JP3167830B2 - プレス機械 - Google Patents

プレス機械

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JP3167830B2
JP3167830B2 JP13321793A JP13321793A JP3167830B2 JP 3167830 B2 JP3167830 B2 JP 3167830B2 JP 13321793 A JP13321793 A JP 13321793A JP 13321793 A JP13321793 A JP 13321793A JP 3167830 B2 JP3167830 B2 JP 3167830B2
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守且 松田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、方向性(回転させるこ
とにより種々の加工形態を採ることができるという特
性)を有する回転金型を備えたプレス機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なプレス機械について簡単に説明
すると、フレームには金型ヘッドが設けてあり、この金
型ヘッドには方向性を有する回転金型が着脱交換可能に
設けてある。上記回転金型は、回転金型に一体的に備え
た従動歯車と、金型ヘッドにこの従動歯車に噛合して設
けた駆動歯車等の作用により、所定の回転位置に回転位
置決めされるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のごとき
従来のプレス機械においては、金型ヘッドは1つの回転
金型を備えるのみであるため、方向性を有する回転金型
を回転させて種々の加工形態を採ることができると言え
ども、回転金型の交換を頻繁に行う必要があり、一連の
プレス加工作業(回転金型の交換作業等も含む)が煩雑
化するという問題がある。
【0004】そこで、本発明は、上記の問題点を解決す
ることができるプレス機械を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述のごとき従来の問題
点を解決するため、本発明においては、フレームに金型
ヘッドを設け、この金型ヘッドにツールホルダを着脱交
換可能に設け、このツールホルダに従動歯車を一体的に
備えた複数の回転金型をそれぞれ回転自在に設け、所定
の回転金型を公転させて金型回転領域に割出すため、上
記ツールホルダを回転可能に構成すると共に、複数の回
転金型をそれぞれツールホルダの回転中心に対して偏心
して構成し、上記所定の回転金型を回転させるため、前
記金型ヘッドに所定の回転金型における従動歯車に噛合
可能な駆動歯車を設けると共に、この駆動歯車を制御モ
ータに連動連結し、この駆動歯車にツールホルダ、従動
歯車との干渉を回避する干渉回避部を切欠いて構成し、
この干渉回避部を前記金型回転領域に対して進退可能に
構成してなることを特徴とする。
【0006】
【作用】前記の構成において、駆動歯車における干渉回
避部を金型回転領域に対して進入せしめる。ツールホル
ダを回転させて複数の回転金型を公転させることによ
り、所定の回転金型を金型回転領域に割出す。このと
き、干渉回避部が金型回転領域に位置しているため、駆
動歯車は従動歯車,ツールホルダと干渉したりすること
はない。
【0007】所定の回転金型を金型回転領域に割出した
後に、駆動歯車における干渉回避部を金型回転領域に対
して退出せしめることにより、駆動歯車を所定の従動歯
車に噛合せしめることができる。そして、制御モータを
駆動制御して駆動歯車を回転させることにより、所定の
回転金型を所定の従動歯車と一体的に回転させて、所定
の回転位置に回転位置決めすることができる。
【0008】所定の回転金型を所定の回転位置に回転位
置決めした後に、又は回転位置決めする前に、ワークを
金型ヘッドに対して相対的に移動位置決めする。そし
て、上下の所定の回転金型を協働させることにより、ワ
ークに対して所望のプレス加工を行うことができる。
【0009】複数の回転金型のうち他の所定の回転金型
によりプレス加工を行う場合には、上述同様の作用によ
り、他の所定の回転金型を公転させて金型回転領域に割
出して、所定の回転位置に回転位置決めする。
【0010】また、回転金型の交換を行う場合には、駆
動歯車における干渉回避部を金型回転領域に対して退出
せしめる。そして、複数の回転金型を備えたツールホル
ダを金型ヘッドから離脱せしめて、複数の新たな回転金
型を備えたツールホルダを金型ヘッドに装着せしめる。
このとき、ツールホルダ,従動歯車と駆動歯車の間にに
干渉したりすることがない。
【0011】
【実施例】以下、本実施例に係る発明について図面に基
づいて説明する。
【0012】図3、図4、図6を参照するに、プレス機
械1は、下部フレーム3と、この下部フレーム3に上下
に対向した上部フレーム5を備えており、下部フレーム
3と上部フレーム5は適宜の支柱7により一体的に構成
してある。
【0013】上記上部フレーム5における下部適宜位置
には一対のガイド部材9aが左右方向(図3,図4にお
いて左右方向、図6において紙面に向って裏表方向)へ
延伸して設けてあり、一対のガイド部材9aには方向性
を有する複数の上部回転金型11を備えた上部金型ヘッ
ド13が左右方向へ移動自在に設けてある。上記上部金
型ヘッド13を左右方向へ移動させるために、上部フレ
ーム5の下部適宜位置には左右方向へ延伸した上部金型
ヘッド用ボールねじ15aが軸受17aを介して設けて
あり、上部金型ヘッド13がこのボールねじ15aに螺
合してある。このボールねじ15aは、下部フレーム3
の左側にサーボモータ19に連動連結してある。
【0014】上記上部フレーム5における上部適宜位置
には一対のガイド部材21aが左右方向へ延伸して設け
てあり、一対のガイド部材21aには上部回転金型11
を昇降させる上部昇降シリンダ23を備えた上部シリン
ダヘッド25が左右方向へ移動自在に設けてある。上記
上部シリンダヘッド25を左右方向へ移動させるため
に、上部フレーム5の上部適宜位置には左右方向へ延伸
した上部シリンダヘッド用ボールねじ27aが軸受29
aを介して設けてあり、上部シリンダヘッド23がこの
ボールねじ27aに螺合してある。このボールねじ27
aは、上部フレーム5の右側に設けたサーボモータ31
に連動連結してある。
【0015】ここで、上部シリンダヘッド25は上部フ
レーム5の上部に左右方向へ延伸して設けた開口部33
aに位置している。また、上部昇降シリンダ23におけ
るピストンロッド35の下端にはスラトイカー37が設
けてある。更に、上部シリンダヘッド25は、上部昇降
シリンダ23の他に、油圧の作用により昇降する昇降ス
リーブ39を備えている。
【0016】前記下部フレーム3の上部適宜位置には下
部回転金型41を備えた下部金型ヘッド43が左右方向
へ移動可能に設けてあり、下部フレーム3の下部適宜位
置には下部回転金型41を昇降させる下部昇降シリンダ
45を備えた下部シリンダヘッド47が左右方向へ移動
可能に設けてある。上記下部金型ヘッド43、下部シリ
ンダヘッド47等の構成は、上部金型ヘッド13、上部
シリンダヘッド25等の構成とほぼ同じであり、下部金
型ヘッド43、下部シリンダヘッド47等の構成の詳細
については省略し、下部金型ヘッド43、下部シリンダ
ヘッド47等における各構成要素については、図面中に
上部金型ヘッド13、上部シリンダヘッド25等におけ
る各構成要素と同一番号b符号を付する。
【0017】なお、図4に示すように、ボールねじ15
a,15bを同期して回転させるために、ボールねじ1
5a,15bはプーリ49,51タイミングベルト53
により連動連結してあり、同様にボールねじ27a,2
7bを同期して回転させるために、ボールねじ27a,
27bはプーリ55,57,タイミングベルト59によ
り連動連結してある。
【0018】プレス機械1は、上部金型ヘッド13と下
部金型ヘッド43の間において板状のワークWを支持す
るワークテーブル装置61を備えている。
【0019】より詳細には、下部フレーム3の適宜位置
にはテーブルフレーム63が設けてあり、このテーブル
フレーム63における前部(図3において下部、図4に
おいて紙面に向って表部、図6において左部)と後部に
はフロントテーブル65とリアテーブル67がそれぞれ
設けてある。フロントテーブル65,リアテーブル67
は前後方向へ延伸した支持ベルト69,71をそれぞれ
多数備えており、多数の支持ベルト69,71は金型ヘ
ッド13,43の左右方向の移動を妨げないように構成
してある。
【0020】上記テーブル63の右側上部には前後方向
へ延伸したキャレッジベース73が設けてあり、このキ
ャレッジベース73にはキャレッジ75が図示省略のサ
ーボモータ,ボールねじ等の作用により前後方向へ移動
可能に設けてある。上記キャレッジ75はワークWの右
端部を把持する複数のクランプ装置77を備えている。
【0021】上記構成により、サーボモータ19を適宜
に駆動制御してボールねじ15a,15bを同期して同
方向へ回転駆動させることにより、上部金型ヘッド1
3,下部金型ヘッド43を左右方向(水平方向)へ移動
させる。また、サーボモータ31を適宜に駆動制御して
ボールねじ27a,27bを同期して同方向へ回転駆動
させることにより、上部シリンダヘッド25,下部シリ
ンダヘッド47を左右方向へ移動させる。更に、クラン
プ装置77により板状のワークWを把持した状態の下
で、キャレッジ75を前後方向へ適宜に移動させる。以
上により、ワークWを金型ヘッド13,43に対して相
対的に前後方向,左右方向の移動位置決めを行うことが
できる。
【0022】ワークWの移動位置決めを行った後に、上
部昇降シリンダ23の作動により上部回転金型(この場
合上部回転金型のパンチ)11を下降させると共に、下
部昇降シリンダ45の作動により下部回転金型41を上
昇させる。これによってワーークWに対して所望のプレ
ス加工(成形加工、打抜き加工等)を行うことができ
る。
【0023】複数の上部回転金型11のうち所定の上部
回転金型11を金型回転領域(上部回転金型11の回転
位置決めを行う領域)に割出して、加工形態に対応して
所定角度だけ回転できるように構成してある。
【0024】詳細には、図1,図2,図5を参照する
に、上部金型ヘッド13におけるヘッドベース79内に
は回転スリーブ81がベアリング83を介して回転自在
に設けてあり、この回転スリーブ81にはウォームホイ
ール85が一体的に設けてある。上記上部金型ヘッド1
3の後部(図1,図2において右部、図5において紙面
に向って裏部)適宜位置にはウォームホイール85に噛
合したウォームギア87が設けてあり、このウォームギ
ア87は左右方向(図1において紙面に向って裏表方
向、図2において上下方向、図5において左右方向)へ
延伸したポールスプライン軸89にスプライン嵌合して
ある。上記ボールスプライン軸89は上部フレーム5に
軸受91を介して回転自在に設けてあると共に、上部フ
レーム5の適宜位置に設けた割出しサーボモータ93に
連動連結してある。
【0025】上記回転スリーブ81には方向性を有する
複数の上部回転金型11を保持するツールホルダ95が
昇降自在かつ着脱交換自在に設けてあり、このツールホ
ルダ95は曲り止めキー(図示省略)を介して回転スリ
ーブ81に対して回転不能に構成してある。なお、この
ツールホルダ95の上部に形成したフランジ部には周溝
97が設けてある。上記回転スリーブ81におけるツー
ルホルダ95の周縁付近には複数(図面には1つのみ図
示)のガイドボルト99が設けてあり、各ガイドボルト
99にはツールホルダ95におけるフランジ部を支持す
る支持ピース101が昇降可能に設けてある。そして、
上記ガイドボルト99における支持ピース101と回転
スリーブ81の間にはツールホルダ95を上方向へ付勢
可能なスプリング103が弾装してある。
【0026】複数の上部回転金型11はそれぞれツール
ホルダ95の回転中心に対して偏心して構成してある。
【0027】上記上部回転金型11についてより詳細に
説明すると、ツールホルダ95における回転中心に対し
て偏心した適宜位置には支持スリーブ105が回転自在
に設けてあり、この支持スリーブ105には方向性を有
するパンチ107を昇降自在に保持するパンチホルダ1
09が昇降自在に設けてある。そして、上記支持スリー
ブ105におけるフランジ部とパンチホルダ109にお
けるフランジ部の間にはパンチホルダ109を上方向へ
付勢可能なリフタスプリング111が設けてあり、パン
チ107におけるヘッド部とパンチホルダ109におけ
るフランジ部の間にはパンチ107を上方向へ付勢可能
なストリッパスプリング113が設けてある。上記上部
回転金型11における支持スリーブ105は従動平歯車
115を一体的に備えており、従動平歯車115の歯幅
は比較的大きく構成してある。
【0028】なお、適宜位置には上部回転金型11がツ
ールホルダ95に対する所定の原点回転位置に位置した
ことを検出する原点位置検出装置(図示省略)が設けて
あり、この原点位置検出装置は、例えばツールホルダ9
5に設けたリミットスイッチと、上部回転金型11に設
けたドグとからなる。
【0029】金型回転領域(図2において左側の上部回
転金型11が位置している領域)に割出した所定の上部
回転金型11を所定角度だけ回転させるため、上部金型
ヘッド13は上部金型回転装置117を備えている。
【0030】より詳細には、上部金型ヘッド13の後部
適宜位置には駆動平歯車119が回転軸121,軸受1
23を介して回転自在に設けてあり、この駆動平歯車1
19は所定の上部回転金型11に一体的に備えた従動平
歯車115に噛合可能である。
【0031】上記駆動平歯車119にはツールホルダ9
5,従動平歯車115との干渉を回避する干渉回避部1
25が切欠いて形成してあり、駆動平歯車115を回転
させることにより、干渉回避部125は金型回転領域に
対して進退することができる。
【0032】上記駆動平歯車119を回転駆動させるた
め、上部金型ヘッド13の前部には上下に延びた中間軸
127が軸受129を介して回転駆動可能に設けてあ
り、この中間軸127の下部には駆動平歯車119に噛
合した中間平歯車131が設けてある。上記中間軸12
7を回転駆動させるため、上部金型ヘッド13の前部適
宜位置にはエンコーダ133を備えたサーボモータ13
5が設けてあり、このサーボモータ135の出力軸に一
体的に設けたウォーム137が、上記中間軸127の上
部に一体的に設けたウォームホイール139に噛合して
ある。
【0033】なお、所定の上部回転金型11を割出し、
回転と同様に、複数の下部回転金型41のうち所定の下
部回転金型41を金型交換領域に割出して、加工形態に
対応して所定角度だけ回転させることができるように構
成してある。また、所定の下部回転金型41の割出し、
回転を行うための手段の構成要素については、図中に、
所定の上部回転金型11の割出し、回転を行うための手
段における対応する構成要素を同一番号を付し、詳細な
説明は省略する。ここで、所定の下部回転金型41の割
出し、回転を行うための手段におけるボールスプライン
軸89は、所定の上部回転金型11の割出し、回転を行
うための手段における前記ボールスプライン軸89にプ
ーリ141,143,タイミングベルト145を介して
連動連結してある(図5参照)。
【0034】再び図4を参照するに、上部フレーム5に
おける左部には複数の上部回転金型11を備えたツール
ホルダ95を上部金型ヘッド13に対して着脱交換を行
う公知の上部金型交換装置147aが設けてあり、同様
に下部フレーム3における左部には複数の下部回転金型
41を備えたツールホルダ95を下部金型ヘッド47に
対して着脱交換を行う公知の下部金型交換装置147b
が設けてある。なお、金型交換装置147a,147b
はツールホルダ95における周溝97を把持する把持ア
ーム(図示省略)を備えている。
【0035】前述のごとき構成に基づいて本実施例の作
用について説明する。
【0036】サーボモータ135を駆動制御して中間軸
127をウォーム137,ウォームホイール139を介
して回転駆動させると、中間平歯車131に噛合した駆
動平歯車119が回転する。これによって、駆動平歯車
119における干渉回避部125を金型回転領域に対し
て進入せしめることができる。
【0037】干渉回避部125を金型回転領域に対して
進入せしめた後に、割出しサーボモータ93の駆動制御
によりボールスプライン軸89を回転させることによ
り、ウォーム87,ウォームホイール85の作用により
回転スリーブ81を回転させることができる。これによ
って、ツールホルダ95が回転スリーブ81と一体的に
回転させる一方、複数の上部回転金型11を公転させ
て、所定の上部回転金型11を金型回転領域に割出すこ
とができる。このとき、干渉回避部125が金型回転領
域に位置しているため、駆動平歯車119は従動平歯車
115,ツールホルダ95と干渉したりすることはな
い。
【0038】所定の上部回転金型11を金型回転領域に
割出した後に、サーボモータ135を駆動制御して駆動
平歯車119を回転させて干渉回避部125を金型回転
領域に対して進入させて、駆動平歯車119を所定の従
動平歯車115に噛合せしめることができる。そして、
サーボモータ135を駆動制御して駆動平歯車115を
回転させることにより、所定の上部回転金型11を従動
平歯車115と一体的に回転させる。所定の上部回転金
型11の回転により上部回転金型11がツールホルダ9
5に対する原点回転位置に位置すると、原点位置検出装
置により所定の検出が行われる。そして、エンコーダ1
33、図示省略の制御装置等の作用により所定の上部回
転金型11を原点回転位置から例えば時計回り方向へ所
定角度だけ回転した回転位置に回転位置決めする。
【0039】上述と同様の操作を下部回転金型41等に
対して行うことにより、複数の下部回転金型41のうち
で所定の下部回転金型41を原点回転位置から時計回り
方向へ所定角度だけ回転した位置に回転位置決めする。
【0040】所定の上部回転金型11,所定の下部回転
金型41を所定の回転位置に回転位置決めした後に、又
は回転位置決めする前に、前述のごとく金型ヘッド1
3,43,シリンダヘッド25,47を左右方向へ移動
させて所定の上部回転金型11,下部回転金型41を左
右方向における所定位置に位置決めする。また、クラン
プ装置77により板状のワークWを把持した状態の下で
キャレッジ75を前後方向へ移動位置決めして、ワーク
Wを前後方向の所定位置に移動位置決めする。これによ
って、ワークWを金型ヘッド13,43に対して相対的
に前後方向,左右方向へ移動位置決めすることができ
る。
【0041】そして、下部昇降シリンダ45の作動によ
り下部回転金型41を上昇させると共に、上部昇降シリ
ンダ23の作動によりストライカー37を下降させて、
所定の上部回転金型11におけるパンチ107をツール
ホルダ95に対して下降させる。これによって、ワーク
Wに対して所望のプレス加工(成型加工、打抜き加工
等)を行うことができる。ここで、パンチ107をツー
ルホルダ95に対して下降させる前に、昇降スリーブ3
9を下降させてツールホルダ95をスプリング103の
付勢力に抗して下降せしめることにより、予め上部回転
金型11を一体的に下降させて所定の高さ位置に位置せ
しめておくこともできる。
【0042】複数の回転金型11,41のうち他の所定
の回転金型11,41によりプレス加工を行う場合に
は、上述と同様の作用により、他の所定の回転金型1
1,41を公転させて金型回転領域に割出して、所定の
回転位置に回転位置決めする。
【0043】回転金型11,41の交換を行う場合に
は、まず、サーボモータ19を駆動制御して金型ヘッド
13,43を左方向へ移動させて、金型交換位置147
a,147bに対応する位置に位置せしめる。また、サ
ーボモータ135を駆動制御して駆動平歯車119を回
転させて、駆動平歯車115における干渉回避部125
を金型回転領域に対して退出せしめる。そして、上部金
型交換装置147a,下部金型交換装置147bを適宜
に操作することにより、複数の上部回転金型11(下部
回転金型41)を備えたツールホルダ95を上部金型ヘ
ッド13(下部金型ヘッド43)から離脱せしめて、複
数の新たな上部回転金型11(下部回転金型41)を備
えたツールホルダ95を上部金型ヘッド13(下部金型
ヘッド43)に装着せしめる。このとき、ツールホルダ
95,従動平歯車115が駆動平歯車119に干渉した
りすることはない。
【0044】以上のごとき本実施例によれば、金型ヘッ
ド13,43に備えた複数の回転金型11,41のうち
所定の回転金型11,41を金型回転領域に割出し、所
定の回転金型11,41を所定の回転位置に回転位置決
めして、プレス加工を行っているため、回転金型11,
41の交換を頻繁に行う必要がなく、作業能率向上の効
果を奏する。
【0045】また、所定の回転金型11,41を金型回
転領域に割出すとき、及びツールホルダ95を金型ヘッ
ド13,43に対して着脱交換せしめて回転金型11,
41の交換を行うときに、駆動平歯車119における干
渉回避部125が予め金型回転領域に進入しているた
め、従動平歯車115,ツールホルダ95と駆動平歯車
119の間に干渉したりすることがなく、回転金型1
1,41の割出し作業、回転金型11,41の交換作業
を容易かつ適切に行うことができるものである。
【0046】次に、図7,図8を参照して第2実施例に
ついて説明する。第2実施例においては、第1実施例に
おける上部金型回転装置117と異なる構成の上部金型
回転装置149を用いている。
【0047】上記上部金型回転装置149の詳細につい
て説明すると、ヘッドベース79の後部適宜位置にはト
ンネル150が左右方向へ延伸して設けてあり、このト
ンネル150には駆動丸ラック151が適宜のガイド部
材(図示省略)を介して左右方向(図7において紙面に
向って裏表方向、図8において上下方向)へ移動自在か
つ回転自在に支持されている。この駆動丸ラック151
は、金型交換領域(図8において左側の上部回転金型1
1が位置している領域)に割出した所定の上部回転金型
11に一体的に備えた従動平歯車115に噛合可能であ
る。上記駆動丸ラック151にはツールホルダ95,従
動平歯車115との干渉を回避する干渉回避部153が
切欠いて形成してあり、駆動丸ラック151を回転させ
ることにより干渉回避部153は金型回転領域に対して
進退することができる。
【0048】上記駆動丸ラック151を左右方向へ移動
させるため、ヘッドベース79の適宜位置には駆動丸ラ
ック151に噛合した中間平歯車155が設けてあり、
この中間平歯車155は、エンコーダ157を備えたサ
ーボモータ159にウォーム161,ウォームホイール
163、ベルト(図示省略)を介して連動連結してあ
る。なお、駆動丸ラック151を回転不能状態の下で左
右方向へ移動させるため、駆動丸ラック151には左右
方向へ延伸したキー溝165が設けてあり、トンネルト
150の左部適宜位置にはこのキー溝165が係合可能
なガイドキー167が設けてある。
【0049】上記駆動丸ラック151を回転させるた
め、駆動丸ラック151の先端部にはピニオン169が
一体的に設けてあり、このピニオン169に噛合可能な
ラック部材171が、ヘッドベース79の適宜位置に設
けた支持溝173に前後方向(図7,図8において左右
方向)へ移動自在に支持されている。このラック部材1
71は、ヘッドベース79の前側左部に設けたエアシリ
ンダ175の作動により前後方向へ移動する。
【0050】上記構成により、エアシリンダ175の作
動によりラック部材171を前後方向へ移動させること
により、駆動丸ラック151をピニオン169と一体的
に回転させて、干渉回避部153を金型回転領域に対し
て進退せしめるができる。そして、上部回転金型11の
交換作業を行うとき、又はツールホルダ95を回転させ
て上部回転金型11の割出し作業を行うときには、駆動
丸ラック151を回転させて干渉回避部153を金型回
転領域に対して進入せしめる。また、金型回転領域に割
出した所定の上部回転金型11の回転位置決め作業を行
うときには、駆動丸ラック151を回転させて干渉回避
部153を金型回転領域に対して退出せしめて、駆動丸
ラック151を所定の上部回転金型11における従動平
歯車115に噛合せしめる。
【0051】上述のごとく、第2実施例においても、第
1実施例と同様の作用、効果を奏する。
【0052】なお、本発明は、前述のごとき実施例の説
明に限るものではなく、適宜の変更を行うことによりそ
の他の種々の態様で実施可能である。
【0053】
【発明の効果】以上のごとき実施例の説明により、理解
されるように、本発明によれば、金型ヘッドに備えた複
数の回転金型のうち所定の回転金型を金型回転領域に割
出し、この所定の回転金型を回転位置決めして、プレス
加工を行っているため、回転金型の交換を頻繁に行う必
要がなく、作業能率向上の効果を奏する。
【0054】また、ツールホルダを金型ヘッドに対して
着脱交換せしめて回転金型の交換を行うときに、駆動歯
車における干渉回避部が予め金型回転領域に進入してい
るため、従動歯車、ツールホルダと駆動歯車の間に干渉
したりすることがなく、回転金型の割出し作業、回転金
型の交換作業を適切かつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図6における矢示部Iの拡大図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った概略図である。
【図3】プレス機械の平面図である。
【図4】プレス機械の正面図であり、ボールスプライン
軸を省略したものである。
【図5】プレス機械の正面図であり、ボールねじを省略
したものである。
【図6】図4におけるVI−VI線に沿った図である。
【図7】第2実施例の上部金型ヘッド断面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線に沿った図である。
【符号の説明】
1 プレス機械 5 上部フレーム 11 上部回転金型 13 上部金型ヘッド 95 ツールホルダ 115 従動平歯車 119 駆動平歯車 125 干渉回避部 135 サーボモータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B30B 15/02 B21D 28/02 B21D 28/34 B21D 37/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームに金型ヘッドを設け、この金型
    ヘッドにツールホルダを着脱交換可能に設け、このツー
    ルホルダに従動歯車を一体的に備えた複数の回転金型を
    それぞれ回転自在に設け、所定の回転金型を公転させて
    金型回転領域に割出すため、上記ツールホルダを回転可
    能に構成すると共に、複数の回転金型をそれぞれツール
    ホルダの回転中心に対して偏心して構成し、上記所定の
    回転金型を回転させるため、前記金型ヘッドに所定の回
    転金型における従動歯車に噛合可能な駆動歯車を設ける
    と共に、この駆動歯車を制御モータに連動連結し、この
    駆動歯車にツールホルダ、従動歯車との干渉を回避する
    干渉回避部を切欠いて構成し、この干渉回避部を前記金
    型回転領域に対して進退可能に構成してなることを特徴
    とするプレス機械。
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