JP3169506B2 - ヒートシールコネクタ用絶縁性接着剤組成物およびその製造方法 - Google Patents

ヒートシールコネクタ用絶縁性接着剤組成物およびその製造方法

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JP3169506B2 JP09954094A JP9954094A JP3169506B2 JP 3169506 B2 JP3169506 B2 JP 3169506B2 JP 09954094 A JP09954094 A JP 09954094A JP 9954094 A JP9954094 A JP 9954094A JP 3169506 B2 JP3169506 B2 JP 3169506B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒートシールコネクタ、
特には液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネ
ッセンス(EL)、発光ダイオード(LED)、エレク
トロクロミックディスプレイ(ECD)、プラズマディ
スプレイなどの表示体の接続端子とその駆動部分を搭載
した回路基板、あるいは各種電気回路の基板間などを接
続するために使用されるヒートシールコネクタに用いら
れる絶縁性接着剤組成物およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ヒートシールコネクタは従来よりLC
D、EL、LED、ECD、プラズマディスプレイなど
の表示具と、硬質プリント配線板(PCB)、フレキシ
ブルプリント基板(FPC)との接続、あるいはPC
B、FPC間の接続などに用いられている。この公知の
ヒートシールコネクタ11は例えば図2に示したように、
絶縁性可撓性基材12の上に所望の導電ライン13を導電ペ
ーストでスクリーン印刷することによって形成し、その
上に導電粒子14を絶縁性接着剤15に分散してなる異方導
電性接着剤層16を設け、他の部位(接続に関与しない部
位)に絶縁レジスト層17を設けたものとされている(特
公昭55-38073号、特公昭58-56996号公報参照)。
【0003】そして、このヒートシールコネクタ11は図
2に示したように、この異方導電性接着剤層16の上にI
TO電極端子を有するITO基板18を熱圧着することに
よって使用され、この被接続基板18上の接続端子とヒー
トシールコネクタ11上の導電ライン13とが導電粒子14を
介して電気的に接続される(導電ラインを形成するため
の導電インク中に配合される導電性付与剤としての導電
粒子はその粒径が小さいので導電性微粒子とも称され
る。)が、このヒートシールコネクタ11については図3
に示したようにこの導電ライン13を導電性粒子14を分散
配合した導電ペーストで形成し、これに絶縁性接着剤層
15’を設けたものも提案されている(特表昭62-500828
号、特開昭 62-154746号各公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、このヒート
シールコネクタについては、その電気的接続の信頼性が
この絶縁性接着剤の特性に大きく依存するため、これに
は長期に亘る使用環境下においても接着力を保持し続け
るということから耐熱性、耐湿性が要求されるが、これ
は通常、印刷、コーティングなどの方法で導電ライン上
に設けられることから、汎用溶剤に容易に溶解すること
が望ましいものとされる。したがって、これについては
粘着性、接着力、加工の容易さという点から、スチレン
系エラストマー、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリ
ウレタン、クロロプレン(CR)、アクリロニトリルブ
タジエンゴム(NBR)などを主成分とするものが多く
使用されているが、これらは熱可塑性樹脂であることか
ら耐熱性に乏しく、高温時の電気的接続が不安定である
という不利がある。
【0005】そのため、これについては熱可塑性樹脂に
替えて熱硬化性樹脂を使用する試みが数多くなされてい
るが、熱硬化性樹脂はヒートシール時の温度、圧力、時
間などの条件がより苛酷な方向に移り、また接着剤溶液
としての可使時間が短くなるなどの問題がある。また前
記した熱可塑性樹脂については、この樹脂成分に混溶可
能な高Tg点樹脂を混合したり、二重結合に水添したり
して耐熱性を向上させるということも試みられたが、こ
れらの処理にはその粘着力、接着力を低下させるという
不利がある。
【0006】このため、これについては接着力の強化の
ために無水有機酸変性を行なった熱可塑性樹脂が開発さ
れたので、この接着性は若干改良されたけれども、これ
にはこの無機及び有機塩が親水性であるために高湿度環
境下においては接着力が急激に低下し、実用的でないと
いう欠点がある。なお、ヒートシールコネクタについて
は、近年における電気機器の小型化にともなってヒート
シールコネクタに要求される接続端子ピッチが従来の最
小 0.3mmピッチ程度から最小 0.2mmピッチ程度にまで精
細化したことから、導電粒子の粒径も微小化し、接着剤
の塗布厚さも薄小になってきたために、従来の絶縁性接
着剤を用いていたものには電気的接続の信頼性および接
着力に限界が生じてきている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、欠点、問題点を解決したヒートシールコネクタ用絶
縁性接着剤組成物およびその製造方法に関するもので、
この絶縁性接着剤組成物は、絶縁性可撓性基材の片面に
導電ラインを設け、これが被接続部材と接する部位に絶
縁性接着剤層または異方導電接着剤層を設けてなるヒー
トシールコネクタにおいて、この絶縁性接着剤が(A)
クロロプレン 100重量部、(B)無水有機酸基を1〜10
重量%含む熱可塑性樹脂20〜 200重量部、(C)t−ブ
チル−フェノール樹脂20〜 200重量部、(D)Mg、C
a、Sr、Baから選択される1種もしくは2種以上の
金属またはこれらの合金の酸化物1〜15重量部、(E)
水吸着性粉末0.01〜50重量部、とからなることを特徴と
するものであり、この製造方法はこの(B)成分を溶剤
に溶解し、これに(E)成分を混合し、ついで(C)成
分を混合する工程を含むことを特徴とするものである。
【0008】すなわち、本発明者は上記したような課題
を解決する方法について種々検討した結果、この絶縁性
接着剤についてはクロロプレンと無水有機酸基をもつ熱
可塑性樹脂を成分として有するものとし、この無水有機
酸基をもつ熱可塑性樹脂とt−ブチル−フェノール樹脂
とを金属イオンによってキレート化させるとこれが粘着
力、接着力をもつものとなること、またこのt−ブチル
−フェノール樹脂がクロロプレンとの相互作用で絶縁性
接着剤としての強固な網目構造(IPN)をもつものと
なるので、これがすぐれた耐熱性、耐湿性を発現するこ
とを見出し、これら各成分の種類、配合比、配合方法な
どについての研究を進めて本発明を完成させた。
【0009】
【作用】本発明はヒートシールコネクタ用絶縁性接着剤
組成物およびその製造方法に関するものであり、この組
成物には(A)クロロプレンと(B)無水有機酸基をも
つ熱可塑性樹脂が、この(B)無水有機酸基をもつ熱可
塑性樹脂と(C)t−ブチル−フェノール樹脂とを
(D)の金属イオンをキレート核としてキレート化させ
ると粘着力、接着力をもつものとなるし、この(A)ク
ロロプレンと(C)t−ブチル−フェノール樹脂はそれ
らの相互作用によって強固な網目構造をもつものとな
り、これがすぐれた耐熱性、耐湿性をもつものとなるの
で、これを用いたヒートシールコネクタはすぐれた耐熱
性、耐湿性をもつものになるという有利性が与えられ、
この製造方法によればこのような物性をもつ絶縁性接着
剤を容易に得ることができるという有利性が与えられ
る。
【0010】本発明のヒートシールコネクタ用絶縁性接
着剤組成物は(A)成分としてのクロロプレンと(B)
成分としての無水有機酸基をもつ熱可塑性樹脂を主剤と
するものとされる。この(A)成分としてのクロロプレ
ンは市販のものとすればよいが、これは接着剤用途とい
うことから結晶化速度が速いものとすることがよい。ま
た、この(B)成分としての無水有機酸基をもつ熱可塑
性樹脂としては、アクリル系、ポリウレタン系、スチレ
ン系、ポリエステル系などのエラストマー樹脂や、C
R、NBRなどの合成ゴム中に無水ジカルボン酸基など
の無水有機酸基を含むものが例示されるが、これらは市
販のものを使用してもよいし、これはその1種または2
種以上を使用すればよい。
【0011】この無水有機酸基を含む熱可塑性樹脂は後
述する金属酸化物の存在による(C)成分としてのt−
ブチル−フェノール樹脂によるキレート化によって粘着
力、接着力を保持したものとされるが、この無水有機酸
基の含有量が1%未満ではそのキレート形成が不十分と
なり、これが10重量%を超えるとキレート化合物が溶液
中で固化してしまうこともあるので、これは1〜10重量
%の範囲とすることが必要である。また、この(B)無
水有機酸基を含む熱可塑性樹脂の(A)クロロプレンゴ
ム(CR)に対する配合量はクロロプレン 100重量部に
対して20重量部未満では少なすぎてキレート化による効
果が少なくなり、 200重量部より多くするとキレート化
が進行しすぎてヒートシールコネクタとして熱圧着する
ときに流動しづらくなるので、20〜 200重量部の範囲内
とすればよい。
【0012】また、これに添加される(C)成分として
のt−ブチル−フェノール樹脂はメチロール基をもつ分
子量 300〜2,000 、好ましくは 300〜1,000 の樹脂であ
り、これも市販されているものとすればよいが、これは
後記する金属酸化物をキレート核とするキレートによ
り、クロロプレンゴムの高温接着力を向上させるという
性質をもっている。本発明ではこの性質をクロロプレン
と無水有機酸基を含む熱可塑性樹脂の両者に応用するの
であるが、この配合量はクロロプレンゴム 100重量部に
対して20重量部未満では粘着力、接着力向上に不足が生
ずることがあるし、 200重量部を超えても粘着力、接着
力の増加は不変となるが、この場合には低下することも
あるので、これは20〜 200重量部の範囲とすることが必
要とされる。
【0013】つぎに(D)成分としての金属酸化物はこ
れがキレート核となるものであることから、これはM
g、Ca、Sr、Baの酸化物から選択されたものとさ
れるが、このもののキレート化能はMg>Ca>Sr>
Baとなる。これら金属酸化物の配合量はクロロプレン
ゴム 100重量部に対して1重量部未満ではキレート形成
が完全とならず、15重量部を超えてもこの超過分はキレ
ート形成には作用しなくなるので、1〜15重量部の範囲
とすればよい。
【0014】さらに、(E)成分としての水吸着性粉末
は絶縁性接着剤の製造時に樹脂、溶剤などの成分中の水
分を吸着することによって、前記したキレート化の進行
を防ぐと共に、ヒートシール時には水分を放出してキレ
ート化を開始、進行させるものである。そのため、この
配合量はCR 100重量部に対して0.01重量部以上が必要
であるが、入れすぎると接着性を損なう恐れがあるた
め、50重量部以下とすることがよい。この水吸着性粉末
としてはシリカゲル粉末、ゼオライト粉末などが例示さ
れるが、この水吸着性粉末は常温においては吸着した水
を容易に放出せず、ヒートシール時に高温にさらされた
ときにのみ水を放出することが望まれるので、望ましく
はゼオライト粉末とすることがよい。
【0015】本発明のヒートシールコネクタ用絶縁性接
着剤組成物はこれに導電粒子を分散させて異方導電性接
着剤として使用してもよく、この導電粒子としては、例
えば、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ステンレ
ス、真鍮、半田などの金属粒子、タングステンカーバイ
ド、シリカカーバイドなどのセラミックス粒子、カーボ
ン粒子、表面を金属被覆したプラスチック粒子などが例
示される。しかし、これは配合量が少なすぎると導通不
良を起し易く、多すぎると絶縁不良を起し易いので、前
記絶縁性接着剤組成物 100容量部に対して0.01〜50容量
部、好ましくは1〜10容量部とすることがよい。
【0016】また、このヒートシールコネクタ用絶縁性
接着剤組成物には上記した材料のほかに粘着付与剤、各
種カップリング剤、老化防止剤、補強用充填剤、着色
剤、紫外線吸収剤などを適宜添加してもよいが、これを
図3に示したように使用する場合には導電ライン13に導
電粒子を含ませることが必要であり、この導電粒子は前
記した異方導電接着剤に使用されたものと同様のものと
すればよいが、この配合量は少なすぎると導通不良を起
し易く、多すぎると導電ラインの形成が困難となるので
導電ラインの0.01〜50容量部、好ましくは1〜10容量部
とすればよい。
【0017】なお、このヒートシールコネクタ用絶縁性
接着剤組成物は使用にあたってはこれを溶剤に溶解して
溶液とし、これを適宜のコート法、印刷法によってヒー
トシールコネクタの所望の位置に塗布すればよいが、こ
の溶剤は絶縁性可撓性基板上に形成される導電ラインを
形成させるための導電性付与剤と有機バインダーおよび
溶剤とからなる導電ペースト製造時に用いたものと同種
のものから選ばれたものとすればよい。この絶縁性可撓
性基材上に形成される導電ラインは通常導電ペーストを
スクリーン印刷することによって設けられ、この導電ペ
ーストは導電性付与剤としての導電粒子と有機バインダ
ーおよび溶剤とからなるが、導電粒子としては外形 0.1
〜10μmの球状、鱗片状、板状、樹枝状、サイコロ状、
海綿状等のAg、AuめっきCu、Au、Ni、Pd、
さらにはこれらの合金類、これら1種または2種以上を
めっきした樹脂粉、ファーネスブラック、チャンネルブ
ラック等のカーボンブラックやグラファイト粉末の1種
または2種以上を使用したものが挙げられる。また、有
機バインダーには熱可塑性および熱硬化性樹脂等が用い
られる。必要に応じ、レベリング剤、分散安定剤、消泡
剤、揺片剤等が適宜添加される。
【0018】このスクリーン印刷されるべき導電ペース
トを構成する一成分としての有機バインダーは、一般に
は塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、これらの共重合
体、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポ
リウレタン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂、エポキ
シ樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂などと必要に
応じイソシアネート類、アミン類、酸無水物等硬化剤が
使用されており、これを溶解する溶剤としてはエステル
系、ケトン系、エーテルエステル系、塩素系、エーテル
系、アルコール系、炭化水素系などの、例えば酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、
酢酸ブチル、酢酸アミル、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルア
ミルケトン、エチルアミルケトン、イソブチルケトン、
メトキシメチルペンタノン、シクロヘキサノン、ジアセ
トンアルコール、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセ
ロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸メトキシブチ
ル、酢酸メチルカルビトール、酢酸エチルカルビトー
ル、酢酸ジブチルカルビトール、トリクロロエタン、ト
リクロロエチレン、n−ブチルエーテル、ジイソアミル
エーテル、n−ブチルフェニルエーテル、プロピレンオ
キサイド、フルフラール、イソプロピルアルコール、イ
ソブチルアルコール、アミルアルコール、シクロヘキサ
ノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、イソプロピル
ベンゼン、石油スピリット、石油ナフサなどが挙げられ
るが、エステル系、ケトン系、エーテルエステル系が多
用され導電ペースト粘度が50〜 1,000ポイズ、揺変度
(粘度20回転/200 回転)が2〜15に調整されている。
この導電ペースト中の溶剤成分の比率はこれを吸収する
部材の厚み、分子量等の能力を考慮して80重量%以下、
望ましくは50重量%以下とするのがよい。
【0019】本発明のヒートシールコネクタ用絶縁性接
着剤組成物は上記した(A)、(B)、(C)、
(D)、(E)成分の所定量を混合することによって得
ることができるが、この製造に当っては、まずこの
(B)成分としての無水有機酸基を含む熱可塑性樹脂を
溶剤に溶解して溶液としたのち、これに(E)成分とし
ての水吸着性粉末を添加し、ついでこれに(C)成分と
してのt−ブチル−フェノール樹脂を添加する工程を基
本とし、このt−ブチル−フェノール樹脂を添加すると
きに(A)成分としてのクロロプレンゴムと(D)成分
としての金属酸化物を添加してキレート化反応させれば
よく、こによれば強い粘着力と接着力をもち、すぐれた
耐熱性、耐湿性をもつ絶縁性接着剤を得ることができ
る。
【0020】なお、このようにして作られたヒートシー
ルコネクタ用絶縁性接着剤組成物を使用したヒートシー
ルコネクタは例えば図1に示したものとされる。図1は
このヒートシールコネクタの縦断面図を示したものであ
るが、ヒートシールコネクタは絶縁性可撓性基材2の
片面に導電ペーストを塗布して導電ライン3を形成させ
たのち、この導電ラインが電気接続部となる部位に導電
性粒子4を含有した絶縁性接着剤5からなる異方導電性
接着剤6を塗布し、他の部位に絶縁レジスト7を設けた
ものとされるが、これによればこの絶縁性接着剤がすぐ
れた粘着性、接着性、耐熱性、耐湿性をもっているの
で、このヒートシールコネクタで接続する小型機器には
長期に亘って接続の信頼性が与えられ、このものは剥離
強度が急激に低下しないので、各種の苛酷な条件下で使
用できるという有利性が与えられる。なお、異方導電性
接着剤の替りに絶縁性接着剤を用いた場合には、接続に
あたって導電ラインの接続部位の接着剤が押圧によって
排除され、ヒートシールコネクタの導電ラインと被接続
用の導電ラインが接触するように用いられる。
【0021】
【実施例】つぎに本発明の実施例をあげる。 実施例 1)絶縁性接着剤溶液の作製 無水マレイン酸変性SEBS(無水マレイン酸含有率3
%) 100重量部に、MEK−トルエン(1:1) 300重
量部を加えてこれを溶解したのち、これに吸着有効直径
3Å、平均粒径 1.5μmのゼオライト粉末を20重量部加
えて2時間撹拌した。
【0022】ついで、クロロプレン 100重量部、t−ブ
チル−フェノール樹脂80重量部、MgO8重量部、テル
ペン系粘着付与剤40重量部、酸化防止剤1重量部をME
K−トルエン(1:1)に溶解して2時間撹拌したの
ち、これを上記のSEBS、ゼオライト粉末の混合溶液
に投入、混合したところ、絶縁性接着剤溶液が得られた
ので、この 100容量部に粒径20μmの表面を金めっきし
たアクリル樹脂粒子を10容量部加えて異方導電接着剤を
作製した。
【0023】2)導電ペーストの作製 有機バインダーとしての分子量20,000〜25,000、水酸基
価 6.0KOHmg/g、酸価 1.0KOHmg/g、溶解度パラメ
ーター 9.2の飽和共重合ポリエステル樹脂と、ヘキサメ
チレンジイソシアネートのビウレット3量体、触媒とし
てのエチレンジアミン0.01重量部の混合物に、導電性付
与剤としての粒径が1〜3μmの鱗片状Ag粉末とレベ
リング剤、分散安定剤、消泡剤、揺変剤各1重量部を加
え、これを酢酸エチルカルビトールに溶解、分散混合し
て導電ペーストを作製した。
【0024】3)ヒートシールコネクタの製造 厚さ25μmのPETフィルムよりなる絶縁性可撓性基材
の上に、上記で作製した導電ペーストを、スクリーン線
径16μm、紗厚35μm、紗の開口部1辺の長さが63μm
で開口率が65%、ラインパターンの開口幅が 0.1mmであ
る強化ステンレススクリーン版を用いてスクリーン印刷
して、 0.2mmピッチの導電ラインを形成したのち、 130
℃のオーブン中で5時間乾燥して硬化させた。ついで、
その接続端子部に上記で作製した異方導電接着剤を溶媒
を除去した後の厚みが15μmとなるように、スクリーン
印刷で塗布して乾燥して異方導電接着層を形成し、残る
部位に市販の絶縁レジストを設け、これを所望の寸法に
裁断してヒートシールコネクタを作製した。
【0025】つぎにこのようにして得たヒートシールコ
ネクタを面積抵抗率10Ωの透明導電酸化膜基板(IT
O)の接続端子に 140℃、30kg/cm2、12秒の条件で熱圧
着し、85℃、95%の環境試験を行なって両接続端子間の
抵抗値の変化と90°剥離強度を測定したところ、つぎの
表1に示したとおりの結果が得られた。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明はヒートシールコネクタ用絶縁性
接着剤組成物に関するもので、これは前記したように
(A)クロロプレン 100重量部、(B)無水有機酸基を
もつ熱可塑性樹脂20〜 200重量部、(C)t−ブチル−
フェノール樹脂20〜 200重量部、(D)Mg、Ca、S
r、Baから選択される金属の酸化物1〜15重量部、
(E)水吸着性粉末0.01〜50重量部よりなるものである
が、このものは(B)成分が(C)成分と(D)成分と
でキレート化されるのですぐれた粘着力、接着力をもつ
し、この(A)成分と(C)成分とで強固な網目構造が
作られ、耐熱性、耐湿性をもつものとなるので、これを
ヒートシールコネクタにおける絶縁性接着剤として使用
すると、このヒートシールコネクタで接続する小型機器
に長期に亘る接続の信頼性が与えられ、このものはその
剥離強度が急激に低下することがないので、高温、高湿
度、振動などの負荷の多い自動車内、夏期屋外や苛酷な
条件下において使用する製品にも通用することができる
という有利性が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒートシールコネクタ用絶縁性接着剤
組成物を適用されるヒートシールコネクタの1例の縦断
面図を示したものである。
【図2】公知のヒートシールコネクタの1例の縦断面図
を示したものである。
【図3】公知のヒートシールコネクタの他の例の縦断面
図を示したものである。
【符号の説明】11…ヒートシールコネクタ 2,12…基板 3,13…導電ライン 4,20…導電粒子 5,15…絶縁性接着剤 6…異方導電接着剤層 7,17…絶縁レジスト 15’…絶縁性接着剤層 16…異方導電接着剤層 18…ITO基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 11/01 C09J 9/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性可撓性基材とその少なくとも片面
    に形成された導電ライン、およびこの導電ラインの少な
    くとも接続に関与する部位に形成された絶縁性接着剤層
    またはこの絶縁性接着剤に導電粒子を分散してなる異方
    導電接着剤層とからなるヒートシールコネクタにおい
    て、この絶縁性接着剤が(A)クロロプレンゴム 100重
    量部、(B)無水有機酸基を1〜10重量%含む熱可塑性
    樹脂20〜200重量部、(C)t−ブチル−フェノール樹
    脂20〜 200重量部、(D)Mg、Ca、Sr、Baから
    選択される1種もしくは2種以上の金属またはこれらの
    合金の酸化物1〜15重量部、(E)水吸着性粉末0.01〜
    50重量部、とからなることを特徴とするヒートシールコ
    ネクタ用絶縁性接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも(B)無水有機酸基を1〜10
    重量%含む熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させたのち、
    (E)水吸着性粉末を混合し、ついで(C)t−ブチル
    −フェノール樹脂を混合する工程を含むことを特徴とす
    る請求項1に記載したヒートシールコネクタ用絶縁性接
    着剤組成物の製造方法。
JP09954094A 1994-05-13 1994-05-13 ヒートシールコネクタ用絶縁性接着剤組成物およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3169506B2 (ja)

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