JP3171002B2 - 積層型インダクタ - Google Patents

積層型インダクタ

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JP3171002B2 JP09475994A JP9475994A JP3171002B2 JP 3171002 B2 JP3171002 B2 JP 3171002B2 JP 09475994 A JP09475994 A JP 09475994A JP 9475994 A JP9475994 A JP 9475994A JP 3171002 B2 JP3171002 B2 JP 3171002B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型インダクタ、特
に、チョークコイル等として使用される積層型インダク
タに関する。
【0002】
【従来の技術と課題】図8に示すように、従来の積層型
インダクタ61は、絶縁体とコイル用導体を積み重ねて
構成した積層体62の両端部に、入出力電極63,64
を設けたものであった。入出力電極63,64は、前記
コイル用導体にて構成されたコイルに電気的に接続され
ている。このような構造の積層型インダクタ61は、巻
線型インダクタと比較してコイルの直流抵抗が大きく、
自己発熱に伴う温度上昇が大きくなり、定格電流を大き
くすることができないという問題があった。
【0003】このため、コイル用導体の材料として導電
率の高い材料を採用したり、コイル用導体の厚みを厚く
したりする等の対策が提案されたが、製造工程中(特に
焼成の際)にひび割れ等が発生したり、製造コストが高
くなる等の問題が新たに発生した。そこで、本発明の課
題は、自己発熱に伴う温度上昇を抑え、大きな定格電流
を設定することができる積層型インダクタを提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段と作用】以上の課題を解決
するため、本発明に係る積層型インダクタは、(a)絶
縁体とコイル用導体を積み重ねて構成した積層体と、
(b)前記積層体の表面に設けられた、前記コイル用導
体にて構成したコイルに電気的に接続された入出力電極
と、(c)前記積層体の表面に設けられた、いずれの導
体にも接続しない放熱電極と、を備えたことを特徴とす
る。放熱電極の材料としては、熱伝導率が優れた材料が
使用される。
【0005】以上の構成により、コイルに電流が流れる
ことによってコイルに発生した熱は、絶縁体を介して積
層体の表面に設けられた放熱電極に伝導し、さらに放熱
電極から空気中や積層型インダクタが実装されることに
なる印刷配線板等の導電路に放熱される。従って、積層
型インダクタの温度が上昇しにくくなる。また、本発明
に係る積層型インダクタは、(d)絶縁体とコイル用導
体と吸熱電極を積み重ねて構成した積層体と、(e)前
記積層体の表面に設けられた、前記コイル用導体にて構
成したコイルに電気的に接続された入出力電極と、
(f)前記積層体の表面に設けられた、前記吸熱電極に
接続された放熱電極と、を備えたことを特徴とする。吸
熱電極や放熱電極の材料としては、熱伝導率が優れた材
料が使用される。
【0006】以上の構成により、コイルに発生した熱
は、絶縁体を介して吸熱電極に伝導した後、さらに放熱
電極に効率良く伝導する。そして、放熱電極から空気中
や積層型インダクタが実装されることになる印刷配線板
等の導電路に放熱される。従って、積層型インダクタの
温度がさらに上昇しにくくなる。
【0007】
【実施例】以下、本発明に係る積層型インダクタの実施
例について添付図面を参照して説明する。 [第1実施例、図1〜図5]図1に示すように、積層体
1は絶縁体シート2とコイル用導体3,4,5,6,7
にて構成されている。絶縁体シート2の材料としては、
例えばフェライト等が使用される。コイル用導体3〜7
は、Ag,Pd,Cu等のペーストをスクリーン印刷の
手段にて絶縁体シート2の表面に塗布、乾燥することに
より形成してもよいし、スパッタリングや蒸着等の手段
により形成してもよい。
【0008】コイル用導体3の一方の端部3aは絶縁体
シート2の左辺に露出している。コイル用導体7の一方
の端部7aは絶縁体シート2の右辺に露出している。コ
イル用導体3〜7をそれぞれ表面に設けた絶縁体シート
2と表面に何も設けない保護用絶縁体シート2は積み重
ねられた後、成形され、焼成されて積層体1とされる。
積層された状態では、コイル用導体3〜7は絶縁体シー
ト2にそれぞれ設けられたビアホール10,11,1
2,13を介して電気的に直列に接続されコイル8を形
成する。
【0009】図2に示すように、成形された積層体1に
は両端部に入出力電極16,17が設けられ、手前側及
び奥側の側面中央部に放熱電極18a,18bが設けら
れる。入出力電極16はコイル用導体3の端部3aに電
気的に接続し、入出力電極17はコイル用導体7の端部
7aに電気的に接続している。一方、放熱電極18a,
18bはいずれの導体にも接続していない。
【0010】入出力電極16,17及び放熱電極18
a,18bはAg,Pd等のペーストを積層体1に塗
布、焼付けすることにより形成してもよいし、スパッタ
リングや蒸着等の手段にて形成してもよい。特に、放熱
電極18a,18bは、絶縁体シート2の材質と比較し
て熱伝導率の良いものであればAg,Pd以外の金属材
料あるいは絶縁物材料であってもよい。また、これとは
別に、アルミ箔や銅箔等の金属箔を積層体1の表面に貼
って放熱電極としてもよい。図3はこうして得られた積
層型インダクタの電気等価回路図である。
【0011】次に、この積層型インダクタを印刷配線板
に実装した場合の作用効果について説明する。図4に示
すように、積層型インダクタの入出力電極16,17が
印刷配線板上に設けた導体パターン20,21にそれぞ
れ半田25にて電気的に接続され、積層型インダクタが
印刷配線板に固定される。この状態で、積層型インダク
タに内蔵されたコイル8に電流が流れると、コイル8に
発生した熱は絶縁体を介して放熱電極18a,18bに
伝わる。放熱電極18a,18bは伝わった熱を空気中
に放熱して積層型インダクタの温度上昇を抑制する。こ
の結果、大きな定格電流を設定することができる積層型
インダクタを得ることができる。
【0012】また、図5に示すように、入出力電極1
6,17及び放熱電極18a,18bを印刷配線板上に
設けた導体パターン22,23,24にそれぞれ半田2
5にて電気的に接続することにより、積層型インダクタ
を印刷配線板に固定してもよい。この場合、コイル8に
電流が流れると、コイル8に発生した熱は絶縁体を介し
て放熱電極18a,18bに伝わる。放熱電極18a,
18bに伝わった熱は印刷配線板上に設けられた導体パ
ターン24にも伝導され、導体パターン24からも空気
中や印刷配線板に熱が放散されて放熱効果がさらにアッ
プする。なお、図5の例では、放熱電極18a,18b
が絶縁物材料の場合は不適である。
【0013】また、電流をコイルに流した場合、従来の
積層型インダクタと比較して温度上昇を抑えることがで
きるので、積層型インダクタの電気的及び機械的信頼性
が向上する。 [第2実施例、図6及び図7]第2実施例の積層型イン
ダクタは内部に吸熱電極を設けたものである。図6に示
すように、積層体31は絶縁体シート32とコイル用導
体33,34,35,36と吸熱電極40a,40b,
41a,41b,42a,42bにて構成されている。
吸熱電極40a〜42bの材料としては、絶縁体シート
32の材質と比較して熱伝導率の良い材料、例えばA
g,Pd,Cu等が用いられる。吸熱電極40a〜42
bは、Ag,Pd,Cu等のペーストをスクリーン印刷
の手段にて絶縁体シート32の表面に塗布、乾燥するこ
とにより形成してもよいし、スパッタリングや蒸着等の
手段により形成してもよい。
【0014】コイル用導体33の一方の端部33aは絶
縁体シート32の左辺に露出している。コイル用導体3
6の一方の端部36aは絶縁体シート32の右辺に露出
している。吸熱電極40a,41a,42aはその一部
が絶縁体シート32の手前側の辺に露出し、吸熱電極4
0b,41b,42bはその一部が絶縁体シート32の
奥側の辺に露出している。吸熱電極40a〜42bには
ビアホールを回避するために半円形状の切欠き43が形
成されている。
【0015】コイル用導体33〜36及び吸熱電極40
a〜42bを表面に設けた絶縁体シート32と表面に何
も設けない保護用絶縁体シート(図示せず)は積み重ね
られた後、成形され、焼成されて積層体31とされる。
積層された状態では、コイル用導体33〜36は絶縁体
シート32にそれぞれ設けられたビアホール45,4
6,47,48,49,50を介して電気的に直列に接
続されコイル38を形成する。そして、吸熱電極40a
〜42bはコイル用導体33〜36に近接して配設され
る。
【0016】図7に示すように、成形された積層体31
には、両端部に入出力電極52,53が設けられ、中央
部に胴巻きされた放熱電極54が設けられる。入出力電
極52はコイル用導体33の端部33aに電気的に接続
し、入出力電極53はコイル用導体36の端部36aに
電気的に接続し、放熱電極54は吸熱電極40a〜42
bに接続している。この積層型インダクタはコイル38
に電流が流れると、コイル38に発生した熱は絶縁体を
介して吸熱電極40a〜42bに伝わる。吸熱電極40
a〜42bは、伝わった熱を効率良く放熱電極54に伝
える。さらに、放熱電極54は、伝わった熱を空気中や
積層型インダクタが実装されることになる印刷配線板の
導電路に放散して積層型インダクタの温度上昇を抑制す
る。この結果、大きな定格電流を設定することができる
積層型インダクタを得ることができる。
【0017】[他の実施例]なお、本発明に係る積層型
インダクタは前記実施例に限定するものではなく、その
要旨の範囲内で種々に変形することができる。放熱電極
や吸熱電極の形状や位置や数量は、積層型インダクタの
仕様に合わせて適したものが選択される。放熱電極は、
その表面積が大きい方が放熱効果に優れていることは言
うまでもない。
【0018】また、前記各実施例の積層型インダクタ
は、絶縁体シートを積み重ねた後、一体的に焼成するも
のであるが、必ずしもこれに限定しない。例えば、以下
に説明する製法によって積層体を製作してもよい。ペー
スト状の絶縁体材料を塗布、乾燥して絶縁体材料を形成
した後、その絶縁体材料膜の表面にペースト状のコイル
用導体材料、あるいは吸熱電極用材料を塗布、乾燥して
コイル用導体や吸熱電極を形成する。こうして順に重ね
塗りすることによって積層体を形成した後、一体的に焼
成する。
【0019】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、放熱電極を積層体の表面に設けたので、コイル
用導体にて構成されたコイルに発生した熱は絶縁体を介
して放熱電極に伝導し、さらに放熱電極から空気中や積
層インダクタが実装されることとなる印刷配線板等の導
電路に放熱される。従って、積層型インダクタの温度上
昇が抑制され、大きな定格電流を設定することができる
積層型インダクタを得ることができる。
【0020】また、電流をコイルに流した場合、従来の
積層型インダクタと比較して温度上昇を抑えることがで
きるので、積層型インダクタの電気的及び機械的信頼性
が向上する。さらに、吸熱電極を積層体内部に設けるこ
とにより、コイルに発生した熱は絶縁体を介して吸熱電
極から放熱電極へと効率良く伝導され、積層型インダク
タの温度上昇をさらに抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型インダクタの第1実施例を
示す組立斜視図。
【図2】図1に示した積層型インダクタの外観を示す斜
視図。
【図3】図2に示した積層型インダクタの電気等価回路
図。
【図4】図2に示した積層型インダクタの実装状態を示
す斜視図。
【図5】図2に示した積層型インダクタの別の実装状態
を示す斜視図。
【図6】本発明に係る積層型インダクタの第2実施例を
示す分解斜視図。
【図7】図6に示した積層型インダクタの外観を示す斜
視図。
【図8】従来例を示す斜視図。
【符号の説明】
1…積層体 2…絶縁体シート 3〜7…コイル用導体 8…コイル 16,17…入出力電極 18a,18b…放熱電極 31…積層体 32…絶縁体シート 33〜36…コイル用導体 38…コイル 40a〜42b…吸熱電極 52,53…入出力電極 54…放熱電極

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体とコイル用導体と吸熱電極を積み
    重ねて構成した積層体と、 前記積層体の表面に設けられた、前記コイル用導体にて
    構成したコイルに電気的に接続された入出力電極と、 前記積層体の表面に設けられた、前記吸熱電極に接続さ
    れた放熱電極と、 を備えたことを特徴とする積層型インダクタ。
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JP4485740B2 (ja) * 2002-12-06 2010-06-23 東光株式会社 積層型電子部品
JP4809262B2 (ja) * 2007-02-21 2011-11-09 京セラ株式会社 コイル内蔵基板
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