JP3169041B2 - 電気接続箱による電線保持方法およびその構造 - Google Patents

電気接続箱による電線保持方法およびその構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等に使用されるワ
イヤハーネスのための電線保持方法およびその構造に関
し、特にはリレーボックスやジャンクションボックス
(J/B)等の電気接続箱によってワイヤハーネスを車
体パネルに保持する電気接続箱による電線保持方法およ
びその構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の電装品に接続される電気接続
箱、例えばリレーボックス等には多数のワイヤハーネス
が配索されており、これらは電気接続箱内のコネクタに
集中して接続されている。これらのワイヤハーネスは、
自動車の受ける振動によりリレーボックス内部やカバー
にあたって異音を発したり、リレーやヒューズ等にから
まり断線する可能性がある。従って、ワイヤハーネス
は、テープ巻等によって一体的にまとめて接続箱本体の
外壁等に保持されている。
【0003】このような従来の電線保持構造の一例を図
6および図7に示す。同図において、車体パネルPには
ブラケット30が固定されており、その中央には電気接
続箱20を固定する係止孔32が設けられている。この
電気接続箱20の上部側壁には電線プロテクタ22が組
付けられており、この電線プロテクタ22には電気接続
箱20の接続電線wを含む電線束Wが保持されている。
また、車体パネルPには別のブラケット34が固定され
ており、電気接続箱20の下部側壁には 取付板24が
突設されていてボルト36によって固定される。従っ
て、先ず電線プロテクタ22を電気接続箱20の上部側
壁に連結させてから、電気接続箱20に接続された接続
電線wを含む電線束Wが電線プロテクタ22にテープ等
により固定される。そして、ブラケット30に電線プロ
テクタ22を嵌合させてから取付板24がブラケット3
4にボルト36で締付け固定されることで電気接続箱2
0の車体パネルPへの取付けが完了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の電気接続箱20においては、電線束Wを固定させる
ための電線プロテクタ22が電気接続箱20とは別体に
設けられており、部品点数が多くなるとともに、電気接
続箱20に電線プロテクタ22を連結させるための組付
け工数が増えるといった問題がある。また、電気接続箱
20と車体パネルPとの間に幅Hの間隙ができてしま
い、無駄な空間を形成してしまうといった問題がある。
更には、電線束Wを電線プロテクタ22に固定するため
に電線プロテクタ22の上からテープ巻きする必要があ
り、電線束Wの固定における作業性の面で問題を残して
いる。
【0005】本発明の目的は、上記課題を解決するため
になされたものであり、電線束の固定に要する部品点数
を削減するとともに、固定部品のコンパクト化を図るこ
とで、固定作業の簡略化と固定スペースの極少化を実現
し、電線束を損傷させることなく確実かつ容易に固定さ
せることができる電気接続箱による電線保持方法および
その構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、上
方に開口部を備えたロアーカバー内に電気部品を装着し
た箱体本体が収容され、下方から箱体本体に接続された
電線束が外方に引き出され、上方からアッパーカバーが
閉じられてから取付板の所定位置に固定される電気接続
箱による電線保持方法において、電線束または別の電線
束がロアーカバーの外側側壁に突設された保持部材と取
付板とにより形成される間隙部分に挟持されることを特
徴とする電気接続箱による電線保持方法により達成する
ことができる。
【0007】また、本発明の上記目的は、上方に開口部
を備えたロアーカバー内に電気部品を装着した箱体本体
が収容され、下方から箱体本体に接続された電線束が外
方に引き出され、上方からアッパーカバーが閉じられて
から取付板の所定位置に固定される電気接続箱による電
線保持構造において、ロアーカバーの外側側壁に別の電
線束を保持する保持部材が突設され、ロアーカバーが取
付板に取り付けられるのに伴い、電線束が保持部材と取
付板の取付面とにより形成される間隙部分に挟持される
ことを特徴とする電気接続箱による電線保持構造により
達成することができる。
【0008】更に、上記目的は、保持部材が電線束の挟
持状態を目視することができる複数の確認孔を備えてい
ることにより達成できる。
【0009】
【作用】本発明に係る電気接続箱による電線保持方法に
おいては、電線束または別の電線束がロアーカバーの外
側側壁に突設された保持部材と取付板とにより形成され
る間隙部分に挟持される。これにより、電線束または別
の電線束は、ロアーカバーが取付板に固定されることで
保持部材によって取付板に当接した状態で挟持されるこ
とになり、保持部材への固定にテープ巻きをすることな
く、しかも無駄な空間を形成することなく容易に保持さ
れることになる。
【0010】また、本発明に係る電気接続箱による電線
保持構造においては、ロアーカバーの外側側壁に別の電
線束を保持する保持部材が突設され、ロアーカバーが取
付板に取り付けられるのに伴い、電線束が保持部材と取
付板の取付面とにより形成される間隙部分に挟持され
る。これにより、ロアーカバーが取付板に固定されるこ
とで別の電線束が、保持部材によって取付板に当接され
た状態で確実かつ容易に最少の固定スペースで保持され
【0011】更に、上記電線保持構造においては、保持
部材が電線束の挟持状態を目視することができる複数の
確認孔を備えている。これにより、電線束の挟持状態を
上方から確認することができるため、ロアーカバーの固
定時に確実に電線束を保持部材と取付板との間に挟持さ
せることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の電線保持方法およびその構造
の一実施例を図1乃至図5に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の電線保持構造の一実施例を示す分解斜視
図、図2は図1における要部の拡大斜視図、図3は図1
における電気接続箱の固定状態を示す斜視図、図4は図
3における作用説明図、図5は電線束の不完全保持状態
を示す作用説明図である。
【0013】図1に示すように電線接続箱1は、下端が
開口した浅い略直方体状のアッパーカバー2と、内部の
収容室にヒューズ等の電気部品が装着されたJ/B本体
3を収容し、上端に開口した深い略直方体状であり、下
端からJ/B本体3に接続された電線束W2が引き出さ
れるロアーカバー4から構成されている。このロアーカ
バー4には、車体パネル5の所定位置に設けられたブラ
ケット6a,6bにボルトにより固定するためのブラケ
ット8a,8bが設けられている。従って、このブラケ
ット8a,8bの形成位置および車体側のブラケット6
a,6bの配置によりロアーカバー4の側壁面4aと車
体パネル面5aとの間に一定の間隙を形成することがで
きる。
【0014】また、図2に示すようにロアーカバー4の
側壁面4aの所定位置には電線束W1を保持するととも
に、配索方向を矯正するための矯正リブ7が側壁面4a
の横方向に少なくとも1個突設されている。また、矯正
リブ7の形状は、相手の車体パネル5の形状およびロア
ーカバー4の側壁面4a形状に対応させて設定されるも
ので電線束W1のための挟持スペースの一部分を形成す
るものである。更に、この矯正リブ7には保持する電線
束W1の状態を目視するための確認孔7aが少なくとも
複数個形成されている。この確認孔7aの上方から電線
接続箱1の固定時に電線束W1の位置を目視して位置矯
正することにより確実に車体パネル面5a上に保持させ
ることができる。
【0015】上記構成の電線接続箱1による電線束W1
の車体パネル5への保持手順を説明する。図3に示すよ
うにヒューズ等の電気部品を装着されたJ/B本体3が
ロアーカバー4の収容室に上方から挿入され、J/B本
体3に接続された電線束W2を下端に形成された引き出
し孔(図示せず)から引き出される。そして、上方から
アッパーカバー2が被嵌されて電線接続箱1の組付けが
完了する。
【0016】次に、ロアーカバー4側に形成されたブラ
ケット8a,8bを車体パネル5側のブラケット6a,
6bのボルト孔に合わせるように位置合わせする。この
場合、いずれか一方のブラケット8aを先ずボルト9に
より固定する。そして、電線束W1が車体パネル上面5
a、ロアーカバー4の外側側壁面4aおよび矯正リブ7
下面に当接するように位置矯正しながら配索し、位置決
めできた段階で他方のブラケット8bをボルト9により
固定する。従って、電線束W1が電線接続箱1の車体パ
ネル5への固定作業に伴ってロアーカバー4の側壁面4
aと車体パネル上面5aとの間に挟持されることにな
る。
【0017】このとき、図4に示すように電線束W1
は、矯正リブ7の確認孔7aから目視しながら位置矯正
され、確実かつ容易に車体パネル5上に保持されること
になる。従って、例えば図5に示すようにロアーカバー
4を固定する前に電線束W1が位置ずれしてしまって
も、確認孔7aから認識することができ、図4に示した
状態に即座に位置矯正することができる。
【0018】上述したように本実施例においては、車体
パネル5に配索保持される電線束W1が、ロアーカバー
4の車体パネル5への固定作業に伴って、矯正リブ7の
下面と車体パネル面5aとの間に挟持されることにな
り、矯正リブ7への固定にテープ巻きをすることなく、
しかも無駄な空間を形成することなく最少の固定スペー
スで確実かつ容易に保持されることになる。
【0019】また、矯正リブ7が電線束W1の挟持状態
を目視することができる複数の確認孔7aを備えている
ので、固定作業に伴って電線束W1が位置ずれしても確
認孔7aから確認しながら電線束W1を正しい位置に容
易に矯正させることができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電気接続箱
による電線保持方法においては、電線束または別の電線
束がロアーカバーの外側側壁に突設された保持部材と取
付板とにより形成される間隙部分に挟持される。従っ
て、所望の電線束をロアーカバーが取付板に固定される
のに伴い保持部材によって取付板に当接した状態で挟持
され、保持部材への固定にテープ巻きをすることなく、
しかも無駄な空間を形成することなく確実かつ容易に保
持することができる。よって、電線束の固定に要する部
品点数を削減できるとともに、固定部品のコンパクト化
が可能となり、電線束の固定作業を簡略化して最少の固
定スペースで固定することができる。
【0021】また、本発明に係る電気接続箱による電線
保持構造においては、ロアーカバーの外側側壁に別の電
線束を保持する保持部材が突設され、ロアーカバーが取
付板に取り付けられるのに伴い、電線束が保持部材と取
付板の取付面とにより形成される間隙部分に挟持され
る。従って、ロアーカバーが取付板に固定されることで
電線束が、保持部材によって取付板に当接された状態で
確実かつ容易に最少の固定スペースで固定される。よっ
て、少ない部品点数で電線束の固定を行うことができる
とともに、保持部材のコンパクト化を図ることができ、
電線束の固定作業を簡略化して最少の固定スペースで固
定することができる。
【0022】更に、保持部材が電線束の挟持状態を目視
することができる複数の確認孔を備えている。従って、
電線束の挟持状態を上方から確認して、電線束を確実に
保持部材と取付板との間に挟持させることができる。よ
って、電線束は損傷されることなく確実かつ容易に取付
板に固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気接続箱による電線保持構造の
一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】図1における要部の拡大斜視図である。
【図3】図1における電気接続箱の固定状態を示す斜視
図である。
【図4】図3における正常な状態を示す作用説明図であ
る。
【図5】図3において電線束の位置ずれ状態を示す作用
説明図である。
【図6】従来の電気接続箱による電線保持構造を示す斜
視図である。
【図7】図6における部分断面図である。
【符号の説明】
1 電線接続箱 2 アッパーカバー 3 J/B本体(箱体本体) 4 ロアーカバー 5 車体パネル(取付板) 5a 車体パネル面 6a,6b 車体側ブラケット 7 矯正リブ(保持部材) 7a 確認孔 8a,8b カバー側ブラケット W1 電線束
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−74026(JP,U) 実開 平1−90225(JP,U) 実開 昭63−109245(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 3/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に開口部を備えたロアーカバー内に
    電気部品を装着した箱体本体が収容され、下方から前記
    箱体本体に接続された電線束が外方に引き出され、上方
    からアッパーカバーが閉じられてから取付板の所定位置
    に固定される電気接続箱による電線保持方法において、 前記電線束または別の電線束が前記ロアーカバーの外側
    側壁に突設された保持部材と前記取付板とにより形成さ
    れる間隙部分に挟持されることを特徴とする電気接続箱
    による電線保持方法。
  2. 【請求項2】 上方に開口部を備えたロアーカバー内に
    電気部品を装着した箱体本体が収容され、下方から前記
    箱体本体に接続された電線束が外方に引き出され、上方
    からアッパーカバーが閉じられてから取付板の所定位置
    に固定される電気接続箱による電線保持構造において、 前記ロアーカバーの外側側壁に別の電線束を保持する保
    持部材が突設され、前記ロアーカバーが前記取付板に取
    り付けられるのに伴い、前記電線束が前記保持部材と前
    記取付板の取付面とにより形成される間隙部分に挟持さ
    れることを特徴とする電気接続箱による電線保持構造。
  3. 【請求項3】 前記保持部材が、前記電線束の挟持状態
    を目視することができる複数の確認孔を備えていること
    を特徴とする請求項2記載の電気接続箱による電線保持
    構造。
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