JP3168875U - 段ボール製緩衝材用補強部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 用いる材料が少なくてすみ、しかも、簡易に緩衝材に組み込むことができる段ボール製緩衝材用補強部材を実現する。【解決手段】 電子機器などの下部に嵌合する下部緩衝材および上部に嵌合する上部緩衝材のそれぞれの端部の耐衝撃性を高めるために組み込む補強部材20の構成として、材料に等級がAFフルートである段ボールを用いて方形の形状に形成するとともにこの方形の4辺のうちの1つの辺F11bに沿う切れ目21を設ける。【選択図】 図1

Description

本考案は段ボール製緩衝材用補強部材に関する。具体的には、用いる材料が少なくてすみ、しかも、簡易に緩衝材に組み込むことができる段ボール製緩衝材用補強部材を提供せんとするものである。
電子機器などを輸送・保管する場合は、外部から加わる力や落下による衝撃を吸収緩和して電子機器等を保護するために、緩衝材を使用して段ボール製の外装箱により梱包することが行われている。その場合、緩衝材として、発泡スチロール製の緩衝材の他に、省資源の観点から再利用可能な段ボールを用いた緩衝材も使用されている。
そこで、例えば、プリンタを梱包する場合は、図5(斜視図)に示すように、方形体状のプリンタPの一側面が上部となるようにプリンタPを立てた状態にして、立てたプリンタP下部の2つの角部に同一構成の下部緩衝材100を嵌合し、上部の2つの角部に基本構成は同一ながらも一部の構成が異なる上部緩衝材200,200Bを嵌合したうえで、段ボール製の外装箱内に収容している。
図6は、このようなプリンタPを梱包する場合に使用される段ボール製の緩衝材の構成を示す斜視図、図7は背面側から見た斜視図、図8は展開図である。ここで、各図は、プリンタP下部の2つの角部に嵌合する下部緩衝材100を示しており、説明を簡単にするために、一方の下部緩衝材100の構成のみを示している。また、図8中の破線は折り曲げ線を示し、一部を切り欠いた表示は、段ボールの中芯の配列方向を示している。破線が折り曲げ線を示し、一部を切り欠いた表示が段ボールの中芯の配列方向を示していることは、以下の図面において同じである。
図6において、下部緩衝材100の材料には、等級がAFフルートの段ボールが用いられており、プリンタPに当接する4つの当接面101,102a,102b,103により囲まれる空間S内に、プリンタP下部の角部が嵌合される。これにより、プリンタPは支持されることになる。
ここで、図8に示したように、1枚の材料から1つの下部緩衝材100を形成する場合は、図6に示したように、設計上、下部緩衝材100の端部に各空隙部C1〜C3が生ずる。しかし、このような空隙部C1〜C3が存在すると、外力や落下による衝撃が下部緩衝材100の端部に加わった場合に、下部緩衝材100が破断してしまい、緩衝材としての機能を低下させてしまうことになる。
そのため、下部緩衝材100端部の耐衝撃性を高めるために、細長方形状に裁断した段ボール(等級はAFフルート)を複数回折り返して畳んで積層体としたものを、補強部材として用いている。すなわち、下部緩衝材100の両端部の空隙部C1内には、図9(a)(斜視図)に示す補強部材110を、空隙部C2内には、図9(b)(斜視図)に示す補強部材111を、空隙部C3内には、図9(c)(斜視図)に示す補強部材112を、それぞれ差し込んで組み込むようにしている。
図10は、プリンタP上部の一方の角部に嵌合する上部緩衝材200(図5)の構成を示す、下方から見た斜視図、図11は背面側から見た斜視図、図12は展開図である。
図10において、プリンタPに当接する4つの当接面201a,201b,202,203により囲まれる空間S内に、プリンタP上部の一方の角部が嵌合する。これにより、プリンタP上部の一方の角部が保護されることになる。なお、この上部緩衝材200には、図11に示すように、プリンタPの付属品を収納する付属品収納部210が形成されている。
図13は、プリンタP上部のもう一方の角部に嵌合する上部緩衝材200B(図5)の構成を示す斜視図、図14は展開図である。下方から見た斜視図は、既述した上部緩衝材200のそれと同一であるので、省略する。
ここにおける上部緩衝材200Bが、図10に示した上部緩衝材200の構成と異なるところは、図13に示すように、プリンタPの付属品を収納する付属品収納部211を形成するための構成である。その他の構成は、図10に示した上部緩衝材200の構成と同じである。
図11において、ここに示した上部緩衝材200においても、1枚の材料から1つの上部緩衝材200を形成する場合は、設計上、上部緩衝材200の端部に各空隙部C1〜C3が生ずる。このことは、図13に示したもう一方の上部緩衝材200Bにおいても同様である。
そこで、プリンタP下部の角部に嵌合する下部緩衝材100の場合と同じく、プリンタP上部の角部に嵌合する上部緩衝材200,200Bにも、図9に示した補強部材110〜112を用いるようにしている。ただし、プリンタPの上部に加わる衝撃は、下部に加わる衝撃よりも通常は小さいことから、上部緩衝材200,200Bの一方(プリンタPの底部側)の端部にのみ補強部材110〜112を差し込んで組み込むようにしている。
このように、従来は、図6に示した下部緩衝材100、図10に示した上部緩衝材200および図13に示した上部緩衝材200Bの端部において3方向からの衝撃に対処するために3つの補強部材110〜112を用いている。
図6に示した下部緩衝材100、図10に示した上部緩衝材200および図13に示した上部緩衝材200Bでは、細長方形状の段ボールを複数回折り返して畳んで積層体とした補強部材110〜112を使用している。
しかし、補強部材110〜112を形成するためには、細長方形状の段ボールを複数回折り返して畳んで積層体としなければならない結果、その材料として少なくない段ボールが必要となり、したがって、コスト要因になるとともに、補強部材110〜112を形成するうえでの作業性が悪いという解決すべき課題があった。
また、3つの補強部材110〜112を、2つの下部緩衝材100の両端部、および2つの上部緩衝材200,200Bの一方の端部に、それぞれ組み込まなければならないため、補強部材110〜112を形成するうえでの作業性だけでなく、下部緩衝材100および上部緩衝材200,200Bに組み込むうえでの作業性も悪いという未解決の課題があった。
さらに、外力や落下による衝撃は、補強部材110〜112に用いている段ボールの中芯の厚さ方向に加わるため、補強部材110〜112としての強度は、複数枚の段ボールを積層しても全体的にはさほど高くはないという解決すべき課題があった。
そこで、上記課題に照らし、本考案はなされたものである。そのために、本考案では、下部緩衝材および上部緩衝材のそれぞれの端部の耐衝撃性を高めるための補強部材として、段ボールを用いて方形の形状に形成するとともに方形の4辺のうちの1つの辺に沿う切れ目を設けるようにした。
本考案によるならば、従来は、下部緩衝材100および上部緩衝材200,200Bの端部における3つの空隙部C1〜C3(図6,図11,図13)に、3つの積層体の補強部材110〜112を組み込んでいたのに対して、単一の、しかも積層体ではない補強部材を組み込めば足りる。
その結果、材料として用いる段ボールが、より少なくてすむことから、低コストの要請に応えることができる。のみならず、補強部材を形成するうえでの作業性および補強部材を組み込むうえでの作業性を良好なものとすることができる。
また、外力や落下による衝撃は、従来例では補強部材に用いている段ボールの中芯の厚さ方向に加わっていたのに対して、本考案では中芯の長さ方向に加わるので、補強部材として高い強度を得ることができる。したがって、本考案によりもたらされる効果、実用上極めて大きい。
本考案の一実施例の構成を示す展開図である。 図1に示した補強部材の使用方法を説明するための説明図である。 図1に示した補強部材を下部緩衝材に使用した状態を示す構成図である。 図1に示した補強部材を組み込んだ上部緩衝材および下部緩衝材を用いてプリンタを収容した外装箱の、加わる衝撃を測定した部位を説明するための説明図である。 プリンタの角部に下部緩衝材および上部緩衝材を嵌合した状態を示す斜視図である。 図5に示した下部緩衝材の構成を示す斜視図である。 図6に示した下部緩衝材の背面側から見た斜視図である。 図6に示した下部緩衝材の展開図である。 図6に示した下部緩衝材の端部に組み込まれる補強部材の構成を示す斜視図である。 図5に示した一方の上部緩衝材の構成を示す、下方から見た斜視図である。 図5に示した上部緩衝材の背面側から見た斜視図である。 図10および図11に示した上部緩衝材の展開図である。 図5に示したもう一方の上部緩衝材の構成を示す斜視図である。 図13に示した上部緩衝材の展開図である。
本考案による段ボール製緩衝材用補強部材は、材料に段ボールを用いて方形状に形成し、一方の長辺の近くにこの長辺に沿って切れ目を設ける。以下、実施例により詳しく説明する。
図1は、本考案の一実施例の構成を示す展開図であり、図6に示した下部緩衝材100、図10に示した上部緩衝材200および図13に示した上部緩衝材200Bと基本的には同一構成の下部緩衝材および上部緩衝材に使用されるものである。
図1において、本実施例における補強部材20は、材料に等級がAFフルートの段ボールを用いて方形状に形成され、一方の長辺F11bの近くに長辺F11bに沿って切れ目21が設けられている。
このような構成の補強部材20を用いる場合は、図2(a)(斜視図)に示すように、図1の各破線に沿って補強部材20を折り曲げて、補強部材20における部位L11と部位L12とが直角となるようにしたうえで、この状態を手の指で保持する。
そこで、この状態で、補強部材20における部位L13を、下部緩衝材の一方の端部における空隙部C2(図6)内に差し込み、部位L14を空隙部C3内に、それぞれ差し込んで組み込む。これにより、補強部材20における部位L15は、下部緩衝材端部における空隙部C1内に組み込まれる。
また、図2(c)の状態で、補強部材20における部位L13を、上部緩衝材の一方の端部における空隙部C2(図11,図13)内に差し込み、部位L14を空隙部C3内に、それぞれ差し込んで組み込む。これにより、補強部材20における部位L15は、上部緩衝材端部における空隙部C1内に組み込まれる。他方の上部緩衝材の一方の端部における空隙部には、補強部材20を図2(c)に示した状態とは線対称となるように折り曲げて組み込む。
補強部材20が組み込まれる下部緩衝材および上部緩衝材は、図6の下部緩衝材100、図10の上部緩衝材200および図13の上部緩衝材200Bと基本的には同一構成である。ただし、下部緩衝材100B端部における端片に、補強部材20における部位L15(図2(a))を嵌入させて、補強部材20を組み込むための切欠部が設けられている。同様の切欠部は、上部緩衝材にも設けられている。
ここで、補強部材20における部位L13の幅は、下部緩衝材100B端部における空隙部C2(図6)の幅および上部緩衝材端部における空隙部C2(図11,図13)の幅と同一に設定されている。また、補強部材20における部位L14の幅は、下部緩衝材100B端部における空隙部C3の幅および上部緩衝材端部における空隙部C3の幅と同一に設定されている。補強部材20における部位L15の幅は、補強部材20が折り曲げられた状態で、下部緩衝材100B端部における空隙部C1の奥行きおよび上部緩衝材端部における空隙部C1の奥行きと一致するように設定されている。
下記表1は、本願出願人の他の出願(実願2011−000605)に係る段ボール製緩衝材用補強部材を組み込んだ段ボール製の下部緩衝材100Bおよび上部緩衝材を用いてプリンタP(図5)を収容した外装箱と、発泡スチロール製の緩衝材を用いてプリンタPを収容した外装箱とを、それぞれ82cmの高さから落下させた場合の外装箱に加わる衝撃値(G)を示すものである。ここで、外装箱の材料は、等級がAFフルートの段ボールであり、プリンタP、外装箱等の総重量は4.5kgである。
Figure 0003168875
上記表1の最上欄におけるP1〜P10は、図4(下方から見た斜視図)に示す、落下による衝撃が加わる外装箱300の各部位を示している。例えば、P1は、外装箱300下部の角部であり、P3は、底面である部位P7および側面である部位P9のそれぞれの端部であり、P5は、側面である部位P6と対向する側面である。
また、中欄に示す数値は、発泡スチロール製の緩衝材を用いてプリンタPを収容した外装箱300への衝撃値を示し、最下欄の数値は、段ボール製緩衝材用補強部材を組み込んだ段ボール製の緩衝材を用いてプリンタPを収容した外装箱300への衝撃値を示している。なお、中欄および最下欄の各数値は、それぞれ3回行った落下試験により得られたデータの平均値を示している。
表1において、部位P4〜P6,P8〜P10に加わる衝撃値は、段ボール製緩衝材用補強部材を組み込んだ段ボール製の緩衝材を用いた方が、発泡スチロール製の緩衝材を用いた場合よりも小さい。他方、部位P1〜P3,P7に加わる衝撃値は、段ボール製緩衝材用補強部材を組み込んだ段ボール製の緩衝材を用いた方がやや大きい。しかし、ここにおける衝撃値は、プリンタPの保護のために要求される耐衝撃値の許容範囲内であり、プリンタPの保護上、全く支障がないものである。
下記表2は、本願図1に示した補強部材20を組み込んだ段ボール製の下部緩衝材100Bおよび上部緩衝材を用いてプリンタPを収容した外装箱300と、実願2011−000605に係る段ボール製緩衝材用補強部材を組み込んだ段ボール製の下部緩衝材100Bおよび上部緩衝材を用いてプリンタPを収容した外装箱300とを、それぞれ82cmの高さから落下させた場合の外装箱300に加わる衝撃値(G)を示すものである。ここで、外装箱300の材料は、等級がAFフルートの段ボールであり、プリンタP、外装箱300等の総重量は4.0kgである。
Figure 0003168875
上記表2の最上欄におけるP1〜P10は、表1と同様に、図4に示した、落下による衝撃が加わる外装箱300の各部位を示している。また、中欄に示す数値は、実願2011−000605に係る段ボール製緩衝材用補強部材を使用した場合の衝撃値を示し、最下欄の数値は、本願図1に示した補強部材20を使用した場合の衝撃値を示している。なお、中欄および最下欄の各数値は、それぞれ3回行った落下試験により得られたデータの平均値を示している。
表2において、本実施例における補強部材20によった場合は、プリンタPを収容した外装箱300に加わる衝撃値は、実願2011−000605に係る段ボール製緩衝材用補強部材によった場合とほぼ同様である。したがって、プリンタの保護上、全く支障がないものである。
このように、本実施例における補強部材20によれば、単純な形状かつ1つの切れ目21を設けるだけのより簡易な構成で、したがって、より低廉な製造コストで、下部緩衝材100Bおよび上部緩衝材の端部において3方向から加わる衝撃に対して、単一の補強部材20により充分な緩衝性を確保することができることになる。
なお、本実施例における補強部材20の材料は、等級がAFフルートの段ボールである場合に限らず、被梱包物の種類や重量あるいは被梱包物について要求される耐衝撃値などに応じて、AF,BF,CF,EF,FF,GF,ABF,CBFフルートの段ボールを用いる場合にも適用し得るものである。
20 補強部材
21 切れ目
100,100B 下部緩衝材
101,102a,102b,103 当接面
104 背面
110〜112 補強部材
200,200B 上部緩衝材
201a,201b,202,203 当接面
210,211 付属品収納部
300 外装箱
C1〜C3 空隙部
F11a,F11b 長辺
F12a,F12b 短辺
L11〜L16,P1〜P10 部位
P プリンタ
S 空間

Claims (1)

  1. 等級がAF、BF、CF、EF、FF、GF、ABF及びCBFフルートのうちの1つである段ボールが材料に用いられて、
    方形の形状に形成されるとともに、前記方形の4辺のうちの1つの辺に沿う切れ目(21)が設けられた
    段ボール製緩衝材用補強部材。
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