JP3162704U - 梱包容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】円形または円弧部を備え自立性に欠ける被梱包物について、緩衝材を必要とすることなく被梱包物の妄動を抑制することができるとともに、未梱包時には減容可能となるように展開・組み立てが自在な梱包容器を提供する。【解決手段】正面片10と、背面片20と、正面片10、背面片20の左右側部に設けられた二つの側片14,15と、正面片10の基端部と背面片20の基端部との間に連設される底片30と、底片30の両側にそれぞれ設けられた一対の支持部片40,50とを設け、二つの支持部片40,50が、正面視において、底片30に沿って底辺を構成するとともに、二つの支持部片40,50の向き合う両辺が正面視において上方が幅広となるように傾斜面とされた三角形状に組み立て可能、かつ組み立てられた状態を保持可能に設けた。【選択図】図1
Description
この考案は、折り畳み自在な梱包容器に関し、特に、耐衝撃性を備えると共に、自立性に欠ける被梱包物を収納する梱包容器に関する。
従来、厚みが薄く、かつ、搬送時の衝撃などにより損傷を受けやすい被梱包物は少なくない。例えば、ガラス板、回路基盤、自転車のホイール、電子機器のディスプレイパネル、パチンコ遊技機のセンター飾り、陶磁器製の皿類などの被梱包物は、搬送時・保管時などにおいて加えられる衝撃が低減されることが強く望まれている。特に、その外形状が円形であったり、下部に円弧部を備える被梱包物(以下「円弧状被梱包物」とする)においては、平積み状態とされて、積み重ねられる円弧状被梱包物の自重による損傷を避けるために、垂直状態で縦向きにして梱包容器内に収納されていた。
例えば、段ボール箱と、長さ方向における一定間隔毎に幅方向にヒンジ部が形成された柔軟な合成樹脂製の長尺発砲シートとからなり、この長尺発砲シートが上下に蛇行され、横方向に延びてアコーディオン状に折曲されて段ボール箱内に収納され、長尺発砲シートの折曲部分間に板状の被梱包物を垂直方向に収納するようにした梱包装置が知られている(特許文献1参照)。
また、液晶などの薄型テレビジョン受信機を垂直方向に収納するようにした幅の狭い段ボール箱として、受信機の幅に対応するように比較的幅の狭い段ボール箱本体と、底側の左右一組の緩衝材と、天井側の左右一組の緩衝材と、天井側の中央の1個又は2個の緩衝材とにより梱包できるものが知られている(特許文献2参照)。この段ボール箱は、使用に際しては、受信機を段ボール箱本体内に垂直方向に収納するに先立って箱本体の底側の左右隅に底側緩衝材を装填させ、次いで受信機を収納させて、底側緩衝材により受信機の両底側を保護し、次いで天井側の緩衝材を充填することにより受信機の天井側の左右隅と中央部を保護するものである。
また、比較的厚みが薄く損傷し易く、かつ、自立性に欠けるパチンコ遊技機のセンター飾りの包装箱に関するものとして、箱の底側及び天井側の計四隅と被梱包物との間に生じる空白を埋めるための発泡材や段ボール材の緩衝材が充填されるものが知られている(非特許文献1参照)。
http://www.askul.co.jp/p/171634
しかしながら、このような従来の梱包容器には以下のような問題があった。上記した従来の梱包装置では、自立性に欠ける被梱包物が妄動して損傷するおそれを避けるためには、単に折曲部分間に収納保持させるだけではなく、緩衝材などを梱包装置内に充填する必要があり、梱包作業が煩雑となるという問題があった。また、上記した従来の段ボール箱でも同様に、緩衝材を充填する必要があり梱包作業が繁雑となるという問題があった。また、上記した包装箱でも同様に、緩衝材を充填する必要があり梱包作業が繁雑となるという問題があるとともに、被梱包物の外形状に合わせて緩衝材の充填位置や充填量を調整する必要性が大きく、熟練作業者以外では充填作業に長時間を要するという問題があった。また、上記いずれの従来技術においても、緩衝材を必要とするために製造コストが増大するという問題があった。
本考案が解決しようとする目的は、上記の従来技術の問題点を解決するものであり、円形または円弧部を備え自立性に欠ける被梱包物について、緩衝材を必要とすることなく被梱包物の妄動を抑制することができるとともに、未梱包時には減容可能となるように展開・組み立てが自在な梱包容器を提供することにある。
本考案の第1の手段は、
正面片10と、背面片20と、
前記正面片10または前記背面片20のいずれかの左右側部に設けられた二つの側片14,15と、前記正面片10の基端部と前記背面片20の基端部との間に連設される底片30が備えられ、
前記正面片10と前記背面片20とが対向するように側片14,15を介して容器状に組み立て及び展開可能に設けられるとともに、前記底片30に一対の切り込み32a、32bが設けられ、
前記底片30の両側にそれぞれ設けられた一対の支持部片40,50が備えられ、
前記支持部片40,50は、平面視略矩形状に形成されるとともに、略矩形状の本体部42,52の二つがそれぞれ前記底片30側に備えられ、
前記支持部片40,50の先端には前記底片30の切り込み32a,32bに差し込み係合可能な差し込み片60a,60bが備えられ、
前記支持部片40,50と前記底片30との間には折れ目線11e,11hが形成され、
前記本体部42,52の中央付近には前記折れ目線11e,11hと平行に折れ目線11f,11iが形成され、
該二つの支持部片40,50は、正面視において、前記底片30に沿って底辺を構成するとともに、二つの支持部片40,50の向き合う両辺が正面視において上方が幅広となるように傾斜面とされた三角形状に組み立て可能、かつ組み立てられた状態を保持可能に設けられたことを特徴とする段ボール製の梱包容器(請求項1)である。
正面片10と、背面片20と、
前記正面片10または前記背面片20のいずれかの左右側部に設けられた二つの側片14,15と、前記正面片10の基端部と前記背面片20の基端部との間に連設される底片30が備えられ、
前記正面片10と前記背面片20とが対向するように側片14,15を介して容器状に組み立て及び展開可能に設けられるとともに、前記底片30に一対の切り込み32a、32bが設けられ、
前記底片30の両側にそれぞれ設けられた一対の支持部片40,50が備えられ、
前記支持部片40,50は、平面視略矩形状に形成されるとともに、略矩形状の本体部42,52の二つがそれぞれ前記底片30側に備えられ、
前記支持部片40,50の先端には前記底片30の切り込み32a,32bに差し込み係合可能な差し込み片60a,60bが備えられ、
前記支持部片40,50と前記底片30との間には折れ目線11e,11hが形成され、
前記本体部42,52の中央付近には前記折れ目線11e,11hと平行に折れ目線11f,11iが形成され、
該二つの支持部片40,50は、正面視において、前記底片30に沿って底辺を構成するとともに、二つの支持部片40,50の向き合う両辺が正面視において上方が幅広となるように傾斜面とされた三角形状に組み立て可能、かつ組み立てられた状態を保持可能に設けられたことを特徴とする段ボール製の梱包容器(請求項1)である。
本考案では、支持部片40,50により、底片30に対して底辺を構成する上方にむかって幅狭となる三角形状の部材(支持部材90,92)を構成することができる。そして、これらの支持部材90,92の傾斜面により、梱包容器1正面視において、底片30に対して中央が窪んだ凹部Xを構成することができる。
支持部材90,92により構成される凹部Xにより、円形の被梱包物や円弧状被梱包物を収容保持するようにして、これらの被梱包物2を梱包容器1内に梱包することが可能となる。そして、下方に向かうに従って幅狭となる凹部Xにより、様々な大きさ・形状の円形の被梱包物・円弧状被梱包物であっても、凹部Xのいずれかの位置によって保持されることが可能であるので、様々な被梱包物に対応して梱包することができる。したがって、緩衝材を要することなく、妄動を抑制しつつ様々な被梱包物の確実な梱包が可能となる。
また、支持部片40,50を、正面視において梱包容器の底片30に沿って底辺を構成する三角形状となるように組み立て可能であるので、梱包する被梱包物2を十分に保持できる。特に段ボール製の梱包容器1であっても、被梱包物2の重量によって支持部材90,92に対して下方向に働く力に対して十分な強度を持つことができる。
そして、本梱包容器1はこのような構成を組み立て・展開自在な段ボールにより構成しているので、未梱包時などにおいては展開して減容することができる。また、段ボールから上記の構成に切断するだけで梱包容器1を簡便に製造することができる。
また、本考案の第二の手段は、前記支持部片40,50により組み立てられる二つの支持部材90,92のうちいずれかの上部頂部Yと、該頂部Yと隣り合う前記側片14又は側片15のいずれかとの間に間隙Zが設けられるように形成されたことを特徴とする梱包容器である(請求項2)。
被梱包物2の外形の一部に凹所Aが設けられている場合、凹部Xに被梱包物2の一部を収容保持するとともに、本考案の頂部Yにこの凹所Aを係止させることにより、被梱包物2を極めて簡便かつ確実に保持することができ、妄動を効果的に抑制できる。
また、本考案の第三の手段は、前記支持部片40,50の前記本体部42,52の側部に、前記支持部片40,50を三角形状に組み立てた状態において、前記支持部片40,50の前記本体部42,52及び前記底片30間に嵌合可能な嵌合片70a〜70dが連設されたことを特徴とする梱包容器(請求項3)。
このような嵌合片70a〜70dを設けることにより、支持部片40,50を組み立てた状態で支持部片40,50の上方から加わる力に対して、支持部片40,50が潰れないようにすることができ、組み立てた状態の支持部材90,92の強度を増すことができる。
また、本考案の第四の手段は、前記嵌合片70a〜dの側部に、折れ目線11g,11jを介して、前記底片30に沿って当接可能な当接片78,86を連設したことを特徴とする梱包容器(請求項4)。
前述のように嵌合片70a〜70dによって組み立てられた状態の支持部材90,92の強度を向上させることができるが、このような当接片78,86を設けることにより、嵌合片70a〜70dが底片に対して常に適切に嵌合するように、嵌合片の位置ずれを防止することができるので、組み立てられた状態の支持部片の強度を確実なものとすることができる。
また、本考案の第五の手段は、前記正面片10、背面片20又は側片14,15に、前記正面片10と前記背面片20とを係合する係合片16,22が設けられたことを特徴とする梱包容器(請求項5)。
係合片16,22により、組み立てた梱包容器1が容易には展開しないようにすることができる。
また、本考案の第六の手段は、組み立てた状態の前記正面片10及び前記背面片20の上部に、取っ手12a,12bを設けたことを特徴とする梱包容器(請求項6)。
このような取っ手12a,12bを設けることにより、組み立てた状態の梱包容器1を容易に持ち運びすることができ、可搬性に優れるものとすることができる。具体的には、正面片10及び背面片20の先端部に開口部を形成することで取っ手12a,12bを構成することなどが例示できる。
また、本考案の第七の手段は、前記梱包容器1は紙製段ボールから構成されたことを特徴とする梱包容器(請求項7)。
前述のように本梱包容器はプラスチック製なども含む広く段ボールから構成可能なものであるが、本考案のように構成することにより、特に軽量・低コストで製造可能な紙製段ボールを採用しても、十分な強度を有することができる。よって、本考案ではより軽量・低コストの梱包容器とすることができる。
本考案の梱包容器は、上記の構成であるから、組み立てられた支持部材により、緩衝材を要することなく被梱包物を確実に保持可能とすることができる。そして、段ボールにより上記の構成とすることにより、組み立て・展開を可能とすることができるので、被梱包物の未梱包時には展開して保管や運搬をすることにより、梱包容器の容積を大きく減少(減容)させることができる。よって、保管コストや運搬コストを大きく低減することができる。また、段ボールを上記の構成に切断することで製造することができ、緩衝材も必要としないので製造コストを低減することもできる。
次いで、本考案の梱包容器について、図面を参照して詳細に説明する。本考案の梱包容器1は、図1に示されるように、上方が開口された前後の厚みが薄い箱状の全体形状に形成されるものであり、その内部に、自立性に欠ける両側が対称であって円形または円弧部を備えたパチンコ遊技機のセンター飾り2(本考案にいう「被梱包物」の一例)を垂直状態で縦向きに梱包するものである。下記の説明ではパチンコ遊技機のセンター飾りを被梱包物の一例として記載するが、これに限らず、ガラス板、回路基盤、自転車のホイール、電子機器のディスプレイパネル、陶磁器製の皿類などを梱包することが可能である。そして、未梱包時には、図3に示されるような展開状態などとすることにより、箱状から板状の形状に変更でき、その容積を著しく減少させることができるものである。また、本例では段ボールのうち紙製段ボールにより梱包容器1を構成しており、軽量かつ一定以上の強度も備えるものである。
前述のように、本梱包容器1は、図3に示されるような展開状態とすることが可能である。梱包容器1には、正面片10と、背面片20と、正面片10と背面片20とを連設する底片30と、底片30の両側にそれぞれ延設される支持部片40及び支持部片50とが備えられている。
正面片10は矩形状に形成されている。本例では、正面片10は、ほぼ正方形に近い若干縦長の全体形状に形成されている。正面片10の先端寄りの左右方向中央付近には、開口された取っ手12aが設けられている。
また、正面片10の右側には、折れ目線11aを介して側片14が連設されている。側片14は正面片10の縦方向のおよそ半分の長さに設けられ、またこの長さの約5分の2であるとともに後述する底片30の縦方向の長さと同じ横幅の長方形状に形成されている。また、この側片14の先端の側部には、正面片10を背面片20に固定するために背面片20側の係合片22に係合可能な係合片16が連設されている。係合片16は縦方向が長い長円形状に形成され、側片14の先端側に対応する部位のみが側片14に連設され、側片14の基端側の部位は舌片状に突設された舌状片17とされている。
また、正面片10の左側には、折れ目線11bを介して側片15が連設されている。側片15は、正面片10の縦方向の長さの約4分の1の長さで、ほぼ正方形に近いわずかに横長の矩形状に形成され、その横方向の幅は底片30の縦方向の長さと同じに設けられている。また、側片15の正面片10先端寄りの側部には、正面片10を背面片20に固定するために背面片20側の係合片22に係合可能な係合片16が連設されている。係合片16は縦方向が長い長円形状に形成され、側片14の先端側に対応する部位のみが側片14に連設され、側片14の基端側の部位は舌片状に突設された舌状片17とされている。
背面片20は、底片30を介して、正面片10と反対側に正面片10とほぼ対称となる形状・位置に形成されている。背面片20は正面片10とほぼ同一の矩形状に形成されており、底片30を介して、その取っ手12bが先端に位置するようにして、連設されている。前述した正面片10の取っ手12aと併せて、取っ手12bにより、梱包容器1の搬送時の利便性を向上させているが、取っ手の形状はこれに限られず他の形状としても良い。なお、本例の取っ手12a,12bは、正面片10及び背面片20の先端方向の部位のみ残存させて他の部位を切り欠くことにより構成されている。
また、背面片20の両側部には、それぞれ係合片22が連設されている。係合片22は縦方向が長い長円形状に形成され、背面片20の基端側に対応する部位のみが背面片20に連設され、背面片20の先端側の部位は舌片状に突設された舌状片23とされている。そして、これらの係合片22の背面片20基端からの距離は、係合片16の舌状片17が係合片22の舌状片23と重なり合うように設けられており、図1に示されるように、梱包容器1が組み立てられた状態において、正面片10側の係合片16と背面片20側の係合片22とが係合可能となるように設けられている。また、図1にも示されるように、梱包容器1が組み立てられた状態において、係合片16は正面片10に対して直交するように屈曲された側片14、16から直交するように屈曲され、係合片22は背面片20に対して直交するように屈曲され、したがって舌状片17は下方に向けられ、一方、舌状片23は上方に向けられるとともに、互いに直交するようにして係合可能となる。このように係合片16と係合片22との係合により正面片10と背面片20とが固定可能に設けられている。一方、これらの係合片16、22の係合を解除することより、正面片10と背面片20とを展開することができる。なお、係合片16と係合片22の舌状片17及び舌状片23との上下方向の向きを入れ替えることも可能である。また、係合片16と係合片22とが係合可能であれば他の形状に変更することも可能である。
底片30は、折れ目線11cを介して正面片10と、折れ目線11dを介して背面片20と連設されており、平面視において横長の長方形状に形成されている。底片30の左側端部は正面片10および背面片20の左側端部と同じ位置に設けられており、一方、底片30の右側端部は正面片10および背面片20の右側端部よりも中央寄りに設けられており、正面片10及び背面片20よりも奥側に窪んだようにして底片30の右側端部が位置するように設けられている。
また、底片30から背面片20にかけては、差し込み用の切り込み32a,32bが二つ形成されている。切り込み32a,32bは、正面片10から背面片20に至る梱包容器1の前後方向に沿って形成されており、底片30の前後方向におけるほぼ中央の位置から背面片20にかけて、底片30の前後方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。また、切り込み32a,32bは、それぞれ、底片30の左右方向において左から約3分の1、約3分の2の位置にそれぞれ設けられている。
底片30の両側端部には、それぞれ支持部片40と支持部片50とが連設されている。底片30の左側端部に折れ目線11eを介して連接されている支持部片40は、横長の長方形状に形成されており、その左右方向の中央やや底片30寄りに、折れ目線11fが形成された本体部42が備えられている。
本体部42の先端には、差し込み片60aが連設されている。差し込み片60aは、縦方向が長い長円形状に形成され、支持部片40の先端のうち背面片20寄りの部位のみが支持部片40に連設され、正面片10寄りの部位は舌片状に突設された舌状片62とされている。
また、本体部42のうち折れ目線11fよりも底片30寄りの両側部には、嵌合片70a,70bがそれぞれ連設されている。嵌合片70a,70bは、折れ目線11fから本体部42の基端部にかけて徐々に幅広となるほぼ三角形状に形成されている。これらの嵌合片70a,70bは、図1、図2、図5に示されるように、差し込み片60aを切り込み32aに差し込んで梱包容器1正面視において支持部片40を三角形状に組み立てた状態において、支持部片40内に嵌合するように、組み立てられた状態の支持部片40の正面視とほぼ同形状に形成されている。また、それぞれの嵌合片70a,70bは、平面視において支持部片40を介してほぼ対称となる形状に形成されており、組み立てられた状態の支持部片40の前後においてそれぞれ支持部片40内に嵌合するように設けられている。
したがって、嵌合片70a,70bの三辺のうち本体部42に連接される第一片72は本体部42の折れ目線11fから底片30との境界となる折れ目線11eに至る距離とほぼ同一の長さに設けられている。また、嵌合片70a,70bの三辺のうち本体部42と底片30との境界となる折れ目線11eから立ち上がり、支持部片40の長手方向に対してほぼ垂直に立ち上がる第二辺74は底片30の左側端部から切り込み32aまでの距離とほぼ同一の長さに設けられている。また、嵌合片70a,70bの三辺のうち第一辺72と第二辺74とを結ぶ第三辺76は折れ目線11fから本体部42の先端までの距離とほぼ同一の長さに設けられている。
また、この嵌合片70a,70bの第三辺76には、第三辺76と平行な外辺を備えて所定の幅に形成されるとともに折れ目線11gを介して第三辺76に連設された当接片78が形成されている。当接片78は、支持部片40が図1に示されるように組み立てられ、嵌合片70a,70bが支持部片40の内側に嵌合された状態において、支持部片40の内側に折り込まれるとともに底片30に重なるようにして当接される。よって、嵌合片70a,70bがそのまま支持部片40内に嵌合される場合よりも嵌合片70a,70bを支持部片40内により安定的に嵌めこまれた状態とすることができる。よって、嵌合片70a,70bによって強度を向上させることのできる支持部片40の組み立てられた状態をより一層安定的に保持することができる。
また、底片30の右側端部には、折れ目線11hを介して、支持部片50が連設されている。支持部片50は、横長の長方形状に形成されており、その左右方向の中央に折れ目線11iが形成された本体部52が備えられている。また、折れ目線11iは、前述した正面片10の側片14の右側端部と同位置に形成されている。
本体部52の先端には、差し込み片60bが連設されている。差し込み片60bは、縦方向が長い長円形状に形成され、支持部片50の先端のうち背面片20寄りの部位のみが支持部片50に連設され、正面片10寄りの部位は舌片状に突設された舌状片62とされており、先に説明した差し込み片60aとは、左右対称の形状・位置に形成されている。なお本例では、差し込み片60a,60bの位置は、切り込み片32a,32bの位置とともに背面片20寄りに設けられているが、切り込み32a,32bの位置とともに、例えば、正面片10寄りに設けたり、底片30にのみ設けることとしても良い。しかしながら、組み立て時の差し込みの作業性や、差し込んだ後に差し込み片60a,60bが切り込み32a,32bから抜け難く設けるためには、組み立て時には屈曲される底片30から背面片20にかけて、または底片30から正面片10にかけて設けることが望ましい。また、背面片20側に設けることにより、使用時には、梱包容器1の正面側には切り込み32a,32b等が見えないので美観を保つこともできる。
また、本体部52のうち折れ目線11iよりも先端寄りには、嵌合片70c,70dがそれぞれ連設されている。嵌合片70c,70dは、折れ目線11iから本体部52の先端にかけて徐々に幅広となるほぼ三角形状に形成されている。これらの嵌合片70c,70dは、図1、図2、図5に示されるように、差し込み片60bを切り込み32bに差し込んで梱包容器1正面視において支持部片50を三角形状に組み立てた状態において、支持部片50内に嵌合するように、組み立てられた状態の支持部片50の正面視とほぼ同形状に形成されている。また、それぞれの嵌合片70c,70dは、平面視において支持部片50を介してほぼ対称となる形状に形成されており、組み立てられた状態の支持部片50の前後においてそれぞれ支持部片50内に嵌合するように設けられている。
したがって、嵌合片70c,70dの三辺のうち本体部52に連接される第一片80は本体部52の折れ目線11iから本体部52の先端に至る距離とほぼ同一の長さに設けられている。また、嵌合片70c,70dの三辺のうち本体部52の先端から立ち上がり、底片30方向に傾斜して立ち上がる第二辺82は底片30の右側端部から切り込み32bまでの距離とほぼ同一の長さに設けられている。また、嵌合片70c,70dの三辺のうち第一辺80と第二辺82とを結ぶ第三辺84は折れ目線11iから底片30との境となる折れ目線11hまでの距離とほぼ同一の長さに設けられている。
また、この嵌合片70c,70dの第三辺84には、第三辺84と平行な外辺を備えて所定の幅に形成されるとともに折れ目線11jを介して第三辺84に連設された当接片86が形成されている。当接片86は、支持部片50が図1に示されるように組み立てられ、嵌合片70c,70dが支持部片50の内側に嵌合された状態において、支持部片50の内側に折り込まれるとともに底片30に重なるようにして当接される。よって、嵌合片70c,70dがそのまま支持部片50内に嵌合される場合よりも嵌合片70c,70dを支持部片50内により安定的に嵌めこまれた状態とすることができる。よって、嵌合片70c,70dによって強度を向上させることのできる支持部片50の組み立てられた状態をより一層安定的に保持することができる。
このように構成された梱包容器1は、保管時や未梱包状態の運搬時には、例えば、図3に示されるようにして展開した状態とすることにより、その容積を減ずることができる。また、例えば、底片30と正面片10との間の折れ目線11cなどに沿って適宜折り畳むことにより、平面視の面積についても小さくすることができる。このように本梱包容器1は未梱包時の減容性に非常に優れている。
また、一枚の段ボールから図3に示されるような形状に切断及び折れ目線の加工をするだけで製造が可能であるので、製造時間を非常に短くでき、材料費も低減でき、その製造コストを大きく低減することができる。
また、特に紙製の段ボールにより構成されているので軽量とすることができ、重量の点でも優れており、梱包時・未梱包時を問わず、作業性や保管性に優れる。
そして、パチンコ遊技機のセンター飾り2を梱包する場合には、図1に示されるように組み立てる。まず、最初に図4及び図5に示されるように、支持部片40,50を正面視において三角形状になるように組み立てる。支持部片40を底片30との間の折れ目線11eに沿って上方に向けて折り曲げ、さらに本体部42を折れ目線11fに沿って折り曲げる。そして,支持部片40の先端の差し込み片60aを切り込み32aに差し込んで組み立てる。また、この際に、当接片78を内側に折り畳んだ状態として、嵌合片70a,70bを組み立てられた支持部片40の内側に押し込むようにして嵌合させる。同様に、反対側の支持部片50についても、嵌合片70c,dを嵌合させるようにして、正面視三角形状に組み立てられるように差し込み片60bを切り込み32に差し込む。
図2に示されるように、このようにして組み立てられた支持部片40と支持部片50とにより構成された支持部材90と支持部材92と、さらにこれらの間の底片30の部位とにより、パチンコ遊技機のセンター飾り2を下方から収容する「凹部X」が構成される。そして、本例では支持部材92の上部の頂部Yと、この頂部Yと隣り合う側片14との間に間隙Zが設けられることになる。本梱包容器1の梱包対象の一例であるパチンコ遊技機のセンター飾り2は、遊技盤に取り付けられた状態では、発射された遊技球がパチンコ遊技機のセンター飾り2上部に滞留してしまわないように、パチンコ遊技機のセンター飾り2の側方に自然に流下させるために、その上部は中央がもっとも高い円弧状に形成されている。また、下部においては、同様に円弧状に形成されるとともに、正面視右寄りには突起状部位Bを備え、突起状部位Bの基端側に凹所Aを備えている。よって、このパチンコ遊技機のセンター飾り2は、それ自体を立たせることが困難な自立性に乏しい被梱包物である。よって、支持部材90,92により構成される凹部Xにより、下部の円弧状の部位を収容保持するとともに、突起状部位Bを頂部Yと側片14との間の間隙Zに差し込むように保持させ、頂部Yにより凹所Aを支持させて収容することが可能となる。パチンコ遊技機のセンター飾り2の側部や下部はパチンコ遊技機のセンター飾り2の種類によって、その形状は一定していないことが多いが、このように、凹部X内に保持させることにより、自立性が乏しくても妄動を抑制しつつ、確実に収容保持することができる。そしてさらに、間隙Zにパチンコ機用センター飾り2の突起状部位Bを差し込むと共に凹所Aを頂部Yにより支持させることにより、様々なパチンコ機用センター飾り2やその他の被梱包物を収容保持することが可能となる。
また、本例では、凹部Xはその下端部分の左右方向の間隔が13cmとされており、通常のパチンコ遊技機のセンター飾り2が底片30にまでは当接せず支持部片40の本体部42と支持部片50の本体部52の傾斜面によって支持可能な間隔に設けられている。また、本例では、凹部Xの上端部分の間隔が30cmとされており、通常のパチンコ遊技機のセンター飾り2が凹部内に収容可能な広さに設けられている。よって、通常のパチンコ遊技機のセンター飾り2であれば、凹部X内において両支持部材90,92によって支持されるように構成されている。
ついで、正面片10と背面片20とをそれぞれ折れ目線11cと折れ目線11dに沿って上方に折り曲げ、さらに正面片10の両側片14,15を背面片20側に折り曲げて、係合片16と係合片22とを、その舌状片17と舌状片23とを引っ掛けるようにして係合させる。このようにして、正面片10と背面片20とが固定され、図1に示されるように、上部が開口された箱状の梱包容器1が組み立てられる。このような梱包容器1に上方からパチンコ遊技機のセンター飾り2を収容して、運搬の用に供される。なお、必要に応じて、パチンコ遊技機のセンター飾り2を収容した後に保護材などを図柄表示装置2の上方に挿入しておくことは可能である。また、本梱包容器1は前述のように組み立て・展開自在に設けられているので、パチンコ遊技機のセンター飾り2を収容した後に正面片10と背面片20とを固定して梱包容器1を組み立てる順序とすることもできる。
そして、梱包容器1は紙製段ボールにより構成されているので、前述のように軽量とすることができるとともに、内部に収容されるパチンコ遊技機のセンター飾り2を適切に保護するための一定以上の強度及び耐衝撃性も備える。
本考案は前述の例に限られず、本考案の趣旨の範囲内で適宜の変更が可能である。例えば支持部材90と支持部材92の形状は正面視において他の形状となる三角形状に適宜変更することも可能である。また、切り込み32a,32bの位置を変更して凹部X下端の支持部材90,92間の間隔を変更しても良い。これらの変更により凹部Xの形状を適宜変更することができる。また、重量が嵩まない被梱包物の場合には、嵌合片70a〜70dや当接片78,86を省略することも可能である。また、紙製段ボール以外の他の材質の段ボールとすることも可能である。例えばプラスチック製の段ボールを用いることにより、重量は紙製のものよりも嵩むことになるが、強度をより向上させることができる。この場合においても、予め組み立てられた状態の木製などの梱包容器よりは軽量とすることができ、展開可能な点で未梱包時の減容性には優れる。
例えば、図6及び図7に示す別の梱包容器94のように、支持部片50等を変更して、支持部材90と支持部材92とが左右対称となるように構成しても良い。この梱包容器94では、支持部材90と支持部材92とがそれぞれ側片15、側片14と底片30に沿うような正面視形状に構成されている。前述したパチンコ遊技機のセンター飾り2の凹所Aを備えないような被梱包物の場合には、このような梱包容器94を用いても良い。また、図6及び図7に示す梱包容器94とは逆に、支持部材90と支持部材92共に、側片15,側片14との間に間隙Zを設けるような正面視形状としても良い。このような梱包容器では左右両側に凹所を備えた被梱包物の梱包に好適である。
本考案はガラス板、回路基盤、自転車のホイール、電子機器のディスプレイパネル、パチンコ遊技機のセンター飾り、陶磁器製の皿類など多様な物品の梱包容器として広く用いることができ、特にパチンコ遊技機のセンター飾りの梱包容器として好適である。
1;梱包容器、2;パチンコ遊技機のセンター飾り、10;正面片、11a〜j;折れ目線、12a,b;取っ手、14;側片、15;側片、16;係合片、17;舌状片、20;背面片、22;係合片、23;舌状片、30;底片、32a,32b;切り込み、40;支持部片、42;本体部、50;支持部片、60a,60b;差し込み片、62;舌状片、70a〜d;嵌合片、72;第一片、74;第二辺、76;第三辺、78;当接片、80;第一片、82;第二辺、84;第三辺、86;当接片、90;支持部材、92;支持部材、A;凹所、B;突起状部位B、X;凹部、Y;頂部、Z;間隙。
Claims (7)
- 正面片10と、背面片20と、
前記正面片10または前記背面片20のいずれかの左右側部に設けられた二つの側片14,15と、前記正面片10の基端部と前記背面片20の基端部との間に連設される底片30が備えられ、
前記正面片10と前記背面片20とが対向するように側片14,15を介して容器状に組み立て及び展開可能に設けられるとともに、前記底片30に一対の切り込み32a、32bが設けられ、
前記底片30の両側にそれぞれ設けられた一対の支持部片40,50が備えられ、
前記支持部片40,50は、平面視略矩形状に形成されるとともに、略矩形状の本体部42,52の二つがそれぞれ前記底片30側に備えられ、
前記支持部片40,50の先端には前記底片30の切り込み32a,32bに差し込み係合可能な差し込み片60a,60bが備えられ、
前記支持部片40,50と前記底片30との間には折れ目線11e,11hが形成され、
前記本体部42,52の中央付近には前記折れ目線11e,11hと平行に折れ目線11f,11iが形成され、
該二つの支持部片40,50は、正面視において、前記底片30に沿って底辺を構成するとともに、二つの支持部片40,50の向き合う両辺が正面視において上方が幅広となるように傾斜面とされた三角形状に組み立て可能、かつ組み立てられた状態を保持可能に設けられたことを特徴とする段ボール製の梱包容器。 - また、本考案の第二の手段は、前記支持部片40,50により組み立てられる二つの支持部材90,92のうちいずれかの上部頂部Yと、該頂部Yと隣り合う前記側片14又は側片15のいずれかとの間に間隙Zが設けられるように形成されたことを特徴とする梱包容器。
- 前記支持部片40,50の前記本体部42,52の側部に、前記支持部片40,50を三角形状に組み立てた状態において、前記支持部片40,50の前記本体部42,52及び前記底片30間に嵌合可能な嵌合片70a〜70dが連設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の梱包容器。
- 前記嵌合片70a〜dの側部に、折れ目線11g,11jを介して、前記底片30に沿って当接可能な当接片78,86を連設したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の梱包容器
- 前記正面片10、背面片20又は側片14,15に、前記正面片10と前記背面片20とを係合する係合片16,22が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の梱包容器。
- 組み立てた状態の前記正面片10及び前記背面片20の上部に、取っ手12a,12bを設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包容器。
- 前記梱包容器1は紙製段ボールから構成されたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の梱包容器。
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JP2012171638A (ja) * | 2011-02-18 | 2012-09-10 | Sogo Insatsu Shiki Kk | 商品包装体 |
JP2017149444A (ja) * | 2016-02-23 | 2017-08-31 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 集合包装用箱 |
CN109298762A (zh) * | 2018-10-24 | 2019-02-01 | Oppo广东移动通信有限公司 | 电子装置、显示屏组件、显示面板以及热源温度检测方法 |
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- 2010-03-27 JP JP2010002013U patent/JP3162704U/ja not_active Expired - Fee Related
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