JP3169275B2 - クロム含有鋼の脱りん方法 - Google Patents
クロム含有鋼の脱りん方法Info
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Description
Crの含有量が3.0 wt%以上になる各種低合金鋼、耐熱
鋼、ステンレス鋼等を精錬する過程で、かかる鋼の品質
に有害なりん(P) を簡便かつ高い効率をもって除去す
るのに有効な脱りん方法に関するものである。
は、一般に、鋼の品質にとって有害な元素であって、と
くに、オーステナイト系ステンレス鋼では応力腐食割れ
や高温割れ等の感受性を高めるので、かかる元素の含有
量は極力低減することが望まれる。
期にPをP2O5に酸化し、これを4CaO・P2O5としてスラグ
中に固定する酸化脱りん法を適用するのが一般的であ
る。ところで、とくにCrを3.0 %以上含有する鋼では、
酸化脱りん法を適用した場合にCrの優先酸化が起こるた
め、鋼中のPの含有量を所望のレベルまで低減すること
は非常に難しく、従来この対策として、P含有量の低い
原料を厳選する一方、鋼の溶解・精錬に使用する炉とし
て、その炉壁ライニングに低Pの耐火物を備えたものを
用いる等の対策がとられていた。
材料としては、これまでP含有量の低いものを厳選して
使用してきたが、資源的な制約があること、さらには回
転材として反復使用していること等の理由から、P含有
レベルの低い原材料の調達は極めて困難になっている。
式に代えて、3Ca2++2P3- → Ca3P2で示される反応を
利用した還元脱りんについての研究が進められつつあ
り、金属CaやCaC2-CaF2 等を配合したフラックスを脱り
ん剤として使用する技術が提案されている (特公昭59-5
2926号公報, 特公昭60-15683号公報参照) 。
属Caを使用するものについては、その沸点が低いために
蒸発損失が大きく反応効率が著しく悪い欠点がある。ま
た、CaC2やCaC2−CaF2系のフラックスも反応効率があま
りよくないため、多量のフラックスを必要とし、そのた
めに脱りん中に 0.5〜1.0 %程度のカーボンピックアッ
プを生じ、その後の脱炭処理の付加による操業時間の延
長が避けられないばかりか、脱炭中にPのピックアップ
が生じる問題があり、今だ実生産ベースでの十分な成果
をみるには至っていないのが現状である。
上含有する鋼を対象とし、この種の鋼の精錬に当たって
生じていた, 還元脱りん処理における従来の上述した問
題を解消し、簡便にしかも効率よく鋼中のPを除去する
ための脱りん技術を提案するところにある。
%以上含有し、O濃度を100 ppm 以下に調整した溶鋼
に、非酸化性, 非窒化性雰囲気下で、該溶鋼に対する重
量割合にして0.5 〜5.0%のCaH2とCaH2に対する重量割
合にして10〜50%のCaF2からなるフラックスを添加して
還元脱りん処理することを特徴とするクロム含有鋼の脱
りん方法である。
3CaH2+2P → Ca3P2+6H 、正確には3CaH2→3Ca+
6H, 3Ca+2P →Ca3P2 で示されるように、脱りん反応
に直接寄与するものであり、これによって十分な脱りん
反応を行わせるには、溶鋼に対する重量割合にして少な
くとも0.5 %のCaH2を必要とする。一方、CaH2はCaC2よ
り分解速度が遅いため、5.0 %を越えると、脱りん処理
で分解しきれず未反応のまま残存するおそれがあり、ま
た溶鋼の温度低下が大きくなり脱りん反応の円滑な進行
を妨げるとこにもなる。このためこの発明では、CaH2に
ついては、0.5 〜5.0 %の範囲に限定した。
は、反応によって分解したCaの蒸発損失を極力抑え、反
応界面でCaとPが接触する確率を高める観点からフラッ
クスは、流動性に富むスラグを成形するものである必要
がある。このためこの発明では、上記の要件を満足した
滓化促進剤としてCaF2を使用することとした。
CaH2に対する重量割合にして少なくとも10%のCaF2が必
要になるが、50%を越えるとスラグの流動性が良すぎて
炉壁耐火物の浸食が著しくなり、耐火物の成分がスラグ
中に混入して脱りん効率を急激に低下させることにもな
る。このためこの発明では、CaF2については、CaH2に対
する重量割合にして10〜50%の範囲に限定した。
脱りん処理では、とくに、非酸化性、非窒化性雰囲気に
保持する必要がある。というのは、上記の式で示された
分解反応で生成したCaはPと結びつくよりも酸素や窒素
と結びつきやすく脱りん効率が低下するおそれがあるか
らである。
対する重量割合にして1.5 〜3.0 %のCaH2とCaH2に対す
る重量割合にして20〜30%のCaF2からなるフラックスの
使用がとくに有効である。
は100ppm以下に限定したが、その理由も、Caが溶鋼中の
酸素と反応して脱りん反応の効率が低下するのを回避す
るためである。
溶鋼の温度で容易に分解してCaを生成するものである
が、CaC2よりも結合が強いため分解速度が遅くCaの蒸発
損失が少ないためCaC2よりも脱りん反応の効率が高い。
また、この発明で使用するCaH2は、CaC2のように溶鋼の
炭素濃度に影響されることがなく、高炭素域から低炭素
域まで広範囲にわたって脱りん処理が可能であるという
利点がある。
させるが、脱りん処理の後に、たとえば取鍋内でのArガ
スによる攪拌、AOD 炉もしくは上底吹転炉等でのArガス
による攪拌、VOD,RH等の真空脱ガス処理等によって容易
に実用レベルまで低減できるので、とくに問題となるよ
うなことはない。
錬過程において、使用するフラックスの組成および溶鋼
中の酸素濃度を種々変更(表1参照)した他は全て同一
の条件(溶鋼量:60t/チャージ, 溶鋼温度:1,500
℃, 処理時間:15分, Arガスの流量:500Nl/min )にし
て、鋼の脱りん処理(LF炉による)を行い、その際の脱
りん率について調査した。その結果を表1に示す。
元脱りん処理した場合には脱りん率が70%以上と高い値
を示したのに対して、比較例においては脱りん率はよく
ても60%程度にとどまっていることが確かめられた。
原材料のPの含有量にかかわらずP含有量の低いクロム
含有鋼を溶製することができる。また、この発明によれ
ば、脱りん処理の反応効率が高いので、高品質が要求さ
れる用途、たとえば原子炉関連に用いられる部材の材質
のより一層の向上を図ることができるし、脱りん処理後
に脱炭処理を行う余計な工程を付加する必要がないの
で、操業時間の短縮化も図ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 Crを 3.0wt%以上含有し、O濃度を100
ppm 以下に調整した溶鋼に、非酸化性, 非窒化性雰囲気
下で、該溶鋼に対する重量割合にして0.5 〜5.0 %のCa
H2とCaH2に対する重量割合にして10〜50%のCaF2からな
るフラックスを添加して還元脱りん処理することを特徴
とするクロム含有鋼の脱りん方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24315692A JP3169275B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | クロム含有鋼の脱りん方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24315692A JP3169275B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | クロム含有鋼の脱りん方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0693326A JPH0693326A (ja) | 1994-04-05 |
JP3169275B2 true JP3169275B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=17099642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP24315692A Expired - Fee Related JP3169275B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | クロム含有鋼の脱りん方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3169275B2 (ja) |
-
1992
- 1992-09-11 JP JP24315692A patent/JP3169275B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0693326A (ja) | 1994-04-05 |
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