JP2607337B2 - クロム含有鋼の脱燐方法 - Google Patents

クロム含有鋼の脱燐方法

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JP2607337B2
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伸一 木村
善之 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロム含有鋼の脱燐方
法に関し、特にCrを3wt%以上含有する鉄合金溶湯を経
済的に脱燐処理することにより、低燐鋼(以下、「低P
鋼」という)を工業的に製造するための有利な技術を提
案する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼や高クロム鋼においては、
これら鋼中の燐(以下、単に「P」にて略記する)は、
鋼の機械的性質を著しく劣化させ、耐応力腐食割れ性を
低下させることから、できるだけ除去することが望まし
い。このための脱P処理は、製鋼精錬に先立つ製鉄処理
の段階で行うことが容易であり、普通の方法であった。
それは、製鋼精錬の工程においてPを除去するための、
上述した鋼種の場合、酸化精錬の下で行わねばならない
という制約のために困難があった。すなわち、高塩基度
スラグ存在の下で酸化精錬することにより、鋼中のPを
P2O5の形でスラグ中除去してリン酸カルシウムとして固
定する方法では、Cr, Si, Al, Mnなどの、Feよりも酸化
されやすい元素を数%以上含有する溶鋼の酸化精錬に適
用すると、これらの有価元素の酸化が優先し、その生成
物がスラグ中に移行するために、すぐに脱P反応の進行
が阻害されるという問題があったのである。
【0003】近年、このような問題を解決するための方
法について研究が進み、とくにステンレス鋼の脱P技術
が多く研究されている。この従来技術は、溶融状態の金
属と、炭化カルシウム(CaC2)と弗化カルシウム(Ca
F2)を主成分とするフラックスとを接触させることによ
り脱Pする方法である(特公昭59−34767 号公報参
照)。この方法では、下記(1) 式; (CaC2)→(Ca)+2〔C〕 ……(1) の反応により、スラグ中に金属カルシウムを生成させ、
下記(2) 式; 3(Ca)+2〔P〕 (Ca3P2) ……(2) の反応により、溶鋼中のPをスラグ中に移行させて精錬
する方法である。なお、この従来方法において、フラッ
クスに用いる成分のうち、弗化カルシウム(CaF2)は、
上記(1) 式により生成した Ca3P2を、スラグ中に安定に
存在させるために必要な成分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術については、極低P鋼(P≦0.015 wt%) を製造
しようとする場合、反応の安定さに欠け、工業生産ベー
スにおいては、一度脱Pされ、溶鋼からスラグ中に移行
したPが、溶鋼中へ再び戻るといわれる復P現象が起こ
るなどの問題があり、工業生産のための大きな障害とな
っていた。
【0005】本発明の目的は、従来技術が抱えているか
ような問題を克服する溶鋼脱燐技術を確立し、特に酸化
精錬段階での復P現象の問題を解決して低P鋼を低コス
トで量産するのに有効な脱P方法を提案することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】従来技術において問題と
なる上記復P現象について研究する過程で、本発明者ら
は、この現象の解決のためには、フラックスとして「Ca
CN2 」を利用することが有効であることを知見した。そ
れは、この化合物(CaCN2)の熱分解反応で生成する窒素
(N)が、スラグ中に移行したPをリン窒化物として固
定する作用を発揮することが判ったからである。そこ
で、上掲の目的実現の方法として、本発明は、炭素を飽
和炭素溶解濃度未満含有し、かつCr≧3wt%含有するク
ロム含有溶鋼を、処理溶鋼量に対して、 0.5〜5.0 wt
CaC2と0.02〜1.0 wt%のCaF2および0.01〜0.1 wt%の
CaCN2 からなるフラックスを用いて、非酸化性雰囲気下
において還元・脱燐反応を行わせることを特徴とするク
ロム含有鋼の脱燐方法、を提案する。
【0007】本発明の上記の構成において、フラックス
中に含まれるCaC2は、次式; 3(CaC2)+2〔P〕→(Ca3P2)+6〔C〕 …(3) のような反応を起こして、脱P反応に直接的に関与する
化合物である。このCaC2による脱P反応を効果的に行わ
せるためには、このCaC2の量を処理溶鋼量に対して少な
くとも 0.5wt%配合 (以下は単に、「0.5 wt%/溶鋼」
のように表記する) することが必要である。一方、この
CaC2配合量の上限を 5.0wt%/溶鋼としたのは、これ以
上配合すると溶鋼温度の低下を招き、円滑な反応が困難
になるためである。
【0008】次に、CaC2による上記脱P反応を促進する
ためには、フラックス(スラグ)に流動性を与え、溶鋼
とフラックス(スラグ)の適正な接触を保つ必要があ
る。そのために本発明においては、造滓剤, すなわち滓
化促進剤としてCaF2を併せて使用する。効率的な脱P反
応を行わせるためには、このCaF2の配合量は0.02〜1.0w
t%/溶鋼が適当である。このCaF2配合量の下限を0.02w
t%/溶鋼としたのは、フラックスがスラグ化した時に
流動性を保つために必要な最低限の添加量である。ま
た、このCaF2配合量の上限を 1.0wt%/溶鋼としたの
は、炉耐火物の侵食を防止するために必要だからであ
る。
【0009】さらに本発明においては、上述したよう
に、CaC2, CaF2の他に、さらに CaCN2を加えてフラック
スとする。このCaCN2 の添加は、CaC2とCaF2だけによる
フラックスに見られる問題を解消するために配合する。
すなわち、このCaCN2 は復P防止作用があるので、上記
脱P反応をさらに長時間にわたって効果的に持続させる
ことができるようになる。このCaCN2 による復P防止の
ためには、処理溶鋼に対して0.01〜0.1 wt%の範囲で配
合する。復P防止効果に必要な最低必要量を0.01wt%/
溶鋼としたのは、これ未満ではスラグ中に移行したPを
窒化物として固定するための必要なNが得られないから
であり、一方、その上限の配合量を 0.1wt%/溶鋼とす
るのは、この量を超えて配合添加すると効果が頭打ちに
なることに加えて、却って溶鋼への加窒現象が起こるか
らである。
【0010】本発明において、Cr:3.0 wt%以上を含む
被処理対象の溶鋼は、そのC濃度が飽和炭素溶解度未満
のものを用いる。この理由は、フラックス中に添加する
CaC2が、次式; ( CaC2)→( Ca) +2〔C〕 の反応により生成したCが溶鋼中に溶解するので、被処
理溶鋼中のC濃度が上昇し、終点制御の目標C濃度が外
れるためであり、予め飽和炭素溶解度未満にしておくこ
とが必要だからである。
【0011】なお、本発明においては、生成したCaの消
費を防止するために、反応雰囲気は非酸化性に保つ必要
がある。また、本発明によるこの溶鋼の脱P処理は、Ar
ガスのような不活性ガスを溶鋼中に吹き込んでガスバブ
リング撹拌を行うか、あるいは出鋼流にフラックスを直
接投入添加するような各種の撹拌法を用いて、反応を促
進することが好ましい。
【0012】
【作用】脱Pに用いられる一般的な従来のフラックス
は、CaC2−CaF2系のものが主流であった。これに対し本
発明のフラックスは、これらの他に、さらにCaCN2 の添
加を必須条件とする点に特徴がある。このように、さら
にCaCN2 を添加してなるフラックスでは、CaC2−CaF2
みからなるフラックスの使用に比べ、上述した熱分解窒
素の作用により復P現象のないスラグが形成される。す
なわち、本発明方法では、上述した(1) 式, (2) 式の反
応を経て生成した Ca3P2が、反応後期の復P反応; (Ca3P2) →3(Ca)+2〔P〕 の分解反応で発生したPを、 (CaCN2) →(Ca)+ (C) + (2N) の分解反応により生成するNを利用して、PNの形でス
ラグ中に固定することにより、この復P反応の進行を阻
止して脱Pの促進を図るのである。
【0013】例えば、従来のフラックスを用いた実操業
では、図1中に実線で示すように、脱P反応が進行する
につれ、次第に復P現象が発生し、いわゆる極低P鋼を
工業的に製造する場合に安定さを欠いていた。この点、
本発明方法では、CaCN2 を添加することにより、図1中
点線に示すように、脱P反応時の復P現象が防止でき
る。それ故に、従来のCaC2−CaF2のみのフラックスの使
用に比べて、安定した操業が可能となり、極低P含有ク
ロム鋼を工業的に製造することができるようになる。
【0014】
【実施例】
実施例1 図2に示す反応容器を用いて溶鋼の脱P処理を行った。
この反応容器は、容器1の底部にArガス吹込み用ポーラ
スプラグ2を有し、上部が蓋3によって閉塞できると共
に、Arガス上吹き用ランス4を具えてなるものである。
脱P処理の条件は、 (1) 処理溶鋼量 :60t (2) 処理前溶鋼成分:Cr:18wt%, Ni:10wt%, C:1.
0 wt% (3) 溶鋼温度 :1500℃ (4) フラックス :処理溶鋼に対して、CaC2:2.6 wt
%, CaF2:0.8 wt%, CaCN2 :0.03wt% (5) 撹拌 :底吹きArガス撹拌 150 Nl/min
【0015】また、比較のために、同じ条件で、フラッ
クス組成のみをCaC2:2.6 wt%, CaF2:0.8 wt%( CaCN
2 無添加) とした場合についての試験をした。その結果
を図1に示した。図中の実線で示すものは比較例、点線
で示すものが本発明例である。この図1に示すとおり、
比較例の脱P反応は、反応時間が15分をこえると、復P
現象が認められるのに対し、本発明例においては、30分
を経過しても全く復P現象が発生していないことが確か
められた。
【0016】実施例2 実施例1で使用した図2に示す反応容器を使い、Arガス
バブリング(底吹き)によって非酸化性雰囲気中で脱P
実験を行った。その結果を表1に示す。なお、反応条件
は実施例1と同じにした。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示す結果に明らかなとおり、CaCN2
を全く使わない比較例のフラックスa,bにおいては、
復P現象を起こしており、脱P率のバラツキも大きい。
これに対して、CaCN2 を含むフラックスを用いた本発明
法においては、復P現象の発生はなく、高い脱P率が得
られており、極低P含有クロム鋼の溶製が可能であるこ
とが判る。また、CaC2量およびCaF2量が本発明の範囲を
外れる比較例のe〜hについては、CaCN2 量がたとえ本
発明の範囲内で含まれていても、反応の停滞が起こり、
全体として脱P率の低下が顕著であった。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法によれ
ば、復P防止効果に優れる他、安定した脱P効果の長時
間にわたる持続を得ることができ、それ故に極低Pクロ
ム含有鋼を低コストで量産することが可能となり、核燃
料再処理用配管材や各種の高級装置用材料を安価に提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法と比較例の方法とを対比して示す反応
時間とP濃度との関係を示すグラフ。
【図2】実施例で用いた反応容器の略線図である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 ポーラスプラグ 3 蓋 4 上吹き用ランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−6944(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素を飽和炭素溶解濃度未満含有し、か
    つCr≧3wt%含有するクロム含有溶鋼を、処理溶鋼量に
    対して、 0.5〜5.0 wt%のCaC2と0.02〜1.0wt%のCaF2
    および0.01〜0.1 wt%のCaCN2 からなるフラックスを用
    いて、非酸化性雰囲気下において還元・脱燐反応を行わ
    せることを特徴とするクロム含有鋼の脱燐方法。
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