JP3391870B2 - 異方導電フィルム - Google Patents
異方導電フィルムInfo
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- JP3391870B2 JP3391870B2 JP31870493A JP31870493A JP3391870B2 JP 3391870 B2 JP3391870 B2 JP 3391870B2 JP 31870493 A JP31870493 A JP 31870493A JP 31870493 A JP31870493 A JP 31870493A JP 3391870 B2 JP3391870 B2 JP 3391870B2
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- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K3/00—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
- H05K3/30—Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
- H05K3/32—Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
- H05K3/321—Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by conductive adhesives
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- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
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- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
- Non-Insulated Conductors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細な回路同志の電気
的接続、更に詳しくLCD(液晶ディスプレイ)とフレ
キシブル回路基板の接続や、半導体ICとIC搭載回路
基板のマイクロ接合に用いる異方導電フィルムに関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】最近の電子機器の小型化、薄型化に伴
い、微細な回路同志の接続、微少部品と微細回路の接続
等の必要性が飛躍的に増大してきており、その接続方法
として、異方性の導電性接着剤やフィルムが使用され始
めている(例えば、特開昭59−120436、60−
191228、61−274394、61−28797
4、62−244242、63−153534、63−
305591、64−81878、平1−46549、
1−25178各号公報等)。更なる部品の微細化が進
み、それに伴い異方導電性フィルムによる回路同志の接
続作業において、位置ずれ等の理由によって一度接続し
た被接続部材を破損または損傷せずに剥離し再圧着する
こと(所謂“リペア”)が可能であることへの要求や異
方導電フィルムの熱硬化反応時の硬化収縮や種々の雰囲
気中での樹脂自体の歪み応力に基づき、被着体が損傷
(例えばLCDに用いられるガラス基板のクラックや基
板の反り)するという問題が生じてきている。これらの
問題を解決するために、速硬化、長ライフ、耐湿性、更
には、低歪みの高信頼性熱硬化タイプの異方導電フィル
ムが強く要求されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の熱硬
化型では得られなかった常温での保存安定性に優れ、加
熱加圧して硬化後、広範囲の温度域(−40℃〜100
℃)において優れた接着力を有し、しかも接合部に残る
歪み(応力)が極めて小さく、更に一度圧着したものを
所定温度以上に加熱することによって剥離・再圧着可能
である熱硬化型異方導電フィルムを提供するものであ
る。 【0004】 【課題を解決するための手段】 本発明は、ポリビニル
アセタール樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、マイクロ
カプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物(C)、
溶剤(D)及び高分子核材の表面に金属被覆を有する導
電粒子(F)よりなるペースト状混合物を離型フィルム
に流延し、溶剤を揮散させ製膜されてなる異方導電フィ
ルムにおいて、該ポリビニルアセタール樹脂(A)のア
セタール化度が70mol%以上であり、該高分子核材
が、メラミン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂の中
から選ばれ、重量割合で(A)/(B)=20〜100
/100、(A)/((B)+(C))=10〜50/
100であり、該導電粒子の粒径が3〜15μm、平均
粒径が5〜15μmで、かつ圧縮破壊強度が10〜10
0kg/mm2、圧縮弾性率が100〜1000kg/mm2であ
ることを特徴とする異方導電フィルムである。 【0005】本発明に用いるポリビニルアセタール樹脂
はその重合度、アセタール化度、粘度によって各種のグ
レードがあるが、エポキシ樹脂との反応性、接着力、異
方導電フィルムにした時の溶融時の流動性、耐熱性、耐
湿性、リペア性そしてエポキシ樹脂/硬化剤系と混合し
た時の相溶性等の問題があるため、重合度は500〜3
000、アセタール化度は70mol%以上、粘度は5
0〜300ポイズ(溶剤=エタノール/トルエン=1:
1、樹脂濃度10重量%、20℃で測定)であることが
好ましい。 【0006】エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤であ
るマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合
物(C)とポリビニルアセタール樹脂(A)の重量割合
は(A)/((B)+(C))=10〜50/100
であり、目標とする作業性、信頼性等によって異なる
が、ポリビニルアセタール樹脂が10重量部未満だと、
初期接着力(粘着性)が不足し、更に異方導電フィルム
としたとき、溶融時の流動性が大きく気泡の抱き込みが
大きい。又、最近その必要性が高まってきている所謂リ
ペア性についても、10重量部未満だと、硬化後の樹脂
軟化温度が高く、剥離時に高温を必要とし、被着体に残
る樹脂成分を除去することが困難になる。50重量部を
越えると、接着力は十分であるが、溶融時の粘度が高
く、樹脂の流動性が不足し、従って導電性粒子が端子と
接触できず導電性が得られない恐れが生じる。更に、リ
ペア性等の作業性は比較的良好であるが、エポキシ樹脂
系成分との相溶性、耐熱性、耐湿性が不足する。 【0007】本発明に用いるエポキシ樹脂は、一分子中
に少なくとも二個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂が用いられる。具体例としては、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビス
フェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等
が挙げられが、これらに限定されるものではなく、単独
でも混合して用いても差し支えない。 【0008】本発明に用いるマイクロカプセル化イミダ
ゾール誘導体エポキシ化合物は、イミダゾール誘導体と
エポキシ化合物との反応生成物をマイクロカプセル化し
微粉末としたもので、市場より入手できるものである。
更にマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化
合物とイソシアネート化合物とを反応させ、耐薬品性お
よび貯蔵安定性を高めたものも好適である。ここで用い
るエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノール
A、フェノールノボラック、ビスフェノールFおよびブ
ロム化ビスフェノールA等のグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル、フタル酸
ジグリシジルエステル等が挙げられる。またイミダゾー
ル誘導体としてはとは例えば、イミダゾール、2−メチ
ルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベジ
ル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5−メチ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒド
ロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ
ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。 【0009】本発明に用いる高分子球状核材の表面に金
属被膜を有する導電粒子の粒径は3〜15μm、平均粒
径は5〜10μmであり、粒径が3μm未満および平均
粒径が5μm未満だと、接続する回路表面の凹凸の大き
さに近く、熱圧着時に回路厚みのバラツキを吸収でき
ず、接続抵抗増やオープン不良の原因となる。また粒径
が15μmを越え、かつ平均粒径が10μmを越えると
回路ビッチ(回路幅+回路間隔)が0.1mm以下に適
用した際に隣接回路間で粒子が接触し、隣接回路間での
絶縁性が低下したり、ショートを起こす危険性がある。
これらの範囲内で接続する回路端子ピッチ、端子厚さバ
ラツキ等により最適値を選択すればよい。例えば、異方
導電フィルムの主要な用途である液晶ディスプレイパネ
ルとフレキシブル回路基板(以下FPC)との接続で
は、金属被膜を有する導電粒子の粒径は3〜15μm程
度で、かつ絶縁性接着剤に対する配合量は、0.5〜1
0体積%が好ましい。又、高分子球状核材の表面に金属
被膜を有する導電粒子の圧縮破壊強度は10〜100k
g/mm2、圧縮弾性率は100〜1000kg/mm2
である。圧縮破壊強度が10kg/mm2未満および圧
縮弾性率が100kg/mm2未満であると電気的接続
を得る前に粒子が破壊されてしまい接続できない。また
圧縮破壊強度が100kg/mm2を越え、かつ圧縮弾
性率が1000kg/mm2を越える場合は、端子と端
子の接続に充分な面積を得るには過大な圧力をかけなく
てはならなく被着体を破損する原因となる。熱圧着後の
金属被覆粒子のつぶれ具合が接続信頼性等の諸特性に影
響を及ぼすため、圧縮破壊強度は10〜100kg/m
m2、圧縮弾性率は100〜1000kg/mm2である
必要がある。 【0010】高分子球状核材としては、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、スチレン樹脂が挙げられ、これらは単
独でも混合して用いても差し支えない。又金属被覆に
は、Au,Ni,Ag,Cu,Zn,In,Al,Pd
等が挙げられ、これらは組み合わせて用いてもよい。こ
れらの高分子球状核材と金属皮膜は、両者の密着力など
考慮して適切なものを選択すればよい。金属皮膜の厚さ
は、特に制限しないが、薄すぎると導電性が不安定とな
り厚すぎると粒子変形が困難となったり凝集等を生じる
ため、0.01〜1μm程度が好ましい。また、無電解
メッキなどにより均一に被覆されていることが望まし
い。 【0011】本発明に用いる溶剤は、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、n−ブチルアルコール、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ジアセトンエーテル、メチルセ
ロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げら
れるが、極性の大きさによって配合後の樹脂安定性に影
響を及ぼすため配合処方ごとに安定性を調べ、単独ある
いは混合して用いる。次に異方導電フィルムの担体とな
る離型フィルムに要求される特性は、耐熱性、離型性、
離型性とバランスしたある程度の密着性等であるが異方
導電フィルムの作業性を大きく左右するため、配合処方
に合わせて適宜選択することが必要である。離型フィル
ムとしてはポリエステル系フィルム、ポリメチルペンテ
ン系フィルム、フッソ系フィルム等がありこれらのうち
ではフッソ系フィルムが使用条件下において十分な耐熱
性を有し、また密着性の強いエポキシ樹脂の塗膜に対し
て、十分な密着性と離型性を保持するので好ましい。接
着剤の組成によっては、更に各種のフッソ系フィルムの
中から、作業性の良好なものを適宜選択して使用する。
以上のようにして選択、調整した樹脂配合物と導電粒子
を適宜配合し、混合・攪拌し、離型フィルム上に流延す
ることによって異方導電フィルムを作成するが、樹脂の
相溶性、安定性、離型フィルムとの濡れ性等の作業性
や、フィルム形成時の表面粘度、密着性等の各種性能上
を狙って、各種添加剤、例えば、非反応性希釈剤、反応
性希釈剤、揺変性付与剤、増粘剤、無機質充填材等を適
宜添加しても差し支えない。 【0012】以下本発明を実施例で具体的に説明する。 【実施例】 実施例1 反応性エラストマーとして、アセチル化度3mol%以
上、アセタール化度70mol%以上のポリビニルアセ
タール樹脂をトルエン/エチルセロソルブアセテート=
2:1(重量比)に溶解して得られた20重量%溶液1
00重量部を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポ
キシ当量2,000g/eq)の酢酸ブチル50重量%
溶液40重量部と、マイクロカプセル化イミダゾール誘
導体エポキシ化合物30重量部を速やかに攪拌・混合
し、これにポリスチレン球状核材にNi/Auメッキし
た導電粒子を5g添加、均一分散せしめ、更に、トルエ
ンを添加し、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共
重合体フィルム上に乾燥後の厚みが25μmになるよう
流延・乾燥し異方導電フィルムを得た。 実施例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量200
0g/eq)の酢酸ブチル50重量%溶液200重量部
とマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合
物100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして
異方導電フィルムを得た。 実施例3、4 ポリスチレン球状核材の代わりに、実施例3でメラミン
樹脂、実施例4でフェノール樹脂を用いた以外は、実施
例1と同様にして異方導電フィルムを得た。 【0013】比較例1,2 反応性エラストマーとしてポリビニルアセタールに代え
て比較例1でカルボキシル基含有スチレン−エチレン−
ブテン−スチレン飽和共重合体、比較例2でカルボン酸
変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を用いた以
外は、実施例1と全く同様にして異方導電フィルムを得
た。 比較例3 導電粒子として、平均粒径15μm、最大粒径25μm
のインジウム/鉛=50/50を用いた以外は、実施例
1と全く同様にして異方導電フィルムを得た。 比較例4 ポリスチレン球状核材の代わりに、スチレン−イソプレ
ン共重合体を用いた以外は、実施例1と全く同様にして
異方導電フィルムを得た。これらの実施例及び比較例で
得られた異方導電フィルムについて、貯蔵安定性、接着
力、リペア性、長期信頼性の評価を実施した結果を表1
に示す。試験片として用いた異方導電フィルムの厚みは
すべて25μmであり、接着力は、90°剥離試験によ
って評価を行った。被着体は、銅箔35μmにニッケル
5μm、金0.5μmのメッキを施した2層フレキシブ
ル回路基板(ピッチ0.18mm、端子数200本)と
シート抵抗値30Ωのインジウム/錫酸化導電皮膜を前
面に形成した厚さ1.1mmのガラスを用いた。リペア
性の評価は、一度熱圧着によって接合した試験片を熱盤
上で150℃に加熱して引き剥がし、被接続部材を損傷
なく剥離できるか否か観察した。貯蔵安定性については
異方導電フィルムを室温(23℃)及び45℃に1ケ月
放置後、120℃の熱盤上で溶融することを確認し、更
に、その値がすべての端子において2Ω以下であれば
○、2Ωを越えるものであれば×とした。信頼性試験と
しては、−40℃/30分、25℃/5分、80℃/3
0分、25℃/5分の温度サイクル試験を250サイク
ル行った後、隣接する端子間の接続抵抗を測定した。以
上の評価結果を表1に示す。 【0014】 【表1】 【0015】 【発明の効果】本発明よれば、密着性、作業性のバラン
スが極めてよく、信頼性が高く、かつ低接続抵抗の異方
導電フィルムを提供することが可能となる。
的接続、更に詳しくLCD(液晶ディスプレイ)とフレ
キシブル回路基板の接続や、半導体ICとIC搭載回路
基板のマイクロ接合に用いる異方導電フィルムに関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】最近の電子機器の小型化、薄型化に伴
い、微細な回路同志の接続、微少部品と微細回路の接続
等の必要性が飛躍的に増大してきており、その接続方法
として、異方性の導電性接着剤やフィルムが使用され始
めている(例えば、特開昭59−120436、60−
191228、61−274394、61−28797
4、62−244242、63−153534、63−
305591、64−81878、平1−46549、
1−25178各号公報等)。更なる部品の微細化が進
み、それに伴い異方導電性フィルムによる回路同志の接
続作業において、位置ずれ等の理由によって一度接続し
た被接続部材を破損または損傷せずに剥離し再圧着する
こと(所謂“リペア”)が可能であることへの要求や異
方導電フィルムの熱硬化反応時の硬化収縮や種々の雰囲
気中での樹脂自体の歪み応力に基づき、被着体が損傷
(例えばLCDに用いられるガラス基板のクラックや基
板の反り)するという問題が生じてきている。これらの
問題を解決するために、速硬化、長ライフ、耐湿性、更
には、低歪みの高信頼性熱硬化タイプの異方導電フィル
ムが強く要求されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の熱硬
化型では得られなかった常温での保存安定性に優れ、加
熱加圧して硬化後、広範囲の温度域(−40℃〜100
℃)において優れた接着力を有し、しかも接合部に残る
歪み(応力)が極めて小さく、更に一度圧着したものを
所定温度以上に加熱することによって剥離・再圧着可能
である熱硬化型異方導電フィルムを提供するものであ
る。 【0004】 【課題を解決するための手段】 本発明は、ポリビニル
アセタール樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、マイクロ
カプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物(C)、
溶剤(D)及び高分子核材の表面に金属被覆を有する導
電粒子(F)よりなるペースト状混合物を離型フィルム
に流延し、溶剤を揮散させ製膜されてなる異方導電フィ
ルムにおいて、該ポリビニルアセタール樹脂(A)のア
セタール化度が70mol%以上であり、該高分子核材
が、メラミン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂の中
から選ばれ、重量割合で(A)/(B)=20〜100
/100、(A)/((B)+(C))=10〜50/
100であり、該導電粒子の粒径が3〜15μm、平均
粒径が5〜15μmで、かつ圧縮破壊強度が10〜10
0kg/mm2、圧縮弾性率が100〜1000kg/mm2であ
ることを特徴とする異方導電フィルムである。 【0005】本発明に用いるポリビニルアセタール樹脂
はその重合度、アセタール化度、粘度によって各種のグ
レードがあるが、エポキシ樹脂との反応性、接着力、異
方導電フィルムにした時の溶融時の流動性、耐熱性、耐
湿性、リペア性そしてエポキシ樹脂/硬化剤系と混合し
た時の相溶性等の問題があるため、重合度は500〜3
000、アセタール化度は70mol%以上、粘度は5
0〜300ポイズ(溶剤=エタノール/トルエン=1:
1、樹脂濃度10重量%、20℃で測定)であることが
好ましい。 【0006】エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤であ
るマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合
物(C)とポリビニルアセタール樹脂(A)の重量割合
は(A)/((B)+(C))=10〜50/100
であり、目標とする作業性、信頼性等によって異なる
が、ポリビニルアセタール樹脂が10重量部未満だと、
初期接着力(粘着性)が不足し、更に異方導電フィルム
としたとき、溶融時の流動性が大きく気泡の抱き込みが
大きい。又、最近その必要性が高まってきている所謂リ
ペア性についても、10重量部未満だと、硬化後の樹脂
軟化温度が高く、剥離時に高温を必要とし、被着体に残
る樹脂成分を除去することが困難になる。50重量部を
越えると、接着力は十分であるが、溶融時の粘度が高
く、樹脂の流動性が不足し、従って導電性粒子が端子と
接触できず導電性が得られない恐れが生じる。更に、リ
ペア性等の作業性は比較的良好であるが、エポキシ樹脂
系成分との相溶性、耐熱性、耐湿性が不足する。 【0007】本発明に用いるエポキシ樹脂は、一分子中
に少なくとも二個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂が用いられる。具体例としては、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビス
フェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等
が挙げられが、これらに限定されるものではなく、単独
でも混合して用いても差し支えない。 【0008】本発明に用いるマイクロカプセル化イミダ
ゾール誘導体エポキシ化合物は、イミダゾール誘導体と
エポキシ化合物との反応生成物をマイクロカプセル化し
微粉末としたもので、市場より入手できるものである。
更にマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化
合物とイソシアネート化合物とを反応させ、耐薬品性お
よび貯蔵安定性を高めたものも好適である。ここで用い
るエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノール
A、フェノールノボラック、ビスフェノールFおよびブ
ロム化ビスフェノールA等のグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル、フタル酸
ジグリシジルエステル等が挙げられる。またイミダゾー
ル誘導体としてはとは例えば、イミダゾール、2−メチ
ルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベジ
ル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5−メチ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒド
ロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ
ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。 【0009】本発明に用いる高分子球状核材の表面に金
属被膜を有する導電粒子の粒径は3〜15μm、平均粒
径は5〜10μmであり、粒径が3μm未満および平均
粒径が5μm未満だと、接続する回路表面の凹凸の大き
さに近く、熱圧着時に回路厚みのバラツキを吸収でき
ず、接続抵抗増やオープン不良の原因となる。また粒径
が15μmを越え、かつ平均粒径が10μmを越えると
回路ビッチ(回路幅+回路間隔)が0.1mm以下に適
用した際に隣接回路間で粒子が接触し、隣接回路間での
絶縁性が低下したり、ショートを起こす危険性がある。
これらの範囲内で接続する回路端子ピッチ、端子厚さバ
ラツキ等により最適値を選択すればよい。例えば、異方
導電フィルムの主要な用途である液晶ディスプレイパネ
ルとフレキシブル回路基板(以下FPC)との接続で
は、金属被膜を有する導電粒子の粒径は3〜15μm程
度で、かつ絶縁性接着剤に対する配合量は、0.5〜1
0体積%が好ましい。又、高分子球状核材の表面に金属
被膜を有する導電粒子の圧縮破壊強度は10〜100k
g/mm2、圧縮弾性率は100〜1000kg/mm2
である。圧縮破壊強度が10kg/mm2未満および圧
縮弾性率が100kg/mm2未満であると電気的接続
を得る前に粒子が破壊されてしまい接続できない。また
圧縮破壊強度が100kg/mm2を越え、かつ圧縮弾
性率が1000kg/mm2を越える場合は、端子と端
子の接続に充分な面積を得るには過大な圧力をかけなく
てはならなく被着体を破損する原因となる。熱圧着後の
金属被覆粒子のつぶれ具合が接続信頼性等の諸特性に影
響を及ぼすため、圧縮破壊強度は10〜100kg/m
m2、圧縮弾性率は100〜1000kg/mm2である
必要がある。 【0010】高分子球状核材としては、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、スチレン樹脂が挙げられ、これらは単
独でも混合して用いても差し支えない。又金属被覆に
は、Au,Ni,Ag,Cu,Zn,In,Al,Pd
等が挙げられ、これらは組み合わせて用いてもよい。こ
れらの高分子球状核材と金属皮膜は、両者の密着力など
考慮して適切なものを選択すればよい。金属皮膜の厚さ
は、特に制限しないが、薄すぎると導電性が不安定とな
り厚すぎると粒子変形が困難となったり凝集等を生じる
ため、0.01〜1μm程度が好ましい。また、無電解
メッキなどにより均一に被覆されていることが望まし
い。 【0011】本発明に用いる溶剤は、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、n−ブチルアルコール、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ジアセトンエーテル、メチルセ
ロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げら
れるが、極性の大きさによって配合後の樹脂安定性に影
響を及ぼすため配合処方ごとに安定性を調べ、単独ある
いは混合して用いる。次に異方導電フィルムの担体とな
る離型フィルムに要求される特性は、耐熱性、離型性、
離型性とバランスしたある程度の密着性等であるが異方
導電フィルムの作業性を大きく左右するため、配合処方
に合わせて適宜選択することが必要である。離型フィル
ムとしてはポリエステル系フィルム、ポリメチルペンテ
ン系フィルム、フッソ系フィルム等がありこれらのうち
ではフッソ系フィルムが使用条件下において十分な耐熱
性を有し、また密着性の強いエポキシ樹脂の塗膜に対し
て、十分な密着性と離型性を保持するので好ましい。接
着剤の組成によっては、更に各種のフッソ系フィルムの
中から、作業性の良好なものを適宜選択して使用する。
以上のようにして選択、調整した樹脂配合物と導電粒子
を適宜配合し、混合・攪拌し、離型フィルム上に流延す
ることによって異方導電フィルムを作成するが、樹脂の
相溶性、安定性、離型フィルムとの濡れ性等の作業性
や、フィルム形成時の表面粘度、密着性等の各種性能上
を狙って、各種添加剤、例えば、非反応性希釈剤、反応
性希釈剤、揺変性付与剤、増粘剤、無機質充填材等を適
宜添加しても差し支えない。 【0012】以下本発明を実施例で具体的に説明する。 【実施例】 実施例1 反応性エラストマーとして、アセチル化度3mol%以
上、アセタール化度70mol%以上のポリビニルアセ
タール樹脂をトルエン/エチルセロソルブアセテート=
2:1(重量比)に溶解して得られた20重量%溶液1
00重量部を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポ
キシ当量2,000g/eq)の酢酸ブチル50重量%
溶液40重量部と、マイクロカプセル化イミダゾール誘
導体エポキシ化合物30重量部を速やかに攪拌・混合
し、これにポリスチレン球状核材にNi/Auメッキし
た導電粒子を5g添加、均一分散せしめ、更に、トルエ
ンを添加し、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共
重合体フィルム上に乾燥後の厚みが25μmになるよう
流延・乾燥し異方導電フィルムを得た。 実施例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量200
0g/eq)の酢酸ブチル50重量%溶液200重量部
とマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合
物100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして
異方導電フィルムを得た。 実施例3、4 ポリスチレン球状核材の代わりに、実施例3でメラミン
樹脂、実施例4でフェノール樹脂を用いた以外は、実施
例1と同様にして異方導電フィルムを得た。 【0013】比較例1,2 反応性エラストマーとしてポリビニルアセタールに代え
て比較例1でカルボキシル基含有スチレン−エチレン−
ブテン−スチレン飽和共重合体、比較例2でカルボン酸
変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を用いた以
外は、実施例1と全く同様にして異方導電フィルムを得
た。 比較例3 導電粒子として、平均粒径15μm、最大粒径25μm
のインジウム/鉛=50/50を用いた以外は、実施例
1と全く同様にして異方導電フィルムを得た。 比較例4 ポリスチレン球状核材の代わりに、スチレン−イソプレ
ン共重合体を用いた以外は、実施例1と全く同様にして
異方導電フィルムを得た。これらの実施例及び比較例で
得られた異方導電フィルムについて、貯蔵安定性、接着
力、リペア性、長期信頼性の評価を実施した結果を表1
に示す。試験片として用いた異方導電フィルムの厚みは
すべて25μmであり、接着力は、90°剥離試験によ
って評価を行った。被着体は、銅箔35μmにニッケル
5μm、金0.5μmのメッキを施した2層フレキシブ
ル回路基板(ピッチ0.18mm、端子数200本)と
シート抵抗値30Ωのインジウム/錫酸化導電皮膜を前
面に形成した厚さ1.1mmのガラスを用いた。リペア
性の評価は、一度熱圧着によって接合した試験片を熱盤
上で150℃に加熱して引き剥がし、被接続部材を損傷
なく剥離できるか否か観察した。貯蔵安定性については
異方導電フィルムを室温(23℃)及び45℃に1ケ月
放置後、120℃の熱盤上で溶融することを確認し、更
に、その値がすべての端子において2Ω以下であれば
○、2Ωを越えるものであれば×とした。信頼性試験と
しては、−40℃/30分、25℃/5分、80℃/3
0分、25℃/5分の温度サイクル試験を250サイク
ル行った後、隣接する端子間の接続抵抗を測定した。以
上の評価結果を表1に示す。 【0014】 【表1】 【0015】 【発明の効果】本発明よれば、密着性、作業性のバラン
スが極めてよく、信頼性が高く、かつ低接続抵抗の異方
導電フィルムを提供することが可能となる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C09J 163/00
H01B 5/16
H01R 43/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリビニルアセタール樹脂(A)、エ
ポキシ樹脂(B)、マイクロカプセル化イミダゾール誘
導体エポキシ化合物(C)、溶剤(D)及び高分子核材
の表面に金属被覆を有する導電粒子(F)よりなるペー
スト状混合物を離型フィルムに流延し、溶剤を揮散させ
製膜されてなる異方導電フィルムにおいて、該ポリビニ
ルアセタール樹脂(A)のアセタール化度が70mol
%以上であり、該高分子核材が、メラミン樹脂、フェノ
ール樹脂、スチレン樹脂の中から選ばれ、重量割合で
(A)/(B)=20〜100/100、(A)/
((B)+(C))=10〜50/100であり、該導
電粒子の粒径が3〜15μm、平均粒径が5〜15μm
で、かつ圧縮破壊強度が10〜100kg/mm2、圧縮弾
性率が100〜1000kg/mm2であることを特徴とす
る異方導電フィルム。
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