JP2004072848A - 電気接続箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気接続箱の電線取出口における電線のテープ巻き固定作業を容易にする。
【解決手段】電気接続箱10のケース等11の周壁11aに凹状に切り欠いた電線取出口16を設ける一方、樋形状の電線保持部材20を別体として設け、この電線保持部材20は傾斜あるいは屈曲させると共にケース連結端20aの左右両側縁より水平断面コ字形状の嵌め込み枠22を突設し、電線取出口16より引き出される電線wと電線保持部材20をテープ巻き固定した後、該嵌め込み枠22を電線取出口16の左右両側部17に外嵌し、ロック結合して連結する。
【選択図】 図1
【解決手段】電気接続箱10のケース等11の周壁11aに凹状に切り欠いた電線取出口16を設ける一方、樋形状の電線保持部材20を別体として設け、この電線保持部材20は傾斜あるいは屈曲させると共にケース連結端20aの左右両側縁より水平断面コ字形状の嵌め込み枠22を突設し、電線取出口16より引き出される電線wと電線保持部材20をテープ巻き固定した後、該嵌め込み枠22を電線取出口16の左右両側部17に外嵌し、ロック結合して連結する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載する電気接続箱に関し、特に、電気接続箱のケースまたはケースカバーへの電線の固定構造を改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、自動車に搭載される電装品が急増し、電気接続箱の内部回路に多数の電線を接続し、上記電装品に電源を供給している。この電気接続箱と電装品とを接続する電線は、車両の限られたスペースに配索する必要性から、その電線長に過不足が生じないよう設計されている。よって、電気接続箱のケースから引き出されて所要電装品へと配索される電線は、余長が大きくとっていないことにより、車両走行による振動や何らか衝撃により電気接続箱から抜けることがないよう電気接続箱に固定する必要がある。
【0003】
この電線固定の手段として、従来は、図7に示すように、電気接続箱1のケース2の電線取出口3から外方に向かって、樋形状の電線固定部4を一体連続に形成し、電気接続箱1から引き出した電線wを該電線固定部4内に収容して、電線wと電線固定部4とを一体にテープTで巻きつけ、電線wを電気接続箱1に固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記電線固定部4の電線取出口3に対する角度は、電気接続箱1から引き出される電線経路や、電気接続箱周辺の他部品との位置関係に左右される。そのため、図8に示すように、電線固定部4を電線取出口3に対して傾斜あるいは屈曲させざるを得ないこともある。しかしながら、この場合、図中矢印に示すように、電線取出口3を設けたケース2の周壁2aと電線固定部4とが一部接近しすぎて、テープ巻き作業のための十分なスペースを確保できない問題があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、電線取出口に対する電線固定部の角度に関係なく、電線固定のためのテープ巻き作業を容易に行うことのできる電線固定構造を備えた電気接続箱の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、自動車に搭載される電気接続箱のケースあるいはケースカバーの周壁に凹状に切り欠いた電線取出口を設け、該電線取出口より引き出される電線と共にテープ巻きされる樋形状の電線保持部材を別体として設け、
上記電線保持部材はケース連結端より先端に向けて傾斜あるいは屈曲させ、該電線保持部材のケース連結端の左右両側縁より夫々取付板を突設する一方、上記電線取出口の左右両側に上記取付板を挿入する水平断面コ字形状の嵌め込み枠を設け、この嵌合される嵌め込み枠と上記取付板とにロック部と被ロック部を設けてロック結合している自動車用の電気接続箱を提供している。
【0007】
このように、電線と共にテープ巻きされる電線保持部材をケースあるいはケースカバー(以下「ケース等」と言う)と別体として設けることにより、該ケース等にこの電線保持部材を取り付ける前にテープ巻き作業を行うことができる。従って、電線保持部材が先端に向けて傾斜あるいは屈曲しているために、該電線保持部材をケース等に取り付けると該電線保持部材とケース等が接近しすぎる場合でも、予めワイヤーハーネス製造工程において、周囲360度にわたって障害物のないところ、すなわちテープ巻き作業スペースを十分に確保できるところで取り付け前の電線保持部材と電線とをテープ巻き固定しておくことができるため、テープ巻きおよび組み立ての作業性を高めることができる。また、このテープ巻き作業が、電気接続箱という大物部品と電線との固定作業でなく、電線保持部材という小物部品と電線との固定作業で済むため、この点においてもテープ巻き作業の作業性向上につながる。
【0008】
さらに、電線保持部材をケース等の別体とすることにより、該電線保持部材の傾斜・屈曲の角度や向きなどの条件に変更が生じても、該電線保持部材のみを変更すれば足りるため、設計変更等に柔軟に対応することができる。また、これら傾斜・屈曲の角度や向きなどの条件が合致すれば、この電線保持部材を他車種でも使用することができ、コスト効率もアップする。
【0009】
さらにまた、上記電線保持部材は、ケース等との間にロック機構を備えているため、ケースからの電線保持部材の抜けはずれ、さらには電線の抜けはずれをより確実に防止することができ、品質性能を上げることができる。
【0010】
本発明は、また、自動車に搭載される電気接続箱のケースあるいはケースカバーの周壁に凹状に切り欠いた電線取出口を設け、該電線取出口より引き出される電線と共にテープ巻きされる樋形状の電線保持部材を別体として設け、
上記電線保持部材はケース連結端より先端に向けて傾斜あるいは屈曲した形状で、該電線保持部材のケース連結端の左右両側縁より水平断面コ字形状の嵌め込み枠を突設し、該嵌め込み枠を上記電線取出口より左右両側部に外嵌し、この嵌合される上記嵌め込み枠と電線取出口の左右両側部とにロック部と被ロック部を設けてロック結合している自動車用の電気接続箱を提供している。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は本発明の第1実施形態を示し、自動車に搭載する電気接続箱10は、内部回路(図示せず)を収容するロアケース11とアッパーケース12と、該ロアケース11に取り付けられる別体の電線保持部材20を備えている。電気接続箱10の内部回路と接続して電線取出口16よりケース外に引き出された電線wは、電線保持部材20と一体にテープTで巻き付け固定している。
【0012】
上記アッパーケース12の上面には、コネクタを収容する外面開口のコネクタ収容部13と、ヒューズを収容する外面開口のヒューズ収容部14と、リレーを収容する外面開口のリレー収容部15とを設けている。
【0013】
上記ロアケース11の周壁11aには、上縁より凹状に切り欠いた電線取出口16を設け、上記電線保持部材20は、この電線取出口16の左右両側部17に外嵌して取り付けられる。
【0014】
詳しくは、この電線保持部材20は、図2(A)に示すように、ケース連結端20aより先端に向けて傾斜させて形成した樋形状の電線固定部21と、該電線固定部21のケース連結端20aの左右両側縁より、ケース取付面に平行に屈曲させて形成した水平断面コ字形状の左右一対の嵌め込み枠22と、該電線固定部21の先端20bより左右に突設した一対のテープ止め突起23とを一体成形してなる。また、図2(B)に示すように、上記左右の嵌め込み枠22の内壁にはそれぞれ係止爪30aを突設し、該嵌め込み枠22が外嵌する電線取出口16の左右両側部17の対応する位置には係止穴30bを穿設している。
【0015】
上記構成の電気接続箱10の組み立て作業手順は、まず、図3(A)に示すように、ロアケース11へ取り付ける前の電線保持部材20の電線固定部21内に電線wを収容し、電線固定部21の外周にテープTを巻き付けて電線wと一体に巻きつけ固定する。このとき、電線wに対する電線保持部材20の巻きつけ固定位置は、電気接続箱10との接続状態における電線wの電線取出口16からの引き出し位置に正確に合わせておく。次に、電線保持部材20に固定した状態の電線wを電気接続箱10内の所要回路と接続した後、図3(B)に示すように、電線保持部材20の左右の嵌め込み枠22を、電線取出口16の左右両側部17に外嵌して押し込むことにより、図4に示すように、嵌め込み枠22の係止爪30aが左右両側部17に穿設した係止穴30bに係止して、ロアケース11と上記電線保持部材20とが互いロック結合する。最後に、図1に示すように、アッパーケース12をロアケース11に被せて結合させる。
なお、ロアケース内に収容した所要回路と電線wを接続した状態で、該電線を電線保持部材20の電線固定部21内に収容してテープTで巻き付け、この状態で、電線保持部材20をロアケースとロック結合してもよい。
【0016】
上記電気接続箱10によれば、電線保持部材20がケース11と別体であるため、電線保持部材20がケース取付面に対して垂直でなく傾斜する場合でも、電線保持部材2−をケースに固定する前に電線wとテープ巻付け作業を済ませることができる。従って、テープ巻きつけ作業の際にケースの周壁が邪魔になることもなく、十分な作業スペースを確保して効率よくテープ巻き作業を行うことができる。また、電線保持部材20のケース11への取付作業も、嵌め込み枠22を電線取出口16の左右両側部17に外嵌させると同時に、ワンタッチでロック結合させることができるため、簡単かつ確実である。さらに、設計変更により電線固定部の傾斜角度や向きに変更が生じても、該電線保持部材のみを変更すれば足るため、変更のためのコストや手間を軽減することができる。
【0017】
図5および図6は本発明の第2実施形態に係る電気接続箱10’の要部を示し、上記第1実施形態とは、電線保持部材20’の電線固定部21’の形状およびロック機構が異なるが、他の構成は同様である。
【0018】
詳しくは、上記電線固定部21’は、ケース連結端20a’より先端に向けて途中で屈曲した形状よりなる。また、電線保持部材20’のケース連結端20a’の左右両側縁より、ケース取付面に平行な取付板24’を突設している。一方、ロアケース11’の電線取出口16’の左右両側部には、上記取付板24’を挿入する水平断面コ字形状の嵌め込み枠18’を設けている。
また、上記電線保持部材20’の左右取付板24’には係止爪31a’を先端方向へ突設し、この係止爪31a’に対応するように、ロアケース11’の嵌め込み枠18’の外側ガイド部19’の下端部には、係止凹部31b’を切り欠き形成している。
【0019】
本実施形態においても、電線固定部21’が屈曲しているため、この電線保持部材20’がケースに取り付けられた状態では、ケース周壁が邪魔になりテープ巻き作業が困難であるが、電線保持部材20がロアケース11から分離できる別体であるため、テープ巻き作業スペースを十分確保できるケース取付前に、予め電線保持部材20’を電線wに固定しておくことができる。また、電線保持部材20’をロアケース11’に固定する作業も、電線保持部材20’の取付板24’をロアケース11’の嵌め込み枠18’に挿入し、押し込むことにより、図6に示すように、上記係止爪31a’が係止凹部31b’に係止して、ワンタッチでロック結合するため、手間がかからず容易かつ確実に連結することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、電線を電気接続箱に固定する電線保持部分を、電気接続箱から分離する別体とし、この電線保持部材と電線とのテープ巻き作業を、該電線保持部材を電気接続箱に取り付ける前に済ませ、電線に固定したこの電線保持部材を電気接続箱の電線取出口に後付けすることができる。従って、設計上、電線保持部材が傾斜あるいは屈曲せざるを得ない場合でも、電気接続箱のケース等周壁との間のスペースに左右されることなく、予め十分なテープ巻き作業スペースを確保して電線保持部材と電線とをテープ巻き固定できるため、テープ巻き作業および組立作業の効率を上げることができる。
【0021】
また、電線に固定した電線保持部材を電気接続箱に取り付ける作業も、電線取出口の左右両側部と電線保持部材との一方に形成した嵌め込み枠に他方を挿入し押し込むことにより、互いに形成したロック部と被ロック部とがロック結合するため、容易かつ確実に連結することができる。
【0022】
さらに、電線保持部材を電気接続箱の別体としているため、電線保持部材の傾斜・屈曲の角度や向きについて設計変更が生じても、該電線保持部材のみを変更または交換すれば足るため、安価かつ柔軟に対応できる。さらには、傾斜・屈曲の角度などの条件が合致すれば、その電線保持部材を他車種に使用することもでき、コスト効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気接続箱の斜視図である。
【図2】図1に示す電気接続箱の電線保持部材を示し、(A)は全体斜視図、(B)は要部拡大斜視図である。
【図3】(A)(B)は、図1に示す電気接続箱の組立作業手順を示す図である。
【図4】図2に示す電線保持部材が電線取出口に取り付けられた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る電気接続箱の要部を示す斜視図である。
【図6】図5に示す電線保持部材が電線取出口に取り付けられた状態を示す断面図である。
【図7】従来例の図である。
【図8】他の従来例の図である。
【符号の説明】
10、10’ 電気接続箱
11、11’ ロアケース
16、16’ 電線取出口
18’ 嵌め込み枠
20、20’ 電線保持部材
21、21’ 電線固定部
22 嵌め込み枠
24’ 取付板
30a、31a’ 係止爪
30b 係止穴
31b’ 係止凹部
w 電線
T テープ
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載する電気接続箱に関し、特に、電気接続箱のケースまたはケースカバーへの電線の固定構造を改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、自動車に搭載される電装品が急増し、電気接続箱の内部回路に多数の電線を接続し、上記電装品に電源を供給している。この電気接続箱と電装品とを接続する電線は、車両の限られたスペースに配索する必要性から、その電線長に過不足が生じないよう設計されている。よって、電気接続箱のケースから引き出されて所要電装品へと配索される電線は、余長が大きくとっていないことにより、車両走行による振動や何らか衝撃により電気接続箱から抜けることがないよう電気接続箱に固定する必要がある。
【0003】
この電線固定の手段として、従来は、図7に示すように、電気接続箱1のケース2の電線取出口3から外方に向かって、樋形状の電線固定部4を一体連続に形成し、電気接続箱1から引き出した電線wを該電線固定部4内に収容して、電線wと電線固定部4とを一体にテープTで巻きつけ、電線wを電気接続箱1に固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記電線固定部4の電線取出口3に対する角度は、電気接続箱1から引き出される電線経路や、電気接続箱周辺の他部品との位置関係に左右される。そのため、図8に示すように、電線固定部4を電線取出口3に対して傾斜あるいは屈曲させざるを得ないこともある。しかしながら、この場合、図中矢印に示すように、電線取出口3を設けたケース2の周壁2aと電線固定部4とが一部接近しすぎて、テープ巻き作業のための十分なスペースを確保できない問題があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、電線取出口に対する電線固定部の角度に関係なく、電線固定のためのテープ巻き作業を容易に行うことのできる電線固定構造を備えた電気接続箱の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、自動車に搭載される電気接続箱のケースあるいはケースカバーの周壁に凹状に切り欠いた電線取出口を設け、該電線取出口より引き出される電線と共にテープ巻きされる樋形状の電線保持部材を別体として設け、
上記電線保持部材はケース連結端より先端に向けて傾斜あるいは屈曲させ、該電線保持部材のケース連結端の左右両側縁より夫々取付板を突設する一方、上記電線取出口の左右両側に上記取付板を挿入する水平断面コ字形状の嵌め込み枠を設け、この嵌合される嵌め込み枠と上記取付板とにロック部と被ロック部を設けてロック結合している自動車用の電気接続箱を提供している。
【0007】
このように、電線と共にテープ巻きされる電線保持部材をケースあるいはケースカバー(以下「ケース等」と言う)と別体として設けることにより、該ケース等にこの電線保持部材を取り付ける前にテープ巻き作業を行うことができる。従って、電線保持部材が先端に向けて傾斜あるいは屈曲しているために、該電線保持部材をケース等に取り付けると該電線保持部材とケース等が接近しすぎる場合でも、予めワイヤーハーネス製造工程において、周囲360度にわたって障害物のないところ、すなわちテープ巻き作業スペースを十分に確保できるところで取り付け前の電線保持部材と電線とをテープ巻き固定しておくことができるため、テープ巻きおよび組み立ての作業性を高めることができる。また、このテープ巻き作業が、電気接続箱という大物部品と電線との固定作業でなく、電線保持部材という小物部品と電線との固定作業で済むため、この点においてもテープ巻き作業の作業性向上につながる。
【0008】
さらに、電線保持部材をケース等の別体とすることにより、該電線保持部材の傾斜・屈曲の角度や向きなどの条件に変更が生じても、該電線保持部材のみを変更すれば足りるため、設計変更等に柔軟に対応することができる。また、これら傾斜・屈曲の角度や向きなどの条件が合致すれば、この電線保持部材を他車種でも使用することができ、コスト効率もアップする。
【0009】
さらにまた、上記電線保持部材は、ケース等との間にロック機構を備えているため、ケースからの電線保持部材の抜けはずれ、さらには電線の抜けはずれをより確実に防止することができ、品質性能を上げることができる。
【0010】
本発明は、また、自動車に搭載される電気接続箱のケースあるいはケースカバーの周壁に凹状に切り欠いた電線取出口を設け、該電線取出口より引き出される電線と共にテープ巻きされる樋形状の電線保持部材を別体として設け、
上記電線保持部材はケース連結端より先端に向けて傾斜あるいは屈曲した形状で、該電線保持部材のケース連結端の左右両側縁より水平断面コ字形状の嵌め込み枠を突設し、該嵌め込み枠を上記電線取出口より左右両側部に外嵌し、この嵌合される上記嵌め込み枠と電線取出口の左右両側部とにロック部と被ロック部を設けてロック結合している自動車用の電気接続箱を提供している。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は本発明の第1実施形態を示し、自動車に搭載する電気接続箱10は、内部回路(図示せず)を収容するロアケース11とアッパーケース12と、該ロアケース11に取り付けられる別体の電線保持部材20を備えている。電気接続箱10の内部回路と接続して電線取出口16よりケース外に引き出された電線wは、電線保持部材20と一体にテープTで巻き付け固定している。
【0012】
上記アッパーケース12の上面には、コネクタを収容する外面開口のコネクタ収容部13と、ヒューズを収容する外面開口のヒューズ収容部14と、リレーを収容する外面開口のリレー収容部15とを設けている。
【0013】
上記ロアケース11の周壁11aには、上縁より凹状に切り欠いた電線取出口16を設け、上記電線保持部材20は、この電線取出口16の左右両側部17に外嵌して取り付けられる。
【0014】
詳しくは、この電線保持部材20は、図2(A)に示すように、ケース連結端20aより先端に向けて傾斜させて形成した樋形状の電線固定部21と、該電線固定部21のケース連結端20aの左右両側縁より、ケース取付面に平行に屈曲させて形成した水平断面コ字形状の左右一対の嵌め込み枠22と、該電線固定部21の先端20bより左右に突設した一対のテープ止め突起23とを一体成形してなる。また、図2(B)に示すように、上記左右の嵌め込み枠22の内壁にはそれぞれ係止爪30aを突設し、該嵌め込み枠22が外嵌する電線取出口16の左右両側部17の対応する位置には係止穴30bを穿設している。
【0015】
上記構成の電気接続箱10の組み立て作業手順は、まず、図3(A)に示すように、ロアケース11へ取り付ける前の電線保持部材20の電線固定部21内に電線wを収容し、電線固定部21の外周にテープTを巻き付けて電線wと一体に巻きつけ固定する。このとき、電線wに対する電線保持部材20の巻きつけ固定位置は、電気接続箱10との接続状態における電線wの電線取出口16からの引き出し位置に正確に合わせておく。次に、電線保持部材20に固定した状態の電線wを電気接続箱10内の所要回路と接続した後、図3(B)に示すように、電線保持部材20の左右の嵌め込み枠22を、電線取出口16の左右両側部17に外嵌して押し込むことにより、図4に示すように、嵌め込み枠22の係止爪30aが左右両側部17に穿設した係止穴30bに係止して、ロアケース11と上記電線保持部材20とが互いロック結合する。最後に、図1に示すように、アッパーケース12をロアケース11に被せて結合させる。
なお、ロアケース内に収容した所要回路と電線wを接続した状態で、該電線を電線保持部材20の電線固定部21内に収容してテープTで巻き付け、この状態で、電線保持部材20をロアケースとロック結合してもよい。
【0016】
上記電気接続箱10によれば、電線保持部材20がケース11と別体であるため、電線保持部材20がケース取付面に対して垂直でなく傾斜する場合でも、電線保持部材2−をケースに固定する前に電線wとテープ巻付け作業を済ませることができる。従って、テープ巻きつけ作業の際にケースの周壁が邪魔になることもなく、十分な作業スペースを確保して効率よくテープ巻き作業を行うことができる。また、電線保持部材20のケース11への取付作業も、嵌め込み枠22を電線取出口16の左右両側部17に外嵌させると同時に、ワンタッチでロック結合させることができるため、簡単かつ確実である。さらに、設計変更により電線固定部の傾斜角度や向きに変更が生じても、該電線保持部材のみを変更すれば足るため、変更のためのコストや手間を軽減することができる。
【0017】
図5および図6は本発明の第2実施形態に係る電気接続箱10’の要部を示し、上記第1実施形態とは、電線保持部材20’の電線固定部21’の形状およびロック機構が異なるが、他の構成は同様である。
【0018】
詳しくは、上記電線固定部21’は、ケース連結端20a’より先端に向けて途中で屈曲した形状よりなる。また、電線保持部材20’のケース連結端20a’の左右両側縁より、ケース取付面に平行な取付板24’を突設している。一方、ロアケース11’の電線取出口16’の左右両側部には、上記取付板24’を挿入する水平断面コ字形状の嵌め込み枠18’を設けている。
また、上記電線保持部材20’の左右取付板24’には係止爪31a’を先端方向へ突設し、この係止爪31a’に対応するように、ロアケース11’の嵌め込み枠18’の外側ガイド部19’の下端部には、係止凹部31b’を切り欠き形成している。
【0019】
本実施形態においても、電線固定部21’が屈曲しているため、この電線保持部材20’がケースに取り付けられた状態では、ケース周壁が邪魔になりテープ巻き作業が困難であるが、電線保持部材20がロアケース11から分離できる別体であるため、テープ巻き作業スペースを十分確保できるケース取付前に、予め電線保持部材20’を電線wに固定しておくことができる。また、電線保持部材20’をロアケース11’に固定する作業も、電線保持部材20’の取付板24’をロアケース11’の嵌め込み枠18’に挿入し、押し込むことにより、図6に示すように、上記係止爪31a’が係止凹部31b’に係止して、ワンタッチでロック結合するため、手間がかからず容易かつ確実に連結することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、電線を電気接続箱に固定する電線保持部分を、電気接続箱から分離する別体とし、この電線保持部材と電線とのテープ巻き作業を、該電線保持部材を電気接続箱に取り付ける前に済ませ、電線に固定したこの電線保持部材を電気接続箱の電線取出口に後付けすることができる。従って、設計上、電線保持部材が傾斜あるいは屈曲せざるを得ない場合でも、電気接続箱のケース等周壁との間のスペースに左右されることなく、予め十分なテープ巻き作業スペースを確保して電線保持部材と電線とをテープ巻き固定できるため、テープ巻き作業および組立作業の効率を上げることができる。
【0021】
また、電線に固定した電線保持部材を電気接続箱に取り付ける作業も、電線取出口の左右両側部と電線保持部材との一方に形成した嵌め込み枠に他方を挿入し押し込むことにより、互いに形成したロック部と被ロック部とがロック結合するため、容易かつ確実に連結することができる。
【0022】
さらに、電線保持部材を電気接続箱の別体としているため、電線保持部材の傾斜・屈曲の角度や向きについて設計変更が生じても、該電線保持部材のみを変更または交換すれば足るため、安価かつ柔軟に対応できる。さらには、傾斜・屈曲の角度などの条件が合致すれば、その電線保持部材を他車種に使用することもでき、コスト効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気接続箱の斜視図である。
【図2】図1に示す電気接続箱の電線保持部材を示し、(A)は全体斜視図、(B)は要部拡大斜視図である。
【図3】(A)(B)は、図1に示す電気接続箱の組立作業手順を示す図である。
【図4】図2に示す電線保持部材が電線取出口に取り付けられた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る電気接続箱の要部を示す斜視図である。
【図6】図5に示す電線保持部材が電線取出口に取り付けられた状態を示す断面図である。
【図7】従来例の図である。
【図8】他の従来例の図である。
【符号の説明】
10、10’ 電気接続箱
11、11’ ロアケース
16、16’ 電線取出口
18’ 嵌め込み枠
20、20’ 電線保持部材
21、21’ 電線固定部
22 嵌め込み枠
24’ 取付板
30a、31a’ 係止爪
30b 係止穴
31b’ 係止凹部
w 電線
T テープ
Claims (2)
- 自動車に搭載される電気接続箱のケースあるいはケースカバーの周壁に凹状に切り欠いた電線取出口を設け、該電線取出口より引き出される電線と共にテープ巻きされる樋形状の電線保持部材を別体として設け、
上記電線保持部材はケース連結端より先端に向けて傾斜あるいは屈曲させ、該電線保持部材のケース連結端の左右両側縁より夫々取付板を突設する一方、
上記電線取出口の左右両側に上記取付板を挿入する水平断面コ字形状の嵌め込み枠を設け、この嵌合される嵌め込み枠と上記取付板とにロック部と被ロック部を設けてロック結合している自動車用の電気接続箱。 - 自動車に搭載される電気接続箱のケースあるいはケースカバーの周壁に凹状に切り欠いた電線取出口を設け、該電線取出口より引き出される電線と共にテープ巻きされる樋形状の電線保持部材を別体として設け、
上記電線保持部材はケース連結端より先端に向けて傾斜あるいは屈曲した形状で、該電線保持部材のケース連結端の左右両側縁より水平断面コ字形状の嵌め込み枠を突設し、該嵌め込み枠を上記電線取出口より左右両側部に外嵌し、この嵌合される上記嵌め込み枠と電線取出口の左右両側部とにロック部と被ロック部を設けてロック結合している自動車用の電気接続箱。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002226594A JP2004072848A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 電気接続箱 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002226594A JP2004072848A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 電気接続箱 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004072848A true JP2004072848A (ja) | 2004-03-04 |
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ID=32013891
Family Applications (1)
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JP2002226594A Withdrawn JP2004072848A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 電気接続箱 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004072848A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2402218A1 (en) * | 2010-07-02 | 2012-01-04 | Yazaki Corporation | Electric junction box |
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-
2002
- 2002-08-02 JP JP2002226594A patent/JP2004072848A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102377138A (zh) * | 2010-07-02 | 2012-03-14 | 矢崎总业株式会社 | 电气接线盒 |
US9463757B2 (en) | 2010-07-02 | 2016-10-11 | Yazaki Corporation | Electric junction box |
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