わしたも
のである。図5(a)は、ライン周期の同期信号を表わ
し印字ライン周期を制御している。図5(b)は、プラ
テンモータに電流を与える周期を表わしている。図5
(c)(d)(e)(f)及び(g)は発熱体にエネル
ギーを印加するタイミングを表わしている。
【0033】通常、このプラテンモータにエネルギーを
与えるタイミングと発熱体にエネルギーを印加するタイ
ミングとは、プラテンモータ周期(b)に対しプラテン
モータにエネルギーを印加し始めると同じに発熱体にエ
ネルギーを印加する(図5(c))か、又は、プラテン
モータにエネルギーを印加し終わった直後に発熱体にエ
ネルギーを印加する(図5(d))ものであった。だ
が、このタイミングであると、図5(c)はもちろん図
5(d)の場合も発熱体にパルスを印加するとき、つま
り記録材料が加熱されているときに記録材料と発熱体が
相対的に動くこととなる。図5(d)の場合には発熱体
にパルスの印加されているときにはパルスモータにパル
スは印加されていないが、パルスが止まってもプラテン
が慣性でしばらく動き、また、時には、動きすぎたあと
戻ることもある。この場合には、前述したように、記録
材料内部にズリ応力が発生し歪が生じ耐久性が劣ること
となる。
【0034】本発明者らは、図5(e)に示すように、
プラテンモータにパルスを印加し終わってから、発熱体
にパルスを印加し始めるまで時間(図5(e)のt)を
おきプラテンの動きが止まってから発熱体にパルスを印
加することにより、即ち、記録材料及び発熱体が相対的
に静止した直後すぐには発熱体にエネルギーを印加しな
いことにより、これらの問題を解決することができるこ
とを見いだしたものである。このt(プラテンモータに
パルスを印加し終わってから発熱体にパルスを印加し始
めるまでの時間)は0.5msec以上であり、1.0
msec以上が好ましく、1.5msec以上がより好
ましい。
【0035】また図5(f)のように発熱体に印加する
パルスを複数にすることによる記録材料を加熱しすぎる
ことがなく、耐久性が向上する。さらに前述の第1の特
定温度で第1の色の状態となり第1の特定温度より高い
第2の特定温度で第2の色の状態となる記録材料の場
合、このパルスを複数にする方法を用いることにより第
1の色の状態になる温度の巾が狭くても記録材料は比較
的均一に加熱され均一な第1の色の状態を得ることがで
きる。なお、図5(f)ではパルスの数は2であるか3
以上であればなお効果的であることはいうまでもない。
【0036】更に、発熱体全体に一度にパルスを印加せ
ずに分割して印加してもよい。この場合には図5(g)
のよに発熱体の半分に最初(g−1)のタイミングでパ
ルスを印加し、次に(g−2)のタイミングでパルスを
印加する。この方法を用いることにより一度に印加する
エネルギーが少なくて済むため電源を小さくでき装置を
コンパクトにできるというメリットがあるが記録時間全
体が長くなるというデメリットがある。なお、図5
(g)では2分割であるが3分割以上にしてもよい。
【0037】印加ライン周期は0.5〜10msecが
好ましく、プラテンモータへの電流印加時間は0.05
〜2.0msecが好ましい。発熱体へのパルス印加時
間は0.5〜5.0msecが好ましい。
【0038】
【実施例】ここでの部、%はいずれも重量基準である。
【0039】実施例1 約50μm厚のポリエステルフィルム上にAlを約40
0Å厚となるように真空蒸着して光反射層を設けた。こ
の上に ベヘン酸(日本油脂社製 NAA−22S) 6部 エイコサン2酸(岡村製油社製 SL−20) 4部 フタル酸ジアリル 2部 塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル共重合体 20部 (電気化学工業社製、デンカビニール#1000P) テトラヒドロフラン 150部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して約6μm厚の感熱
層(可逆性感熱記録層)を設けた。さらにその上に ポリアミド樹脂(東レ社製、CM8000) 10部 エチルアルコール 90部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して約0.5μm厚の
中間層を設けた。さらに、その上に、 ウレタンアクリート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディック17−824−9) 10部 トルエン 10部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥後、80w/cmの紫
外線ランプを5秒間照射させ、約2μm厚の保護層を設
けて可逆性感熱記録材料を作成した。このようにして得
られた記録材料は白濁状態であった。また、この記録材
料の透明化温度巾は25℃であった。この記録材料を8
0℃に加熱して全体を透明化した。透明化した記録材料
を薄膜部分グレースタイプサーマルヘッド(リコー社
製、モデルSH−216−08PC31)を用いて0.
26W/dotの電力で印字周期5msec、プランテ
ンモータへのエネルギー印加時間約0.5msec、発
熱体へのパルス印加時間約2.0msecで図5
(a)、(b)、(e)に示すタイミング(t≒1.0
msec)で白濁画像形成を行ない、その後80℃加熱
した熱板を押しあて、画像の消去を行なった。この画像
形成と消去を100回くり返したときの白濁濃度の変化
を図6に示す。
【0040】実施例2 プラテンモータにエネルギーを印加終了後、発熱体にエ
ネルギーを印加し始めるまでの時間tを約1.5mse
cとした以外は実施例1と同様にして、画像形成及び消
去を繰返した。その結果を図6に示す。
【0041】プラテンモーターにエネルギーを印加終了
後、発熱体にエネルギーを印加し始めるまでの時間tを
約1.5msecとし、発熱体に印加するパルスを2パ
ルスとし約1.5msec印加した後、0.5msec
休止し、さらに約0.7msecのパルスを印加した以
外は実施例1と同様にして画像形成と消去を繰返した。
その結果を図6に示す。
【0042】比較例1 図5(c)に示したように、プラテンモータにパルスを
印加し始めると同じに発熱体にパルスを印加したこと以
外は実施例1と同様にして画像形成及び消去を繰返し
た。その結果を図6に示す。
【0043】比較例2 図5(d)に示したように、プラテンモータにパルスを
印加し終了後、すぐに発熱体にパルスを印加したこと以
外は実施例1と同様にして画像形成及び消去をくり返し
た。その結果を図6に示す。
【0044】
【発明の効果】実施例及び図面の記載から明らかなよう
に、本発明方法によれば、画像の形成と消去の繰り返し
耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で用いられる可逆性感熱記録材料の
熱による透明度の変化を表わした図である。
【図2】可逆性感熱記録材料の熱による透明化度を説明
するための図である。
【図3】(a)は発熱体と記録材料とが相対的に移動し
ている際に、記録材料の感熱内部にズリ応力が生じる現
象を説明するための図である。 (b)は印字前の感熱層内の様子を表わした図である。 (c)及び(d)は感熱層内部にズリ応力が生じたとき
樹脂中の有機低分子物質粒子が変形・拡大する様子を表
わした図である。
【図4】発熱体が固定され、記録材料が移動するように
した記録装置の概略図である。
【図5】記録材料の移動のタイミングと発熱体にパルス
を印加するタイミングとの関係を表わした図である。
【図6】画像の形成及び消去を繰返したときの感熱層の
白濁濃度の変化を表わした図である。
【符号の説明】
1 発熱体 2 可逆性感熱記録材料 3 感熱層 4 支持体 5 有機低分子物質(粒子) 6 樹脂 7 プラテン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 彰英 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平2−143868(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/32 B41J 2/355

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱により透明度が可逆的に変化する可逆
    性感熱記録材料と、発熱体と、これら可逆性感熱記録材
    料及び発熱体を移動させる移動手段とを用い、該発熱体
    にパルス状エネルギーを印加して発熱せしめて該可逆性
    感熱記録材料に画像を記録する方法において、非画像記
    録時には該可逆性感熱記録材料と該発熱体とは相対的か
    つ間欠的に移動させ、また、画像記録時には該可逆性感
    熱記録材料と該発熱体とは相対的に静止させ、しかも該
    可逆性感熱記録材料及び該発熱体が相対的に静止してか
    ら該発熱体にエネルギーが印加されるまでの時間が0.
    5msec以上であることを特徴とする画像記録方法。
  2. 【請求項2】 前記発熱体に、一画素を形成するのに際
    して、複数のパルス状エネルギーを印加する請求項1記
    の画像記録方法。
  3. 【請求項3】 前記一画素を形成するための該発熱体へ
    のパルス状エネルギー印加時間が0.5〜5.0mse
    cである請求項1又は2記載の画像記録方法。
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